JP4193913B1 - 鉱物質球状微粒子とその製造方法および用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一次粒子が数ミクロンからサブミクロン範囲の平均粒子径を有し、かつ球状であり、コンクリート用混和材として好適な鉱物質微粒子と、これを収率よく製造することができる方法を提供する。
【解決手段】 モース硬度5以下および一次粒子の平均粒径30μm以下の鉱物質微粒子を、固形分濃度10〜60質量%のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力100〜245MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって製造された、一次粒子の平均粒径5μm以下、好ましくは平均粒径2μm以下および円形度0.90以上の球状微粒子とその製造方法および該鉱物質球状微粒子からなるコンクリート用混和材、セメントおよびコンクリート。
【選択図】なし

Description

本発明は、高強度コンクリート、無収縮グラウト材、セルフレベリング材などのコンクリートに使用される混和材として好適な鉱物質球状微粒子とその製造方法に関する。
高強度コンクリート、無収縮グラウト材、セルフレベリング材などには流動性および強度発現性を高めるためにシリカフュームなどの鉱物質微粒子が配合されている。このシリカフュームは産業廃棄物から転用されているものが多いため、品質が安定せず、良質なものが入手し難い問題があり、品質の安定した無機質混和材の開発が進められている。
例えば、特許文献1には、石灰石、珪石、高炉スラグなどをボールミルやローラミルで粉砕して微粉化し、混和材用微粒子を製造することが記載されている。特許文献2には、石灰石などを粉砕した後にさらに分級機に導入して粒径を均一化した微粒子を製造することが記載されている。
しかし、従来の上記方法は何れもローラミルやボールミルによる粉砕であり、粒子径が数ミクロンからサブミクロン範囲の微粒子を得るには収率が低く、しかも、ボールやローラの衝撃力によって石灰石粒子などを圧壊し、剪断することによって粉砕するものであるため、粒子形状が凹凸の多い鋭角部のある形状になり、混和材に適した角の取れた球状粒子を得るのが難しいと云う問題がある。
特開平06−199549号公報 特開平10−028889号公報 特開2007−126304号公報
本発明は、従来の製造方法における上記問題を解決したものであり、一次粒子が数ミクロンからサブミクロン範囲の平均粒子径を有し、かつ球状であり、コンクリート用混和材として好適な鉱物質微粒子を収率よく製造することができる方法を提供する。
従来方法の上記問題を解決するために、石灰石等をクラッシャで粗粉砕した後に更にボールミルで約10μm以下に微粉砕し、この粉砕物に超高圧の水流を衝突させることによって微細化し、平均粒径2μm以下の鉱物微粒子を製造する方法が提案されている(特許文献3)。
超高圧水を用いる上記方法は、石灰石等を微粉砕した後に超高圧の水流を衝突させるので、粒子の角が取れて丸みを帯び、コンクリート用混和材として好適な球状微粒子を得ることができる利点を有している。
本発明は、上記方法をさらに改善したものであり、微粉砕した石灰石等を予め所定固形分濃度のスラリーにし、このスラリーを所定圧力で両側のノズルから噴射させて互いに衝突させることによって、石灰石等をさらに粉砕すると共に生じた粉砕粒子の角が取れた円形度の高い球状粒子を効率よく製造できるようにしたものである。
本発明は、以下の〔1〕〜〔8〕に示す構成によって上記課題を解決した鉱物質微粒子とその製造方法および用途に関する。
〔1〕モース硬度5以下および平均粒径30μm以下の鉱物質微粒子を、固形分濃度10質量%以上〜50質量%未満のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力100〜200MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径2μm以上〜3μm未満および円形度0.90以上の球状微粒子を製造することを特徴とする鉱物質球状微粒子の製造方法。
〔2〕モース硬度5以下および平均粒径30μm以下の鉱物質微粒子を、固形分濃度50〜60質量%のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力100〜200MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径3μm以上〜5μm未満および円形度0.90以上の球状微粒子を製造することを特徴とする鉱物質球状微粒子の製造方法。
