JP4195606B2 - モーションコントロール装置、これの操作情報を生成する操作情報生成装置及び操作情報生成プログラム - Google Patents

モーションコントロール装置、これの操作情報を生成する操作情報生成装置及び操作情報生成プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラの位置や角度、フォーカス等を制御するモーションコントロール装置、これの操作情報を生成する操作情報生成装置及び操作情報生成プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、被写体を撮影するカメラの位置(ポジション)、角度(アングル)または被写体のサイズ(フレーム)等を連続して変化させる、いわゆるカメラワークを実現し、活動的な映像を作成可能とするモーションコントロール装置は、複雑なカメラワークを実現するためにカメラのポジション、アングル、カメラレンズのフォーカス等を制御する多数の機構を備えている。
【0003】
また、このような従来のモーションコントロール装置は、カメラの移動範囲を確保するため及び多数の機構を実装するため、大型で重厚である。例えば、非特許文献1に示すように、従来のモーションコントロール装置は、カメラを吊設するクレーン部や装置本体部が滑動できるようにレール等を備えている。
【0004】
【非特許文献1】
“TECHNICAL INFOMATION 〜技術情報”、[online]、[平成14年10月28日検索]、インターネット<URL: http://www.imagica.com/ve/sfx/#techinfo>
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のモーションコントロール装置は、高機能かつ大型であるために高価であり、また、当該装置の操作には専門知識が必要になるといった問題があった。
【0006】
さらに、従来のモーションコントロール装置は、大型で重厚であるために容易に運搬することができない、すなわち可搬性がないといった問題があった。
【0007】
このような問題から、従来のモーションコントロール装置の利用は、予算に余裕の番組等に限定されるとともに、当該装置を利用できる場所もスタジオ等に限定されるといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上述の問題を解決すべくなされたものであり、小型化及び軽量化を図ることにより可搬性に優れ、操作が容易なカメラ用モーションコントロール装置、これの操作情報を生成する操作情報生成装置及び操作情報生成プログラムを提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、被写体を撮影するカメラの位置を連続的に変化させるモーションコントロール装置であって、前記被写体が載置される被写体載置部と、前記カメラが装着されるカメラ装着部と、前記カメラ装着部を支持し、前記被写体載置部の中心部を通り前記被写体載置部に垂直な直線を回転軸として回転することにより前記被写体の周囲に形成される円軌道上の任意の位置へ前記カメラ装着部移動可能なレール部と、前記レール部が任意の位置へ移動可能に前記レール部の回転を制御する制御手段とを備えたことことを要旨とする。
【0010】
かかる特徴によれば、被写体載置部の中心部を通り被写体載置部に垂直な直線を回転軸として回転するレール部のみによりカメラのポジションが決定されることから構造が簡素であるため、装置の小型化及び軽量化が図れ、優れた可搬性を具備させることができる。
【0011】
かかる特徴によれば、カメラが被写体をほぼ中心とした円軌道上を移動するため、当該円軌道上の任意の位置から被写体を撮影することができる。
【0012】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴において、カメラ装着部が、レール部に沿って任意の高さに移動可能に構成されており、制御手段が、被写体を任意の高さから撮影可能にカメラ装着部の移動を制御することが好ましい。
【0013】
かかる特徴によれば、カメラ装着部がレール部に沿って移動するため、任意の高さから被写体を撮影することができる。
【0014】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、レール部が、被写体とカメラ装着部との間隔が一定になるような構造を有していることが好ましい。
【0015】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、レール部が、弓状の形状を有することが好ましい。
【0016】
かかる特徴によれば、レール部が弓状の形状を有するため、レール部が回転することによって形成される球面上の任意の位置から被写体を撮影することができる。
【0017】
本発明の第5の特徴は、本発明の第2の特徴において、レール部が、被写体載置部に対して概垂直方向に立設する垂直レール部材と、垂直レール部材と概直交方向に交差した状態で係着され、垂直レール部材に沿って移動するとともに、垂直レール部材に対して概直交方向に移動する交差レール部材と、垂直レール部材を被写体載置部の中心部を通り被写体載置部に垂直な直線を回転軸として回転可能に支持する支持部材とを有し、カメラ装着部が、交差レール部材に係着されることが好ましい。
【0018】
かかる特徴によれば、交差レール部材が、垂直レール部材に沿って移動するとともに、垂直レール部材に対して概直交方向に移動するため、レール部が回転することによって形成される球面上の任意の位置から被写体を撮影することができる。
【0019】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、カメラ装着部が、カメラのフォーカスまたはズーム率を変化させる機構を有し、制御手段が、カメラ装着部に対するカメラのフォーカスまたはズーム率をさらに制御することが好ましい。
【0020】
かかる特徴によれば、カメラ装着部が、カメラのフォーカスまたはズームを変化させるため、適切かつ効果的に被写体を撮影することができる。
【0021】
本発明の第7の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、カメラ装着部が、カメラをパンまたはチルトさせる機構をさらに有し、制御手段が、カメラ装着部に対するカメラのパンまたはチルトをさらに制御することが好ましい。
【0022】
本発明の第8の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、カメラ装着部が、カメラをロールさせる機構をさらに有し、制御手段が、カメラ装着部に対するカメラのロールをさらに制御することが好ましい。
【0023】
かかる特徴によれば、カメラ装着部が、カメラのアングルを変化させるため、さらに適切かつ効果的に被写体を撮影することができる。
【0024】
本発明の第9の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、レール部またはカメラ装着部に対する制御の情報を記憶する記憶手段をさらに備えることが好ましい。
【0025】
かかる特徴によれば、記憶部が制御の情報を記憶するため、記憶されている制御の情報に基づいて、一連のカメラの動作を再現することができる。
