JP4198911B2 - 低温易剥離性ポリオレフィン系多層フイルム及びその袋体 - Google Patents

低温易剥離性ポリオレフィン系多層フイルム及びその袋体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば食品包装用袋として使用した場合に、特に氷点下領域でも、基体層の破壊もなくスム−スに剥離開封ができて、従って再封保存もし易い低温易剥離性ポリオレフィン系多層フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、2軸延伸ポリプロピレンフイルムを基体層として、これにヒ−トシ−ルのできる低融点の樹脂(一般にポリエチレンを主成分とする軟質ポリオレフィン系樹脂が多い)をラミネ−トした二層からなるヒ−トシ−ル性ポリプロピレンフイルムは知られ、これが包装用袋としても使用されている。
該基体層との二層からなる該フイルムによる食品包装袋としての大きな欠点は、一般に開封しようとする場合に、(ヒ−トシ−ル部分のみで開封されずに)該ポリプロピレン基体層まで裂けてしまう場合が多いことである。つまり易剥離性に欠けることである。これは食品の一部を使って、残りを再封入し、衛生的にきちっと再保存をすることができなくなることを意味する。
又、該ヒ−トシ−ル層が、特により柔軟性のあるポリオレフィン系樹脂によってなる場合には、ブロッキングの問題に繋がり易くなり、作業性に悪影響を及ぼす結果になると言ったこともある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、前記二つの問題点の解決手段を既に見出し、それを特開2000−202958号公報でもって公開もした。これはポリプロピレン基体層に(特定のポリオレフィン系樹脂によるなる)シ−ル破壊応力緩和層と(特定のポリオレフィン系樹脂によるなる)シ−ル層との二層を積層して達成すると言うものである。これによって前記問題は大きく改善され、より一層使用し易くなったので、本発明者等は、更にこれを冷凍食品の包装袋として使用することを試みた。その結果意外なことに、次の二つの事が改めて確認された。
その一つは、食品等を封入・冷凍した袋を(冷凍状態の)極低温下で開封すると、ポリプロピレン基体層まで裂けてしまうと言う場合が散見された。つまり開封時の温度により易剥離性が変わることが判った。
その二つは、この冷凍食品包装袋を投げるとか、落したりした場合の急激な衝撃に対して、袋本体が破れると言った場合も散見されたことであった。
【0004】
本発明は、前記冷凍状態の極低温下(例えば−10〜−30℃)と言った開封温度にあっても、(開封温度に依存することなく)安定した易剥離性を有すると共に、投げるとか,落したりしても袋本体の破壊のない,包装用フイルムを見出すことを主たる課題として達成したものである。その解決手段は次の通りである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、前記請求項1を主発明とし、それはビカット軟化温度145〜165℃のポリプロピレン樹脂よりなるポリプロピレン基体層(A)の片面に、ビカット軟化温度85〜140℃を有するプロピレンを主成分とするポリオレフィン系樹脂による第一中間層(B)とビカット軟化温度20〜60℃を有する、エチレンを主成分とする少なくとも1種のC 〜C のα・オレフィンとのコポリマ、スチレン系の熱可塑性エラストマ−又はオレフィン系の熱可塑性エラストマ−のいずれか1種を主成分としてなる第二中間層(C)とビカット軟化温度75〜135℃を有するポリオレフィン系樹脂によるヒートシール層(D)とが順次積層されたポリオレフィン系多層フイルムであって、且つ次の関係をもってなることを特徴とする氷点下領域でも易剥離性を有するポリオレフィン系多層フイルムある。基体層(A)のビカット軟化温度>ヒートシール層(D)のビカット軟化温度>第二中間層(C)のビカット軟化温度。尚、以下氷点下領域でも易剥離性を有するポリオレフィン系多層フイルムを本体多層フイルム、ビカット軟化温度をVST、ヒートシール層をHS層と呼ぶことにする。
【0006】
又、前記請求項1に従属して、好ましい発明の形態として請求項も提供し、合わせて本体多層フイルムの有効な用途として、請求項の発明も提供する。以下前記各発明を次の実施形態でもって詳述することにする。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、前記本体多層フイルムを構成する,基体層(A)から説明する。
