JP2014108910A - 高炉スラグ粉末、該高炉スラグ粉末を含むセメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

高炉スラグ粉末、該高炉スラグ粉末を含むセメント混和材及びセメント組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】W/Cが25%以下の低水/結合材比で結合材中のセメント含有量が40重量%以上のセメントが富配合の結合材を用いたフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートに用いてもダイラタンシー現象が発生し難くなるセメント混和用の高炉スラグ粉末、セメント混和材、セメント組成物を提供する。
【解決手段】ブレーン値が4000〜9000cm/gであり、かつ、ロジン・ラムラー式におけるn値が1.00〜1.20である高炉スラグ粉末、該高炉スラグ粉末に無水石膏もしくは無水石膏とシリカフュームを配合してなるセメント混和材、ポルトランドセメントに前記高炉スラグ粉末もしくは該セメント混和材を配合してなるセメント組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セメント混和用の高炉スラグ粉末、該高炉スラグ粉末を含むセメント混和材、ポルトランドセメントに前記高炉スラグ粉末もしくは該セメント混和材を配合してなるセメント組成物に関するものであり、特に低水/結合材比で結合材中におけるセメントが富配合のモルタル、コンクリート、地盤改良材等の製造に好適なものである。
高炉を用いて鉄鉱石から金属鉄を製造する際に副産物として得られる高炉スラグは、潜在水硬性を有するなどセメントに類似した性能を有するとともに大量に生成するため、従来から、高炉セメントの原材料、セメント混和材の一構成材料などとして広く土木・建築分野での利用が図られてきている。
最近ではモルタルやコンクリートの高強度化に照らし、ブレーン値6000cm/g以上の高炉スラグ微粉末を配合したセメント組成物を低セメント水比で用いる場合が増えてきている。
しかし、上記高炉スラグ微粉末を配合した低水/結合材比で結合材中のセメントが富配合のフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートでは、ダイラタンシー現象が起り、これらの練混ぜがし難くなることがある。
ダイラタンシー現象とは、粉粒体と水とからなる流動〜半流動状態の系に急激な外力を加えて変形を起させると、表面付近の水が内部の粒子間隙に吸い込まれて系全体が硬くなり一時的に固体状態になるが、外力を加えるのをやめて放置すると元の状態に戻る現象である。
上記の通り、高炉スラグ微粉末を配合した場合、フレッシュモルタルやフレッシュコンクリートでも配合条件によってはダイラタンシー現象が起り練混ぜのスコップがフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートに刺さらなくなったりして練混ぜに支障をきたすことがあるが、このようなダイラタンシー現象に対し有効な解決策が未だ無く、安定した流動状態にするために練混ぜ時間を長くしたり流動化剤を少量添加したりして対応している。
一方、単にワーカビリティー等の流動性を改善するべく、使用する高炉スラグの粒度分布を調整することが検討されてきている。例えば、特許文献1には、「セメントの80%〜90%が高炉スラグで置換され、同高炉スラグは粒径の異なる2種類の高炉スラグよりなり、且つ粒径の小さい高炉スラグと粒径の大きい高炉スラグとが3:7の割合で混合されたことを特徴とする高強度コンクリート」が開示されている。
また、特許文献2には、「ブレーン比表面積の大きいスラグと小さいスラグの2種以上の高炉水砕スラグを混合してなるセメント代替の高炉水砕スラグ混合物」が開示されている。
特開平5−97483号公報 特開平11−49538号公報
特許文献1、2に示されるように、結合材中のセメントが貧配合のコンクリートや結合材として100%高炉スラグを使用したセメント無配合の水硬性組成物における単なる流動性を改善するための高炉スラグ粉末については知られているものの、どのような高炉スラグ粉末を用いれば前記ダイラタンシー現象が発生し難くなるかについては何ら知られていない。
特許文献1では、具体的には、ブレーン値8000cm/gの高炉スラグとブレーン値4000cm/gを3:7で混合したものを結合材中のセメントが貧配合のコンクリートに適用する例しか開示されておらず、このような高炉スラグ粉末を低水/結合材比で結合材中のセメントが富配合のフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートに用いても、前記ダイラタンシー現象を発生し難くすることは確実ではない。