【0026】
本発明の第10の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、レール部またはカメラ装着部に対する制御の情報を送受信する通信手段をさらに備えることが好ましい。
【0027】
かかる特徴によれば、送受信手段が制御の情報を送受信するため、他のモーションコントロール装置との間において通信ネットワーク等を介して制御の情報を送受信することによって、同一の制御の情報に基づいて複数のモーションコントロール装置を同期して動作させることができる。
【0028】
本発明の第11の特徴は、被写体を撮影するカメラの位置を連続的に変化させるモーションコントロール装置に対する操作の情報を生成する操作情報生成装置であって、前記モーションコントロール装置は、前記被写体が載置される被写体載置部と、前記カメラが装着されるカメラ装着部と、前記カメラ装着部を支持し、前記被写体載置部の中心部を通り前記被写体載置部に垂直な直線を回転軸として回転することにより前記被写体の周囲に形成される円軌道上の任意の位置へ前記カメラ装着部移動可能なレール部と、前記レール部の回転を制御する制御手段とを備え、前記カメラ装着部は、前記レール部に沿って任意の高さに移動可能に構成されており、前記操作情報生成装置は、前記レール部または前記カメラ装着部に対する所望の操作の情報を取得する操作情報取得部と、取得された前記操作の情報に基づいて前記制御手段に対する制御の情報を生成する制御情報生成部と、前記制御情報生成部によって生成された前記制御の情報に基づいて、前記レール部または前記カメラ装着部が動作することによって撮影される前記被写体の擬似映像を生成して表示する擬似映像表示部と、前記制御情報生成部によって生成された前記制御の情報を前記モーションコントロール装置に送信する送信部とを備えることを要旨とする。
【0029】
本発明の第12の特徴は、被写体を撮影するカメラの位置を連続的に変化させるモーションコントロール装置に対する操作の情報の生成処理をコンピュータに実行させる操作情報生成プログラムであって、前記モーションコントロール装置は、前記被写体が載置される被写体載置部と、前記カメラが装着されるカメラ装着部と、前記カメラ装着部を支持し、前記被写体載置部の中心部を通り前記被写体載置部に垂直な直線を回転軸として回転することにより前記被写体の周囲に形成される円軌道上の任意の位置へ前記カメラ装着部移動可能なレール部と、前記レール部の回転を制御する制御手段とを備え、前記カメラ装着部は、前記レール部に沿って任意の高さに移動可能に構成されており、前記操作情報生成プログラムは、前記レール部または前記カメラ装着部に対する所望の操作の情報を取得する操作情報取得処理と、取得された前記操作の情報に基づいて前記制御手段に対する制御の情報を生成する制御情報生成処理と、前記制御情報生成処理によって生成された前記制御の情報に基づいて、前記レール部または前記カメラ装着部が動作することによって撮影される前記被写体の擬似映像を生成して表示する擬似映像表示処理と、前記制御情報生成処理によって生成された前記制御の情報を前記モーションコントロール装置に送信する送信処理とを有することを要旨とする。
【0030】
かかる特徴によれば、取得されたカメラの操作の情報に基づいて、撮影される被写体の擬似映像が表示されるとともに、取得されたカメラの操作の情報に基づいて制御手段に対する制御の情報が生成されるため、専門知識のない操作者でもモーションコントロール装置を容易に取り扱うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(本実施形態に係るモーションコントロール装置の概略構成)
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、本実施形態に係るモーションコントロール装置の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係るモーションコントロール装置の概略斜視図である。
【0032】
同図に示すように、本実施形態に係るモーションコントロール装置は、被写体載置部1と、カメラ装着部2と、レール部3と、θ軸モータ4と、脚部5と、制御ボックス10とを備えている。
【0033】
被写体載置部1は、被写体7を載置するものであり、本実施形態では、円形の形状を有し、脚部5によって支持、固定される。なお、被写体載置部1は、レール部3の回転に支障を及ぼさない形状であればよく、例えば、正方形や多角形の形状を有するものであってもよい。また、図1には、被写体載置部1に載置される被写体7として人物(女性)が図示されているが、被写体載置部1に載置可能な物体であればどのようなものでもよく、例えば、犬や猫等の動物であってもよい。
【0034】
カメラ装着部2は、カメラ6を装着するものである。また、カメラ装着部2は、レール部3によって支持され、レール部3に沿って移動することができる。具体的には、カメラ装着部2は、レール部3が形成する弓状部分の上端から下端までの範囲において、制御ボックス10等からの制御に基づいて移動することができる。
【0035】
また、カメラ装着部2は、装着されるカメラ6のカメラレンズのフォーカス(焦点)及びズーム倍率を変化させる機構を有している。さらに、カメラ装着部2は、装着されるカメラ6のアングルを水平(左右)方向に変化(パン)、及び垂直(上下)方向に変化(チルト)させる機構も有している。
【0036】
なお、カメラ装着部2は、装着されるカメラ6のカメラレンズの中心線を回転軸として、カメラ6を回転(ロール)させる機構を実装することができる。カメラ装着部2へのカメラ6のロール機構の実装は、ロール機構の必要性と、ロール機構の実装に伴うモーションコントロール装置の価格上昇や重量増加とを比較し、必要な場合にロール機構を実装した装置を製作すればよい。また、上述したフォーカス、ズーム、パンならびにチルト機構についても、モーションコントロール装置の用途に応じて、必要な機構のみを実装させることもできる。
【0037】
レール部3は、カメラ装着部2を支持し、被写体載置部1の中心部を通り被写体載置部1に垂直な直線を回転軸として回転することにより、被写体7の周囲に形成される円軌道上の任意の位置へカメラ装着部2を移動させるものである。本実施形態に係るレール部3は、円弧を形成する弓状部分と、θ軸モータ4に固着される方形板部分とによって構成される。レール部3によって形成される円弧は、図1に示すように、被写体載置部1に載置された被写体7の頭部部分が概ね中心点となるように構成され、カメラ装着部2が当該円弧に沿って移動した場合においても、カメラ装着部2と被写体7との距離が常に一定となるようになっている。
【0038】
θ軸モータ4は、レール部3の方形板部分と固着され、制御ボックス10等からの制御に基づいて、時計回りまたは反時計回りに回転するものである。θ軸モータ4が回転することにより、レール部3と、レール部3によって支持されているカメラ装着部2とが、被写体7をほぼ中心点とした円軌道上を移動させられることによって、カメラ6は、当該円軌道上の任意の方向から被写体7を撮影することができる。
【0039】
