JP2005090492A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】必要以上に潤滑油が消費されるのを抑制することのできる内燃機関の可変動弁機構を提供する。
【解決手段】可変動弁機構では、吸気カムシャフト20による入力アーム36の揺動がスライダ45を介して出力アーム42に伝達され、同出力アーム42により吸気バルブ21が駆動されるとともに、コントロールシャフト34に連動するスライダ45の変位により、入力アーム36及び出力アーム42の相対位相差が変更されて吸気バルブ21の最大リフト量が変更される。さらに、出力アーム42による吸気バルブ21の駆動部分に対し供給通路を通じて潤滑油が供給される。こうした可変動弁機構において、スライダ45が供給通路を開閉する弁として機能し、最大リフト量が少なくとも最小にされた状態では供給通路を閉鎖し、同最大リフト量が最大にされた状態で少なくとも吸気バルブ21が最も多く駆動されるときには供給通路を開放する。
【選択図】 図7
【解決手段】可変動弁機構では、吸気カムシャフト20による入力アーム36の揺動がスライダ45を介して出力アーム42に伝達され、同出力アーム42により吸気バルブ21が駆動されるとともに、コントロールシャフト34に連動するスライダ45の変位により、入力アーム36及び出力アーム42の相対位相差が変更されて吸気バルブ21の最大リフト量が変更される。さらに、出力アーム42による吸気バルブ21の駆動部分に対し供給通路を通じて潤滑油が供給される。こうした可変動弁機構において、スライダ45が供給通路を開閉する弁として機能し、最大リフト量が少なくとも最小にされた状態では供給通路を閉鎖し、同最大リフト量が最大にされた状態で少なくとも吸気バルブ21が最も多く駆動されるときには供給通路を開放する。
【選択図】 図7
Description
本発明は、内燃機関に設けられた吸気バルブ、排気バルブ等の機関バルブの最大リフト量を可変とする内燃機関の可変動弁機構に関するものである。
近年、吸気バルブ、排気バルブといった機関バルブの最大リフト量を機関運転状態に応じて可変とする可変動弁機構を内燃機関に搭載することが提案されている。この技術によれば、例えば低回転低負荷域では、吸気バルブの最大リフト量を小さくして吸入空気量を制御することで、スロットル弁の開度制御によって生ずるポンピングロスを小さくし、燃費の向上を図ることができる。また、高回転高負荷域では吸気バルブの最大リフト量を大きくし、吸気充填効率の向上により出力の増加を確保することができる。
上記可変動弁機構の1つとして、支持パイプ、コントロールシャフト、入力アーム、出力アーム及びスライダを備えたものがある(特許文献1参照)。コントロールシャフトは支持パイプ内に軸方向への移動可能に挿入されている。入力アーム及び出力アームは支持パイプ上にそれぞれ揺動可能に設けられている。スライダは、コントロールシャフトと、入力アーム及び出力アームとの間に設けられ、コントロールシャフトに連動して回動するとともに軸方向へ移動する。
上記構成の可変動弁機構では、内燃機関のカムシャフトによって入力アームが揺動される。この揺動はスライダを介して出力アームに伝達され、同出力アームが揺動される。そして、出力アームのノーズにより機関バルブがバルブスプリングに抗して押下げられる。すなわち、出力アームと、バルブスプリングにより上方(閉弁方向)へ付勢されている機関バルブとの間にはロッカーアームが介在されており、揺動する出力アームのノーズによりロッカーアームのローラに押下げ力が加えられる。この押下げ力がバルブスプリングの付勢力に打ち勝つと、ロッカーアームが下方へ揺動されて機関バルブが押下げられる。また、コントロールシャフトが軸方向へ移動されると、その移動に連動してスライダが回動するとともに同方向へ移動する。入力アーム及び出力アームのノーズの相対位相差が変更され、それに伴い機関バルブの最大リフト量が変更される。
ところで、上述した可変動弁機構では、出力アームによる機関バルブの駆動部分、特に部品同士が圧接状態で相対移動する箇所に潤滑油を供給する必要がある。こうした箇所としては、例えば、出力アームのノーズとロッカーアームのローラとの接触箇所が挙げられる。
そこで、例えば、特許文献2に示されているように、可変動弁機構の近傍に潤滑油通路を有するパイプを配置し、そのパイプに設けた給油口から出力アームとローラとの接触箇所に潤滑油を常時供給することが考えられる。
特開2001−263015号公報
特開2000−104522号公報
ところで、上述した可変動弁機構では、機関バルブのリフト量が小さいときには少量の潤滑油であっても駆動部分が適切に潤滑されるのに対し、リフト量が採り得る略最大となったときには、駆動部分に多量の潤滑油が供給されないと、油切れ等の不具合を引き起こすおそれがある。この不具合は、主として、リフト量が略最大のときには、バルブスプリングの反力が大きくなってロッカーアームのローラを出力アームに押付ける力が強くなり、出力アームのローラに対する面圧が高くなることによるものと考えられる。
従って、潤滑油を常時供給する技術では、リフト量が略最大となったときにも油切れ等を引き起こさないようにしようとすると、リフト量が略最大となったときに必要な量の潤滑油が供給油量として設定されることになる。その結果、リフト量が如何に大きくても潤滑油が不足するようなことがなくなる反面、リフト量が小さいときには過剰な量の潤滑油が供給されて必要以上に潤滑油が消費されることとなる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、必要以上に潤滑油が消費されるのを抑制することのできる内燃機関の可変動弁機構を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、軸方向へ移動可能に設けられたコントロールシャフトと、前記コントロールシャフト上にそれぞれ揺動可能に設けられた入力アーム及び出力アームと、前記コントロールシャフトと、前記入力アーム及び前記出力アームとの間に設けられたスライダとを備え、内燃機関のカムシャフトによる前記入力アームの揺動を前記スライダを介して前記出力アームに伝達して機関バルブを駆動するとともに、前記コントロールシャフトに連動する前記スライダの変位により、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差を変更して前記機関バルブの最大リフト量を変更し、さらに前記出力アームによる前記機関バルブの駆動部分に対し供給通路を通じて潤滑油を供給するようにした内燃機関の可変動弁機構において、前記スライダを前記供給通路を開閉する弁として機能させ、前記最大リフト量が少なくとも最小にされた状態では前記供給通路を閉鎖し、同最大リフト量が最大にされた状態で少なくとも前記機関バルブが最も多く駆動されるときには前記供給通路を開放するようにしている。
請求項1に記載の発明では、軸方向へ移動可能に設けられたコントロールシャフトと、前記コントロールシャフト上にそれぞれ揺動可能に設けられた入力アーム及び出力アームと、前記コントロールシャフトと、前記入力アーム及び前記出力アームとの間に設けられたスライダとを備え、内燃機関のカムシャフトによる前記入力アームの揺動を前記スライダを介して前記出力アームに伝達して機関バルブを駆動するとともに、前記コントロールシャフトに連動する前記スライダの変位により、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差を変更して前記機関バルブの最大リフト量を変更し、さらに前記出力アームによる前記機関バルブの駆動部分に対し供給通路を通じて潤滑油を供給するようにした内燃機関の可変動弁機構において、前記スライダを前記供給通路を開閉する弁として機能させ、前記最大リフト量が少なくとも最小にされた状態では前記供給通路を閉鎖し、同最大リフト量が最大にされた状態で少なくとも前記機関バルブが最も多く駆動されるときには前記供給通路を開放するようにしている。
上記の構成によれば、内燃機関のカムシャフトによって可変動弁機構の入力アームが揺動されると、その揺動はスライダを介して出力アームに伝達される。この伝達により、出力アームがコントロールシャフトを支点として揺動し、機関バルブが駆動される。このようにしてカムシャフトの回転が可変動弁機構を通じて機関バルブに伝達され、同機関バルブが開閉駆動される。また、コントロールシャフトが軸方向へ移動されると、スライダが連動して変位し、入力アーム及び出力アームの相対位相差が変更され、機関バルブの最大リフト量が変更される。さらに、出力アームによる機関バルブの駆動部分に対し、供給通路を通じて潤滑油が供給されて、同駆動部分の潤滑が行われる。
ところで、最大リフト量が最小にされた状態では、上記駆動部分の潤滑に必要な潤滑油の量は少ない。また、最大リフト量が最大にされた状態、特に同状態で機関バルブが最も多く駆動されるときには上記駆動部分の潤滑に必要な潤滑油の量は多い。