食品包装袋用としての該基体層自身は、全体を強固に支持する必要があるのは勿論であるが、その他に耐寒・耐熱性、透明性、ストレスクラックキング(耐衝撃)性、防湿性、衛生性等と共に、使用後の分別のし易さとか、焼却公害のない点も必要である。本発明では、これを特にポリプロピレンによって形成するものである。つまり、該ポリプロピレンには、これらの諸特性に全体的バランスがあり、このバランスと言う点では他のPET樹脂とか、ナイロン樹脂等にはない特性を有しているものであり、これが選択の理由である。
【0008】
前記ポリプロピレンは、一般に知られている分子量約4万以上の(アイソタクチック)ポリプロピレン自身を言うが、しかしより改善される特性が付与されるのであれが、その本質を変えない範囲での変性は許されると言うものである。その変性手段には、例えば他のビニルモノマとの共重合による方法とか、相容性のある他のビニル系ポリマとのブレンド方法とか、ビニルモノマによるグラフト方法がある(例えば、ビニルモノマとしてエチレンとか、(イソ)ブチレンを使うと耐衝撃性がより向上する)。勿論一般に添加される無機又は有機の添加剤の微量添加も許容される。
【0009】
前記ポリプロピレンとは言っても、その中でより好ましい範囲のものがあり、それは請求項2で提供するように、まずVSTで145〜165℃、好ましくは148〜160℃を示す範囲のものである。そして更にはこれをもって基体層(A)とした場合に、延伸された層であるのが良い。これはVSTで145〜165℃の範囲のものが選ばれることで、前記諸特性の全体的バランスがより一層好ましく採れ、そして延伸層であることで、透明性,強度等の点で改良が見られるからである。ここで延伸は縦・横の2軸延伸であることがより好ましい。延伸の程度は、縦(長手方向)に2〜6倍、横(幅方向)に5〜12倍が望ましい。
尚、VSTを内容的に見れば、ポリプロピレン自身の有する構造(アイソタクチックの割合,変性の有無),分子量,分子量分布等によって決まるが、その他に前記変性ポリプロピレンにあっては、その変性手段と延伸の有無によっても若干変わるものである。好ましい範囲とする145〜165℃は、これ等因子も入って設定されたVSTでもある。
【0010】
又、前記基体層(A)の層厚は、支持性、腰、機械的強度、及び用途等を考慮して決められるが、多くの場合10〜100μmにすることで対応できる。
【0011】
次に、前記ポリプロピレン基体層(A)の片面に、順次積層する第一中間層(B)、第二中間層(C)及びHS層(D)について説明する。
まず、本発明はポリオレフィン系樹脂による少なくとも四層で構成され、且つ各層はポリプロピレン基体層(A)の有するVSTに対して、次の(1)と(2)に示すVST関係をもってなる必要がある。
(1)基体層(A)のVST>第一中間層(B)のVST>第二中間層(C)のVST、
(2)基体層(A)のVST>HS層(D)のVST>第二中間層(C)のVST。
【0012】
前記において、まず、ポリプロピレン基体層(A)に積層される各層は、第二中間層(C)を除いて、全てポリオレフィン系樹脂によって構成することを基本とする。
【0013】
各層は前記の通り第二中間層(C)を除いてポリオレフィン系樹脂によってなるが、しかし次の二点が満足されないと本発明の課題は達成されない。
その一つが、ポリプロピレン基体層(A)とHS層(D)との間に二つの異なる中間層を設け、且つその積層順序を該基体層(A)に、まず第一中間層(B)を、該(B)の上面に第二中間層(C)を、そして該(C)の上面にHS層(D)とする必要がある。この積層順にすることで、主として第二中間層(C)を中心にして剥離作用が起こるようになり、極低温下での剥離でもポリプロピレン基体層(A)が破壊されない作用に変わって行く。従って、この積層順が変わると、剥離位置が不安定になり、ポリプロピレン基体層(A)が破壊されてしまう場合も現れる。
【0014】
前記各層による積層順であっても、これを形成する各層の樹脂が特定のものでなければ、前記課題の完全達成はできない。その条件の基本となるものが、前記(1)と(2)に記載するVSTの関係である。
まず(1)の関係において、該基体層(A)に直接密着する第一中間層(B)は、該基体層(A)のVSTよりも低いVSTのものである必要がある。これにより極低温剥離でも、基体層(A)の破壊の抑制に対して、助勢的作用をすることができる。つまり、破壊伝幡作用を抑制又はストップに対してより有効に作用すると言うものである。
ここで該(B)層のVSTは、低いことが前提になるが、そのより低い温度と言っても程度がある。それは該基体層(A)との密着力の点であり、低下に繋がる。該層には他の二層よりもより強い密着力が好ましく求められ、そうでないと三つの層そのものが該基体層(A)に密着し積層されなくなる。かかる点も考慮すると、該基体層(A)のVSTよりも10〜80℃、好ましくは15〜65℃低温度のVST範囲に留めるのが良い。
