JP4195851B2 - 空気清浄機用フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、空気清浄機用フィルタに関し、特にフィルタ濾材を改良した空気清浄機用フィルタに係わる。
医療施設,医薬品工場,実験動物敷設などでは、塵埃の他,微生物の除去が必要になる。このような施設の代表的な空調・換気方式は、例えば病室の空調ダクトに連通された吸込み口および吹出し口、プレフィルタ(または中間フィルタ)を有する空調機,および最終段の高性能微粒子除去フィルタ(HEPAフィルタ:High Efficiency Particulate Air Filter)を備えた構造を有する。ここに用いるHEPAフィルタは、例えばミニプリーツHEPAフィルタとこれより大型のHEPAフィルタが知られている。
前者のミニプリーツHEPAフィルタは、ガラス繊維同士をアクリル系等の有機バインダで結合したフィルタ濾材にプリーツ加工を施こし、このフィルタ濾材のプリーツ間をビート状接着剤により繋いで濾材パックを構成し、この濾材パックを枠体内にシール材を介して収納、固定した構造を有する。後者の大型のHEPAフィルタは、ガラス繊維同士をアクリル系等の有機バインダで結合したフィルタ濾材にプリーツ加工を施こし、このフィルタ濾材のプリーツ間に波状のセパレータを挿入して濾材パックを構成し、この濾材パックを枠体内にシール材を介して収納、固定した構造を有する。
前述した構成の空調・換気方式において、その給気ファン等を駆動すると、例えば病室内の空気が空調ダクト、吸込み口を通して空調機に導入され、空気中の比較的大きな塵埃がプレフィルタ(または中間フィルタ)で除去され、さらにHEPAフィルタで空気中の小さな細菌、カビが除去され、本体の吹出し口から清浄な空気を病室内に吹き出して病室内を無菌状態にする。
この空気の清浄化に際し、特にHEPAフィルタのフィルタ濾材面で粉塵と共に捕集された細菌およびカビは室内の温度、湿度等の環境条件によって繁殖して室内が二次汚染される可能性がある。また、前記フィルタの保守点検時に感染性の危険な微生物が生存している可能性があり、取扱者の安全確保が課題になっている。
このようなことから、前記空調・換気方式のHEPAフィルタの例えば前面に紫外線ランプを配置し、このランプから紫外線を前記HEPAフィルタのフィルタ濾材面に照射してそのフィルタ濾材面に捕集、付着された細菌、カビを死滅除去することが考えられている。
しかしながら、前述した空調・換気方式に組み込まれるHEPAフィルタのフィルタ濾材はガラス繊維同士をアクリル系樹脂等の有機バインダで結合した構造であるため、紫外線照射においてその有機バインダが分解されてその結合機能が失われ、ガラス繊維がばらばらになる。その結果、前記フィルタ濾材を有する濾材パックの強度が低下してフィルタ性能を維持できなくなる問題があった。
本発明は、殺菌のために紫外線に曝露されてもフィルタ濾材のガラス繊維同士の結合強度を保持し、ひいては濾材パックの強度を維持することが可能な空気清浄機用フィルタを提供しようとするものである。
本発明の一態様によると、殺菌のために紫外線に曝露され、濾材パックを枠体内にシール材を介して収納、固定した空気清浄機用フィルタであって、
前記濾材パックは、ガラス繊維同士を無機系バインダ単独、または無機系物質および有機樹脂からなる混合バインダで結合したフィルタ濾材にプリーツ加工を施こし、このフィルタ濾材のプリーツ間をビート状接着剤で繋いだ構造を有することを特徴とする空気清浄機用フィルタが提供される。
本発明の別な態様によると、殺菌のために紫外線に曝露され、濾材パックを枠体内にシール材を介して収納、固定した空気清浄機用フィルタであって、
前記濾材パックは、ガラス繊維同士を無機系バインダ単独、または無機系物質および有機樹脂からなる混合バインダで結合したフィルタ濾材にプリーツ加工を施こし、このフィルタ濾材のプリーツ間に波状のセパレータを挿入した構造を有することを特徴とする空気清浄機用フィルタが提供される。
本発明は、殺菌のために紫外線に曝露されても、堅牢でかつ塵埃、殺菌およびカビなどの捕集性能を長期間に亘って維持することが可能な空気清浄機用フィルタを提供することができる。
以下、本発明に係る空気清浄機用フィルタを図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、この第1実施形態の空気清浄機用フィルタであるミニプリーツHEPAフィルタを示す部分切欠斜視図である。