さらに、上述したカメラ装着部2がレール部3に沿って移動することができるため、レール部3の回転とカメラ装着部2のレール部3に沿った移動とを制御することにより、カメラ6は、当該円軌道上の任意の方向かつ任意の高さから被写体7を撮影することができる。すなわち、レール部3の回転とカメラ装着部2のレール部3に沿った移動とによって形成される球面上の任意の位置にカメラ6を移動しながら被写体7を撮影することによって、被写体7に対する撮影ポジション(位置)が連続的に変化する活動的な動画像を作成することができる。
【0040】
本実施形態では、θ軸モータ4として円盤形のリニアモータが用いられ、回転に伴うレール部3等の共振の低減、制御ボックス10等から送出される制御信号に対する応答性の向上ならびに位置決めの精度の向上を図っている。また、レール部3の方形板部分とθ軸モータ4とには、θ軸モータ4の回転軸方向に貫通する孔が設けられている。θ軸モータ4の下面は、脚部5に固着されるとともに、脚部5の一部を構成する円柱形部分が、レール部3の方形板部分とθ軸モータ4とに設けられている孔に挿通され、当該円柱形部分によって、被写体載置部1が支持、固定される。
【0041】
脚部5は、上述したように被写体載置部1及びθ軸モータ4を支持するものである。なお、図1において、脚部5は、十字形の形状を有しているが、被写体載置部1やレール部3を安定した状態で支持できる形状であればよい。
【0042】
制御ボックス10は、θ軸モータ4によるレール部3の回転、カメラ装着部2の移動及びカメラ装着部2が有しているフォーカス、ズーム、パン、チルト機構等を制御するものであり、本実施形態では、制御手段を構成する。本実施形態に係る制御ボックス10は、レール部3の方形板部分の端部に取り付けられ、レール部3の円滑な回転に寄与する、いわゆるバランスウェイトとしての機能も有している。なお、制御ボックス10内部の論理ブロック構成については、後述する。
【0043】
上述した構成を有する本実施形態に係るモーションコントロール装置によれば、θ軸モータ4によるレール部3の回転、カメラ装着部2の移動及びカメラ装着部2が有しているフォーカス、ズーム、パン、チルト機構等を逐次制御することによって、被写体7を撮影するカメラ6のポジションまたはアングルを連続的に変化させながら撮影することによって、被写体7に対する撮影ポジション(位置)及び撮影アングル(角度)が連続的に変化する活動的な動画像を作成することができる。
【0044】
(本実施形態に係るモーションコントロール装置の具体的構造例)
次に、図2及び図3を参照し、本実施形態に係るモーションコントロール装置の具体的構造例について説明する。なお、図2及び図3において、図1に示されている構成要素には、同一の符号が付与されているため、説明を要しない部分については、説明を省略する。
【0045】
図2(a)・(b)は、本実施形態に係るモーションコントロール装置の平面図・正面図をそれぞれ示している。
【0046】
図2に示すレール部3は、補強部材3aとワイヤー3bにより、弓状部分が補強されている。補強部材3aとワイヤー3bとによって弓状部分を補強することにより、レール部3が回転させられること等による振動の発生を低減し、被写体7の撮影に支障を与えるような振動がカメラ6に伝達することを防止することができる。
【0047】
また、図2(b)に示すように、レール部3は、被写体7の頭部を概ね中心点とした円弧を形成する2本のレール3c,3dと、レール3c及びレール3dを連結する連結部材3eとから構成され、レール3cによって、カメラ装着部2が支持される。なお、レール3c,3dによって形成される円弧の中心点付近に被写体7の頭部が位置できるように、被写体載置部1は、その上下方向の位置を調整する機構を具備している。
【0048】
図2(b)に示すように、カメラ装着部2には、ローラー31bが取り付けられ、カメラ装着部2がレール3c上を滑動できるように構成される。さらに、カメラ装着部2は、レール部3に具設されたプーリーとタイミングベルト(不図示)とを介して接続されるZ軸モータ31a(図2においては不図示)によって駆動され、レール3c上を移動することができる。なお、Z軸モータ31aは、例えば、レール部3の下端部の内部に設置することができる。
【0049】
図3(a)・(b)は、本実施形態に係るモーションコントロール装置の左側面図・正面図をそれぞれ示している。なお、図3(b)は、図3(a)に示す左側面図との対応関係を示すためのものであり、図2(b)と同一である。
【0050】
図3(a)に示すように、本実施形態に係るモーションコントロール装置は、2本のレール3dを有している。また、図3(a)には図示されていないが、本装置は、レール3dが形成する円弧の中心点側に位置する2本のレール3cを有している。
【0051】
図2及び図3に示すモーションコントロール装置は、輸送時等の運搬を容易にする、いわゆる可搬性を向上するため、例えば、被写体載置部1、レール部3、脚部5等の分解・組立が容易にできるようになっている。また、レール3c,3dを複数の部分に分割できる構造とするによって、さらに可搬性を向上させることができる。
【0052】
また、図2及び図3に示すモーションコントロール装置の構造は一実施例であり、その用途に応じて、被写体載置部1やレール部3のサイズを小型化または大型化した装置を製作することも勿論可能である。
【0053】
(本実施形態に係るモーションコントロール装置制御ボックス等のブロック構成)
次に、図4を参照し、本実施形態に係るモーションコントロール装置の制御ボックス10及び制御ボックス10と接続される構成要素の論理ブロック構成について説明する。
【0054】
制御ボックス10は、上述したように、θ軸モータ4によるレール部3の回転、カメラ装着部2の移動及びカメラ装着部2が有しているフォーカス、ズーム、パン、チルト機構等を制御するものである。本実施形態に係る制御ボックス10は、θ軸制御部11と、Z軸制御部12と、フォーカス制御部13と、ズーム制御部14と、パン制御部15と、チルト制御部16と、ロール制御部17と、制御情報記憶部18と、通信部19とを有している。
【0055】
また、制御ボックス10は、操作ボックス20や操作情報生成装置40等と接続されている。操作ボックス20及び操作情報生成装置40は、制御ボックス10に対して制御信号を送出することにより、θ軸モータ4やZ軸モータ31a等を制御するものである。なお、操作情報生成装置40の論理ブロック構成については、後述する。
【0056】
θ軸制御部11は、操作ボックス20または操作情報生成装置40から送出される制御信号に基づいて、θ軸モータ4の回転を制御するものである。θ軸モータ4は、上述したように、レール部3の方形板部分と固着され、θ軸モータ4が回転することにより、図1乃至図3に示すレール部3が回転させられるようになっている。
【0057】
Z軸制御部12は、操作ボックス20または操作情報生成装置40から送出される制御信号に基づいて、Z軸モータ31aの回転を制御するものである。Z軸モータ31aは、上述したように、プーリーとタイミングベルトとを介して、カメラ装着部2を駆動することができる。
【0058】
フォーカス制御部13は、操作ボックス20または操作情報生成装置40から送出される制御信号に基づいて、フォーカス制御モータ32aの回転を制御するものである。フォーカス制御モータ32aは、カメラ6のカメラレンズのフォーカスを制御することができるカメラレンズ制御モジュール33を介してカメラ6のカメラレンズのフォーカスを変化させることができる。
【0059】
