JP4200609B2 - 電子カメラ、および画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

電子カメラ、および画像処理プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子カメラおよび画像処理プログラムにおける画像圧縮処理の技術に関する。特に、本発明は、画像データを所望の目標圧縮率に圧縮するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子カメラやコンピュータなどでは、大容量の画像データに対して画像圧縮(例えば、JPEG圧縮など)の処理を施す。
このような画像圧縮の処理は、例えば、下記(1)〜(6)の手順で実行される。
【0003】
(1)撮影者による圧縮用の画質設定(例えば、FINE/NORMAL/BASICなどの切り替え)に応じて、画像データの目標圧縮率を決定する。
(2)輝度色差YCbCrからなる画像データを、8×8画素程度のブロックに分割する。これらのブロックごとにDCT変換を施し、8×8個の離散的な空間周波数成分を得る。
(3)8×8個の空間周波数成分に対する量子化の刻みをそれぞれ定義した基準量子化テーブルを用意する。この基準量子化テーブルにスケールファクタSF(圧縮パラメータの一種)を乗じて、実際に使用する量子化テーブルを得る。
(4)上記で得た量子化テーブルを用いて、8×8個の空間周波数成分をそれぞれ量子化する。
(5)量子化後のデータの内、DC成分については直前ブロックとの予測差分をとった上で符号冗長性を排除する符号化を施す。AC成分については、ジグザグスキャンした上で符号冗長性を排除する符号化を施す。
(6)圧縮後のファイルサイズ(以下『圧縮サイズ』という)が目標圧縮率から外れた場合は、スケールファクタSFの値を調整し直した後、上記(3)に動作を戻す。一方、圧縮サイズが目標圧縮率の範囲に収まった場合は画像圧縮を終了する。
以上のような動作により、画像データを目標圧縮率の範囲内まで圧縮することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、電子カメラは、銀塩カメラに比べて画像処理の時間が余分に発生する。そのため、電子カメラの撮影時間の間隔を銀塩カメラなみにするには、画像処理の時間を極力短縮することが要望される。
そこで、本発明では、画像圧縮処理において、できるだけ少ないテスト圧縮回数で、目標圧縮率を達成可能な圧縮パラメータを正確に決定することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、実施形態の符号およびステップ番号を対応付けながら、課題を解決するための手段を説明する。なお、ここでの対応付けは、参考のためであり、本発明を限定するものではない。
【0006】
第1の発明は、圧縮パラメータ(圧縮処理の過程において圧縮符号量に影響を与える調整可能な要素)を調整して、画像データを目標圧縮率の範囲内に圧縮する圧縮処理部(18)と、被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段(13)とを備え、撮像手段で生成した画像データを圧縮処理部で圧縮する電子カメラにおいて、圧縮処理部は、画像データについてテスト圧縮を一回以上行う試行手段と、予め多様な画像毎に圧縮パラメータを変化させながら圧縮を行い、テスト圧縮時の圧縮符号量Yと未定パラメータ(g,hまたはc)との相関関係を統計的に求める第1の相関関係算出手段と、第1の相関関係算出手段により予め求めた相関関係に試行手段によるテスト圧縮時の圧縮符号量Yをあてはめて、未定パラメータの一部を推定し、推定した未定パラメータ数を減じた関係式『Y=g/(X+c)+h』に、テスト圧縮の結果(圧縮パラメータX,圧縮符号量Y)をあてはめて、残りの未定パラメータを推定する関係式推定手段と、関係式推定手段で推定した関係式から、目標圧縮率を得るために適切な圧縮パラメータを算出する圧縮パラメータ算出手段と、圧縮パラメータ算出手段により算出した圧縮パラメータを用いて、画像データを圧縮する圧縮手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本願の発明者は、後述する実施形態(図4)に示すように、圧縮パラメータX(図4ではスケールファクタ)と圧縮符号量Y(図4では圧縮後のファイルサイズ)との関係を、
関係式:Y=g/(X+c)+h ・・・[1]
により良好に近似できることを発見した。
上記の関係式では、圧縮パラメータXがゼロに近づくに従って、圧縮符号量Yは増加し、最終的には上限値[g/c+h]に飽和する。一方、圧縮パラメータXが大きくなるに従って、圧縮符号量Yは減少し、最終的には下限値[h]に飽和する。すなわち、上記の関係式を用いて、両対数グラフ上で上下限を有して単調減少するカーブ(いわゆる逆S字カーブ)の特徴を有する「圧縮パラメータXと圧縮符号量Yとの関係」全般を良好に近似することができる。
【0008】
そこで、本発明の圧縮処理部では、まず、画像データのテスト圧縮結果(圧縮パラメータX,圧縮符号量Y)を、上記の関係式に代入して、3つの未定パラメータc,g,hの値をそれぞれ推定する。
