JP4195166B2 - 光学フイルムの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光学的等方性ポリマーマトリックスの内部に光学的異方性物質の粒子または液滴が分散している光学フイルムおよびそれを用いた偏光板と液晶表示装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
偏光は、横波としての光の重要な性質である。太陽光のような自然光やランプのような通常の人為的光源からの光は無偏光(ランダム偏光)であるが、偏光板を用いることで偏光(直線偏光、円偏光、楕円偏光)成分を取り出すことができる。取り出した偏光は、様々な光学機器に利用できる。現在広く普及している液晶表示装置は、偏光の性質を利用して画像を表示する装置であるとも言える。
広義の偏光板には、直線偏光板、円偏光板および楕円偏光板が含まれる。ただし、通常の(狭義の)偏光板は、直線偏光板を意味する。本明細書においても、特に規定しない「偏光板」は、直線偏光板を意味する。直線偏光板は、最も基本的な偏光板である。円偏光板は、一般に、直線偏光板とλ/4板との積層体である。楕円偏光板は、一般に、直線偏光板と他の(λ/4板以外の)位相差板との積層体である。従って、様々な(広義の)偏光板において、直線偏光板の光学的な機能が重要である。
【0003】
直線偏光板としては、一般にポリビニルアルコール系フイルムからなる光吸収型偏光板が用いられている。ポリビニルアルコール系偏光板は、ヨウ素または二色性染料を吸着したポリビニルアルコール系フイルムを延伸することにより製造する。偏光板の透過軸(偏光軸)は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
光吸収型偏光板は、偏光軸に平行な直線偏光成分のみを透過して、残りの直線偏光成分を吸収する。従って、光の利用効率は、理論的に50%以下(実際には50%よりも低い値)である。
【0004】
偏光板の光の利用効率を改善するため、光吸収型偏光板に代えて、または光吸収型偏光板に加えて、光散乱型偏光板を使用することが提案されている。光散乱型偏光板も、光吸収型偏光板と同様に、偏光軸に平行な直線偏光成分のみを透過する。ただし、光散乱型偏光板では、偏光軸とは平行ではない偏光成分を吸収せずに、前方もしくは後方に散乱し、再利用を可能にする。
光散乱型偏光板を用いて光の利用効率を改善する方法には、具体的には、複数の態様がある。
【0005】
▲1▼前方散乱光の偏光解消
光散乱型偏光板では、偏光軸と直交方向の偏光成分は前方もしくは後方に散乱される。このうち、前方散乱された光が偏光解消され、前方散乱光の偏光方向が入射光の偏光方向から回転することにより、光散乱型偏光板の偏光軸方向の偏光成分が入射光よりも増加する。
光散乱型偏光子において、厚み方向に多数の粒子が存在する場合には、多重散乱により偏光解消の程度が強くなる。このように、散乱型偏光板を使用する場合には、前方散乱光の偏光解消により光吸収型偏光板のみを使用する場合よりも光の利用効率が向上する。
【0006】
▲2▼後方散乱光の再利用(偏光解消)
光散乱型偏光板の偏光軸と直交方向の偏光成分のうち後方散乱された光は、後方散乱される際に偏光解消される。後方散乱された光は、光源であるバックライトの背面に配置された反射板により反射され、再度光散乱型偏光板に入射する。ここで、再入射する光は後方散乱する際に偏光解消を受け、散乱型偏光板の偏光軸と平行方向の偏光成分が生じており、この偏光成分は散乱型偏光子を透過する。
また、反射板が偏光解消性を有する場合には、反射時に偏光方向が回転し、散乱型偏光板の偏光軸と平行方向の偏光成分が生じ、この偏光成分は散乱型偏光子を透過する。
このように、光散乱型偏光子による後方散乱と反射板での反射を繰り返すことにより光の利用効率を向上させることができる。
【0007】
▲3▼後方散乱光の再利用(偏光方向の回転)
λ/4板と反射板とを配置した光学系に、λ/4板の遅相軸と45゜をなすように直線偏光を入射させると、偏光方向が入射光と90゜回転した反射光が戻ってくる。光散乱型偏光板と反射板(バックライトの背面に配置)との間に、λ/4板を光散乱型偏光板の偏光軸とλ/4板の遅相軸とが45゜をなすように配置することによって、上記と同じ効果が得られる。
光散乱型偏光板において後方散乱された光の偏光方向の分布は、光散乱型偏光板の偏光軸と直交方向が大きい。この後方散乱された光がλ/4板を透過して反射板により反射され再度、光散乱型偏光板に入射する光の偏光方向の分布は、光散乱型偏光板の偏光軸に平行方向に大きくなっており、偏光軸に平行な偏光成分は光散乱型偏光板を透過する。このように、光散乱型偏光板と反射板との間にλ/4板を配置することにより、光の利用効率を向上させることができる。
【0008】
前方散乱と後方散乱の強度比は、分散粒子のサイズや形状、ポリマーマトリックスと分散粒子との屈折率比により制御することが可能である。
