JP2006348768A - シャフトの支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャフトの軸回転方向及び軸線方向の変位規制を容易に行うことができ、更に、シャフト、及び上記変位を規制すべく同シャフトと当接する部材において摩耗の発生を容易に抑制することのできるシャフトの支持構造を提供する。
【解決手段】ロッカシャフト36にはカムシャフトのバルブ駆動力を機関バルブに伝達する揺動部材が支持されている。ロッカシャフト36はシリンダヘッドに設けられる基台41と同基台41に取り付けられる脱落防止部材42との間で支持されている。ロッカシャフト36の外周面にはこれを横切るように切欠き44が貫通形成されている。脱落防止部材42を切欠き44に挿通させた状態で脱落防止部材42を基台41に固定することでロッカシャフト36の軸回転方向及び軸線方向の変位が規制される。
【選択図】 図10
【解決手段】ロッカシャフト36にはカムシャフトのバルブ駆動力を機関バルブに伝達する揺動部材が支持されている。ロッカシャフト36はシリンダヘッドに設けられる基台41と同基台41に取り付けられる脱落防止部材42との間で支持されている。ロッカシャフト36の外周面にはこれを横切るように切欠き44が貫通形成されている。脱落防止部材42を切欠き44に挿通させた状態で脱落防止部材42を基台41に固定することでロッカシャフト36の軸回転方向及び軸線方向の変位が規制される。
【選択図】 図10
Description
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドにおけるシャフトの支持構造に関する。
従来、例えば特許文献1に示される内燃機関のように、カムシャフトの回転により得られるバルブ駆動力を、シリンダヘッド上において同カムシャフトと平行に配置されたシャフトに支持される揺動部材を介して機関バルブに伝達するようにしたものが知られている。
こうしたシャフトをシリンダヘッドにおいて支持する構造として、例えば図14に示されるものがある。同図14はシャフトの端部についてその支持構造を示すものである。
シリンダヘッドにはシャフト101を載置するための基台102が設けられておりその上面には取付部材103が載置固定されている。これによりシャフト101はシリンダヘッド上において基台102と取付部材103との間で支持されている。
シリンダヘッドにはシャフト101を載置するための基台102が設けられておりその上面には取付部材103が載置固定されている。これによりシャフト101はシリンダヘッド上において基台102と取付部材103との間で支持されている。
シャフト101は円筒状をなしておりその外周面上には揺動部材104が支持されている。揺動部材104はカムシャフトの回転に伴いシャフト101の軸線を中心として揺動することで機関バルブにバルブ駆動力を受け渡す。
取付部材103には先端が基台102側即ちシャフト101側に突出するように変位規制用のボルト105が挿通固定されている。シャフト101にはボルト105と対応する部分に孔106が形成されており、この孔106にボルト105の先端が挿通されることでシャフト101の軸回転方向及び軸線方向の変位が規制されるようになっている。
特開2001−263015号公報
しかしながら、上記構成のように取付部材103に固定したボルト105をシャフト101の軸回転方向や軸線方向の変位を規制する変位規制部材として利用する場合、例えばボルト105を取付部材103に固定するための作業が必要となる。更には、ボルト105を挿通且つ固定するためのボルト孔107を取付部材103に形成する作業も必要となる。
また、シャフト101は揺動部材104の揺動やその他内燃機関の振動等に伴ってそれ自体に回転振動や軸線方向の変位振動が生じ易いことから、同シャフト101と上記変位規制部材との当接箇所即ち孔106表面及びボルト105先端表面においては摩耗が生じ易くなり、これに起因する変位規制機能の低下が懸念される。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シャフトの軸回転方向及び軸線方向の変位規制を容易に行うことができ、更に、シャフト、及び上記変位を規制すべく同シャフトと当接する部材において摩耗の発生を容易に抑制することのできるシャフトの支持構造を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
先ず、請求項1に係る発明は、カムシャフトのバルブ駆動力を機関バルブに伝達する揺動部材の支持に用いられるシャフトをシリンダヘッドに設けられる基台と同基台に取り付けられる取付部材との間で支持するシャフトの支持構造において、前記シャフトの外周面にこれを横切るように貫通する切欠きを形成し、前記基台及び取付部材の少なくとも一方を前記切欠きに挿通させた状態で前記取付部材を前記基台に固定して前記シャフトの軸回転方向及び軸線方向の変位を規制することをその要旨とする。
先ず、請求項1に係る発明は、カムシャフトのバルブ駆動力を機関バルブに伝達する揺動部材の支持に用いられるシャフトをシリンダヘッドに設けられる基台と同基台に取り付けられる取付部材との間で支持するシャフトの支持構造において、前記シャフトの外周面にこれを横切るように貫通する切欠きを形成し、前記基台及び取付部材の少なくとも一方を前記切欠きに挿通させた状態で前記取付部材を前記基台に固定して前記シャフトの軸回転方向及び軸線方向の変位を規制することをその要旨とする。
同構成によれば、シャフトは、基台及び取付部材のうち切欠きに挿通されるものとの当接によって軸回転方向及び軸線方向の変位が規制されるようになる。従って、例えば従来構成のように取付部材にボルト挿通孔を形成してこれに変位規制用のボルトを挿通し固定する必要がなく、容易にシャフトの回り止め及び抜け止めを図ることができるようになる。