この点、請求項1に記載の発明では、スライダが供給通路を開閉する弁として機能する。そして、最大リフト量が少なくとも最小にされた状態では、スライダによって上記供給通路が閉鎖され、上記駆動部分に潤滑油が供給されない。また、最大リフト量が最大にされた状態で少なくとも機関バルブが最も多く駆動されるときには、スライダによって上記供給通路が開放され、出力アームの油路から上記駆動部分に潤滑油が供給される。
従って、例えば少量(機関バルブのリフト量が比較的小さなときに必要とされる量)の潤滑油が上記駆動部分に常時供給される状況のもとで請求項1に記載の可変動弁機構が適用されれば、同駆動部分に潤滑油を過不足なく供給し、必要以上に潤滑油が消費されるのを抑制することが可能となる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記スライダは、前記最大リフト量が最大にされた状態で前記機関バルブが最も多く駆動されるときにのみ前記供給通路を開放するものであるとする。
ここで、上記機関バルブの駆動部分の潤滑に必要な潤滑油の量は、機関バルブが採り得る略最大量リフトするとき、すなわち最大リフト量が最大にされた状態で機関バルブが最も多く駆動されるときに最も多くなる。この点、請求項2に記載の発明では、供給通路は、最大リフト量が最大にされた状態で機関バルブが最も多く駆動されるときに開放され、それ以外のときには閉鎖される。従って、最も多くの潤滑油が必要とされる状況にのみ、出力アームによる機関バルブの駆動部分に向けて潤滑油が供給されて同駆動部分が潤滑される。従って、必要以上に潤滑油が消費されるのをより一層抑制することが可能となる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記コントロールシャフトが挿通された支持パイプをさらに備え、前記供給通路は、前記支持パイプの内部に設けられた潤滑油通路と、同支持パイプの管壁に開口された給油口と、前記出力アーム及び前記スライダにそれぞれ設けられた油路とを備え、前記両油路及び前記給油口は、前記最大リフト量が最大にされた状態で前記機関バルブが最も多く駆動されるときにのみ相互に連通するものであるとする。
上記の構成によれば、潤滑油はコントロールシャフトが挿通された支持パイプ内の潤滑油通路を流れる。一方、コントロールシャフトの軸方向への移動に伴うスライダの変位により、機関バルブの最大リフト量が最大にされ、この状態で機関バルブが出力アームによって最も大きく駆動されると、スライダの油路、出力アームの油路及び支持パイプの給油口が相互に連通する。この連通により、支持パイプ内の潤滑油の一部は給油口及び両油路を順に流れて、出力アームによる機関バルブの駆動部分に供給される。このように、支持パイプに給油口を設け、スライダ及び出力アームにそれぞれ油路を設けるという簡単な構成でありながら、最大リフト量が最大にされた状態で機関バルブが最も多く駆動されるときにのみ連通する供給通路を成立させることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記コントロールシャフトが挿通された支持パイプをさらに備え、前記供給通路は、前記支持パイプの内部に設けられた潤滑油通路と、同支持パイプの管壁に開口された給油口と、前記出力アームに設けられた油路とを備え、前記スライダは、その変位に伴い前記給油口及び前記油路の少なくとも一方に重なることにより前記供給通路を閉鎖し、前記給油口及び前記油路に重ならなくなることにより同供給通路を開放するものであるとする。
上記の構成によれば、潤滑油はコントロールシャフトが挿通された支持パイプ内の潤滑油通路を流れる。一方、コントロールシャフトに連動してスライダが変位して、支持パイプの給油口及び出力アームの油路の少なくとも一方に重なると、供給通路が閉鎖されて、同油路から駆動部分への潤滑油の供給が遮断される。また、上記変位によりスライダが給油口にも油路にも重ならなくなると、供給通路が開放されて、出力アームの油路から同出力アームによる機関バルブの駆動部分へ潤滑油が供給される。従って、スライダ、給油口及び油路の軸方向における相対位置を適切に設定することにより、多くの潤滑油が必要とされる状況にのみ供給通路を開放して駆動部分に潤滑油を供給することが可能となる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記給油口及び前記油路は、前記最大リフト量の非最大時には前記スライダが重なり、同最大リフト量の最大時には同スライダが重ならなくなる箇所に設けられているとする。
上記の構成によれば、出力アームによる機関バルブの駆動部分の潤滑に必要な潤滑油の量は最大リフト量の非最大時に比べ最大時に多い。この点、請求項5に記載の発明では、最大リフト量の非最大時にはスライダが給油口及び油路に重なる。スライダによって供給通路が閉鎖され、油路から上記駆動部分への潤滑油の供給が遮断される。また、最大リフト量の最大時にはスライダが給油口及び油路に重ならなくなる。供給通路が開放されて油路から駆動部分に潤滑油が供給される。
請求項6に記載の発明では、軸方向へ移動可能に設けられたコントロールシャフトと、前記コントロールシャフト上にそれぞれ揺動可能に設けられた入力アーム及び出力アームと、前記コントロールシャフトと、前記入力アーム及び前記出力アームとの間に設けられたスライダとを備え、内燃機関のカムシャフトによる前記入力アームの揺動を前記スライダを介して前記出力アームに伝達して機関バルブを駆動するとともに、前記コントロールシャフトに連動する前記スライダの変位により、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差を変更して前記機関バルブの最大リフト量を変更し、さらに前記出力アームによる前記機関バルブの駆動部分に潤滑油を供給するようにした内燃機関の可変動弁機構において、少なくとも前記スライダ及び前記出力アームには、前記機関バルブが採り得る略最大量リフトしたときにのみ連通して、同出力アームによる前記機関バルブの駆動部分に潤滑油を供給する供給通路を設けている。
上記の構成によれば、内燃機関のカムシャフトによって可変動弁機構の入力アームが揺動されると、その揺動はスライダを介して出力アームに伝達される。この伝達により、出力アームがコントロールシャフトを支点として揺動し、機関バルブが駆動される。このようにしてカムシャフトの回転が可変動弁機構を通じて機関バルブに伝達され、同機関バルブが開閉駆動される。また、コントロールシャフトが軸方向へ移動されると、スライダが連動して変位し、入力アーム及び出力アームの相対位相差が変更され、機関バルブの最大リフト量が変更される。さらに、出力アームによる機関バルブの駆動部分に潤滑油が供給されて、同駆動部分の潤滑が行われる。そのため、潤滑油の供給を常時行い、しかも、その際の供給量を、リフト量が略最大以外のときに駆動部分に必要とされる量を基準に設定すれば、リフト量が略最大以外のときに駆動部分に必要な量の潤滑油を確保することができる。
ところで、前記のように可変動弁機構によって機関バルブが駆動され、その最大リフト量が変更されるなか、同機関バルブが採り得る略最大量リフトしたときには少なくともスライダ及び出力アームに設けられた供給通路が連通される。この連通された供給通路から出力アームによる機関バルブの駆動部分に潤滑油が供給される。
従って、機関バルブが採り得る略最大量リフトしたときには特に多量の潤滑油が必要となるが、前記供給通路からの潤滑油の供給によりこの要求を満たすことができる。また、機関バルブが略最大量以外の量リフトしたときには潤滑油は少なくてすむが、このときには供給通路から機関バルブの駆動部分に潤滑油が供給されないため、必要以上に潤滑油が消費されるのを抑制することができる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、前記供給通路は、前記最大リフト量が略最大に変更された状態で、前記カムシャフトにより前記入力アームが略最大量揺動されたときに連通するものであるとする。
上記の構成によれば、入力アーム及び出力アームの相対位相差の変更により機関バルブの最大リフト量が略最大に変更され、この状態でカムシャフトにより入力アームが略最大量揺動されると、機関バルブが採り得る略最大量リフトする。この状態となったときにのみ供給通路が連通し、機関バルブの駆動部分に潤滑油が供給される。このため、機関バルブが略最大量リフトするときには多量の潤滑油を駆動部分に供給し、それ以外のときには過剰な潤滑油供給を抑制することができる。