【0015】
そして、第二中間層(C)のVSTは、第一中間層(B)よりも、更に低温度のVST関係にある必要がある。これにより、極低温下で例え乱暴に開封動作をしても、基体層(A)まで破れてしまうようなことは全くなくなること(つまり開封動作した場合、他の二層部分よりも、この第二中間層内又は他の二層との境界面付近での剥離が主体的に起こる)。他に、(極低温下の)食品包装袋の投・落動作に対する該袋本体破壊の抑制作用に寄与することができることである。
つまり第二中間層(C)は、本発明課題を完全に達成する中枢的作用層と言えるものである。
ここで該層(C)のVSTは、第一中間層(B)のそれよりも低いことが前提になるが、その低い温度と言っても程度がある。この場合も第一中間層(B)とHS層(D)との層間に、(該層(B)と基体層(A)との密着力程に必要ではないが)適正な密着力も必要であるからである。この余りにも低いVSTであることは、特に常温以上の温度環境での取り扱い中に自ら開封されてしまう危険性が高くなると言うことである(これは該層(C)のVSTが、より低温度であればある程より軟質層になことにも原因がありそうである)。
かかる点も考慮すると該層(C)のVSTは、該層(B)のVSTよりも60〜70℃、好ましくは75〜85℃よりも低温度範囲に留めるのが良い(これをポリプロピレン基体層(A)から見れば、80〜140℃、好ましくは90〜130℃低温度のVST範囲にあるのが良いと言うことになる)。
【0016】
一方、前記(2)記載のVST関係であるが、まず、第一中間層(B)と第二中間層(C)とを介して最外層として設けられるHS層(D)は、該層(C)のVSTよりも高いが、ポリプロピレン基体層(A)のそれよりも低温度のVSTでもってなる必要がある。
これは、このHS層(D)は、基本的には(袋作製の際に必要な)シ−ル層で、このシ−ルを熱(ヒ−ト)によって行う。これをより低いシ−ル温度で迅速に、且つ確実に行なわせる為のVST条件と言える。
その他に該層(D)は、より極低温剥離でも、基体層(A)の破壊の抑制に対して、若干の助勢的機能も有している。
前記の通りHS層(D)のVSTは、該基体層(A)のそれよりも低いことが前提にはなるが、その低い温度と言っても程度がある。特に前記ヒ−トシ−ル機能が有効に発現できなくなるためでる。この事から該基体層(A)よりも約10〜90℃、好ましくは20〜80℃低温度の範囲に留めるのが良い。
尚、第一中間層(B)も第二中間層(C)もヒ−トシ−ル機能も有しており、仮にHS層(D)に厚みムラ等があり、十分なヒ−トシ−ルができない場合に、これ等の層が補助的にシ−ルに加担することもできる。
【0017】
又、第一中間層(B)とHS層(D)とのVST関係であるが、該層(D)にも該層(B)と同じ、極低温剥離で見られるポリプロピレン基体層(A)の破壊の抑制に対して助勢的作用もあることから、その点では両者同じVSTでも良い。しかし、該層(B)は該基体層(A)に十分に密着し、HS層(D)はより効果的なヒ−トシ−ル機能が優先的に働く必要があり、かかる点から言えば、第一中間層(B)>HS層(D)であるのが好ましい。このVST差は、HS層(D)よりも約5〜50℃高い範囲と言ったところである。
尚、以上を総合して全体から見た好ましいVST関係を言うならば、ポリプロピレン基体層(A)>第一中間層(B)>HS層(D)>第二中間層(C)であり、その温度範囲といえば基体層(A)の165℃を上限に、第二中間層(C)の20℃を下限として、各層異なるVSTのポリオレフィン系樹脂で構成されているといえる。
【0018】
各層のVST関係は前記の通りであるが、これに適合するポリオレフィン系樹脂を具体的に例示すると次の通りである。
【0019】
第一中間層(B)のポリオレフィン系樹脂から例示する。
まず請求項3で提供するように、VST85〜140℃、より好ましくは110〜130℃を有するプロピレンを主成分とする該樹脂であるのが良い。
これを具体的に示すと、2〜20重量%のエチレン共重合の二元プロピレン樹脂、1〜10重量%のエチレンと1〜10重量%のC〜Cのα・オレフィンモノマとの三元共重合のプロピレン樹脂等が例示できる。
尚、(必要によるが)該樹脂の中に、一般にオレフィン系樹脂に添加される添加剤(酸化防止剤,帯電防止剤,滑剤,アンチブロッキング剤,造核剤等)の微量添加は許される。
【0020】
次に第二中間層(C)の樹脂を説明する。
まず、これは請求項4で提供するように、VST20〜80℃、好ましくは23〜70℃、より好ましくは23〜60℃を有するものである。これを例示すると前記(3)又は(4)に記載する樹脂である。
【0021】