ズーム制御部14は、操作ボックス20または操作情報生成装置40から送出される制御信号に基づいて、ズーム制御モータ32bの回転を制御するものである。ズーム制御モータ32bは、カメラレンズのズーム率を制御することができるカメラレンズ制御モジュール33を介してカメラ6のカメラレンズのズーム率を変化させることができる。
【0060】
なお、フォーカス制御モータ32a及びズーム制御モータ32bとカメラレンズ制御モジュール33とは、フレキシブルケーブルによって接続されており、フォーカス制御モータ32a及びズーム制御モータ32bは、例えば、レール部3の下端部の内部にZ軸モータ31aとともに設置することができる。
【0061】
パン制御部15は、操作ボックス20または操作情報生成装置40から送出される制御信号に基づいて、カメラ装着部2に実装されるパン制御モータ2aを制御するものである。パン制御モータ2aは、カメラ装着部2に装着されたカメラ6をパンさせることができる。
【0062】
チルト制御部16は、操作ボックス20または操作情報生成装置40から送出される制御信号に基づいて、カメラ装着部2に実装されるチルト制御モータ2bを制御するものである。チルト制御モータ2bは、カメラ装着部2に装着されたカメラ6をチルトさせることができる。
【0063】
なお、本実施形態に係るカメラ装着部2は、例えば、カメラ6による撮影のために一端面が空いているケース型の形状を有しており、カメラ6は、このケース内に具備された支持部材により、パン制御モータ2a及びチルト制御モータ2bによって、そのアングルを変化可能に支持される。
【0064】
また、本実施形態では、ロール制御部17をオプションとして実装することができる。ロール制御部17は、操作ボックス20または操作情報生成装置40から送出される制御信号に基づいて、カメラ装着部2に実装されるロール制御モータ2cを制御するものである。ロール制御モータ2cは、カメラ装着部2に装着されたカメラ6をロールさせることができる。
【0065】
制御情報記憶部18は、レール部3の回転を制御するθ軸モータ4、カメラ装着部2のレール部3に沿った移動及びカメラ装着部2に実装されたカメラ6のフォーカスやズーム機構等に対する制御情報を記憶するものであり、本実施形態では、記憶手段を構成する。具体的には、制御情報記憶部18は、操作ボックス20または操作情報生成装置40から送出された制御信号或いは通信部19を介して他のモーションコントロール装置から受信した制御信号に基づいて、各制御部に対する制御情報を一定時間記憶する。制御情報記憶部18は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリによって構成することができる。
【0066】
通信部19は、レール部3の回転を制御するθ軸モータ4、カメラ装着部2のレール部3に沿った移動及びカメラ装着部2に実装されたカメラ6のフォーカスやズーム機構等に対する制御情報を他のモーションコントロール装置との間において送受信するものであり、本実施形態では、送受信手段を構成する。具体的には、通信部19は、操作ボックス20または操作情報生成装置40から送出された上述の各制御部に対する制御信号に基づく制御情報或いは制御情報記憶部18に記憶されている制御情報を公衆電話回線網や専用回線等の通信ネットワークを介して送受信することができる。制御情報記憶部18は、例えばTTC(電信電話技術委員会)標準JT-I.430a/431a等に準拠したターミナル・アダプタによって構成することができる。
【0067】
操作ボックス20は、通信インターフェースを介して制御ボックス10と接続され、上述した各制御部の単独操作等の基本的な操作を実行するものである。本実施形態に係る操作ボックス20は、操作ボックス20に記憶された一連の制御情報に基づき制御ボックス10に対する制御信号を逐次送出し、各制御部を自動的に操作する機能(自動運転操作)も有している。また、操作ボックス20は、動作異常等の非常時にモーションコントロール装置の主電源を切断する非常ボタン22を有している。
【0068】
(本実施形態に係る操作情報生成装置及び操作情報生成プログラムの構成・動作)
次に、本実施形態に係るモーションコントロール装置に対する操作の情報を生成する操作情報生成装置及び操作情報生成プログラムの構成ならびに動作について説明する。
【0069】
図5は、本実施形態に係る操作情報生成装置40の論理ブロック構成を示す図である。同図に示すように、操作情報生成装置40は、ジョイスティック41と、操作情報取得部42と、制御情報生成部43と、擬似映像生成部44と、記憶部45と、送信部46と、表示部47とを有している。具体的には、汎用パーソナル・コンピュータ等に操作情報生成プログラムをインストールして実行することにより、操作情報生成装置40として動作させることができる。
【0070】
ジョイスティック41は、レール部3の回転方向とカメラ装着部2のレール部3に沿った移動方向を制御することにより、カメラ6のポジションを操作し、カメラワークを実現するものである。さらに、本実施形態に係るジョイスティック41は、カメラ6のカメラレンズのフォーカス及びズーム倍率を変化させるための操作機構ならびにカメラ6をパンやチルトさせるため等の操作機構を有している。当該操作機構は、例えば押ボタンやジョイステッィクにより構成することができる。
【0071】
また、本実施形態では、ジョイスティック41に代えて、キーボードを利用してカメラ6のポジションを数値により指定する方法や、マウスを利用してカメラ6のポジションをポイント指定する方法を用いることもできる。
【0072】
操作情報取得部42は、ジョイスティック41等によって入力されたレール部3またはカメラ装着部2に対する所望の操作情報を取得するものである。具体的には、操作情報取得部42は、ジョイスティック41やキーボード等と接続され、ジョイスティック41やキーボード等によって入力された操作情報を取得し、その取得した操作情報を制御情報生成部43に送出することができる。
【0073】
制御情報生成部43は、操作情報取得部42によって取得された操作情報に基づいて、上述した制御ボックス10の各制御部に対する制御情報を生成するものである。具体的には、制御情報生成部43は、操作情報取得部42によって取得された操作情報から、制御ボックス10の各制御部に対応する制御情報をそれぞれ生成することができる。さらに、制御情報生成部43は、生成した制御情報を擬似映像生成部44や送信部46等に送出する。
【0074】
擬似映像生成部44は、制御情報生成部43によって生成された制御情報に基づいて、レール部3またはカメラ装着部2が動作することによって撮影される被写体7の擬似的な映像(動画像)を生成するものである。具体的には、擬似映像生成部44は、制御情報生成部43によって生成されたレール部3またはカメラ装着部2に対する一連の制御情報に基づいて、レール部3またはカメラ装着部2が動作することにより、所望のポジション、アングル、フォーカス、ズーム倍率でカメラ6によって撮影される被写体7の擬似動画像を生成し、その生成された擬似動画像を表示部47に表示させることができる。
【0075】
記憶部45は、制御情報生成部43によって生成された制御情報を記憶するものである。具体的には、記憶部45は、操作情報生成装置40として動作させるために用いられる汎用パーソナル・コンピュータのハードディスクまたはメモリーカード等の外部記憶媒体により構成することができる。