請求項8に記載の発明では、請求項6又は7に記載の発明において、前記コントロールシャフトが挿通された支持パイプをさらに備え、前記供給通路は、前記支持パイプの内部に設けられた潤滑油通路と、同支持パイプの管壁に開口された給油口と、前記スライダ及び前記出力アームにそれぞれ設けられた油路とを備え、前記油路は、前記機関バルブが採り得る略最大量リフトしたときにのみ前記給油口に連通するものであるとする。
上記の構成によれば、潤滑油はコントロールシャフトが挿通された支持パイプ内の潤滑油通路を流れる。一方、機関バルブが採り得る略最大量リフトしたときには、スライダ及び出力アームにそれぞれ設けられた油路が支持パイプの管壁に設けられた給油口に連通する。この連通により、支持パイプ内の潤滑油の一部は給油口及び油路を順に流れて、出力アームによる機関バルブの駆動部分に供給される。このように、支持パイプに給油口を設け、スライダ及び出力アームにそれぞれ油路を設けるという簡単な構成でありながら、機関バルブが採り得る略最大量リフトしたときにのみ連通する供給通路を成立させることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の可変動弁機構をガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)に適用した第1実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
以下、本発明の可変動弁機構をガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)に適用した第1実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、エンジン11はシリンダヘッド12と、複数の気筒13を有するシリンダブロック14とを備えている。各気筒13内には、ピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッド(図示略)を介し、出力軸であるクランクシャフト10(図2参照)に連結されている。各ピストン15の往復運動は、コネクティングロッドによって回転運動に変換された後、クランクシャフト10に伝達される。
ピストン15、気筒13及びシリンダヘッド12によって囲まれた空間は燃焼室16となっている。シリンダヘッド12には、各燃焼室16に連通する吸気ポート17及び排気ポート18が気筒13毎に一対ずつ設けられている。
これらの吸・排気ポート17,18を開閉するために、シリンダヘッド12には、気筒13毎に一対の吸気バルブ21及び一対の排気バルブ22が、それぞれ機関バルブとして往復動可能に支持されている。吸・排気バルブ21,22はバルブスプリング23によって常に上方へ付勢されている。この付勢方向は、吸・排気ポート17,18を閉じる方向(閉弁方向)である。
シリンダヘッド12における吸気バルブ21の上方には、気筒13毎に1つの吸気カム24を有する吸気カムシャフト20が、立壁部25,26により回転可能に支持されている(図2参照)。同様に、シリンダヘッド12における排気バルブ22の上方には排気カムシャフト27が回転可能に支持されている。吸・排気カムシャフト20,27は、タイミングチェーン19等によりクランクシャフト10に駆動連結されている。そして、クランクシャフト10の回転がタイミングチェーン19等を介して吸・排気カムシャフト20,27に伝達され、同カムシャフト20,27の回転により吸・排気バルブ21,22が往復動し、吸・排気ポート17,18が開閉される。
吸気ポート17には吸気通路(図示略)が接続されており、エンジン11の外部の空気がこの吸気通路及び吸気ポート17を通過して燃焼室16に取り込まれる。吸気通路には、燃焼室16へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁(図示略)が各気筒13に対応して取付けられている。噴射された燃料は、吸気ポート17を通って燃焼室16内に導入される吸入空気と混ざり合って混合気となる。
シリンダヘッド12には、点火プラグ28が各気筒13に対応して取付けられている。そして、前記混合気は点火プラグ28の電気火花によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動され、クランクシャフト10が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。
一方、排気ポート18には排気通路(図示略)が接続されており、燃焼室16で生じた燃焼ガスが、排気ポート18、排気通路等を通ってエンジン11の外部へ排出される。
図2に示すように、エンジン11には、クランクシャフト10に対する吸気カムシャフト20の相対回転位相を調節して吸気バルブ21のバルブタイミング(開閉期間)を進角又は遅角させるバルブタイミング可変機構29が設けられている。このバルブタイミング可変機構29の概略について説明すると、同機構29はハウジング及びロータを備えている。ハウジングは吸気カムシャフト20に相対回転可能に支持されるとともに、タイミングチェーン19等によってクランクシャフト10に駆動連結されている。ロータは外周に複数のベーンを有し、ハウジング内に収容された状態で吸気カムシャフト20に一体回転可能に取付けられている。ハウジング内部において、各ベーンの回転方向についての前後両側にはそれぞれ圧力室が形成されている。そして、エンジン11の運転状態に応じて、同エンジン11の作動油が各圧力室に供給又は排出されることにより、ロータがハウジングに対して相対回転し、クランクシャフト10に対する吸気カムシャフト20の回転位相が変化する。なお、前記とは異なるタイプのバルブタイミング可変機構が用いられてもよい。
図2に示すように、エンジン11には、クランクシャフト10に対する吸気カムシャフト20の相対回転位相を調節して吸気バルブ21のバルブタイミング(開閉期間)を進角又は遅角させるバルブタイミング可変機構29が設けられている。このバルブタイミング可変機構29の概略について説明すると、同機構29はハウジング及びロータを備えている。ハウジングは吸気カムシャフト20に相対回転可能に支持されるとともに、タイミングチェーン19等によってクランクシャフト10に駆動連結されている。ロータは外周に複数のベーンを有し、ハウジング内に収容された状態で吸気カムシャフト20に一体回転可能に取付けられている。ハウジング内部において、各ベーンの回転方向についての前後両側にはそれぞれ圧力室が形成されている。そして、エンジン11の運転状態に応じて、同エンジン11の作動油が各圧力室に供給又は排出されることにより、ロータがハウジングに対して相対回転し、クランクシャフト10に対する吸気カムシャフト20の回転位相が変化する。なお、前記とは異なるタイプのバルブタイミング可変機構が用いられてもよい。
また、エンジン11には、各吸気バルブ21の最大リフト量及び作用角を連続的に可変とし、かつ前記バルブタイミング可変機構29とともに可変動弁機構を構成する最大リフト量可変機構31が設けられている。最大リフト量可変機構31は、気筒13毎に設けられた仲介駆動機構32と、全仲介駆動機構32にそれぞれ共通する1本の支持パイプ33、1本のコントロールシャフト34及び1つのリフト量可変アクチュエータ35とを備えている。
支持パイプ33は気筒配列方向(図2の左右方向)へ延びるように配置され、前述した立壁部25に貫通固定されている。なお、この方向について、特に区別する必要のない場合には「軸方向」といい、区別する必要のある場合には矢印Fで示す方向又は矢印Rで示す方向というものとする。なお、矢印Fで示す方向は、前述したタイミングチェーン19に近づく方向であり、矢印Rで示す方向はタイミングチェーン19から遠ざかる方向である。前記貫通固定により、支持パイプ33は軸方向(矢印F又はRで示す方向)への移動が不能であり、しかも回転不能である。
コントロールシャフト34は支持パイプ33内に軸方向への往復動可能に挿通されている。リフト量可変アクチュエータ35はモータ、油圧シリンダ等により構成されており、コントロールシャフト34に連結されている。そして、このリフト量可変アクチュエータ35によって、コントロールシャフト34を軸方向へ変位させるとともに、その軸方向における位置を調整することが可能である。
各仲介駆動機構32は、吸気カムシャフト20と、これに対応する一対の吸気バルブ21との間に設けられている。各仲介駆動機構32は、図3〜図5に示すように、入力アーム36と、その軸方向についての両側に設けられた第1出力アーム41及び第2出力アーム42とを備えている。各仲介駆動機構32の入力アーム36及び両出力アーム41,42は立壁部25,25間に配置されており、軸方向への動きが両立壁部25,25によって規制されている(図2参照)。
なお、図5は、仲介駆動機構32について、入力アーム36及び両出力アーム41,42を軸位置にて水平に切断して上部半分を取り除いた状態を示している。
