JP4202580B2 - ウェブ接合装置および同装置を備えたウェブ加工機 - Google Patents

ウェブ接合装置および同装置を備えたウェブ加工機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工用ウェブを継ぐためのウェブ接合装置に関し、特に、ウェブを反転せずにウェブの裏面に接合テープを貼着できるウェブ接合装置を得ること目的とする。
【0002】
【従来の技術】
ウェブの接合は、一般的に液状の接着剤や粘着剤、もしくは粘着剤や接着剤を塗布した接合テープを用いる。接着剤や粘着剤の液剤を用いる場合は、一方のウェブの終端上面に液剤を塗布し、次いで、他方のウェブ始端を前記液剤を塗布したウェブ終端上に重ね合わせて2つのウェブを継いでいる。一方、粘着剤や接着剤を塗布した接合テープを用いる場合は、通常、一方のウェブ終端上に他方のウェブ始端を重ね合わせ、ついで、2つのウェブに跨がるように、ウェブ始端の端部に沿って、接合テープを貼り付けて、2つのウェブを継いでいる。
【0003】
ところで、これらの接合作業は、通常、ウェブ加工機のウェブ供給部にて行なわれ、例えば、大型の高速輪転印刷機では、給紙部にオートペースタと呼ばれる自動紙継ぎ装置を備え、印刷機を停止せずに巻取紙の終端と始端を自動的に紙継ぎする例がある。一方、印刷済みウェブの加工機、例えば、包装用フィルムのスリッタ装置などでは、自動的にウェブを接合するオートペースタを備えている例は少なく、もっぱら、手作業でウェブを接合している。
【0004】
これは、後加工の製袋加工機において支障が生じないように、継ぎ足される被接合ウェブの印刷絵柄と、継ぎ足す接合ウェブの印刷絵柄とを同調させる必要があり、接合作業の自動化が困難なためである。また、ウェブの継ぎ目を、突き合わせた状態にする必要があるため、もっぱら接合テープを用い、しかも、接合強度を確保するため、ウェブの両面から接合テープを貼着している。このように従来のウェブ加工機では、接合作業のための特段の治具を備えることもなく、作業に難儀しているのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特に、ウェブの両面から接合テープを貼る場合、オモテ面は容易に貼ることができるが、裏面側に接合テープを貼る際、ウェブを弛ませながら裏返して貼っているため、作業に手間取るとともに、ウェブにしわや擦り傷が生じ易く、製品の品質や歩留りに影響を与えることになる。また、ウェブを弛ませながら裏返す際、ウェブが床と接触してほこりや汚れが付着しないように、慎重に作業する必要がある。さらに、ウェブ加工機における加工精度や歩留りを確保するため、印刷絵柄を同調させ、かつ、ウェブの端面を正確に突き合わせて継ぐのは至難なことであった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、各種加工機に適用できるウェブ接合装置を提供するものであり、特に、ウェブの品質や歩留りを損なうことがなく、かつ、簡便正確短時間で、ウェブの両面に接合テープを貼ってウェブ同士を継ぐことができるウェブ接合装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のウェブ接合装置は、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸びるカット溝を備えたウェブカット面と、ウェブ接合用テープを仮着するためのテープ保持面とを周面に備えた回動体と、回動体の下流に設けられ、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸び、上面にウェブを吸着保持するためのウェブ保持面を備えた固定ウェブ保持台と、回動体の上流に設けられ、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸び、上面にウェブを吸着保持するためのウェブ保持面を備えた可動ウェブ保持台とで構成している。
【0008】