次に、圧縮処理部は、このように推定した関係式を逆算して、目標圧縮率を得るために適切と思われる圧縮パラメータXを算出する。圧縮処理部は、このように算出した圧縮パラメータXを用いて、画像データを圧縮する。
このような処理により、「圧縮パラメータXと圧縮符号量Yとの関係」が良好に近似され、目標圧縮率を達成する上で適正と思われる圧縮パラメータXを正確に求めることができる。
【0009】
なお、上記処理において、未定パラメータc,g,hを推定するために必要なテスト圧縮の回数については、多様な選択が可能である。まず、関係式は3つの未定パラメータc,g,hを含むため、最低3回分の独立したテスト圧縮結果に基づいて、未定パラメータc,g,hを直接的かつ一義的に確定することができる。また、4回分以上のテスト圧縮結果に基づいて重回帰分析を行うことにより、誤差などの変動要因を排除した、未定パラメータc,g,hを推定することができる。また、事前に求めておいた統計データなどを併用することにより、2回分以下のテスト圧縮結果に基づいて、未定パラメータc,g,hを推定することもできる。
本願の発明者は、後述する実施形態(図6〜図8)に示すように、テスト圧縮時の圧縮符号量(実施形態では、スケールファクタ0.1における圧縮サイズ)と未定パラメータc,g,hとの間に、いずれも相関関係が存在することを発見した。
そこで、第1の発明の圧縮処理部では、まず、統計的に求めておいた上記のような相関関係にテスト圧縮時の圧縮符号量をあてはめることにより、未定パラメータc,g,hの内の一部を決定する。その上で、圧縮処理部は、テスト圧縮の結果を関係式にあてはめて、残りの未定パラメータを決定する。
この場合、関係式を解いて決定すべき未定パラメータの数が減ずるので、テスト圧縮の回数を効率的に減ずることが可能となる。
第2の発明は、圧縮パラメータ(圧縮処理の過程において圧縮符号量に影響を与える調整可能な要素)を調整して、画像データを目標圧縮率の範囲内に圧縮する圧縮処理部と、被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段とを備え、撮像手段で生成した画像データを圧縮処理部で圧縮する電子カメラにおいて、圧縮処理部は、画像データについてテスト圧縮を一回以上行う試行手段と、予め多様な画像毎に圧縮パラメータを変化させながら圧縮を行い、未定パラメータ間(gh間,hc間,またはcg間)の相関関係を統計的に求める第2の相関関係算出手段と、試行手段によるテスト圧縮の結果(圧縮パラメータX,圧縮符号量Y)を代入した関係式『Y=g/(X+c)+h』と、第2の相関関係算出手段により予め求めた相関関係とに基づいて、未定パラメータc,g,hを推定する関係式推定手段と、関係式推定手段で推定した関係式から、目標圧縮率を得るために適切な圧縮パラメータを算出する圧縮パラメータ算出手段と、圧縮パラメータ算出手段により算出した圧縮パラメータを用いて、画像データを圧縮する圧縮手段とを有することを特徴とする。
本願の発明者は、後述する実施形態(図10〜図12)に示すように、未定パラメータ間に、いずれも相関関係が存在することを発見した。
そこで、第2の発明の圧縮処理部では、『未定パラメータ間の相関関係』および『関係式』からなる連立式に、テスト圧縮結果を代入して解くことにより、未定パラメータc,g,hの値を決定する。
この場合、導入した相関関係の数だけ、テスト圧縮の回数を効率的に減ずることができる。
【0010】
第3の発明は、第1または第2の発明において、関係式推定手段は、未定パラメータhを標準的な値(0も含む)に仮定し、未定パラメータhを仮定した関係式にテスト圧縮の結果をあてはめて、残りの未定パラメータc,gを決定する(ステップS10)。
【0011】
図4中の実線カーブは、3つの未定パラメータc,g,hを調整して、実測値にフィッティングさせた結果である。この場合、低圧縮から高圧縮までの広い範囲(ここではスケールファクタ0.03〜2の範囲)にわたって、実測値(図中の◇)が良好に近似されている。
一方、図4中の破線カーブは、未定パラメータhをゼロと仮定した上で、2つの未定パラメータg,hを調整して、実測値にフィッティングさせた結果である。この場合、低圧縮から中圧縮までの限られた範囲(ここではスケールファクタ0.03〜0.6程度の範囲)において、実測値が良好に近似されている。
以上の結果から、低圧縮から中圧縮までの目標圧縮率であれば、未定パラメータhの寄与は少なく、2つの未定パラメータc,gのみを調整して良好な近似を得ることが可能である。
【0012】
そこで、第3の発明の圧縮処理部は、まず、未定パラメータhを、予め求めておいた標準的な値に仮定する。その上で、圧縮処理部は、テスト圧縮結果を関係式にあてはめて、残りの未定パラメータc,gを決定する。このとき、決定すべき未定パラメータの数は2つに減じるので、テスト圧縮の回数を2回まで短縮することが可能となる。
なお、上述した近似の実態を考慮することにより、圧縮処理部が、目標圧縮率が所定の閾値よりも低圧縮か否かを判定し、低圧縮の場合に、第3の発明の処理を自動選択するようにしてもよい。
【0013】
第4の発明は、第1または第2の発明において、関係式推定手段は、未定パラメータcを標準的な値に仮定し、未定パラメータcを仮定した関係式にテスト圧縮の結果をあてはめて、残りの未定パラメータh,gを決定することを特徴とする(ステップS12)。
【0014】