入力アーム36は一対の支持片37を備えており、両支持片37の先端には、軸38によりローラ39が支持されている。また、第1出力アーム41及び第2出力アーム42は、いずれもベース円部43と、略三角形状をなし、かつ凹状に湾曲するカム面44aを有するノーズ44とを備えている。
入力アーム36は一対の支持片37を備えており、両支持片37の先端には、軸38によりローラ39が支持されている。また、第1出力アーム41及び第2出力アーム42は、いずれもベース円部43と、略三角形状をなし、かつ凹状に湾曲するカム面44aを有するノーズ44とを備えている。
支持パイプ33と、入力アーム36及び両出力アーム41,42との間には、動力伝達用のスライダ45が配置されている。具体的には、スライダ45は、貫通孔46にて支持パイプ33上に回動可能、かつ軸方向への移動可能に支持されている。
スライダ45には周方向へ延びる長孔47が形成されている。また、支持パイプ33において、各仲介駆動機構32に対応する箇所には、軸方向へ延びる長孔48が形成されている。これらの長孔47,48の交差する箇所には係止ピン49が配置され、その一端部がコントロールシャフト34に固定されている。
従って、前述したように支持パイプ33がシリンダヘッド12(立壁部25)に固定されているが、コントロールシャフト34の軸方向への移動に伴い、係止ピン49が支持パイプ33の長孔48内を移動することで、スライダ45を軸方向に移動させることが可能である。さらに、スライダ45自体は、周方向へ延びる長孔47にて係止ピン49に係止されていることから、係止ピン49にて軸方向の位置は決定されるが、軸周りについては回動可能である。
入力アーム36及びスライダ45間で動力を伝達するために、入力アーム36の内周面には、歯すじが軸方向に所定角度で交差するスプラインであるヘリカルスプライン36aが形成されている。これに対応してスライダ45の外周面略中央部にはヘリカルスプライン45aが形成され、前述した入力アーム36のヘリカルスプライン36aに噛合わされている。
両出力アーム41,42及びスライダ45間で動力を伝達するために、第1出力アーム41の内周面にはヘリカルスプライン41bが形成され、第2出力アーム42の内周面にはヘリカルスプライン42cが形成されている。これらのヘリカルスプライン41b,42cの歯すじの傾斜方向は、前記入力アーム36のヘリカルスプライン36aの歯すじの傾斜方向と逆である。これに対応して、スライダ45外周面の軸方向についての両端部にはそれぞれヘリカルスプライン45b,45cが形成されている。そして、ヘリカルスプライン41b,45bが相互に噛合わされ、ヘリカルスプライン42c,45cが相互に噛合わされている。そのため、コントロールシャフト34の軸方向の移動に連動してスライダ45が同方向へ移動しながら回動することにより、入力アーム36と両出力アーム41,42とに対し互いに逆方向のねじり力が付与され、入力アーム36と両出力アーム41,42との相対位相差が変化する。
各仲介駆動機構32のローラ39は、図1に示すように吸気カムシャフト20に接触している。このため、各仲介駆動機構32の入力アーム36は、吸気カムシャフト20のカムプロフィールに応じて支持パイプ33を支点として上下に揺動する。なお、支持片37及びシリンダヘッド12間にはスプリング51が圧縮状態で配置されており、このスプリング51によりローラ39が常に吸気カムシャフト20の吸気カム24に押付けられている。
一方、吸気バルブ21及び出力アーム41,42間にはロッカーアーム52が配置され、同ロッカーアーム52を介して出力アーム41,42の揺動が両吸気バルブ21に伝達される。すなわち、各ロッカーアーム52は、その基端部(図1の右端部)52aにおいてアジャスタ54にて揺動可能に支持され、先端部(図1の左端部)52bにおいて吸気バルブ21のステムエンド21aに接触している。そして、バルブスプリング23の付勢力が吸気バルブ21を通じてロッカーアーム52の先端部52bに加わり、同ロッカーアーム52のローラ53が両出力アーム41,42のベース円部43又はノーズ44に接触している。このように、ロッカーアーム52をローラ53において出力アーム41,42に接触させることで、ロッカーアーム52と出力アーム41,42との接触部分における摩擦抵抗を小さくしている。
前述したように、リフト量可変アクチュエータ35によってコントロールシャフト34の軸方向における位置を調整することで、入・出力アーム36,41,42の揺動方向について、ローラ39に対するノーズ44の相対位置が変更される。この変更に伴い、図6〜図9に示すように吸気バルブ21の最大リフト量及び作用角が連続的に変化する。なお、図6〜図9は、第2出力アーム42が対応する吸気バルブ21を駆動する機構を示しているが、第1出力アーム41が対応する吸気バルブ21を駆動する機構についても同様であるので、第1出力アーム41の符号も併記して説明する。
図6及び図7は、リフト量可変アクチュエータ35によってコントロールシャフト34を図2の矢印Fで示す方向へ最大量移動させて、入力アーム36と両出力アーム41,42との相対位相差を最大としたときの仲介駆動機構32の状態を示している。
特に、図6は、吸気カム24がそのベース円部24aにおいて、仲介駆動機構32のローラ39に接触している状態を示している。この状態では、両出力アーム41,42のベース円部43においてノーズ44に近い部分がロッカーアーム52のローラ53に接触している。このため、吸気バルブ21は閉弁状態(リフト量が零)となる。
吸気カムシャフト20が回転すると、ノーズ24bによってローラ39が押下げられて、入力アーム36が下方へ揺動する。この揺動がスライダ45を介して両出力アーム41,42に伝達されて、同出力アーム41,42が下方へ揺動する。この揺動により、ノーズ44のカム面44aが直ちにロッカーアーム52のローラ53に接触して、図7に示すように、カム面44aの略全範囲を使用してローラ53を押下げる。この押下げにより、ロッカーアーム52が基端部52aを支点として下方へ揺動し、ロッカーアーム52の先端部52bが大きくステムエンド21aを押下げ、吸気バルブ21が吸気ポート17を大きく開放(開弁)する。吸気バルブ21が最も多く駆動されて最も下方まで移動(リフト)したときの移動量である最大リフト量は最大となる。
ここで、リフト量可変アクチュエータ35によってコントロールシャフト34を図6及び図7の状態から図2の矢印Rで示す方向へ移動させると、その移動量が大きくなるほど入力アーム36と両出力アーム41,42との相対位相差が小さくなる。これに伴い、吸気カム24のベース円部24aが、仲介駆動機構32のローラ39に接触するときに、出力アーム41,42のベース円部43についてロッカーアーム52のローラ53との接触箇所が、ノーズ44から遠ざかる。このため、出力アーム41,42が揺動しても、しばらくはロッカーアーム52のローラ53はノーズ44のカム面44aに接触することなくベース円部43に接触し続ける。
その後、カム面44aがローラ53を押下げて、ロッカーアーム52を基端部52aを支点として下方へ揺動させるが、ローラ53が当初、ノーズ44から離れている分、カム面44aの使用範囲が少なくなる。その結果、ロッカーアーム52の揺動角度が小さくなり、ロッカーアーム52の先端部52bによるステムエンド21aの押下げ量、すなわち吸気バルブ21の最大リフト量が小さくなる。こうして、吸気バルブ21は最大時よりも小さな最大リフト量にて吸気ポート17を開放状態にする。
図8及び図9は、リフト量可変アクチュエータ35によってコントロールシャフト34を図2の矢印Rで示す方向へ最大量移動させて、入力アーム36のローラ39と出力アーム41,42のノーズ44との相対位相差を最小としたときの仲介駆動機構32の状態を示している。
特に、図8は吸気カム24がそのベース円部24aにおいて、入力アーム36のローラ39に接触している状態を示している。この状態では、出力アーム41,42のベース円部43においてノーズ44から最も離れた部分がロッカーアーム52のローラ53に接触している。このため、吸気バルブ21は閉弁状態(リフト量が零)となる。
前記の状態から出力アーム41,42が揺動しても、その揺動の全期間にわたり、ロッカーアーム52のローラ53はノーズ44のカム面44aに接触することなくベース円部43に接触し続ける。すなわち、図9に示すように、吸気カムシャフト20のノーズ24bが入力アーム36のローラ39を最大に押下げても、カム面44aはロッカーアーム52のローラ53を押下げるために使用されることはない。その結果、ロッカーアーム52は基端部52aを支点として揺動することがなくなり、ロッカーアーム52の先端部52bによるステムエンド21aの押下げ量、すなわちリフト量が零となる。こうして吸気バルブ21は吸気ポート17の閉鎖状態を維持する。
