JP4200932B2 - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents
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Description
また、従来の技術では、車両整備による分解後の再組付け時などにおいては入力部と揺動カム等からなる仲介駆動機構の気筒間の調整方法がなく、バルブリフト量の気筒間の調整に多くの時間を費やされていた。
本願に係る発明が解決する課題は、仲介駆動機構の調整を容易にし、最適な内燃機関の状態を達成しようとするものである。
図1はエンジン1のシリンダ配列方向に垂直な断面を示す図である。エンジン1はシリンダブロック2、シリンダブロック内を往復運動するピストン3、シリンダブロック2の上面に取付けられたシリンダヘッド5、シリンダブロック2とピストン3とシリンダヘッド5に囲まれて形成される燃焼室4を備える。シリンダヘッド5には、吸気ポート6、排気ポート7が形成され、それぞれに吸気バルブ9、排気バルブ8が配置されている。排気バルブ8は、排気バルブ8の上方に配置された排気カムシャフト10の回転に伴って排気カムシャフト10に形成された排気カム11がロッカーアーム12を周期的に押すことによって、燃焼室4と排気ポート7を開閉する。吸気バルブ9は、吸気バルブ9の上方に配置された吸気カムシャフト13の回転に伴って吸気カムシャフト13に形成された吸気カム14が仲介駆動機構15の入力部16を押し、入力部16に入力された力が揺動カム17に伝達され、この揺動カム17が周期的にロッカーアーム18を押すことによって、燃焼室4と吸気ポート6を開閉する。
次に、図2、図3を基に、より詳細な仲介駆動機構15の説明をする。図2は仲介駆動機構15の斜視図であり、図3は仲介駆動機構15のコントロールシャフト19の軸方向に沿った断面の断面図である。
図2、図3において、入力部16と係合するスライダギア23のヘリカルスプライン24aが右ネジの螺旋状に、入力部16両端の揺動カム17と係合するスライダキア23のヘリカルスプライン24bが左ネジの螺旋状に形成されているとする。また、コントロールシャフトを駆動するアクチュエータがR方向他端に設けられているとする。ここで、コントロールシャフトをF方向に駆動すると、入力部16と揺動カム17の中心角θが大きくなりバルブリフト量が大きくなる。反対に、R方向に駆動すると、入力部16と揺動カム17の中心角θが小さくなりバルブリフト量が小さくなる。したがって、上述したようにコントロールシャフト19の駆動方向及び駆動量によって入力部16と揺動カム17の中心角θを連続的に大小に可変することができ、それに伴って吸気バルブ9のバルブリフト量を連続的に変更することができる。
中心角θを変更するには、揺動カム17とスライダギア23の相対位置関係を調整することで可能であるが、入力部16と揺動カム17の中心角θを左右で同一にするためには、各揺動カム17をスライダギア23に対して別個に調整する必要がある。そのため、本実施の形態では、入力部16と揺動カム17の間にシム27を介挿させることで各揺動カム17とスライダギア23のコントロールシャフト軸方向の相対位置関係を調整可能とした。このような構成を採ることにより、揺動カム17の調整を容易に行うことができる。
ここで、入力部16を基準位置として、F方向側のシム27を厚くすると、F方向側の揺動カム17はF方向に移動し、入力部16とF方向側の揺動カム17の中心角θを小さくなるように調整可能である。逆に、F方向側のシム27を薄くすると、F方向側の揺動カム17はR方向に移動し、入力部16とF方向側の揺動カム17の中心角θを大きくなるように調整可能である。また、入力部16を基準として、R方向側のシム27を厚くすると、R方向側の揺動カム17はR方向に移動し、入力部16とR方向側の揺動カム17の中心角θを大きくなるように調整可能である。逆に、R方向側のシム27を薄くすると、R方向側の揺動カム17はF方向に移動し、入力部16とR方向側の揺動カム17の中心角θを小さくなるように調整可能である。
図5は、4気筒直列型のエンジンであり、仲介駆動機構15が各気筒32にそれぞれ1ユニット配置されている。各仲介駆動機構15はシリンダヘッド5に形成された立壁部30によって挟持されている。なお、立壁部30はシリンダヘッド5とは別体のカムキャリア(図示しない)を採用するエンジンにおいては、カムキャリアに形成される場合もある。
仲介駆動機構15のスライダギア23を駆動するコントロールシャフト19のアクチュエータ29はシリンダヘッド5の一方の端に固定されている。このコントロールシャフトアクチュエータ29にコントロールシャフト19が連結されているので、コントロールシャフト19と連動するスライダギア23の位置はコントロールアクチュエータ29の取付け位置によって、決定される。