光散乱型偏光板については、特開平8−76114号、同9−274108号、同9−297204号、特表平11−502036号、同11−509014号の各公報および米国特許5783120号、同5825543号、同5867316号の各明細書に記載がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光散乱型偏光板のうち、特開平8−76114号、同9−274108号、特表平11−502036号、同11−509014号の各公報および米国特許5867316号、同5825543号、同5867316号の各明細書に開示されている光散乱型偏光板は、光吸収型偏光板と同様にポリマーフイルムの延伸により製造している。ポリマーフイルムの延伸による製造方法では、フイルム面内の延伸ムラが生じやすく、大面積に渡って均一な散乱特性をえることが困難である。
特表平11−502036号公報記載の光散乱型偏光板は、ポリマーフイルム中に液晶を分散し、電場または磁場を印加することにより、光学的異方性物質(液晶)を配向させている。しかし、電場または磁場を大面積に均一に印加することは困難であり、大面積に渡って均一な散乱特性を得ることは困難である。
以上のような光散乱特性の面内の不均一性は、液晶表示装置の面内の輝度ムラにつながる。
本発明の目的は、光学的性質の制御が容易であり、かつ大面積に渡って均一な散乱特性を示す光学フイルムを提供することである。
また本発明の目的は、偏光板の光の利用効率を改善することでもある。
【0010】
本発明の目的は、下記(1)〜(16)の光学フイルムの製造方法および下記(17)の偏光板の製造方法により達成された
(1)光学的等方性ポリマーマトリックスの内部に、光照射することにより光学的異方性が発現する物質の粒子または液滴が分散している光学フイルムに光を照射することによって該物質の光学的異方性を発現させることを特徴とする光学フイルムの製造方法。
(2)照射する光が直線偏光である(1)に記載の光学フイルムの製造方法。
(3)光学的異方性を発現した物質が、照射した直線偏光の偏向方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも大きい光学的異方性を有する(2)に記載の光学フイルムの製造方法。
(4)光学的異方性を発現した物質が、照射した直線偏光の偏向方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも小さい光学的異方性を有する(2)に記載の光学フイルムの製造方法。
(5)光学的等方性ポリマーマトリックスの屈折率と、光学的異方性を発現した物質の屈折率との差が、偏光方向では0.05以上、偏光方向と直交する方向では0.05未満である(2)に記載の光学フイルムの製造方法。
(6)光学的等方性ポリマーマトリックスの屈折率と、光学的異方性を発現した物質の屈折率との差が、偏光方向では0.05未満、偏光方向と直交する方向では0.05以上である(2)に記載の光学フイルムの製造方法。
(7)光学的等方性ポリマーマトリックスの平均屈折率が、1.7以下である(1)に記載の光学フイルムの製造方法。
【0011】
(8)光照射することにより光学的異方性が発現する物質が、光反応性化合物である(1)に記載の光学フイルムの製造方法
(9)光照射することにより光学的異方性が発現する物質が、光異性化化合物である(1)に記載の光学フイルムの製造方法
(10)光照射することにより光学的異方性が発現する物質が、感光性物質と液晶との混合物である(1)に記載の光学フイルムの製造方法
(11)感光性物質が、光反応性化合物である(10)に記載の光学フイルムの製造方法
(12)感光性物質が、光異性化化合物である(10)に記載の光学フイルムの製造方法
(13)光照射によって光学的異方性が発現している感光性物質により、液晶共通の方向に配向させる(10)に記載の光学フイルムの製造方法
(14)重合反応により、液晶共通の方向に配向している状態で固定化させる(13)に記載の光学フイルムの製造方法
(15)光照射することにより光学的異方性が発現する物質の粒子または液滴が、0.1乃至10μmの平均粒径を有する(1)に記載の光学フイルムの製造方法
(16)光照射することにより光学的異方性が発現する物質の粒子または液滴が、実質的に球形である(1)に記載の光学フイルムの製造方法
【0012】
(17)光学的等方性ポリマーマトリックスの内部に、光照射することにより光学的異方性が発現する物質の粒子または液滴が分散している光学フイルムに光を照射することによって該物質の光学的異方性を発現させ、これにより光学的等方性ポリマーマトリックスの内部に光学的異方性物質の粒子または液滴が分散し、光学的等方性ポリマーマトリックスの屈折率と、光学的異方性物質の偏向方向の屈折率または偏向方向に直交する方向の屈折率とが実質的に等しい偏光板を製造する偏光板の製造方法。
【0014】
【発明の効果】
本発明者の研究の結果、光学的等方性ポリマーマトリックスの内部に光学的異方性物質の粒子または液滴が分散している光学フイルムにおいて、光照射によって光学的異方性物質の光学的異方性が発現できることが判明した。光照射によれば、光学的異方性物質の光学的異方性を正確に制御することができる。
前記の光学フイルムを光散乱型偏光板として用いるためには、ある一方向において光学的異方性物質の屈折率と、光学的等方性ポリマーマトリックスの屈折率とが実質的に等しくなるように、光学的異方性を正確に制御する必要がある。光照射による方法ならば、光学的異方性を正確かつ容易に制御できる。
また、本発明の光学フイルムは、延伸処理を必要としないため、光学的異方性物質の粒子または液滴の形状も任意に設定できる(延伸処理を実施すると、粒子または液滴は針状になる)。光学的異方性物質の粒子または液滴の形状による、光散乱の制御も可能である。