【0076】
送信部46は、本実施形態では、制御情報生成部43によって生成された制御情報を上述した制御ボックス10に対して送信するものである。具体的には、送信部46は、例えばEIA RS-422インターフェースを複数有し、制御ボックス10の各制御部とRS-422インターフェースをそれぞれ介して接続することができる。
【0077】
表示部47は、擬似映像生成部44によって生成された擬似動画像を表示するものである。具体的には、表示部47は、本実施形態に係る操作情報生成装置40として動作させるために用いられる汎用パーソナル・コンピュータの表示器(液晶ディスプレイ等)により構成することができる。
【0078】
図6は、本実施形態に係る操作情報生成プログラムの操作画面例を示す図である。本実施形態では、操作画面60は、操作キー部61と、状態表示部62と、擬似映像表示部63とから構成されている。
【0079】
操作キー部61は、カメラ6に対する操作情報を生成するための処理や環境設定等を実行するための種々のキーを有している。
【0080】
「ファイル」キーは、カメラ6に対する操作情報(制御情報)ファイルの読み込みまたは書き込みを行うものである。
【0081】
「送信」キーは、操作情報生成装置40内に記憶されている操作情報をモーションコントロール装置に送信するものである。
【0082】
「環境設定」キーは、カメラ6の動作可能範囲等を指定するものである。
【0083】
「動作切替」キーは、カメラ6の連続的な操作またはカメラ6のポジションの指定等によるステップ動作のいずれかに切り替えるものである。
【0084】
「入力選択」キーは、カメラ6の操作情報を入力する入力方法を選択するものである。具体的には、「入力選択」キーにより、(1)ジョイスティック41を使用した連続的な入力、(2)ジョイスティック41を使用したカメラ6の位置のポイント指定による入力、(3)キーボードを使用したカメラ6の位置の数値指定による入力、(4)マウスを使用したカメラ6の位置のポイント指定による入力を選択することができる。
【0085】
「部分消去」キーは、指定された時間範囲の操作情報を消去するものである。また、「部分読込」キーは、予め操作情報生成装置40内に記憶されている操作情報から、指定された時間範囲の操作情報を読み込むものである。さらに、「部分登録」キーは、指定された時間範囲の操作情報を部分的な操作情報として登録するものである。これら「部分消去」、「部分読込」及び「部分登録」の機能を用いて、過去に生成された操作情報を組み合わせること等により、容易に操作情報を作成することができる。
【0086】
「音読込」キーは、音楽等に連動したカメラワークを実現する際に必要となる音情報を読み込むものである。読み込まれた音楽等の音情報は、ジョイスティック41を使用した操作情報の入力時に再生させることができる。
【0087】
「総時間設定」キーは、本実施形態に係るモーションコントロール装置を動作させるための総時間を設定するものである。なお、上述した「音読込」キーにより、音情報を読み込んだ場合には、当該音情報の記録時間を総時間とすることができる。
【0088】
「グラフ表示」キーは、生成された操作情報の単位時間毎におけるカメラ6のポジション、アングル、ズーム率の関係をグラフ化して表示するものである。
【0089】
状態表示部62は、カメラ6のポジションとズーム率を表示する「現在位置表示エリア」と生成された操作情報に基づいて擬似動画像を表示させた場合における経過時間を表示する「経過時間表示エリア」等を有している。本実施形態では、カメラ6の位置は、角度によって表示され、例えば図示されているように「上下:40°・左右:−45°」の場合は、カメラ6が被写体7の右斜め前方の上方に位置することを示している。
【0090】
また、状態表示部62は、生成された操作情報に基づいて擬似映像表示部63に擬似動画像を再生したり、任意の位置まで戻したり、また停止したりするための操作キーを有している。なお、状態表示部62は、パン機構やチルト機構等によって変化させられるカメラ6のアングルを表示する機能を具備することもできる。
【0091】
擬似映像表示部63は、ジョイスティック41等によって入力された操作情報に基づいて、擬似映像生成部44によって生成された擬似動画像を表示するものである。本実施形態に係る擬似映像表示部63は、例えば、被写体載置部1に載置される被写体7の周囲を一周する操作情報が生成された場合には、被写体7の正面、右側方、背面、左側方、そして正面に戻る一連の擬似動画像をコンピュータ・グラフィックスによって作成された人物の映像により表示することができる。
【0092】
このように、擬似映像表示部63が、入力された操作情報に基づいて、擬似的な映像(動画像)を表示することにより、カメラ6のポジションやアングル等を操作することにより撮影される被写体7の映像を確認しながら操作情報の生成や編集が可能となるため、モーションコントロール装置を用いたカメラ操作に関する専門的な知識を有さない者でも容易に適切な操作情報を生成することができる。
【0093】
(本実施形態に係るモーションコントロール装置の第1実施例)
図7は、本実施形態に係るモーションコントロール装置による一実施例を示す図である。本実施例は、本実施形態に係るモーションコントロール装置の可搬性を活用したものである。
【0094】
まず、図7(a)に示すように、スタジオ等において、例えば歌手である被写体7の曲に合わせて、被写体7を撮影するカメラ6の撮影ポジション及び撮影アングルを任意に変化させ、一連のカメラワークとして、カメラ6の操作情報を生成する。カメラ6の操作情報(制御情報)は、上述した操作情報生成装置40を用いて生成することができる。そして、生成されたカメラ6の制御情報を操作情報生成装置40からモーションコントロール装置に送信することにより、当該制御情報がモーションコントロール装置に記憶される。
【0095】
さらに、モーションコントロール装置に記憶された当該制御情報に基づいて、モーションコントロール装置を動作させ、被写体7を撮影する。なお、後に実行する画像合成処理(クロマキー)に備え、青色等のいわゆるクロマキー・バックを背景として撮影する。
【0096】
そして、当該制御情報が記憶されているモーションコントロール装置を所望の屋外の場所に運搬して設置する。例えば図7(b)に示すように、富士山の見える展望台に設置する。この展望台に設置されたモーションコントロール装置を当該制御情報に基づいて動作させ、カメラ6により撮影する。この場合、被写体7は不要であり、富士山の見える風景のみをカメラ6により撮影する。
【0097】
次いで、スタジオ内で撮影した被写体7の動画像と、富士山の見える展望台において撮影した富士山の風景の動画像を合成する。具体的には、スタジオ内で撮影した被写体7の動画像から被写体7の部分を抜き取り、画像合成処理装置を用いて、その抜き取った被写体7の動画像と、富士山の風景の動画像とを時間軸が一致するように合成する。
【0098】
すると、例えば図7(c)に示すような、富士山の風景を背景として、撮影ポジション及び撮影アングルを連続的に変化させながら被写体7が撮影された活動的な動画像を作成することができる。
【0099】
