JP3806068B2 - 組立楽器 - Google Patents

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    • G10D13/01General design of percussion musical instruments
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、学校教育用の教材としての組立楽器に関し、特に小範囲の音域を奏でる小型の楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から使用されている学校教育用の教材としての組立楽器は、見栄えは楽器であるが、本格的に音を奏でられる物が存在しなかった。
【0003】
例えば、組立楽器の一例として琴がある。この琴は、木製の共鳴箱に弦を張っただけのものであった。また、共鳴箱は板を張り合わせただけのものであった。
【0004】
また、通常のギターや琴等は、音響孔を有する共鳴体を備え、振動体を弾くことにより発生する振動を共鳴体全体に伝達させ、共鳴体内部の空気を振動させて音を発生させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の組立楽器においては、音階を調整できず、響かない音しか発音出来ないため実際に演奏することができないという問題点がある。
【0006】
また、音色もただ音が鳴るだけであって本格的な音色を奏でられる楽器は存在しなかった。
【0007】
また、音色に大きな影響を与える共鳴箱も単なる箱状のものであるため、音質が悪いという問題点がある。
【0008】
また、学校教育材用に使用するためには、小型でローコストであることが不可欠である。
【0009】
そこで本発明は、形状が小さくても本格的な音を発生できる学校教育用の組立楽器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0011】
本発明の学校教育用の組立楽器(100)は、音響孔(11a)を有する共鳴体(10)と、前記共鳴体の内部及び外部に設けられた振動伝達手段(20)と、前記外部の振動伝達手段と接するように設けられた振動体(30)と、前記振動体を振動伝達手段に押しつけて支持するための支持手段(40)と、を備え、前記共鳴体が板材を積み重ねた円形の輪状であって、板材の面方向に対し縦方向にカットされたものであることを特徴とする。
【0012】
この学校教育用の組立楽器によれば、振動体の振動によって、伝達される振動波が振動伝達手段を介して効率よく共鳴体の外部と内部に伝達されるので、この結果、共鳴体内における振動波の振幅量も大きくなり、音響孔から効率の良い音量を発音させることができる。そのため、小型であっても響きのある音を発音させることができる。また、板材に反りがおこらないため、安定した音を発音でき音質を高めることができる。
【0013】
また、前記振動体の位置を調整するための調整手段(40a)を備えていることを特徴とする。
【0014】
このようにすれば、容易に調律することができる。
【0015】
また、前記共鳴体が円筒形状であることを特徴とする。
【0016】
このようにすれば、共鳴体内で発生する振動波やこの振動波が内壁等に反射して発生する反射波が干渉し合うのを最小限に抑止することができる。具体的には、振動波や反射波の振幅量が逓減して、振動波や反射波が急速に減衰するのを防止することができるため、共鳴体の内部で振動波や反射波をより共鳴(増幅)させ、大きな音を発音させることができる。
【0017】
また、前記共鳴体の内部に設けられている振動伝達手段が円柱形状であることを特徴とする。
【0018】
このようにすれば、振動体から発生する振動をピンの表面全体から周囲(共鳴体の内部)へ放射状に振動を伝達できるので、振動波と反射波とが干渉し減衰するのを抑止できる。そのため、音の増幅効果が逓減するおそれもない。
【0019】
また、本発明の学校教育用の組立楽器(200)は、音響孔(61a)を有する共鳴体(60)と、前記共鳴体の上部に設けられた振動伝達手段(70)と、前記振動伝達手段と接するように設けられた振動体(80)と、前記振動体を張設するとともに演奏前に振動体の張りを調整するための第1の調整手段を有する張設手段(90)と、を備える音響孔を有する楽器であって、演奏中に前記振動体の張りを調整する第2の調整手段を備え、前記共鳴体が板材を積み重ねた台形の輪状であって、板材の面方向に対し縦方向にカットされたものであることを特徴とする
【0020】