図13は、未定パラメータcを変化させながら、関係式をプロットした図である。この図から分かるように、未定パラメータcの影響は、中圧縮から高圧縮までの範囲にさほど現れない。
このような結果から、中圧縮から高圧縮までの目標圧縮率であれば、未定パラメータcの寄与は少なく、2つの未定パラメータh,gのみを調整して良好な近似を得られることが分かる。
【0015】
そこで、第4の発明の圧縮処理部は、まず、未定パラメータcを、予め求めておいた標準的な値に仮定する。その上で、圧縮処理部は、テスト圧縮結果を関係式にあてはめて、残りの未定パラメータh,gを決定する。このとき、決定すべき未定パラメータの数は2つに減じるので、テスト圧縮の回数を2回まで短縮することが可能となる。
なお、上述した近似の実態を考慮することにより、圧縮処理部が、目標圧縮率が所定の閾値よりも高圧縮か否かを判定し、高圧縮の場合に、第4の発明の処理を自動選択するようにしてもよい。
【0020】
第5の発明は、第1から第3の発明の何れか一つの発明において、関係式推定手段は、未定パラメータの決定過程においてc<0となった場合、c≧0となるように未定パラメータhの値を調整することを特徴とする(ステップS11,S12)。
【0021】
テスト圧縮結果に極端な誤差変動が含まれたり、テスト圧縮の回数を極端に減じた場合、計算処理の過程で『c<0』となるケースが想定される。この場合、圧縮パラメータ『X=−c』において、圧縮符号量Yが無限大に発散するという、非現実的な関係式となる。
そこで、第5の発明の圧縮処理部では、未定パラメータの決定過程において『c<0』となった場合、『c≧0』となるように未定パラメータhの値を調整する。上述したように、未定パラメータhは、極端な高圧縮を除いては、比較的自由な値をとることが可能である。したがって、未定パラメータhを調整することにより、低圧縮から中圧縮にかけての近似精度をさほど落とすことなく、『c≧0』とすることが可能となる。その結果、非現実的な関係式を求めてしまう事態を的確に回避することが可能となる。
【0022】
第6の発明の記録媒体には、コンピュータを、第1から第5の発明の何れか一つの発明の圧縮処理部として機能させるための画像処理プログラムが記録される。
最近では、電子カメラが、撮像ユニットとコンピュータ(電子手帳なども含む)とからなるシステムとして構成される例も多い。そこで、このようなシステム構成のコンピュータ上で、第6の発明の記録媒体を用いて圧縮処理部を実現することにより、第1から第5の発明の電子カメラを即座に構成することが可能となる。
また特に、コンピュータ単体において、圧縮処理部を実現した場合には、電子カメラ、通信媒体、記録媒体、スキャナ、別のプログラムなどから画像データを取得して、これらの画像データに対して第1から第5の発明と同様の画像圧縮処理を実行するシステムを実現することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明における実施の形態を説明する。
【0024】
《第1の実施形態》
第1の実施形態は、電子カメラの実施形態である。
図1は、電子カメラ10の構成を説明する概略ブロック図である。
図1において、電子カメラ10には、撮影レンズ11が装着される。この撮影レンズ11の像空間には、撮像素子13が配置される。この撮像素子13において生成される画像データは、信号処理部15、A/D変換部16、画像処理部17を順に介して処理された後、デジタルの画像データとして圧縮処理部18に与えられる。圧縮処理部18は、この画像データをJPEG圧縮して、記録部19に出力する。記録部19は、圧縮された画像データを、メモリーカードなどの記録媒体(図示せず)に記録する。
【0025】
また、電子カメラ10には、システムコントロール用の制御部21、カメラ操作やモード設定を行うための操作釦群24などが設けられる。
図2〜3は、圧縮処理部18における画像圧縮動作を説明する流れ図である。
以下、図2〜3に示す流れ図に従って、本発明の特徴である画像圧縮動作について説明する。
【0026】
[ステップS1]まず、圧縮処理部18は、制御部21と交信して、操作釦群24による圧縮用の画質設定(ここでは、FINE、NORMAL、BASICなど)を取得する。圧縮処理部18は、この画質設定に応じて、目標圧縮率(ここでは、1/4圧縮、1/8圧縮、1/16圧縮)を決定する。
圧縮処理部18は、この目標圧縮率に対応して、次のパラメータを初期設定する。
・基準量子化テーブル
・圧縮サイズの許容範囲Sspan
・初期スケールファクタSF1
・スケールファクタの下限値SFmin
・打ち切りスケールファクタSF4
[ステップS2]圧縮処理部18は、ステップS1で選択した基準量子化テーブルの全要素に対して初期スケールファクタSF1を乗じて、テスト圧縮用の量子化テーブルを作成する。
[ステップS3]圧縮処理部18は、テスト圧縮用の量子化テーブルを用いて、画像データをJPEG圧縮する。圧縮処理部18は、この圧縮処理後のファイルサイズS1を記憶する。
[ステップS4]圧縮処理部18は、1回分のテスト圧縮の結果を、予め記憶しておいた統計データに当てはめて、目標圧縮率を得る上で適切なスケールファクタSF2を推定する。なお、ここでの推定手順については、本発明と無関係のため特に説明しないが、本出願人が以前に出願した特願平10−284531号に詳しく説明されている。