このように、従来の大型かつ重厚なモーションコントロール装置では実現することが困難であった本実施形態に係るモーションコントロール装置の可搬性を活用することにより、例えば多忙な歌手等がロケ地に赴くことなく、活動的な動画像を作成することが可能となる。
【0100】
また、上述した実施例は、例えばカラオケ店に流用することができる。この場合、所定のモーションコントロール装置の制御情報に基づいて撮影されたカラオケ用の動画像が予めカラオケ装置等に記憶されているものとする。カラオケ店の利用者が、カラオケ店に設置されたモーションコントロール装置の被写体載置部1に上がって選択した曲を歌う際に、上述したカラオケ用の動画像の撮影に用いた制御情報に基づいてモーションコントロール装置を動作させ、撮影された利用者の動画像とカラオケ装置等に記憶されている動画像とを合成することにより、カラオケ装置の表示器(CRTディスプレイ等)にその合成された動画像を表示させることができる。なお、このように店舗等の空間が制限された場所に本実施形態に係るモーションコントロール装置を設置する場合には、ズーム機構、パン機構、チルト機構等を省略するとともに、被写体載置部1やレール部3のサイズを小型化した装置を導入することもできる。
【0101】
また、このような可搬性に優れる本実施形態に係るモーションコントロール装置は、所定の場所にカメラを設置し、時間の経過による環境の変化、例えば四季折々の風景を撮影する場合等にも活用することができる。従来、このような定点における撮影は、同一の固定されたカメラの位置からの映像しか収録することができなかったが、本実施形態に係るモーションコントロール装置を用いることにより、同一の複雑なカメラワークを繰り返し再現することができ、この複雑なカメラワークにより、四季折々の環境の変化等を効果的に収録することができる。
【0102】
さらに、従来のモーションコントロール装置と比較して小型化・軽量化された本実施形態に係るモーションコントロール装置は、コンサート会場における補助ステージ(サブステージ)として容易に利用することができる。
【0103】
この場合、歌手等が所定のタイミング(例えばある曲の開始時)でモーションコントロール装置の被写体載置部1に上がると同時にモーションコントロール装置を予め記憶された制御情報に基づいて動作させる。このモーションコントロール装置に装着されたカメラ6により被写体7である歌手等が撮影され、その撮影された動画像をコンサート会場に設置されたスクリーン等に表示させることができる。
【0104】
従来、コンサート会場では、歌手等の映像をコンサート会場に設置されたスクリーンに表示させるため、カメラマンが歌手等の近傍からカメラを用いて撮影する方法が採られていたが、観客の視界を妨げないよう限定された位置からしか撮影することができなかった。本実施形態に係るモーションコントロール装置をコンサート会場等で用いることにより、観客の視界を殆ど妨げずに被写体7をより多様なカメラのポジションやアングルにより撮影することができる。
【0105】
(本実施形態に係るモーションコントロール装置の第2実施例)
次に、図8を参照し、本実施形態に係るモーションコントロール装置の他の実施例について説明する。本実施例は、本実施形態に係るモーションコントロール装置が有する通信機能(図4において説明した通信部19)を活用し、複数のモーションコントロール装置を同期して動作させるものである。
【0106】
具体的には、A地点の話者7a(男性)とB地点の話者7b(女性)とが、あたかも同一の場所で対談している効果を実現するものである。図8に示すように、本実施例では、A地点(例えば東京)とB地点(例えば大阪)にそれぞれモーションコントロール装置が設置される。A地点上面図70aは、A地点に設置されたモーションコントロール装置を上部から観た図であり、被写体載置部1上の左部分に話者7aが図示されている。同様に、B地点上面図70bは、B地点に設置されたモーションコントロール装置を上部から観た図であり、被写体載置部1上の右部分に話者7bが図示されている。
【0107】
さらに、本実施例では、A地点に設置されたモーションコントロール装置とB地点に設置されたモーションコントロール装置とは、専用回線等の通信ネットワークを介して、制御情報を送受可能に接続されている。
【0108】
ここで、A地点またはB地点に設置されたいずれかのモーションコントロール装置は、操作情報生成装置40と接続される(本説明では、A地点に設置されたモーションコントロール装置が操作情報生成装置40と接続されているものとする)。操作情報生成装置40によって生成された制御情報は、A地点のモーションコントロール装置に送信されるとともに、A地点のモーションコントロール装置が有する通信部19を介して、B地点のモーションコントロール装置にも送信される。これにより、両地点のモーションコントロール装置が同一の制御情報に基づいて動作することができる。
【0109】
画像71a及び画像71bは、各地点のモーションコントロール装置に装着されたカメラ6によって撮影されたある時点の画像を示している。ここで、カメラ位置情報71pは、モーションコントロール装置を上部から観た場合におけるカメラ6の位置を示している。画像71aは、話者7aの右後方から撮影した映像を示している。また、画像71bは、話者7bの左前方から撮影した映像を示している。
【0110】
さらに、B地点のモーションコントロール装置に装着されたカメラ6によって撮影された画像71bが、通信ネットワークを介してA地点に送信される。A地点においては、画像71aと画像71bとを画像合成装置を用いて合成することにより、合成画像71cが生成される。
【0111】
なお、画像71a及び画像71bの時点では、操作情報生成装置40の操作者は、各地点のモーションコントロール装置に装着されたカメラ6のフォーカスが、いずれも話者7bとの距離に適応するように制御する。このように各地点のカメラ6が制御されることにより、A地点のモーションコントロール装置に装着されたカメラ6においては、実際には存在しない話者7bとの距離に適応するようにフォーカスが制御される。これにより、合成画像71cを生成した場合にも、フォーカスが話者7bに合わされている違和感のない画像を生成することができる。
【0112】
画像72a及び画像72bは、カメラ位置情報72pに示すとおり、話者7aの右前方(話者7bの左後方)にカメラ6が位置した時点の画像を示している。この時点では、操作情報生成装置40の操作者は、各地点のモーションコントロール装置に装着されたカメラ6のフォーカスが、いずれも話者7aとの距離に適応するように制御する。合成画像72cは、画像72aと画像72bとが合成された画像を示している。
【0113】
画像73a及び画像73bは、カメラ位置情報73pに示すとおり、話者7aの右側方(話者7bの左側方)にカメラ6が位置した時点の画像を示している。この時点では、操作情報生成装置40の操作者は、各地点のモーションコントロール装置に装着されたカメラ6のフォーカスが、話者7aまたは話者7bとの距離に適応するように制御する。合成画像73cは、画像73aと画像73bとが合成された画像を示している。
【0114】
上述した実施例により、出演者を同一の場所に招集することなく、あたかも同一の場所において撮影したような迫真性のある動画像を作成することが可能となる。
【0115】