この学校教育用の組立楽器によれば、演奏中であっても、第2の調整手段により容易に音階を調整できる。また、板材に反りがおこらないため、安定した音を発音でき音質を高めることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明である音響孔を有する組立楽器に係る各実施の形態について詳細に説明する。
【0024】
―第1の実施形態―
以下、図1〜図8を参照して、本発明に係る学校教育用の組立楽器の第1の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は第1の実施形態の組立楽器の斜視図、図2は組立楽器の正面図、図3は組立楽器の平面図、図4は図3のI−I断面図、図5は組立楽器の背面図、図6は組立楽器の底面図、図7は組立楽器の右側面図、図8は組立楽器の左側面図である。また、後述する組立楽器の説明において、図3の上下方向における下方向を前方方向、上方向を後方方向、手前方向を上方向とする。
【0026】
この組立楽器100は、共鳴体10と、その共鳴体10の内部及び上部に設けられた振動伝達手段20(21〜23)と、前記振動伝達手段20と接するように設けられた振動体30、30、・・・と、振動体30を振動伝達手段20に押しつけて支持するための支持手段と、を備える。
【0027】
共鳴体10は、円形状の天板11と底板12と、中空円筒状の胴体13と、から構成され、底板12の上部に胴体13を備え、胴体13の上部に天板11を備える。また、天板11と胴体13の所定部には音を外部に放出するための複数の音響孔11a、11a・・・11a、13a、13aを備える。なお、本実施形態では、胴体13の両側部に音響孔13aを備えているが、この音響孔13aは底板12の所定部に備えられていてもよい。更に具体的には、音響孔13aは天板11の前方に設けられた2つの音響孔11a、11aの下方に位置するように設けられるとよい。また天板11の所定部には、後述する振動伝達手段20としてのピン23を嵌合するための孔11b、11bを備える。また、胴体13は、板材13b(ラワン板)を積み重ねた(ベニヤ合板・積層板(厚さ21mm以上))円形の輪状であって、板材13bの面方向に対し垂直方向にカットして使用する。このような胴体13は、板材13bに反りがおこらないため、安定した音を発音できるとともに音質を高められる。
【0028】
振動伝達手段20は、背もたれ21と、駒22と、円柱形状のピン23と、を備える。図3において、背もたれ21は天板11の後方に横方向に延びるように基材の面を上方向に向けて設けられる。図4において、駒22は背もたれ21とほぼ平行に天板11の前方(図上では中央近傍)に基材の面を前方方向に向けて設けられる。また、駒22は、両端近傍をU字釘25、25により固定される。また、ピン23は、図4に示すように、共鳴体10を構成する天板11と嵌合し、天板11の所定部から下方に設けられる。また、ピン23の先端は底板12に接している。このピン23の先端は、自由端であってもよい。また、ピン23の他端は、駒22と接している。
【0029】
また、好ましくは、駒22は真鍮板を使用し、背もたれ21は木材(シナ材)を使用し、ピン23は金属棒を使用する。ピンや駒22に金属を使用したのは、振動波の伝達性を良くするためのものである。
【0030】
振動体30は、好ましくは、ピアノ線を使用する。
【0031】
また、振動体30は、背もたれ21を基点とし、先端が共鳴体10の外周に沿って所定の間隔を設けて扇状に複数設けられる。
【0032】
支持手段は、例えば、押さえ板40である。押さえ板40は、矩形状の金属板である。押さえ板40は、調整ネジ40aにより、振動体30の上部から振動体30を背もたれ21と駒22とで挟むように所定の押圧力で押圧して振動体30を支持する。また、調整ネジ40aは天板11に螺合される。
【0033】
また、調整ネジ40aは押さえ板40を振動体30の上部から押圧して固定するだけではなく、振動体30の振動帯域を調整するための調整手段としても機能する。具体的には、調整ネジ40aを緩め、振動体30を前後方向に移動することにより振動体30から発生する振動波の帯域を変えることができる(音階を調整できる)。
【0034】
ここで組立楽器の動作形態について詳細に説明する。
【0035】
振動体30に接触すると、振動体30はその接触方向に振動し、その振動によって生じた振動波が駒22及び背もたれ21を介して共鳴体10の外部に伝達される。また、振動波は駒22及びピン23を介して共鳴体10の内部に伝達される。このピン23から発生する振動に加え、外部からの振動および、上記振動の反射等により振動が増幅され、共鳴体10の内部の空気がより強く振動され、音響孔11a、11aから増幅された振動波が音として外方に発音される。
【0036】