【0027】
[ステップS5]圧縮処理部18は、このスケールファクタSF2を下限値SFminで制限する。
[ステップS6]圧縮処理部18は、ステップS1で選択した基準量子化テーブルの全要素に対してスケールファクタSF2を乗じて、量子化テーブルを作成する。
[ステップS7]圧縮処理部18は、求めた量子化テーブルを用いて、画像データをJPEG圧縮する。圧縮処理部18は、圧縮後のファイルサイズS2を記憶する。
[ステップS8]圧縮処理部18は、圧縮サイズS2が許容範囲Sspanに収まったか否かを判定する。ここで、圧縮サイズS2が許容範囲Sspanから外れていた場合、圧縮処理部18はステップS9に動作を移行する。一方、圧縮サイズS2が許容範囲Sspanに収まった場合、圧縮処理部18は、所望の画像圧縮が完了したと判断して、圧縮動作を終了する。
[ステップS9]圧縮処理部18は、『今回の圧縮が目標圧縮率よりも高圧縮である』かつ『スケールファクタSF2が下限値SFminに等しい』が成立するか否かを判定する。上記条件がすべて成立した場合、圧縮対象の画像データは、情報量の極端に少ない特殊なものであると推測できる。そこで、圧縮処理部18は、最終の画像圧縮結果をもって圧縮処理を打ち切る。一方、上記条件が成立しなかった場合、圧縮処理部18は、ステップS10に動作を移行する。
[ステップS10]圧縮処理部18は、まず未定パラメータhを標準的な値h0(例えばゼロ)に仮定する。この関係式に、2回分のテスト圧縮結果(SF1,S1),(SF2,S2)を代入することにより、
S1=g/(c+SF1)+h0 ・・・[2]
S2=g/(c+SF2)+h0 ・・・[3]
が得られる。圧縮処理部18は、この式を解いて、
c=[SF2(S2−h0)−SF1(S1−h0)]/(S1−S2)・・・[4]
g=(c+SF2)(S2−h0) ・・・[5]
を求め、残りの未定パラメータc,gを決定する。
【0028】
[ステップS11]圧縮処理部18は、決定した未定パラメータcが負か否かを判定する。ここで、未定パラメータcが負の場合、圧縮処理部18は、ステップS10で求めた関係式が非現実的であると判断して、ステップS12に動作を移行する。一方、未定パラメータcが正またはゼロの場合、圧縮処理部18は、そのままステップS13に動作を移行する。
[ステップS12]圧縮処理部18は、cを標準的な値c0(ただしc0≧0)に仮定する。この関係式に、2回分のテスト圧縮結果(SF1,S1),(SF2,S2)を代入することにより、
S1=g/(c0+SF1)+h ・・・[6]
S2=g/(c0+SF2)+h ・・・[7]
が得られる。圧縮処理部18は、この式を解いて、
Figure 0004200609
を求め、残りの未定パラメータg,hを決定する。
なお、この処理は、[8]式を用いて未定パラメータhの値を調整して、c≧0に変更する処理に該当する。
[ステップS13]圧縮処理部18は、未定パラメータc,g,hの確定した関係式を、次式を用いて逆算し、
SF3=g/(T−h)−c ・・・[10]
(ただし、『T=圧縮前の画像符号量×目標圧縮率』である。)
目標圧縮率を得る上で適切と思われるスケールファクタSF3を求める。
[ステップS14]圧縮処理部18は、このスケールファクタSF3を下限値SFminで制限する。
【0029】
[ステップS15]圧縮処理部18は、ステップS1で選択した基準量子化テーブルの全要素に対してスケールファクタSF3を乗じて、量子化テーブルを作成する。
[ステップS16]圧縮処理部18は、求めた量子化テーブルを用いて、画像データをJPEG圧縮する。圧縮処理部18は、圧縮後のファイルサイズS3を記憶する。
[ステップS17]圧縮処理部18は、圧縮サイズS3が許容範囲Sspanに収まったか否かを判定する。ここで、圧縮サイズS3が許容範囲Sspanから外れていた場合、圧縮処理部18はステップS18に動作を移行する。一方、圧縮サイズS3が許容範囲Sspanに収まった場合、圧縮処理部18は、所望の画像圧縮が完了したと判断して、圧縮動作を終了する。
[ステップS18]圧縮処理部18は、『今回の圧縮が目標圧縮率よりも高圧縮である』かつ『スケールファクタSF3が下限値SFminに等しい』が成立するか否かを判定する。上記条件がすべて成立した場合、圧縮対象の画像データは、情報量の極端に少ない特殊なものであると推測できる。そこで、圧縮処理部18は、最終の圧縮結果をもって画像圧縮を打ち切る。一方、上記条件が成立しなかった場合、圧縮処理部18は、ステップS19に動作を移行する。
[ステップS19]圧縮処理部18は、ステップS1で選択した基準量子化テーブルの全要素に対して打ち切りスケールファクタSF4を乗じて、量子化テーブルを求める。
[ステップS20]圧縮処理部18は、求めた量子化テーブルを用いて、画像データをJPEG圧縮する。圧縮処理部18は、圧縮後のファイルサイズS4を記憶する。
【0030】
[ステップS21]圧縮処理部18は、圧縮サイズS4が(許容範囲Sspanの上限)以下に収まったか否かを判定する。ここで、圧縮サイズS4が(許容範囲Sspanの上限)を上回っていた場合、圧縮処理部18はステップS22に動作を移行する。一方、圧縮サイズS4が(許容範囲Sspanの上限)に収まるという緩い条件を満たした場合、圧縮処理部18は、所望の画像圧縮が一応完了したと判断して、圧縮動作を終了する。