また、本発明のウェブ接合装置における回動体は、ウェブカット面がウェブ保持面と平行になる位置と、テープ保持面がウェブ保持面と平行になる位置との間で、回動可能に構成している。さらに、本発明のウェブ接合装置における回動体は、ウェブ保持台に吸着保持されているウェブと離接可能に構成している。さらにまた、本発明のウェブ接合装置における上流側の可動ウェブ保持台は、回動体のテープ保持面を露出または閉鎖するよう、開閉可能に構成している。
【0009】
本発明のウェブ接合装置では、先ず、回動体の周面に設けられたウェブ切断用案内溝、すなわちカット溝を備えたウェブカット面を、2つのウェブ保持台間において、ウェブとほぼ平行になるように露出しておく。
【0010】
この状態で、ウェブ保持台の上面に設けられたウェブ保持面に、継ぎ足される被接合ウェブの終端部を吸着保持する。そしてウェブの終端部を、回動体のウェブカット面に設けたウェブ切断用案内溝に沿って、ウェブの走行方向と直交する方向に切断する。
【0011】
次に、上流側のウェブ保持台を開放し、回動体の周面に設けられたテープ保持面を露出させ、このテープ保持面に、接合テープの基材面を吸着保持する。すなわち接合テープの粘着剤面、もしくは接着剤面が露出するようにテープ保持面に装着し、その後、上流側のウェブ保持台を元の位置に戻す。なお、この間に、切り離されたウェブの終端部を、上流側のウェブ保持台から取り外す。
【0012】
次いで、継ぎ足す接合ウェブの始端部を、上流側のウェブ保持台に設けたウェブ保持面に吸着保持した後、回動体に設けたウェブカット面のウェブ切断用案内溝に沿って、ウェブの走行方向と直交する方向に切断することにより、2つのウェブの終端と始端とを切り揃える。
【0013】
ウェブを継ぐときは、先ず、切り揃えたウェブの終端と始端に跨がるように、ウェブのオモテ面側に接合テープを貼る。次いで、接合テープを吸着保持したテープ保持面が、ウェブの終端と始端に跨がる位置まで、回動体を回転する。
【0014】
なお、回動体を回転する際は、接合テープの粘着剤(接着剤)が、ウェブの裏面と接触しないように、回動体をウェブから離しておき、その状態で、接合テープがウェブの裏面と平行になる位置まで回動する。その後、接合テープがウェブの裏面とほぼ接触する位置まで、回動体を上昇させる。次いで、ウェブの裏面側に位置させた接合テープの粘着面をウェブのオモテ面側から押して、終端と始端に跨がるようにウェブの裏面に接合テープを貼着しウェブを継ぐ。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1は、ウェブ接合装置の主要部を示す分解斜視図である。また、図2は、待機位置のウェブ接合装置を示す加工機の斜視図である。さらに、図3は、使用位置のウェブ接合装置を示す加工機の斜視図である。
【0016】
(ウェブ接合装置の構成)
先ず、本発明のウェブ接合装置の構成について説明する。図1において、2はウェブ接合装置を指し、20は固定ウェブ保持台、30は可動ウェブ保持台、40は回動体である。また、50は架台、60はエアシリンダである。なお、図1(a)は、ウェブ接合装置の全体構成図であり、図1(b)は、可動体40の細部説明図である。
【0017】
本実施形態において、ウェブ保持台は2つの部分で構成され、ウェブ接合装置2の下流側に固定ウェブ保持台20、上流側に可動ウェブ保持台30を設けてある。この下流側の固定ウェブ保持台20は、架台50に固着されている。一方、上流側の可動ウェブ保持台30は、回動軸33を介して、架台50の両端部から延びた固定軸受け51に回動可能に設けてある。なお回動軸33の端部には回動ハンドル34を備え、固定軸受け51を中心として可動ウェブ保持台30を回動させることができる。
【0018】
下流側の固定ウェブ保持台20と、上流側の可動ウェブ保持台30は、いずれも、ウェブ80の走行方向と直交する方向へ伸び、上面にウェブ80を吸着保持するためのウェブ保持面21、31を有する。各ウェブ保持面21、31は、平坦であっても、また、ウェブの最大外径の周面に近似した曲面を有していてもよい。
【0019】
2つのウェブ保持台20、30のウェブ保持面21、31には、例えば、図示のように吸引孔22、および32が列状に設けられ、図示しない吸引装置によってウェブ80を吸着保持するように構成している。
【0020】
