JP4201150B2 - 新規硬化性アラミド、重合性組成物およびその硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規フェノール性水酸基含有硬化性アラミド、該アラミドを含有する重合性組成物、およびその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族環を主鎖中に有する芳香族ポリアミドおよびオリゴマーはアラミドとよばれ、軟化温度が極めて高く高耐熱性で、ヤング率も大きい重合物として注目されている。こうしたアラミドは、アクリル系モノマー、多官能アクリレートや、エポキシ含有重合性組成物に、機械的強度、耐熱性や、電気絶縁性等を付与あるいは向上させるための添加剤として有用で、電子部品、レジスト、自動車用部品、製版材、塗料、接着剤などの多くの分野で用いられている。しかしながら、これら重合性組成物等の添加剤や改質剤として用いる場合、一般にアラミドは溶媒、モノマーへの溶解性や、他のポリマーへの相溶性が十分でないという問題があった。この問題点を解決するために、溶解性や相溶性の良好なセグメントをブロック共重合体としてアラミドに導入したものなどが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、溶解性や相溶性の良好なセグメントをブロック共重合体としてアラミドに導入したものは、溶剤溶解性が向上し作業性に優れるが、一方、有機溶剤による地球環境汚染の問題がある。また、重合性組成物とした場合、他の硬化性基との共重合性が十分でないため、硬化後の耐溶剤性が不十分であったり、アラミドの持つ機能が発現されないなどの問題もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究の結果、モノマーへの溶解性や他のポリマーへの相溶性が良好で、さらにビニル系およびエポキシ系硬化性基との共重合性に優れ、極めて有用であるアラミドを見いだし、本発明を完成した。すなわち本発明は、
(1)構造末端に硬化性不飽和二重結合を有し、かつ構造中にフェノール性水酸基を含有する硬化性アラミド、
(2)式(A)で表される水酸基含有硬化性アラミド、
【0005】
【化3】
【0006】
(式(A)中R1は二価の芳香族基を表すが、該芳香族基のうちフェノール性水酸基含有芳香族基が1モル%以上である。Xはアクリル基、メタクリル基、水素原子、および式(1)のうち1種以上を表すが、Xのうち50%以上はアクリル基およびメタクリル基のうち1種以上である。nは平均重合度であり、1〜20の実数を表す。)
【0007】
【化4】
【0008】
(式(1)中R2は二価の芳香族基を表す。)
(3)上記(1)又は(2)記載の硬化性アラミド及び重合開始剤を含む重合性組成物、
(4)上記(3)記載の重合性組成物を硬化して得られる硬化物
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の構造末端に硬化性不飽和二重結合を有し、かつ構造中にフェノール性水酸基を含有する硬化性アラミドは、構造の片末端あるいは両末端にアクリル基類や、ビニル基類等、加熱操作または紫外線や電子線などの照射により硬化する、不飽和結合を有する硬化性基を有するものであればよく、かつ構造中に1個以上フェノール性水酸基を含有するものであれば、特に制限はないが、一般式(A)で表される構造が好ましい。
【0010】
式(A)中R1で表される二価の芳香族基は、R1の総モル数のうち1モル%以上がフェノール性水酸基を有する芳香族基であれば、同一構造でも互いに異なる構造でもよく、特に制限はないが、フェノール性水酸基を有するR1として、一般式(2)
【0011】
【化5】
【0012】
(式(2)中R3はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基およびハロゲン化アルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基およびハロゲン化アルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基およびハロゲン化アルキルチオ基、アセチル基、ニトロ基、シアノ基又はメチルスルホニル基のうち1種以上を、R4は直接結合、酸素原子、硫黄原子、炭素数1〜4のアルキレン基およびハロゲン化アルキレン基、カルボニル基、スルホニル基、スルホキシル基、アゾ基又はジチオ基のうち1種以上を、aは0〜3の整数を、bは0〜4の整数を、cは0〜5の整数をそれぞれ表す。)で表される構造のいずれかが好ましく、フェノール性水酸基を持たないR1として、一般式(3)
【0013】
【化6】
【0014】
(式(3)中R3およびR4は式(2)におけるのと同じであり、dは0〜4の整数を、eは0〜6の整数を、fは0〜3の整数をそれぞれ表す。)で表される構造のいずれかが好ましい。
式(A)中のXはアクリル基、メタクリル基、水素原子および式(1)のうち1種以上を表す。また、全Xのうち平均50%以上は、アクリル基およびメタクリル基のうち1種以上を含有し、その中でも特に80%以上含有するものが好ましい。
式(A)中のnは平均重合度で、浸透圧法、光散乱法、粘度測定、GPC法や、1H−NMR等から決定でき、溶解速度、粘度等の取り扱い性や、官能基Xの機能発現といった点から1〜20の実数、特に5〜10の実数であるものが好ましい。
【0015】
式(1)中のR2は、二価の芳香族基であれば特に制限はないが、前記式(2)および(3)で表される芳香族基が好ましい。
【0016】
前記式(A)で表されるアラミドは、式(4)
【0017】
【化7】
【0018】
