JP4200158B2 - ガス器具 - Google Patents
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Description
前記ガスコックとマニホールド管との接続構造としては、マニホールド管の側壁に開設されたガス接続孔の外周に環状パッキンを介してガスコック本体のガス入口部を圧接し、これらガスコック本体とマニホールド管を締結具で結合するものがある。
従来のガス器具では、前記マニホールド管の側壁に開設されたガス接続孔は、ドリルによる切削加工や、パンチによるプレス抜き加工により形成されていた。
又、微小な切屑がマニホールド管内に残存したまま、ガス器具に組み込まれて使用されると、これがガスコックの弁部に噛み込んで気密性を低下させる原因になる。
『器具本体内に配設されたシーム部を有するマニホールド管と、
前記マニホールド管の側壁に貫通形成されたガス接続孔の外周域の表面に当接される環状パッキンと、
前記環状パッキンを介して前記ガス接続孔に気密接続されるガス入口を備えたガスコックと、
前記ガスコックからガス供給されるガスバーナを具備するガス器具において、
前記ガス接続孔は、前記マニホールド管のシーム部と周方向にずれた側壁に放電加工により形成されている』ことである。
このものでは、放電加工時にマニホールド管の側壁が溶融することにより、ガス接続孔が形成される。
又、ガス接続孔をドリルで切削加工する場合のように、ガス接続孔の周縁のカエリ取り作業を行う必要がない。
『請求項1に記載のガス器具において、
前記放電加工は、前記マニホールド管の側壁に対向接近させた電極パイプの先端から前記側壁に放電させるもの』では、放電加工時に、電極パイプの環状先端部の形状に沿ってマニホールド管の側壁が溶融する。
『請求項2に記載のガス器具に於いて、
前記放電加工時には、前記電極パイプ内に加工液を供給しながら、該加工液を、前記マニホールド管の側壁と前記電極パイプの先端相互の間隙から流出させる』ものでは、孔加工部を浸漬する為の特別な加工液槽を設ける必要がない。
『請求項2又は請求項3に記載のガス器具に於いて、
前記放電加工時には、
マニホールド管の外周に係合する係合凹部が先端に形成された電極ガイドを用いると共に、該電極ガイドの後端から前記係合凹部に貫通するガイド孔に前記電極パイプの先端部を摺動自在に挿通させた状態で加工作業を行う』ことである。
このものでは、電極パイプの先端を摺動自在に挿通させた電極ガイドの係合凹部がマニホールド管の外周に確実に係合するから、電極パイプとマニホールド管が電極ガイドを介して相互に位置決めされる。
又、マニホールド管の外周の一部が電極ガイドの先端の係合凹部で覆われた状態で放電加工される。
従って、電極パイプ内に加工液を供給しながら放電加工する場合でも、前記覆われた部分によって、加工液が周囲に飛散するのが防止される。
『請求項2から請求項4の何れかに記載のガス器具に於いて、
前記電極パイプは真鍮で形成されている』ものとすれば、硬度の低い銅製の電極パイプを使用する場合に比べ、電極パイプの磨耗を抑えることができる。
シーム部を有するマニホールド管のシーム部と周方向にずれた側壁にガス接続孔を放電加工で形成するから、該ガス接続孔をプレス抜きする場合のように、ガス接続孔の周囲が歪む心配がない。
又、ガス接続孔をドリルで切削加工する場合のように、ガス接続孔の周縁のカエリ取り作業を行う必要がない。
請求項3に係る発明では、電極パイプ内から孔加工部に加工液を供給しながら放電加工するから、孔加工部を浸漬する為の特別な加工液槽を設ける必要がない。
又、放電加工時には、マニホールド管の外周の一部が電極ガイドの先端の係合凹部で覆われるから、電極パイプ内に加工液を供給しながら放電加工する場合でも、前記覆われた部分によって、放電加工屑が効率よく排出されると共に、加工液が周囲に飛散するのが防止される。
請求項5に係る発明では、既述したように、電極パイプの磨耗を抑えることができる。
図1は、本実施の形態に係るガス器具の一例を示すガスコンロの要部の分解図である。
器具本体の正面の操作部(10)に開設された透孔(11)には、ガスコック(2)の軸受機構(3)で回転自在に保持され操作軸(20)が挿通されており、ガスコック(2)の略円筒状のコック本体(21)内には、図3に示すように、操作軸(20)の押し込み及び回転操作で開閉される閉子(29)が収容されている。