以上のように、本発明の光学フイルムでは、光照射によって光散乱型偏光板として必要な光学的性質を容易に達成することができる。必要な光学的性質を達成した光散乱型偏光板を用いることで、偏光板の光の利用効率を著しく改善することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、光学フイルムの基本的な構成を示す断面模式図である。
図1に示す光学フイルムでは、光学的等方性ポリマーマトリックス(1)の内部に光学的異方性物質の粒子(2)が分散している。光学的異方性物質の粒子(2)は、直線偏光(LP)の照射により、光学的異方性が発現している。すなわち、光学的異方性物質の偏向方向の屈折率(ne)が、偏向方向に直交する方向の屈折率(no)よりも大きな(もしくは小さな)値になっている。光学フイルムが光散乱型偏光板として機能するためには、偏向方向もしくは偏向方向と直交方向の一方において、光学的等方性ポリマーマトリックスの屈折率と光学異方性物質の屈折率とが実質的に等しい値となることが必要である。屈折率が実質的に等しい値となる方向(neまたはnoの方向)が、光散乱型偏光板としての透過軸(偏光軸)に相当する。
【0016】
[光学的等方性ポリマーマトリックス]
本明細書において、ポリマーマトリックスが光学的等方性であるとは、光学的異方性が0.05未満であることを意味する。
光学的等方性ポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリオレフィン誘導体(例、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ノルボルネン樹脂)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート)、セルロースエーテル、セルロースエステル(例、セルロースアセテート)およびタンパク質(例、ゼラチン、カゼイン)が含まれる。
ゼラチンが特に好ましい。ただし、ゼラチンは自己支持性が低いため、透明なポリマーフイルムを支持体として用いて、その上にゼラチンを光学的等方性ポリマーマトリックスとして含む層を設けることが好ましい。支持体として用いるポリマーとしては、ポリオレフィン、ポリオレフィン誘導体、ポリエステル、セルロースエーテルおよびセルロースエステルが好ましく、セルロースエステルがさらに好ましく、セルロースアセテートが特に好ましい。
ゼラチンを光学的等方性ポリマーマトリックスとして含む層の厚さは、0.1乃至1000μmであることが好ましく、1乃至300μmであることがさらに好ましい。
【0017】
[光学的異方性物質]
本明細書において、光学的異方性物質は、0.05以上の光学的異方性を有する物質を意味する。
光学的異方性物質は、光照射することにより光学的異方性が発現する。そのため、光学的異方性物質には、感光性成分あるいは感光性官能基が含まれている必要がある。
光照射することにより光学的異方性が発現する光学的異方性物質は、光反応性化合物と光異性化化合物とに分類できる。
光照射により発現された光学異方性を固定するためには、これらの化合物はポリマー、すなわち光反応性ポリマーまたは光異性化ポリマーであることが好ましい。光反応性ポリマーは、さらに光二量化ポリマーと光分解ポリマーとに分類できる。
光二量化ポリマーは、光二量化型の感光性基を側鎖に有する。光二量化型感光性基は、光(好ましくは紫外線)の照射によって、二つの基の間に付加反応を起こして環化する官能基である。この付加反応により、ポリマーが二量化する。光二量化反応については、永松乾「感光性高分子」(講談社、1977)に記載がある。
【0018】
光二量化型感光性基は、(a)カルボニル基または(b)エチレン不飽和結合と(c)芳香族基または(d)複素環基とを有することが好ましい。(a)カルボニル基と(b)エチレン不飽和結合の双方を有することが好ましい。従って、光二量化型感光性基としては、(a)カルボニル基、(b)エチレン不飽和結合および(c)芳香族基を有する官能基であることが好ましい。
(a)カルボニル基は、アシル基、アシルオキシ基またはアルコキシカルボニル基に含まれていることが好ましい。
(b)エチレン性不飽和結合は、シス型よりもトランス型の方が好ましい。複数のエチレン不飽和結合が含まれる場合、それらは共役していることが好ましい。
(a)カルボニル基、(b)エチレン不飽和結合および(c)芳香族基を有する官能基では、主鎖−(a)−(b)−(c)の順序で結合していることが好ましい。上記(a)、(b)および(c)を有する官能基の例には、シンナモイルおよびフェニルマレイミドが含まれる。
【0019】
主鎖と側鎖はエステル結合で結合しており、(a)カルボニル基はエステル結合に含まれていることが好ましい。
(b)エチレン不飽和結合、(c)芳香族基および(d)複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、アルケニル基(例、アリル)、アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ)、アリール基(例、フェニル)、アリールオキシ基(例、フェノキシ)、シアノ、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、ヒドロキシ、アルキル置換アミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ)およびニトロが含まれる。置換基としては、炭素原子数が1乃至6のアルキル基、炭素原子数が1乃至6のアルコキシ基、シアノ基、炭素原子数が1乃至6のアルコキシカルボニル基が好ましい。