また、例えばこうした変位規制用のボルトと比較して、基台や取付部材においてはシャフトの切欠き表面と当接する箇所の面積(当接面積)を大きく確保することが容易であることから、上記当接箇所に生じる面圧の低減を通じて、当該箇所の摩耗による変位規制機能の低下を容易に抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記切欠きは前記基台及び取付部材の両部材のうち前記切欠きに挿通される部材の挿通部分の外形に対応した形状を有してなることをその要旨とする。
同構成によれば、基台及び取付部材の両部材のうち切欠きに挿通される部材とシャフトの切欠き表面との間に殆ど隙間が生じないようにすることができることから、同シャフトの軸回転方向及び軸線方向の変位をより確実に規制することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記基台及び取付部材の一方には、前記シャフトの被支持部分を全て収容する凹部が形成されることをその要旨とする。
同構成によれば、基台及び取付部材の他方についてはこうした凹部を形成する必要がなく、例えば基台及び取付部材の双方に凹部を各形成してこれら凹部で囲まれる空間にシャフトを挿通させる態様と比較して、凹部の形成箇所を減らすことができるため部品加工効率が向上する。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記凹部は前記基台にのみ形成されることをその要旨とする。
同構成によれば、請求項3記載の発明の作用効果に加えて、例えば凹部が基台に形成されない態様と比較して、組立作業時においてシャフトを基台に載置する際には同シャフトを凹部内に配置すればよいため位置決めが容易となり作業効率が向上する。
同構成によれば、請求項3記載の発明の作用効果に加えて、例えば凹部が基台に形成されない態様と比較して、組立作業時においてシャフトを基台に載置する際には同シャフトを凹部内に配置すればよいため位置決めが容易となり作業効率が向上する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記基台及び取付部材の両部材のうち前記切欠きに挿通される部材は前記シャフトよりも線膨張係数の大きい材料にて形成されることをその要旨とする。
同構成によれば、仮に組付作業時において基台及び取付部材とシャフトの切欠き表面との間に隙間が存在したとしても、こうした隙間、特にシャフトの軸線方向における隙間が内燃機関の始動後の温度上昇に伴う膨張量の差によって小さくなるため、シャフトの変位を好適に規制することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記取付部材は前記カムシャフトの軸受を構成するカムキャップと一体形成されることをその要旨とする。
同構成によれば、例えば取付部材とカムキャップとが別部材とされる態様と比較して、部品点数が削減されるとともに、これらをシリンダヘッド側に固定するボルトやこれを挿通する孔の数の削減、ひいてはその固定作業の簡素化が可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、前記シャフト及び前記揺動部材は前記機関バルブのリフト量期間積分値を可変とする可変動弁機構を構成するものであり、
前記シャフトは円筒状を呈するとともにその内部にはコントロールシャフトが軸線方向に摺動可能に挿通され、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフトを軸線方向に変位させることにより前記揺動部材の揺動態様を変更することで前記機関バルブのリフト量期間積分値を可変とするものであることをその要旨とする。
前記シャフトは円筒状を呈するとともにその内部にはコントロールシャフトが軸線方向に摺動可能に挿通され、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフトを軸線方向に変位させることにより前記揺動部材の揺動態様を変更することで前記機関バルブのリフト量期間積分値を可変とするものであることをその要旨とする。
こうした可変動弁機構において揺動部材の支持に用いられるシャフトにあっては、同揺動部材の揺動に伴って生じる軸回転方向の変位に加えて、コントロールシャフトの変位操作に従動するような変位、即ち軸線方向の変位が生じ易くなる。従って、こうしたシャフトの支持構造に請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明を適用することは特に有用であると言える。
なお、ここで言う「リフト量期間積分値」は、開弁から閉弁までのバルブリフト量のクランク角積分値を指している。このリフト量期間積分値の変更は、例えば、機関バルブの最大リフト量や作動角(これらの双方でもよくどちらか一方でもよい)の変更を通じて行われる。
以下、本発明をシリンダヘッド13におけるロッカシャフト36の支持構造に適用した一実施形態を図1〜図10を参照しつつ説明する。
図1は、内燃機関10の動弁系の構成を示すものであり、一つの気筒14における縦断面を表している。図2は内燃機関10における動弁系の周辺を示す平面図である。
図1は、内燃機関10の動弁系の構成を示すものであり、一つの気筒14における縦断面を表している。図2は内燃機関10における動弁系の周辺を示す平面図である。
本実施形態の内燃機関10は自動車の走行に用いられるものである。この内燃機関10は、シリンダブロック11、ピストン12及びシリンダブロック11上に取り付けられたシリンダヘッド13等を備えている。シリンダブロック11には、複数の気筒14、本実施形態では四つの気筒14が形成され、各気筒14には、ピストン12及びシリンダヘッド13にて区画された燃焼室15が形成されている。各気筒14には、それぞれ吸気側の機関バルブである吸気バルブ16と排気側の機関バルブである排気バルブ17とが二つずつ配置されている。吸気バルブ16は吸気ポート18を、排気バルブ17は排気ポート19を開閉する。
