JP4196458B2 - 車両用警報装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両運転者の、例えば脇見を検出して警報を発する車両用警報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、運転者の顔を撮像し、画像内の所定領域内に眼が検知できなかった場合警報を発する技術としては、特開平6−344801号公報に記載のものが公知である。この技術は、眼の位置を追跡し、その位置が画像内の所定領域からはずれていた場合は運転者に対して警報を発するというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような技術では運転者の運転姿勢が変化するたびに警報が発せられてしまう。特にトラック、キャブ・オーバー・タイプの車両を運転する場合は、走行環境によって運転者の姿勢が大きく変化するため、誤警報が発せられる頻度が高くなってしまう。また、このような車両を運転する運転者が大きく運転姿勢を変化させる走行環境として、一般道路から高速道路に移る場合、また、その逆の場合がある。一般道路から高速道路に移る場合は運転者は前傾姿勢から後傾姿勢に姿勢を変化させ、その逆の場合は後傾姿勢から前傾姿勢へと運転姿勢を変化させる傾向がある。
本発明は以上のことを鑑み、眼の検知範囲から眼が検知できなくなったときに運転手の運転姿勢の変化や運転姿勢を変化させる要因を検知し、眼の検知範囲を画像内で移動させることによって、誤警報の発生率を低減することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の車両用警報装置は、運転者の顔画像を撮像する画像入力手段と、車両の走行環境の変化を検出する走行環境検出手段と、前記画像入力手段から入力された顔画像に基づいて画像処理を行い、運転者の眼の位置が検出されると、画像処理を行う範囲を、眼の位置を含みかつ前記顔画像よりも小さな所定領域に限定して眼の位置を検出するとともに、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記走行環境検出手段により走行環境の変化が検出されたときには、この走行環境の変化に基づいて前記所定領域を前記顔画像内において移動させる眼位置検出手段と、この眼位置検出手段により検出された運転者の眼の位置に基づいて運転者が車両の運転に適した状態かどうかを判断し、運転に適した状態ではないと判断した場合には警報を発する警報発生手段と、を備え、前記眼位置検出手段は、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記走行環境検出手段により高速道路を走行している状態から一般道路を走行している状態への変化が検出されたときには前記所定領域を前記顔画像内において上方向へ移動させ、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記走行環境検出手段により一般道路を走行している状態から高速道路を走行している状態への変化が検出されたときには前記所定領域を前記顔画像内において下方向へ移動させることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用警報装置において、前記走行環境検出手段は、車両が外部からの現在位置情報を受信する受信手段と、少なくとも道路種別情報を持つ地図データと、この地図データと前記現在位置情報とから現在走行している道路種別を検出する道路種別検出手段と、を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の車両用警報装置において、前記走行環境検出手段は、第1の所定時間の平均車速を検出する平均車速検出手段、あるいは第2の所定時間の平均舵角変化量を検出する平均舵角変化量検出手段の少なくとも一方を有し、平均車速が第1の閾値以上かまたは平均舵角変化量が第2の閾値未満の場合高速道路を走行していると判断し、平均車速が第1の閾値未満かまたは平均舵角変化量が第2の閾値以上の場合一般道路を走行していると判断することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、運転者の顔画像を撮像する画像入力手段と、運転者の運転姿勢の変化を検出する運転姿勢検出手段と、前記画像入力手段から入力された顔画像に基づいて画像処理を行い、運転者の眼の位置が検出されると、画像処理を行う範囲を眼の位置を含み、かつ前記顔画像よりも小さな所定領域に