[ステップS22]圧縮処理部18は、ここまでの圧縮試行回数が制限回数を超えたか否かを判定する。もしも制限回数を超えていた場合、圧縮処理部18は、最終の圧縮結果をもって、圧縮処理を打ち切る。一方、制限回数をまだ超えていない場合、圧縮処理部18は、ステップS23に動作を移行する。
[ステップS23]圧縮処理部18は、現在のスケールファクタSF4を所定倍(例えば1.5倍)して、動作をステップS19に戻す。
以上説明した一連の動作により、第1の実施形態では、圧縮試行の時々の結果に柔軟に対応しながら、画像データが適切に圧縮される。
【0031】
(第1の実施形態の効果など)
図4中に示す実線カーブまたは破線カーブは、第1の実施形態において確定した関係式をプロットした図である。図4に示されるように、これらのカーブによって、逆S字カーブを示す実測値(図中の◇)が良好に近似されている。このような良好な近似により、目標圧縮率を達成する上で適正と思われるスケールファクタSF3を正確に決定することが可能となる。
また、第1の実施形態では、まず、未定パラメータをhを標準値h0に仮定する。したがって、少なくとも2回分のテスト圧縮結果に基づいて、残りの未定パラメータc,gを決定することができる。
さらに、第1の実施形態では、このような未定パラメータの決定過程において、未定パラメータcが負となった場合、未定パラメータcをc0(≧0)に改めて、残りの未定パラメータh,gを決定している。したがって、未定パラメータcが負のまま確定することがなく、常に現実的な関係式を求めることが可能となる。
次に、別の実施形態について説明する。
【0032】
《第2の実施形態》
第2の実施形態は、電子カメラの実施形態である。なお、電子カメラとしての概略構成は、第1の実施形態(図1)と同じため、ここでの説明を省略する。
第2の実施形態では、前準備として、電子カメラの開発者が、テスト圧縮時の圧縮サイズと各パラメータc,g,hとの相関関係を統計的に求めておく。以下、前準備の手順について説明する。
(1)まず、開発者は、なるべく多様なテスト画像をたくさん準備する。
(2)開発者は、各テスト画像ごとにスケールファクタを変化させながらJPEG圧縮を繰り返し、(スケールファクタ,圧縮サイズ)の実測データを多数求める。図5は、このようにして求めた各テスト画像の実測データを示した図である。
(3)開発者は、各テスト画像ごとに重回帰分析を行い、実測データと関係式との誤差の二乗和が最小となる未定パラメータc,g,hを求める。
(4)開発者は、スケールファクタSF=0.1における圧縮サイズと、未定パラメータc,g,hとを各画像ごとにプロット(図中の◆印)して、図6〜8に示すような相関関係をそれぞれ求める。
(5)開発者は、図6〜8の相関関係を最小二乗法などで近似し、近似式(またはテーブルデータ)を相関関係として圧縮処理部18内部の不揮発性の記憶領域に記録する。
以上の手順により、前準備が完了する。
図9は、圧縮処理部18における画像圧縮動作を説明する流れ図である。
以下、本発明の特徴である画像圧縮動作について、図9を用いて説明する。
【0033】
[ステップS31]まず、圧縮処理部18は、目標圧縮率に対応して、初期スケールファクタSF1(ここではSF1=0.1)を選択する。
[ステップS32]圧縮処理部18は、初期スケールファクタSF1で画像データをJPEG圧縮する。
[ステップS33]圧縮処理部18は、1回目の圧縮サイズS1が目標圧縮率の範囲に収まったか否かを判定する。ここで、圧縮サイズS1が目標圧縮率の範囲内から外れていた場合、圧縮処理部18はステップS34に動作を移行する。一方、圧縮サイズS1が目標圧縮率の範囲内に収まった場合、圧縮処理部18は、所望の画像圧縮が完了したと判断して、圧縮動作を終了する。
[ステップS34]圧縮処理部18は、圧縮サイズS1を、予め求めておいた相関関係(図6,図7)の近似式などにあてはめ、未定パラメータg,hをそれぞれ推定する。
【0034】
[ステップS35]圧縮処理部18は、未定パラメータg,hを推定した関係式に、1回分のテスト圧縮結果(SF1,S1)を代入して、残りの未定パラメータcを決定する。
[ステップS36]圧縮処理部18は、未定パラメータc,g,hの確定した関係式を逆算して、目標圧縮率を得るために適切なスケールファクタSF2を算出する。
[ステップS37]圧縮処理部18は、スケールファクタSF2で画像データをJPEG圧縮する。
[ステップS38]圧縮処理部18は、2回目の圧縮サイズS2が目標圧縮率の範囲に収まったか否かを判定する。ここで、圧縮サイズS2が目標圧縮率の範囲内から外れていた場合、圧縮処理部18はステップS39に動作を移行する。一方、圧縮サイズS2が目標圧縮率の範囲内に収まった場合、圧縮処理部18は、所望の画像圧縮が完了したと判断して、圧縮動作を終了する。
[ステップS39]圧縮処理部18は、ステップS34で推定したgを採用した関係式に、2回分のテスト圧縮結果(SF1,S1)(SF2,S2)を代入して、残りの未定パラメータc,hを決定する。
[ステップS40]圧縮処理部18は、未定パラメータc,g,hの確定した関係式を逆算して、目標圧縮率を得るために適切なスケールファクタSF3を算出する。
【0035】