各気筒14の吸気ポート18は吸気マニホールド内に形成された吸気通路を介してサージタンクに接続され、エアクリーナを介してサージタンクから空気を各気筒14に供給している。上記各吸気通路には各気筒14の吸気ポート18に燃料を噴射するためのフューエルインジェクタがそれぞれ配置されている。なお、このように吸気バルブ16の上流側にて燃料噴射する内燃機関以外に、直接、各燃焼室15内に燃料を噴射する筒内噴射型内燃機関を用いることもできる。燃焼室15におけるこうした燃料と空気との混合気が点火プラグ20の点火により燃焼することでピストン12が往復動される。
吸気バルブ16及び排気バルブ17は、それぞれクランクシャフト(内燃機関10の出力軸)25によって回転駆動されるカムシャフトの回転を通じて開閉駆動される。これらバルブ16,17のうち吸気バルブ16は、吸気カムシャフト21の回転により開閉駆動されるとともに、可変動弁機構VLを通じてリフト量期間積分値、本実施形態では最大リフト量や作動角が変更されるようになっている。
可変動弁機構VLはコントロールシャフト37を軸線方向に変位させることにより入力部材32及び出力部材33,34の開き角度を変更してこれにより吸気バルブ16のリフト量期間積分値を変更するものである。なお、これら入力部材32及び出力部材33,34は、本実施形態において揺動部材30を構成する部材である。
こうした吸気バルブ16のリフト量期間積分値の変更は、電子制御装置60によりコントロールシャフト37の軸線方向の位置が調節されることにより行われる。この電子制御装置60によるコントロールシャフト37の位置調節は、該シャフト37の一端側に設けられたスライドアクチェータ50の駆動制御を通じて行われる。
スライドアクチェータ50は、電動モータ51、ギア部52及びボールねじ部53を備えている。電動モータ51は電子制御装置60の制御によりその回転軸の回転方向と回転角度とが調節される。コントロールシャフト37の上記一端側の外周面にはボールねじ部53の雌ねじに螺合する雄ねじが形成されている。そして電動モータ51回転軸の回転がギア部52により減速されてボールねじ部53に伝達されると、これと螺合するコントロールシャフト37が軸線方向に変位する。このときコントロールシャフト37は、上記軸線方向の両方向のうち電動モータ51の回転軸の回転方向に応じた方向に変位するとともに、上記回転角度に応じた変位量分だけ変位する。
電子制御装置60はシャフト位置センサ54にて検出されるコントロールシャフト37の軸線方向位置が内燃機関10の運転状態に応じて設定される吸気バルブ16の目標最大リフト量を実現する位置となるように、電動モータ51を駆動する。こうしたコントロールシャフト37の軸線方向位置調節により吸入空気量が制御される。
上記可変動弁機構VLを構成する揺動部材30は、各吸気バルブ16に対応して設けられたローラロッカアーム31と、吸気カムシャフト21に設けられた吸気カム21aとの間に配置されて、吸気カム21aからのバルブ駆動力を仲介してローラロッカアーム31に伝達することで吸気バルブ16を開閉駆動する。
因みにローラロッカアーム31はその一端がラッシュアジャスタ38を介してシリンダヘッド13に支持されている。即ちこのローラロッカアーム31は吸気バルブ16のバルブクリアランスを解消すべく設けられるものである。
揺動部材30は各気筒14毎に設けられており、図3及び図4に示されるように、図示中央に設けられた入力部材32、該入力部材32の一端側に設けられた第1出力部材33、該第1出力部材33とは反対側に設けられた第2出力部材34、及び各部材32,33,34内部に配置されたスライダギア35を備えている。
入力部材32のハウジング32a内部には軸線方向に延在する空間が形成されており、この空間の内周面には軸線方向に右ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン32bが形成されている。また、ハウジング32aの外周面からは平行な二つのアーム32c,32dが突出して形成されている。これらアーム32c,32dの先端には、ハウジング32aの軸線方向と平行なシャフト32eを有するローラ32fが回転可能に取り付けられている。
第1出力部材33のハウジング33a内部には軸線方向に延在する空間が形成されており、この空間の内周面には軸線方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン33bが形成されている。また、このハウジング33a内部の空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部33cにて一端が覆われている。また、ハウジング33aの外周面からは軸線方向に見て略三角形状のノーズ33dが突出して形成されている。このノーズ33dの一辺には凹状に湾曲するノーズ面33eが形成されている。
第2出力部材34のハウジング34a内部には軸線方向に延在する空間が形成されており、この空間の内周面には軸線方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン34bが形成されている。また、このハウジング34a内部の空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部34cにて一端が覆われている。また、ハウジング34aの外周面からは軸線方向に見て略三角形状のノーズ34dが突出して形成されている。このノーズ34dの一辺には凹状に湾曲するノーズ面34eが形成されている。
これら第1出力部材33及び第2出力部材34は、軸受部33c,34cを外側にして、入力部材32に対して両側から各端面を同軸上で接触させるように配置され、全体が、図4に示されるように内部空間を有する略円柱状となる。
入力部材32及び二つの出力部材33,34によって区画されるその内部空間には上述のスライダギア35が配置されている。スライダギア35は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジの螺旋状に形成された入力用ヘリカルスプライン35aが設けられている。この入力用ヘリカルスプライン35aの一端側には小径部35bを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第1出力用ヘリカルスプライン35cが設けられている。第1出力用ヘリカルスプライン35cと反対側には小径部35dを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第2出力用ヘリカルスプライン35eが設けられている。なお、これら出力用ヘリカルスプライン35c,35eは入力用ヘリカルスプライン35aに対して外径が小さく形成されている。