限定して眼の位置を検出するとともに、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記運転姿勢検出手段により運転姿勢の変化が検出されたときには、この運転姿勢の変化に基づいて前記所定領域を前記顔画像内において移動させる眼位置検出手段と、この眼位置検出手段により検出された運転者の眼の位置に基づいて運転者が車両の運転に適した状態かどうかを判断し、運転に適した状態ではないと判断した場合には警報を発する警報発生手段と、を備え、前記眼位置検出手段は、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記運転姿勢検出手段により運転者の後傾姿勢から前傾姿勢への変化が検出されたときには前記所定領域を前記顔画像内において上方向へ移動させ、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記運転姿勢検出手段により運転者の前傾姿勢から後傾姿勢への変化が検出されたときには前記所定領域を前記顔画像内において下方向へ移動させることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の車両用警報装置において、前記運転姿勢検出手段は、シートバックまたはシート座面前部および後部の少なくとも一方に設けられ圧力を検出する圧力検出手段を有し、シートバックの圧力が所定の閾値以上の場合またはシート座面前部の圧力が減少し、かつシート座面後部の圧力が増加した場合運転者は後傾姿勢であると判断し、シートバックの圧力が所定の閾値未満の場合またはシート座面前部の圧力が増加し、かつシート座面後部の圧力が減少した場合運転者は前傾姿勢であると判断することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明および本実施の形態では、道路の区分に関して高速道路と一般道路という分け方をしているが、これは法令その他の道路区分とは必ずしも一致しない。高速道路とは車両を一定した速度で長時間走行させることが可能な道路環境のことを指し、一般道路とはそれ以外の道路環境のことを指している。
【0006】
図1は本発明の実施の形態1を示すブロック図である。画像入力部1で得られた運転者の顔画像を眼位置検出部2に送り、このとき眼位置検出部2によって眼が検出されなければ、警報発生部3によって運転者に警報を発する。このとき処理速度を向上させるために眼位置検出部2は画像入力部1より入力された顔画像全体に対して眼の検出処理をかけるのではなく、あらかじめ検出された眼の位置を含む所定の大きさの処理範囲を決め、その範囲内において検出処理を行っている。眼位置検出部2が眼を検出できなかったときは走行環境検出部4によって得られている走行環境状態の変化に応じて、眼位置検出部2は眼の位置を検出する処理範囲を画像内において所定量移動させて再度眼の位置検出処理を行う。
【0007】
処理全体の流れを図2を用いて説明する。
まず、処理が開始されると初期設定ステップ1(以下ステップをSと略記する)が行われ、つぎに眼の位置検出S2、走行環境変化の判断S3、眼の再検出ロジックの選択S4、警報発生の判断S5と流れ、眼の位置検出S2へと処理は戻る。
初期設定S1について図3のフローチャートを用いて説明する。処理が開始されると顔画像全体に対して眼の位置検出S11を行い、つぎに走行環境検出S12を行い記憶媒体へ検出結果を記録し、つぎの処理S2へと処理が進む。
【0008】
画像全体に対する眼の位置検出S11について図4から図12を用いて説明する。
本画像処理は、図4のフローチャートに従って実行される。
S110では、図5に示すような部分に設置された運転者の顔の部分を正面から撮像するビデオカメラ11によって運転者の顔を含む車室内の画像が撮像されA−D変換器21によって画素の濃度がデジタル値に変換される。
S111では、画像メモリ22に1フレームの画像に対応する画像データが蓄積される。
S112では、画像メモリ22に蓄積された画像データの中から顔の縦方向の画素列が図6に示すように選択される。画面の中央部分に等間隔で数十列、X方向の10画素ごとに1列の画素列が設定される。1列の画素列はY方向に480個の画素を有し、画素列ごとに全画素の濃度値を画像データ演算回路23に送出可能である。
【0009】
S113では、それぞれの画素列の濃度値を演算処理して抽出点となる画素(Y座標値)を特定する。画素列上の濃度値の大きな変化を求め、その局所的なピークを抽出点とする。処理手順を図7に示す。
