JP6631163B2 - 分離膜エレメント - Google Patents

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Description

本発明は、液体、気体等の流体に含まれる成分を分離するために使用される分離膜エレメントに関する。
液体、気体等の流体に含まれる成分を分離する方法としては、様々なものがある。例えば海水、かん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術を例にとると、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜には、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜、正浸透膜などがあり、これらの膜は、例えば海水、かん水、有害物を含んだ水などから飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、廃水処理、有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分および分離性能によって使い分けられている。
分離膜エレメントは、分離膜の一方の面に原流体を供給し、他方の面から透過流体を得る点では共通している。分離膜エレメントは、各種形状からなる分離膜素子を多数束ねて膜面積を大きくし、単位エレメントあたりで多くの透過流体を得ることができるように構成されており、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種エレメントが製造されている。
例えば、逆浸透ろ過に用いられる分離膜エレメントを例にとると、その分離膜エレメントは、原流体を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原流体に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過側流体を集水管へと導くための透過側流路材、からなる部材を集水管の周りに巻き付けたスパイラル型分離膜エレメントが、原流体に圧力を付与し、透過流体を多く取り出す点で広く用いられている。
スパイラル型分離膜エレメントの部材としては、供給側流路材では供給側流体の流路を形成させるために主に高分子製のネットが使用され、分離膜としては、ポリアミドなどの架橋高分子からなる分離機能層、ポリスルホンなどの高分子からなる多孔性樹脂層、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子からなる不織布がそれぞれ供給側から透過側にかけて積層された分離膜が使用される。透過側流路材は、透過側流路材自身の構造部と空隙とからなり、空隙部が透過流体流路として機能するが、膜に原流体のろ過圧が作用して空隙部への膜の落ち込み変形を防ぐ目的で、供給側流路材よりも空隙が小さくなる様、片側面に細密に設けた複数の突起部を有する構成が用いられている。(例えば、特許文献1参照)。
また、流路抵抗をより小さくするため、この隣り合う突起部どうしを接続する部分は、厚みを極力薄くすることで、流路部分の断面積を多く確保し、エレメントの濾過流量性能の向上を図っている。
国際公開第2015/016253号
本発明者らは、片側面に突起部を有する透過側流路材を使用し、エレメントの造水量性能の向上を図るべく、透過側流路材の隣り合う突起部を接続する部分(例えばシート状の基材上に後で突起部を設けた場合は、そのシート状基材自体)の厚みを極薄化したが、透過流路材の構造体としての剛性が、特に集水管長手方向において低下する場合があり、また、エレメント形成時に透過側流路材の折れや、シワの入りを生じる場合があり、その折れやシワ部分が、特に分離膜との接着シール部に生じた場合にそのシール部でリークが生じる場合があること、さらにはシワが集中した場合には、シワ集中部において直径が局地的に大きくなるため、エレメントの外観を損ねることがあることを見出した。
本発明の目的は、透過側流路材の流路断面積を多く確保すると同時に、透過側流路材のシワを回避することで、リークが生じにくく、かつ、外観形態の良好な分離膜エレメントを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は次の(1)〜(4)のいずれかの構成を有する。
(1)原流体が接する供給側の面と、原流体を分離濾過して得られる透過流体が接する透過側の面とを有する分離膜と、前記透過側の面に挟まれるように配置される透過側流路材と、を備え、前記分離膜によって原流体を透過流体と濃縮流体とに分離し、透過流体を集水管に集水する分離膜エレメントであって、
前記透過側流路材が以下の(a)〜(d)の全てを満足することを特徴とする分離膜エレメント。
(a)片側面に突起部を有し、もう一方の面は平面である
(b)前記流路材を挟む前記分離膜の透過側の面の両方でかつ、前記透過流体を前記集水管に集水する箇所を除いた端部(縁部で略4辺の内の実質3辺)が接着剤により固定されている。