【0020】
光二量化型感光性基を側鎖に有するポリマー(光二量化ポリマー)は、様々な方法で合成できる。
例えば、感光性基と重合性基とを有する化合物(モノマー)を重合させることにより、ポリマーを合成することができる。重合性基としては、アクリロイル基またはメタクリロイル基が好ましい。(メタ)アクリロイル基は、ラジカル重合反応によって、容易にポリマーを合成できる。また、ヒドロキシ、カルボキシル、アミノあるいはシアネートのような重合性基の縮重合反応によるポリエステル、ポリアミド、ポリイミドあるいはポリウレタンであってもよい。これらの縮重合の場合は、モノマー中に少なくとも二つの重合性基が必要である。
また、感光性基を有する化合物と、ポリマーとを反応させて、感光性基を有すポリマーを得ることもできる。感光性基を有する化合物と反応させるポリマーとしては、ポリビニルアルコールおよびポリ(メタ)アクリル酸が好ましい。ポリマー(主鎖)と化合物(側鎖)との結合は、エーテル結合、エステル結合またはアミド結合であることが好ましい。
代表的な光二量化ポリマーは、ポリビニルシンナメートである。
光二量化ポリマーを用いる代わりに、感光性基を有する化合物をポリマー(バインダー)中に分散して用いてもよい。バインダーとして用いるポリマーは、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリエステルまたはポリウレタンであることが好ましい。感光性基を有する化合物をバインダー中に分散してから、重合開始剤を用いて重合させてもよい。
【0021】
光分解ポリマーの例には、ポリイミドが含まれる。光分解型ポリイミドについては、特開平5−34699号、同6−289399号、同8−122792号の各公報および第22回液晶討論会講演予稿集、1672頁A17(1996)に記載がある。光分解ポリマーよりも光二量化ポリマーの方が好ましい。
【0022】
光異性化化合物は、一般にフォトクロミック化合物として知られている。光異性化化合物は、光の作用で化学構造に変化が生じ、それにより光に対する挙動(例えば色調)も変化する化合物である。一般に、それらの変化は可逆的である。光異性化化合物には、アゾベンゼン化合物(K. Ichimura et al., Langmuir, vol. 4, page 1214 (1988);K. Aoki et al., Langmuir, vol. 8, page 1007 (1992);Y. Suzuki et al., Langmuir, vol. 8, page 2601 (1992);K. Ichimura et al., Appl. Phys. Lett., vol. 63, No. 4, page 449 (1993);N. Ishizuki, Langmuir, vol. 9, page 3298 (1993) ;N. Ishizuki, Langmuir, vol. 9, page 857 (1993))、ヒドラゾノ−β−ケトエステル化合物(S. Yamamura et al., Liquid Crystals, vol. 13, No. 2, page 189 (1993))、スチルベン化合物(市村國宏他、高分子論文集、第47巻、10号、771頁(1990))およびスピロピラン化合物(K. Ichimura et al., Chemistry Letters, page 1063 (1992) ;K. Ichimura et al., Thin Solid Films, vol. 235, page 101 (1993) )が含まれる。
【0023】
C=C、C=NまたはN=Nからなる二重結合構造を含む光異性化化合物が、特に好ましい。二重結合構造を有するフォトクロミック化合物は、下記(1)および(2)の必須要素と、下記(3)〜(5)の任意要素からなる。
(1)C=C、C=NまたはN=Nからなる二重結合構造
(2)上記(1)の結合の両側に(直結しなくてもよく)存在する環状構造
(3)任意の(1)と(2)との間の連結基
(4)任意の(1)の炭素原子の置換基
(5)任意の(2)の環状構造の置換基
上記(1)の二重結合構造は、シス型よりもトランス型が好ましい。二重結合構造は、分子内に二つ以上存在していてもよい。複数の二重結合構造は、共役の関係にあることが好ましい。
上記(2)の環状構造の例には、ベンゼン環、ナフタレン環および含窒素複素環(例、ピリジニウム環、ベンゾピリジニウム環)が含まれる。含窒素複素環の場合、環を構成する(窒素原子ではなく)炭素原子が(1)の二重結合構造の炭素原子または窒素原子と結合することが好ましい。ベンゼン環が特に好ましい。
【0024】
上記(3)の連結基の例には、−NH−および−CO−が含まれる。ただし、(3)の連結基がなく、(1)と(2)とが直結していることが好ましい。