S1131では、図6の左側から順番に、画素列ごとの全画素の濃度値を呼び出す。
S1132では、画素列上の濃度値を相加平均して、画素列上の濃度値の変化曲線から高い周波数成分を除去した相加平均濃度値を求める。たとえば、図6に示す画素列Xaからは図8の(a)に示すような相加平均濃度値が抽出される。
S1133では、相加平均濃度値を微分する。図8の(a)に示す相加平均濃度値では図8の(b)に示す微分値となる。
S1134では、微分値から、相加平均濃度値の暗さのピークに対応するY座標値を求める。微分値が負から正に反転するY座標値は、暗さのピークに対応して、眼、眉、口等をそれぞれ代表する1個ずつのY座標値となる。微分値が正から負に反転するY座標値は、眼、眉等の中間位置に対応する明るさのピーク位置であるから本実施の形態では使用しない。
【0010】
図8の(a)に示す相加平均濃度値では図8の(b)に示す微分値となり、微分値が負から正に反転するY座標値p1,p2,p3,p4,p5が抽出される。これらの中で手前の微分値のピークが閾値(破線)以下となるY座標値q1,q2,q5が抽出点とされる。手前の微分値のピークを判別することで、顔面のしわや凹凸が抽出点となることを回避している。
S1135では、最後の画素列、図6の右端の画素列であるか否かを判定する。最後の画素列であれば、全部の画素列で抽出点を特定済みであるから、S114へ進む。最後の画素列でなければS1131へ進み、つぎの画素列濃度値データによる抽出点の特定を開始させる。
このようにして、図9に示すように、画素列ごとに0から4個程度の抽出点A1,A2,A3,A4が特定される。画素列Xcでは、抽出点A1,A2、画素列XdではA1,A2,A3,A4が特定される。
【0011】
S114では、画素列ごとに求めた抽出点をX方向に連結してグループ化する。処理手順を図10に示す。
S1141では、画素列の抽出点データを順番に呼び出す。
S1142,S1143では、隣接する画素列の抽出点についてY座標値が比較される。隣接する画素列の抽出点Y座標値の差が10画素以下であれば、S1144へ進んで連結データが形成される。差が所定範囲を超える(グループ化できない)と判断された場合はS1145へ進んで連結データは形成されない。
【0012】
連結データは、発生したグループごとに順番に付与されるグループ番号、グループの左端の抽出点の属する画素列の番号(X座標値に対応)で分類して、連結された抽出点の個数(画素列数)とY座標値をメモリに記憶し、画素列を処理するごとに記憶内容を書き替えて形成される。
S1145では、最後の画素列であるか否かを判定する。最後の画素列であれば、全部の画素列でグループ化を判定済みであるから、S115へ進む。最後の画素列でなければ、S1141へ進み、つぎの画素列の抽出点によるグループ化の判定を開始させる。
【0013】
S115では、図5に示す画像データ演算回路23が、図11に示す手順に従って不必要な連結データを除去し、最終的に必要な連結データについてだけ候補点データを形成する。処理手順を図11に示す。
S1151では、メモリから連結データをグループ番号の順に1個ずつ呼び出す。
S1152,S1153では、連結データの連結データ数を評価する。連結データ数が5個以上であれば、つぎのS1154へ進んで候補点データを形成する。連結データ数が5個未満であれば(鼻の穴等)、S1155へ進んで候補点データを形成しない。
【0014】
たとえば、図9に示す抽出点群からは、図12の(a)に示すように、両方の眼および眉、鼻の影、口にそれぞれ相当する6個の抽出点のグループG1〜G6が残される。ここでは、残された6個のグループについて左から右、上から下方向に順番に番号を付け直している。候補点データは、残された抽出点のグループをそれぞれ画面上の1個ずつの候補点で代表される1組の座標値、すなわち、そのグループに属する抽出点のY座標値の平均値(高さ)と、グループ左右両端の画素列中央のX座標値で構成される。
たとえば、図12の(a)に示す抽出点のグループG1〜G6は、図12の(b)に示す画面上の6個の候補点K1〜K6で代表される。
【0015】
S1155では、最後の連結データであるか否かを判定する。最後の連結データであれば、全部の連結データを評価済みであるから、S116へ進む。最後の連結データでなければS1151へ進み、つぎの連結データの評価を開始させる。
【0016】
S116では、図5に示す顔の特徴量認識回路24が、候補点データを評価して複数の候補点の中から片方の眼の候補点を特定する。