また、特許文献2では、高炉水砕スラグ混合物をセメント用として用いることは想定しておらずセメント代替としているため、具体的には、ブレーン値10000cm/g以上の高炉水砕スラグ超微粉末を大量に使用している。したがって、このような高炉水砕スラグ超微粉末を含む高炉水砕スラグ混合物を低水/結合材比で結合材中のセメントが富配合のフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートに用いても、前記ダイラタンシー現象を発生し難くすることはできない。
本願発明は、上述のような課題の解決を図ったものであり、W/Cが30%以下の低水/結合材比で結合材中のセメント含有量が40重量%以上のセメントが富配合の結合材を用いたフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートに用いてもダイラタンシー現象が発生し難くなるセメント混和用の高炉スラグ粉末、該高炉スラグ粉末を含むセメント混和材、ポルトランドセメントに前記高炉スラグ粉末もしくは該セメント混和材を配合してなるセメント組成物を提供することを目的する。
上記課題について鋭意検討した結果、従来からセメント混和用として用いている高炉スラグ粉末において、特定の粒度分布を有するものを用いれば前記ダイラタンシー現象の発生を抑制できることを見出し、発明を完成させた。
本願の請求項1に係る発明は、セメント混和用の高炉スラグ粉末であって、ブレーン値が4000〜9000cm/gであり、かつ、ロジン・ラムラー式におけるn値が1.00〜1.20であることを特徴とする高炉スラグ粉末である。
セメント混和用とは、予めセメントに混和して用いるだけでなく、フレッシュモルタルやフレッシュコンクリートの混練時にセメントや骨材とともにミキサーに添加して用いる場合も含む。
本発明の高炉スラグ粉末は、粉末度と粒度分布以外は従来から用いているセメント混和用のものと同じである。粉末度はブレーン値で4000〜9000cm/gである。4000cm/g未満では強度発現性が悪くなる虞がある。また、9000cm/gを超えると粒度調整しても前記ダイラタンシー現象を抑制し難くなる。
また、本発明の高炉スラグ粉末は、ロジン・ラムラー式におけるn値が1.00〜1.20である。
ロジン・ラムラー式はロジンとラムラーが1933年、石炭など種々の粉砕物のふるい上積算質量分布を表すのに提案した粒度分布式で、積算ふるい上質量%(オーバーサイズ質量%)をR(X)として、次式で示されるものである。
R(x)=exp(−bx
ここでbとnは定数でxは代表粒子径である。nは、分布の広がりを示す定数で、nが大きいほど分布が狭く、粒子径が揃っていることになるため、「均等数」と呼ばれる。
従来からボールミル等で普通に粉砕しセメント混和用として用いているブレーン値3000〜12000cm/g程度の高炉スラグ粉末のn値は1.21以上であり、多くの場合、1.30〜1.50であり、分級して製造するブレーン値の非常に高い高炉スラグ微粉末では1.50〜3.00である。これに対し、本発明の高炉スラグ粉末のn値は1.00〜1.20なので、従来品よりブロードな分布を有し、粗粉と微粉を同時に多く併せ持つものとなっている。
n値が1.00未満になると、粒度分布が広がりすぎて粒子径が大きい高炉スラグが含まれ易くなるとともに、粒度の粗い高炉スラグ粉末の割合が増加するため、強度発現性が悪くなる。また、n値が1.20を超えると前記ダイラタンシー現象の発生を抑制し難くなり、ブリージングが発生し易くなる。
本願の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の高炉スラグ粉末であって、90μm篩残分が0.5重量%以上、かつ、45μm篩残分が5〜15重量%、かつ、10μm篩通過分が40〜80重量%であることを特徴とする高炉スラグ粉末である。
本発明の請求項2に係る高炉スラグ粉末は、粗粉と微粉を同時に合せ持ち、従来品に比べてn値が小さい、すなわち、幅広い粒度分布を有するもので、ダイラタンシー現象の発生の抑制であればn値で管理できるが、短期材齢〜長期材齢に渡っての良好な強度発現性、ブリージングの抑制、発熱、収縮低減、低水/結合材比での良好な流動性といった他特性をも良好なものにするには、上記のようなより厳密な粒度管理を行うことが好ましい。
従来品であれば、例えば、ブレーン値4000cm/g程度のものでは、粒径は1〜100μmの正規分布で本発明の高炉スラグ粉末のように10μm篩通過分を多く有するものではない。また、ブレーン値6000cm/g程度のものでは粒径は1〜50μmの正規分布で本発明の高炉スラグ粉末のように90μm篩通残分を有するものではない。また、ブレーン値8000cm/g程度のものでは粒径は0.5〜30μmの正規分布で本発明の高炉スラグ粉末のように45μm残分と90μm篩通残分を有するものではない。このように、本発明の請求項2に係る高炉スラグ粉末は、従来品にはないn値であって独特の粒度分布を有するものである。