このように、リフト量可変アクチュエータ35によってコントロールシャフト34の位置を調整することにより、図10のグラフに示すリフト量パターンの間で、吸気バルブ21の最大リフト量及び作用角を連続的に調整することが可能である。
ところで、上述した可変動弁機構では、出力アーム41,42による吸気バルブ21の駆動部分、特に部品同士が圧接状態で相対移動する箇所に潤滑油を供給して潤滑を行う必要がある。こうした箇所としては、例えば、出力アーム41,42のノーズ44とロッカーアーム52のローラ53との接触箇所が挙げられる。これに対しては、上記駆動部分に潤滑油を常時供給するための機構(図示略)が設けられている。この供給機構としては、例えば前述した特許文献1に記載されたものと同様のものを用いることができる。この供給機構による潤滑油の供給量は、吸気バルブ21のリフト量が比較的小さなときに必要とされる量を基準に設定されている。
ここで、上述した最大リフト量可変機構31では、吸気バルブ21のリフト量が小さいときには少量の潤滑油であっても潤滑が適切に行われるのに対し、リフト量が略最大のときには多くの潤滑油が必要となる。
これは、1つには、最大リフト量が大きいときには、バルブスプリング23の反力が大きくなり、同スプリング23によってロッカーアーム52のローラ53を出力アーム41,42に押付ける力が強くなり、そのローラ53の出力アーム41,42に対する面圧が高くなるからである。また、最大リフト量が大きくなるに従い出力アーム41,42のローラ53との接触箇所が、その出力アーム41,42の中心部から遠ざかる(ノーズ44の基端部から先端部へ移る)ため、特に最大リフト量が大きいときには接触部分へ潤滑油が到達しにくくなるからでもある。
そこで、第1実施形態では、特に多くの潤滑油が必要とされるとき、すなわち吸気バルブ21が採り得る略最大量リフトしたときにのみ連通して、上記接触箇所(吸気バルブ21の駆動部分)に潤滑油を供給する供給通路が設けられている。
詳しくは、図11に示すように、コントロールシャフト34を支持パイプ33の内径よりも若干小径とすることで、その支持パイプ33の内壁面とコントロールシャフト34との間に潤滑油通路56が設けられている。この潤滑油通路56には、オイルポンプから吐出された潤滑油の一部が供給されるようになっている。
また、支持パイプ33の管壁には潤滑油の給油口57が開けられている。第1実施形態では、この給油口57が、各ロッカーアーム52のローラ53、より好ましくは、そのローラ53のうちでも出力アーム41,42のノーズ44との接触部分と対向する2箇所に貫通形成されている。図1に示すように、支持パイプ33がローラ53の略上方に位置している第1実施形態では、各給油口57は支持パイプ33の下部に形成されている。
また、スライダ45の両端部において次の条件(i),(ii)を満たす箇所にはそれぞれ油路58が設けられている。条件(i)は、スライダ45がその可動範囲において矢印Fで示す方向へ最大量移動して入力アーム36及び両出力アーム41,42の相対位相差が最大となったときに、コントロールシャフト34に直交し、かつ給油口57を含む面上に位置することである。条件(ii)は、条件(i)を満たしたうえで入・出力アーム36,41,42が可動範囲の最下位置又はその近傍まで揺動したとき、すなわち吸気バルブ21が採り得る最大量又はそれに近い量リフトしたときにのみ前記給油口57に合致して連通することである。吸気バルブ21が採り得る最大量又はそれに近い量リフトするのは、表現を変えると、最大リフト量が最大にされた状態で、同吸気バルブ21が最も多く、又はそれに近い量駆動されるときである。こうした条件(i),(ii)を満たす各油路58は、径方向へ真っ直ぐに延びた状態でスライダ45の両端部を貫通する孔によって構成されている。
さらに、各出力アーム41,42において次の条件(iii )を満たす箇所にはそれぞれ油路59が設けられている。条件(iii )は、上述した条件(i),(ii)がともに満たされたときに、前記油路58に合致して連通することである。こうした条件(iii )を満たす各油路59は、径方向へ真っ直ぐに延びた状態で各出力アーム41,42を貫通する孔によって構成されている。そして、前述した潤滑油通路56、給油口57及び油路58,59によって供給通路が構成されている。
上記供給通路を有する可変動弁機構によると、オイルポンプから吐出された潤滑油の一部が支持パイプ33とコントロールシャフト34との間の潤滑油通路56を流れる。この際、スライダ45は供給通路を開閉する弁として機能する。上記潤滑油通路56を流れる潤滑油の一部は、給油口57、油路58,59が全て合致(連通)して供給通路が開放されたときにそれらの給油口57及び油路58を通って、油路59から放出される。
給油口57及び油路58,59の全てが合致するのは、前述した条件(i)〜(iii )が全て満たされて、吸気バルブ21が採り得る最大量又はそれに近い量リフトしたときである。
すなわち、コントロールシャフト34が矢印Fで示す方向へ最大量移動されると、図11に示すように、スライダ45が可動範囲の第2出力アーム42側端部に至る。この位置では、スライダ45の油路58が出力アーム41,42の油路59に合致する。
なお、スライダ45が上記とは異なる箇所に位置している場合には、例えば図8及び図9に示すように油路58は油路59に合致しない。この箇所には、スライダ45の可動範囲における第1出力アーム41側の端部が含まれる。すなわち、最大リフト量が少なくとも最小にされた状態では油路58が油路59に合致せず、供給通路が閉鎖される。このため、潤滑油が油路58,59間を流れることはなく、油路59からローラ53へ潤滑油が供給されない。
ただし、スライダ45が上記の箇所(可動範囲の第2出力アーム42側端部)に位置しているというだけでは、油路58,59が給油口57に合致するとは限らない。この状態では、潤滑油が給油口57及び油路58間を流れることはなく、油路59からローラ53へは潤滑油が供給されない。
これに対し、吸気カム24のノーズ24bが先端部にてローラ39に接触して、図7に示すように入・出力アーム36,41,42がその最下位置まで揺動すると、出力アーム41,42における油路59の軸回りの角度が、支持パイプ33における給油口57の軸回りの角度と一致する。すなわち、油路58,59が給油口57に合致し、それら油路58,59及び給油口57が一直線状に繋がる。その結果、給油口57及び油路58間での潤滑油の流通と、油路58及び油路59間での潤滑油の流通がともに可能となる。これら給油口57及び油路58を順に流れた潤滑油が油路59から放出されてローラ53に供給される。
なお、入・出力アーム36,41,42が上記とは異なる箇所に位置している場合には、図6に示すように油路59の軸回りの角度が給油口57の軸回りの角度とは異なるため、給油口57から油路58へ潤滑油が流れることはない。結果として、油路59からローラ53へ潤滑油が供給されない。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)出力アーム41,42による吸気バルブ21の駆動部分(ロッカーアーム52、特にローラ53とノーズ44との接触部分)に常時潤滑油を供給する供給機構とは別に、同駆動部分に潤滑油を供給する供給通路を設け、その供給通路の一部を出力アーム41,42の油路58によって構成している。また、スライダ45を、供給通路を開閉する弁として機能させ、最大リフト量が最大にされた状態で吸気バルブ21が最も多く駆動されるとき、すなわち吸気バルブ21が採り得る略最大量リフトしたときにのみ開放させるようにしている。
(1)出力アーム41,42による吸気バルブ21の駆動部分(ロッカーアーム52、特にローラ53とノーズ44との接触部分)に常時潤滑油を供給する供給機構とは別に、同駆動部分に潤滑油を供給する供給通路を設け、その供給通路の一部を出力アーム41,42の油路58によって構成している。また、スライダ45を、供給通路を開閉する弁として機能させ、最大リフト量が最大にされた状態で吸気バルブ21が最も多く駆動されるとき、すなわち吸気バルブ21が採り得る略最大量リフトしたときにのみ開放させるようにしている。
このため、リフト量が略最大以外のときに駆動部分に必要とされる潤滑油を、供給機構からの潤滑油の供給により確保することができる。また、吸気バルブ21が採り得る略最大量リフトしたときには、バルブスプリング23の反力が大きくなる等して特に多量の潤滑油が必要となって、上記供給機構からの供給のみでは潤滑油が不足するが、前記供給通路からの潤滑油の供給によりこの不足分を補うことができる。さらに、少量の潤滑油で潤滑を行うことのできるリフト量小のときには、供給通路から潤滑油が供給されないため、必要以上に潤滑油が消費されるのを抑制することができる。その分、他の潤滑部へ供給される油量(油圧)を多くすることができる。