〔3〕モース硬度5以下および平均粒径10〜20μmの鉱物質微粒子を、固形分濃度10〜30質量%のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力150〜245MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径0.93〜3.36μmおよび円形度0.91〜0.96の球状微粒子を製造することを特徴とする鉱物質球状微粒子の製造方法。
〔4〕上記[1]〜上記[3]の何れかの方法によって製造された鉱物質球状微粒子であって、該鉱物質球状微粒子を添加したセメントペーストについて、該球状微粒子の添加量15質量%および水結合材比15質量%において、標準流下試験に準じたVロートを用いた流下時間が20秒以下になる流動性を与える鉱物質球状微粒子。
〔5〕上記[1]〜上記[3]の何れかの方法によって製造された鉱物質球状微粒子であって、水結合材比13質量%以上のコンクリートの結合材中に10質量%以上添加することによって、該コンクリートについて水平距離100mのポンプ圧送を可能にする鉱物質球状微粒子。
〔6〕上記[4]または上記[5]の何れかに記載する鉱物質球状微粒子からなるコンクリート用混和材。
〔7〕上記[4]または上記[5]の何れかに記載する鉱物質球状微粒子を混合材として含むセメント。
本発明の製造方法は、鉱物質微粒子をあらかじめ所定固形分濃度のスラリーにし、スラリーの状態で互いに噴射して衝突させるので、鉱物質微粒子どうしが互いに衝突して微細化され、また角が取れて球状になる。従って、滞留した石灰石微粉末等に高圧水流を衝突させるよりも効率よく微粒子を微細化することができ、操作も容易である。具体的には、例えば、円形度0.90以上であって一次粒子の平均粒径5μm以下の球状微粒子を効率よく製造することができる。
本発明の製造方法は、具体的には、一次粒子の平均粒径30μm以下であってモース硬度5以下の比較的軟質の鉱物質微粒子を、固形分濃度10〜60質量%、好ましくは10〜30質量%のスラリーにし、このスラリーを二流路に分岐させ、100〜245Mpaの超高圧、好ましくは150〜245Mpaの噴射圧力で両側から真向かい(対向し)、または斜め方向、または直角方向に噴射して互いに衝突させて粉砕・分散させて微細化するので、粒子の角が取れて丸みを帯び、コンクリート用混和材として好適な円形度0.90以上の円形度が高く、一次粒子の平均粒径が5μm以下、好ましくは一次粒子の平均粒径2μm以下の球状微粒子を収率よく得ることができる。
本発明の製造方法は、モース硬度5以下の鉱物質微粒子として、方解石、ドロマイト、蛍石、燐灰石、石灰石、アラレ石、菱鉄鉱などを用いることができ、これらは比較的軟質であるので、互いに衝突することによって角が取れて丸くなり、円形度の高い球状粒子を得ることができ、コンクリート用混和材として好適な鉱物質微粒子を得ることができる。
本発明の製造方法によって得られる鉱物質微粒子は円形度が高いので流動性が良く、セメントに混合してコンクリートとして使用する場合にも高い流動性が得られる。例えば、コンクリートの流動性の評価に用いられるVロートの流下時間を水結合比15質量%のセメントペーストで測定したときに流下時間20秒以下の流動性を得ることができる。
また、本発明の方法によって製造された一次粒子の平均粒径2μm以下および円形度0.90以上の鉱物質球状微粒子からなるコンクリート用混和材を結合材中に10質量%以上添加することによって、水結合材比13%質量以上のコンクリートについて水平距離100mのポンプ圧送が可能となる。
さらに、本発明の方法によって製造された鉱物質球状微粒子からなるコンクリート用混和材を使用したコンクリートは高流動性と共に高強度が得られる。具体的には、材齢91日の圧縮強度160N/mm2以上の強度を有するコンクリートを得ることができる。
以下、本発明を実施例と共に具体的に説明する。
本発明の製造方法は、〔1〕モース硬度5以下および平均粒径30μm以下の鉱物質微粒子を、固形分濃度10質量%以上〜50質量%未満のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力100〜200MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径2μm以上〜3μm未満および円形度0.90以上の球状微粒子を製造することを特徴とする鉱物質球状微粒子の製造方法である。