図1中の1は、濾材パックである。この濾材パック1は、プリーツ加工されたフィルタ濾材2間にビード状接着剤層3をそのフィルタ濾材2の高さ方向の中間付近で水平方向に延びるように形成し、前記フィルタ濾材2間を繋ぎ止めることにより構成されている。前記濾材パック1は、枠体4内に収納され、かつその濾材パック1の下面でシール材5を介してその枠体4に固定されている。
前記フィルタ濾材は、ガラス繊維同士を無機系バインダ単独または無機系物質と有機樹脂からなる混合バインダにより結合した構造を有する。このフィルタ濾材は、200〜900μmの厚さを有することが好ましい。
前記ガラス繊維は、例えば繊維径0.2〜20μmのものを数種類混合して用いられる。混合比率を変えることによりフィルタ濾材の孔径を制御して空気清浄機用フィルタの様々なグレードのフィルタ濾材を得ることができる。
前記無機系バインダとしては、例えばシリカ、タルク、カオリン鉱物、ベントナイト(活性ベントナイトを含む)、珪藻土、アルミナ(活性アルミナを含む)、シリカとアルミナの混合物、ケイ酸アルミニウム、リボン状構造の含水ケイ酸マグネシウムおよび合成ゼオライトの群から選ばれる少なくとも1種からなる無機系物質を用いることができる。
特に、前記無機バインダとしてはオルガノシランおよびこのオルガノシランの加水分解縮合物であるオルガノシロキサンを原料としたシリカが好ましい。このオルガノシランとしては、例えばテトラクロロシラン、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、テトラメチルシラン、テトラエチルシラン、テトラプロピルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメチルシラザン、テトラエチルシラザン、テトラプロピルシラザン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
このようなシリカからなる無機系バインダは、ガラス繊維に対する結合性が高く、かつガラス繊維間に形成された結合膜自体の強度も高いため、添加するシリカ量を少なくしても得られたフィルタ濾材の強度の向上およびフィルタ濾材のプリーツ加工性を向上できる。なお、前記シリカは後述するフィルタ濾材の製造においてメチルアルコールのようなアルコールの溶液として用いられる。
前記ガラス繊維に対する前記無機系バインダの付着量は、0.1〜5重量%にすることが好ましい。この無機系バインダの付着量を0.1重量%未満にすると、前記ガラス繊維同士の結合性が低下して十分な強度を有するフィルタ濾材を得ることが困難になる。一方、前記無機系バインダの付着量が5重量%を超えると、得られたフィルタ濾材が硬く、脆くなってプリーツ加工性が低下する虞がある。なお、無機バインダとしてオルガノシランおよびこのオルガノシランの加水分解縮合物であるオルガノシロキサンを原料としたシリカを用いた場合には、前記ガラス繊維に対する前記無機系バインダの付着量を0.5〜3重量%にすることが好ましい。
前記混合バインダは、無機系物質と共に有機樹脂を含むため、ガラス繊維を結合して得られたフィルタ濾材は前記無機系バインダを用いたフィルタ濾材に比べて適度な柔軟性を有すると共に硬さを高めることができる。その結果、フィルタ濾材のプリーツ加工性を向上できる。
前記混合バインダ中の無機系物質は、前記無機系バインダで使用されたものと同様なものが用いられる。特に、この無機系物質はオルガノシランおよびこのオルガノシランの加水分解縮合物であるオルガノシロキサンを原料としたシリカであることが好ましい。
前記混合バインダ中の有機樹脂は、無機系物質に対して相溶性を有することが好ましく、例えばアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系(SBR)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系(NBR)樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン系(MBR)樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂など、様々な樹脂の中から選択される。特に、アクリル系樹脂は耐候性が高いために好ましい。ここで、アクリル系樹脂としてはアクリル酸エステル単独樹脂、およびアクリル酸エステルとメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸などとの共重合物等を挙げることができる。