まず、その一つとして(3)に記載するエチレンを主成分とする少なくとも1種のC〜Cのα・オレフィンとのコポリマであるが、これは55〜98重量%のエチレンが主成分となり、これに2〜45重量%の少なくとも1種のC〜Cのα・オレフィンが共重合(結合構造は問わない)したものである。主としてα・オレフィンの種類とその含有量により、VSTは変化する。このHS層(C)のVSTは、他層よりも最も低いことが必要であるので、結晶化度は小さい程良いとも言える。α・オレフィンとしては、プロピレン,ブテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1の少なくとも一種が好ましく使われる。
【0022】
一方、(4)に記載するスチレン系熱可塑性エラストマ−(以下スチレンTPE)又はオレフィン系熱可塑性エラストマ−(以下オレフィンTPE)は次のようなものである。
まずスチレンTPEは、スチレンを主成分とするスチレン重合ブロックを硬質相とし、ブタジエン、イソプレン等のジエンを主成分とするジエン重合ブロック,エチレンとブテンとの共重合ブロック等を軟質相とする熱可塑性のブロックポリマである。勿論ジエン重合ブロック中の残る二重結合を水添したスチレンTPEでも良い。
尚、スチレン重合ブロックにしても、ジエン重合ブロックにしても、硬質相と軟質相としての機能を失わない限りにおいて、各々に例えばα・オレフィンが共重合され。それが各ブロックとなっていても良い。
【0023】
又、オレフィンTPEは、エチレン又はプロピレンを主成分とするエチレン又はプロピレンの重合ブロックを硬質相とし、軟質相として例えばエチレンとプロピレンとブタジエン又はイソプレン等のジエンモノマとの三元重合ブロック,約50〜80重量%のエチレンを含むプロピレンとの共重合ブロック,エチレンとブテンとの共重合ブロック等でもって構成される熱可塑性のブロックポリマである。
ここで、硬質相としてのエチレン又はプロピレンの重合ブロック中に、例えば約10重量%以下のスチレンが共重合された共重合ブロックであっても良い。
又、該ジエン重合ブロック中で残る二重結合を水添したオレフィンTPEでも良い。
【0024】
尚、前記(3)又は(4)はそれ単独に限らず、両者がブレンドされても良いし、(4)のスチレンTPEとオレフィンTPEとがブレンドされたものであっても良い。
又、HS層(C)の本質を失わない範囲であれば、(3)又は(4)に他のポリオレフィン系樹脂がブレンドされていても良い。
これ等ブレンド樹脂の中でも(3)と(4)とのブレンドは、易剥離性のより向上に繋がり有効である。
【0025】
尚、前記スチレンTPE,オレフィンTPEは、いずれも加工温度(溶融状態)では、加硫ゴム類似特性を示さないが、使用温度に戻れば加硫ゴム類似特性を示すものである。しかし、その組成によって、この加工温度と加硫ゴム類似特性はある程度の変化があるので、前記記載する範囲の全て適応できると言うものでもない。この中で更に、VSTで選択し、20〜80℃,より好ましくは23〜60℃にあるものを選ぶのが最適と言える。
【0026】
次に最外層としてのHS層(D)のポリオレフィン系樹脂について説明する。まず請求項5で提供するように、VST75〜135℃、より好ましくは85〜125℃を有する該樹脂から選ばれるが、具体的には次のものが例示できる。
まず前記するように、第一中間層(B)と同じ樹脂であっても良いので、同じものを使う場合には、前記該層(B)で例示する中で、VST75〜135℃にある該樹脂を選べば良い。しかし、(好ましいとする)該層(B)よりも低いVSTを有すHS層(D)は、例えば次のものである。
【0027】
その一つは、前記第一中間層(B)で例示するポリオレフィン系樹脂に、VST調整(つまり75〜135℃になるようにする)材、例えば石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン等をブレンドしてなるようにする。
【0028】
その二は、VSTの異なる少なくとも二種のポリオレフィン系樹脂をブレンドして75〜135℃になるようにする、ブレンド樹脂の使用である。この二種以上からなるポリオレフィン系樹脂は、一方が75〜135℃から外れていたら、他はこのVST範囲に入っているものをブレンドして該範囲に入るようにVST調整をする。
具体的には、例えばプロピレンに3〜10重量%のエチレンが共重合されたプロピレンコポリマとプロピレンに3〜40重量%のブテンが共重合されたプロピレンコポリマとのブレンド樹脂が挙げられる。
尚、HS層(D)におけるポリオレフィン系樹脂の具体例は前記二例を挙げたが、例えば三成分以上のオレフィンモノマを共重合した三元ポリオレフィン樹脂も挙げられる。少なくともヒ−トシ−ル性を有し、VST75〜135℃の範囲のポリオレフィン系樹脂であれば、全て均等にHS層(D)として有効に使用されるからである。
