JP4201433B2 - スパイラル型膜モジュールの製造方法 - Google Patents

スパイラル型膜モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパイラル型膜モジュールの製造方法に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、河川水の浄化や海水の淡水化において、逆浸透膜等の分離膜を利用した分離技術が適用されている。分離膜のモジュール形態としては、膜面積が大きいこと、あるいは単位容積当たりの充填効率が高いことから、中空糸膜モジュールやスパイラル型膜モジュールが多く使用されている。中空糸膜モジュールが、中空糸が折れやすく分離性能が維持されないという欠点を有するのに対し、スパイラル型膜モジュールでは、性能が維持され信頼性が高い。
【0003】
スパイラル型膜モジュールは、図4に斜視図として示すように、径方向に貫通孔(図略)を有する集水管16と、これに巻き付けられた層構成体15とを備えており、層構成体15は封筒状の分離膜と、分離膜内に収められたシート状の透過水流路材と、分離膜上に積層されたシート状の原水流路材とからなる。
【0004】
従来より、スパイラル型膜モジュールは以下のようにして製造される。
まず、図5に斜視図として示すような第一膜材11、透過水流路材12及び第二膜材13を用意する。そして、膜材11、13の三方の縁部11a、13aに接着樹脂を塗布し、透過水流路材12を二枚の膜材11、13で挟む。このとき、膜材11、13の接着樹脂が塗布されていない縁部より透過水流路材12の一部がはみ出るようにする。そのまま、接着樹脂を硬化させると、膜材11、13は封筒状になり、その中に透過水流路材12が収められた状態となる。
【0005】
続いて、原水流路材14を第二膜材13に、透過水流路材12と接触することがないように位置を定めて、積層する。これにより、層構成体15を得る。次に、透過水流路材12のはみ出し部分が集水管16の外周面と接触するように、層構成体15を集水管16に巻き付ける。こうして、スパイラル型膜モジュールが製造される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の製造方法では、一回の製造行為で一本の膜モジュールしか得られず、複数の膜モジュールを得るためには、上記の層構成体を製造する工程及びそれを集水管に巻き付ける工程を繰り返さなければならない。
それ故、本発明の目的は、複数のスパイラル型膜モジュールを効率よく製造することが可能な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の製造方法は、
シート状の膜材を封筒状に形成してなる分離膜と、その開口縁より一部がはみ出るように分離膜内に収められるシート状の透過水流路材と、分離膜上に積層されるシート状の原水流路材とからなる層構成体が、透過水流路材のはみ出し部分を中心として、集水管に巻き付けられてなるスパイラル型膜モジュールを製造する方法において、
前記膜材及び透過水流路材として膜モジュールn個分(nは整数)の大きさのものを準備し、その膜材の三方縁部と透過水流路材を液密に接着して封筒状に形成するとともに、開口縁とすべき縁部と交差する(n−1)本の仕切り線上で膜材と透過水流路材とを接着することにより封筒の内部空間をn等分した後、膜モジュールn個分の大きさの原水流路材を重ね合わせて層構成体前駆体を得、その前駆体を仕切り線上で切断することにより個々の層構成体とすることを特徴としている。
【0008】
本発明の製造方法では、まず、膜モジュールn個分の大きさの膜材及び透過水流路材を準備する。次に、膜材を封筒状に形成してその中に透過水流路材を収めるとともに、膜材と透過水流路材と接着することにより、開口縁と交差する(n−1)本の仕切りを封筒内部に設ける。その結果、透過水流路材を収めた封筒状の分離膜が仕切りを挟んでn個並んだ状態になる。これに膜モジュールn個分の大きさの原水流路材を重ね合わせると、層構成体がn個繋がった層構成体前駆体を得ることができる。そして、層構成体前駆体を各々の仕切りで切断することにより、n個の層構成体を一度に製造することができる。従って、本発明の製造方法によると、複数個の膜モジュールを製造するのに、層構成体を製造する工程を繰り返す必要がない。
【0009】
層構成体前駆体からn個の膜モジュールを製造する方法として、(1)前駆体を切断することによって得られたn個の層構成体をn本の集水管にそれぞれ巻き付ける方法、(2)直列に配置されたn本の集水管に前駆体を巻き付けて、切断する方法、及び(3)膜モジュールn個分の長さの集水管に前駆体を巻き付け、前駆体とともに集水管も切断する方法がある。この中で(2)、(3)の方法では、層構成体を製造する工程だけでなく、集水管に巻き付ける工程も繰り返さなくて済む。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスパイラル型膜モジュールの製造方法の実施形態を説明する。
−第一実施形態−
図1は、本実施形態の製造方法を説明する図である。
【0011】
まず、図1(A)に示すような第一膜材1、透過水流路材2、第二膜材3及び原水流路材4を用意する。これらの長さは図5に示す従来の製造方法において使用されるものと同じだが、幅は従来のものの二倍である。また、膜材1、3の中央には仕切り線1b、3bが両面に付されている。材質については従来と同様に、膜材1、3としてはセルロースアセテートやポリアミド、透過水流路材2としてはポリエステル織布にエポキシ樹脂を含浸させたもの、原水流路材4としてはポリプロピレンネットやポリエチレンネットを使用する。
【0012】
