JP4198224B2 - 金属溶解保持炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム等の金属を連続溶解保持し、手許炉の溶湯補給装置として使用される金属溶解保持炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、手許炉の溶湯補給装置として使用される金属溶解保持炉は、例えば特開昭59−161673号公報に開示されている。この金属溶解保持炉51は、図9に示すように、覆部を有する炉体52の内部に溶湯Mを蓄え得るようにした保持室53と、材料を溶解するための溶解室54と、上方に材料投入口を有しかつ材料投入口から投入される材料を予熱するための予備室55とを相互に隔壁で区画した状態で備えさせ、上記溶解室54の壁部には溶解室54に置かれる材料を加熱可能にした溶解バーナ56を具備させると共に、上記溶解室54と予備室55間の隔壁には上記溶解バーナ56の加熱ガスが予備室55内に流入して予備室55の下方に置かれる材料を溶解可能にした連通孔が設けられている。
【0003】
また、上記保持室53の壁部には保持室53に蓄えられる溶湯M上面(メタルライン)が冷却するのを防止して保温可能にした保持バーナ57を具備させ、さらに、上記溶解室54と保持室53間には溶解室54の床面が保持室53の床面よりも高くなるように段差を設けると共に溶解室54と保持室53間の隔壁には溶解室54から保持室53に向けて溶湯Mが流れるようにした連通孔58を設け、この連通孔58は上記保持バーナ57で加熱ガスを保持室53から溶解室54内に向けて流入させる際に連通させるようにしてあり、さらに上記保持室53に隣設させて上方が開放された汲出室59を設けると共にその汲出室59と保持室53とは保持室53に蓄えられた溶湯Mの常態での上面よりも下方位置に設けられた連通孔60によって連通させたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この金属溶解保持炉51にあっては、保持室53に蓄えられる溶湯M上面が冷却されるのを防止して溶湯Mを保温するための保持バーナ57が、溶解バーナ56と同様のHMBガスバーナ等のガスバーナによって構成されているため、保持室53内の溶湯Mの良好な保温状態を維持することが困難であると共に、溶湯と酸素の反応で生成される酸化物の量が多く、炉体が損傷したり製品不良が発生し易いという問題点があった。
【0005】
すなわち、保持室53内の加熱ガスは、保持室53の側壁の一部に設けた保持バーナ57の火炎吐出口から吐出される火炎(燃焼ガス)によって形成され、その加熱ガスが保持室53内を循環することによって溶湯M上面が保温されるため、加熱ガスの高精度な温度管理が困難であると共に、循環する加熱ガスを溶湯M上面の全域に均等に浴びせることが難しく、溶湯M上面の例えば中央部分と壁面部分とで温度差が生じる場合があり、溶湯Mの良好な保温状態を維持することが困難になるわけである。
【0006】
そこで、保持室53のガスバーナに代えて、他の加熱手段として例えば電気ヒータ等の使用も考えられる。しかし、上記金属溶解保持炉51の構造にあっては、保持バーナ57としてガスバーナの使用を前提としていることから、ガスバーナによって生成される加熱ガスを外部(保持室53外)に排出するために、連通孔58内の溶湯M上面の上方に、溶解室54と常に連通する排気孔としての空間部61を形成する必要がある。
【0007】
そのため、この空間部61によって、保持室53内と溶解室54内とが常時連通した状態となって、保持バーナ57に電気ヒータを使用した場合、電気ヒータによる熱がこの空間部61を介して溶解室54内に漏れてしまい、電気ヒータの熱損失が多くなって、溶湯Mを所定の温度に維持することが困難になり、その結果として電力消費量が極めて大きくなるという新たな問題点が発生する。
【0008】