上記(4)の置換基の例には、アリール基(例、フェニル)およびシアノが含まれる。ただし、(4)の置換基がなく、二重結合構造に含まれる炭素原子が、(2)との結合以外は無置換(−CH=CH−または−CH=N−)であることが好ましい。
上記(5)の置換基の例には、アルコキシ基(例、メトキシ、ヘキシルオキシ)、シアノ、アルキル基(例、ブチル、ヘキシル)およびアルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ)を挙げることができる。(2)の環状構造がベンゼン環の場合、パラ位に置換基が結合することが好ましい。なお、後述するように、フォトクロミック化合物をポリマーに化学的結合させて使用する場合は、ポリマーに化学的結合させるための官能基を、(5)の置換基として光異性化化合物に導入する。
【0025】
光異性化化合物は、ポリマーに化学的に結合させて用いることが好ましい。使用するポリマーは、親水性ポリマー(例、ゼラチン、ポリビニルアルコール)であることが好ましい。ポリビニルアルコールが特に好ましく用いられる。
光異性化化合物とポリマーとの反応は、ポリマーの種類(特に官能基の種類)に応じて決定する。ポリビニルアルコールのような水酸基を有するポリマーの場合は、酸ハライドと水酸基との反応を利用して、光異性化化合物をポリマーと結合させることができる。具体的には、ハロゲン化アシル基(−COX、Xはハロゲン)を、光異性化化合物に置換基として導入し、ハロゲン化アシル基とポリマーの水酸基との反応(Ph−COX+HO−Pl→Ph−CO−O−Pl+HX、Phは光異性化化合物、Plはポリマーの主鎖)により化学的に結合させる。
【0026】
以上の光学的異方性物質(光反応性化合物または光異性化化合物)と液晶とを併用しても(混合物として用いても)よい。
液晶としては、棒状液晶性分子が好ましく用いられる。
棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましい。なお、棒状液晶性分子には、金属錯体も含まれる。
棒状液晶性分子については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994年)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
【0027】
棒状液晶性分子の複屈折率は、0.001乃至0.7であることが好ましい。棒状液晶性分子は、重合性基を有することが好ましい。重合性基としては、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基が好ましく、不飽和重合性基がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基が最も好ましい。
棒状液晶性分子は、短軸方向に対してほぼ対称となる分子構造を有することが好ましい。そのためには、棒状分子構造の両端に重合性基を有することが好ましい。
以下に、棒状液晶性分子の例を示す。
【0028】
【化1】
Figure 0004195166
【0029】
【化2】
Figure 0004195166
【0030】
【化3】
Figure 0004195166
【0031】
【化4】
Figure 0004195166
【0032】
【化5】
Figure 0004195166
【0033】
【化6】
Figure 0004195166
【0034】
【化7】
Figure 0004195166
【0035】
【化8】
Figure 0004195166
【0036】
【化9】
Figure 0004195166
【0037】
【化10】
Figure 0004195166
【0038】
【化11】
Figure 0004195166
【0039】
【化12】
Figure 0004195166
【0040】
【化13】
Figure 0004195166
【0041】
[光学フイルム]
光学フイルムの製造では、光学的等方性ポリマーマトリックス中に、光学的異方性物質の粒子または液滴を分散する。
粒子または液滴の平均粒径は、0.1乃至10μmであることが好ましく、0.2乃至8μmであることがさらに好ましく、0.3乃至6μmであることが最も好ましい。
粒子または液滴は、実質的に球状であることが好ましい。実質的に球状であるとは、平均アスペクト比が2以下であることを意味する。
光学的等方性ポリマーマトリックス中の光学的異方性物質の割合は、1乃至60重量%であることが好ましく、2乃至50重量%であることがより好ましく、3乃至40重量%であることがさらに好ましく、4乃至30重量%であることが最も好ましい。
【0042】
光学的等方性ポリマーマトリックス中に、光学的異方性物質の粒子または液滴を分散してから、光を照射する。照射する光は、直線偏光であることが好ましい。また、なるべく単一方向から光を照射することも好ましい。単一方向とは、フイルム平面(光の方向をフイルム平面に投影した向き)において単一の方向であることを意味し、フイルム平面に対して水平または垂直の方向も含む。
【0043】
光学的異方性物質の感光性基は、紫外線照射により光学的異方性が発現することが好ましい。紫外線の波長は、320nm以下(遠赤外線)であることが好ましい。