【0029】
尚、前記HS層(D)に例示するポリオレフィン系樹脂に、一般に使用される酸化防止剤、帯電防止剤、アンチブロッキング、滑剤等の微量の添加は許される。
【0030】
又、前記第一中間層(B)、第二中間層(C)及びHS層(D)の層厚配分は、基本的にはポリプロピレン基体層(A)よりも薄く設定するものとし、その中で各層の機能が十分に発現されるように適宜決めれば良い。好ましく例示すれば、該層(B)0.5〜15μm、該層(C)1〜25μm、HS層(D)0.5〜15μmであるが、この中でも該層(C)を最も厚く、他の二層は同じ程度に設定するようにするのがより望ましい。
【0031】
本発明の本体多層フイルムの構成は、前記の通りであるが、参考までに図解しより明確にしておく。それを図1の断面図で示す。(A)はポリプロピレン基体層、(B)は第一中間層、(C)は第二中間層、(D)はHS層(D)である。
【0032】
次に、本体多層フイルムの製造手段について説明する。
製造手段には拘らないが、次のような方法が好ましく例示できる。
まず基体層(A)となるポリプロピレンは、所定厚さになるように別途溶融押出し成形を行い、冷却して引き取る。この引き取る前の延伸はあっても良いが、次のHS三層の共押出とラミネ−トの一連の工程の中で、連続して行う方がより強固なラミネ−ト接着もでき、又三層(B)/(C)/(D)も延伸状態にできることから、ここでは実質的無延伸で引き取るのがより好ましい。
【0033】
次に、前記得られた(実質的無延伸)ポリプロピレンフイルムの片面に、第一中間層(B)、第二中間層(C)及びHS層(D)を順次積層するが、これには次のような方法が良い。
まず、該層(B)、該層(C)及びHS層(D)に相当する前記ポリオレフィン系樹脂の各々を三層共(T型ダイ)押出機のホッパ−に供給し、同時に溶融押出しされ三層が形成されるように装置構成をとっておく。
一方、該フイルムを加熱しながら、まず長手方向(一段目延伸工程)に、次に横方向(二段目延伸工程)に連続して延伸する為の(加熱)延伸装置を準備し、これを該三層共(T型ダイ)押出機の下に併設しておく。
【0034】
前記装置構成により延伸・ラミネ−トが行われるが、それは次の順序で行われる。
まず、(実質的無延伸)ポリプロピレンフイルム自身が一段目延伸工程に送り出され、ここでまず長手方向にロール延伸される。そして引き続き二段目延伸工程に送られるが、この一段目延伸工程を経た該フイルムは、テンターによる二段目延伸工程に入る前に、該三層共(T型ダイ)押出機から押し出される三層と合流しラミネ−トされる。そして、このラミネ−トフイルムが二段目延伸工程に送られ、ここで加熱されながら横方向に延伸・冷却されて巻き取られ終了する(基体のポリプロピレンフイルムは縦・横に延伸されているが、HS三層は横のみの延伸状態を取っている状態にある)。
【0035】
又、前記方法によれば、前記(B)、(C)、(D)の三層は、横方向に延伸された状態で積層されているが、少なくともHS(D)層は、実質的無延伸層であってもよい。これは完全なるヒ−トシ−ル(特に後述の製袋手段の合掌貼りの場合)を期すためにより有効であるからである。
この実質的無延伸のHS(D)層にする為の方法は、第二中間層(C)面に、例えば押出しラミネ−ション又はサ−マルラミネ−ションにより積層するか、延伸HS(D)層に、更にこの押出しラミネ−ション又はサ−マルラミネ−ションして無延伸層となっているようにする。ここで押出しラミネ−ション又はサ−マルラミネ−ションに使用する樹脂は、勿論前記HS層(D)と同じ樹脂であるが、これ単独よりも無機粒子(例えシリカ,長石,マイカ等の微粉末)を添加(例えば2〜7重量%)した方が良い。これはヒ−トシ−ル性に影響することなく、該層自身の引張破断伸度も小さくなり、より易開封性が良化するからである。
尚、該(延伸)HS層(D)に、更に無延伸のHS層を積層する場合の該層の層厚は、該HS層(D)のそれも薄い方が良い。
【0036】
尚、前記ポリプロピレンフイルムは、前記(B)、(C)、(D)の三層の積層に先だって、接着性向上のための、表面前処理(例えばコロナ放電等により)を行っても良いが、該フイルムと直接密着する第一中間層(B)は、無処理でも良く密着するので、敢えてその必要はない。しかし、該フイルムの非積層面(HS層の反対面)は、一般に印刷対応面となるので、この場合には前工程として該処理を施しておくのが良い。
この印刷の場合、直接印刷と間接印刷のいずれかによるが、前者は該面に直接印刷し、必要ならその上にOPPフイルムをラミネ−トして被覆するのに対して、後者は別途印刷した該フイルムを該面にラミネ−トする方法である。ここで該ラミネ−トフイルムに関しては、ナイロンフイルムとか,PETフイルム等の使用を避けるものではない。この印刷に関しては、HS層(D)面に印刷する場合もある。