スライダギア35の内部には中心軸線方向に貫通孔35fが形成されている。そして図5に縦断面で示されるように、入力用ヘリカルスプライン35aの位置にて、貫通孔35fの内周面には環状の周溝35gが形成されている。この周溝35gには、一カ所にて径方向に延在するとともに外部に貫通するピン挿入孔35hが形成されている。
スライダギア35の貫通孔35fには円筒状のロッカシャフト36が挿通されている。スライダギア35はロッカシャフト36に対して周方向及び軸線方向に摺動可能な状態でこれに支持される。このロッカシャフト36は全気筒14の揺動部材30に対して共通の一本が設けられている。ロッカシャフト36はシリンダヘッド13に設けられた軸支部(図2参照)40によって、同シリンダヘッド13に対する相対変位が規制された状態で支持されている。
ロッカシャフト36には各揺動部材30に対応する位置に軸線方向に長く形成された長孔36aが貫通形成されている。また、ロッカシャフト36には、これに対して軸線方向に摺動可能な状態でコントロールシャフト37が貫通して挿入配置されている。そしてコントロールシャフト37の外周面においてロッカシャフト36の各長孔36aに対応する位置に形成された支持穴37bにはそれぞれコントロールピン37aの基端部が挿入されており、これにより該コントロールピン37aがコントロールシャフト37の径方向に突出するように支持されている。
そしてコントロールシャフト37がロッカシャフト36の内部に配置されている状態では、コントロールピン37aの先端は、ロッカシャフト36の長孔36aを貫通し、スライダギア35の周溝35gに挿入されている。
このような構成により、スライダギア35はコントロールシャフト37の変位(軸線方向への変位)に伴って軸線方向への変位が可能であり、コントロールシャフト37の位置制御により揺動部材30の内部におけるスライダギア35の位置を決定できる。スライダギア35は、コントロールピン37aによる周溝35gの係止を受けていることから、コントロールシャフト37との間で軸線方向への相対変位が規制される一方で、軸周りについてはコントロールピン37aの位置に関わらず揺動可能となっている。
スライダギア35における入力用ヘリカルスプライン35aは入力部材32内部のヘリカルスプライン32bに噛み合わされている。そして第1出力用ヘリカルスプライン35cは第1出力部材33内部のヘリカルスプライン33bに噛み合わされ、第2出力用ヘリカルスプライン35eは第2出力部材34内部のヘリカルスプライン34bに噛み合わされている。
揺動部材30は、各出力部材33,34の軸受部33c,34cとシリンダヘッド13の軸支部40との当接によってシリンダヘッド13上に軸線方向への変位が規制される状態で取り付けられている。このためコントロールシャフト37がスライダギア35を軸線方向に変位させても、入力部材32及び各出力部材33,34は軸線方向に殆ど変位しない。
従って、揺動部材30の内部においてスライダギア35の軸線方向の変位量即ちコントロールシャフト37の軸線方向の変位量を調節することで、各ヘリカルスプライン35a,32b,35c,33b,35e,34bの機能により、ロッカシャフト36の周方向における入力部材32及び各出力部材33,34の開き角度を変更できる。そしてこのことにより、入力部材32のローラ32fと出力部材33,34のノーズ33d,34dとの位置関係を変更することができる。
本実施形態では、入力部材32が吸気カム21aに押圧されてロッカシャフト36の周方向に揺動することでその揺動がスライダギア35を介して出力部材33,34に伝達され、これにより該出力部材33,34が上記周方向に揺動される。
図6はコントロールシャフト37を最大限L側(図3,4の矢印)の位置にまで変位させた場合の揺動部材30の作動状態を示している。図6(a)が非カム押圧時(吸気カム21aのカムノーズが入力部材32を押圧していない時)、図6(b)がカム押圧時(上記カムノーズが入力部材32を押圧している時)である。この場合にはロッカシャフト36の周方向における入力部材32及び出力部材33,34の開き角度θが最小となり入力部材32のローラ32fと各出力部材33,34のノーズ33d,34dとの相対的位置関係が最も近い状態となる。このため図6(b)に示されるように吸気カム21aが最大限に入力部材32のローラ32fを押し下げても、ノーズ33d,34dのノーズ面33e,34eによるロッカローラ31aの押し下げ量は最小、ここでは押し下げ量は「0」となる。このため吸気バルブ16の作動角(開弁から閉弁までのクランク角幅)は「0」となり、最大リフト量も「0」となる。従って吸気バルブ16は閉じたままとなり、吸気ポート18から燃焼室15内に吸入される空気量即ち吸入空気量は「0」となる。
なお、本実施形態では、ロッカシャフト36の周方向における入力部材32及び出力部材33,34の開き角度θを、例えば同図に示すように、ロッカシャフト36の軸心とローラ32f回転中心とを結ぶ仮想直線と、ロッカシャフト36の軸心とノーズ33d,34d先端とを結ぶ仮想直線とのなす角度としている。
図7はコントロールシャフト37を最大限H側(図3,4の矢印)の位置にまで変位させた場合の揺動部材30の作動状態を示している。図7(a)が非カム押圧時、図7(b)がカム押圧時である。この場合には上記開き角度θが最大となり入力部材32のローラ32fと各出力部材33,34のノーズ33d,34dとの相対的位置関係が最も遠い状態となる。このため図7(b)に示されるように吸気カム21aが最大限に入力部材32のローラ32fを押し下げた時には、ノーズ33d,34dのノーズ面33e,34eによるロッカローラ31aの押し下げ量は最大となり、吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量は最大となる。従って図6の場合とは異なり、吸気バルブ16は吸気行程で最大に開き、吸入空気量も最大限の状態となる。