2つのウェブ保持台、すなわち、固定ウェブ保持台20と、可動ウェブ保持台30との間には、回動体40を配設してある。図1(a)および図1(b)に示すように、この回動体40は、ウェブ80の走行方向と直交する方向へ伸び、その周面に、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸びるカット溝42を備えたウェブカット面41と、ウェブ接合用テープを仮着するためのテープ保持面43とを備えるとともに、回動体40の両端部には、回動体を回動自在に支持する回動軸45を設けてある。
【0021】
図1に示すように、回動体40のウェブカット面41に設けられたカット溝42は、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸びる、幅0.5〜2mm程度の溝である。このカット溝42は、カッターナイフなどの切断具の刃先を傷めないように、ウェブカット面41に対し垂直方向、すなわち回動体40の回動中心へ向けて、少なくとも10mm以上の深さをもたせている。一方、テープ保持面43は、ほぼ平坦であり、その面内には、図1(b)に示すように、列状に吸引孔52が配設され図示しない吸引装置に接続してある。
【0022】
回動体40は、図1(a)に示すように、その両端部の回動軸45に可動軸受け62が挿通され、この可動軸受け62は、駆動シャフト61を介して、架台50に固着してあるエアシリンダ60にて支持されている。したがって、エアシリンダ60を駆動することによって、駆動シャフト61が上下動し、可動体40を、ウェブ80に対し垂直方向へ接離可能としている。
【0023】
さらに、回動体40に設けられた回動軸45の一端には、回動ハンドル46が設けられ、この回動ハンドル46を操作することによって、図1(b)に示すように、ウェブカット面41を、ウェブ80に対し平行に対向したり、テープ保持面43を、ウェブ80に対し平行に対向するよう、回動体40を回動自在とする。
【0024】
なお、本実施形態では、回動体40の端部周面にノッチ47、48を設けてあり、当該ノッチと係合するボ─ルプランジャ52を架台50に設けることにより、回動体40を定位置に係止することができる。同様に、前述した可動ウェブ保持台30も、図示していないが、ポールプランジャとノッチを用いて、定位置に係止するよう構成するのが望ましい。
【0025】
(ウェブ接合装置の装着例)
図2は、スリッタ装置などのウェブ加工機のウェブ供給部に装着したウェブ接合装置を示す斜視図である。図において、1はウェブ加工機、2はウェブ接合装置である。ウェブ加工機1は、フレーム10A、10Bから、それぞれ前方へ向けて延びたウェブ支持アーム11A、11Bに軸承されたウェブ支持軸12を備え、ウェブ80は、ウェブ支持軸12およびコーンチャック13によって回転自在に支持されている。
【0026】
ウェブ接合装置2は、ウェブ支持軸12を軸承するための両端の固定フランジに、ベアリング等を介して装着した回動アーム3A、3Bの先端部に固着してある。この回動アーム3A、3Bには、ウェブ支持アーム11A、11Bに当接して、ウェブ接合装置2を係止するための、ストッパ4をそれぞれ設けてある。なお、図2は、ウェブ接合装置2を待機位置に回動した状態を示しており、ウェブ供給部のウェブ80が残り少なくなり、その外径が小さくなっても、ウェブが、ウェブ接合装置2と接触することなく、ガイドローラ14に沿ってウェブ加工機1に供給されていることを示している。
【0027】
(ウェブ接合装置の使用例)
図3は、ウェブ加工機1のウェブ供給部に装着したウェブ接合装置2の、使用状態を示す斜視図である。図において、ウェブ接合装置2は、ウェブ80の回転中心と同一の軸心、すなわちウェブ支持軸12を中心として、使用位置に回動した状態を示しており、ストッパ4によって、回動アーム3A(3B)が、ウェブ支持アーム11A(11B)に係止されている。
【0028】
このとき、ウェブ接合装置2は、ウェブ80の外径周面とほぼ平行になるように位置づけられ、ウェブ接合作業が容易な高さ、および傾斜角度を得られる位置に係止される。なお、図3の状態は、被接合ウェブの終端部82を、ウェブ保持台20、および30に吸着した後、回動体40のウェブカット面に設けたカット溝42に沿って切断し、次いで、被接合ウェブの終端に継ぎ足す新しいウェブ80をウェブ供給部に装填した状態を示している。