勿論、該印刷の場合に限らず、(他の目的の為に)樹脂の被覆が必要である場合には該表面前処理は行う方が良い。
【0037】
前記得られた本体多層フイルムの用途は種々考えられる。
例えば、ウェッブ状のままであれば、これをある物体、例えば前記HS層(D)に使用したポリオレフィン系樹脂を表面に被覆した(別途)フイルム状物、各種容器に貼合・貼着して保護用として使用することができる。
またこれ自体を包装袋に加工して使用する、請求項6で提供する袋体としての使用も有効である。袋体としての使用形態も種々あり、制限はないが、前記するように低温での特性に優れている事から、冷凍食品用袋としての使用がより有効である。
尚、該袋では開封による基体層(A)の破壊等がなく、再封繰り返し使用ができる事から、(反復使用できる)粘着性封ラベルを予備的に貼着して置くと便利である。
【0038】
尚、製袋に関しては次のような事が言える。
本体多層フイルムが低温剥離性に優れていることと、開封(口)し易いことから、合掌貼り(つまり、HS層(D)同志を合わせてヒ−トシ−ルする)が多い。勿論、封筒貼り(つまり、ポリプロピレン基体層(A)の表面端部とHS層(D)の端部とを合わせてヒ−トシ−ルする)でも行うが、この場合は、該基体層(A)のヒ−トシ−ル部分にHS層(D)を設けておくのが良い。
勿論量産化の場合にはこの製袋と共に、(その袋への)被包装物の挿入は、一連の自動包装システムの中で、自動的に行われる形態をとってもよい。
【0039】
又、本体多層フイルムの前記(B)、(C)、(D)の三層は、基本的には片面に設けるが、目的・用途によっては、もう一方の面にも同様設けてより多層化フイルムとする場合もあるので、この片面に限るものではない。
【0040】
【実施例】
次に比較例と共に、実施例によって更に詳述する。
尚、本発明で言うVST(ビカット軟化温度)は、JIS K7206:1999に記載の測定法による測定温度である。(測定機:株式会社東洋精機製作所製のH.D.T.&V.S.P.T.TESTER)
尚、本測定において常温(23℃とする)未満の温度加重を掛けた際に、既に所定の変形が起こる場合のそのもののVSTは、約23℃として示すことにした。
【0041】
(実施例1)
まず基体層(A)用、第一中間層(B)用、第二中間層(C)用及びHS層(D)用として次の各樹脂を準備した。
<基体層(A)用>
VST152℃の結晶性ポリプロピレン(融点162℃)。以下基体樹脂と呼ぶ。
<第一中間層(B)用>
7重量%のエチレン/2重量%のブテン−1/91重量%のプロピレンの三成分からなるVST110℃のポリプロピレン系樹脂(融点132℃)。
尚、該樹脂に対して0.1重量%のアンチブロッキング剤(不定形シリカ)と0.4重量%の酸化防止剤(リン系とフエノ−ル系の二種を各0.2重量%)を添加した。以下B樹脂と呼ぶ。
<第二中間層(C)用>
VST約23℃を有するエチレンを主成分とするプロピレンとのコポリマ(三井化学株式会社製 タフマ−P0180)。以下C樹脂と呼ぶ。
<HS層(D)用>
VST123℃を有するプロピレンを主成分とするエチレンとのコポリマ(融点138℃)の50重量%とVST83℃を有するプロピレンを主成分とするブテン−1とのコポリマ(ブテン−1は36重量%含有)の50重量%とのブレンド樹脂。
尚、該樹脂に対して0.2重量%のアンチブロッキング剤(不定形シリカ)と0.1重量%の滑剤(エルカ酸アミド)を添加した。以下D樹脂と呼ぶ。
【0042】
まず、基体樹脂Aを(T型ノズル)押出機により260℃で溶融押出しを行い、冷却して実質的無延伸のポリプロピレンフイルム(厚さ1250μm)に成形し、引き取った。
【0043】
次いで、前記無延伸ポリプロピレンフイルムを、20m/分の速度で延伸装置に送り込み、130℃に調整された一段目加熱延伸ゾ−ン(二対のニップロ−ラの回転速度の差による方法)へ供給し、ここで長手方向に5倍延伸を行った。延伸された該フイルムは、引き続き二段目加熱延伸ゾ−ン(横方向テンタ−部を有する一軸延伸装置による方法)へ供給されて行くが、そのゾ−ンへ入る前に、三層共押出機は前記加熱延伸装置の一段目加熱延伸(一軸)が終了して二段目加熱延伸(二軸)が行われる前に位置するように配置し、該押出機からのB樹脂、C樹脂及びD樹脂が同時溶融押出されて、冷却した後、該フイルムと合流し積層・密着されるように該押出機の駆動を開始した。
ここで、B樹脂は220℃、C樹脂は200℃,D樹脂は220℃に調整された各々の押出機から一つのT型ノズルに向かって溶融押出した。この時B樹脂による層面は、該フイルム面に接するように押出し、冷却した後、(一段目加熱延伸ゾ−ンでの残熱を使って)ニップロ−ラで圧着しつつ、次の二段目加熱延伸ゾ−ンへ送り出した。該ゾ−ンは、155℃に温調され横テンタ−部により、横に10倍延伸し、所望する本体多層フィルムを得た。