(式(4)中R1およびnは式(A)におけるのと同じ意味を表し、Yは水素原子、または式(1)を表す。)で表されるアラミドの末端に、アクリル基およびメタクリル基のうち1種以上を導入することによって得られる。アクリル基および/又はメタクリル基の導入方法は、式(4)のアラミドの縮重合中または縮重合後にさらにアクリル酸およびメタクリル酸のうち1種以上を縮合させる等の方法が挙げられる。
【0019】
式(4)で表されるアラミドは、式(2)または式(3)の空位に直接アミンが結合した芳香族ジアミン(以下、式(2)または式(3)の芳香族ジアミンともいう)の1種以上と、式(2)または式(3)の空位に直接カルボン酸が結合した芳香族ジカルボン酸(以下、式(2)または式(3)の芳香族ジカルボン酸ともいう)の1種以上とを、少なくとも式(3)の芳香族ジアミンおよび/または式(3)の芳香族ジカルボン酸が、全芳香族ジアミンおよび全芳香族ジカルボン酸の1モル%以上になり、かつ全芳香族ジアミンが、全芳香族ジカルボン酸と等モル以上となるような割合で反応させることによって得られる。
【0020】
用いうる式(2)の芳香族ジアミンの具体例としては、3,5−ジアミノフェノール、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンや、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
【0021】
用いうる式(3)の芳香族ジアミンの具体例としては、p−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメチルベンゼン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3−ジアミノ−4−クロロベンゼン、1,3−ジアミノ−4−ニトロベンゼン、2,4−ジアミノアゾベンゼン、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメトキシビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、1,4−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチトキシフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、2,6−ジアミノアントラキノン、3,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシドや、2,7−ジアミノフルオレンなどが挙げられる。
【0022】
用いうる式(2)の芳香族ジカルボン酸の具体例としては、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシイソフタル酸、4,6−ジヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸や、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸などが挙げられる。
【0023】
用いうる式(3)の芳香族ジカルボン酸の具体例としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、4,4’−チオジ安息香酸、4,4’−ジチオジ安息香酸、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、3,3’−カルボニルジ安息香酸、4,4’−カルボニルジ安息香酸、4,4’−スルホニルジ安息香酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3,3’−メタンジ安息香酸、4,4’−メタンジ安息香酸、プロパン−2,2−ビス(4−安息香酸)や、ヘキサフルオロプロパン−2,2−ビス(4−安息香酸)などが挙げられる。
【0024】
尚、前記芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸との、特に好ましい組み合わせを表1に示す。
【表1】
【0025】
前記芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸との反応は、通常三級アミンおよび亜リン酸エステル系縮合剤の存在下で行い、必要により不活性溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメチルイミダゾリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジンのような非プロトン性極性溶媒、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の無極性溶媒、テトラヒドロフラン、ジグライム、ジオキサンや、トリオキサンなど、またはこれらの混合溶媒中で行ってもよい。これら溶媒の使用量は、芳香族ジアミン0.1モルに対して、通常0〜500ml、好ましくは50〜300mlである。また、反応温度は通常20〜150℃、好ましくは50〜120℃である。反応時間は通常30分〜24時間、好ましくは1〜10時間である。
【0026】
用い得る三級アミンの具体例としては、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−ルチジンや、トリエチルアミンなどが挙げられ、その使用量は、芳香族ジアミン1モルに対して、通常1.0〜3.0モル、好ましくは1.5〜2.5モルである。
【0027】
用い得る亜リン酸エステル系縮合剤の具体例としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o−トリル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p−トリル、亜リン酸ジ−p−トリルや、亜リン酸トリ−p−クロロフェニルなどが挙げられ、その使用量は、芳香族ジアミン1モルに対して、通常1.0〜3.0モル、好ましくは1.5〜2.5モルである。
