JP4195361B2 - 繊維強化プラスチック材の製造方法及び同方法で製造した繊維強化プラスチック材並びに繊維強化プラスチック材の製造装置 - Google Patents

繊維強化プラスチック材の製造方法及び同方法で製造した繊維強化プラスチック材並びに繊維強化プラスチック材の製造装置 Download PDF

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本発明は、繊維強化プラスチック材の製造方法、及び同方法で製造した繊維強化プラスチック材、並びに繊維強化プラスチック材の製造装置に関するものである。
従来、炭素繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維、アラミド繊維、ケプラー繊維、ダイニーマ繊維等の長繊維を所定本数束ねて長繊維束とするとともに、この長繊維束にポリイミド樹脂等からなる接着剤を塗布し、この接着剤を硬化させることによって形成した繊維強化プラスチック材(以下「FRP材」と呼ぶ)が知られている。
このようなFRP材において、硬化した接着剤に長繊維束の伸延方向に圧縮応力を生起するプレストレスを加えることにより、引張強度を向上させたFRP材が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、このようなFRP材を製造する製造方法及び製造装置では、例えば、FRP材をロッド形状に形成するのであれば、所定間隔を隔てて設けた第1係止ピンと第2係止ピンとに接着剤を塗布した長繊維束を所定の張力を加えながら掛架し、長繊維束を緊張させたまま接着剤を硬化させた後、第1係止ピンと第2係止ピンから長繊維束を取り外すことによって張力を開放する一方で接着剤に長繊維束の伸延方向の圧縮応力を生起している。
特開2003−225950号公報
しかしながら、上記したFRP材、及びこのFRP材の製造装置並びに製造方法には、次のような不具合があった。
すなわち、FRP材となる長繊維束を所要の係止ピンに張力を加えながら掛架した場合には、長繊維束が掛架された係止ピンには長繊維束に加えた張力に応じた力が作用するために、この力によって係止ピン自体あるいは係止ピンを支持している成形フレームに変形が生じ、係止ピン間の間隔寸法が変動して先に掛架した長繊維束の緊張状態が変動したり、場合によっては先に掛架した長繊維束に弛みが生じたりするおそれがあった。
また、長繊維束に所定の張力を加えながら長繊維束を繰り出している長繊維束繰出手段には長繊維束の繰り出しにともなう反動が生じ、しかも、長繊維束繰出手段は係止ピンに長繊維束を掛架させるために所定の軌跡上を移動しているために反動の大きさや方向が極めて不規則となるために、繰り出された長繊維束に加えている張力が不安定となって安定的な張力を加えられないおそれがあった。
上記の問題点を解決するために、本発明のFRP材の製造方法では、所定間隔を隔てて成形フレームに立設した複数の係止ピンに接着剤を塗布した長繊維束を掛架してFRP材を形成するFRP材の製造方法において、張力を付与しながら長繊維束を係止ピンに掛架する長繊維束繰出手段と係止ピン間の間隔を伸縮自在に調整する間隔調整手段を設けると共に長繊維束繰出手段が長繊維束を係止ピン間に掛架する際に、間隔調整手段は、係止ピン間の張力増大により変動されうる係止ピン間の間隔に相関する量を求め、係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整することとした。
さらに、間隔調整手段は、係止ピン間の間隔を計測して、この間隔を一定値に保つように制御すること、あるいは間隔調整手段は、係止ピンに掛架した長繊維束の掛架回数に基づいて係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整することにも特徴を有するものである。
また、本発明のFRP材の製造方法では、所定間隔を隔てて設けた複数の係止ピンに接着剤を塗布した長繊維束を掛架してFRP材を形成するFRP材の製造方法において、係止ピンを、この係止ピンを立設した成形フレームの表面と裏面とに、この成形フレームを対称面として対称に立設するとともに、長繊維束に所定の張力を作用させながら繰り出す第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とを成形フレームを対称面として対称に位置させて、係止ピンに長繊維束を掛架することとした。
また、本発明のFRP材の製造方法では、所定間隔を隔てて設けた複数の係止ピンに接着剤を塗布した長繊維束を掛架してFRP材を形成するFRP材の製造方法において、長繊維束に所定の張力を作用させながら繰り出す長繊維束繰出手段は、第1の長繊維束と第2の長繊維束の2本の長繊維束とを繰り出すとともに、第1の長繊維束と第2の長繊維束とを鏡面対称となるように繰り出すこととした。
さらに、長繊維束繰出手段には、長繊維束を掛架させたダンサーロールによって長繊維束に加えた張力を調整するとともに、ダンサーロールをリニアモータからなる制御手段で制御することにも特徴を有するものである。