(c)前記接着剤で固定された端部(縁部で略4辺の内の実質3辺)を除く端部(実質1辺)に、前記集水管が接続されている。
(d)前記突起を有する側の面が外側を向くよう、前記分離膜と共に、前記集水管周りに、巻き付け形成されている。
(2)前記透過側流路材が流体浸透性を有することを特徴とする、上記(1)に記載の分離膜エレメント。
(3)前記透過側流路材と、前記集水管の接続が、前記流路材の前記突起の無い側の面を前記集水管へ接着固定されている、上記(1)または(2)に記載の分離膜エレメント。
(4)前記突起部が、前記集水管長手方向に対し、複数配置されてなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の分離膜エレメント。
(5)前記透過側流路材の前記突起の無い部分の厚みが、0.001mmから0.5mmの範囲で
ある上記(1)〜(4)のいずれかに記載の分離膜エレメント。
(6)前記透過側流路材が、基材と、突起部とからなり、前記突起部が、前記基材面に固着形成された上記(1)〜(5)のいずれかに記載の分離膜エレメント。
本発明によると、片側面に突起を有する透過側流路材の突起の無い平面側の面を集水管外周表面に対面する方向に巻きつけることで、透過側流路材にシワが生じにくいエレメントが形成でき、シワによるエレメント性能の低下および外観不良を回避することが可能となる。
本発明に関する一実施例形態であるスパイラル型分離膜エレメントの分解斜視図である。 本発明に関する一実施例形態であるスパイラル型分離膜エレメントの積層体の構造を示す斜視図である。 本発明に関する一実施例形態である透過側流路材を部分拡大した斜視図である。 本発明に関する集水管と接続された積層体(1リーフ)の一実施例形態例を側面側から見た図である。 本発明に関する集水管と接続された積層体(1リーフ)を集水管に巻き始めた様子の一実施例形態を側面側から見た図である。 本発明に関する一実施例形態である図5に示すX方向矢視から見た、集水管に巻き始めの、弛み,うねりのある状態の透過側流路材を示す図である。 本発明に関する一実施例形態である図5に示すX方向矢視から見た、集水管に巻かれ、弛み,うねりが無くなり、平らに均された状態の透過側流路材を示す図である。 従来の技術に関する透過側流路材の突起側の面を集水管側に巻きつける場合の、巻き始めの、弛み,うねりのある状態の透過側流路材を示す図である。 従来の技術に関する透過側流路材の突起側の面を集水管側に巻きつける場合の、集水管に巻かれ、弛み,うねりがシワとなり残った状態の透過側流路材を示す図である。 本発明に関する集水管外周面方向に積層体を接圧する手段の一実施例形態として接圧ローラを用いる手段を示す図である。 本発明に関する集水管外周面方向に積層体を接圧する手段の一実施例形態として、テンションローラを用いる手段を示す図である。 本発明に関する膜−供給側流路材ユニットの形成工程の一実施例形態を側面側から見た図である。 本発明に関する膜−供給側流路材ユニットへ接着剤を塗布する工程の一実施例形態を側面側から見た図である。 本発明に関する膜−供給側流路材ユニットに透過側流路材を重ねる工程の一実施例形態を側面側から見た図である。 本発明に関する完成した積層体と、それを集水管に巻囲する工程とを示す一実施例形態を側面側から見た図である。 本発明に関する膜−供給側流路材ユニットへ接着剤を塗布する工程の一実施例形態を示す斜視図である。 本発明に関する膜−供給側流路材ユニットに重ねられた透過側流路材にさらに膜−供給側流路材ユニットを重ねる工程の一実施例形態であり、透過側流路材の下から接着剤が浸透する様子と併せて示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態の例を、逆浸透膜を用いたスパイラル型の分離膜エレメント、ついて、適用した場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。
1.分離膜エレメントの構成
図1〜図2に本実施形態の分離膜エレメント1の構成を示す。
図1に示すように、分離膜エレメント1は、集水管5と、集水管5の周囲に巻囲された積層体11と、端板53および55とを備える。
集水管5は、複数の孔を有する中空の管である。
図1および図2に示すように、積層体11は、分離膜2と、供給側流路材3と、透過側流路材4と、接着部7を備える。なお、図2においては、積層体11の構成の説明のために積層シート部材のみを抜粋して示す。特に、複数層の積層体を構成する場合は、積層体11の最下部には、図2に示す様、他の層よりも長い透過側流路材4bが配置される。分離膜2の2つの面のうち、供給流体(原流体)101と接触する方の面を供給側の面と称し、分離膜2を通った透過流体103と接する方の面を透過側の面と称する。積層体11は複数の分離膜2を備えており、複数の分離膜2は、供給側の面同士が対向し、かつ透過側の面同士が対向するように重ねて集水管5を中心に巻かれている。本実施形態では、図2に示すように、分離膜2は矩形であり、供給側の面を内側に向けて折り畳まれている。複数の分離膜2は、その折り山が集水管5に沿うように配置される。