このように、コントロールシャフト37の軸線方向の変位操作に伴うスライダギア35の軸線方向の変位を通じて入力部材32及び出力部材33,34の開き角度θを変化させることにより、図6の状態と図7の状態との間で連続的に吸気バルブ16のリフト量期間積分値を変更することができる。こうしたリフト量期間積分値の連続調節状態を図8のグラフに示す。同グラフは吸気バルブ16のリフト量とクランク角との関係を示すものである。同図8においてMINで示す状態が図6の場合に該当し、吸気行程となっても吸気バルブ16は開弁しない。図8においてMAXで示す状態が図7の場合に該当し、吸気行程では最大限の作動角及び最大リフト量、即ち最大限のリフト量期間積分値とすることができる。
以下、本実施形態の特徴的な構成であるロッカシャフト36の支持構造について説明する。
図9及び図10は、各揺動部材30の両サイドに配設される複数の軸支部40のうち、ロッカシャフト36の端部(但しスライドアクチェータ50と反対側の端部)に最も近い位置に配置されるものを示している。
図9及び図10は、各揺動部材30の両サイドに配設される複数の軸支部40のうち、ロッカシャフト36の端部(但しスライドアクチェータ50と反対側の端部)に最も近い位置に配置されるものを示している。
軸支部40は、シリンダヘッド13上に突設された基台41と、その上面41aに載置されてボルト固定される脱落防止部材42とを備えてなる。軸支部40は平行に並ぶ吸気カムシャフト21及びロッカシャフト36の双方をシリンダヘッド13において支持する。因みに、本実施形態において基台41及び脱落防止部材42はともにアルミニウム合金を材料として形成され、両シャフト21,36はともに鉄系材料を用いて形成される。
基台41の上面41aには吸気カムシャフト21が載置される凹部41b、及びロッカシャフト36が載置される凹部41cがそれぞれ軸線方向に貫通するようにして形成されている。吸気カムシャフト21の載置される凹部41bはその表面が同シャフト21の軸受面の一部を構成しており、同軸受面の他部は脱落防止部材42の下面42aに貫通形成された凹部42bの表面によって構成される。
脱落防止部材42は両シャフト21,36の双方の上方をこれらと交差するようにして延びる略直方体形状をなしており、その両端部に貫通形成されたボルト挿通孔42cに挿通されたボルト43によって基台41に取着固定されている。脱落防止部材42が基台41に固定されることで両シャフト21,36は基台41と脱落防止部材42との間で支持されて軸支部40からの脱落が防止されるようになる。即ち、脱落防止部材42は、基台41に取り付けられてこれとともにロッカシャフト36を支持する「取付部材」としての機能と、吸気カムシャフト21の軸受を構成する「カムキャップ」としての機能との双方を有している。換言すれば、脱落防止部材42はこれら取付部材とカムキャップとが一体形成されてなるものである。
ところで、脱落防止部材42の下面42aにはロッカシャフト36の挿入される凹部が形成されておらず、同下面42aにおいてロッカシャフト36の真上(図9、図10における真上)に位置する部分はその周辺部分同様に平面状をなしている。即ちこの軸支部40においては、基台41に脱落防止部材42が固定されることで基台41の凹部41c表面と脱落防止部材42の下面42aとの間に形成される空間にロッカシャフト36が挿通されている。なお、この空間はロッカシャフト36の外径に等しい直径の半円を断面形状とする半円柱状をなしている。
ロッカシャフト36において軸支部40に対応する端部外周面には、脱落防止部材42の下面42a側の一部を挿通可能な切欠き44が同ロッカシャフト36を横切るようにして貫通形成されており、これにより同シャフト36が脱落防止部材42と干渉することなく上記空間に挿通され得るようになっている。なお、以下ではロッカシャフト36において上記空間内、即ち基台41に脱落防止部材42が固定されることで基台41の凹部41c表面と脱落防止部材42の下面42aとの間に形成される空間内に配置される部分を、ロッカシャフト36において軸支部40に支持される「被支持部分S」と称する。
ロッカシャフト36には、同シャフト36の軸線方向において被支持部分Sの両側に、切欠き44の形成されない部分即ち円筒状の部分が残されている。従って、脱落防止部材42は、図10(a)に示されるように、切欠き44が設けられることによってロッカシャフト36に形成される切欠き表面のうち上記軸線方向に対向する切欠き表面36b,36c同士の間に配置されることとなる。ロッカシャフト36はこれら切欠き表面36b,36cと脱落防止部材42との当接によって軸線方向の変位が規制される。
なお、内燃機関10の組立作業時など機関燃焼に伴う温度上昇が生じていない状況においては、切欠き表面36b,36cと、これと対向する脱落防止部材42表面との間に僅かな隙間が形成されるように脱落防止部材42及び切欠き44の寸法関係が設定されている。この隙間は、例えば上記組立作業時において脱落防止部材42を切欠き44に挿通させる際の作業性をよくするために確保されるものである。このように、切欠き44はこれに挿通される部材である脱落防止部材42の挿通部分(両切欠き表面36b,36c間に配置される部分)の外形に対応した形状となっている。
上述したように本実施形態においては、脱落防止部材42がアルミニウム合金を材料として形成されロッカシャフト36が鉄系材料を用いて形成される。即ち、線膨張係数に関しては脱落防止部材42がロッカシャフト36よりも大きいことから、これら部材の温度が同じ温度に上昇したときの膨張量は脱落防止部材42のほうがロッカシャフト36よりも大きくなる。従って、内燃機関10の始動に伴ってこうした温度上昇が生じた際には、膨張量の差によって切欠き表面36b,36cと脱落防止部材42表面との隙間が小さくなることで、ロッカシャフト36の軸線方向の変位に関してその許容量が減少するようになる。