また、本発明のFRP材の製造装置では、所定間隔を隔てて複数の係止ピンを立設した成形フレームと、接着剤を塗布した長繊維束を繰り出す長繊維束繰出手段とを具備し、この長繊維束繰出手段から繰り出した長繊維束を係止ピンに掛架してFRP材を形成するFRP材の製造装置において、成形フレームに張力を付与しながら長繊維束を係止ピン間に掛架する長繊維束繰出手段と、係止ピン間の間隔を伸縮自在に調整する間隔調整手段を設け、長繊維束繰出手段が長繊維束を係止ピン間に掛架する際に、間隔調整手段は係止ピン間の張力増大により変動されうる係止ピン間の間隔に相関する量を求め、係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整した。
また、本発明のFRP材の製造装置では、所定間隔を隔てて複数の係止ピンを立設した成形フレームと、接着剤を塗布した長繊維束を繰り出す長繊維束繰出手段とを具備し、この長繊維束繰出手段から繰り出した長繊維束を係止ピンに掛架してFRP材を形成するFRP材の製造装置において、成形フレームを対称面として第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とを対称に配置するとともに、成形フレームには、この成形フレームを対称面として表面と裏面にそれぞれ係止ピンを対称に立設して、第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とによって、成形フレーム表面の係止ピンと成形フレーム裏面の係止ピンとにそれぞれ長繊維束を掛架することとした。
また、本発明のFRP材の製造装置では、所定間隔を隔てて複数の係止ピンを立設した成形フレームと、接着剤を塗布した長繊維束を繰り出す長繊維束繰出手段とを具備し、この長繊維束繰出手段から繰り出した長繊維束を係止ピンに掛架してFRP材を形成するFRP材の製造装置において、長繊維束繰出手段は、第1の長繊維束と第2の長繊維束の2本の長繊維束とを繰り出し可能とするとともに、第1の長繊維束と第2の長繊維束とを鏡面対称となるように繰り出すように構成した。
さらには、長繊維束繰出手段に、長繊維束に加えた張力を調整するダンサーロールを設け、このダンサーロールを制御するリニアモータからなる制御手段を設けたことにも特徴を有するものである。
請求項1記載の発明によれば、張力を付与しながら長繊維束を係止ピンに掛架する長繊維束繰出手段と係止ピン間の間隔を伸縮自在に調整する間隔調整手段を設けると共に長繊維束繰出手段が長繊維束を係止ピン間に掛架する際に、間隔調整手段は、係止ピン間の張力増大により変動されうる係止ピン間の間隔に相関する量を求め、係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整することによって、長繊維束を所定の緊張状態に維持しながら係止ピンに掛架してFRP材を形成することができるので、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。
請求項2記載の発明によれば、間隔調整手段では、係止ピン間の間隔を計測して、この間隔を一定値に保つように制御することによって、長繊維束の種類や長繊維束に加えた張力等を異ならせた異品種を形成する場合に、特別な調整を必要とすることなくFRP材を形成することができる。
請求項3記載の発明によれば、間隔調整手段では、係止ピンに掛架した長繊維束の掛架回数に基づいて係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整することによって、係止ピン間の間隔制御を極めて容易に行うことができ、製造コストの増加を招くことなく略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。
請求項4記載の発明によれば、係止ピンを、この係止ピンを立設した成形フレームの表面と裏面とに、この成形フレームを対称面として対称に立設するとともに、長繊維束に所定の張力を作用させながら繰り出す第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とを成形フレームを対称面として対称に位置させて、係止ピンに長繊維束を掛架することによって、係止ピンへの長繊維束の掛架にともなって成形フレームが変形することによる係止ピン間の間隔変動を抑制することができるので、係止ピン間の間隔を所定値に維持して略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。
請求項5記載の発明によれば、長繊維束に所定の張力を作用させながら繰り出す長繊維束繰出手段では、第1の長繊維束と第2の長繊維束の2本の長繊維束とを繰り出すとともに、第1の長繊維束と第2の長繊維束とを鏡面対称となるように繰り出すことによって、長繊維束の繰り出しにともなって長繊維束繰出手段に生起される反動の方向を抑制することができるので、長繊維束に安定的に張力を加えながら係止ピンに掛架することができ、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。
請求項6記載の発明によれば、長繊維束繰出手段には、長繊維束を掛架させたダンサーロールによって長繊維束に加えた張力を調整するとともに、ダンサーロールをリニアモータからなる制御手段で制御することによって、長繊維束の張力を高速に制御することができ、長繊維束に安定的に所定の張力を加えながら係止ピンに掛架することができるので、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。