[ステップS41]圧縮処理部18は、スケールファクタSF3で画像データをJPEG圧縮する。
[ステップS42]圧縮処理部18は、3回目の圧縮サイズS3が目標圧縮率の範囲に収まったか否かを判定する。ここで、圧縮サイズS3が目標圧縮率の範囲内から外れていた場合、圧縮処理部18はステップS43に動作を移行する。一方、圧縮サイズS3が目標圧縮率の範囲内に収まった場合、圧縮処理部18は、所望の画像圧縮が完了したと判断して、圧縮動作を終了する。
[ステップS43]圧縮処理部18は、関係式に、3回分のテスト圧縮結果(SF1,S1)(SF2,S2)(SF3,S3)を代入して、未定パラメータc,g,hを決定する。
[ステップS44]圧縮処理部18は、未定パラメータc,g,hの確定した関係式を逆算して、目標圧縮率を得るために適切と思われるスケールファクタSF4を算出する。
[ステップS45]圧縮処理部18は、スケールファクタSF4で画像データをJPEG圧縮する。
以上の一連の動作により、第2の実施形態においても、圧縮試行の時々の結果に柔軟に対応しながら、画像データが適切に圧縮される。
【0036】
(第2の実施形態の効果など)
第2の実施形態では、まず、テスト圧縮時の圧縮サイズS1を、予め統計的に求めておいた相関関係(図6,図7)の近似式にあてはめて未定パラメータg,hを推定する。その結果、関係式を解いて決定すべき未定パラメータの数が減ずるので、テスト圧縮の回数を効率的に減ずることが可能となる。
特に、図6に示されるように、未定パラメータgと圧縮サイズとの相関関係は、その他の相関関係に比べて顕著に相関が強い。したがって、テスト圧縮時の圧縮サイズから未定パラメータgを極めて高い精度で決定することが可能である。上述した第2の実施形態では、3回目の画像圧縮に当たって、このように決定した未定パラメータgを優先的に使用する。したがって、3回目の画像圧縮において、目標圧縮率を達成する可能性が非常に高くなる。
次に、別の実施形態について説明する。
【0037】
《第3の実施形態》
第3の実施形態は、電子カメラの実施形態である。なお、電子カメラとしての概略構成は、第1の実施形態(図1)と同じため、ここでの説明を省略する。
第3の実施形態では、前準備として、電子カメラの開発者が、各パラメータc,g,h間の相関関係を統計的に求めておく。以下、前準備の手順について説明する。
(1)まず、開発者は、なるべく多様なテスト画像をたくさん準備する。
(2)開発者は、各テスト画像ごとにスケールファクタを変化させながらJPEG圧縮を行い、(スケールファクタ,圧縮サイズ)の実測データを多数求める。図5は、このようにして求めた各テスト画像の実測データを示した図である。
(3)開発者は、各テスト画像ごとに重回帰分析を行い、実測データと関係式との誤差の二乗和が最小となる未定パラメータc,g,hを求める。
(4)開発者は、未定パラメータc,g,hを各画像ごとにプロットして、図10〜図12に示すような3種類の相関関係を得る。
(5)開発者は、図10〜図12の相関関係を最小二乗法などで近似し、近似式(またはテーブルデータ)を相関関係として圧縮処理部18内部の不揮発性の記憶領域に記録する。
以上の手順により、前準備が完了する。
図14は、圧縮処理部18における画像圧縮動作を説明する流れ図である。
以下、本発明の特徴である画像圧縮動作について、図14を用いて説明する。
【0038】
[ステップS51]まず、圧縮処理部18は、目標圧縮率に対応して、初期スケールファクタSF1を選択する。
[ステップS52]圧縮処理部18は、初期スケールファクタSF1で画像データをJPEG圧縮する。
[ステップS53]圧縮処理部18は、1回目の圧縮サイズS1が目標圧縮率の範囲に収まったか否かを判定する。ここで、圧縮サイズS1が目標圧縮率の範囲内から外れていた場合、圧縮処理部18はステップS54に動作を移行する。一方、圧縮サイズS1が目標圧縮率の範囲内に収まった場合、圧縮処理部18は、所望の画像圧縮が完了したと判断して、圧縮動作を終了する。
[ステップS54]圧縮処理部18は、1回分のテスト圧縮結果を代入した関係式と、予め求めておいた相関関係(図10,図11)の近似式とを連立させて解き、未定パラメータc,g,hを推定する。
【0039】
[ステップS55]圧縮処理部18は、未定パラメータc,g,hの確定した関係式を逆算して、目標圧縮率を得るために適切なスケールファクタSF2を算出する。
[ステップS56]圧縮処理部18は、スケールファクタSF2で画像データをJPEG圧縮する。
[ステップS57]圧縮処理部18は、2回目の圧縮サイズS2が目標圧縮率の範囲に収まったか否かを判定する。ここで、圧縮サイズS2が目標圧縮率の範囲内から外れていた場合、圧縮処理部18はステップS58に動作を移行する。一方、圧縮サイズS2が目標圧縮率の範囲内に収まった場合、圧縮処理部18は、所望の画像圧縮が完了したと判断して、圧縮動作を終了する。
[ステップS58]圧縮処理部18は、2回分のテスト圧縮結果を代入した関係式と、予め求めたおいた相関関係(図10)の近似式とを連立させて解き、未定パラメータc,g,hを推定する。
[ステップS59]圧縮処理部18は、未定パラメータc,g,hの確定した関係式を逆算して、目標圧縮率を得るために適切なスケールファクタSF3を算出する。