膜材1、3の内側の三方縁部1a、3aに接着樹脂を塗布し、同時に仕切り線1b、3b上にも接着樹脂を塗布する。そして、透過水流路材2を第一、第二膜材1、3で挟む。このとき、図2に正面図として示すように、膜材1、3の接着樹脂が塗布されていない縁部(開口縁)より透過水流路材2の一部2aがはみ出るようにする。このまま接着樹脂を硬化させると、膜材1、3は三方縁部1a、3aで透過水流路材2と液密に接着するとともに、仕切り線1b、3b上においても接着する。その結果、膜材1、3により形成される内部空間は開口縁と交差する方向に仕切られ、二つの封筒状の分離膜が横に並んだ状態となる。次に、第二膜材3に原水流路材4を積層する。これにより、二つの層構成体が横に並んだ層構成体前駆体5が製造される。
【0013】
続いて、径方向に貫通孔が設けられ、膜モジュール2個分の長さを有する集水管6に層構成体前駆体5を巻き付ける(B)。巻き付ける際には、透過水流路材2のはみ出し部分2aのみが集水管6の外周面と接触するようにし、また第一膜材1が最外層となるようにする。層構成体前駆体5を巻き付けた後、これと集水管6とを仕切り線1b上で切断する。これによって、膜モジュールが2個製造される。最後に、(C)に示すように、各膜モジュールの端部にアダプター7及びプラグ8を装着し、製品として完成させる。
【0014】
本実施形態において使用される接着樹脂は、分離膜の内部空間を確実に仕切ることができるものであり、切断後にも液密に保ちうるものでなければならず、エポキシ系、ウレタン系の高分子樹脂が好ましい。また、透過水流路材2は接着樹脂を通過しうるので、第一膜材1若しくは第二膜材3のいずれか一方にのみ接着樹脂を塗布しても良いし、接着樹脂を使用する替わりに、熱シールにより接着させても良い。本実施形態においては、第一膜材1及び第二膜材3を別々のシートとしているが、これらを一枚のシートにし、二つ折りにすることによって、透過水流路材2を挟んでも良い。さらに、複数の層構成体前駆体5を積層して、それを集水管6に巻き付けても良い。
【0015】
本実施形態の製造方法によると、一回の製造行為で2個の膜モジュールを得ることができ、層構成体を製造する工程及び層構成体を集水管に巻き付ける工程を繰り返す必要がない。また、図3に正面図として示すように、仕切り線1b、3bを二本設けて層構成体前駆体5を三つに区分すると、一回の製造行為で3個の膜モジュールを得ることができる。即ち、区分する数が増えるにつれて、一度で製造できる膜モジュールの数も増える。
【0016】
−第二実施形態−
本実施形態では、層構成体前駆体を集水管に巻き付ける工程において、第一実施形態のように一本の集水管6に巻き付けて前駆体5及び集水管6を同時に切断するのではなく、既に膜モジュール一本分の長さとなった集水管を直列に配置し、これに層構成体前駆体を、集水管の端面と仕切り線とが同一平面上にあるように、巻き付けて、層構成体前駆体のみを切断する。この点を除けば第一実施形態と同じである。本実施形態においても、複数個の膜モジュールを製造するのに、層構成体を製造する工程及び巻き付ける工程を繰り返す必要がない。さらに、本実施形態では、集水管を切断しないので、堅い材質の集水管を用いる場合に特に有効である。
【0017】
−第三実施形態−
本実施形態では、層構成体前駆体を製造する工程までは第一実施形態と同じである。だが、層構成体前駆体を製造後、集水管に巻き付けずに切断して、得られた各層構成体をそれぞれ別の集水管に巻き付ける点で異なる。本実施形態においても、複数の膜モジュールを製造するのに層構成体を製造する工程を繰り返す必要がないので従来の製造方法よりも効率的であり、また、集水管の材質に関係なく製造可能である。
【0018】
【実施例】
上述した従来の製造方法によって、図4に示すスパイラル型逆浸透膜モジュール(日東電工(株)製芳香族ポリアミド系複合膜LES90−S8B)を製造したところ、1個製造するのに25分を要した。これに対して、図1に示す第一実施形態の製造方法により同じ膜モジュールを製造したところ、2個の膜モジュールを製造でき、しかも製造時間が25分と同じであった。以上より、本発明の製造方法によると、複数個の膜モジュールを効率よく製造できることが分かった。
【0019】
【発明の効果】
本発明によると、複数個のスパイラル型膜モジュールを製造する際に、同じ工程を繰り返す必要がないので、効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の製造方法を示す図である。
【図2】層構成体前駆体を示す正面図である。
【図3】層構成体前駆体を示す正面図である。
【図4】スパイラル型膜モジュールを示す斜視図である。
【図5】従来の層構成体の製造方法を示す正面図である。
【符号の説明】
1第一膜材
1a縁部、1b仕切り線
2透過水流路材
3第二膜材
3a縁部、3b仕切り線
4原水流路材
5層構成体前駆体
6集水管
7アダプター
8プラグ

Claims (3)

  1. シート状の膜材を封筒状に形成してなる分離膜と、その開口縁より一部がはみ出るように分離膜内に収められるシート状の透過水流路材と、分離膜上に積層されるシート状の原水流路材とからなる層構成体が、透過水流路材のはみ出し部分を中心として、集水管に巻き付けられてなるスパイラル型膜モジュールを製造する方法において、
    前記膜材及び透過水流路材として膜モジュールn個分(nは整数)の大きさのものを準備し、その膜材の三方縁部と透過水流路材を液密に接着して封筒状に形成するとともに、開口縁とすべき縁部と交差する(n−1)本の仕切り線上で膜材と透過水流路材とを接着することにより封筒の内部空間をn等分した後、膜モジュールn個分の大きさの原水流路材を重ね合わせて層構成体前駆体を得、その前駆体を仕切り線上で切断することによりn個の層構成体とすることを特徴とする製造方法。
  2. n本の前記集水管を直列に配置し、これに前記層構成体前駆体を巻き付ける請求項1に記載の製造方法。
  3. 膜モジュールn個分の長さの集水管に前記層構成体前駆体を巻き付け、層構成体前駆体とともに集水管も切断する請求項1に記載の製造方法。
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