また、ピン23が円柱形状であるとともに、共鳴体10が円筒形状であるので、発生する振動波や反射波が干渉し合うのを防止することができる。更に具体的には、振動波や反射波の振幅量が逓減して、振動波や反射波が急速に減衰するのを防止することができるので、共鳴体10の内部で振動波や反射波をより共鳴(増幅)させ、響きの良い音を発音できる。
【0037】
次に、本発明の組立楽器の製作工程について詳細に説明する。
【0038】
組立楽器の製作工程は、共鳴体の製作工程と、振動伝達手段の設置工程と、振動体の設置工程と、から構成される。
【0039】
共鳴体の製作工程として、ステップS1では、天板11、底板12、胴体13に中心線を引く。中心線は、天板11と底板12の音響孔11a、11aを前方にして中心線を引く。胴体も同様に中心線を引く。
【0040】
次に、ステップS2では、各中心線を合わせて、底板12、胴体13、天板11の順に積層して接着する。接着は例えば木工用ボンドで行う。
【0041】
次に、ステップS3では、天板11と底板12の外周を削り、滑らかにする(面取りする)。
【0042】
次に、振動伝達手段の設置工程として、ステップS5では、中心線方向に対し直交する方向所定位置の天板11に孔11b、11bを開ける。
【0043】
次に、ステップS6では、その孔11bから下方向、且つ、共鳴体10の内部にピン23を打ち込む。
【0044】
次に、ステップS7では、背もたれ21を天板11の後方に接着する。
【0045】
次に、ステップS8では、駒22をピン23の端部と接する位置に設け、U字釘25で固定する。その際、好ましくは、駒22は、中央部を天板後方に向けて湾曲させるとともに、両端を後方に向けて曲げた状態でU字釘25により天板上に固定するとよい。
【0046】
次に、振動体の設置工程として、ステップS10では、背もたれ21と駒22との上部に振動体30を設ける。振動体30は、背もたれ近傍を基点として共鳴体10の外周方向に向かって、振動体30の先端が外周面に沿って配置されるように、扇状に備える。
【0047】
次に、ステップS11では、背もたれ21と駒22との間に、前記背もたれ21と駒22とほぼ平行状態にあって、振動体30の上部から押さえ板40をのせる。また、押さえ板40は、調整ネジ40a、40aにより固定する。また、調整ネジ40aは、調整ネジ40aと調整ネジ40との間に3本ずつ振動体30が入るように所定間隔に備えられる。
【0048】
最後に、調整ネジ40aを緩め、振動体30を前後に移動しながら調律し、終了する。
【0049】
最後に本発明の組立楽器の使用方法について詳細に説明する。
【0050】
まず、底板12の音響孔12aを指で開放したり閉じたりできるようにして共鳴体10の前方を両手で持ち、親指で振動体30を弾いたり、なぞったりして使用する。また、底板12の音響孔12aを指で開閉する。これにより効果音が発生されるので、好みの音を発生させることができる。
【0051】
以上によって、第1の実施形態における組立楽器100は、共鳴体10の内部に振動体伝達手段20としての円柱形状のピン23が設けられているため、振動体の振動によって、伝達される振動波がこのピン23を介して効率よく共鳴体10の外部と内部に伝達されるので、この結果、共鳴体内における振動波の振幅量も大きくなり、音響孔11aから大きな音を発音させることができる。これにより、組立楽器100を小型にすることができる。また、振動体30をピアノ線の丸棒にすることにより、ハープやオルゴールのような音色を発生することができる。また、丸棒の振動体にすることによりグリッサンド等もできる。
【0052】
以上、本発明の組立楽器の第1実施例を示したが、この実施形態に限定されず、種々の形態により実施できる。例えば、上記駒22、背もたれ21、ピン23等の材料は、金属製でもよいし、すべて木製であってもよい。また、振動体30は、円柱形状で金属製の丸棒を使用してもよい。また、振動伝達手段20としての駒22とピン23とは連接され一つの部材としてもよい。
【0053】
―第2の実施形態―
以下、図9〜図18を参照して、本発明に係る音響孔を有する組立楽器の第2の実施形態について詳細に説明する。
【0054】
図9は第2の実施形態の組立楽器の斜視図、図10は組立楽器の正面図、図11は組立楽器の平面図、図12は図11のII−II断面図、図13は図11のIII部拡大図、図14は組立楽器の背面図、図15は組立楽器の底面図、図16は組立楽器の右側面図、図17は図16のIV部拡大図、図18は組立楽器の左側面図である。また、説明しやすいように、図9において、手前側を前方方向、奥側を後方向として説明する。
【0055】
この組立楽器200は、共鳴体60と、その共鳴体60の上部に設けられた振動伝達手段70と、前記振動伝達手段70と接するように設けられた振動体80、80、・・・と、前記振動体80を張設するとともに演奏前に振動体80の張りを調整するための第1の調整手段を有する張設手段90と、演奏中に振動体80の張りを調整する第2の調整手段と、を備える。