前記ガラス繊維に対する前記混合バインダの付着量は、0.5〜10重量%にすることが好ましい。この混合バインダの付着量を0.5重量%未満にすると、前記ガラス繊維同士の結合性が低下して十分な強度を有するフィルタ濾材を得ることが困難になる。一方、前記無機系バインダの付着量が10重量%を超えると、得られたフィルタ濾材の目開きが減少してフィルタ性能が低下する虞がある。また、前記混合バインダ中の無機系物質と有機樹脂の配合割合は、重量比で90:10〜10:90にすることが好ましい。有機樹脂の配合割合を10未満にすると、その有機樹脂の配合効果であるプリーツ加工性を向上することが困難になる。一方、有機樹脂の配合割合が90を超えると、ガラス繊維が専ら有機樹脂で結合され、紫外線に曝露により有機樹脂が分解されてその結合機能が失われる虞がある。
特に、前記混合バインダをオルガノシランおよびこのオルガノシランの加水分解縮合物であるオルガノシロキサンを原料としたシリカとアクリル系樹脂で構成した場合には前記ガラス繊維に対する前記混合バインダの付着量を1〜7重量%、前記シリカとアクリル系樹脂との配合割合を重量比で90:10〜10:90、より好ましくは90:10〜40:60にすることが望ましい。
次に、前記フィルタ濾材の製造方法を説明する。
まず、所望配合のガラス繊維を水中に投入し、パルパー(分散機)を用いて離解、分散させスラリーを調製する。つづいて、このスラリーを抄紙機にて抄紙し、湿紙を形成する。ひきつづき、この湿紙に前述した無機バインダ単独、または無機系物質および有機樹脂からなる混合バインダを含浸処理する。含浸後のシートを乾燥機で乾燥させることによりフィルタ濾材を製造する。
前記スラリーの調製において、ガラス繊維の分散性を向上するために硫酸や塩酸を添加しpHを2〜4程度に調製するか、または中性条件下においては分散剤を添加することが好ましい。
前記バインダとして混合バインダを用いる場合には、有機樹脂をスラリーの調製時の離解の際に予め添加することを許容する。
前記乾燥処理は、特に限定されないが、熱風乾燥機やロータリードライヤー等を用いて例えば110〜150℃で行われる。
前記バインダの含浸は、抄紙直後の湿紙を対象にする場合に限らず、一旦乾燥した後の湿紙を対象にしてもよい。この場合、含浸処理後に再度乾燥する。
前記プリーツ加工されたフィルタ濾材間を繋ぐビード状接着剤層は、1本に限らず複数本にしてもよい。ビード状接着剤としては、通常、シリコーン樹脂が用いられるが、紫外線に対する耐性が高い酸化ケイ素酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等の無機系ペースト状物が好ましい。
前記濾材パックを枠体に固定するためのシール材は、紫外線に対する耐性が高いセラミックやガラスなどの無機質状物が好ましい。
以上、本発明の第1実施形態によれば、濾材パック1を構成するフィルタ濾材2をガラス繊維同士を無機系バインダ単独または無機系物質と有機樹脂からなる混合バインダにより結合した構造にすることによって、前記濾材パックを殺菌する目的で紫外線に曝露されても前記バインダを構成する無機系物質の分解を防止できるため、フィルタ濾材のガラス繊維同士の結合強度を保持して濾材パック1の強度を維持できる。その結果、堅牢でかつ塵埃、殺菌およびカビなどの捕集性能を長期間に亘って維持することが可能なミニプリーツHEPAフィルタを提供できる。
特に、無機バインダとしてオルガノシランおよびこのオルガノシランの加水分解縮合物であるオルガノシロキサンを原料としたシリカを用いることによって、濾材パックを殺菌する目的で紫外線に曝露されてもフィルタ濾材のガラス繊維同士の結合強度をより一層強固に保持できるため、堅牢でかつ塵埃、殺菌およびカビなどの捕集性能をより長期間に亘って維持することが可能なミニプリーツHEPAフィルタを提供できる。
また、プリーツ加工されたフィルタ濾材2間を繋ぐビード状接着剤層3、濾材パック1を枠体4に固定するためのシール材5を無機系材料で形成すれば、前記濾材パック1を殺菌する目的で紫外線に曝露されてもフィルタ濾材2間の結合強度、枠体4に対する濾材パック1の固定性を向上できる。
(第2実施形態)
図2は、この第2実施形態の空気清浄機用フィルタである大型のHEPAフィルタを示す部分切欠斜視図である。
図2中の11は、濾材パックである。この濾材パック11は、プリーツ加工されたフィルタ濾材12間に例えばアルミニウムからなる波形のセパレータ13をそれぞれ挿入することにより構成されている。底板14および天板15は、前記濾材パック11の上下面にシール材16を介して固定され、かつ2枚の側板17、18を前記底板14および天板15の両端部に固定することにより、これら底板14、天板15および2枚の側板17、18で構成される枠体内に前記濾材パック11を収納している。なお、前記底板14の前端および後端には前記シール材16の流出止め用堰19がそれぞれ上方に向けて取り付けられている。同様に、前記天板15の前端および後端にはシール材16の流出止め用堰20がそれぞれ下方に向けて取り付けられている。