本発明の請求項2に係る高炉スラグ粉末は、90μm篩残分が0.5重量%以上である。0.5重量%未満でもn値が所定の範囲にあれば前記ダイラタンシー現象の発生は抑制できるものの、発熱および自己収縮が抑制できない場合が生じることがある。
また、45μm篩残分が5〜15重量%である。この範囲をはずれてもn値が所定の範囲にあれば前記ダイラタンシー現象の発生は抑制できるものの、45μm篩残分が5重量%に満たないときは、高炉スラグの微粉が多くなり自己収縮が抑制できない場合が生じる。また、45μm篩残分が15重量%を超えると、高炉スラグの粗粉が多くなり強度発現性が悪くなることがある。
また、10μm篩通過分が40〜80重量%である。この範囲をはずれてもn値が所定の範囲にあれば前記ダイラタンシー現象の発生は抑制できるものの、施工条件や環境条件によっては40重量%未満ではブリージングが起り易くなるとともに良好な強度発現を確保し難くなり、80重量%を超えると乾燥収縮が大きくなり易くなったりする。
本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の高炉スラグ粉末に無水石膏もしくは無水石膏とシリカフュームを配合してなるセメント混和材である。
上記本発明の高炉スラグ粉末はセメント混和用であり単独でセメント、モルタル、コンクリート、セメント系固化材等に直接添加して用いることができるが、これに無水石膏もしくは無水石膏とシリカフュームを配合してセメント混和材にすることもできる。
これらのセメント混和材を用いれば、W/Cが30%以下の低水/結合材比のフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートであってもダイラタンシー現象が発生し難い高強度のものが得られる。
無水石膏とシリカフュームは、従来からセメント、コンクリート分野で使用されているものであれば特に限定されない。また、これらの配合割合は、前記ダイラタンシー現象の発生の抑制効果を阻害する割合でなければ特に限定されない。
本願の請求項4に係る発明は、ポルトランドセメントに請求項1又は2に記載の高炉スラグ粉末もしくは請求項3に記載のセメント混和材を配合してなるセメント組成物であって、該セメント組成物中の前記ポルトランドセメントの割合が、30〜90重量%であることを特徴とするセメント組成物である。
上記本発明の高炉スラグ微粉末とセメント混和材は、予めポルトランドセメントに配合しセメント組成物として用いることもできる。ポルトランドセメントに高炉スラグ粉末を単独で配合すれば高炉セメントとなる。
これらの配合割合は特に限定されないが、前述の通り、本発明におけるダイラタンシー現象の抑制効果は、低水/結合材比で結合材中のセメントが富配合の結合材を用いたフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートにおいて顕著となるので、セメントが富配合の結合材、すなわちセメント組成物とするのが好ましい。
ここで言う結合材とは、高炉スラグ粉末を配合してなるセメントもしくはセメントに高炉スラグ粉末を含む無機粉体等からなるセメント混和材を配合してなるセメント組成物である。
本発明のセメント組成物(結合材)中におけるポルトランドセメントの割合は、30〜90重量%が好ましい。より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは45%重量%以上である。30重量%未満では十分な強度が得られ難くなる場合がある。また、90重量%を超えると前記高炉スラグ粉末や前記セメント混和材の十分な添加効果が得られ難くなる。
上記本発明のセメント組成物を用いれば、W/Cが30%以下、好ましくは25%以下の低水/結合材比のフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートであってもダイラタンシー現象が発生し難くなる。
本発明の高炉スラグ粉末、もしくは該高炉スラグ粉末に無水石膏または無水石膏とシリカフュームを配合してなるセメント混和材、もしくはポルトランドセメントに前記高炉スラグ粉末または前記セメント混和材を配合してなるセメント組成物を用いれば、W/Cが30%以下の低水/結合材比で結合材(セメント組成物)中のセメント含有量が40重量%以上のセメントが富配合の結合材を用いたフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートにおいてダイラタンシー現象が発生し難くなる。
小型L型フロー試験器を示す図である。(a)は測定試料が鉛直部に充填された状態での模式斜視図、(b)はL型フロー試験器の平面図、(c)はL型フロー試験器の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、実施例等に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