また、上記金属溶解保持炉51にあっては、保持バーナ57から吐出される火炎に残存酸素が含まれるため、この高温の残存酸素が溶湯Mと酸化反応を起こし、保持室53内に酸化物(例えば、溶湯Mがアルミニウムの場合は酸化アルミウム)が生成される。その結果、この酸化物が保持室53の内部に付着して炉体52を損傷させる共に、酸化物が溶湯M中に混在して製品不良の原因になるわけである。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、請求項1または2記載の発明の目的は、保持室内の溶湯に良好な保温状態を得ることができると共に、加熱手段としての電気ヒータの熱損失を抑えて電力消費量を少なくしたり、溶湯と酸素の反応による酸化物の発生を少なくする金属溶解保持炉を提供することにある。また、請求項3記載の発明の目的は、請求項1または2記載の発明の目的に加え、金属の連続溶解作業の作業効率を向上させ得る金属溶解保持炉を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、金属材料を溶解バーナによって溶解する溶解室と、溶解室に連通孔を介して連通すると共に溶解室で溶解された溶湯を加熱手段で所定の温度に保温し得る保持室と、保持室に連通すると共に上面が開口した汲出室とを具備する金属溶解保持炉において、保持室に設けられる加熱手段が電気ヒータで構成されると共に、溶解室と保持室とを連通する連通孔の上面に下方に突出した三角形状の凸部を形成することにより、前記連通孔の溶解室側の上面が溶解室の傾斜した床面と平行に形成され、かつ前記連通孔の保持室側の最上面が溶解室と保持室及び汲出室内に蓄えられる溶湯の常態のメタルラインより下方に位置して設けられていることを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、金属材料は溶解室内でガスバーナ等の溶解バーナの加熱によって溶解され、その溶湯が連通孔を介して溶解室に連設された保持室内に流入し、保持室内に蓄えられる。この保持室内の溶湯は、その上面が保持室に設けられている、比較的容易かつ精度の高い温度管理ができる電気ヒータで加熱されて所定の温度に保温され、溶湯の良好な保温状態が得られる。
【0012】
また、保持室と溶解室とを連通する連通孔の上面に下方に突出した三角形状の凸部を形成することにより、連通孔の溶解室側の上面が溶解室の傾斜した床面と平行に形成され、かつ連通孔の保持室側の最上面が溶解室や保持室内等に蓄えられる溶湯の常態のメタルラインより下方に位置して設けられているため、保持室内の溶湯によって電気ヒータの熱の溶解室内への漏れが阻止されつつ、保持室内の溶湯が電気ヒータで効率的に加熱保温されると共に、溶湯のメタルラインが変動した場合であっても、連通孔の最上面をメタルラインより下方に位置させて保持室と溶解室の連通を確実に遮断することができ、溶湯の良好な保温状態が得られたり電気ヒータの熱損失が抑えられて電力消費量が少なくなる。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、電気ヒータが保持室の上面開口部を覆う加熱蓋内に水平状態で収納配置されていることを特徴とする。このように構成することにより、保持室の上面開口部が加熱蓋により密閉されるため、保持室内の空気量(酸素量)が限られた量となり、酸素と溶湯の反応が少なくなって酸化物の生成が抑えられ、炉体の損傷や製品不良の発生が防止されると共に、加熱蓋内に水平状態で収納配置された電気ヒータによって、保持室内の溶湯上面の略全域を均等に加熱することができて、保持室内の溶湯の加熱効率が向上し、溶湯のより良好な保温状態が得られる。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、溶解室に金属材料を自動的に投入し得る材料投入機が設けられていることを特徴とする。このように構成することにより、材料投入機で溶解炉に金属材料を自動的に投入することができて、金属の連続溶解作業の作業効率が大幅に向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図8は本発明に係わる金属溶解保持炉の一実施例を示し、図1がその正面図、図2が平面図、図3が図2のA−A矢視図、図4が加熱蓋の底面図、図5が図4のD−D断面図、図6が図4のE−E断面図、図7が図2のB−B断面図、図8が図2のC−C断面図である。
【0016】