また、上述した本実施形態に係るモーションコントロール装置が有する通信機能を活用した実施例は、他の形態にも適用することができる。例えば、天気予報の番組において、通信ネットワークを介して制御情報が送受信可能に接続された複数のモーションコントロール装置を都市部、山間部、海岸部の所望の場所に設置することにより、スタジオ内に居る気象予報士が、都市部、山間部、海岸部を移動しつつ各地の天気予報を告げるといったような動画像を作成することができる。
【0116】
さらに、上述した実施例の他に、演出家やディレクタの発想によって、本実施形態に係るモーションコントロール装置を用いたさまざまな実施例を創出することができる。
【0117】
(本実施形態に係るモーションコントロール装置の構造変更例)
本実施形態に係るモーションコントロール装置は、例えば図9に示すような構造を採ることもできる。なお、図9において、図1に示されている構成要素には、同一の符号が付与されているため、その説明を省略する。
【0118】
同図に示すモーションコントロール装置は、図1乃至図3を参照して説明したモーションコントロール装置のレール部3に代えて、被写体載置部1から概垂直方向に立設する垂直レール部材8aと、垂直レール部材8aと概直交方向に交差した状態で係着され、垂直レール部材8aに沿って移動するとともに、垂直レール部材8aに対して概直交方向に移動する交差レール部材8bと、垂直レール部材8aを被写体載置部1の中心部を通り被写体載置部1に垂直な直線を回転軸として回転可能に支持する支持部材8cとから構成される。また、本変更例においては、カメラ装着部2は、交差レール部材8bの一端部に取り付けられる。
【0119】
交差レール部材8bは、垂直レール部材8aに沿った上方向または下方向への移動に応じて、カメラ装着部2が被写体7の頭部を概ね中心点とした円弧上に位置するように垂直レール部材8aに対して概直交方向に移動する。さらに、本変更例では、カメラ装着部2は、交差レール部材8bの垂直レール部材8aに沿った上方向または下方向への移動に応じてカメラ6のカメラレンズが被写体7の頭部方向を捉えるように、カメラ6のアングルを変化(チルト)させる機構を有している。
【0120】
このように交差レール部材8bが移動することにより、図1乃至図3を参照して説明したレール部3と同様の機能を、垂直レール部材8aと、交差レール部材8b、支持部材8cとを用いて実現することができる。
【0121】
(本実施形態に係るモーションコントロール装置、操作情報生成装置及び操作情報生成プログラムによる作用・効果)
以上説明した本実施形態に係るモーションコントロール装置、操作情報生成装置及び操作情報生成プログラムによれば、カメラ6が装着されるカメラ装着部2と、被写体載置部1の中心部を通り被写体載置部1に垂直な直線を回転軸として回転するレール部3とによってカメラ6のポジション及びアングルが決定されることから構造が簡素であるため、装置の小型化及び軽量化が図れ、優れた可搬性を具備させることができる。さらに、本実施形態によれば、被写体載置部1、レール部3、脚部5等の分解・組立が容易であり、レール部3が複数の部分に分解できるため、さらに装置の可搬性を向上させることができる。
【0122】
本実施形態によれば、制御ボックス10が有する制御情報記憶部18がモーションコントロール装置に対する制御情報を記憶するため、一連のカメラ6の動作を再現することができる。
【0123】
さらに、このような本実施形態に係るモーションコントロール装置が具備する可搬性やカメラ6の動作の再現性を活用することにより、番組等の出演者をロケ地等へ赴かせることなく、あたかも出演者をロケ地で撮影したような活動的な映像(動画像)を画像合成処理によって作成することができる。また、本実施形態によれば、優秀なカメラマンによって入力された秀逸なカメラ6に対する制御情報を必要な時点に必要な場所で再現することができ、地方放送局等への当該カメラマンの派遣を回避することができる。
【0124】
本実施形態によれば、制御ボックス10が有する通信部19が制御情報を送受信するため、他のモーションコントロール装置との間において専用回線等の通信ネットワークを介して、複数のモーションコントロール装置を同一の制御情報に基づいて同期して動作させることができる。当該機能を活用することにより、第2実施例に示したように、出演者を同一の場所に招集することなく、あたかも同一の場所において撮影したような迫真性のある動画像を作成することが可能となる。
【0125】
本実施形態によれば、操作情報生成装置40によって取得されたカメラ6に対する操作情報に基づいて、撮影される被写体7の擬似映像が表示されるとともに、取得された当該操作情報に基づいて制御ボックス10に対する制御情報が生成されるため、専門知識のない操作者でもモーションコントロール装置を容易に取り扱うことができる。
【0126】
また、本実施形態によれば、従来のモーションコントロール装置と比較して、製作コスト及び使用コストを抑制することができるため、従来のモーションコントロール装置を予算的な制限から利用することのできなかった番組等においても、モーションコントロール装置による効果的な映像(動画像)を活用した番組を製作することができる。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、小型化及び軽量化を図ることにより可搬性に優れ、操作が容易なカメラ用モーションコントロール装置、これの操作情報を生成する操作情報生成装置及び操作情報生成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るモーションコントロール装置の概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るモーションコントロール装置の平面図及び正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るモーションコントロール装置の左側面図及び正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るモーションコントロール装置の制御ボックスの論理ブロック構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る操作情報生成装置の論理ブロック構成図である。
【図6】本発明の実施形態に係る操作情報生成プログラムの操作画面例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るモーションコントロール装置の一使用例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るモーションコントロール装置の一使用例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るモーションコントロール装置の変更例を示す図である。
【符号の説明】
1…被写体載置部、 2…カメラ装着部、 2a…パン制御モータ、 2b…チルト制御モータ、 2c…ロール制御モータ、 3…レール部、 4…θ軸モータ、 5…脚部、 6…カメラ、 7…被写体、 8a…垂直レール部材、 8b…交差レール部材、 8c…支持部材、 10…制御ボックス、 11…θ軸制御部、 12…Z軸制御部、 13…フォーカス制御部、 14…ズーム制御部、 15…パン制御部、 16…チルト制御部、 17…ロール制御部、 18…制御情報記憶部、 19…通信部、 20…操作ボックス、 22…非常ボタン、 31a…Z軸モータ、 31b…ローラー、 32a…フォーカス制御モータ、 32b…ズーム制御モータ、 33…カメラレンズ制御モジュール、 40…操作情報生成装置、 41…ジョイスティック、 42…操作情報取得部、 43…制御情報生成部、 44…擬似映像生成部、 45…記憶部、 46…送信部、 47…表示部、 60…操作画面、 61…操作キー部、62…状態表示部、 63…擬似映像表示部