請求項記載の発明によれば、成形フレームには張力を付与しながら長繊維束を係止ピン間に掛架する長繊維束繰出手段と、係止ピン間の間隔を伸縮自在に調整する間隔調整手段を設け、長繊維束繰出手段が長繊維束を係止ピン間に掛架する際に、間隔調整手段は係止ピン間の張力増大により変動されうる係止ピン間の間隔に相関する量を求め、係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整することによって、長繊維束を所定の緊張状態に維持しながら係止ピンに掛架して繊維強化プラスチック材を形成することができるので、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成可能な製造装置とすることができる。
請求項記載の発明によれば、成形フレームを対称面として第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とを対称に配置するとともに、成形フレームには、この成形フレームを対称面として表面と裏面にそれぞれ係止ピンを対称に立設して、第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とによって、成形フレーム表面の係止ピンと成形フレーム裏面の係止ピンとにそれぞれ長繊維束を掛架することによって、係止ピンへの長繊維束の掛架にともなって成形フレームが変形することによる係止ピン間の間隔変動を抑制することができるので、係止ピン間の間隔を所定値に維持して略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成可能な製造装置とすることができる。
請求項記載の発明によれば、長繊維束繰出手段は、第1の長繊維束と第2の長繊維束の2本の長繊維束とを繰り出し可能とするとともに、第1の長繊維束と第2の長繊維束とを鏡面対称となるように繰り出すように構成したことによって、長繊維束の繰り出しにともなって長繊維束繰出手段に生起される反動の方向を抑制することができるので、長繊維束に安定的に張力を加えながら係止ピンに掛架することができ、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成可能な製造装置とすることができる。
請求項10記載の発明によれば、長繊維束繰出手段には、長繊維束に加えた張力を調整するダンサーロールを設け、このダンサーロールを制御するリニアモータからなる制御手段を設けたことによって、長繊維束の張力制御を高速に行うことができ、長繊維束に安定的に所定の張力を加えながら係止ピンに掛架することができるので、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成可能な製造装置とすることができる。
本発明では、所定間隔を隔てて成形フレームに立設した複数の係止ピンに接着剤を塗布した長繊維束を掛架してFRP材を形成する場合に、張力を付与しながら長繊維束を係止ピンに掛架する長繊維束繰出手段と係止ピン間の間隔を伸縮自在に調整する間隔調整手段とを設けると共に、長繊維束繰出手段が長繊維束を係止ピン間に掛架する際に、間隔調整手段は、係止ピン間の張力増大により変動されうる係止ピン間の間隔に相関する量を求め、係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整しながらFRP材を形成しているものである。
したがって、長繊維束を係止ピンに掛架する場合に係止ピン間の間隔が常に一定値に維持されているので、先に掛架した長繊維束の緊張状態が変動することを防止でき、所要の張力を加えながら確実に長繊維束を掛架させて、所要の圧縮応力が作用したFRP材を形成することができる。
特に、係止ピン間の間隔調整を間隔調整手段によって行う場合であって、この間隔調整手段が係止ピン間の間隔を計測し、計測結果に基づいて係止ピン間の間隔を調整する場合には、長繊維束の種類や長繊維束に加えた張力等を異ならせた異品種を形成する際に、特別な調整を必要とすることなく形成することができ、多品種のFRP材を効率よく形成することができる。
または、係止ピン間の間隔調整を間隔調整手段によって行う場合であって、この間隔調整手段が係止ピンに掛架した長繊維束の掛架回数に基づいて係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整する場合には、間隔調整手段の構成を簡潔とすることができ、係止ピン間の間隔制御を極めて容易に行うことができるので、製造コストの増加を招くことなく略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。