【0044】
前記全行程を終了した本体多層フイルムの全厚は30μm、各層の内訳はポリプロピレン基体層(A)/第一中間層(B)/第二中間層(C)/HS層(D)=25/1.5/2/1.5(各μm)であった。
尚、前記(巻き取り)本体多層フイルムを、一週間後にその一部を巻き戻してブロッキングの状態をチェックしたが、全くブロッキングは見られなかった。
【0045】
(実施例2)(第二中間層(C)が、前記(3)と(4)のブレンド樹脂による場合)
まず実施例1の第二中間層(C)の樹脂に変えて、VST約23℃のスチレンTPE(スチレンによる硬質相,エチレン/ブチレンによる軟質相とするブロックコポリマ)(ジェイエスアール株式会社製 ダイナロンP4600)30重量%とVST約23℃のエチレンを主成分とするプロピレンのコポリマ(三井化学株式会社製 タフマ−P0180)70重量%とのブレンド樹脂とし、他は同じ樹脂を準備した。このブレンド樹脂をブレンドC樹脂と呼ぶ。
尚、ブレンドC樹脂の押出温度は200℃とした。
【0046】
そして厚さを以下のようにした以外、実施例1と同様にして、本体多層フイルムの全厚が40μm、各層の内訳はポリプロピレン基体層(A)/第一中間層(B)/第二中間層(C)/HS層(D)=32.5/2/3.5/2(各μm)のフィルムを得た。
【0047】
(比較例1)(第二中間層(C)がない場合)
実施例1において、第二中間層(C)としてC樹脂を使用しない以外は、同様条件にて、基体層(A)のポリプロピレンフイルムに第一中間層(B)とHS(D)で使用した樹脂を積層し、比較用の二層ポリプロピレンフイルムを得た。
尚、ここで得られた該フイルムの全厚は30μmで、その内訳は基体層(A)/第一中間層(B)/HS層(D)=25/3.5/1.5(各μm)であった。
【0048】
(比較例2)(第二中間層(C)のVSTが他層のそれよりも大きい場合)
まず基体層(A)用,第一中間層(B)用、第二中間層(C)用及びHS層(D)用として次の各樹脂を準備した。
<基体層(A)用>
実施例1と同じ結晶性ポリプロピレン(VST152℃)で、以下基体樹脂と呼ぶ。
<第一中間層(B)用>
VST65℃のポリブテン−1(融点75℃)に2.0重量%の不定形シリカが混合分散されたポリプロピレン系樹脂で、以下B2樹脂と呼ぶ。
<第二中間層(C)用>
7重量%のエチレン/2重量%のブテン−1/91重量%のプロピレンの三成分からなるVST110℃のポリプロピレン系樹脂(融点132℃)。
尚、該樹脂に対して0.1重量%のアンチブロッキング剤(不定形シリカ)と0.4重量%の酸化防止剤(リン系とフエノ−ル系の二種を各0.2重量%)を添加した。以下C2樹脂と呼ぶ
<HS層(D)用>
実施例1と同じブレンド樹脂(VST123℃)で、ブレンドD2樹脂と呼ぶ。
【0049】
そして、実施例1同様にして、多層フイルムの全厚は30μm、各層の内訳はポリプロピレン基体層(A)/第一中間層(B)/第二中間層(C)/HS層(D)=25/1.5/2/1.5(各μm)であった。
尚、三層共押出機からのB2樹脂の押出し温度は225℃、C2樹脂は200℃,ブレンドD2樹脂は220℃とした。
【0050】
(参考例1)(製袋と開口テスト)
実施例1、同2及び比較例1、同2で得た(本体)(比較用)多層フイルムを、スリットし、製袋機を用いて長さ285mm、幅160mmの合掌袋を得た。以下実施例1,同2からの袋を本袋1,同2、比較例1,同2からの袋を比較袋1,同2と呼ぶ。
【0051】
次に前記製袋した本袋1,同2及び比較袋1,同2の各20袋を抜き取りして、これを−20℃で急速冷却し、そのまま5時間置放置した。そして、その冷却状態で各袋を手で開き、ヒ−トシ−ル部分の開封状態を肉眼で観察した。
その結果、本袋1,同2の20袋の全てが、ポリプロピレン基体層(A)が破れたとか、亀裂のようなものが入ったような現象もなく、第二中間層(C)部分を中心に第一中間層(B)とHS層(D)との境界内のみ剥離されて行く様子が観察された。
一方比較袋1では、20袋中7袋が基体層(A)に亀裂〜破れが観察され、同2は20袋中5袋に亀裂が観察された。
【0052】
尚、前記の袋での開封テストに関し、実際に常温と低温での剥離(シ−ル)強度を下記の通り測定したので、その結果を表1にまとめて記載しておくが、その測定条件は次の通りとした。
●サンプル・・前記実施例1,同2及び比較例1,同2で得た(本体)(比較用)多層フイルムの各々について、幅15mmで二枚切り出し、両者を合わせて(HS層D同志)、130℃,2kg/cmで0.5秒間加圧しヒ−トシ−ルしたものを各6サンプル作製した。、