また、本発明はの製造方法は、〔2〕モース硬度5以下および平均粒径30μm以下の鉱物質微粒子を、固形分濃度50〜60質量%のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力100〜200MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径3μm以上〜5μm未満および円形度0.90以上の球状微粒子を製造することを特徴とする鉱物質球状微粒子の製造方法である。
さらに、本発明の製造方法は、〔3〕モース硬度5以下および平均粒径10〜20μmの鉱物質微粒子を、固形分濃度10〜30質量%のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力150〜245MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径0.93〜3.36μmおよび円形度0.91〜0.96の球状微粒子を製造することを特徴とする鉱物質球状微粒子の製造方法である。
本発明の製造方法は、モース硬度5以下、好ましくはモース硬度が1〜4の鉱物質微粒子を用いる。モース硬度5以下の鉱物としては、方解石、ドロマイト、蛍石、燐灰石、石灰石、アラレ石、菱鉄鉱等が例示される。これらの鉱物ないし岩石は自然物でも人工物でも良い。岩石中の鉱物の含有量は好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上が適当である。モース硬度5以下のものは石英(モース硬度7)より軟質であり、粒子どうしを衝突させたときに角がとれて丸みを帯びた粒子になりやすい。一方、硬度が5より高いものは粒子どうしを衝突させたときに割れて異形になりやすい。
上記鉱物ないし岩石を、一次粒子の平均粒径30μm以下、好ましくは平均粒径10〜20μm以下のスラリーにして用いる。鉱物質微粒子を平均粒径30μm以下にする手段は制限されない。スラリー中の鉱物質微粒子の平均粒径が30μmより大きいと、該スラリーを両側のノズルから噴射圧力100〜245MPaで噴射して衝突させたときに、一次粒子の平均粒径が5μm以下の微粒子になる割合が低下する。なお、この方法によって一次粒子の平均粒径が2μm以下の微粒子を得るには、スラリー中の鉱物質粒子の平均粒径は20μm以下が好ましい。
鉱物質微粒子スラリーの固形分濃度は10〜60質量%が適当であり、10〜50質量%が好ましい。固形分濃度が10質量%よりも低いと、粒子どうしが衝突する割合が低下するので粒子が十分に微細化されない。一方、固形分濃度が60質量%よりも高いとスラリーの流動性が低下し、適度な粒子衝突を行わせるために大きな噴射圧を必要とするので設備の負担が増し、他方、噴射圧を一定にすると、粒子相互の衝突による衝撃力が不十分になるので粒子が十分に微細化されない。
本発明の製造方法は、上記鉱物質微粒子スラリーを両側のノズルから噴射圧力100〜245MPaで噴射して衝突させる。スラリー固形分濃度が上記範囲において、噴射圧力が100MPaより低いと粒子どうしが衝突したときに衝撃力が弱くなり、十分に微細化できず、また円形度も向上しない。一方、噴射圧力が245MPaより高いと設備に対する高圧の負担が大きくなる。
本発明の製造方法によれば、モース硬度5以下の鉱物質微粒子について、スラリー中の鉱物質微粒子の平均粒径30μm以下、固形分濃度10〜60質量%、噴射圧力100〜245MPaに制御して両側からスラリーを衝突させることによって、一次粒子の平均粒径5μm以下および円形度0.90以上の球状微粒子を製造することができる。具体的には、実施例1に示すように、モース硬度5以下および平均粒径30μm以下の鉱物質微粒子を、固形分濃度10質量%以上〜50質量%未満のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力200MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径2μm以上〜3μm未満および円形度0.90以上の球状微粒子を製造することができる。
また、本発明の製造方法によれば、スラリーの固形分濃および噴射圧力を調整することによって製造される粒子の粒径を制御することができ。具体的には、実施例1に示すように、モース硬度5以下および平均粒径30μm以下の鉱物質微粒子を、固形分濃度50〜60質量%のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力100〜200MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径3μm以上〜5μm未満および円形度0.90以上の球状微粒子を製造することができる。