図1〜図3において、金属溶解保持炉1は、炉体2と、この炉体2に溶解すべき金属材料を自動的に投入(供給)する材料投入機3とで構成されている。炉体2は、耐熱ボードの積層や耐火物等の耐熱性部材によって形成され、溶解室4と保持室5及び汲出室6が連設された状態で設けられている。
【0017】
炉体2の右側に位置する溶解室4の前側面上部には、ガスバーナからなる溶解バーナ7が配設されている。また、溶解室4には、図3に示すように、その後方内部に燃焼室を形成する燃焼ユニット8が設けられると共に、右側面後方下部には溶解バーナ7の燃焼ガスを溶解室4に送り込むためのブロアー9が設けられている。さらに、溶解室3の右側面のブロワー9部には、一次ガス供給口10とコンプレッサエアー供給口11が設けられると共に、溶解室3の前側面及び右側面前方には、溶解室3内の滓を取り除くための除滓用蓋12が、蝶番13によって図2の矢印イ及び矢印ロの如く開閉可能に設けられている。
【0018】
この溶解室4の左側に連設される保持室5は、その上面開口部5a(図2参照)上に加熱蓋15が載置された状態で配設されている。この加熱蓋15は、例えば耐熱ボードの積層等によって、図4〜図6に示す如く構成され、その内部には3本の電気ヒータ16が収納配置されている。この電気ヒータ16は、保持室5の前後方向(図2の上下方向)に沿い、かつ保持室5の左右方向(図2の左右方向)に略等間隔となるように、すなわち水平状態で配置されている。
【0019】
なお、電気ヒータ16は、一端が閉塞された円筒状ケース16a(図4参照)内に、ニクロム線等のヒータ素材(図示せず)を収容して他端を端子板17で閉塞すること等によって形成され、その電熱容量は、例えば1本当たり4KW程度(3本で12KW程度)に設定されている。
【0020】
そして、この3本の電気ヒータ16は、加熱蓋15の下面側(保持室5側)に開口する如く形成された凹部15a内に収納され、ヒータ取付部材18を介して加熱蓋15にそれぞれ固定されている。各電気ヒータ16は、その端子板17が加熱蓋15(保持室5)の前面側に位置して端子カバー19で覆われると共に、端子板17が保持室5の前面に取り付けられた中継ボックス20(図1及び図3参照)に電気的に接続されている。
【0021】
なお、加熱蓋15の凹部15a内の隣り合う電気ヒータ16間には、保持室5内の雰囲気温度(加熱温度)を検出する熱電対等からなる温度センサ21(図2及び図4参照)が配置され、この温度センサ21も中継ボックス20に電気的に接続されている。また、加熱蓋15は閉蓋時にその重量によって保持室5の上面に密着し、保持室5内を密閉状態とし得ると共に、その上面に取り付けられた図示しない吊り具によって吊り上げることにより、保持室5の上面開口部5aから取り外しできるように構成されている。
【0022】
前記汲出室6は保持室5の左側後部に連設され、図2に示すように、上面に汲出口6aが設けられ、この汲出口6には保温蓋22が着脱可能に配設されている。また、汲出室6の前側面には、後端部が汲出室6に連通し前方に向けて若干傾斜したドレン樋23が設けられると共に、汲出室6内の所定位置には、溶湯Mの温度を検出する熱電対等からなる温度センサ24と、溶湯MのメタルラインL(図7参照)を検出する溶湯レベルセンサ25が配置されている。
【0023】
そして、炉体2の溶解室4と保持室5及び汲出口6は、図7及び図8に示す如くその床面側において連通している。すなわち、図7に示すように、溶解室4の傾斜した床面4aと保持室5の水平な床面5bとは、溶解室4と保持室5を区画する区画線a部分に設けた連通孔27によって連通し、保持室5と汲出室6はその区画部分に設けた連通孔28によって連通している。
【0024】
溶解室4と保持室5を連通する連通孔27は、保持室5の前端側に設けられ、溶解室4側が小幅で保持室5側が大幅に形成されると共に、その上面の溶解室4側には、溶解室4の傾斜した床面4a方向に突出する三角形状の凸部27aが形成されることにより、連通孔27の溶解室4側の上面27bは溶解室4の傾斜した床面4aと平行になる如く形成されている。
【0025】