本発明の第二実施形態について、図6を参照して説明する。
本実施形態の可変動弁機構は、前記図3の第一実施形態の可変動弁機構において、入力部16と揺動カム17の間にシム27に換えて電歪素子としてのピエゾ素子33を介挿させることで各揺動カム17とスライダギア23のコントロールシャフト軸方向の相対位置関係を調整可能とした。ピエゾ素子33はPZT等からなる板状部材であり、電荷が供給されるとコントロールシャフト軸方向に伸張し、電荷が放電されると収縮する。また、これにともなって、ピエゾ素子33を制御する制御装置(制御手段)34が備えられている。このような構成を採ることにより、揺動カム17の調整を容易に行うことができる。なお、ピエゾ素子33の形状は、図6aに示すように、円環状のものを用いてもよいし、図6bに示す、U字状のピエゾ素子を用いてもよい。
次に、気筒32間における仲介駆動機構15の調整について説明する。本実施の形態では、前記図5の第一実施形態の可変動弁機構において、立壁部30と仲介駆動機構15の間に気筒間調整用のシム31に換えてピエゾ素子33を介挿してある。上述したように揺動カム17の調整ができても、入力部16と揺動カム17が一体となってスライダギア23に対し相対的に移動できるので、各気筒32で、中心角θが異なる虞があるが、ピエゾ素子33によって各気筒32間の中心角θを同一にすることができる。
・本発明の実施形態において、仲介駆動機構を吸気側の動弁機構に設置するようにしたが、仲介駆動機構を排気側の動弁機構に設置するように変更することもできる。
・本発明の実施形態において、仲介駆動機構からバルブの駆動をロッカーアームを介して行うようにしたが、仲介駆動機構から直打によりバルブを駆動することもできる。
Claims (8)
- コントロールシャフトと、コントロールシャフトの軸方向の動きに連動して動くスライダギアと、スライダギアの外周面に形成されたヘリカルスプラインと係合し、カムシャフトからの力を受ける入力部と、前記入力部と係合するヘリカルスプラインとは異なる方向に形成されたスライダギアの外周面に形成されたヘリカルスプラインと係合し、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを駆動する揺動カムと、前記スライダギアと入力部または揺動カムとの相対位置関係を調整する調整手段と、を有する仲介駆動機構をカムシャフトと吸気バルブ又は排気バルブの間に配置したことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
- 前記調整手段は、入力部と揺動カムの間に介挿されるシムであることを特徴とする請求項1の内燃機関の可変動弁機構。
- 前記シムは、円環の一部が開口したU字状であり、該シムに突起形状が形成されてあることを特徴とする請求項2の内燃機関の可変動弁機構。
- 前記調整手段は、入力部と揺動カムの間に介挿され、電荷の印加により前記コントロールシャフト軸方向に伸縮動作する電歪素子であることを特徴とする請求項1の内燃機関の可変動弁機構。
- コントロールシャフトと、コントロールシャフトの軸方向の動きに連動して動くスライダギアと、スライダギアの外周面に形成されたヘリカルスプラインと係合し、カムシャフトからの力を受ける入力部と、前記入力部と係合するヘリカルスプラインとは異なる方向に形成されたスライダギアの外周面に形成されたヘリカルスプラインと係合し、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブを駆動する揺動カムと、前記入力部と揺動カムを一体としてスライダギアとの相対位置関係を調整する調整手段と、を有する仲介駆動機構をカムシャフトと吸気バルブ又は排気バルブの間に配置したことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
- 前記調整手段は、揺動カムとシリンダヘッドに形成された立壁部との間に介挿されるシムであることを特徴とする請求項5の内燃機関の可変動弁機構。
- 前記シムは、円環の一部が開口したU字形状をしており、該シムに突起形状が形成されてあることを特徴とする請求項6の内燃機関の可変動弁機構。
- 前記調整手段は、揺動カムとシリンダヘッドに形成された立壁部との間に介挿され、電荷の印加により前記コントロールシャフト軸方向に伸縮動作する電歪素子であることを特徴とする請求項5の内燃機関の可変動弁機構。
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