また、例えば、スラリー中の鉱物質微粒子の平均粒径10〜20μm、スラリーの固形分濃度10〜30質量%、噴射圧力150〜245MPaでスラリーを噴射して衝突させることによって、円形度0.90以上であって一次粒子の平均粒径2μm以下の球状微粒子を製造することができる。さらに、スラリー中の平均粒径および噴射圧力が上記範囲において、スラリーの固形分濃度を20質量%前後(15〜25質量%)に調整することによって、円形度0.90以上であって一次粒子の平均粒径1μm以下の球状微粒子を製造することができる。具体的には、実施例2に示すように、モース硬度5以下および平均粒径10〜20μmの鉱物質微粒子を、固形分濃度10〜30質量%のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力150〜245MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径0.93〜3.36μmおよび円形度0.91〜0.96の球状微粒子を製造することができる。


鉱物質微粒子のスラリーに分散剤を添加すれば、スラリー中の鉱物質微粒子の分散性が高まるので好ましい。分散剤としては例えばポリアクリル酸アルカリ塩を用いることができる。また、分散剤としてポリカルボン酸系高性能減水剤、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤を用いれば、製造した鉱物質微粒子をコンクリート用混和材として使用する場合、該混和材に対して、コンクリートに添加する減水剤の使用量を低減することができる。これらの添加量は0.2〜3質量%が適当である。鉱物質微粒子のスラリーは、水分を減らして濃縮しても、また、乾燥して粉体として用いてもよい。また、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ等の他の種類の混和材と混合したりして併用してもよく、各種セメント中に混和材として均一混合して、セメントとして利用することもできる。
本発明の方法によって製造される鉱物質微粒子は、一次粒子の平均粒径5μm以下および円形度が0.90以上であるので、流動性が良く、この鉱物質球状微粒子を添加したセメントペーストについて、該球状微粒子の添加量15質量%、水結合材比15質量%において、土木学会コンクリート標準仕方書(基礎編)「高流動コンクリートの漏斗を用いた流下試験方法(案)JSCE-F 512-2007」)(以下、この試験方法を標準流下試験と略称する)に準じたVロートを用いた流下時間が20秒以下である流動性を得ることができる。鉱物質微粒子の円形度が0.90未満ではセメントペーストの流下時間が長くなり、流動性が劣る。
また、本発明の方法によって製造された鉱物質球状微粒子を用いたコンクリートは、流動性が良いので、長い距離のポンプ圧送が可能である。具体的には、例えば、本発明の鉱物質球状微粒子をコンクリートの結合材中に10質量%以上添加し、水結合材比13%以上にしたコンクリートは水平距離100mのポンプ圧送が可能である。
さらに、本発明の方法によって製造された鉱物質球状微粒子からなるコンクリート用混和材を使用したコンクリートは高流動性と共に高強度が得られる。具体的には、材齢91日の圧縮強度160N/mm2以上の強度を有するコンクリートを得ることができる。
本発明の製造方法について、以下に実施例および比較例を示す。各例において%は質量%である。
円形度は投影法に基づき、次式(1)に従って求めた。
円形度=[粒子の投影面積に等しい円の周長]/[粒子の投影輪郭長] …(1)
平均粒径はレーザ回折散乱式粒度計(島津製作所製:SALD-2100型)を使用し、D50[重量累積粒度分布の50%径]を測定した。
スラリー噴射による微細化は衝突型の湿式微粒化装置(噴射圧50〜245MPa、ノズル径φ0.1mm)を用いた。
〔実施例1〕
石灰石をローラミルで乾式粉砕し平均粒径23.6μmの微粒子にし、この石灰石微粒子を用いてスラリーを調製した。該スラリーを200MPaで両側のノズルから噴射し、衝突させて微粒子を得た。スラリーの固形分濃度、製造された微粒子の平均粒径、円形度を表1に示した。