分離膜2としては、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜、ナノろ過膜、正浸透膜等の種々の膜が適用可能である。
分離膜2は複数の層を備えてもよく、例えば、支持体および多孔質層で構成されてもよいし、支持体、多孔質層および分離機能層で構成されてもよい。いずれの場合でも、支持体には、ポリエステル,ポリプロピレン,ポリエチレン又はポリアミド等を素材とする織布,不織布およびネット等が挙げられる。また、多孔質層の材料としては、ポリアクリロニトリル,ポリエーテルスルホン,ポリフェニレンスルホン,ポリフェニレンスルフィドスルホン,ポリフッ化ビニリデン,酢酸セルロース,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスルホン等が挙げられる。二層構造の場合は、多孔質層が分離機能を担う。さらなる分離機能層が設けられる場合は、分離機能層の材料としては、ポリアミド,ポリイミド,酢酸セルロース等が挙げられる。
エレメント1内での分離膜2は、折り畳まれている状態での、巻囲方向における長さLPは100mm〜4000mmの範囲であることが好ましく、300mm〜3000mmの範囲であることがより好ましい。図2では、分離膜2巻囲方向の長さLPは、の2つ折りにした上下で同じ長さとしているが、後述するよう、2つ折りにした上下の分離膜2の長さが違う場合もある。
また、分離膜2の幅WQ(集水管5の長手方向における幅)は、50mm〜3000mmの範囲であればよい。
供給側流路材3は、2枚の(図2に示すように、折り畳みによって見かけ上2枚である場合を含む)分離膜2の供給側の面の間に挿入されている。2枚一組の分離膜2とその間に挿入された供給側流路材3とを、膜−供給側流路材ユニットとよび、符号30を付す。
供給側流路材3は、分離膜2の間で、供給水101および濃縮水102が流れる空間を確保する。供給側流路材3としては、例えばネットなど、分離膜エレメントの供給側流路材として従来公知の部材が適用可能である。
透過側流路材4は、折り畳まれた2枚の分離膜2の外側の面の間、つまり透過側の面の間に配置される。透過側流路材4は、透過側の流路を確保するスペーサーとしたものである(具体例は後述する)。
透過側流路材4の寸法は、分離膜2のサイズによっても変更可能であり、透過側流路を
確保できる程度の大きさであればよい。透過側流路材4の幅WS(集水管5長手方向の寸法)は例えば、50mm〜3000mmの範囲であることが好ましい。また透過側流路材4の長さLR(巻回方向の寸法)は、100mm〜4000mmの範囲であることが好ましい。
図2に示すように、分離膜2の透過側の面は、隣接する透過側流路材4と、透過側流路材4の4辺のうち、巻回方向内側の1辺を除いた3つの辺に沿ったコの字型の接着部7で、シールされている。接着部7は硬化した接着剤である。接着剤としては、反応系接着剤(つまり乾燥接着剤)、ホットメルトなど、硬化する前は液状であるものが、好適に用いられる。
また、接着部7は、2枚の分離膜2の透過側の面の間を接着する。接着部7は、2枚の分離膜2間に介在する透過側流路材4と分離膜2との間も接着する。具体的には、接着部7は、供給水101および濃縮水103から透過流体102を隔離するように、集水管5に隣接し、集水管5の長手方向に平行な1辺を除いて、分離膜2の3辺に沿って設けられる。
透過側流路材4の具体的な例として、図3に示すように、透過側流路材4は、基材44と基材44の片側面に設けられた突起部45とを備える。基材44としては、例えば不織布が適用される。その材質は、具体的な化合物に限定されない。ただし、透過側流路材4の基材44は、流体浸透性を有するものが適しており、
例えばネット、トリコット等の繊維の編み物や型成型されたネット、その他不織布など、流体浸透性を有する構造体または材料であれば限定されない。
また、基材44の厚みT1は、0.001mmから0.5mmの範囲であることが好ましく、0.005mm〜0.1mmの範囲であることがより好ましい。これらの範囲の規定理由としては、T1がある程度の寸法を有することで部材としての強度が得られ、エレメント1としての耐久性がより向上することや製造面でも取り扱いが容易になること、またT1は極力小さくすることで、規格のエレメント外径に対し、後述する突起部45の高さを高く、すなわち、透過流体の流路空間を大きくできるため、より高造水のエレメントが形成できることにある。
突起部45は、基材44の面方向における形状は集水管5の長手方向に略垂直な方向に延びる略直線状であることが好ましい。複数の突起部45は、集水管5の長手方向において、間隔をおいて基材44の片側面上に配列されている。透過流路材4の突起部45は、透過流体の流路空間を形成することができればよく、その形状および数は、適宜設定される。