あるいは、係止ピン間の間隔を維持するために、係止ピンを、この係止ピンを立設した成形フレームの表面と裏面とに、この成形フレームを対称面として対称に立設するとともに、長繊維束に所定の張力を作用させながら繰り出す第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とを成形フレームを対称面として対称に位置させて、第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とによって成形フレームの表裏に同時に長繊維束を掛架した場合には、長繊維束の掛架にともなう成形フレームの変形を抑制することができるので係止ピン間の間隔を所定値に維持することができる。したがって、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができ、しかも、同時に2つのFRP材を形成することができるので、良質なFRP材の生産性を向上させることができる。
また、本発明では、所定間隔を隔てて設けた複数の係止ピンに接着剤を塗布した長繊維束を掛架してFRP材を形成する場合に、長繊維束に加えた張力を所定の大きさに制御しながらFRP材を形成しているものである。
特に、長繊維束に所定の張力を作用させながら繰り出す長繊維束繰出手段では、第1の長繊維束と第2の長繊維束の2本の長繊維束とを繰り出すようにして、しかも、第1の長繊維束と第2の長繊維束とを鏡面対称となるように繰り出すようにしている。
したがって、長繊維束の繰り出しにともなって長繊維束繰出手段に生起される反動の方向を抑制することができるので、長繊維束に安定的に張力を加えながら係止ピンに掛架することができ、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。しかも、同時に2つのFRP材を形成することができるので、良質なFRP材の生産性を向上させることができる。
さらに、長繊維束繰出手段には、長繊維束を掛架させたダンサーロールによって長繊維束に加えた張力を調整するとともに、ダンサーロールをリニアモータからなる制御手段で制御する場合には、長繊維束の張力を高速に制御することができるので、長繊維束に安定的に所定の張力を加えながら係止ピンに掛架することができ、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。
以下において、図面に基づいて本発明のFRP材製造装置について詳説する。FRP材製造装置は、図3及び図4に示すように、長繊維束10に所定の張力を作用させながら繰り出す長繊維束繰出手段としての長繊維束繰出器20と、この長繊維束繰出器20を水平移動及び垂直移動させることにより繰り出した長繊維束を係止ピンに掛架させる移動操作器30と、所定位置に係止ピン41を立設した成形フレーム40とから構成している。図3中及び図4中、50は移動操作器30及び成形フレーム40を支持している機体フレームである。
長繊維束繰出器20は、図1に示すように、長繊維束10を供給する供給部21と、同供給部21から供給された長繊維束10に所要の張力を付加する張力付加部22と、同張力付加部22において長繊維束10に付与された張力の緩和を防止する張力緩和防止部23と、長繊維束10に接着剤24aを塗布する接着剤塗布部24とを、一方向に伸延した矩形体状のケーシング25の内部に順次並設して構成しており、このケーシング25の一端には接着剤塗布部24において接着剤24aが塗布された長繊維束10を繰り出す繰り出し部26を設け、この繰り出し部26から長繊維束を繰り出している。
供給部21には、長繊維束10を巻回したボビン21aと、このボビン21aから長繊維束10を繰り出させるとともに繰り出した長繊維束10を所定の緊張状態に維持する第1張力調整器21bとを設けている。図1中、21cは、ボビン21aと第1張力調整器21bとの間に設けて、第1張力調整器21bに送給する長繊維束10を案内している第1ガイドローラである。
ボビン21aは回転自在に枢支されており、一端に設けたブレーキ21dによって回転を強制停止可能としている。
また、第1張力調整器21bは、長繊維束10を掛架させた第1ダンサーロール21b-1と、この第1ダンサーロール21b-1を枢着した走行体21b-2と、この走行体21b-2を進退自在に装着した進退ガイド体21b-3と、この進退ガイド体21b-3に沿った走行体21b-2の進退制御を行う進退制御部(図示せず)とから構成している。
特に、進退ガイド体21b-3は長繊維束10の伸延方向と略直交する方向に伸延させて設け、ボビン21aを回転自在の状態として走行体21b-2を進退ガイド体21b-3に沿って前進させることにより、長繊維束10に掛架した第1ダンサーロール21b-1によって長繊維束10をボビン21aから繰り出させており、その後、ブレーキ21dによってボビン21aの回転を禁止して、走行体21b-2を進退ガイド体21b-3に沿って漸次後退させることにより長繊維束10を所定の緊張状態としながら送給可能としている。
長繊維束10は、炭素繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)繊維、アラミド繊維、ケプラー繊維、ダイニーマ繊維等の長繊維で構成しており、数千〜数万本の長繊維を帯状に束ねて長繊維束10としている。
図1中、21eは第2ガイドローラ、21fは第3ガイドローラであって、供給部21から張力付加部22に、長繊維束10に撚れを生じさせることなく送給している。
張力付加部22では、供給部21から供給された長繊維束10に第1プーリ22aと第2プーリ22bとを順次掛架して、長繊維束10に所定の張力を加えている。