●測定装置・・株式会社東洋精機製作所製のR200型ストログラフ、
●測定温度・・23℃と−20℃、
●剥離速度と角度・・200mm/分,180度。
以上の測定条件で、23℃で3サンプル,−20℃で3サンプルを測定した。
【0053】
結果は表1の通りであった(単位はN/cmで、各3サンプルの結果を範囲で示す)。
各実施例サンプルでは、剥離温度(使用温度)が大きく変わっても、剥離強度にはあまり変化がなく、またバラツキも小さいことも判る。一方、各比較例サンプルでは、剥離温度(使用温度)によって剥離強度は大きく変り、バラツキもあることが判る。各比較例サンプルのこの変化は、中間層として作用すべき第二中間層(C)が存在しない為に、剥離作用が直接基体層(A)に伝達され、亀裂ないし破れとなって行った為と考えられる。
【0054】
尚、前記ヒ−トシ−ル130℃に変えて、120℃と140℃についても、同様にヒ−トシ−ルしサンプルを作って、同様条件で剥離テストを行い、各剥離温度に対する剥離強度を求めたが、実質的な差はなかった。
又、これ等の剥離部分を拡大顕微鏡で観察したところ、実施例サンプルでは130℃と同じように第二中間層(C)部分を主に剥離されている様子が観察されたが、比較例サンプルでは、特に−20℃での剥離で、基体層(A)が部分的に亀裂があったり、破れ箇所も見られた。(比較例の剥離強度,バラツキは、この亀裂ないし破れによる為と考えられる)。
【0055】
Figure 0004198911
【0056】
(参考例2)(落下テスト)
参考例1で得た各20枚を使って、この中に棒付き冷菓を500gを入れて、上部(口部に相当)を7mmの幅でHS層(D)面同志を、ヒ−トシ−ル(130℃,2kg/cm,0.5秒)した。
そして、各充填袋を−20℃で急速冷凍し、これを高さ1mの位置から、コンクリ−ト上に自然落下して袋本体の破れ状況をチエックした。
【0057】
その落下結果は、各実施例による充填袋では、ヒ−トシ−ル部分は勿論袋本体の亀裂とか破れは全くなかった。一方各比較例による充填袋では、比較例1によるそれは、20袋中6袋が破れた。そしてヒ−トシ−ル部分では4袋に亀裂が見られた。そして比較例2によるそれは、20袋中4袋が破れ、ヒ−トシ−ル部分では6袋に亀裂が見られた。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、前記の通り構成されていることで、次のような効果を奏することができる。
【0059】
特に、極低温での易剥離性及び剥離強度がより改善された本体多層フイルムが得られるようになった。これにより、特に冷凍食品用包装袋としての使用に対して、冷凍状態で開口しても亀裂とか破れはないので、再度の冷凍保存も安全且つ衛生的に行うこともきるようになった。
【0060】
また冷凍状態の食品包装袋の取り扱いで落すとか,投げたりしても、該袋本体が破れるとか、亀裂が入るような危険性もなくなり、大きく改善できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本体多層フイルムの構成を断面図で示したもの。
【符号の説明】
(A)・・・・ポリプロピレン基体層、
(B)・・・・第一中間層、
(C)・・・・第二中間層、
(D)・・・・(最外)HS層。

Claims (3)

  1. ビカット軟化温度145〜165℃のポリプロピレン樹脂よりなるポリプロピレン基体層(A)の片面に、ビカット軟化温度85〜140℃を有するプロピレンを主成分とするポリオレフィン系樹脂による第一中間層(B)とビカット軟化温度20〜60℃を有する、エチレンを主成分とする少なくとも1種のC 〜C のα・オレフィンとのコポリマ、スチレン系の熱可塑性エラストマ−又はオレフィン系の熱可塑性エラストマ−のいずれか1種を主成分としてなる第二中間層(C)とビカット軟化温度75〜135℃を有するポリオレフィン系樹脂によるヒートシール層(D)とが順次積層されたポリオレフィン系多層フイルムであって、且つ次の関係をもってなることを特徴とする氷点下領域でも易剥離性を有するポリオレフィン系多層フイルム。
    基体層(A)のビカット軟化温度>ヒートシール層(D)のビカット軟化温度>第二中間層(C)のビカット軟化温度。
  2. ポリプロピレン基体層(A)が、ビカット軟化温度145〜165℃のポリプロピレン樹脂の2軸延伸による請求項1に記載の氷点下領域でも易剥離性を有するポリオレフィン系多層フイルム。
  3. 請求項1又は2に記載の氷点下領域でも易剥離性を有するポリオレフィン系多層フイルムよりなる食品包装用袋体。
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