【0029】
(ウェブ接合装置の作用動作)
次に、前記ウェブ接合装置各部の作用動作について説明する。ウェブ接合装置2は、図2に示したように、待機位置において、ウェブ80と接触しないようにウェブ加工機1の本体側へ向けて係止されている。図4では、供給部のウェブ80が残り少なくなった状態を示しており、ウェブの外径が小さくなった場合でも、待機位置のウェブ接合装置2と接触することなく、ウェブ80がガイドローラ14へ向けて供給される。
【0030】
次に、本実施形態のウェブ接合装置について、その使用方法を説明する。図5は、ウェブ加工機において、ウェブ接合装置2を使用位置に回動した状態を示す。ウェブ接合装置2を使用する場合は、ウェブ加工機1のウェブ走行を停止した後、図に示すように、ウェブ80の走行パスを延ばしながら、回動アーム3をウェブ支持軸12を中心としてゆっくり回動し、ストッパ4にてウェブ支持アーム11に係止させる。
【0031】
次に、図1に示すように、2つのウェブ保持台20、および30に設けた吸引孔22、32の吸引作用により、ウェブ80をウェブ保持面21、31に吸着保持する。なお、ウェブの保持は、吸引孔によらず、例えば、磁石の吸引作用を利用してウェブを磁性体で挟み込む方式、または、静電気を利用してウェブを静電吸着する方式、あるいは、再剥離性を有する粘着剤による方式などを用いてもよい。
【0032】
次いで、エアシリンダ60を動作させ、駆動シャフト61によって回動体40を押し上げ、ウェブカット面41をウェブ80に密着させる。その後、ウェブ保持面21、31に吸着保持された被接合ウェブ80の終端部を、カッターナイフなどの切断具を用いて、回動体40のカット溝42に沿って切断し、切り離された上流側のウェブをウェブ保持面31から引き離す。
【0033】
このときのウェブ接合装置各部の状態を、図6に模式的に示す。図に示すように、ウェブの終端部82は、2つのウェブ保持台20、30に設けた吸引孔22、32の吸引作用によりウェブ保持面21、31に吸着保持された状態で、下方からエアシリンダ60によって押し上げられた回動体40のウェブカット面41と接触している。この状態で、切断具70を用いて、ウェブ終端部82をカット溝42に沿って切断する。
【0034】
次いで、新しいウェブを装填する場合は、切り離された上流側の終端部をウェブ保持面31から引き離し、残存ウェブ80をウェブ支持軸12から取り外す。一方、現在装填されているウェブ80の、例えば印刷不良の部分を除去する場合は、切り離した終端部をウェブ保持面31から引き離した後、不良部分が無くなるまでウェブ80を巻きほぐし、不良部分を切断除去する。
【0035】
次に、図7に示すように、ウェブの終端を取り去った空間へ向けて、可動ウェブ保持台30を開放し、回動体40のテープ保持面43を露出し、そのテープ保持面43に、所定の長さ、例えば、ウェブの幅に相当する長さに切断した接合テープ90を、吸引孔44による吸引作用を利用して吸着保持させる。ここで用いられる接合テープとしては、プラスチック、紙、布、金属など、適度な引き裂き強度を有するテープ状基材に、粘着剤、もしくは接着剤を塗布したものが用いられる。なお、テープ保持面43へ吸着保持する接合テープ90は、基材面をテープ保持面43へ向けて吸着させる。
【0036】
次いで、図8に示すように、可動ウェブ保持台30を定位置に復帰し、テープ保持面を閉鎖する。このように、可動ウェブ保持台30を定位置に復帰しておくことによって、可動体40のテープ保持面に吸着保持した接合テープ90の粘着面と、被接合ウェブに継ぎ足す接合ウェブとが接触し、接合作業に支障をきたすことを予防することができる。
【0037】
次に、被接合ウェブに継ぎ足す接合ウェブをウェブ加工機の供給部に装填する。そして、ウェブの始端部を引き出し、ウェブ接合装置2に装着する。このときのウェブおよびウェブ接合装置の状態を図9に示す。図に示すように、被接合ウェブの終端82は、ウェブ接合装置2のウェブ保持面に吸着保持され、一方、新たにウェブ支持軸12に装填したウェブ80は、その始端部81を引き出し、ウェブ接合装置2の被接合ウェブ終端部82上に重ねる。