すなわち、第1プーリ22a及び第2プーリ22bには、長繊維束10と当接する当接面にゴム等で滑り止めを施し、この第1プーリ22a及び第2プーリ22bをそれぞれ第1張力付加モータ22c及び第2張力付加モータ22dの出力軸に装着して、第1張力付加モータ22c及び第2張力付加モータ22dによって第1プーリ22a及び第2プーリ22bの回転を制御することによって長繊維束2に所定の張力を加えている。図1中、22eはガイドプーリであって、供給部21から送給された長繊維束10に撚れを生じさせることなく第1プーリ22aに送給している。
本実施形態では、第1プーリ22aと第2プーリ22bの2つのプーリによって長繊維束10に所定の張力を付与するようにしているが、1つだけであってもよいし、3つ以上であってもよい。
張力緩和防止部23は、長繊維束10を掛架した第4ガイドローラ23aと、この第4ガイドローラ23aから所定間隔を隔て配置するとともに長繊維束10を掛架した第5ガイドローラ23bと、第4ガイドローラ23aと第5ガイドローラ23bとの間の長繊維束10に第2ダンサーロール23c-1を掛架させた第2張力調整器23cとから構成している。
第2張力調整器23cは、第2ダンサーロール23c-1を枢着した走行体23c-2と、この走行体23c-2を進退自在に装着した進退ガイド体23c-3と、この進退ガイド体23c-3に沿った走行体23c-2の進退制御を行う進退制御部23c-4とから構成している。
進退ガイド体23c-3は、第4ガイドローラ23aと第5ガイドローラ23bとを結ぶ線分を直角二等分する仮想直線上に位置させており、第4ガイドローラ23aと第5ガイドローラ23bとの間の長繊維束10を、第2ダンサーロール23c-1によって略V字状に屈曲させている。
進退制御部23c-4では、長繊維束10に加えられている張力の反力を利用して長繊維束10に加えられている張力を検出可能となっており、長繊維束10の繰り出しにともなう変動等にともなって長繊維束10に加えられている張力が変動した場合に、進退制御部23c-4は、進退ガイド体23c-3に沿って走行体23c-2を進退操作することによって、長繊維束10に加えられている張力が変動することを抑制している。
特に、第2張力調整器23cでは、第2ダンサーロール23c-1が装着された走行体23c-2をリニアモータによって制御している。したがって、進退制御部23c-4の制御に基づく走行体23c-2の応答速度を向上させることができ、長繊維束10に加えられている張力の変動に第2ダンサーロール23c-1を遅滞なく追従することができるので、長繊維束10に加えられている張力をほぼ一定に維持することができる。
なお、上記した第1張力調整器21bにおける走行体21b-2も同様に、リニアモータによって制御してもよい。図1中、23dは第6ガイドローラであって、張力緩和防止部23から接着剤塗布部24に長繊維束10を送給しており、特に、長繊維束10に接着剤24aを塗布させやすいように調整している。
接着剤塗布部24には、接着剤24aを収容した接着剤槽24bと、長繊維束10の一部を接着剤槽24b内に浸漬させる浸漬用ローラ24cとを設け、この浸漬用ローラ24cに長繊維束10を掛架して浸漬用ローラ24cを接着剤槽24bに浸漬することによって、長繊維束10に接着剤24aを塗布している。
接着剤24aにはポリイミド樹脂を主成分とする接着剤を用いているが、それ以外の接着剤を用いてもよい。
図1中、24dは浸漬用ローラ24cが枢着された昇降体であって、この昇降体24dを昇降操作することによって長繊維束10への接着剤24aの塗布と不塗布とを切替可能としている。すなわち、昇降体24dを降下させて浸漬用ローラ24cを接着剤槽24bに浸漬することによって長繊維束10に接着剤24aを塗布するとともに、昇降体24dを上昇させて浸漬用ローラ24cを接着剤槽24bに非浸漬状態とすることによって長繊維束10に接着剤24aを塗布しないようにしている。
また、図1中、24eは第7ガイドローラであって、接着剤塗布部24から繰り出し部26に長繊維束10を送給している。
繰り出し部26は、長繊維束10を係止ピン41に掛架しやすいように突出させた細径筒状の繰出ノズル26aで構成しており、繰出ノズル26aには所要位置に第8ガイドローラ26b、及び第9ガイドローラ26cを設けて長繊維束10をスムーズに繰り出すことができるようにしている。
特に、第9ガイドローラ26cは繰出ノズル26aの先端に設けて、繰出ノズル26aの先端部分において長繊維束10に大きな抵抗が作用しないようにしている。
成形フレーム40には、図2(a)に示すように、所要形状のFRP材を形成するために所定の位置に係止ピン41を立設している。特に、対向して位置する係止ピン41の少なくともいずれか一方は可動係止ピン41'とし、この可動係止ピン41'を変位可能としている。
すなわち、本実施形態では、可動係止ピン41'は、成形フレーム40に立設した固定支持体42に装着したアクチュエータ43の伸縮ロッド44の先端に装着しており、アクチュエータ43を制御することにより伸縮ロッド44を伸縮操作して、長繊維束10が掛架される係止ピン41と可動係止ピン41'との間隔を調整可能としている。