また、連通孔27は、その上面のうち保持室5側に設けられる最上面27cが、溶解室4と保持室5及び汲出室6内の溶湯Mの常態におけるメタルラインLより所定寸法(例えばh=130mm程度)下方に位置する如く設定されている。これにより、保持室5内に溶湯MがメタルラインLまで蓄えられた常態において、連通孔27内には溶湯Mが収容されて、保持室5内の溶湯MのメタルラインL上方に形成される空間部29と溶解室4内の連通が完全に遮断された状態となっている。
【0026】
また、保持室5と汲出室6を連通する連通孔28も、溶湯Mの常態におけるメタルラインLより下方に位置して設けられており、汲出室6内の溶湯MのメタルラインL上方の空気(外気)と保持室5内の空間部29との連通が完全に遮断されている。すなわち、保持室5の空間部29は、保持室5内の溶湯Mによって溶解室4及び汲出室6と完全に遮断された密閉空間となっている。
【0027】
一方、前記材料投入機3は、図2及び図3に示すように、炉体2の溶解室4の略後方側に連設され、その上部が溶解室4の上部の材料投入扉30より所定寸法上方に位置する枠体31を有し、この枠体31内には、金属材料W(図8参照)が収容されたバケット32を上下動させ得るコンベア33(図3参照)が配設されている。バケット32は、コンベア33で所定位置(図3の二点鎖線bの位置)まで上昇した際に、その上部の開口部側が溶解室4側に回動し得る如く構成されている。
【0028】
また、枠体31の前方に突出する部分の上部にはレール34が設けられ、このレール34に沿ってホッパ35がエアシリンダ36によって移動可能に設けられている。そして、バケット32の回動によりホッパ35内に供給された金属材料Wは、例えば図3の二点鎖線で示すように、エアシリンダ36の作動でホッパ35が前方へ移動することにより、材料投入扉30が開いて溶解室4内に自動的に投入される。
【0029】
なお、枠体31の側面にはギヤモータ37が配設されると共に、材料投入機3を操作するための操作盤38が配設され、炉体2の右側面側には、所定形状の作業台39が設置されている。この材料投入機3の構成は一例であって、炉体2の大きさ及び各室4〜6の配置等の構成、使用する金属材料W等に応じて、適宜構成の材料投入機3を使用することができる。
【0030】
次に、上記金属溶解保持炉1の動作について説明する。先ず、材料投入機3によって図8の二点鎖線で示すように、溶解室4内に投入されたアルミニウム等の金属材料Wは、溶解バーナ7から吐出される火炎等による加熱ガスによって溶解される。この溶解時にはブロワー9も作動して、溶解バーナ7の加熱ガスが溶解室4の予備室4b、及びこの予備室4b上に設けられた排気孔40(図2参照)から上方(大気)に排出される。
【0031】
そして、溶解された溶湯Mは、図7に示すように、溶解室4内の傾斜した床面4aから連通孔27を介して保持室4内に流入すると共に、連通孔28から汲出室6内に流入し、この溶湯Mは、汲出室6内に設けた溶湯レベルセンサ25でそのメタルラインLが図7に示す略常態位置に維持される。また、溶解バーナ7の作動と連動して電気ヒータ16が作動し、保持室5内の溶湯MのメタルラインL上方の空間部29内の空気が加熱され、溶湯Mが保温される。
【0032】
この電気ヒータ16による保持室5内の溶湯Mの保温は、3本の電気ヒータ16が保持室5の上面開口部5aを覆う加熱蓋15内に水平状態で配置されているため、保持室5内の溶湯M上面の全域を均等に加熱して保温することができると共に、空間部29が溶湯Mによって完全に密閉された状態となっているため、電気ヒータ16の熱が保持室5外に漏れることがなくなり、電気ヒータ16の加熱効率が高められる。また、同時に空間部29が密閉されているため、空気の保持室外5からの流入がなく、溶湯Mと空気中の酸素の反応が少なくなって、酸化物の発生が抑えられる。
【0033】
また、保持室5に連通孔28で連通しその上面に開口した汲出口6aを有する汲出室6も、通常汲出口6aが保温蓋22で閉塞されているため、汲出室6内の溶湯Mも保温状態とされる。そして、この保温状態の溶湯Mが、汲出口6の保温蓋22を開けることにより汲出口6aから図示しない手許炉で汲み出されて製品の成型等に使用される。
【0034】