Claims (13)

  1. 被写体を撮影するカメラの位置を連続的に変化させるモーションコントロール装置であって、
    前記被写体が載置される被写体載置部と、
    前記カメラが装着されるカメラ装着部と、
    前記カメラ装着部を支持し、前記被写体載置部の中心部を通り前記被写体載置部に垂直な直線を回転軸として回転することにより前記被写体の周囲に形成される円軌道上の任意の位置へ前記カメラ装着部移動可能なレール部と、
    前記レール部が任意の位置へ移動可能に前記レール部の回転を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とするモーションコントロール装置。
  2. 前記カメラ装着部は、前記レール部に沿って任意の高さに移動可能に構成されており、
    前記制御手段は、前記被写体を任意の高さから撮影可能に前記カメラ装着部の移動を制御することを特徴とする請求項1に記載のモーションコントロール装置。
  3. 前記レール部は、
    前記カメラ装着部が滑動し、円弧を形成する弓状部分と、
    前記弓状部分に連なり、前記回転軸が貫通する孔が設けられた方形板部分と
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載のモーションコントロール装置。
  4. 前記レール部は、前記被写体載置部に対して概垂直方向に立設する垂直レール部材と、
    前記垂直レール部材と概直交方向に交差した状態で係着され、前記垂直レール部材に沿って移動するとともに、前記垂直レール部材に対して前記概直交方向に移動する交差レール部材と、
    前記垂直レール部材を前記被写体載置部の中心部を通り前記被写体載置部に垂直な直線を回転軸として回転可能に支持する支持部材とを有し、
    前記カメラ装着部は、前記交差レール部材に係着されることを特徴とする請求項2に記載のモーションコントロール装置。
  5. 前記カメラ装着部は、前記カメラのフォーカスまたはズーム率を変化させる機構を有し、
    前記制御手段は、前記カメラ装着部に対する前記カメラのフォーカスまたはズーム率をさらに制御することを特徴とする請求項1または2に記載のモーションコントロール装置。
  6. 前記カメラ装着部は、前記カメラをパンまたはチルトさせる機構をさらに有し、
    前記制御手段は、前記カメラ装着部に対する前記カメラのパンまたはチルトをさらに制御することを特徴とする請求項1または2に記載のモーションコントロール装置。
  7. 前記カメラ装着部は、前記カメラをロールさせる機構をさらに有し、
    前記制御手段は、前記カメラ装着部に対する前記カメラのロールをさらに制御することを特徴とする請求項1または2に記載のモーションコントロール装置。
  8. 前記レール部または前記カメラ装着部に対する制御の情報を記憶する記憶手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のモーションコントロール装置。
  9. 前記レール部または前記カメラ装着部に対する制御の情報を送受信する通信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のモーションコントロール装置。
  10. 前記レール部の方形板部分と固着され、前記回転軸を中心として、前記レール部を回転させる円盤型のモータを備えることを特徴とする請求項3に記載のモーションコントロール装置。
  11. 前記被写体載置部及び前記モータを支持する脚部を備え、
    前記脚部は、上方に向かって延びる円柱状部分を有し、
    前記円柱状部分は、前記被写体載置部を支持するとともに、前記レール部の方形板部分と前記モータとに設けられている孔に挿通されることを特徴とする請求項10に記載のモーションコントロール装置。
  12. 被写体を撮影するカメラの位置を連続的に変化させるモーションコントロール装置に対する操作の情報を生成する操作情報生成装置であって、
    前記モーションコントロール装置は、
    前記被写体が載置される被写体載置部と、
    前記カメラが装着されるカメラ装着部と、
    前記カメラ装着部を支持し、前記被写体載置部の中心部を通り前記被写体載置部に垂直な直線を回転軸として回転することにより前記被写体の周囲に形成される円軌道上の任意の位置へ前記カメラ装着部移動可能なレール部と、
    前記レール部の回転を制御する制御手段と
    を備え、
    前記カメラ装着部は、前記レール部に沿って任意の高さに移動可能に構成されており、
    前記操作情報生成装置は、
    前記レール部または前記カメラ装着部に対する所望の操作の情報を取得する操作情報取得部と、
    取得された前記操作の情報に基づいて前記制御手段に対する制御の情報を生成する制御情報生成部と、
    前記制御情報生成部によって生成された前記制御の情報に基づいて、前記レール部または前記カメラ装着部が動作することによって撮影される前記被写体の擬似映像を生成して表示する擬似映像表示部と、
    前記制御情報生成部によって生成された前記制御の情報を前記モーションコントロール装置に送信する送信部と
    を備えることを特徴とする操作情報生成装置。
  13. 被写体を撮影するカメラの位置を連続的に変化させるモーションコントロール装置に対する操作の情報の生成処理をコンピュータに実行させる操作情報生成プログラムであって、
    前記モーションコントロール装置は、
    前記被写体が載置される被写体載置部と、
    前記カメラが装着されるカメラ装着部と、
    前記カメラ装着部を支持し、前記被写体載置部の中心部を通り前記被写体載置部に垂直な直線を回転軸として回転することにより前記被写体の周囲に形成される円軌道上の任意の位置へ前記カメラ装着部移動可能なレール部と、
    前記レール部の回転を制御する制御手段と
    を備え、
    前記カメラ装着部は、前記レール部に沿って任意の高さに移動可能に構成されており、
    前記操作情報生成プログラムは、
    前記レール部または前記カメラ装着部に対する所望の操作の情報を取得する操作情報取得処理と、
    取得された前記操作の情報に基づいて前記制御手段に対する制御の情報を生成する制御情報生成処理と、
    前記制御情報生成処理によって生成された前記制御の情報に基づいて、前記レール部または前記カメラ装着部が動作することによって撮影される前記被写体の擬似映像を生成して表示する擬似映像表示処理と、
    前記制御情報生成処理によって生成された前記制御の情報を前記モーションコントロール装置に送信する送信処理と
    を有することを特徴とする操作情報生成プログラム。
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