本実施形態の突起部45の断面形状は、略長方形形状であり、基材44の片側面の全面に渡り設けられている。突起部45の断面形状は、正方形形状でも台形形状でも、円形状、半円形状等、どのような形状でもよく、基材44と密着していて、隣り合う突起部45どうしの間に透過流体の流路空間が確保できる形態であれば、断面形状についての限定はしない。
また突起部45の高さは、0.02mm〜1mmの範囲であることが好ましく、突起部45の配列ピッチPPは、0.1mm〜3mmの範囲であることが好ましい。配列ピッチPPとは、透過側流路材4の幅方向(集水管長手方向)における、各突起部45の中心と、隣り合う突起部45の中心までの距離を指す。また、突起部45の幅TLは、0.1〜2.0mmの範囲であることが好ましく、高さTTは、0.1mm〜2.0mmの範囲であることが好ましい。
突起部45は、基材44の上に、ホットメルト等で突起を固着することで実現可能である。
具体的には、溶融した樹脂を口金から基材上に吐出し、この樹脂を基材の上で硬化させればよい。この場合、突起としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなどが適用されるが、特にこれらに限定はしない。また本実施形態では、基材44の面上に、後で、突起部45となる素材を付加しているが、熱可塑性樹脂で形成されたシートを、金型を用いて、加熱賦型することやシートに溝を掘る方法で、突起部を付すこともできる。すなわち、突起部45と、隣り合う突起部45を接続する基材44とは、別の素材から構成されるものでもよく、同じ素材から構成されるものでもよい。更には別の構造体として、例えば繊維の編み物の構造体として、見かけ片側面に突起を設けた形態にした構造のものでもよい。但し、いずれの構造のものも、少なくとも突起の無い部分(溝となる流路部)については、流体浸透性があることが好ましく、流体浸透性を有しない素材の場合は、少なくとも基材44には、微細孔加工などを実施し、流体浸透性をもたせることが好ましい。
本実施形態では、基材44と突起部45は、別部材のものを使用しており、基材44の片側面上に突起部45を設けているが、このような場合、必ずしも突起部45は、基材44の上に形成されている必要はなく、高さが異なる突起部45(図示せず)同士を連結接続することで、見かけ上、連結した形態が、透過側流路材4として、片側面のみに突起(凹凸形態)があり、もう一方の面は、略平面状態であれば良い。
本実施形態で、突起部45は基材44の片側面の全面積に渡り設けているが、分離膜2と接着する接着部7と対応する箇所近傍は、接着剤により、透過流体流路が封鎖されるため、この部分への突起部45は、設けても設けなくてもどちらでも良い。さらには、同部分について、基材44も無く、透過側流路材4を間に介在させず、分離膜2どうしを直接接着部7で接着封鎖する構成でも良い。
図4および図5では、集水管5と透過側流路材4の接続方向と集水管5への積層体11の巻き付け状況を説明するための簡略図として、積層体11は、最も積層数の少ない、1リーフ構成(膜−供給側流路材ユニット30および透過側流路材4b(際下層以外は記号4で表記)が、各1組積層された構成)としている。
図4に示すよう、透過側流路材4は、集水管5に対し、突起部45の無い基材44側の面を、両面テープ等の接着手段(図示せず,接着手段は、他の方法でも良い)で接合し、集水管5の外周面に対し、基材44側の面が対面する状態で、集水管5の周りに、膜−供給側流路材ユニット30と共に、巻きつけることで、積層体11を、巻囲体12に形成するものである。
透過側流路材4bの基材44側の面は、凹凸がない略平面であり、また、集水管5の外周面および、分離膜2の透過流体側の面も同様に略平面であり、図5に示すよう、集水管5を矢印S方向に回転させ、集水管5の外周に透過側流路材4bを巻きつけることで、集水管5の外周面と、透過側流路材4bの基材44側の面が接する構成のものである。また、集水管5および分離膜2との対面する面どうしは、それぞれ平面どうしとなる構成である。
集水管5の外周に透過側流路材4bおよび膜−供給側流路材ユニット30を巻きつける際は、接着剤により、接着部7が確実に封鎖されるよう、ある程度、接着部7に対応する部分の分離膜2および透過側流路材4が密着するように、集水管5の外周面方向(矢印J方向)に向け、適度な接圧力を透過側流路材4にもたせることが好ましい。
その手段として、集水管5の透過側流路材4bとの接合部側の端部から、透過側流路材4bの巻囲方向(集水管5の長手方向に対し垂直な方向)である矢印K方向に張力を付与したり、また、巻きつける外周側から、集水管5の外周面方向である矢印J方向に直接圧接力を加える方法等がとられる。
この際に、透過側流路材4と集水管5または分離膜2の平面どうしが対面する状態であれば、透過側流路材4は、集水管5(または分離膜2)の長手方向に渡り、平面部全体が均一に接触しようとして、仮に巻き付ける前に透過側流路材4bが、集水管5の長手方向に上下に波打つような、うねりが生じている場合も、平面どうしの接触/接圧力で、集水管5の長手方向に渡り均一にされ、シワなく、均一に巻きつけられた巻囲体12が形成される。