なお、保持室5内の空間部29の温度は、温度センサ21で検出されると共に、汲出室6内の溶湯Mの温度も温度センサ24で検出され、これらの各センサ21、24の検出温度に基づいて、中継ボックス20に接続された図示しない制御装置により、電気ヒータ16の通電状態等が適宜に制御され、空間部29や溶湯Mが所定の温度に維持される。
【0035】
このように、上記実施例の金属溶解保持炉1によれば、溶解室4と保持室5とを連通する連通孔27の最上面27cが、保持室5内と溶解室4内の溶湯Mの常態におけるメタルラインLより下方に位置して設けられているため、保持室5内の溶湯MのメタルラインL上方に形成される空間部29を密閉状態とすることができ、電気ヒータ16による熱の保持室5外への漏れを確実に防止することができる。
【0036】
その結果、保持室5内の溶湯Mを所定温度に保温し、常に良好な保温状態の溶湯Mを得ることができると共に、電気ヒータ16の熱損失を極力抑えることができて、電気ヒータ16の電熱容量(通電容量)を小さく、すなわち電気ヒータ16による電力消費量を小さくすることができる。
【0037】
また、保持室5の上面開口部5aに密着状態で配設される加熱蓋15内に、3本の電気ヒータ16を水平状態で並設しているため、保持室5内の溶湯M上面の全域を均等に加熱することができ、電気ヒータ16による溶湯Mの加熱効率を向上させることができて、保持室5内の溶湯Mのより良好な保温状態を得ることが可能になる。
【0038】
さらに、保持室5が加熱蓋15により覆われると共に、空間部29が保持室5外と連通せずに密閉空間となっているため、空間部29の空気量(酸素量)が限られ、この酸素と溶湯Mの反応による酸化物の生成が抑えられて、その量が従来例に比較して大幅に低減される。その結果、酸化物の保持室5の内部等への付着量が少なくなり、保持室5(すなわち炉体2)の損傷を防止することができると共に、酸化物の溶湯Mへの混在による製品不良の発生が抑えられる。
【0039】
また、電気ヒータ16が収納配置される加熱蓋15は、吊り具を利用して持ち上げることにより、保持室5の上面開口部5aから取り外すことができるため、電気ヒータ16の清掃や交換を簡単に行うことができると共に、溶解室4の前側面及び右側面に除滓用蓋12が開閉可能に設けられているため、この除滓用蓋12を利用して溶解室4内の滓の除去作業を簡単に行うことができる等、金属溶解保持炉1の保守を容易に行うことが可能になる。
【0040】
さらにまた、炉体2に材料投入機3が連設されているため、この材料投入機3により重量のある金属材料Wを溶解室4内に自動的に投入することができ、投入作業効率及びその安全性が向上すると共に、金属材料Wの連続溶解作業を効率良く行うことが可能になる。
【0041】
また、溶解室4と保持室5を連通する連通孔27に、下方に突出する三角形状の凸部27aを設けているため、例えば汲出室6からの溶湯Mの汲み出しにより、保持室5内等のメタルラインLが一時的に下がった場合でも、凸部27aにより保持室5と溶解室4の連通を確実に遮断することができる。また、連通孔27の溶解室4側に、溶解室4の床面4aと平行な傾斜した上面27bを設けているため、溶解室4で溶解された溶湯Mの保持室5内への流入を良好に行うことができる。
【0042】
なお、上記各実施例においては、保持室5の上面開口部5aを閉塞する加熱蓋15内に、3本の電気ヒータ16を水平状態で並設させたが、本発明はこれに限定されるものでもなく、例えば1本、2本あるいは4本以上の電気ヒータ16を並設して収納配置することもできるし、電気ヒータ16の構造も、外形が円形に限らず、方形状等の適宜形状の電気ヒータを使用することができる。また、電気ヒータのヒータ素材を適宜形状のケース内に渦巻き状に収納配置したり往復連続状に収納配置して電気ヒータを形成することもできる。
【0043】