つまり、例えば、図2(a)に示すように、対向した係止ピン41と可動係止ピン41'とに長繊維束10を掛架する場合に、長繊維束10には所定の張力が加えられているので、係止ピン41と可動係止ピン41'とには長繊維束10を掛架するたびに係止ピン41及と可動係止ピン41'との間隔を小さくする方向に作用する力が増大して、図2(b)に示すように、成形フレーム40には弓状に湾曲する変形が生じる。
この成形フレーム40の湾曲変形にともなって係止ピン41と可動係止ピン41'との間隔が小さくなる際に、図2(b)に示すように、アクチュエータ43を作動させて伸縮ロッド44を後退させることによって、成形フレーム40の変形による係止ピン41と可動係止ピン41'との間の間隔を所定間隔に維持している。
係止ピン41と可動係止ピン41'との間隔が変動したことは、例えば、係止ピン41にレーザー光を発光する発光部(図示せず)とその受光部(図示せず)とを設けるとともに、可動係止ピン41'に発光部から照射されたレーザー光を反射する反射体(図示せず)を設け、レーザー光を利用して係止ピン41と可動係止ピン41'との間隔を計測することにより検知可能であり、計測結果に基づいてアクチュエータ43を制御することによって係止ピン41と可動係止ピン41'との間の間隔を所定間隔に維持することができる。
なお、係止ピン41と可動係止ピン41'との間隔の計測方法は、上記したレーザー光を利用した計測方法に限定するものではなく適宜の計測方法を用いてもよい。また、例えば、係止ピン41と可動係止ピン41'との間に、レーザー光を発光する発光部とその受光部とを設けた計測体(図示せず)を立設するとともに、係止ピン41と可動係止ピン41'とにそれぞれレーザー光を反射する反射体を設けて、計測体と係止ピン41との間隔、及び計測体と可動係止ピン41'との間隔をそれぞれ計測して、係止ピン41と可動係止ピン41'との間隔を計測してもよい。
あるいは、成形フレーム40の変形量を計測する計測装置を設け、この計測装置の計測結果に基づいて係止ピン41と可動係止ピン41'との間隔を推定して調整することもできる。
上記した実施形態では一方だけを可動係止ピン41'としているが、長繊維束10が掛架される係止ピンを全て可動係止ピン41'としてもよい。
このように、係止ピン41間の間隔を計測しながらその間隔を一定に保持するように調整することによって、長繊維束10の種類や長繊維束10に加えた張力等を異ならせた異品種を形成する場合に、特別な調整を不要とすることができる。
また、係止ピン41と可動係止ピン41'との間の間隔を直接的に計測するのではなく、係止ピン41と可動係止ピン41'とに掛架した長繊維束10の掛架回数に基づいて係止ピン41と可動係止ピン41'との間の間隔を調整することもできる。すなわち、係止ピン41と可動係止ピン41'とに掛架した長繊維束10の掛架回数と、成形フレーム40との変形量との間には相関関係があるので、掛架回数から係止ピン41と可動係止ピン41'との間の間隔を推定することができ、掛架回数に基づいてアクチュエータ43を制御することによって係止ピン41と可動係止ピン41'との間の間隔を所定間隔に維持することができる。
なお、長繊維束10の掛架回数は、繰り出した長繊維束10の長さと一対一対応しているので、長繊維束10の掛架回数に基づいて係止ピン41と可動係止ピン41'との間の間隔を調整することは、繰り出した長繊維束10の長さに基づいて係止ピン41と可動係止ピン41'との間の間隔を調整していることと同じである。
このように、掛架回数に基づいて係止ピン41と可動係止ピン41'との間の間隔を調整した場合には、上記した間隔の計測装置を不要とすることができるので、FRP材製造装置を安価で構成することができ、製造コストの増加を招くことなくFRP材を形成することができる。
上記した実施形態では、長繊維束10の係止ピン41への掛架にともなって成形フレーム40が変形することにより係止ピン41の間隔調整が必要となっているが、成形フレーム40の変形を抑止しながら長繊維束10の掛架を行うことによって、係止ピン41の間隔調整を行うことなく係止ピン41間の間隔を所定値に保持することもできる。
すなわち、図3に示すように、成形フレーム40の表面と裏面とには、この成形フレーム40を対称面として鏡面対称に表側係止ピン41aと裏側係止ピン41bとをそれぞれ立設する。
そして、成形フレーム40の表面側には第1長繊維束繰出器20aを設けるとともに、成形フレーム40の裏面側に第2長繊維束繰出器20bを設け、特に、第1長繊維束繰出器20aと第2長繊維束繰出器20bとを成形フレーム40を対称面としてほぼ鏡面対称となる状態を維持しながら第1長繊維束繰出器20aによって表側係止ピン41aに長繊維束10を掛架するとともに、第2長繊維束繰出器20bによって裏側係止ピン41bに長繊維束10を掛架することによって、表側係止ピン41aに作用する力と裏側係止ピン41bに作用する力とを均衡させて成形フレーム40に変形が生起されることを抑止できる。
したがって、表側係止ピン41a間の間隔、及び裏側係止ピン41b間の間隔を所定の間隔に保持することができ、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。しかも、同時に2つのFRP材を形成することができるので、製造効率を向上させることができる。