2.製造工程
本実施形態に係る分離膜エレメントは、
(A)分離膜2の供給側の面の間に供給側流路材6を挟み込むことで、膜−供給側流路材ユニット30を作製する工程
(B)透過側流路材4と膜−供給側流路材ユニット30とを交互に重ねる工程、
(C)液状の接着剤を透過側流路材4の少なくとも一方の面と分離膜2との間に塗布する工程
(D)積層体11を集水管5の周囲に巻囲する工程
(E)接着剤を硬化させることで、接着部を形成する工程
を含む方法によって製造可能である。
図10Aに示すように、工程Aでは、分離膜2を折り畳むか、2枚の分離膜2を貼り合わせることで、集水管5に近い端部が封止された、2枚一組の分離膜対を作製する。供給側流路材3を分離膜2に重ねてから折り畳みまたは貼り合わせを行ってもよいし、分離膜対を作製してから供給側流路材3を分離膜2間に挿入してもよい。
図10Aでは、説明の便宜上、分離膜2の折り目部分がマチを有するように描かれているが、実際には、分離膜2はマチのない二つ折りになっている。
図中で、分離膜2の長さをLPとして表し、折り目を境に分けられた分離膜の2つの領域のうち、積層体11において上になる方の領域(上領域)の長さをL2とし、下になる領域(下領域)の長さをL1として、図に示す。折り目の位置は変更可能である。つまり、L1=L2であっても、L1<L2であっても、L1>L2であってもよい。本実施形態では、L1<L2となっている。
後述するように、本実施形態では、膜−供給側流路材ユニット30は、その下の膜−供給側流路材ユニット30よりも集水管5から積層ピッチP2だけ遠ざかるようにずらして配置される。本形態のように、L1<L2である場合、積層ピッチP2は、(L2−L1)とほぼ同じ長さに設定されることが好ましい。これによって、膜の長さを有効に分離および接着に活用することができる。また、積層体11を巻囲することで、隣接する膜−供給側流路材ユニット30の位置にはさらにずれが生じる。このずれを考慮すれば、ユニット30の積層ピッチP2を、(L2−L1)より小さくすることができる。ただし、エレメントの構造によっては、P2を(L2−L1)よりも大きくすることも可能であり、これらの寸法は適宜変更することが可能である。
図10C、図10Dに示すように、工程Bでは、こうして作製された膜−供給側流路材ユニット30と透過側流路材4とを重ねることで、分離膜2の透過側の面の間に透過側流路材4を挿入しながら、積層体11を形成する。
工程Cでは、液状の接着剤71を膜−供給側流路材ユニット30の上面に塗布するか、膜−供給側流路材ユニット30に重ねた透過側流路材4の上から塗布すればよい。つまり、透過側流路材4とその下の膜−供給側流路材ユニット30との間、または透過側流路材4とその上の膜−供給側流路材ユニット30との間の、いずれに接着剤71を塗布してもよい。
膜−供給側流路材ユニット30の上面に接着剤71を塗布し、そこに透過側流路材4を重ねる場合、透過側流路材4に接着剤71が浸透し、透過側流路材4の上に染み出し、さらに上に重ねられた膜−供給側流路材ユニット30の下面と透過側流路材4とを接着する。
逆に、透過側流路材4を膜−供給側流路材ユニット30に載せ、その透過側流路材4の上から接着剤71を塗布し、さらに上に膜−供給側流路材ユニット30を重ねる場合は、接着剤71は、その透過側流路材4と上の膜−供給側流路材ユニット30との間を接着すると共に、透過側流路材4に浸透して、その透過側流路材4と、その下の膜−供給側流路材ユニット30との間を接着する。
つまり、図10C,Dで透過側流路材4を挟んで分けて描かれている接着剤71は、実際には、透過側流路材4内部を通じて一体的に繋がっている。
このように、エレメントの製造方法は、接着剤71を透過側流路材4に浸透させる工程
を含む、ともいえる。接着剤71の浸透は、接着剤を塗布してから硬化するまで進行し得る。つまり、接着剤の塗布中、積層体11の構成要素を重ねる間および積層体11を巻囲する間、接着剤を透過側流路材4へ浸透させる工程が行われることになる。 接着剤71の粘度は、0.1Pa・s〜50Pa・sの範囲であることで、透過側流路材4に浸透しやすい。
図11Aには、膜−供給側流路材ユニット30の上面に塗布装置700によって接着剤71を塗布する様子を示す。また、図7Bには、膜−供給側流路材ユニット30に透過側流路材4を重ねた後、さらにその上に膜−供給側流路材ユニット30を重ねる様子を、接着剤71が透過側流路材4に下から浸透する様子(矢印)を併せて示す。