たとえば、図12の(b)に示す6個の候補点K1〜K6の場合、Y座標値の大きい(低い)、候補点K5,K6を中心にして中央の検出ゾーンZCを形成する。検出ゾーンZCの外側には、Y座標値の小さい(高い)候補点K1,K3と候補点K2,K4をそれぞれ中心にして左右の検出ゾーンZL,ZRを設定する。
そして、左側の検出ゾーンZLに含まれる2つの候補点K1,K3と中央の検出ゾーンZCに含まれる候補点K6の高さや、候補点K1,K3の位置関係に基づいて片方の眼に対応する候補点K3が特定される。
【0017】
走行環境検出S12は図13に示すように車両に設置されたGPSからの信号を受信S121し、受信されたGPS信号を元に受信位置の緯度経度を検出S122し、車両に搭載されている地図データから車両の現在位置の道路種別情報を抽出S123する。
また、車両が高速道路を走行しているときは平均車速が高くなり、一般道路を走行しているときは平均車速が低くなることから、走行環境検出S12は図14に示すような処理にすることもできる。たとえば、1秒毎に車速を検出して30秒間隔の平均車速を検出S124し、検出された平均車速が設定された閾値、たとえば50km/hよりも大きいかどうかの判断S125を行い、閾値以上と判断された場合は車両は高速道路を走行中と判断S126され、閾値未満と判断された場合は車両は一般道路を走行中と判断S127する。
また、車両が高速道路を走行しているときは舵角の変化量は小さくなり、一般道路を走行しているときは舵角の変化量は大きくなることから、走行環境検出S12は図15に示すような処理にすることもできる。たとえば1秒毎に舵角変化量を検出して30秒間隔の平均舵角変化量を検出S128し、検出された平均舵角変化量が設定された閾値、たとえば15°よりも小さいかどうかの判断S129を行い、設定された閾値未満と判断された場合は車両は高速道路を走行中と判断S1210され、設定された閾値以上と判断された場合は車両は一般道路を走行中と判断S1211する。
【0018】
また、高速道路脇に設置されつつある交通情報提供のビ−コンやその他の情報提供手段からの情報を受信することによって高速道路を走行中であると判断することもできる。
【0019】
眼の位置検出S2について図16のフローチャートを用いて説明する。処理が開始されると画像全体に対する眼の位置検出S11で検出された眼の位置情報から眼の検出基準位置の設定S21を行い、設定された眼の検出基準位置内での眼の位置検出S22を行う。S23では、眼の位置が検出されれば眼の検出基準位置内での眼の位置検出S22に戻り、検出できなければつぎの処理S3へと進む。
眼の検出基準位置内での眼の位置検出S22については検出処理範囲が限定される他は顔画像全体での眼の位置検出と同じになるので説明を省略する。
【0020】
走行環境変化の判断S3について図17のフローチャートを用いて説明する。
処理が開始されると現在車両が走行している走行環境の検出S12を行い、前処理であらかじめ記録媒体に記憶されている走行環境と検出された走行環境との比較S31を行い、新たに検出された走行環境を記憶媒体へ記録する。走行環境が変化していれば▲3▼を通じてつぎの処理S4へ、走行環境が変化していなければ▲4▼を通じてつぎの処理S4へと処理が進む。
【0021】
眼の再検出ロジックの選択S4について図18のフローチャートを用いて説明する。▲3▼から処理が移行されてきた場合は、処理が開始されると走行環境が一般道路から高速道路へ変化したかどうかを判断S41し、一般道路から高速道路へ変化した場合は眼の検出基準位置を所定量下方へ移動して眼の位置を再検出S43し、つぎの処理S5へと進む。検出基準を移動させる所定量は、車種、用途、シート形状等により異なるので、適宜設定されるものであるが、たとえば150画素から200画素程度である。一般道路から高速道路へ変化したのでなければ、走行環境が高速道路から一般道路へ変化したかどうかを判断S42し、高速道路から一般道路へ変化した場合は眼の検出基準位置を所定量上方へ移動して眼の位置を再検出S44し、つぎの処理S5へと進む。▲4▼から眼の再検出ロジックの選択S4に処理が移行してきた場合は画像全体に対して眼の位置検出S11を行い、つぎの処理S5へと進む。
【0022】
警報発生の判断S5について図19のフローチャートを用いて説明する。
処理が開始されると眼の再検出ロジックの選択S4の再検出の結果から眼が検出されたかどうかを判断S51し、眼が検出された場合は警報を発生せずに、図16の▲6▼に示す位置に処理を戻す。眼が検出されなかった場合は運転者は脇見をしていると判断し警報を発生S52し、図16の▲6▼に示す位置に処理を戻す。 警報はブザーを鳴らしたり、シートやハンドルに備え付けられたバイブレータを振動させるなどの種々の方法が公知なので説明を省略する。
