JP4200786B2 - 電気溶接機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気溶接機に係わり、特に、鋼帯を円筒状に成形し、突き合わせた部分を大電流で加熱し、溶接する電気溶接機の構造改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼管製造技術の一つに、鋼帯を成形ロールで円筒状に成形し、突き合わせた鋼帯幅方向の両端部を電気抵抗で加熱し、溶接する方法がある。この技術で製造した鋼管は、電縫鋼管と称されるが、その溶接に利用する溶接機として、図3に示すような構造のものがある。
【0003】
すなわち、その溶接機は、電源1からの電流を負荷に応じて電圧を高め、高周波電流に変換するインバータ2と、突き合わした鋼帯幅方向の両端部(以下、シーム部3という)に接触し、該シーム部3に電流を流す昇降自在なコンタクト・ヘッド4と、前記インバータ2からの電流を、前記コンタクト・ヘッド4に導くフレキシブルなリード(以下、フレキシブル・リード5という)とを備えている。なお、リード5をフレキシブルにする理由は、管の後端等で、コンタクト・ヘッドを急速に上昇させる必要があるためである。径や肉厚が比較的大きい電縫鋼管の製造では、コンタクト・ヘッド4に5000〜7000アンペアという大電流を流して溶接することもある。その場合、前記フレキシブル・リード5として、図2に示すような幅広の2枚の銅板7で電気絶縁材8を挟み、長手方向の中央部にS字形の曲線部9を設けると共に、銅板の表面にリング状で銅製の水冷管10を多数蝋付けしたものを備えた電気溶接機が利用されている。なお、S字形の曲線部9を設けてある理由は、前記したコンタクト・ヘッド4の昇降を容易にするためである。
【0004】
しかしながら、この銅板7のフレキシブル・リード5を備えた電気溶接機を長い間使用していると、該リード5のインバータ2寄りの固定クランプ11近傍に多数のクラックが発生し、リード5の前記電気絶縁材(以下、単に絶縁材)8が溶損し、電気的なトリップが頻発するようになった。そのため、溶接作業を中断し、絶縁材8や銅板7等を新しいものに交換しなければならない事態が頻繁に起き、円滑な操業ができないという問題が生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、フレキシブル・リードが銅板であっても、クラックの発生を従来より抑制し、トリップの発生が防止可能な電気溶接機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、前記フレキシブル・リードでのクラックの発生原因及びその対策について鋭意研究し、その成果を本発明に具現化した。
【0007】
すなわち、本発明は、電源からの電流を負荷に応じて電圧を高め、高周波電流に変換するインバータと、鋼帯を円筒状に成形した素管のシーム部に接触し、該シーム部へ電流を流す昇降自在なコンタクト・ヘッドと、該コンタクト・ヘッドへ前記インバータからS字形の曲線部及び直線部を経て電流を導く、電気絶縁材を挟んだ2枚の銅板からなり、該銅板の表面に水冷管が銀蝋付けされたフレキシブル・リードとを備えた電気溶接機において、前記銅板の厚みを2±0.5mmにすると共に、前記フレキシブル・リードの全長(L)に対するS字形曲線部のコンタクト・ヘッド側からの距離(L1)及び該S字形曲線部の高さ(L2)を、下記の範囲にしてなることを特徴とする電気溶接機である。
【0008】
L1/L=0.75〜0.95
L2/L=0.1〜0.3
また、この場合、前記S字形曲線部及びその近傍部の水冷管を銀蝋付けで、前記直線部分に備える水冷管を高温ハンダ付けで取り付けるのが好ましい。
【0009】
本発明によれば、リード部が銅板であっても、その局部へ繰り返しかかる応力が緩和され、クラックの発生が抑制されるようになる。その結果、溶接機でのトリップの発生が従来より防止でき、円滑な操業ができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、発明をなすに至った経緯をまじえ、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
発明者は、従来の溶接機におけるフレキシブル・リードについて調査した。そのフレキシブル・リードは、銅板の厚みが3.175mm、幅406mmであり、印加される電圧は1700〜2100V,流れる電流は、5000〜7000アンペアであった。また、該フレキシブル・リードの銅板表面には、多数のリング状銅管を銀蝋付けで取り付けられ、それぞれに冷却水が流されるようになっている。さらに、インバータ2とは、図2に示したように、固定クランプ11を介して、またコンタクト・ヘッド4とは、該コンタクト・ヘッド4が130mmのストロークで昇降するので、可動クランプ12を介して接続されている。
【0012】
そこで、このようなフレキシブル・リード5を備えた溶接機が、約2年程度の使用で固定クランプ11の近傍に多数のクラックが発生する原因を突き止めることにした。その調査は、固定クランプ11の近傍の銅板7表面に歪ゲージを貼り、可動クランプ12側を繰り返しストローク130mmで昇降させることで行った。その結果、昇降回数が約6・3万回でクラックが発生し、その際に発生する応力は最高19.7kg/mm2であることがわかった。つまり、銅板7の疲労限界応力は、4〜14kg/mm2なので、上記結果より、クラックの発生原因は、昇降の繰り返しによる疲労破壊にあると結論した。
【0013】
次に、発明者は、この結論に対する対策を検討し、まず、固定クランプ近傍の応力低減を図るため、銅板7の厚みを従来より薄い2±0.5mmにすることにした。300kHzの高周波電流が銅板7へ浸透する深さは0.3mm程度であるから、1mm以上あれば電気抵抗は従来と変わらないし、銅板7の表面に銅製の水冷管10を銀蝋付けするには2mm以上あれば十分だからである。実際に100mm幅の銅板7を用いて、固定クランプ11付近で応力を測定したところ、2mm厚で12.9kg/mm2であった。
【0014】