前記フィルタ濾材は、前述した第1実施形態と同様、ガラス繊維同士を無機系バインダ単独または無機系物質と有機樹脂からなる混合バインダにより結合した構造を有する。
前記濾材パックを枠体に固定するためのシール材は、紫外線に対する耐性が高いセラミックやガラスなどの無機質状物が好ましい。
以上、本発明の第2実施形態によれば、濾材パック11を構成するフィルタ濾材12をガラス繊維同士を無機系バインダ単独または無機系物質と有機樹脂からなる混合バインダにより結合した構造にすることによって、第1実施形態で説明したのと同様、堅牢でかつ塵埃、殺菌およびカビなどの捕集性能を長期間に亘って維持することが可能なHEPAフィルタを提供できる。
特に、無機バインダとしてオルガノシランおよびこのオルガノシランの加水分解縮合物であるオルガノシロキサンを原料としたシリカを用いることによって、濾材パックを殺菌する目的で紫外線に曝露されてもフィルタ濾材のガラス繊維同士の結合強度をより一層強固に保持できるため、堅牢でかつ塵埃、殺菌およびカビなどの捕集性能をより長期間に亘って維持することが可能なHEPAフィルタを提供できる。
また、濾材パック11を枠体に固定するためのシール材16を無機系材料で形成すれば、枠体に対する濾材パック11の固定性を向上できる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
まず、繊維径0.2〜20μmのガラス繊維を数種類混合し、これらのガラス繊維を濃度0.5%、pH2.5の硫酸酸性水に投入し、パルパー(分散機)を用いて離解、分散させスラリーを調製した。つづいて、このスラリーを抄紙機にて抄紙し、湿紙を形成した。ひきつづき、この湿紙をメチルトリメトキシシランの加水分解縮合物であるポリメチルポリメトキシポリシロキサンから得られたシリカを主成分とした固形分濃度1.0重量%のメチルアルコール溶液(無機バインダ溶液)に浸漬して、前記湿紙のガラス繊維にシリカを含浸させた。その後、130℃のロールドライヤで乾燥させることによってバインダ付着量2重量%、厚さ350μmのフィルタ濾材を製造した。
(実施例2)
バインダ溶液としてメチルトリメトキシシランの加水分解縮合物であるポリメチルポリメトキシポリシロキサンから得られたシリカを主成分とした固形分濃度2.0重量%のメチルアルコール溶液50重量部と、アクリル系樹脂(大日本インキ化学工業社製商品名:ボンコートAN−258)を水に希釈した固形分濃度2.0重量%の水溶液50重量部との混合液を用いた以外、実施例1と同様な方法によりバインダ付着量4重量%、厚さ400μmのフィルタ濾材を製造した。
(比較例1)
バインダ溶液としてアクリル系樹脂(大日本インキ化学工業社製商品名:ボンコートAN−258)を水に希釈した固形分濃度1.8重量%の水溶液を用いた以外、実施例1と同様な方法によりバインダ付着量7重量%、厚さ400μmのフィルタ濾材を製造した。
得られた実施例1、2および比較例1のフィルタ濾材から200mm×300mmのサンプルをそれぞれ6枚切り出し、2枚を引張強度試験用、2枚を圧力損失試験用、残りの2枚をDOP捕集効率試験用に供した。
1)引張試験
サンプル中央部の120mm×120mmの領域に30mWの紫外線ランプから紫外線(UV)を48時間照射した。このサンプルの紫外線非照射部から幅10mm、長さ100mmの測定用サンプル5枚を切り出した。また、紫外線未照射のサンプルから幅10mm、長さ100mmの測定用サンプル5枚を切り出した。これら測定用サンプルの両端をスパンが10mmになるように挟持し、クロスヘッドスピード150mm/sの条件で引張強度を測定し、紫外線未照射サンプルおよび紫外線照射サンプル各5枚の平均値を求めた。その結果を下記表1に示す。
2)圧力損失
1枚目のサンプル中央部の120mm×120mmの領域に30mWの紫外線ランプから紫外線(UV)を48時間照射した。このサンプルの紫外線照射部から120mm×120mmの測定用サンプルを切り出した。2枚目の紫外線未照射のサンプルから120mm×120mmの測定用サンプル(ブランク)を切り出した。マノメータを用いて、前記各測定用サンプルの有効面積10000mm2の領域に面風速5.3cm/sで通過させたときの差圧を測定した。その結果を下記表1に示す。