[ステップS60]圧縮処理部18は、スケールファクタSF3で画像データをJPEG圧縮する。
【0040】
[ステップS61]圧縮処理部18は、3回目の圧縮サイズS3が目標圧縮率の範囲に収まったか否かを判定する。ここで、圧縮サイズS3が目標圧縮率の範囲内から外れていた場合、圧縮処理部18はステップS62に動作を移行する。一方、圧縮サイズS3が目標圧縮率の範囲内に収まった場合、圧縮処理部18は、所望の画像圧縮が完了したと判断して、圧縮動作を終了する。
[ステップS62]圧縮処理部18は、関係式に、3回分のテスト圧縮結果(SF1,S1)(SF2,S2)(SF3,S3)を代入して解き、未定パラメータc,g,hを決定する。
[ステップS63]圧縮処理部18は、未定パラメータc,g,hの確定した関係式を逆算して、目標圧縮率を得るために適切なスケールファクタSF4を算出する。
[ステップS64]圧縮処理部18は、スケールファクタSF4で画像データをJPEG圧縮する。
以上の一連の動作により、第3の実施形態においても、圧縮試行の時々の結果に柔軟に対応しながら、画像データが適切に圧縮される。
【0041】
(第3の実施形態の効果など)
第3の実施形態では、予め統計的に求めておいた相関関係(図10,図11)を併用することにより、テスト圧縮の回数を効率的に減ずることが可能となる。
【0042】
《実施形態の補足事項》
なお、上述した実施形態では、圧縮パラメータとしてスケールファクタを使用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。一般に、圧縮処理のプロセスにおいて圧縮符号量に影響を及ぼす調節可能な要素の内から、圧縮符号量との関係が逆S字状になるような要素を圧縮パラメータに選択すれば、本発明の関係式を適用して良好な近似を得ることが可能である。
また、上述した実施形態では、本発明の圧縮符号量として、画像データ全体をテスト圧縮した場合の圧縮サイズを使用しているが、これに限定されるものではない。例えば、画像データの画素ブロックを数分の1程度に間引いた状態でテスト圧縮を行い、そのときの圧縮サイズを本発明の圧縮符号量として使用してもよい。
さらに、上述した実施形態では、電子カメラとしての実施形態を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図2〜3、図9,図14のいずれか一つの流れ図を画像処理プログラムとして記述し、これを記録媒体に格納してもよい。このような画像処理プログラムをコンピュータ上で実行することにより、上述した実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。
なお、上述した第2,3の実施形態では、図8および図12に示す相関関係を使用していないが、これに限定されるものではない。これらの相関関係を併用してテスト圧縮回数を減じても勿論よい。
【0043】
【発明の効果】
第1実施形態に記載の電子カメラでは、関係式『Y=g/(X+c)+h』で近似することにより、逆S字カーブを示す『圧縮パラメータXと圧縮符号量Yとの関係』を広範囲にわたって良好に近似することができる。この関係式を逆算することにより、目標圧縮率を達成する上で適正と思われる圧縮パラメータXを正確に求めることが可能となる。
【0044】
また、第1実施形態に記載の電子カメラでは、未定パラメータをhを仮定した上で、残りの未定パラメータc,gを決定する。この場合、決定すべき未定パラメータの数が減ずるので、テスト圧縮の回数を効率的に減ずることができる。
【0045】
また、第1実施形態に記載の電子カメラでは、未定パラメータをcを仮定した上で、残りの未定パラメータh,gを決定する。この場合、決定すべき未定パラメータの数が減ずるので、テスト圧縮の回数を効率的に減ずることができる。
【0046】
第2実施形態に記載の電子カメラでは、テスト圧縮時の圧縮符号量を『圧縮符号量Yと未定パラメータとの相関関係』にあてはめて未定パラメータc,g,hの一部を決定する。したがって、関係式を解いて決定すべき未定パラメータの数が減ずるので、テスト圧縮の回数を効率的に減ずることが可能となる。
【0047】
第3実施形態に記載の電子カメラでは、『未定パラメータ間の相関関係』と『関係式』とからなる連立式にテスト圧縮結果を代入して解くことにより、未定パラメータc,g,hの値を決定する。この場合、導入した相関関係の数だけ、テスト圧縮の回数を効率的に減ずることが可能となる。
【0048】
なお、第1実施形態に記載の電子カメラは、未定パラメータの決定過程においてc<0となった場合、c≧0となるように未定パラメータhの値を調整する。したがって、常に現実的な関係式を確定することが可能となる。
【0049】
図2〜3、図9,図14のいずれか一つの流れ図を画像処理プログラムとして記述し、これを格納した記録媒体を使用することにより、コンピュータ上で、第1実施形態から第3実施形態の圧縮処理部を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子カメラ10の構成を説明する概略ブロック図である。
【図2】第1の実施形態における画像圧縮動作を説明する流れ図(前半)である。
【図3】第1の実施形態における画像圧縮動作を説明する流れ図(後半)である。
【図4】第1実施形態において確定した関係式をプロットした図である。