さらに、上記実施例における、炉体2の大きさ等の形状、溶解室4と保持室5及び汲出室6の配置構造、連通孔27の大きさや形状等も一例であって、例えば溶解する金属材料Wの種類や必要とする溶湯Mの量等に応じて適宜に変更し得ることはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の発明によれば、比較的容易かつ精度の高い温度管理ができる電気ヒータで保持室内の溶湯を加熱するため、溶湯の良好な保温状態を得ることができる。また、保持室と溶解室とを連通する連通孔の上面に下方に突出した三角形状の凸部を形成することにより、連通孔の溶解室側の上面が溶解室の傾斜した床面と平行に形成され、連通孔の保持室側の最上面が保持室内に蓄えられる溶湯の常態のメタルラインより下方に位置して設けられているため、保持室内の溶湯によって電気ヒータの熱の溶解室内への漏れが阻止されつつ、保持室内の溶湯が電気ヒータで効率的に加熱保温されると共に、溶湯のメタルラインが変動した場合であっても、連通孔の最上面をメタルラインより下方に位置させて保持室と溶解室の連通を常に確実に遮断することができ、溶湯の良好な保温状態が得られたり電気ヒータの熱損失が抑えられて電力消費量を極めて少なくすることができる。
【0045】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、保持室の上面開口部が加熱蓋により密閉されるため、保持室内の空気量(酸素量)が限られた量となり、酸素と溶湯の反応が少なくなって酸化物の生成が抑えられ、炉体の損傷や酸化物の混在による製品不良の発生を抑えることができると共に、加熱蓋内に水平状態で収納配置された電気ヒータによって、保持室内の溶湯上面の略全域を均等に加熱することができて、保持室内の溶湯の加熱効率を向上させて、溶湯のより良好な保温状態を得ることができる。
【0046】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果に加え、材料投入機で溶解室内に金属材料を自動的に投入することができるため、金属材料の投入作業効率及びその安全性を向上させることができると共に、連続溶解作業の作業効率を大幅に向上させることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる金属溶解保持炉の一実施例を示す正面図
【図2】 同その平面図
【図3】 同図2のA−A矢視図
【図4】 同加熱蓋の底面図
【図5】 同図4のD−D断面図
【図6】 同図4のE−E断面図
【図7】 同図2のB−B断面図
【図8】 同図2のC−C断面図
【図9】 従来の金属溶解保持炉を示す正面断面図
【符号の説明】
1・・・・・・・・金属溶解保持炉
2・・・・・・・・炉体
3・・・・・・・・材料投入機
4・・・・・・・・溶解室
5・・・・・・・・保持室
5a・・・・・・・上面開口部
6・・・・・・・・汲出室
6a・・・・・・・汲出口
7・・・・・・・・溶解バーナ
12・・・・・・・除滓用蓋
15・・・・・・・加熱蓋
16・・・・・・・電気ヒータ
22・・・・・・・保温蓋
27・・・・・・・連通孔
27a・・・・・・凸部
27b・・・・・・上面
27c・・・・・・最上面
28・・・・・・・連通孔
29・・・・・・・空間部
30・・・・・・・材料投入扉
32・・・・・・・バケット
35・・・・・・・ホッパ
36・・・・・・・エアシリンダ

Claims (3)

  1. 金属材料を溶解バーナによって溶解する溶解室と、該溶解室に連通孔を介して連通すると共に溶解室で溶解された溶湯を加熱手段で所定の温度に保温し得る保持室と、該保持室に連通すると共に上面が開口した汲出室とを具備する金属溶解保持炉において、
    前記保持室に設けられる加熱手段が電気ヒータで構成されると共に、前記溶解室と保持室とを連通する連通孔の上面に下方に突出した三角形状の凸部を形成することにより、前記連通孔の溶解室側の上面が溶解室の傾斜した床面と平行に形成され、かつ前記連通孔の保持室側の最上面が溶解室と保持室及び汲出室内に蓄えられる溶湯の常態のメタルラインより下方に位置して設けられていることを特徴とする金属溶解保持炉。
  2. 前記電気ヒータが保持室の上面開口部を覆う加熱蓋内に水平状態で収納配置されていることを特徴とする請求項1記載の金属溶解保持炉。
  3. 前記溶解室に金属材料を自動的に投入し得る材料投入機が連設されていることを特徴とする請求項1または2記載の金属溶解保持炉。
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