【0038】
次いで、被接合ウェブに継ぎ足す接合ウェブの始端部81を、上流側の可動ウェブ保持台30のウェブ保持面に吸着保持し、ウェブカット面のカット溝42に沿って切断し、切り取ったウェブの始端側をウェブ保持面から引き離す。このときのウェブ接合装置2の状態を図10に示す。先に切断処理した被接合ウェブの終端部82は、固定ウェブ保持台20のウェブ保持面に吸着保持されており、その上に重ねたウェブ80の始端部81を、可動ウェブ保持台30の吸引孔32の吸引作用によって、ウェブ保持面31に吸着保持した後、切断具70によってカット溝42に沿って切断する。
【0039】
このとき、下流側の固定ウェブ保持台20に吸着されている被接合ウェブの印刷絵柄と、継ぎ足す接合ウェブの印刷絵柄とを同調して、始端部81を可動ウェブ保持台30に吸着することにより、カット溝42に沿って切断した終端部82と始端部81の絵柄は、連続した印刷絵柄となり、製袋加工などの後処理における、位置ずれなどによる加工不良の発生を予防できる。
【0040】
次に、回動体40のウェブカット面41上において切り揃えた2つのウェブを継ぐ。先ず、図11に示すように、2つのウェブに跨がるように、ウェブの上面から接合テープ90を貼着する。このとき、回動体40のウェブカット面41は、接合テープを押着するための支持面として利用される。
【0041】
次いで、ウェブ下面へ接合テープを貼着する。本装置の最も特徴とするところは、このウェブ下面への接合テープの貼着であり、以下その詳細を説明する。ウェブ下面に貼着する接合テープは、前述したように、被接合ウェブ終端の切断処理の後、あらかじめ回動体40のテープ保持面43に吸着保持してある。
【0042】
そこで、回動体40を回転させ、接合テープ90を吸着保持したテープ保持面43をウェブの接合部と対向させる。この回動は、先ず、図12に示すように、エアシリンダ60を駆動し、回動体40を下降して、ウェブカット面41をウェブ接合部から離反する。
【0043】
次いで、図1に示した回動ハンドル46を操作して、図13に示すように、テープ保持面が接合ウェブと対向する位置まで、回動体40を回転する。このように、回動体40を下降したままで、回動体40を回転させることにより、回動体40の周面、もしくは、保持している接合テープ90の粘着面が、ウェブ保持台20と30に吸着保持されているウェブと接触することがなく、ウェブを擦って傷つけたり、無用の貼着を生じることがない。
【0044】
回動体40の回転を完了し、ボールプランジャ52によって回動体40が定位置に係止したら、図14に示すように、エアシリンダ60を駆動し、接合テープ90がウェブの裏面と接触する位置まで、回動体40を押し上げる。この状態でウェブの上面から接合部を押圧することにより、ウェブ下面に接合テープが貼着され、被接合ウェブの終端82と継ぎ足す接合ウェブの始端81とが確実に接合される。
【0045】
2つのウェブの接合を完了すると、ウェブ保持台20と30、およびテープ保持面の各吸引孔による吸引作用を停止させる。次いで、エアシリンダ60を駆動して、回動体40をウェブ接合部から下降離脱させる。この状態を図15に示す。図に示すように、回動体40は、ウェブ保持台20と30との間の空間下部に収容され、かつ、ウェブ保持台20と30の吸引作用も停止しているので、接合テープ90で両面から接合されたウェブ80は、ウェブ接合装置から離脱自在になる。
【0046】
次に、図16に示すように、ウェブ支持軸12を中心に、回動アーム3を反転し、ストッパ4にてウェブ支持アーム11に係止することにより、ウェブ接合装置2をウェブ80から離脱する。このようにして一連のウェブ接合作業を完了すると、ウェブ加工機1を起動し、継ぎ足された新しいウェブの加工処理を開始する。
【0047】
なお、接合テープによって接合されたウェブの接合部は、例えば後処理の製袋加工時、もしくは内容物の充填処理時において除去され、最終製品に混入することはない。例えば、接合テープにアルミ箔などの金属基材を用いれば、この接合部除去処理において金属検知センサを利用して、確実にウェブ接合部を検出することも容易である。