図3に示すFRP材製造装置では、機体フレーム50の左側に第1長繊維束繰出器20aの移動操作を行う第1移動操作器30aを設け、機体フレーム50の右側に第2長繊維束繰出器20bの移動操作を行う第2移動操作器30bを設けて、機体フレーム50の左右中央に設けた成形フレーム40を対称面として第1長繊維束繰出器20aと第2長繊維束繰出器20bとをほぼ鏡面対称となる状態を維持させながら移動操作を行っている。
図3中、31aは第1移動操作器30aに設けた第1装着体であり、この第1装着体31aに第1長繊維束繰出器20aを装着している。また、31bは第2移動操作器30bに設けた第2装着体であり、この第2装着体31bに第2長繊維束繰出器20bを装着している。
本実施形態では、第1長繊維束繰出器20aを機体フレーム50の左側に位置させ、第2長繊維束繰出器20bを機体フレーム50の右側に位置させているが、例えば、第1長繊維束繰出器20aを機体フレーム50の上側に位置させ、第2長繊維束繰出器20bを機体フレーム50の下側に位置させもよい。
上記したように、長繊維束繰出器20から長繊維束10に張力を加えながら繰り出して成形フレーム40の係止ピン41に長繊維束10を掛架した場合には、長繊維束繰出器20にはその反動が生じ、この反動にともなって長繊維束繰出器20が移動操作器30に対して微動したり、長繊維束繰出器20の繰出ノズル26aに撓み等の変形が生じたりすることによって、長繊維束繰出器20から繰り出した長繊維束10に加えている張力に変動が生じるために、図4に示すFRP材製造装置では、長繊維束繰出器20から第1長繊維束10cと第2長繊維束10dの2本の長繊維束10c,10dとを繰り出し可能としている。
特に、長繊維束繰出器20には、第1長繊維束10cを繰り出す第1繰出ノズル26a-1と、第2長繊維束10dを繰り出す第2繰出ノズル26a-2とを互いに鏡面対称となるように設け、第1繰出ノズル26a-1と第2繰出ノズル26a-2とから、第1長繊維束10cと第2長繊維束10dとをほぼ鏡面対称となるように繰り出させている。
すなわち、FRP材製造装置では、機体フレーム50の上側に第1成形フレーム40cを設けるとともに、機体フレーム50の下側に第2成形フレーム40dを設け、第1成形フレーム40cと第2成形フレーム40dとの略中間に移動操作器30を設け、この移動操作器30に長繊維束繰出器20を装着して移動可能としている。
なお、第1成形フレーム40cに立設した係止ピン41cと、第2成形フレーム40dに立設した係止ピン41dとは、互いにほぼ鏡面対称となるように設けている。しかも、必要に応じて係止ピン41c及び係止ピン41dのいくつかあるいは全部を、上記したように可動係止ピンとして構成してもよい。
本実施形態では、機体フレーム50の上側に第1成形フレーム40cを設け、機体フレーム50の下側に第2成形フレーム40dを設けているが、たとえば、第1成形フレーム40cを機体フレーム50の左側に設けるとともに第2成形フレーム40dを機体フレーム50の右側に設けて、その略中間に長繊維束繰出器20を装着した移動操作器30を設けてもよい。
上記したように第1長繊維束10cと第2長繊維束10dとをほぼ鏡面対称となるように繰り出すことによって、従来のように1本の長繊維束を繰り出す場合には長繊維束繰出器20に二次元方向の反動が作用していたものを、一次元方向だけに縮重させることができるので、長繊維束繰出器20に生起される反動の方向を抑制して、長繊維束繰出器20に設けている第2張力調整器23cを追従させやすくすることにより、第1長繊維束10c及び第2長繊維束10dに安定的に張力を加えながら係止ピン41c,41dに掛架することができる。
特に、上記したように、第2張力調整器23cでは、第2ダンサーロール23c-1が装着された走行体23c-2をリニアモータによって制御しているので、長繊維束10に加えられている張力の変動に第2ダンサーロール23c-1を遅滞なく追従することができるので、長繊維束10に加えられている張力をほぼ一定に維持することができる。
したがって、略均一な圧縮応力を有するFRP材を形成することができる。しかも、同時に2つのFRP材を形成することができるので、良質なFRP材の生産性を向上させることができる。
長繊維束繰出器の説明図である。 本発明に係るFRP材製造装置の説明図である。 本発明に係るFRP材製造装置の説明図である。 本発明に係るFRP材製造装置の説明図である。
符号の説明
10 長繊維束
10c 第1長繊維束
10d 第2長繊維束
20 長繊維束繰出器
20a 第1長繊維束繰出器
20b 第2長繊維束繰出器
21 供給部
21a ボビン
21b 第1張力調整器
22 張力付加部
22a 第1プーリ
22b 第2プーリ
22c 第1張力付加モータ
22d 第2張力付加モータ
23 張力緩和防止部
23c 第2張力調整器
24 接着剤塗布部
24a 接着剤
25 ケーシング
26 繰り出し部
26a 繰出ノズル
30 移動操作器
40 成形フレーム
41 係止ピン
41' 可動係止ピン
42 固定支持体
43 アクチュエータ
44 伸縮ロッド
50 機体フレーム

Claims (10)

  1. 所定間隔を隔てて成形フレームに立設した複数の係止ピンに接着剤を塗布した長繊維束を掛架して繊維強化プラスチック材を形成する繊維強化プラスチック材の製造方法において、