【0028】
このようにしてアラミド(式(4)の化合物)の合成が完了した反応混合物に、さらにアクリル酸およびメタクリル酸のうち1種以上を添加し、アラミドの末端アミンとこれらを縮合させる。この場合のアクリル酸および/またはメタクリル酸使用量は、式(4)の化合物の末端アミン1モルに対して、通常1.0モル以上の過剰量、好ましくは2.0〜10モルである。
また、式(4)の化合物を合成する反応が完了する前に、その分子量を制御する目的でアクリル酸および/またはメタクリル酸を前記使用量の範囲で添加してもよい。
【0029】
反応終了後、反応混合液を室温まで冷却した後、貧溶媒の使用や溶媒除去等で析出を行い、再溶解再沈殿および/または洗浄後、濾過し、乾燥させ式(A)で表される本発明の硬化性アラミドを得ることができる。また、式(A)で表される本発明の硬化性アラミドは、その用途に応じて更に機能性官能基で容易に変性でき、例えば更に(メタ)アクリル基を導入する目的で(メタ)アクリロイルクロリド等と反応させることもでき、こうして得られる(メタ)アクリル変性硬化性アラミドは、紫外線硬化樹脂等に有用な化合物となる。また、エポキシ基を導入する目的でエピクロロヒドリン等と反応させることもでき、こうして得られるエポキシ変性硬化性アラミドは封止剤等に有用な化合物となる。
【0030】
次に本発明の重合性組成物につき説明する。
本発明の重合性組成物は、本発明の硬化性アラミドおよび重合開始剤を含有し、その他必要に応じて不活性な有機又は無機顔料、染料、カブリ防止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、静電防止剤、消泡剤、流動調整剤、促進剤、遅延剤、光安定剤、防かび剤、抗菌剤、磁性体等を混合することができる。
本発明の重合性組成物には、さらに硬化性を損なわない範囲で希釈のための溶剤や、改質のための非反応性化合物や、カチオン重合性、ラジカル重合性等の反応性化合物を配合することができる。例えば、電気特性を改良するなどのためエポキシ化合物、有機カルボン酸や酸無水物を加えたり、ゴム弾性を持たせるためポリマールその他の可とう性プレポリマーを混合することもできる。
【0031】
重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤などのラジカル重合を起こしうるものであれば特に制限はく、熱重合開始剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられ、光重合開始剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、4−ジメチルアミノエチルベンゾエート等が挙げられる。
【0032】
本発明の重合性組成物は通常、硬化性アラミド100重量部に対して、重合開始剤0.01〜20重量部を必須の成分とするが、好適な比率は、重合開始剤の種類や硬化方法、混在物の種類や量、温度、湿度(水分量)、塗膜厚等さまざまな要因を考慮することにより決められる。硬化性アラミドと重合開始剤の溶解を容易にするため、予め両者を適当な溶媒(例えば、プロピレンカーボネート、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチロラクトン等)に溶解して使用することができ、混合、溶解あるいは混練等の方法により調製することもできる。
【0033】
本発明の重合性組成物は、電気材料、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミックス製品等に使用することができる。さらに、本発明の具体的用途としては、フォトレジスト、液状レジスト、電子写真、ダイレクト刷版材料、ホログラム材料、接着剤、粘着剤、粘接着剤、封止剤、塗料、コーティング剤、インキ、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤等が挙げられる。
【0034】
本発明の硬化物は、紫外線等のエネルギー線を照射、或いは加熱することにより通常は0.1秒〜数分後に指触乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態として得ることができる。適当なエネルギー線としては、本発明の重合性組成物の硬化反応を誘発する限りいかなるものでもよいが、好ましくは、超高、高、中、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーランプ、殺菌灯、エキシマーレーザー、窒素レーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、ヘリウムネオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、各種半導体レーザー、YAGレーザー、発光ダイオード、CRT光源などから得られる2000オングストロームから7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を利用する。
【0035】
エネルギー線への暴露時間は、エネルギー線の強度、塗膜厚や開始剤によるが、通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし、比較的厚い塗装物についてはそれ以上の照射時間をかけたほうが好ましい。また、オーブン等による加熱やサーマルヘッド等による熱エネルギーを使用することも場合によっては好ましい。