【0048】
また、本実施形態では、ウェブ接合装置を固着した回動アームをストッパでウェブ支持アームに係止しているが、ウェブ接合装置の質量が大きい場合は、ショックアブソーバやエアーダンパを併用し、係止時のショックを軽減するように構成してもよい。さらに、回動アームの反対側に、ウェブ接合装置の質量とバランスさせるための重りバランサを付加し、回動時の操作性を向上してもよい。
【0049】
(他の実施形態)
上記本実施形態では、回動体を上下動するために、エアシリンダを用いたが、可動体の回動軸にカムを設けることにより、回動体の回転にともなって、回動体が上下動するように構成してもよい。また、回動体の回転操作や、可動ウェブ保持台の回動操作を手で行なうように構成したが、電動モータやエアーモータ、エアシリンダなどを用いた動力駆動方式で構成してもよい。
【0050】
さらに、本実施形態では、ウェブ加工機1のウェブ支持軸12と同一の軸心位置から延びる回動アーム3の先端部に、ウェブ接合装置2を装着したが、他の装着方式も可能である。例えば、ウェブ加工機1のウェブガイドローラ14と同一の軸心位置から延びる回動アームの先端部に、ウェブ接合装置2を装着することもできる。その場合は、ウェブ支持軸12に装填するウェブの最大外周径の範囲外において、退避位置と接合作業位置との間をウェブ接合装置2が回動するように配設すればよい。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した如く、本発明のウェブ接合装置は、請求項1に示したように、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸びるカット溝を備えたウェブカット面と、ウェブ接合用テープを仮着するためのテープ保持面とを周面に備えた回動体と、回動体の下流に設けられ、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸び、上面にウェブを吸着保持するためのウェブ保持面を備えた固定ウェブ保持台と、回動体の上流に設けられ、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸び、上面にウェブを吸着保持するためのウェブ保持面を備えた可動ウェブ保持台とで構成されており、簡単な構成で作業性の良好な接合装置を得られる。
【0052】
特に、裏面側に接合テープを貼着する際、ウェブを弛ませながら裏返す必要がないので、作業中にウェブが床と接触することもなく、ほこりや汚れが付着せず衛生管理面からもより好ましい。また、本ウェブ接合装置におけるウェブ保持台は、下流側と上流側にそれぞれウェブ保持台を設けているので、被接合ウェブの終端、および継ぎ足す接合ウェブの始端をそれぞれ確実に保持し、絵柄の同調を崩すことなく、迅速確実に接合作業を行なうことができる。
【0053】
また、本発明のウェブ接合装置における回動体は、請求項2に示したように、ウェブカット面がウェブ保持面と平行になる位置と、テープ保持面がウェブ保持面と平行になる位置との間で、回動可能に構成されているので、簡便確実、かつ短時間に、ウェブの切断作業とウェブ裏面への接合テープ貼着作業を、切り替えることができる。
【0054】
さらに、本発明のウェブ接合装置における回動体は、請求項3に示したように、ウェブ保持台に吸着保持されているウェブと離接可能に構成されているので、回動体を回転中にウェブを傷つけたり、汚したりすることがない。
【0055】
さらにまた、本ウェブ接合装置における上流側の可動ウェブ保持台は、請求項4に示したように、回動体のテープ保持面を露出または閉鎖するよう、開閉可能に構成されているので、接合テープの仮着作業が容易であるとともに、仮着した接合テープの粘着面が露出しないので、ウェブ接合作業における、粘着テープによる不測の障害を防止することができる。
【0056】