また、固定クランプ11近傍の応力を低減するには、フレキシブル・リード5の形状変更も有効であると考えた。つまり、繰り返し応力を緩和する前記S字形曲線部9より可動側のリード長さを長くしたり、該S字形曲線部9の高さを高くすれば良い。そして、この考えに基づき実験を重ね、図1に示すように、前記フレキシブル・リード5の全長(L)に対するS字形曲線部9のコンタクト・ヘッド4側からの距離(L1)及び該S字形曲線部9の高さ(L2)を、下記の範囲にすれば良いことを見出し、従来の溶接機にこの要件及び前記銅板7の薄肉化を組み合わせて、本発明を完成させたのである。
【0015】
L1/L=0.75〜0.95
L2/L=0.1〜0.3
ここで、L1/Lを0.75〜0.95としたのは、0.75未満では応力緩和効果が小さく、0.95超えでは該効果が飽和するからである。また、L2/Lを0.1〜0.3としたのも、同様に0.1未満では応力緩和効果が小さく、0.3超えでは該効果が飽和するからである。
【0016】
引き続き、発明者は、上記本発明のさらなる改良を検討し、銅製の水冷管10を銅板7へ取り付ける手段にも着目した。つまり、水冷管10を銅板7に銀蝋付けするには620〜760℃に加熱するが、これにより銅板7が焼きなまり、その弾性が低下する。従って、銀蝋付け以外の接合手段を利用するのが好ましいからである。しかしながら、前記S字形曲線部9及びその近傍は、形状が複雑なので接合強度が必要である。そこで、本発明では、前記S字形曲線部9及びその近傍を除いた直線部分13に対してだけは、銀蝋付けに代え、銅の焼なまり温度以下で接合強度の高い高温ハンダ付けで(200℃程度)取り付けるようにした。
【0017】
このように、直線部とS字状曲線部への銅管(水冷管)の接合方法を使い分けることにより、該直線部及び曲線部の銅板の弾性を変えることができ、結果として130mmの昇降に対する銅板のひずみを曲線部に分散させることができる。
【0018】
【実施例】
本発明に係るフレキシブル・リードを備えた電気溶接機を用いて、電縫鋼管を製造した。その製造方法は、素材である幅900〜2200mm及び厚み4.0〜25.4mmの鋼帯を成形ロールで該鋼帯の幅方向に曲げ、円筒状に成形し、その突合せた両端部を長手方向に沿い、該電気溶接機を走行させて加熱し、接合するものである。
【0019】
この際、フレキシブル・リード5には、図1に示したものを採用した。すなわち、銅板7の厚みは、それぞれ2mmとし、前記L1/Lを0.84、L2/Lを0.20としたものである。また、合計39個の銅製の水冷管10は、銅板7のS字形曲線部9及びその近傍を銀蝋付けで、直線部分13をハンダ付けで取り付けている。なお、絶縁材としては厚み1mmのテフロンを2枚重ねで用いた。
【0020】
かかる電機溶接機を使用した結果、電気的なトリップを発生することなく、電縫鋼管の製造が円滑に行えるようになり、またフレキシブル・リードにはクラックの発生が見られず、その寿命が従来の3倍に延長できた。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、フレキシブル・リードが銅板であっても、その局部へ繰り返しかかる応力が緩和され、クラックの発生が抑制されるようになる。その結果、溶接機でのトリップの発生が従来より防止でき、円滑な操業ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフレキシブル・リードを示す側面図である。
【図2】従来のフレキシブル・リードを示す側面図である。
【図3】フレキシブル・リードを銅板とした電気溶接機を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電源
2 インバータ
3 シーム部
4 コンタクト・ヘッド
5 フレキシブル・リード
6 鋼管
7 銅板
8 絶縁材
9 S字形曲線部
10 水冷管
11 固定クランプ
12 可動クランプ
13 リードの直線部分
Claims (2)
- 電源からの電流を負荷に応じて電圧を高め、高周波電流に変換するインバータと、鋼帯を円筒状に成形した素管のシーム部に接触し、該シーム部へ電流を流す昇降自在なコンタクト・ヘッドと、該コンタクト・ヘッドへ前記インバータからS字形の曲線部及び直線部を経て電流を導く、電気絶縁材を挟んだ2枚の銅板からなり、該銅板の表面に水冷管が銀蝋付けされたフレキシブル・リードとを備えた電気溶接機において、
前記銅板の厚みを2±0.5mmにすると共に、前記フレキシブル・リードの全長(L)に対するS字形曲線部のコンタクト・ヘッド側からの距離(L1)及び該S字形曲線部の高さ(L2)を、下記の範囲にしてなることを特徴とする電気溶接機。
L1/L=0.75〜0.95
L2/L=0.1〜0.3 - 前記S字形曲線部及びその近傍部の水冷管を銀蝋付けで、前記直線部の水冷管を高温ハンダ付けで取り付けてなることを特徴とする請求項1記載の電気溶接機。
Priority Applications (1)
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JP2003050532A JP4200786B2 (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 電気溶接機 |
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JP2003050532A JP4200786B2 (ja) | 2003-02-27 | 2003-02-27 | 電気溶接機 |
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JP2004255437A JP2004255437A (ja) | 2004-09-16 |
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Family Applications (1)
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