【0056】
共鳴体60は、台形形状の天板61と底板62と、中空台形状の胴体63と、から構成され、底板62の上部に胴体63を設け、胴体63の上部に天板61を備える。また、天板61の所定部には音を外部に放出するための音響孔61aを備える。また、胴体63は、板材63a(ラワン板)を積み重ねた(ベニヤ合板・積層板(厚さ21mm以上))台形の輪状であって、板材の面方向に対し垂直方向にカットして使用する。このような胴体63は、板材63aに反りがおこらないため、安定した音を発音でき音質を高めることができる。
【0057】
振動伝達手段70は、駒71、72と、円柱形状の金属棒73、74と、を備える。図12において、駒71、72は、天板11の両側方外周と平行に天板内側に天板11の前方から後方に向かって設けられる。金属棒73、74は天板11の前方から後方に向かって駒71、72の上部に設けられる。また、好ましくは、駒71、72は木材(白ラワン材)を使用する。
【0058】
また、図9に示すように一方の駒71の所定部には、曲面75を備える。この曲面75は、演奏中に振動体80の張りを調整する第2の調整手段として機能する。具体的には、演奏中に半音上げたい場合等において、駒71と駒72との間に張設されている振動体80をこの曲面上で指により押圧し、振動体80の張りを変化させることにより、音階を調整できる。
【0059】
振動体80は、好ましくは、ナイロン(R)弦を使用する。また、ナイロン(R)弦は、太い弦、中くらいの弦、細い弦を、音の高低にしたがって使用する。具体的には音が低いほど太い弦を使用する。また、振動体80は、天板61の一方の側方に存在する張設手段90から他方の側方に存在する張設手段90にかけて、戻るように張設される。
【0060】
張設手段90は、弦巻きピン91と弦かけピン92とから構成される。弦巻きピン91は、音階を調律するための第1の調整手段としても機能する。天板61の一方の側方に弦巻きピン91を備え、他方の側方に弦かけピン92を備える。一つの弦巻きピン91に対応するように弦かけピン92を備える。具体的には、1本の振動体80(弦)を2本の弦かけピン92にかけ振動体80を張る。即ち、一つの弦巻きピン91から振動体80を弦かけピン92にかけ振動体80を引っ張りながら隣の弦かけピン92に振動体80をかけ、出発した弦巻きピン91の隣の弦巻きピン91に戻る。他の弦巻きピン91及び弦かけピン92も同様に、天板61の前方から後方に向かって振動体80が張設される。
【0061】
また、弦巻きピン91は、上述したように、単に振動体80を支持するだけでなく、振動体80の張りを調整(調律)するための第1の調整手段としても機能する。具体的には、弦巻きピン91の頂部91aは専用工具により回転することができる形状に形成されている。また、弦巻きピン91は振動体80の張りを調整するための調整溝91bを備える。この頂部91aを専用工具により回転することにより、調整溝91bが共鳴体60に螺合し、振動体80の張り具合を調整できる。即ち、この第1の調整手段により調律できる。
【0062】
ここで組立楽器の動作形態について詳細に説明する。
【0063】
振動体80に接触すると、振動体80はその接触方向に振動し、その振動によって生じる振動波が駒71、72を介して共鳴体60の外部に伝達される。また、振動波は共鳴体60の内部にも伝達される。共鳴体内部では、共鳴体60の外部からの振動や共鳴体内部における反射等により振動が増幅され、音響孔61aから増幅された振動波が音として外方に発音される。
【0064】
また、駒71、72の上部に設けられた金属棒73、74及び振動体80の張り方等により、振動体80(弦)を弾いた時に生じる振動を他の振動体80にも影響させることにより、音の響きと音色を高めることができる。
【0065】
また、一方の駒71の所定部に曲面75を設けることにより、演奏中に指で振動体80をその曲面75に押圧するだけで容易に振動体80の張りを調整する(音階を半音上げる)ことができる。
【0066】
次に、本発明の組立楽器の製作工程について詳細に説明する。
【0067】
組立楽器の製作工程は、共鳴体の製作工程と、振動伝達手段の設置工程と、振動体の設置工程と、を備える。
【0068】
共鳴体の製作工程として、ステップS1では、台形形状に形成された底板61、胴体63、天板62の順に積層して接着する。接着は例えば木工用ボンドで行う。
【0069】
次に、振動伝達手段の設置工程として、ステップS2では、側方の外周に対し所定間隔、且つ平行に駒71、72を設けるとともに、その駒71、72の上部に駒71、72の長形方向に金属棒73、74を設ける。