【0023】
図20は本発明実施の形態2を示すブロック図である。画像入力部1で得られた運転者の顔画像を眼位置検出部2に送り、このとき眼位置検出部2によって眼が検出されなければ、警報発生部3によって運転者に警報を発する。このとき処理速度を向上させるために眼位置検出部2は画像入力部1より入力された顔画像全体に対して眼の検出処理をかけるのではなく、あらかじめ検出された眼の位置を元に所定の大きさで処理範囲を決め、その範囲内において検出処理を行っている。眼位置検出部2が眼を検出できなかったときは運転姿勢検出部5によって得られている運転者の運転姿勢の変化に応じて、眼位置検出部2は眼の位置を検出する処理範囲を画像内において所定量移動させて再度眼の位置の検出処理を行う。
【0024】
処理全体の流れを図21を使って説明する。
まず、処理が開始されると初期設定S1が行われ、つぎに眼の位置検出S2、着座姿勢変化の判断S6、眼の再検出ロジックS4、警報発生の判断S5と流れ、眼の位置検出S2へと処理は戻る。
初期設定S1について図22のフローチャートを用いて説明する。処理が開始されると画像全体に対して眼の位置検出S11を行い、つぎに運転者の着座姿勢検出S13を行い記憶媒体へ検出結果を記録し、つぎの処理S2へと処理が進む。
【0025】
着座姿勢検出S13は感圧センサがシートの背もたれ部に備え付けられ、感圧センサが所定の閾値以上の圧力を検出したときは運転者が背もたれに寄りかかって、運転者は後傾姿勢になっていると判断し、感圧センサにより検出された圧力が所定の閾値未満ならば運転者は前傾姿勢をとっていると判断する。
また、着座姿勢検出S13は感圧センサがシート座面部の前部と後部とに備え付けられ、後部の感圧センサが圧力の増加を検知し、前部の感圧センサが圧力の減少を検知した時は運転者は後傾姿勢になっていると判断し、前部の感圧センサが圧力の増加を検知し、後部の感圧センサが圧力の減少を検知した時は運転者は前傾姿勢をとっていると判断するようにすることもできる。
【0026】
着座姿勢変化の判断S6について図23のフローチャートを用いて説明する。処理が開始されると現在の運転者の着座姿勢検出S13を行い、前処理であらかじめ記録媒体に記憶されている着座姿勢と検出された着座姿勢の比較S33を行い、新たに検出された着座姿勢を記憶媒体へ記録する。着座姿勢が変化していれば▲3▼を通じてつぎの処理S4へ、着座姿勢が変化していなければ▲4▼を通じてつぎの処理S4へと進む。
【0027】
眼の再検出ロジックの選定S4について図24のフローチャートを用いて説明する。▲3▼から処理が移行されてきた場合は、処理が開始されると着座姿勢が前傾姿勢から後傾姿勢へ変化したかどうかを判断S45し、前傾姿勢から後傾姿勢へ変化した場合は眼の検出基準位置を所定量下方へ移動して眼の位置を再検出S43し、つぎの処理S5へと進む。前傾姿勢から後傾姿勢へ変化したのでなければ、着座姿勢が後傾姿勢から前傾姿勢へ変化したかどうかを判断S46し、後傾姿勢から前傾姿勢へ変化した場合は眼の検出基準位置を所定量上方へ移動して眼の位置を再検出S44し、つぎの処理S5へと進む。▲4▼から眼の再検出ロジックの選定S4に処理が移行してきた場合は画像全体に対して眼の位置検出S11を行い、つぎの処理S5へと進む。
なお、眼の位置検出S2、警報発生の判断S5については実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
【0028】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1記載の発明は、所定領域に眼が検出されず、かつ走行環境検出手段により走行環境の変化が検出されたときには、走行環境の変化に基づいて所定領域を顔画像内において移動させるので、眼の再検出が速やかに行われ、誤警報の発生率を低減することができる。
また、請求項1記載の発明は、運転者の運転姿勢が変化する高速道路から一般道路、あるいは一般道路から高速道路への走行環境の変化が検出されたときは、所定領域を顔画像内において上方向あるいは下方向へそれぞれ移動させるので、眼の再検出が速やかに行われ、誤警報の発生率を低減することができる。
また、請求項2記載の発明は、外部から受信した現在位置情報と地図データとに基づいて現在走行している道路種別を検出するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、運転者の運転姿勢が変化する状況を正確に判断することができる。