光源としては、水銀灯、キセノン灯、蛍光灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプおよび不活性ガスレーザーが好ましい。光源から出射された紫外線は、偏光素子を利用して紫外線偏光とする。偏光素子は、プリズム系素子(例、グラントムソンプリズム)またはブリュースター角を利用した反射型偏光子であることが好ましい。なお、不活性ガスレーザーを光源とする紫外線は偏光となっている場合がある。その場合には、偏光素子は不要である。
【0044】
露光量は、1mJ/cm2 以上であることが好ましく、10mJ/cm2 乃至上10J/cm2 であることがさらに好ましい。
露光強度は、20乃至2000mW/cm2 であることが好ましく、40乃至1000mW/cm2 であることがさらに好ましく、80乃至500mW/cm2 であることが最も好ましい。短時間で光学的異方性を発現させるために、加熱しながら光を照射してもよい。
【0045】
偏向方向の屈折率(ne)と偏向方向と直交方向の屈折率(no)との差の絶対値|ne−no|は0.05以上であることが好ましく、0.07以上であることがさらに好ましく、0.1以上であることが最も好ましい。
ポリマーマトリックスの屈折率異方性は0.05未満であることが好ましい。偏向方向もしくは偏向方向と直交方向の一方において、ポリマーマトリックスと光学的異方性物質の屈折率が実質的に等しい値となることが必要である。屈折率が実質的に等しいとは、屈折率の差が0.05未満(好ましくは0.01未満)であることを意味する。
【0046】
偏向方向もしくは偏向方向と直交方向の一方において、ポリマーマトリックスと光学的異方性物質の屈折率が実質的に等しい値となることにより、光学フィルムが光散乱型偏光板として機能する。ポリマーマトリックスと光学的異方性物質の屈折率が実質的に等しい値となる方向が、光散乱型偏光板としての透過軸(偏光軸)に相当する。
【0047】
光散乱型偏光板へ入射する光に対する反射率を低下させることにより、バックライト光の利用効率を向上させることができる。ポリマーマトリックスの平均屈折率nは1.7以下であることが好ましく、1.6以下であることがさらに好ましく、1.55以下であることが最も好ましい。ここで、平均屈折率nは下記式で表される。
n=(nx+ny+nz)/3
nx:面内の遅相軸方向の屈折率、ny:面内の進相軸方向の屈折率、nz:厚み方向の屈折率。
【0048】
光散乱型偏光板は、一般に光吸収型偏光板と積層して用いられる。光散乱型偏光板の透過軸と光吸収型偏光板の透過軸とが実質的に平行になるように配置する。
光散乱型偏光板および光吸収型偏光板は、さらにλ/4板と積層することで、積層体を円偏光板として機能させることができる。円偏光板では、光散乱型偏光板および光吸収型偏光板の透過軸とλ/4板の遅相軸との角度が、実質的に45゜になるように配置する。
【0049】
【実施例】
[実施例1]
(屈折率の測定)
光学フイルムの製造後では屈折率の測定が難しいため、製造前に光学的等方性ポリマーマトリックスと光学的異方性物質との屈折率を測定した。
ゼラチン(ポリマーマトリックス)10重量部を水90重量部に加え、加熱しながら溶解した。得られた溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥した。形成したゼラチン膜の屈折率をナトリウムのD線においてアッベ屈折計で測定したところ、いずれの方向の屈折率も1.54であった。
下記の光反応性化合物(光二量化ポリマー)をジクロロメタンに溶解して30重量%溶液を調製した。溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥した後、室温で波長365nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射した。形成した光反応性化合物の被膜の屈折率をアッベ屈折計で測定したところ、偏向方向の屈折率(ne)は1.64、偏向方向と直交する方向の屈折率(no)は1.54であった。
【0050】
【化14】
Figure 0004195166
【0051】
(光学フイルムの作製)
ゼラチン10重量部を水90重要部に加え、加熱しながら溶解した。得られた溶液に、上記の光反応性化合物の30重量%ジクロロメタン溶液2重量部を添加し、ホモジナイザーを用いて乳化した。
トリアセチルセルロースフイルム(支持体)に、ゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、得られた乳化液を塗布し、乾燥した。形成した厚さ30μmの被膜に、室温で波長365nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射し、光学フイルムを作製した。
【0052】
(透過率の測定)
作製した光学フイルムと、市販の光吸収型直線偏光板とを接着剤を介して積層し、液晶表示装置用バックライトの上に配置した。光学フイルムの透過軸(ゼラチンの屈折率と光反応性化合物の屈折率とが実質的に等しくなる方向)と光吸収型直線偏光板の透過軸とは、平行になるように配置した。その状態で透過率を測定したところ、45%であった。
【0053】
[実施例2]
(屈折率の測定)