(2)支持パイプ33に給油口57を設け、スライダ45に油路58を設け、出力アーム41,42に油路59を設けるという簡単な構成でありながら、吸気バルブ21が採り得る略最大量リフトしたときにのみ連通して駆動部分に潤滑油を供給する供給通路を成立させることができる。
また、供給通路を仮に常時連通しているタイプとした場合には、条件に応じてその供給通路を開閉する手段(例えば、潤滑油量調整弁やその制御装置)が別途必要となる。しかし、第1実施形態では、スライダ45が供給通路を開閉する弁として機能するため、そういった開閉手段を別途設けなくてもすむ。
(3)支持パイプ33、スライダ45及び出力アーム41,42に孔開け加工等の加工を行うだけで容易に給油口57、油路58,59を形成することができる。
(4)給油口57、油路58,59の位置が変わると潤滑油の放出方向が変化する。従って、出力アーム41,42による吸気バルブ21の駆動部分を、前述したロッカーアーム52のローラ53とは異なる箇所に変更する場合には、これらの給油口57及び油路58,59の各位置を変更するだけで簡単に対応することができる。
(4)給油口57、油路58,59の位置が変わると潤滑油の放出方向が変化する。従って、出力アーム41,42による吸気バルブ21の駆動部分を、前述したロッカーアーム52のローラ53とは異なる箇所に変更する場合には、これらの給油口57及び油路58,59の各位置を変更するだけで簡単に対応することができる。
(5)1気筒当りに2本の吸気バルブ21を有するエンジン11において、出力アーム41,42をこの吸気バルブ21と同数(2つ)設け、さらに、供給通路の給油口57及び油路58,59を各出力アーム41,42に対応して設けている。このため、1本の吸気カムシャフト20によって気筒毎の2本の吸気バルブ21の開閉駆動に対応することができるほか、各出力アーム41,42による吸気バルブ21の駆動部分に対し、同出力アーム41,42毎の給油口57及び油路58,59を通じて潤滑油を供給することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図12及び図13を参照して説明する。第2実施形態は、供給通路の構成、より詳しくは第1出力アーム41による吸気バルブ21の駆動部分に潤滑油を供給する供給通路の構成において、第1実施形態と異なっている。ここでは、気筒毎の2つの供給通路を区別するために、第1出力アーム41側のものを「供給通路71」といい、第2出力アーム42側のものを「供給通路72」というものとする。
次に、本発明を具体化した第2実施形態について図12及び図13を参照して説明する。第2実施形態は、供給通路の構成、より詳しくは第1出力アーム41による吸気バルブ21の駆動部分に潤滑油を供給する供給通路の構成において、第1実施形態と異なっている。ここでは、気筒毎の2つの供給通路を区別するために、第1出力アーム41側のものを「供給通路71」といい、第2出力アーム42側のものを「供給通路72」というものとする。
供給通路72は、第1実施形態と同様、支持パイプ33内の潤滑油通路56と、支持パイプ33の管壁の給油口57と、スライダ45及び第2出力アーム42の油路58,59とからなる。両油路58,59及び給油口57には、スライダ45がその軸方向の位置に拘らず常に重なっている。両油路58,59及び給油口57は、最大リフト量が最大にされた状態で吸気バルブ21が最も多く駆動されるときにのみ、すなわち、吸気バルブ21が採り得る最大量リフトしたときにのみ、相互に連通する。
これに対し、供給通路71は、支持パイプ33内の潤滑油通路56と、支持パイプ33の管壁の給油口57と、支持パイプ33、第1出力アーム41及びスライダ45によって囲まれる空間Sと、第2出力アーム42の油路59とからなる。上記第2出力アーム42側の供給通路72とは異なり、スライダ45の油路58は供給通路71の構成要素となっていない。空間Sが油路58と同様の機能を果す。そのため、スライダ45の第1出力アーム41側の端部には油路58は設けられていない。そして、供給通路71は、スライダ45が軸方向へ移動することにより開閉される。
供給通路71では給油口57及び油路59が、次の条件(iv),(v)を満たす箇所に設けられている。条件(iv)は、スライダ45が、その可動範囲において矢印Fで示す方向へ最大量移動して入力アーム36及び両出力アーム41,42の相対位相差が最大となったときに、給油口57及び油路59がともにスライダ45に重ならないことである。条件(v)は、スライダ45が上記条件(iv)とは異なる箇所に位置して、上記相対位相差が最大ではないときに、給油口57及び油路59の少なくとも一方がスライダ45に重なることである。
第2実施形態では、これらの条件(iv),(v)を満たす位置として、スライダ45が可動範囲のうち第2出力アーム42側の端部に位置するときにのみ重ならない箇所が設定されている。従って、スライダ45がこれ以外の箇所に位置するときには、スライダ45が給油口57及び油路59に重なる。
上記以外の事項については第1実施形態と同様である。従って、第1実施形態と同様の部材、箇所等については、同一の符号を付して説明を省略する。
上記供給通路71,72を有する第2実施形態の可変動弁機構によると、オイルポンプから吐出された潤滑油の一部は、支持パイプ33とコントロールシャフト34との間の潤滑油通路56を流れる。コントロールシャフト34に連動してスライダ45が変位すると、その変位に伴いスライダ45及び出力アーム41,42の軸方向における相対位置が変化する。そして、スライダ45は、その軸方向の位置に応じて供給通路71,72を開閉する。
上記供給通路71,72を有する第2実施形態の可変動弁機構によると、オイルポンプから吐出された潤滑油の一部は、支持パイプ33とコントロールシャフト34との間の潤滑油通路56を流れる。コントロールシャフト34に連動してスライダ45が変位すると、その変位に伴いスライダ45及び出力アーム41,42の軸方向における相対位置が変化する。そして、スライダ45は、その軸方向の位置に応じて供給通路71,72を開閉する。
スライダ45は、図12に示すように、可動範囲の第2出力アーム42側の端部を除く箇所に位置するときには、供給通路71の給油口57及び油路59に重なって同供給通路71を閉鎖する。この箇所には、スライダ45の可動範囲についての第1出力アーム41側の端部が含まれる。すなわち、最大リフト量が少なくとも最小にされた状態では、スライダ45が給油口57及び油路59に重なって供給通路71が閉鎖される。また、この箇所では、供給通路72の油路58が給油口57及び油路59から第1出力アーム41側へずれ、同供給通路72が閉鎖される。そのため、潤滑油通路56内を流れる潤滑油は、供給通路71の油路59からも供給通路72の油路59からも放出されない。
これに対し、スライダ45は、図13に示すように、可動範囲の第2出力アーム42側の端部に位置するときには、供給通路71の給油口57及び油路59に重ならない。給油口57及び油路59がともに開口され、空間Sを挟んで相互に連通した状態となり、供給通路71が開放される。そのため、潤滑油通路56内を流れる潤滑油の一部は給油口57及び空間Sを通って油路59からローラ53へ向けて放出される。なお、この供給通路71の開放は、スライダ45が上記箇所に位置すれば、入・出力アーム36,41,42の揺動に関係なく行われる。
一方、上記箇所では、供給通路72については、スライダ45の油路58が第2出力アーム42の油路59に合致するに過ぎず、油路59からローラ53へは潤滑油が供給されない。第2出力アーム42が最下位置まで揺動して、両油路58,59が給油口57に合致することを条件に、供給通路72が開放され、潤滑油通路56内を流れる潤滑油の一部が給油口57及び油路58を順に通り、油路59から放出されてローラ53に供給される。
従って、第2実施形態によれば上述した(1)〜(5)と同様の効果が得られるほか、次の効果が得られる。
(6)第1出力アーム41側の供給通路71の構成を、第2出力アーム42側の供給通路72の構成と異ならせている。供給通路71については、給油口57及び油路59の位置を、最大リフト量の非最大時にはスライダ45が重なり、同最大リフト量の最大時には同スライダ45が重ならなくなる箇所に設定している。この設定により、スライダ45を、供給通路71を開閉する弁として機能させるようにしている。そのため、ロッカーアーム52のローラ53の潤滑にさほど潤滑油が必要とされない最大リフト量の非最大時には、スライダ45を給油口57及び油路59に重ならせて供給通路71を閉鎖し、同ローラ53への潤滑油の供給を遮断することができる。また、上記ローラ53の潤滑に多くの潤滑油が必要とされる最大リフト量の最大時には、スライダ45を給油口57及び油路59に重ならなくさせて、供給通路71を開放して同ローラ53に潤滑油を供給することができる。