こうして、膜−供給側流路材ユニット30、透過側流路材4を交互に重ねて、その間に接着剤71を塗布することを繰り返すことで、積層体11が形成される。積層体11において、重ねられた膜−供給側流路材ユニット30の集水管5に近い端部(分離膜2の折り山)は、そのすぐ下に配置された膜−供給側流路材ユニット30の集水管5に近い端部よりも、集水管5から離される。上下に重なった膜−供給側流路材ユニット30の端部の水平方向における距離を、積層ピッチとよび、符号「P2」を付す。積層ピッチP2は、0.5mm〜100mmの範囲であることが好ましい。この積層ピッチP2は、完成したエレメント内でも維持される。
その後、図10Dに示すように、工程Dによって集水管5の周囲に積層体11が巻囲される。巻囲時の集水管5の回転方向を図中にSで示す。
積層体11の形成時に、あるいは巻囲時に、接着剤71は、塗布されたときよりも、透過側流路材4の厚み方向および平面方向に広がる。
また、積層体11最上部の膜−供給側流路材ユニット(説明の便宜上、特に符号“30a”を付して区別する)が、接着剤(説明の便宜上、特に符号“71a”を付して区別する)を介して、積層体11の最下の膜−供給側流路材ユニット(説明の便宜上、特に符号“30b”を付して区別する)のさらに下に配置された透過側流路材(説明の便宜上、特に符号“4b”を付して区別する)と重なることで、最上部の膜−供給側流路材ユニット30aと最下部の膜−供給側流路材ユニット30bとの間も、接着される。
最上部の膜−供給側流路材ユニット30aおよび接着剤71aとしては、他の層の膜−供給側流路材ユニット30および接着剤71とそれぞれ同じ構成が適用可能であり、最下部の膜−供給側流路材ユニット30bおよび透過側流路材4bとしては、他の透過側流路材4と同構成の部材が適用される。
また、集水管5の外周に積層体11を巻きつける際は、接着剤71により、接着部7が確実に接着・封鎖されるよう、ある程度、接着部の分離膜2および透過側流路材4が密着する(接着部に透過側流路材4が、接着部7部分に無い場合は、分離膜2どうしを密着する)ように、集水管5の外周面方向に向け、積層体11に適度な接圧力を加えることが好ましく、図4に示すよう、その手段として、集水管5の透過側流路材41との接合部側の端部から、透過側流路材4bの長手方向(矢印K方向)に張力を付与したり、また、巻き付ける集水管5の外周面方向(矢印J方向)に向け、接圧機構等により、直接圧接する方法がとられる。透過側流路材4bの長手方向(矢印J方向)に張力を付与した場合も、実質は集水管5の外周面方向(矢印J方向)に向け圧接する方向に力が加わることになる。
本実施形態における、透過側流路材4の巻囲時の突起部の向きと、その向きが、エレメント巻囲形態に及ぼす、影響について、図4〜図6を用いて説明する(図4〜図6は、説明の便宜上、エレメントに使用する各基材を1セット(1リーフ)としている)。
図4に示すよう、本実施形態においては、透過側流路材4は、突起部45の無い基材44側の面が、内側になるよう、積層体11の最下の透過側流路材4bにおいては、集水管5への接続は、基材44側の面を集水管5の外周面に接着固定(下側面が突起部45になる配置とする)し、複数枚積層する場合の他の透過側流路材4も、同様に下側面が突起部45となる構成とする。
これにより、図5に示すよう、積層体11を集水管5を矢印S方向に巻囲を始めた際、まず最初に、透過側流路材4bの基材44側の面(平面側)と集水管5の外周面(概ね平面)のお互い突起のない平らな面どうしが、接圧され、ついで、透過側流路材4bの基材44側の面(平面側)は、膜−供給側流路材ユニット30の透過側の面(概ね平面)と、お互い突起のない平らな面どうしが、適度に接圧されながら、巻囲体12が形成される。
この平らな面どうしが、接圧された場合の透過側流路材4bの挙動について、図5の矢印X方向から見た、透過側流路材4bの状態を図6A,Bに示す。
この平らな面どうしの接圧が、透過側流路材4の特に基材44の厚みがより小さいものを使用した場合に、その剛性が弱く、図6Aに示すよう、巻囲前に過側流路材4が部分的な弛みや、波打ち状にうねっている場合があるが、矢印J方向に接圧力を加えた場合、図6Bに示すよう、平面どうしの接圧であることにより、集水管5の外周面上に全面密着しようとする作用が働き、基材44の弛みや、うねりは、集水管5の長手方向すなわち矢印Y1,Y2方向に均一にされ、弛み、うねりが無くなり、その結果、透過側流路材4(特に基材44)は、シワ無く巻囲することができるのである。
逆に、透過側流路材4bの突起部45が内側になるよう、巻囲した場合について、図6と同じ矢視から見た場合の透過側流路材4bの挙動について、図7A,Bに示す。
図7Aで突起部45が、集水管5の突起のない外周面(概ね平面)および、膜−供給側流路材ユニット30の透過側の面(概ね平面)に接圧された際、突起部45部分のみが接圧され、基材44は接圧されないため、巻囲前に弛みやうねりを生じていた透過側流路材4bは、巻囲された後も、基材44の突起部45の無い部分で、弛み、うねりが、シワ46となり残る場合がある。この部分が、接着部7に対応する箇所で生じた場合、シール不良が生じるのである。