また、請求項3記載の発明は、平均車速が第1の閾値以上かまたは平均舵角変化量が第2の閾値未満の場合高速道路を走行していると判断し、平均車速が第1の閾値未満かまたは平均舵角変化量が第2の閾値以上の場合一般道路を走行していると判断するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、簡単な構成で運転者の運転姿勢が変化する状況を判断することができる。
また、請求項4記載の発明は、所定領域に眼が検出されず、かつ運転状態検出手段により運転者の運転状態の変化が検出されたときには、運転環境の変化に基づいて所定領域を顔画像内において移動させるので、眼の再検出が速やかに行われ、誤警報の発生率を低減することができる。
また、請求項4記載の発明は、所定領域に眼が検出されず、かつ運転姿勢検出手段により運転者の後傾姿勢から前傾姿勢への変化が検出されたときには所定領域を顔画像内において上方向へ移動させ、所定領域に眼が検出されず、かつ運転姿勢検出手段により運転者の前傾姿勢から後傾姿勢への変化が検出されたときには所定領域を顔画像内において下方向へ移動させるので、眼の再検出が速やかに行われ、誤警報の発生率を低減することができる。
また、請求項5記載の発明は、シートバックの圧力が所定の閾値以上の場合、またはシート座面前部の圧力が減少し、かつシート座面後部の圧力が増加した場合、運転者は後傾姿勢であると判断し、シートバックの圧力が所定の閾値未満の場合、またはシート座面前部の圧力が増加し、かつシート座面後部の圧力が減少した場合、運転者は前傾姿勢であると判断するので、請求項4記載の発明の効果に加えて、運転者の運転姿勢が変化する状況を正確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態1を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1の初期設定処理を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1の顔画像全体に対する眼の位置検出処理を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1の眼位置検出部の構成を示すブロック図である。
【図6】画素列設定の説明図である。
【図7】実施の形態1の顔画像全体に対する眼の位置検出処理を示すフローチャートである。
【図8】画素列に沿った濃度値の説明図である。
【図9】抽出点の分布の説明図である。
【図10】実施の形態1の顔画像全体に対する眼の位置検出処理を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1の顔画像全体に対する眼の位置検出処理を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1の顔画像全体に対する眼の位置検出を説明する図である。
【図13】実施の形態1の走行環境検出処理を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1の走行環境検出処理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態1の走行環境検出処理を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態1の眼の位置検出処理を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態1の走行環境変化の判断処理を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態1の眼の再検出ロジックの選定処理を示すフローチャートである。
【図19】実施の形態1の警報発生の判断処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明実施の形態2を示すブロック図である。
【図21】実施の形態2の処理全体の流れを示すフローチャートである。
【図22】実施の形態2の初期設定処理を示すフローチャートである。
【図23】実施の形態2の着座姿勢検出処理を示すフローチャートである。
【図24】実施の形態2の眼の再検出ロジックの選定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像入力部
2 眼位置検出部
3 警報発生部
4 走行環境検出部
5 運転姿勢検出部
11 ビデオカメラ