【0036】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
実施例1
温度計、環流冷却器、滴下ロート、窒素導入装置、攪拌装置のついた500mlの反応器に、5−ヒドロキシイソフタル酸23.76g(0.1305モル)、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン45.00g(0.1452モル)と、塩化リチウム14.88gを仕込み、乾燥窒素を流しながら、N−メチル−2−ピロリドン250gと、ピリジン28.98gを加え、撹拌しながら反応器内が110℃になるまで徐々に加熱し、固形分を溶解させた。その後、反応器内を撹拌し110℃に保ち、亜リン酸トリフェニル90.00gを2時間で滴下し、さらに1時間反応させた。次に、反応器内温度を90℃にし、メタクリル酸5.00gを、前記の反応溶液に撹拌しながら、30分かけて滴下した。その後さらに90℃で1時間反応させた。
【0038】
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却した後、1000ml容器に移し、室温で撹拌しながら、20重量%水酸化ナトリウム水溶液400gを加えた後、3000ml容器に水2000gを仕込、撹拌しながら、前記溶液を加え、生成物を析出させた。析出物を濾過した後、2000ml容器にメタノール1000gを仕込、撹拌しながら、前記析出物を徐々に加え、再溶解させた。その後、20重量%塩酸66.0gを加え生成物を再び析出させ、室温で30分撹拌した後、濾過した。次に、この析出物を1000ml容器に仕込み、水700g、メタノール82.5gと、20重量%塩酸3.0gを加え、室温で1時間撹拌洗浄し、濾過した後、さらに水700gで洗浄し、乾燥させて式(5)
【0039】
【化8】
【0040】
(式(5)中pは平均重合度であり、p=9である。)で表される本発明の硬化性アラミドを得た(収量58.3g、収率90.0%)。
【0041】
実施例2
温度計、環流冷却器、滴下ロート、窒素導入装置、攪拌装置のついた500mlの反応器に、5−ヒドロキシイソフタル酸14.57g(0.080モル)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.02g(0.100モル)と、塩化リチウム5.10gを仕込み、乾燥窒素を流しながら、N−メチル−2−ピロリドン195gと、ピリジン28.63gを加え、撹拌しながら反応器内が95℃になるまで徐々に加熱し、固形分を溶解させた。その後、反応器内を撹拌し95℃に保ち、亜リン酸トリフェニル31.00gを1時間で滴下し、さらに2時間反応させた。次に、反応器内温度を80℃にし、アクリル酸20.00gを、前記の反応溶液に撹拌しながら、30分かけて滴下した。その後さらに80℃で1時間反応させた。
【0042】
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却した後、メタノール100gと水70gを加え、白濁液とし、次いで1000ml容器に水500mlを加え、激しく撹拌しながら、前記白濁液を徐々に加えた。その後、室温で1時間撹拌し、濾過して、メタノール300gで3回洗浄し、乾燥させて式(6)
【0043】
【化9】
【0044】
(式(6)中qは平均重合度であり、q=4である。)で表される本発明の硬化性アラミドを得た(収量31.2g、収率96.2%)。
【0045】
実施例3
温度計、環流冷却器、滴下ロート、窒素導入装置、攪拌装置のついた500mlの反応器に、イソフタル酸6.65g(0.040モル)、5−ヒドロキシイソフタル酸7.28g(0.040モル)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.02g(0.100モル)と、塩化リチウム5.10gを仕込み、乾燥窒素を流しながら、N−メチル−2−ピロリドン195gと、ピリジン28.63gを加え、撹拌しながら反応器内が95℃になるまで徐々に加熱し、固形分を溶解させた。その後、反応器内を撹拌し95℃に保ち、亜リン酸トリフェニル31.00gを1時間で滴下し、さらに2時間反応させた。次に、反応器内温度を80℃にし、アクリル酸20.00gを、前記の反応溶液に撹拌しながら、30分で滴下した。その後さらに80℃で1時間反応させた。
【0046】
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却した後、メタノール100gと水70gを加え、白濁液とし、次いで1000ml容器に水500mlを加え、激しく撹拌しながら、前記白濁液を徐々に加えた。その後、室温で1時間撹拌し、濾過し、メタノール300gで3回洗浄し、乾燥させて式(7)
【0047】
【化10】
【0048】
(式(7)中r、sおよび、tは平均重合度であり、r:s=1:1、(r+s)*t=4である。また、基
【0049】
【化11】
【0050】
と基
【0051】
【化12】
【0052】
は任意の順で配列している)
で表される本発明の硬化性アラミドを得た(収量28.5g、収率89.7%)。
【0053】
【発明の効果】
本発明の硬化性アラミドは、高耐熱、高強度の重合性組成物として、コーティング剤、インキ、塗料、接着剤、レジスト、封止剤、製版材、絶縁材などの種々の分野で極めて有用である。特に構造中にフェノール性水酸基を含有することから、各種モノマーや溶剤への溶解性が良好で、フェノール性水酸基や構造末端の硬化性不飽和二重結合に反応しうるモノマーとの共重合性にも優れる。また、他ポリマーとの相溶性にも優れるため、作業性の良好な機能性添加剤として有用である。
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