表1に示すように、スラリーの固形分濃度10〜60質量%の実施例(No.A2〜A7)は、微細化された粒子の平均粒径が5μm以下であり、スラリーの固形分濃度が10〜40質量%では平均粒径が3μm以下である。また、スラリーの固形分濃度が20質量%付近では平均粒径が2μm以下である。さらに何れも微細化された粒子の円形度は0.90以上である。一方、スラリーの固形分濃度が5質量%の比較例(No.A1)は微細化された粒子の平均粒径が5μmよりやや大きく、固形分濃度が70質量%の比較例(No.A8)は管内で閉塞して粉砕不能であった。
Figure 0004193913
〔実施例2〕
平均粒径12.8μmの石灰石微粒子を用いてスラリーを調製した。該スラリーの固形分濃度を20質量%にし、高圧で両側のノズルから噴射し衝突させて微粒子を得た。スラリーの噴射圧力、製造された微粒子の平均粒径、円形度を表2に示した。
表2に示すように、噴射圧力150〜245MPaの実施例(No.B1〜B3)は平均粒径が2μm以下である。また、噴射圧力100MPaの実施例(No.B1)では平均粒径が5μm以下である。さらに何れも微細化された粒子の円形度は0.90以上である。一方、噴射圧力が80MPaの比較例(No.B5)は平均粒径が5μmより大きい。また、円形度は0.84以下である。
Figure 0004193913
〔実施例3〕
実施例1および実施例2の一部の試料について、製造した石灰石微粒子の流動性を表3に示した。流動性は、土木学会コンクリート標準示方書(高流動コンクリートの漏斗を用いた流下試験方法 JSCE-F 512-2007)に準拠して上記石灰石微粒子を添加したセメントペーストのVロート流下時間を測定した。
表3に示すように、一次粒子の平均粒径0.93〜2.39および円形度0.92〜0.96の微粒子(本発明の実施例:No.A2、No.A3、No.B1、No.B3)を用いたセメントペーストのVロート流下時間は15秒以下である。一方、平均粒径5.14μmおよび円形度0.85の微粒子(比較例No.A1)を用いたセメントペーストのVロート流下時間は38.2秒であり、本発明の微粒子を用いたセメントペーストは比較例の微粒子を用いたものよりも流動性が格段に優れている。
Figure 0004193913
〔実施例4〕
石灰石に代えてモース硬度5の燐灰石を用いた他は実施例1と同様にして燐灰石微粒子を製造した。この結果を表4に示した。表1に示すように、スラリーの固形分濃度10〜60質量%の実施例(No.C2〜C7)は、微細化された粒子の平均粒径が5μm以下であり、スラリーの固形分濃度が10〜40質量%では平均粒径が3μm以下である。また、スラリーの固形分濃度が20質量%付近では平均粒径が2μm以下である。さらに何れも微細化された粒子の円形度は0.90以上である。一方、スラリーの固形分濃度が5%の比較例(No.C1)は微細化された粒子の平均粒径が6.54μmよりやや大きく、固形分濃度が70質量%の比較例(No.C8)は管内で閉塞して粉砕不能であった。
Figure 0004193913
〔実施例5〕
石灰石に代えてモース硬度5の燐灰石を用いた他は実施例2と同様にして燐灰石微粒子を製造した。この結果を表5に示した。表5に示すように、噴射圧力150〜245MPaの実施例(No.E1〜E3)は平均粒径が2μm以下である。また、噴射圧力100MPaの実施例(No.E4)では平均粒径が5μm以下である。さらに何れも微細化された粒子の円形度は0.90以上である。一方、噴射圧力が80MPaの比較例(No.E5)は平均粒径が5μmより大きい。また、円形度は0.82以下である。
Figure 0004193913
〔実施例6〕
実施例1、表1の超微粒石灰石(No.A1〜No.A7)、比較試料(シリカフューム)を使用してコンクリートを調製し、その性能を評価した。使用材料を表6に示し、配合条件を表7に示す。性能評価方法としては、スランプフロー、空気量及び圧縮強度について行った。これらの評価結果を表8に示す。
スランプフローは、JIS A 1150「コンクリートフロー試験方法」に従って測定した。
空気量は、JIS A 1128「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法」に従って測定した。
圧縮強度は、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に従って測定した。
減水剤添加率は、スランプフローが目標値65±5cmとなるように調整した。
表8の結果に示すように、比較例No.A1は、減水剤を増量しても目標とするスランプフローが得られず、明らかに流動性が本発明の超微粒石灰石を用いたもの(No.A2〜A7)より劣り、圧縮強度も低い。また、本発明の超微粒石灰石を用いたもの(No.A2〜A7)は、シリカフュームを用いた比較例に比べて、材齢7日、28日、91日のいずれも圧縮強度が高い。