図7Bでシワ46は、透過側流路材4の突起部45の無い基材44で、突起部45の間に均等に複数個所で発生している例を示しているが、実際には、透過側流路材4の集水管5長手方向で、部分的に集中して発生することが多く、その際のシワ46は、均等に複数個所で発生する場合よりも、大きな「弛み」、「拠れ」、からタック状になり、巻囲体12の外周面の周方向に、大きなスジ状の突起を形成し、酷い場合は、エレメント1の外観を損ねる場合もある。
図8では、上述した巻囲体12の巻囲時の分離膜2と透過側流路材4とを確実に接着部7で接着させるため、積層体11の最下部の透過側流路材4bに対し、集水管5方向(図5の矢印J方向)に接圧を加える手段の具体例として、接圧ローラ83を用いた形態を示す。
集水管5に巻かれる積層体11を外周方向から、集水管5の外周面方向であるJ1方向に接圧ローラ83を接圧した状態を示す。この接圧ローラ83は、巻囲が完了すると、待避するものである。このような接圧ローラ83を用いた方法においては、接圧ローラ83の接圧力は、強すぎると、逆に接触による摩擦力が、透過側流路材4が、均一にされようとする作用の力を上回り、シワが生じる場合があるため、適度な接圧力である必要がある。接圧ローラ83の接圧力は、接圧ローラ83長手方向の透過側流路材4の寸法100mmあたり、2kg以下が好ましく、より好ましくは、同1kg以下が好ましい。
また、図9では、別の手段の具体例として、テンションローラ84を用いた形態を示す。
集水管5に巻かれる積層体11の最下部の透過側流路材4bを規定長に切断せず、透過側流路材4bの送り出し部に設けたテンションローラ84を矢印K1方向に移動させる力を加えることで付与することで、透過側流路材4bに矢印K方向の張力を付与するものであり、巻囲が完了した時点で、カッター85を矢印Y方向に作動させることにより、透過側流路材4bを切断する構成のものである。このようなテンションローラ84を用いた方法においては、テンションローラ84により透過側流路材4bにかかる張力が強すぎると、逆に、透過側流路材4が集水管5長手方向で、波打ち状にうねりが入り易くなる場合があるため、適度な張力である必要がある。テンションローラ84による張力付与は、テンションローラ84長手方向の透過側流路材4の寸法100mmあたり、2kg以下が好ましく、より好ましくは、同1kg以下が好ましい。
上記2つの具体例を図8と図9を用いて説明したが、この両者の手段は同時に使用してもよい。
以上のような、具体例の手段は、ほんの一部の例であり、透過側流路材4b(および積層体11)に対し、集水管5の外周面方向に力を付与する手段は、これらに関わらずどのような手段でも構わない。
次いで、工程Eにより、接着剤71(71aを含む)が硬化して、接着部70となることで、隣接する全ての膜−供給側流路材ユニット30の間が封止される。
なお、積層体11の最下に配置された透過側流路材4bが、他の透過側流路材4よりも長いことで、巻囲時に、まず集水管5の周囲に透過側流路材4が巻き付き、その後に分離膜2が巻き付く。こうして、集水管5の周囲に、透過側流路材4bによって流路が確保される。
<実施例1>
透過側流路材として、基材に流体浸透性を有する幅WPが950mm,長さLPが800mm、厚み50μmの不織布を用い、その上に突起部をホットメルトで形成し、突起の断面は略四角形状であり、高さは0.2mmであり,幅は0.3mmであり,配列ピッチは0.8mmで、基材面の全面に設けられ、巻囲方向(集水管長手方向に対し、略垂直方向)に、同じ断面寸法で、密に並ぶ連続的な突起を有するものを使用した。
また、透過側流路材は、巻囲時に突起部が外側に向く(平面な基材部が内側を向く)ように、集水管との接続は、突起部の設けていない平面側を接続した構成としている。
分離膜は、分離機能層、多孔質層および支持体から構成される3層構造の逆浸透膜を分離膜として使用した。分離機能層はポリアミドで形成された層であり、多孔質層はポリスルホンで形成された層であり、基材はポリエステル不織布材である。
逆浸透膜の寸法は、幅が1000mmであり,長さL0が1700mmであり,厚みが0.14mmであった。これを折返し寸法L2が855mmとなるように折り畳み、中に供給側流路材としてネットを挟み込むことで、26枚の膜−供給側流路材ユニットを準備した。
膜−供給側流路材ユニットの上面のみに、2液混合エポキシ製で、12Pa・sの粘度
を有する接着剤を塗布し、間に透過側流路材を挟んで、26枚の膜−供給側流路材ユニットを重ねた。積層ピッチ(P2)は4mmとした。
こうして得られた積層体を集水管に、透過側流路材の突起部が外側を向く方向に巻回し、直径8インチのスパイラル型の分離膜エレメントを得た。
この分離膜エレメントについて、供給流体(原流体)として食塩水を用いた試験運転を実施し、得られた透過水について脱塩率と造水量を測定したところ、脱塩率は98.2%、造水量は35.8m3/dayであり、良好な性能が得られた。
評価条件は以下のとおりである。食塩水の濃度は500mg/Lであり、運転圧力は2.5Mpaであり、運転温度は25℃であり、回収率は15%であり、運転時間は100時間であった。