【0070】
次に、振動体の設置工程として、ステップS3では、共鳴体60の一方の側方に共鳴体60の外周に沿って所定間隔に弦かけピン92を複数設ける。好ましくは、弦かけピン92は、振動体80が簡単に外れないように、共鳴体60の外方に向かって斜めに設けるとよい。
【0071】
また、ステップS4では、他方の側方に共鳴体60の外周にそって、前記弦かけピン92と対応するように、且つ千鳥状に弦巻きピン91を設ける。具体的には、弦巻きピン91を所定の深さまで打ち込む。また、調律の際には、弦巻きピン91の頂部91aを専用工具で回転し調整溝91bを共鳴体60にねじ込んで振動体80の張りを調整する。
【0072】
最後に、ステップS5では、振動体80を、弦巻きピン91に巻き付け、その弦巻きピン91に対応する弦かけピン92とその隣の弦かけピン92とに振動体80(弦)をかけ、その隣の弦かけピン92に対応する弦巻きピン91に戻り、その弦巻きピン91により振動体80を巻きながら張設するとともに調律し、終了する。
【0073】
次に本発明の組立楽器の使用方法について詳細に説明する。
【0074】
本発明の組立楽器200によれば、指で振動体80を弾いたり、なぞったりする。また、演奏中に音を半音上げたい場合等は、一方の駒71の所定部に設けられた曲面75に振動体80を指で押圧して使用する。これにより、演奏中に半音上げたい場合(音階を調整したい場合)、容易に音階を調整できる。
【0075】
以上によって、第2の実施形態における組立楽器200は、駒73の所定部に曲面75を設けることで、演奏中に容易に音階を調整できる(半音上げることができる)。
【0076】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明に係る学校教育用の組立楽器によれば、小型であっても本格的な演奏ができるとともに、音色を楽しめる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の組立楽器の斜視図である。
【図2】組立楽器の正面図である。
【図3】組立楽器の平面図である。
【図4】図3のI−I断面図である。
【図5】組立楽器の背面図である。
【図6】組立楽器の底面図である。
【図7】組立楽器の右側面図である。
【図8】組立楽器の左側面図である。
【図9】本発明に係る第2の実施形態の組立楽器の斜視図である。
【図10】組立楽器の正面図である。
【図11】組立楽器の平面図である。
【図12】図11のII−II断面図である。
【図13】図11のIII部拡大図である。
【図14】組立楽器の背面図である。
【図15】組立楽器の底面図である。
【図16】組立楽器の右側面図である。
【図17】図16のIV部拡大図である。
【図18】組立楽器の左側面図である。
【符号の説明】
10、60 共鳴体
11a、61a音響孔
20、70、71 振動伝達手段
30、80 振動体
40 支持手段
40a 調整手段
61a 音響孔
71、72 駒
73、74 金属棒
75 曲面
90 張設手段
100、200 組立楽器

Claims (5)

  1. 音響孔を有する共鳴体と、前記共鳴体の内部及び外部に設けられた振動伝達手段と、前記外部の振動伝達手段と接するように設けられた振動体と、前記振動体を前記振動伝達手段に押しつけて支持するための支持手段と、を備え
    前記共鳴体が板材を積み重ねた円形の輪状であって、板材の面方向に対し縦方向にカットされたものであることを特徴とする組立楽器。
  2. 前記振動体の位置を調整するための調整手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の組立楽器。
  3. 前記共鳴体が円筒形状であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の組立楽器。
  4. 前記共鳴体の内部に設けられている振動伝達手段が円柱形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組立楽器。
  5. 音響孔を有する共鳴体と、前記共鳴体の上部に設けられた振動伝達手段と、前記振動伝達手段と接するように設けられた振動体と、前記振動体を張設するとともに演奏前に前記振動体の張りを調整するための第1の調整手段を有する張設手段と、を備える音響孔を有する楽器であって、演奏中に前記振動体の張りを調整する第2の調整手段を備え
    前記共鳴体が板材を積み重ねた台形の輪状であって、板材の面方向に対し縦方向にカットされたものであることを特徴とする組立楽器。
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