(6)第1出力アーム41側の供給通路71の構成を、第2出力アーム42側の供給通路72の構成と異ならせている。供給通路71については、給油口57及び油路59の位置を、最大リフト量の非最大時にはスライダ45が重なり、同最大リフト量の最大時には同スライダ45が重ならなくなる箇所に設定している。この設定により、スライダ45を、供給通路71を開閉する弁として機能させるようにしている。そのため、ロッカーアーム52のローラ53の潤滑にさほど潤滑油が必要とされない最大リフト量の非最大時には、スライダ45を給油口57及び油路59に重ならせて供給通路71を閉鎖し、同ローラ53への潤滑油の供給を遮断することができる。また、上記ローラ53の潤滑に多くの潤滑油が必要とされる最大リフト量の最大時には、スライダ45を給油口57及び油路59に重ならなくさせて、供給通路71を開放して同ローラ53に潤滑油を供給することができる。
(7)第1出力アーム41内の空間Sが、同第1出力アーム41による吸気バルブ21の駆動部分に潤滑油を供給するための供給通路の一部として機能する。そのため、スライダ45において第1出力アーム41側の端部に油路58を加工しなくてもすむ。また、上記第1実施形態では、最大リフト量が最大にされた状態で吸気バルブ21が最も多く駆動されたときにのみ給油口57及び両油路58,59が連通するように、それらの位置を精度よく設定する必要があるが、第2実施形態ではそうした設定を行わなくてもすむ。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・第1実施形態における供給通路は、機関バルブが採り得る範囲の略最大量リフトしたときにのみ連通して、出力アーム41,42による機関バルブの駆動部分に潤滑油を供給できるものであればよい。従って、上記の条件を満たす範囲内であれば供給通路の形態を適宜変更してもよい。
・第1実施形態における供給通路は、機関バルブが採り得る範囲の略最大量リフトしたときにのみ連通して、出力アーム41,42による機関バルブの駆動部分に潤滑油を供給できるものであればよい。従って、上記の条件を満たす範囲内であれば供給通路の形態を適宜変更してもよい。
図14にその一例を示す。この例では、仲介駆動機構32毎に、支持パイプ33に給油口57が1つ設けられている。また、スライダ45に設けられた油路58の一方の端は潤滑油の入口61をなし、スライダ45の内周面において開口している。油路58はスライダ45内で2つに分岐している。そして、油路58の分岐した部分の端は潤滑油の出口62,63をなし、スライダ45の両端部において開口している。このように油路58は1つの入口61につき2つの出口62,63を有している。一方の出口62は、スライダ45の外周面のうち第1出力アーム41側の端部において開口している。他方の出口63は、スライダ45の第2出力アーム42側の外端面において開口している。
第1出力アーム41に設けられた油路59の一方の端は、同第1出力アーム41の内周面において開口し、他方の端は外周面において開口している。第2出力アーム42に設けられた油路59の一方の端は、同第2出力アーム42の内端面42aにおいて開口し、他方の端は外周面において開口している。
上記の供給通路を有する仲介駆動機構32によれば、図14に示すようにスライダ45が可動範囲の第2出力アーム42側端部まで移動して最大リフト量が最大になると、油路58の出口62,63と両油路59とが合致する。さらに、この状態で入・出力アーム36,41,42が可動範囲の最下位置まで揺動すると、油路58の入口61が給油口57に合致する。潤滑油通路56、給油口57及び油路58,59が連通状態となり、潤滑油がこれらを通過して、出力アーム41,42による吸気バルブ21の駆動部分(ローラ53)に供給される。従って、この場合にも前記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・第2実施形態において、最大リフト量の非最大時に供給通路71を閉鎖するためには、給油口57及び油路59の少なくとも一方にスライダ45が重なればよい。従って、最大リフト量の非最大時に例えば油路59にスライダ45が重なるようにすれば、同スライダ45が給油口57に重ならなくてもよい。
・ロッカーアーム52のローラ53とは異なる箇所を、出力アーム41,42による吸気バルブ21の駆動部分とし、ここに供給通路から潤滑油を供給するようにしてもよい。こうした箇所としては、例えば、ロッカーアーム52の先端部52bと吸気バルブ21のステムエンド21aとの接触部分が挙げられる。
・スライダ45と第1出力アーム41との組合わせ、スライダ45と第2出力アーム42との組合わせについて、油路58,59を図11においてコントロールシャフト34の軸方向に複数ずつ設けてもよい。
・コントロールシャフト34の外径を支持パイプ33の内径と略同一にし、同コントロールシャフト34を支持パイプ33内に摺動可能に挿入してもよい。この場合、例えば、支持パイプ33の内周面及びコントロールシャフト34の外周面の少なくとも一方に潤滑油が流通し得る溝を設けて潤滑油通路56を形成してもよい。
・本発明の可変動弁機構を排気カムシャフト27に適用して、排気バルブ22の最大リフト量を変更するようにしてもよい。また、可変動弁機構を吸気カムシャフト20及び排気カムシャフト27の両方に適用して、吸・排気バルブ21,22の両方の最大リフト量を変更するようにしてもよい。
・本発明は、同一種類の機関バルブ(吸気バルブ21又は排気バルブ22)を1気筒当りに1本又は3本以上有するエンジンにも適用することができる。この場合、出力アームの数を機関バルブの本数に合わせる変更を行う。
・支持パイプ33を省略し、コントロールシャフト34に支持パイプ33の機能を兼ねさせてもよい。
・ヘリカルスプライン41b,45b及びヘリカルスプライン42c,45cにおける歯すじの傾斜角度は互いに同一であってもよい。この場合には、気筒13毎の2つの吸気バルブ21,21が同じ最大リフト量及び作用角にて往復動する。
・ヘリカルスプライン41b,45b及びヘリカルスプライン42c,45cにおける歯すじの傾斜角度は互いに同一であってもよい。この場合には、気筒13毎の2つの吸気バルブ21,21が同じ最大リフト量及び作用角にて往復動する。
また、ヘリカルスプライン41b,45b及びヘリカルスプライン42c,45cにおける歯すじの傾斜角度を互いに異ならせてもよい。こうすると、同一の気筒13であっても、2つの吸気バルブ21,21が異なる最大リフト量及び作用角で往復動することとなる。2つの吸気バルブ21,21から異なる流量、あるいは異なるタイミングで燃焼室16内に空気を吸入させることにより、燃焼室16内にスワール等の旋回流を生じさせ、もって燃焼性を改良してエンジンの性能を向上させることが可能となる。
・上述した内容は、ヘリカルスプライン41b,45b又は42c,45cにおける歯すじの傾斜角度を異ならせることにより、最大リフト量や作用角に差を設けたものである。これに代えて、出力アーム41,42のノーズ44の位相位置に差を設けたり、ノーズ44のカム面44aの形状に差を設けたりすることで、最大リフト量や作用角に差を設けてもよい。
・仲介駆動機構32と吸気バルブ21との間のロッカーアーム52を省略してもよい。この場合、例えば、吸気バルブ21にバルブリフタを設け、出力アーム41,42のノーズ44をバルブリフタに直接接触させる。そして、出力アーム41,42の揺動によってバルブリフタを介して吸気バルブ21を押下げるようにしてもよい。
また、ノーズ44の前記直接接触に代え、ローラを介してノーズ44をバルブリフタに間接的に接触させてもよい。この場合、ノーズ44にローラを支持し、このローラをバルブリフタに転がり接触させてもよいし、バルブリフタにローラを支持し、このローラをノーズ44に転がり接触させてもよい。
その他、前記各実施形態から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
(A) 請求項1〜8のいずれか1つに記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記機関バルブ及び前記出力アーム間には、同出力アームの揺動を前記機関バルブに伝達するためのロッカーアームが配置され、前記潤滑油は前記供給通路を通じて同ロッカーアームの前記出力アームとの接触部分に供給される。
(A) 請求項1〜8のいずれか1つに記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記機関バルブ及び前記出力アーム間には、同出力アームの揺動を前記機関バルブに伝達するためのロッカーアームが配置され、前記潤滑油は前記供給通路を通じて同ロッカーアームの前記出力アームとの接触部分に供給される。
上記の構成によれば、ロッカーアームを介して出力アームの揺動を機関バルブに伝達して駆動するタイプの可変動弁機構において、機関バルブのリフト量が略最大となって出力アームとロッカーアームとの接触部分に多くの潤滑油が必要となったときに、供給通路を通じた潤滑油の供給を行うことができる。