また、図10(b)に示されるように、被支持部分Sは断面半円状の凹部41cにその全体が収容されており、切欠き44はロッカシャフト36が凹部41cから上方に突出しないように形成されている。従って、切欠き44が設けられることによってロッカシャフト36に形成される切欠き表面のうち脱落防止部材42の下面42aと対向する切欠き表面36dと上記下面42aとの当接によって、ロッカシャフト36の軸回転方向の変位が規制されるようになる。
なお、本実施形態では、切欠き表面36dと脱落防止部材42の下面42aとの間においても僅かな隙間が形成されるように凹部41c及び切欠き44の寸法関係が設定されている。この隙間は上記同様、組立作業時において脱落防止部材42を切欠き44に挿通させて基台41にボルト固定する際の作業性をよくするために確保されるものである。この隙間が存在するとその分だけロッカシャフト36の軸回転方向の変位が許容されてしまうこととなるが、一方で上述の温度上昇によって切欠き表面36b,36cと脱落防止部材42表面との隙間が小さくなることから、これら表面同士の摩擦が生じ易くなる。即ち、こうした摩擦による抵抗が増大し易くなることで、その分、ロッカシャフト36の軸回転方向の変位が生じ難くなる、換言すれば、同変位がより好適に規制されるようになる。
なお、本実施形態では、こうしたロッカシャフト36の支持構造が、複数ある軸支部40のうち同シャフト36の上記端部に最も近いものに関してのみ設けられている。即ち、他の軸支部40については、ロッカシャフト36を挿通するための凹部が基台41のみならず脱落防止部材42にも設けられ、当該箇所においてロッカシャフト36に切欠き44は形成されない。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、ロッカシャフト36の外周面にこれを横切るように貫通形成した切欠き44に脱落防止部材42を挿通させた状態で同部材42を基台41に固定してロッカシャフト36の軸回転方向及び軸線方向の変位を規制するようにした。従って、例えば従来構成のように取付部材(脱落防止部材42に相当)にボルト挿通孔を形成してこれに変位規制用のボルトを挿通し固定する必要がなく、容易にロッカシャフト36の回り止め及び抜け止めを図ることができるようになる。
(1)本実施形態では、ロッカシャフト36の外周面にこれを横切るように貫通形成した切欠き44に脱落防止部材42を挿通させた状態で同部材42を基台41に固定してロッカシャフト36の軸回転方向及び軸線方向の変位を規制するようにした。従って、例えば従来構成のように取付部材(脱落防止部材42に相当)にボルト挿通孔を形成してこれに変位規制用のボルトを挿通し固定する必要がなく、容易にロッカシャフト36の回り止め及び抜け止めを図ることができるようになる。
また、例えばこうした変位規制用のボルトと比較して、脱落防止部材42においてはロッカシャフト36の切欠き表面36b,36c,36dと当接する箇所の面積(当接面積)を大きく確保することが容易である。そのため、上記当接箇所に生じる面圧の低減を通じて、当該箇所の摩耗による変位規制機能の低下を容易に抑制することができるようになる。
(2)切欠き44は脱落防止部材42において切欠き44に挿通される部分(挿通部分)の外形に対応した形状となっている。これによれば、脱落防止部材42表面とロッカシャフト36の切欠き表面36b,36c,36dとの間に殆ど隙間が生じないようにすることができることから、同シャフト36の軸回転方向及び軸線方向の変位をより確実に規制することができるようになる。
(3)基台41には、ロッカシャフト36の被支持部分Sを全て収容する凹部41cが形成されている。これによれば、脱落防止部材42についてはこうした凹部を形成する必要がなく、例えば基台41及び脱落防止部材42の双方に凹部を各形成してこれら凹部で囲まれる空間にロッカシャフト36を挿通させる態様と比較して、凹部の形成箇所を減らすことができるため部品加工効率が向上する。
(4)ロッカシャフト36の被支持部分Sの全てを収容する凹部(凹部41c)は基台41にのみ形成されている。これによれば、例えば上記凹部が基台41に形成されない態様と比較して、組立作業時においてロッカシャフト36を基台41に載置する際には同シャフト36を凹部内に配置すればよいため位置決めが容易となり作業効率が向上する。
(5)脱落防止部材42はロッカシャフト36よりも線膨張係数の大きい材料にて形成されている。これによれば、仮に組付作業時において基台及び取付部材とシャフトの切欠き表面との間に隙間が存在したとしても、こうした隙間、特にシャフトの軸線方向における隙間が内燃機関の始動後の温度上昇に伴う膨張量の差によって小さくなるため、シャフトの変位を好適に規制することができるようになる。
(6)脱落防止部材42はロッカシャフト36を支持するための「取付部材」及び吸気カムシャフト21を支持するための「カムキャップ」の双方の機能を有している。これによれば、例えば「取付部材」と「カムキャップ」とが別部材とされる態様と比較して、部品点数が削減されるとともに、これらを基台41などシリンダヘッド13側に固定するボルトやこれを挿通する孔の数の削減、ひいてはその固定作業の簡素化が可能となる。
(7)ロッカシャフト36は、その内部に挿通配置されたコントロールシャフト37の軸方向の変位操作に基づいて揺動態様(入力部材32及び出力部材33,34の開き角度θ)の変更される揺動部材30を支持するものである。こうした可変動弁機構VLにおいて揺動部材30の支持に用いられるロッカシャフト36にあっては、同揺動部材30の揺動に伴って生じる軸回転方向の変位に加えて、コントロールシャフト37の変位操作に従動するような変位、即ち軸線方向の変位が生じ易くなる。従って、こうしたロッカシャフト36の支持構造に本発明を適用することは特に有用であると言える。
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば、以下の態様としてもよい。