3)DOP捕集効率
1枚目のサンプル中央部の120mm×120mmの領域に30mWの紫外線ランプから紫外線(UV)を48時間照射した。このサンプルの紫外線照射部から120mm×120mmの測定用サンプルを切り出した。2枚目の紫外線未照射のサンプルから120mm×120mmの測定用サンプル(ブランク)を切り出した。レーザパーティクルカウタを用いて、ラスキングノズルで発生させた粒径0.3〜0.4μmの多分散DOP粒子を含む空気を前記各測定用サンプルの有効面積10000mm2の領域に面風速5.3cm/sで通過させたときのDOP捕集効率を測定した。その結果を下記表1に示す。
なお、下記表1にはフィルタ濾材のバインダの種類、量および濾材の目付けを併記した。
Figure 0004195851
前記表1から明らかなように有機バインダのみを用いてガラス繊維を結合した比較例1のフィルタ濾材は、UV照射後において引張強度、圧力損失およびDOP捕集効率の特性(特に引張強度)が低下し、フィルタ性能を維持できなくなることがわかる。
これに対し、無機系物質を含むバインダを用いてガラス繊維を結合した実施例1,2のフィルタ濾材は、UV照射後においても前記特性の低下が殆どなく、優れたフィルタ性能を維持できることがわかる。
また、前記実施例1、2および比較例1のフィルタ濾材を用いて前述した図1に示すミニプリーツHEPAフィルタ(縦幅610mm、横幅610mm、奥行き65mm)を組み立てた。
得られた各ミニプリーツHEPAフィルタについて、JISB 9908に準拠して濾過面風速0.5m/sでの圧力損失および粒径0.3μm粒子の捕集効率を測定した。その結果を下記表2に示す。
Figure 0004195851
前記表2から明らかなように実施例1,2のフィルタ濾材を組み込んだミニプリーツHEPAフィルタは、有機バインダのみを用いてガラス繊維を結合した比較例1のフィルタ濾材を組み込んだミニプリーツHEPAフィルタと同等のフィルタ性能を有し、無機バインダの使用によるフィルタ性能の悪影響が皆無であることが確認された。
以上詳述したように本発明によれば、殺菌のために紫外線に曝露されても、堅牢でかつ塵埃、殺菌およびカビなどの捕集性能を長期間に亘って維持することが可能で、医療施設,医薬品工場,実験動物敷設の空気清浄化、無菌化を図る空調・換気設備に有用な空気清浄機用フィルタを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るミニプリーツHEPAフィルタを示す部分切欠斜視図。 本発明の第1実施形態に係る大型のHEPAフィルタを示す部分切欠斜視図。
符号の説明
1,11…濾材パック、2,12…フィルタ濾材、3…ビード状接着剤層、4…枠体、5、16…シール材、13…セパレータ。

Claims (6)

  1. 殺菌のために紫外線に曝露され、濾材パックを枠体内にシール材を介して収納、固定した空気清浄機用フィルタであって、
    前記濾材パックは、ガラス繊維同士を無機系バインダ単独、または無機系物質および有機樹脂からなる混合バインダで結合したフィルタ濾材にプリーツ加工を施こし、このフィルタ濾材のプリーツ間をビート状接着剤で繋いだ構造を有することを特徴とする空気清浄機用フィルタ。
  2. 殺菌のために紫外線に曝露され、濾材パックを枠体内にシール材を介して収納、固定した空気清浄機用フィルタであって、
    前記濾材パックは、ガラス繊維同士を無機系バインダ単独、または無機系物質および有機樹脂からなる混合バインダで結合したフィルタ濾材にプリーツ加工を施こし、このフィルタ濾材のプリーツ間に波状のセパレータを挿入した構造を有することを特徴とする空気清浄機用フィルタ。
  3. 前記無機系バインダは、オルガノシランおよびオルガノシランの加水分解縮合物であるオルガノシロキサンを原料としたシリカであることを特徴とする請求項1または2記載の空気清浄機用フィルタ。
  4. 前記混合バインダは、オルガノシランおよびオルガノシランの加水分解縮合物であるオルガノシロキサンを原料としたシリカとアクリル系樹脂からなる組成を有することを特徴とする請求項1または2記載の空気清浄機用フィルタ。
  5. 前記ビート状接着剤は、無機系の接着剤であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機用フィルタ。
  6. 前記シール材は、無機系シール材であることを特徴とする請求項1または2記載の空気清浄機用フィルタ。
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