Figure 0004193913
Figure 0004193913
Figure 0004193913
〔実施例7〕
表9に示す材料を用い、表10に示す調合条件に従って、水結合材比が17質量%、15質量%、13質量%のコンクリートを調製した。このコンクリートについてポンプ圧送試験を行った。この圧送試験は三菱重工業社のコンクリートポンプ車(DC-SL1100BD-M26)を使用し、圧送管(125A)は水平に設置して全長で100mとした。圧送管の先端でコンクリートが流れ出た場合をポンプ圧送「可」とした。表10にポンプ圧送の可否を示す。なお、各コンクリートの目標の空気量は2.0±1.0%とした。また、いずれの場合も耐火爆裂対策用にポリプロピレン(PP)繊維を添加した調合とした。PP繊維混入率は,水結合材比(W/C)が17質量%のときに0.15vol%、15質量%のときに0.20vol%、13質量%のときに0.25vol%とした。コンクリートの練混ぜは材料一括投入による練混ぜとし、練混ぜ時間はミキサの動力負荷が安定する時間を練り混ぜ時間の目安として、W/C=17%で100秒、W/C=15%で130秒、W/C=13%で150秒とした。練混ぜ後にアジテータ車に荷積みし、後部ホッパーよりPP繊維を投入した。
表10に示すように、いずれのコンクリート調合においても、石灰石の平均粒径が2μmであって円形度が0.9であれば、ポンプ圧送することができ、比較のシリカフュームを配合した場合と同等以上の効果を有する。水結合材比が小さくなるにつれて,コンクリートの粘性が高くなり,ポンプ圧送が難しくなるので,粘性を下げるためにシリカフュームの量を増すのが一般的な手法であるが、水結合材比が13%の調合では、本発明のもの(F4、F5)は、同一量のシリカフュームを配合したもの(G15,G16)よりもポンプ圧送性が良好な現象が認められた(G15は圧送不可)。
Figure 0004193913
Figure 0004193913

Claims (7)

  1. モース硬度5以下および平均粒径30μm以下の鉱物質微粒子を、固形分濃度10質量%以上〜50質量%未満のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力100〜200MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径2μm以上〜3μm未満および円形度0.90以上の球状微粒子を製造することを特徴とする鉱物質球状微粒子の製造方法。
  2. モース硬度5以下および平均粒径30μm以下の鉱物質微粒子を、固形分濃度50〜60質量%のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力100〜200MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径3μm以上〜5μm未満および円形度0.90以上の球状微粒子を製造することを特徴とする鉱物質球状微粒子の製造方法。
  3. モース硬度5以下および平均粒径10〜20μmの鉱物質微粒子を、固形分濃度10〜30質量%のスラリーにし、該スラリーを噴射圧力150〜245MPaで両側から噴射して互いに衝突させることによって、平均粒径0.93〜3.36μmおよび円形度0.91〜0.96の球状微粒子を製造することを特徴とする鉱物質球状微粒子の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかの方法によって製造された鉱物質球状微粒子であって、該鉱物質球状微粒子を添加したセメントペーストについて、該球状微粒子の添加量15質量%および水結合材比15質量%において、標準流下試験に準じたVロートを用いた流下時間が20秒以下になる流動性を与える鉱物質球状微粒子。
  5. 請求項1〜請求項3の何れかの方法によって製造された鉱物質球状微粒子であって、水結合材比13質量%以上のコンクリートの結合材中に10質量%以上添加することによって、該コンクリートについて水平距離100mのポンプ圧送を可能にする鉱物質球状微粒子。
  6. 請求項4または請求項5の何れかに記載する鉱物質球状微粒子からなるコンクリート用混和材。
  7. 請求項4または請求項5の何れかに記載する鉱物質球状微粒子を混合材として含むセメント。
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