    張力を付与しながら長繊維束を前記係止ピンに掛架する長繊維束繰出手段と前記係止ピン間の間隔を伸縮自在に調整する間隔調整手段を設けると共に前記長繊維束繰出手段が長繊維束を前記係止ピン間に掛架する際に、前記間隔調整手段は、前記係止ピン間の張力増大により変動されうる前記係止ピン間の間隔に相関する量を求め、前記係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整することを特徴とする繊維強化プラスチック材の製造方法。
  2. 前記間隔調整手段は、前記係止ピン間の間隔を計測して、この間隔を一定値に保つように制御することを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック材の製造方法。
  3. 前記間隔調整手段は、前記係止ピンに掛架した前記長繊維束の掛架回数に基づいて前記係止ピン間の間隔を一定値に保つように調整することを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック材の製造方法。
  4. 所定間隔を隔てて設けた複数の係止ピンに接着剤を塗布した長繊維束を掛架して繊維強化プラスチック材を形成する繊維強化プラスチック材の製造方法において、
    前記係止ピンを、この係止ピンを立設した成形フレームの表面と裏面とに、この成形フレームを対称面として対称に立設するとともに、前記長繊維束に所定の張力を作用させながら繰り出す第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とを前記成形フレームを対称面として対称に位置させて、前記係止ピンに前記長繊維束を掛架することを特徴とする繊維強化プラスチック材の製造方法。
  5. 所定間隔を隔てて設けた複数の係止ピンに接着剤を塗布した長繊維束を掛架して繊維強化プラスチック材を形成する繊維強化プラスチック材の製造方法において、
    前記長繊維束に所定の張力を作用させながら繰り出す長繊維束繰出手段は、第1の長繊維束と第2の長繊維束の2本の長繊維束とを繰り出すとともに、前記第1の長繊維束と前記第2の長繊維束とを鏡面対称となるように繰り出すことを特徴とする繊維強化プラスチック材の製造方法。
  6. 前記長繊維束繰出手段には、前記長繊維束を掛架させたダンサーロールによって前記長繊維束に加えた張力を調整するとともに、前記ダンサーロールをリニアモータからなる制御手段で制御することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の繊維強化プラスチック材の製造方法。
  7. 所定間隔を隔てて複数の係止ピンを立設した成形フレームと、接着剤を塗布した長繊維束を繰り出す長繊維束繰出手段とを具備し、この長繊維束繰出手段から繰り出した前記長繊維束を前記係止ピンに掛架して繊維強化プラスチック材を形成する繊維強化プラスチック材の製造装置において、
    前記成形フレームには、張力を付与しながら長繊維束を前記係止ピン間に掛架する長繊維束繰出手段と、前記係止ピン間の間隔を伸縮自在に調整する間隔調整手段とを設け、前記長繊維束繰出手段が長繊維束を前記係止ピン間に掛架する際に、前記間隔調整手段は前記係止ピン間の張力増大により変動されうる前記係止ピン間の間隔に相関する量を求め、前記係止ピン間隔を一定値に保つように調整することを特徴とする繊維強化プラスチック材の製造装置。
  8. 所定間隔を隔てて複数の係止ピンを立設した成形フレームと、接着剤を塗布した長繊維束を繰り出す長繊維束繰出手段とを具備し、この長繊維束繰出手段から繰り出した前記長繊維束を前記係止ピンに掛架して繊維強化プラスチック材を形成する繊維強化プラスチック材の製造装置において、
    前記成形フレームを対称面として第1の長繊維束繰出手段と第2の長繊維束繰出手段とを対称に配置するとともに、前記成形フレームには、この成形フレームを対称面として表面と裏面にそれぞれ前記係止ピンを対称に立設して、前記第1の長繊維束繰出手段と前記第2の長繊維束繰出手段とによって、前記成形フレーム表面の前記係止ピンと前記成形フレーム裏面の前記係止ピンとにそれぞれ前記長繊維束を掛架することを特徴とする繊維強化プラスチック材の製造装置。
  9. 所定間隔を隔てて複数の係止ピンを立設した成形フレームと、接着剤を塗布した長繊維束を繰り出す長繊維束繰出手段とを具備し、この長繊維束繰出手段から繰り出した前記長繊維束を前記係止ピンに掛架して繊維強化プラスチック材を形成する繊維強化プラスチック材の製造装置において、
    前記長繊維束繰出手段は、第1の長繊維束と第2の長繊維束の2本の長繊維束とを繰り出し可能とするとともに、前記第1の長繊維束と前記第2の長繊維束とを鏡面対称となるように繰り出すように構成したことを特徴とする繊維強化プラスチック材の製造装置。
  10. 前記長繊維束繰出手段には、前記長繊維束に加えた張力を調整するダンサーロールを設け、このダンサーロールを制御するリニアモータからなる制御手段を設けたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の繊維強化プラスチック材の製造装置。
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