なお、本発明のウェブ加工機は、請求項5に示したように、ウェブ加工機に供給するウェブの始端と、加工中のウェブの終端とを継ぐために、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のウェブ接合装置をウェブ供給部に設けたので、熟練者でなくても簡便迅速かつ正確に、ウェブの接合作業を行なうことができ、ウェブ加工の生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図 1】 ウェブ接合装置の主要部を示す分解斜視図である。
【図 2】 待機位置のウェブ接合装置を示す加工機の斜視図である。
【図 3】 使用位置のウェブ接合装置を示す加工機の斜視図である。
【図 4】 ウェブが少なくなった状態を示す加工機の側面図である。
【図 5】 使用位置に回動したウェブ接合装置を示す加工機の側面図である。
【図 6】 被接合ウェブの終端部を切断するときのウェブ接合装置を示す。
【図 7】 可動ウェブ保持台を開放し、回動体のテープ保持面に接合テープをセットした状態を示す。
【図 8】 可動ウェブ保持台を接合作業位置に復帰した状態を示す。
【図 9】 継ぎ足す接合ウェブを装填したときの加工機の側面図である。
【図10】 装填した接合ウェブの始端部を切断するときの状態を示す。
【図11】 ウェブの上面に接合テープを貼着している状態を示す。
【図12】 回動体をウェブ保持台間の空間下部に降下した状態を示す。
【図13】 回動体のテープ保持面をウェブ接合位置に回動した状態を示す。
【図14】 ウェブの裏面に接合テープを貼着している状態を示す。
【図15】 回動体をウェブ保持台間の空間下部に降下した状態を示す。
【図16】 ウェブ接合装置を待機位置に収納した状態を示す加工機の側面図である。
【符号の説明】
1 ウェブ加工機
2 ウェブ接合装置
3、3A、3B 回動アーム
4 ストッパ
10、10A、10B 加工機フレーム
11、11A、11B ウェブ支持アーム
12 ウェブ支持軸
13 コーンチャック
14 ガイドローラ
20 固定ウェブ保持台
21 ウェブ保持面
22 吸引孔
30 可動ウェブ保持台
31 ウェブ保持面
32 吸引孔
33 回動軸
34 回動ハンドル
40 回動体
41 ウェブカット面
42 カット溝
43 テープ保持面
44 吸引孔
45 回動軸
46 回動ハンドル
50 架台
51 固定軸受け
52 ボールプランジャ
60 エアシリンダ
61 駆動シャフト
62 可動軸受け
70 切断具
80 ウェブ
81 始端部
82 終端部
90 接合テープ

Claims (5)

  1. ウェブ走行方向と直交する方向へ伸びるカット溝を備えたウェブカット面と、ウェブ接合用テープを仮着するためのテープ保持面とを周面に備えた回動体と、回動体の下流に設けられ、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸び、上面にウェブを吸着保持するためのウェブ保持面を備えた固定ウェブ保持台と、回動体の上流に設けられ、ウェブ走行方向と直交する方向へ伸び、上面にウェブを吸着保持するためのウェブ保持面を備えた可動ウェブ保持台とで構成されていることを特徴とするウェブ接合装置。
  2. 前記回動体は、ウェブカット面がウェブ保持面と平行になる位置と、テープ保持面がウェブ保持面と平行になる位置との間で、回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のウェブ接合装置。
  3. 前記回動体は、ウェブ保持台に吸着保持されているウェブと離接可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のウェブ接合装置。
  4. 上流側の可動ウェブ保持台は、回動体のテープ保持面を露出または閉鎖するよう、開閉可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウェブ接合装置。
  5. ウェブ加工機に供給するウェブの始端と、加工中のウェブの終端とを継ぐために、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のウェブ接合装置をウェブ供給部に設けたことを特徴とするウェブ加工機。
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