・脱落防止部材42の取付作業時など機関始動後の温度上昇に伴う熱膨張が同部材42やロッカシャフト36に生じていない状態において、切欠き表面36b,36c,36dと、これらに各対向する脱落防止部材42表面とが隙間なく当接されるようにロッカシャフト36及び軸支部40の形状が設定されてもよい。
・脱落防止部材42の取付作業時など機関始動後の温度上昇に伴う熱膨張が同部材42やロッカシャフト36に生じていない状態において、切欠き表面36b,36c,36dと、これらに各対向する脱落防止部材42表面とが隙間なく当接されるようにロッカシャフト36及び軸支部40の形状が設定されてもよい。
・上記実施形態では、脱落防止部材42の方が材料の線膨張係数に関してロッカシャフト36よりも大きいものであったが、これに限らず、例えばロッカシャフト36の方が脱落防止部材42よりも大きくてもよく、或いは等しくてもよい。
・ロッカシャフト36の軸線方向から見た同シャフト36及び軸支部40の断面形状等について、例えば図11(a)〜図11(f)に示されるような態様に変更してもよい。
即ち、図11(a)に例示されるように、脱落防止部材42の下面42aにおいて上記軸線方向に貫通する凹部42eを形成し、同凹部42eと基台41の凹部41cとの間の空間にロッカシャフト36を挿通させてもよい。ロッカシャフト36において上記空間に配置される部分である被支持部分Sはその一部が基台41の凹部41cに収容され他部が脱落防止部材42の凹部42eに収容される。即ち、この例においては、ロッカシャフト36の切欠き表面36dが基台41の上面41aよりも上方の位置に設定され、同切欠き表面36dと、これと対向する凹部42eの奥端面42fとが当接することによってロッカシャフト36の軸回転方向の変位が規制されるようになる。
即ち、図11(a)に例示されるように、脱落防止部材42の下面42aにおいて上記軸線方向に貫通する凹部42eを形成し、同凹部42eと基台41の凹部41cとの間の空間にロッカシャフト36を挿通させてもよい。ロッカシャフト36において上記空間に配置される部分である被支持部分Sはその一部が基台41の凹部41cに収容され他部が脱落防止部材42の凹部42eに収容される。即ち、この例においては、ロッカシャフト36の切欠き表面36dが基台41の上面41aよりも上方の位置に設定され、同切欠き表面36dと、これと対向する凹部42eの奥端面42fとが当接することによってロッカシャフト36の軸回転方向の変位が規制されるようになる。
また、図11(b)に例示されるように、脱落防止部材42の挿通される切欠き44が設けられた状態で、更に、基台41の挿通される切欠き55が設けられてもよい。この場合、例えば、基台41の凹部41cの底部に断面円形ではない例えば平らな底面41eを形成するとともに、ロッカシャフト36において同底面41eと対向する切欠き表面36eが形成されるように切欠き55を設ける。なお、この例においては奥端面42fを除く凹部42e表面の断面形状、及び底面41eを除く凹部41c表面の断面形状がともにロッカシャフト36の外径と等しい直径を有する円弧状に設定されている。即ち、ロッカシャフト36は、凹部41c,42eに収容される被支持部分Sの断面円弧状の外周面全体が凹部41c,42e表面の断面円弧状部分に当接されて面支持されている。この例では、ロッカシャフト36の軸回転方向の変位が、切欠き表面36dと脱落防止部材42の奥端面42fとの当接や切欠き表面36eと基台41の底面41eとの当接を通じて規制されるようになる。
また、図11(c)に例示されるように、基台41には凹部41cを設けず脱落防止部材42に設けた凹部42eと基台41の上面41aとの間の空間にロッカシャフト36を挿通させてもよい。この例では、ロッカシャフト36の軸回転方向の変位が、切欠き表面36dと基台41の上面41aとの当接を通じて規制されるようになる。
また、図11(d)に例示されるように、ロッカシャフト36の被支持部分Sの全体を収容するとともに平らな底面41eを有する凹部41cを基台41に形成し、同基台41の底面41e部分が切欠き44に挿通されるようにロッカシャフト36を配置してもよい。この例では、ロッカシャフト36の切欠き表面36dと基台41の底面41eとの当接を通じてロッカシャフト36の軸回転方向の変位が規制される。
また、図11(e)に例示されるように、断面扇形状(四半円状)の凹部41c,42eを基台41、脱落防止部材42に形成し、被支持部分Sがこれら凹部41c,42eの双方に配置されるようにロッカシャフト36を挿通してもよい。凹部41c,42e表面の断面形状はロッカシャフト36の切欠き表面36dと対向する略平らな側面41f,42gを除いてロッカシャフト36の外径と等しい直径を有する円弧状に設定されている。即ち、この例では、側面41f,42gと、これらに対応する切欠き表面36dとの当接を通じてロッカシャフト36の軸回転方向の変位が規制される。
また、図11(f)に例示されるように、凹部41c,42eの左右両側に略平らな側面41f,42gを設け、軸支部40のこれら側面41f,42g部分が挿通されるように切欠き44,55を設けてもよい。即ち、凹部41c,42e間の空間に被支持部分Sが配置されるよう、ロッカシャフト36にはその左右側に切欠き55,44が形成されている。従ってこの例では、軸支部40の側面41f,42gのうち切欠き44側のものとこれらに対向する切欠き表面36dとの当接、及び切欠き55側の側面41f,42gとこれらに対向する切欠き表面36eとの当接を通じて、ロッカシャフト36の軸回転方向の変位が規制される。
・上記実施形態においてロッカシャフト36には、同シャフト36の軸線方向において被支持部分Sの両側に、切欠き44の形成されない部分即ち円筒状の部分が残されたが、これに限らず、例えば図12に示されるように、ロッカシャフト36の端に設けられていた上記円筒状部分を省略するようにしてもよい。この場合、この端部側へのロッカシャフト36の軸線方向の変位が、残された方の上記円筒状部分の切欠き表面36cと脱落防止部材42表面との当接によって規制される。