下記の光異性化化合物(フォトクロミック化合物を結合したポリマー)をシクロヘキサノンに溶解して30重量%溶液を調製した。溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥した後、室温で波長435nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射した。形成した光異性化化合物の被膜の屈折率をアッベ屈折計で測定したところ、偏向方向の屈折率(ne)は1.54、偏向方向と直交する方向の屈折率(no)は1.62であった。
【0054】
【化15】
Figure 0004195166
【0055】
(光学フイルムの作製)
ゼラチン10重量部を水90重要部に加え、加熱しながら溶解した。得られた溶液に、上記の光異性化化合物の30重量%シクロヘキサノン溶液2重量部を添加し、ホモジナイザーを用いて乳化した。
トリアセチルセルロースフイルム(支持体)に、ゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、得られた乳化液を塗布し、乾燥した。形成した厚さ30μmの被膜に、室温で波長435nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射し、光学フイルムを作製した。
【0056】
(透過率の測定)
作製した光学フイルムと、市販の光吸収型直線偏光板とを接着剤を介して積層し、液晶表示装置用バックライトの上に配置した。光学フイルムの透過軸(ゼラチンの屈折率と光異性化化合物の屈折率とが実質的に等しくなる方向)と光吸収型直線偏光板の透過軸とは、平行になるように配置した。その状態で透過率を測定したところ、44.5%であった。
【0057】
[実施例3]
(屈折率の測定)
実施例1で用いた光反応性化合物(光二量化ポリマー)10重量部および棒状液晶性分子(N26)90重量部を混合した。混合物をジクロロメタンに溶解して、30重量%溶液を調製した。溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥した後、室温で波長365nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射した。さらに、波長310nmの非偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射して、棒状液晶性分子の配向状態を固定した。形成した被膜の屈折率をアッベ屈折計で測定したところ、偏向方向の屈折率(ne)は1.66、偏向方向と直交する方向の屈折率(no)は1.54であった。
【0058】
(光学フイルムの作製)
ゼラチン10重量部を水90重要部に加え、加熱しながら溶解した。得られた溶液に、上記の光反応性化合物10重量部および棒状液晶性分子(N26)90重量部からなる混合物の30重量%ジクロロメタン溶液2重量部を添加し、ホモジナイザーを用いて乳化した。
トリアセチルセルロースフイルム(支持体)に、ゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、得られた乳化液を塗布し、乾燥した。形成した厚さ30μmの被膜に、室温で波長365nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射した。さらに、波長310nmの非偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射して、棒状液晶性分子の配向状態を固定し、光学フイルムを作製した。
【0059】
(透過率の測定)
作製した光学フイルムと、市販の光吸収型直線偏光板とを接着剤を介して積層し、液晶表示装置用バックライトの上に配置した。光学フイルムの透過軸(ゼラチンの屈折率と光反応性化合物の屈折率とが実質的に等しくなる方向)と光吸収型直線偏光板の透過軸とは、平行になるように配置した。その状態で透過率を測定したところ、46%であった。
【0060】
[実施例4]
(屈折率の測定)
実施例2で用いた光異性化化合物(フォトクロミック化合物を結合したポリマー)10重量部および棒状液晶性分子(N26)90重量部をシクロヘキサノンに溶解して30重量%溶液を調製した。溶液を高屈折率ガラス上に塗布し、乾燥した後、室温で波長435nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射した。偏光照射後、130℃で30分間加熱した。さらに、波長310nmの非偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射して、棒状液晶性分子の配向状態を固定した。形成した光異性化化合物の被膜の屈折率をアッベ屈折計で測定したところ、偏向方向の屈折率(ne)は1.54、偏向方向と直交する方向の屈折率(no)は1.65であった。
【0061】
(光学フイルムの作製)
ゼラチン10重量部を水90重要部に加え、加熱しながら溶解した。得られた溶液に、上記の光異性化化合物10重量部および棒状液晶性分子(N26)90重量部からなる混合物の30重量%シクロヘキサノン溶液2重量部を添加し、ホモジナイザーを用いて乳化した。
トリアセチルセルロースフイルム(支持体)に、ゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、得られた乳化液を塗布し、乾燥した。形成した厚さ30μmの被膜に、室温で波長435nmの直線偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射した。偏光照射後、130℃で30分間加熱した。さらに、波長310nmの非偏光(200mW/cm2 )を10秒間照射して、光学フイルムを作製した。