21 A−D変換器
22 画像メモリ
23 画像データ演算回路
24 顔の特徴量認識回路
Claims (5)
- 運転者の顔画像を撮像する画像入力手段と、
車両の走行環境の変化を検出する走行環境検出手段と、
前記画像入力手段から入力された顔画像に基づいて画像処理を行い、運転者の眼の位置が検出されると、画像処理を行う範囲を、眼の位置を含みかつ前記顔画像よりも小さな所定領域に限定して眼の位置を検出するとともに、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記走行環境検出手段により走行環境の変化が検出されたときには、この走行環境の変化に基づいて前記所定領域を前記顔画像内において移動させる眼位置検出手段と、
この眼位置検出手段により検出された運転者の眼の位置に基づいて運転者が車両の運転に適した状態かどうかを判断し、運転に適した状態ではないと判断した場合には警報を発する警報発生手段と、を備え、
前記眼位置検出手段は、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記走行環境検出手段により高速道路を走行している状態から一般道路を走行している状態への変化が検出されたときには前記所定領域を前記顔画像内において上方向へ移動させ、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記走行環境検出手段により一般道路を走行している状態から高速道路を走行している状態への変化が検出されたときには前記所定領域を前記顔画像内において下方向へ移動させることを特徴とする車両用警報装置。 - 前記走行環境検出手段は、
車両が外部からの現在位置情報を受信する受信手段と、
少なくとも道路種別情報を持つ地図データと、
この地図データと前記現在位置情報とから現在走行している道路種別を検出する道路種別検出手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の車両用警報装置。 - 前記走行環境検出手段は、第1の所定時間の平均車速を検出する平均車速検出手段、あるいは第2の所定時間の平均舵角変化量を検出する平均舵角変化量検出手段の少なくとも一方を有し、
平均車速が第1の閾値以上かまたは平均舵角変化量が第2の閾値未満の場合高速道路を走行していると判断し、平均車速が第1の閾値未満かまたは平均舵角変化量が第2の閾値以上の場合一般道路を走行していると判断することを特徴とする請求項1記載の車両用警報装置。 - 運転者の顔画像を撮像する画像入力手段と、
運転者の運転姿勢の変化を検出する運転姿勢検出手段と、
前記画像入力手段から入力された顔画像に基づいて画像処理を行い、運転者の眼の位置が検出されると、画像処理を行う範囲を眼の位置を含み、かつ前記顔画像よりも小さな所定領域に限定して眼の位置を検出するとともに、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記運転姿勢検出手段により運転姿勢の変化が検出されたときには、この運転姿勢の変化に基づいて前記所定領域を前記顔画像内において移動させる眼位置検出手段と、
この眼位置検出手段により検出された運転者の眼の位置に基づいて運転者が車両の運転に適した状態かどうかを判断し、運転に適した状態ではないと判断した場合には警報を発する警報発生手段と、を備え、
前記眼位置検出手段は、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記運転姿勢検出手段により運転者の後傾姿勢から前傾姿勢への変化が検出されたときには前記所定領域を前記顔画像内において上方向へ移動させ、前記所定領域に眼が検出されず、かつ前記運転姿勢検出手段により運転者の前傾姿勢から後傾姿勢への変化が検出されたときには前記所定領域を前記顔画像内において下方向へ移動させることを特徴とする車両用警報装置。 - 前記運転姿勢検出手段は、シートバックまたはシート座面前部および後部の少なくとも一方に設けられ圧力を検出する圧力検出手段を有し、
シートバックの圧力が所定の閾値以上の場合またはシート座面前部の圧力が減少し、かつシート座面後部の圧力が増加した場合運転者は後傾姿勢であると判断し、シートバックの圧力が所定の閾値未満の場合またはシート座面前部の圧力が増加し、かつシート座面後部の圧力が減少した場合運転者は前傾姿勢であると判断することを特徴とする請求項4記 載の車両用警報装置。
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