・上記実施形態では、可変動弁機構VLにおいて入力部材32及び出力部材33,34の開き角度θを可変とする揺動部材30を採用したが、これに限らず、例えばこうした開き角度の固定された(可変ではない)ロッカアーム等を揺動部材として採用してもよい。この場合、例えばコントロールシャフト37を省略して、ロッカシャフト36を円筒状ではなく中実の円柱状とすることもできる。
なおロッカシャフト36を中実の円柱状とした場合には、例えば図13に示されるように、被支持部分Sをロッカシャフト36の下半部のみによって構成したうえでその横幅をロッカシャフト36の外径より狭く設定してもよい。このように横幅を狭く設定する場合、仮に円筒状のロッカシャフト36を採用して上記横幅を同シャフト36の内径よりも小さく設定すると、被支持部分Sにおいて脱落防止部材42の下面42aと対向する左右の切欠き表面36dがその分だけ下面42aから離間してしまうこととなる。その点、中実円柱状のロッカシャフト36を採用した際にはそうした切欠き表面36dと下面42aとの離間を生じさせないようにすることができるため、例えば下面42aと切欠き表面36dとの間にスペーサを設ける必要がなくなる。
・上記実施形態では、切欠き44,55が、基台41及び脱落防止部材42の両部材のうち切欠き44,55に挿通される部材の挿通部分の外形に対応した形状とされたが、こうした構成は必須ではない。例えば、ロッカシャフト36の切欠き表面36b,36c,36d,36eとこれに対向する各面41a,41e,41f,42a,42f,42gとの隙間が極端に大きいなど、切欠き44,55が上記挿通部分の外形に対応した形状となっていない態様が採用されてもよい。なお上記「隙間が極端に大きい」態様としては、例えば、基台に対して取付部材を取り付ける際の作業性を考慮した隙間よりも極端に大きい隙間が生じるような部材(基台及び取付部材の少なくとも一方)が切欠きに挿通される態様などがある。
・上記実施形態では本発明のシャフトの支持構造を吸気バルブ16の駆動系において採用したが、これに限らず、例えば排気バルブ17の駆動系において採用してもよい。
10…内燃機関、13…シリンダヘッド、16…吸気バルブ、17…排気バルブ、21…吸気カムシャフト、21a…吸気カム、30…揺動部材、32…入力部材、33,34…出力部材、35…スライダギア、36…ロッカシャフト、36b,36c,36d,36e…切欠き表面、37…コントロールシャフト、40…軸支部、41…基台、41a…基台の上面、41c…凹部、41e…凹部の底面、41f…凹部の側面、42…脱落防止部材、42a…脱落防止部材の下面、42c…ボルト挿通孔、42e…凹部、42f…凹部の奥端面、42g…凹部の側面、43…ボルト、44,55…切欠き、S…被支持部分、VL…可変動弁機構。
Claims (7)
- カムシャフトのバルブ駆動力を機関バルブに伝達する揺動部材の支持に用いられるシャフトをシリンダヘッドに設けられる基台と同基台に取り付けられる取付部材との間で支持するシャフトの支持構造において、
前記シャフトの外周面にこれを横切るように貫通する切欠きを形成し、前記基台及び取付部材の少なくとも一方を前記切欠きに挿通させた状態で前記取付部材を前記基台に固定して前記シャフトの軸回転方向及び軸線方向の変位を規制する
ことを特徴とするシャフトの支持構造。 - 請求項1に記載のシャフトの支持構造において、
前記切欠きは前記基台及び取付部材の両部材のうち前記切欠きに挿通される部材の挿通部分の外形に対応した形状を有してなる
ことを特徴とするシャフトの支持構造。 - 請求項1又は2記載のシャフトの支持構造において、
前記基台及び取付部材の一方には、前記シャフトの被支持部分を全て収容する凹部が形成される
ことを特徴とするシャフトの支持構造。 - 請求項3記載のシャフトの支持構造において、
前記凹部は前記基台にのみ形成される
ことを特徴とするシャフトの支持構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシャフトの支持構造において、
前記基台及び取付部材の両部材のうち前記切欠きに挿通される部材は前記シャフトよりも線膨張係数の大きい材料にて形成される
ことを特徴とするシャフトの支持構造。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のシャフトの支持構造において、
前記取付部材は前記カムシャフトの軸受を構成するカムキャップと一体形成される
ことを特徴とするシャフトの支持構造。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のシャフトの支持構造において、
前記シャフト及び前記揺動部材は前記機関バルブのリフト量期間積分値を可変とする可変動弁機構を構成するものであり、
前記シャフトは円筒状を呈するとともにその内部にはコントロールシャフトが軸線方向に摺動可能に挿通され、
前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフトを軸線方向に変位させることにより前記揺動部材の揺動態様を変更することで前記機関バルブのリフト量期間積分値を可変とするものである
ことを特徴とするシャフトの支持構造。
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Cited By (2)
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CN102017787A (zh) * | 2008-03-31 | 2011-04-13 | 康宁股份有限公司 | 用于使板材稳定的加热器装置、系统及其方法 |
JP2016505755A (ja) * | 2012-12-11 | 2016-02-25 | メカダイン インターナショナル リミテッド | 低摩擦シム表面 |
-
2005
- 2005-06-13 JP JP2005172502A patent/JP2006348768A/ja active Pending
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