【図5】多様なテスト画像について、スケールファクタと圧縮サイズとの関係をプロットした図である。
【図6】『テスト圧縮時の圧縮符号量』と『未定パラメータg』との相関関係を示す図である。
【図7】『テスト圧縮時の圧縮符号量』と『未定パラメータh』との相関関係を示す図である。
【図8】『テスト圧縮時の圧縮符号量』と『未定パラメータc』との相関関係を示す図である。
【図9】第2の実施形態における画像圧縮動作を説明する流れ図である。
【図10】『未定パラメータg』と『未定パラメータh』との相関関係を示す図である。
【図11】『未定パラメータc』と『未定パラメータg』との相関関係を示す図である。
【図12】『未定パラメータc』と『未定パラメータh』との相関関係を示す図である。
【図13】未定パラメータcの影響を説明するための図である。
【図14】第3の実施形態における画像圧縮動作を説明する流れ図である。
【符号の説明】
10 電子カメラ
18 圧縮処理部

Claims (6)

  1. 圧縮パラメータ(圧縮処理の過程において圧縮符号量に影響を与える調整可能な要素)を調整して、画像データを目標圧縮率の範囲内に圧縮する圧縮処理部と、被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段とを備え、前記撮像手段で生成した画像データを前記圧縮処理部で圧縮する電子カメラにおいて、
    前記圧縮処理部は、
    前記画像データについてテスト圧縮を一回以上行う試行手段と、
    予め多様な画像毎に圧縮パラメータを変化させながら圧縮を行い、テスト圧縮時の圧縮符号量Yと未定パラメータ(g,hまたはc)との相関関係を統計的に求める第1の相関関係算出手段と、
    前記第1の相関関係算出手段により予め求めた前記相関関係に前記試行手段によるテスト圧縮時の圧縮符号量Yをあてはめて、未定パラメータの一部を推定し、
    推定した未定パラメータ数を減じた下記の関係式に、テスト圧縮の結果(圧縮パラメータX,圧縮符号量Y)をあてはめて、残りの未定パラメータを推定する関係式推定手段と、
    関係式:Y=g/(X+c)+h
    前記関係式推定手段で推定した関係式から、目標圧縮率を得るために適切な圧縮パラメータを算出する圧縮パラメータ算出手段と、
    前記圧縮パラメータ算出手段により算出した圧縮パラメータを用いて、前記画像データを圧縮する圧縮手段とを有する
    ことを特徴とする電子カメラ。
  2. 圧縮パラメータ(圧縮処理の過程において圧縮符号量に影響を与える調整可能な要素)を調整して、画像データを目標圧縮率の範囲内に圧縮する圧縮処理部と、被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段とを備え、前記撮像手段で生成した画像データを前記圧縮処理部で圧縮する電子カメラにおいて、
    前記圧縮処理部は、
    前記画像データについてテスト圧縮を一回以上行う試行手段と、
    予め多様な画像毎に圧縮パラメータを変化させながら圧縮を行い、未定パラメータ間(gh間,hc間,またはcg間)の相関関係を統計的に求める第2の相関関係算出手段と、
    前記試行手段によるテスト圧縮の結果(圧縮パラメータX,圧縮符号量Y)を代入した下記の関係式と、前記第2の相関関係算出手段により予め求めた前記相関関係とに基づいて、未定パラメータc,g,hを推定する関係式推定手段と、
    関係式:Y=g/(X+c)+h
    前記関係式推定手段で推定した関係式から、目標圧縮率を得るために適切な圧縮パラメータを算出する圧縮パラメータ算出手段と、
    前記圧縮パラメータ算出手段により算出した圧縮パラメータを用いて、前記画像データを圧縮する圧縮手段とを有する
    ことを特徴とする電子カメラ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて、
    前記関係式推定手段は、未定パラメータhを標準的な値(0も含む)に仮定し、
    未定パラメータhを仮定した前記関係式にテスト圧縮の結果をあてはめて、残りの未定パラメータc,gを決定する
    ことを特徴とする電子カメラ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて、
    前記関係式推定手段は、未定パラメータcを標準的な値に仮定し、
    未定パラメータcを仮定した前記関係式にテスト圧縮の結果をあてはめて、残りの未定パラメータh,gを決定する
    ことを特徴とする電子カメラ。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、
    前記関係式推定手段は、未定パラメータの決定過程においてc<0となった場合、c≧0となるように未定パラメータhの値を調整する
    ことを特徴とする電子カメラ。
  6. コンピュータを、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の圧縮処理部として機能させるための画像処理プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体
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