(B) 上記(A)に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記ロッカーアームはローラを備え、同ローラにおいて前記出力アームに接触しており、前記潤滑油は前記供給通路を通じて同接触部分に供給される。
上記の構成によれば、上記(A)のロッカーアームにローラを有するタイプの可変動弁機構において、機関バルブのリフト量が略最大となって出力アームとローラとの接触部分に多くの潤滑油が必要となったときに、供給通路を通じた潤滑油の供給を行うことができる。
(C) 請求項1〜8及び上記(A),(B)のいずれか1つに記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記機関バルブはバルブスプリングにより前記ロッカーアーム側へ付勢されており、前記出力アームは前記バルブスプリングに抗して前記ロッカーアームを介して前記機関バルブを駆動するものである。
上記の構成によれば、機関バルブが採り得る略最大量でリフトしたときにはバルブスプリングの反力が大きくなって、出力アームによる機関バルブの駆動部分に多くの潤滑油が必要となるが、この量の潤滑油を供給通路を通じて供給することができる。
(D) 請求項1〜8及び上記(A)〜(C)のいずれか1つに記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記入力アーム及び前記出力アームは前記コントロールシャフトの軸方向への移動不能に設けられており、
前記スライダと、前記入力アーム及び前記出力アームとはそれぞれヘリカルスプラインを介して連結されている。
前記スライダと、前記入力アーム及び前記出力アームとはそれぞれヘリカルスプラインを介して連結されている。
上記の構成によれば、入力アーム及び出力アームはコントロールシャフトを支点として揺動可能であるが、軸方向へは移動不能である。このことから、ヘリカルスプラインを介して入力アーム及び出力アームに連結されたスライダに対し、コントロールシャフトによって軸方向の力が加えられると、そのスライダは回転しながら軸方向へ移動する。この回転がヘリカルスプラインを介して入力アーム及び出力アームに伝達され、入・出力両アームが揺動して相対位相差が変更される。
(E) 請求項1〜8及び上記(A)〜(D)のいずれか1つに記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記内燃機関は、吸気バルブ及び排気バルブについて同一種類のバルブを前記機関バルブとして気筒毎に複数備えており、
前記出力アームは前記機関バルブと同数設けられており、さらに前記供給通路は前記出力アーム毎に設けられている。
前記出力アームは前記機関バルブと同数設けられており、さらに前記供給通路は前記出力アーム毎に設けられている。
上記の構成によれば、内燃機関のカムシャフトによって入力アームが揺動されると、その揺動はスライダを通じて各出力アームに伝達され、同出力アームに対応する機関バルブが駆動される。従って、1本のカムシャフトにより同一種類の複数の機関バルブの開閉駆動に対応することができるほか、各出力アームによる機関バルブの駆動部分に対し、同出力アーム毎の供給通路から潤滑油を供給して潤滑を行うことができる。
11…エンジン(内燃機関)、20…吸気カムシャフト、21…吸気バルブ(機関バルブ)、27…排気カムシャフト、33…支持パイプ、34…コントロールシャフト、36…入力アーム、41…第1出力アーム、42…第2出力アーム、45…スライダ、53…ローラ、56…潤滑油通路、57…給油口、58,59…油路、71,72…供給通路。
Claims (8)
- 軸方向へ移動可能に設けられたコントロールシャフトと、
前記コントロールシャフト上にそれぞれ揺動可能に設けられた入力アーム及び出力アームと、
前記コントロールシャフトと、前記入力アーム及び前記出力アームとの間に設けられたスライダと
を備え、内燃機関のカムシャフトによる前記入力アームの揺動を前記スライダを介して前記出力アームに伝達して機関バルブを駆動するとともに、前記コントロールシャフトに連動する前記スライダの変位により、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差を変更して前記機関バルブの最大リフト量を変更し、さらに前記出力アームによる前記機関バルブの駆動部分に対し供給通路を通じて潤滑油を供給するようにした内燃機関の可変動弁機構において、
前記スライダを前記供給通路を開閉する弁として機能させ、前記最大リフト量が少なくとも最小にされた状態では前記供給通路を閉鎖し、同最大リフト量が最大にされた状態で少なくとも前記機関バルブが最も多く駆動されるときには前記供給通路を開放するようにしたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 - 前記スライダは、前記最大リフト量が最大にされた状態で前記機関バルブが最も多く駆動されるときにのみ前記供給通路を開放する請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構。
- 前記コントロールシャフトが挿通された支持パイプをさらに備え、
前記供給通路は、前記支持パイプの内部に設けられた潤滑油通路と、同支持パイプの管壁に開口された給油口と、前記出力アーム及び前記スライダにそれぞれ設けられた油路とを備え、
前記両油路及び前記給油口は、前記最大リフト量が最大にされた状態で前記機関バルブが最も多く駆動されるときにのみ相互に連通する請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構。 - 前記コントロールシャフトが挿通された支持パイプをさらに備え、
前記供給通路は、前記支持パイプの内部に設けられた潤滑油通路と、同支持パイプの管壁に開口された給油口と、前記出力アームに設けられた油路とを備え、
前記スライダは、その変位に伴い前記給油口及び前記油路の少なくとも一方に重なることにより前記供給通路を閉鎖し、前記給油口及び前記油路に重ならなくなることにより同供給通路を開放するものである請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構。 - 前記給油口及び前記油路は、前記最大リフト量の非最大時には前記スライダが重なり、同最大リフト量の最大時には同スライダが重ならなくなる箇所に設けられている請求項4に記載の内燃機関の可変動弁機構。
- 軸方向へ移動可能に設けられたコントロールシャフトと、
前記コントロールシャフト上にそれぞれ揺動可能に設けられた入力アーム及び出力アームと、
前記コントロールシャフトと、前記入力アーム及び前記出力アームとの間に設けられたスライダと
を備え、内燃機関のカムシャフトによる前記入力アームの揺動を前記スライダを介して前記出力アームに伝達して機関バルブを駆動するとともに、前記コントロールシャフトに連動する前記スライダの変位により、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差を変更して前記機関バルブの最大リフト量を変更し、さらに前記出力アームによる前記機関バルブの駆動部分に潤滑油を供給するようにした内燃機関の可変動弁機構において、
少なくとも前記スライダ及び前記出力アームには、前記機関バルブが採り得る略最大量リフトしたときにのみ連通して、同出力アームによる前記機関バルブの駆動部分に潤滑油を供給する供給通路を設けることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 - 前記供給通路は、前記最大リフト量が略最大に変更された状態で、前記カムシャフトにより前記入力アームが略最大量揺動されたときに連通する請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構。
- 前記コントロールシャフトが挿通された支持パイプをさらに備え、
前記供給通路は、前記支持パイプの内部に設けられた潤滑油通路と、同支持パイプの管壁に開口された給油口と、前記スライダ及び前記出力アームにそれぞれ設けられた油路とを備え、
前記油路は、前記機関バルブが採り得る略最大量リフトしたときにのみ前記給油口に連通する請求項6又は7に記載の内燃機関の可変動弁機構。
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-
2004
- 2004-08-05 JP JP2004229447A patent/JP2005090492A/ja active Pending
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