【0062】
(透過率の測定)
作製した光学フイルムと、市販の光吸収型直線偏光板とを接着剤を介して積層し、液晶表示装置用バックライトの上に配置した。光学フイルムの透過軸(ゼラチンの屈折率と光異性化化合物の屈折率とが実質的に等しくなる方向)と光吸収型直線偏光板の透過軸とは、平行になるように配置した。その状態で透過率を測定したところ、45.5%であった。
【0063】
[実施例5]
(円偏光板の作製)
実施例2で作製した光学フイルムと、市販の光吸収型直線偏光板とを接着剤を介して積層した。さらに、λ/4板を光学フイルム側に積層して円偏光板を作製した。光学フイルムの透過軸(ゼラチンの屈折率と光異性化化合物の屈折率とが実質的に等しくなる方向)と光吸収型直線偏光板の透過軸とは、平行になるように配置した。これらの透過軸とλ/4板の遅相軸とは、同一平面で45゜の角度で交差するように配置した。
円偏光板のλ/4板側を液晶表示装置用バックライトの上に配置した。その状態で透過率を測定したところ、49%であった。
【0064】
[参考例]
市販の光吸収型直線偏光板を、液晶表示装置用バックライトの上に配置した。その状態で透過率を測定したところ、41%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学フイルムの基本的な構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 光学的等方性ポリマーマトリックス
2 光学的異方性物質の粒子
LP 直線偏光
ne 光学的異方性物質の偏向方向(の屈折率)
no 偏向方向に直交する方向(の屈折率)

Claims (17)

  1. 光学的等方性ポリマーマトリックスの内部に、光照射することにより光学的異方性が発現する物質の粒子または液滴が分散している光学フイルムに光を照射することによって該物質の光学的異方性を発現させることを特徴とする光学フイルムの製造方法。
  2. 照射する光が直線偏光である請求項1に記載の光学フイルムの製造方法。
  3. 光学的異方性を発現した物質が、照射した直線偏光の偏向方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも大きい光学的異方性を有する請求項2に記載の光学フイルムの製造方法。
  4. 光学的異方性を発現した物質が、照射した直線偏光の偏向方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも小さい光学的異方性を有する請求項2に記載の光学フイルムの製造方法。
  5. 光学的等方性ポリマーマトリックスの屈折率と、光学的異方性を発現した物質の屈折率との差が、偏光方向では0.05以上、偏光方向と直交する方向では0.05未満である請求項2に記載の光学フイルムの製造方法。
  6. 光学的等方性ポリマーマトリックスの屈折率と、光学的異方性を発現した物質の屈折率との差が、偏光方向では0.05未満、偏光方向と直交する方向では0.05以上である請求項2に記載の光学フイルムの製造方法。
  7. 光学的等方性ポリマーマトリックスの平均屈折率が、1.7以下である請求項1に記載の光学フイルムの製造方法。
  8. 光照射することにより光学的異方性が発現する物質が、光反応性化合物である請求項1に記載の光学フイルムの製造方法。
  9. 光照射することにより光学的異方性が発現する物質が、光異性化化合物である請求項1に記載の光学フイルムの製造方法。
  10. 光照射することにより光学的異方性が発現する物質が、感光性物質と液晶との混合物である請求項1に記載の光学フイルムの製造方法
  11. 感光性物質が、光反応性化合物である請求項10に記載の光学フイルムの製造方法。
  12. 感光性物質が、光異性化化合物である請求項10に記載の光学フイルムの製造方法。
  13. 光照射によって光学的異方性が発現している感光性物質により、液晶を共通の方向に配向させる請求項10に記載の光学フイルムの製造方法。
  14. 重合反応により、液晶を共通の方向に配向している状態で固定化させる請求項13に記載の光学フイルムの製造方法。
  15. 光照射することにより光学的異方性が発現する物質の粒子または液滴が、0.1乃至10μmの平均粒径を有する請求項1に記載の光学フイルムの製造方法。
  16. 光照射することにより光学的異方性が発現する物質の粒子または液滴が、実質的に球形である請求項1に記載の光学フイルムの製造方法。
  17. 光学的等方性ポリマーマトリックスの内部に、光照射することにより光学的異方性が発現する物質の粒子または液滴が分散している光学フイルムに光を照射することによって該物質の光学的異方性を発現させ、これにより光学的等方性ポリマーマトリックスの内部に光学的異方性物質の粒子または液滴が分散し、光学的等方性ポリマーマトリックスの屈折率と、光学的異方性物質の偏向方向の屈折率または偏向方向に直交する方向の屈折率とが実質的に等しい偏光板を製造する偏光板の製造方法
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