その後の10分間の運転で得られた透過水の体積から、分離膜の単位面積あたり、かつ1日あたりの透水量(立方メートル)を、造水量(m/day)として表した。
また、脱塩率については、造水量の測定における10分間の運転で用いた供給水およびサンプリングした透過水について、TDS濃度を伝導率測定により求め、下記式からTDS除去率(脱塩率)を算出した。
脱塩率(%)=100×〔1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)〕
また、評価後の分離膜エレメントを分解してみると、透過側流路材にシワが入ることなく、透過側流路材とその上下に接する分離膜との間の接着部の状態は、完全に封鎖されており、リークするような箇所は見られなかった。
このように本実施例では、エレメント製造時に、片側面に突起部を有する透過側流路材を巻囲する際に、突起部が外側に向く方向に巻囲することで、シワが生じず、接着部を確実に封鎖した、安定した性能のエレメントを作製することができた。
<比較例1>
透過側流路材の突起部のある面が内側になるよう、巻囲した以外は、実施例1と同様にして、8インチサイズのスパイラル型分離膜エレメントを製作した。
この分離膜エレメントについて、実施例1と同じ条件で評価した。結果、脱塩率は95.1%、造水量は36.6m/dayであり、実施例1と比べて、脱塩率が低かった。
評価後のエレメントを分解したところ、透過側流路材にシワが生じており、そのシワが接着部にも生じていたため、その部分でのシール不良があった。
脱塩率が低下したのは、そこから原流体が透過側流路に入り込んでいるからであると考えられた。
本発明は、透過側流路材および分離膜エレメントに関し、特にかん水や海水の脱塩に好適に用いることができ、飲料水の浄水濾過用エレメントなどにも応用でき、スパイラル型の分離膜エレメントであれば、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
1 分離膜エレメント
2 分離膜
3 供給側流路材
4 透過側流路材
4b 積層体の最下部に位置する透過側流路材
5 集水管
7 接着部
11 積層体
12 巻囲体
30 膜-供給側流路材ユニット
30a 積層体の最上部に位置する膜-供給側流路材ユニット
30b 積層体の最下部に位置する膜-供給側流路材ユニット
44 透過側流路材の基材
45 透過側流路材の突起部
53,55 端板
7 接着部
71 接着剤
71a 積層体の最上部の接着剤
83 接圧ローラ
84 テンションローラ
85 カッター
LP 分離膜の長さ(2つ折り状態)
WQ 分離膜の幅
L1,L2 折り畳み長さ
LR 透過側流路材の長さ
WS 透過側流路材の幅
PP 突起の配列ピッチ
P2 膜−供給側流路材ユニットの積層ピッチ
101 供給流体
102 濃縮流体
103 透過流体
700 塗布装置

Claims (6)

  1. 原流体が接する供給側の面と、原流体を分離濾過して得られる透過流体が接する透過側の面とを有する分離膜と、前記透過側の面に挟まれるように配置される透過側流路材と、を備え、前記分離膜によって原流体を透過流体と濃縮流体とに分離し、透過流体を集水管に集水する分離膜エレメントであって、
    前記透過側流路材が以下の(1)〜(4)の全てを満足することを特徴とする分離膜エレメント。
    (1)片側面に突起部を有し、もう一方の面は平面である
    (2)前記透過側流路材を挟む前記分離膜の透過側の面の両方でかつ、前記透過流体を前記集水管に集水する箇所を除いた端部(縁部で略4辺の内の3辺)が接着剤により固定されている。
    (3)前記接着剤で固定された端部(縁部で略4辺の内の3辺)を除く端部(1辺)に、前記集水管が接続されている
    (4)前記突起を有する側の面が外側を向くよう、前記分離膜と共に、前記集水管周りに、巻き付け形成されている。
  2. 前記透過側流路材が流体浸透性を有することを特徴とする請求項1に記載の分離膜エレメント。
  3. 前記透過側流路材と、前記集水管の接続が、前記透過側流路材の前記突起の無い側の面を前記集水管へ接着固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の分離膜エレメント。
  4. 前記突起部が、前記集水管長手方向に対し、複数配置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  5. 前記透過側流路材の前記突起の無い部分の厚みが、0.001mmから0.5mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  6. 前記透過側流路材が、基材と、突起部とからなり、前記突起部が、前記基材面に固着形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の分離膜エレメント。
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