マニホールド管(4)に接続されるガスコック(2)の接続部(5)は、略円筒状のコック本体(21)の中心軸に交差する方向の半円柱状の嵌合凹部(51)、及び、該嵌合凹部(51)の両側へ突出するネジ孔(53)(53)付きのフランジ部(52)(52)を備えている。
プラグ部(24)の周囲には、環状パッキンとしてのOリング(6)が嵌入される環状溝(26)が形成されている。
尚、電極パイプ(8)の下端は、その周縁全域が、電極パイプ(8)の中心軸に直角な平面に接触する形状を有している。
そして、この係合凹部(98)により、加工対象たるマニホールド管(4)の側壁が覆われるようになっている。
このため、押圧筒(95)の外周フランジ(96)は、主体筒(91)の結合フランジ(92)に重ね合わせた状態でビス(97)にて固定されている。尚、電極ガイド(9)の中心軸部に電極パイプ(8)を摺動自在に貫通させる孔部(同軸状に並んだ主体筒(91),ガイド筒(94),及び押圧筒(95)の中心孔の組み合わせ)が既述発明特定事項たる「ガイド孔」に対応する。
これにより、ガス接続孔(41)が形成される。
この場合、ガス接続孔(41)は、放電加工で形成されているから、ドリルによる切削加工と相違し、ガス接続孔(41)の周縁に生じるカエリを除去する為のカエリ取り作業が不要になる。
又、本実施の形態では、放電加工時に電極パイプ(8)を高速回転させるから、孔加工部に於ける電極パイプ(8)の直進性が向上し、これにより、ガス接続孔(41)の真円度が確保され、加工時間の短縮化が図れる。
そして、ガス接続孔(41)が設計寸法より大きくなると、Oリング(6)によるシール性が確保できなくなる恐れがある。
尚、放電加工の最終段階には、電極パイプ(8)とマニホールド管(4)との間に印加するパルス電圧を強くしたり、又、電極パイプ(8)内の加工液の液圧を上昇させることにより、抜きカス(410)の周縁の一部がマニホールド管(4)から分離しない加工不良が生じるのを防止する。
すると、マニホールド管(4)に形成されたガス接続孔(41)の外周部にOリング(6)が圧接されて気密性が確保される。
1.上記実施の形態では、マニホールド管(4)の上方から電極パイプ(8)でガス接続孔(41)を加工したが、マニホールド管(4)の側壁に対して水平方向や下方から放電加工することによりガス接続孔(41)を形成してもよいことは言うまでもない。
2.上記実施の形態に使用するマニホールド管(4)の断面形状は円形であるが、マニホールド管(4)の断面形状を、楕円形等の非円形断面としてもよい。
3.上記実施の形態では、マニホールド管(4)の材料としてSTKMIIAのシーム管を用いたが、放電加工が可能である限り、他の金属や合金等の管を用いてマニホールド管(4)を製作してもよい。
(4)・・・マニホールド管
(6)・・・0リング
(8)・・・電極パイプ
(9)・・・電極ガイド
(41)・・・ガス接続孔
Claims (5)
- 器具本体内に配設されたシーム部を有するマニホールド管と、
前記マニホールド管の側壁に貫通形成されたガス接続孔の外周域の表面に当接される環状パッキンと、
前記環状パッキンを介して前記ガス接続孔に気密接続されるガス入口を備えたガスコックと、
前記ガスコックからガス供給されるガスバーナを具備するガス器具において、
前記ガス接続孔は、前記マニホールド管のシーム部と周方向にずれた側壁に放電加工により形成されている、ガス器具。 - 請求項1に記載のガス器具において、
前記放電加工は、前記マニホールド管の側壁に対向接近させた電極パイプの先端から前記側壁に放電させるものである、ガス器具。 - 請求項2に記載のガス器具に於いて、
前記放電加工時には、前記電極パイプ内に加工液を供給しながら、該加工液を、前記マニホールド管の側壁と前記電極パイプの先端相互の間隙から流出させる、ガス器具。 - 請求項2又は請求項3に記載のガス器具に於いて、
前記放電加工時には、
マニホールド管の外周に係合する係合凹部が先端に形成された電極ガイドを用いると共に、該電極ガイドの後端から前記係合凹部に貫通するガイド孔に前記電極パイプの先端部を摺動自在に挿通させた状態で加工作業を行う、ガス器具。 - 請求項2から請求項3の何れかに記載のガス器具に於いて、
前記電極パイプは真鍮で形成されている、ガス器具。
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