[高炉スラグ粉末]
本発明の高炉スラグ粉末は特定の粉末度と粒度分布を有するものであり、具体的には、ブレーン値が4000〜9000cm/gであり、かつ、ロジン・ラムラー式におけるn値が1.00〜1.20のものである。この高炉スラグ粉末は、従来のセメント混和用高炉スラグ粉末と同様にして使うことができる。
この高炉スラグ粉末を用いてフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートを製造すると、W/Cが30%以下の低水/結合材比で結合材中のセメント含有量が40重量%以上のセメントが富配合の結合材であってもダイラタンシー現象が発生し難くなるといった効果が得られる。
本発明の高炉スラグ粉末のn値は1.00〜1.20なので、従来品よりブロードな分布を有し、粗粉と微粉を同時に多く併せ持つものとなっている。粗粉と微粉を同時に多く併せ持つものとするためには、粉砕と分級の組み合わせにより得られる粒度の異なる複数の粗粉と粒度の異なる複数の微粉との混合、従来品への粗粉と微粉の添加などで得られる。
ここで言う「粗粉」とは粒度が45μm以上のものであり、「微粉」とは粒度が10μm未満のものである。必要に応じて、これらの中間粒度である「中粉」を使用する。なお、分級は製造の必須要件ではなく、セパレータなどで分級しない開回路型のボールミルで直接粉砕して製造することもできる。
従来の一般的な高炉スラグ微粉末は、ボールミルまたはローラーミルで粉砕後にセパレータで分級して製造する。このとき発生する粗粉はミルに戻して粉砕する。さらに、得られた高炉スラグ微粉末をミクロンセパレータなどで分級することによりブレーン値6000cm/g、8000cm/g、12000cm/gといった所定の高炉スラグ微粉末にする。
これに対し、本発明の高炉スラグ粉末では、例えば、セパレータまたはミクロンセパレータで分級する際に発生する粗粉の一部をミルに戻さず取り出して、必要に応じて分級し、微粉と混合することにより製造する。混合する粗粉と微粉の粒度分布、篩残分および配合割合を調整することにより目的とするブレーン、n値、粒度となる高炉スラグ粉末ができる。このように、本発明の高炉スラグ粉末の製造方法では、従来は全量をミルに戻して再粉砕していた粗粉の少なくとも一部を取り出して利用する点に特徴がある。
また、セパレータまたはミクロンセパレータのブレードの回転数の制御などにより分級した高炉スラグ粉末の複数の分級品を用いて、ブレーン、粒度分布(n値)、篩残分を調整することもできる。たとえば、高炉スラグ粉末をボールミルまたはローラーミルで製造後にセパレータ、ミクロンセパレータなどで90μm、45μmおよび10μmでそれぞれ分級した高炉スラグ粉末の分級品を製造し、それぞれ目的の割合で混合してもよい。
また、本発明の高炉スラグ粉末は、90μm篩残分が0.5重量%以上、かつ、45μm篩残分が5〜15重量%、かつ、10μm篩通過分が40〜80重量%であるのが好ましい。この粒度の範囲であれば、粗粉と微粉を同時に多く併せ持つ(粒度分布がブロードで従来よりn値の小さい)高炉スラグ粉末が得られる。
このような粒度構成にすることによって、ダイラタンシー現象の抑制だけでなく、短期材齢〜長期材齢に渡っての良好な強度発現性、ブリージングの抑制、収縮低減、低水/結合材比での良好な流動性といった他特性をも良好なものにすることができる。
例えば、ブレーン値が3200cm/g、n値が1.21、90μm残分が4.2%、45μm残分が16.8%、10μm通過分が26.4%の高炉スラグ粉末とブレーン値が8200cm/g、n値が1.86、90μm残分が0.0%、45μm残分が0.0%、10μm通過分が91.7%の高炉スラグ微粉末を60:40に混合することにより、ブレーン値が5200cm/g、n値が1.20、90μm残分が2.5%、45μm残分が10.1%、10μm通過分が52.5%の高炉スラグ粉末が得られる。n値の管理は前述のロジン・ラムラー式により行う。狭い粒度分布の高炉スラグ粉末(n値の高い高炉スラグ粉末)を2つ組み合わせても、平均粒径を異なるものとすることにより、粗粉部分と微粉部分の高炉スラグ粉末の粒子がそれぞれ増加するため、ひとつの広い粒度分布、つまりn値の小さい高炉スラグ粉末とすることができる。
また、ブレーン値が3300cm/g、n値が1.21、90μm残分が1.1%、45μm残分が15.8%、10μm通過分が27.4%の高炉スラグ粉末とブレーン値が12000cm/g、n値が2.94、90μm残分が0.0%、45μm残分が0.0%、10μm通過分が100%の高炉スラグ超微粉末を70:30に混合することにより、ブレーン値が5910cm/g、n値が1.16、90μm残分が0.8%、45μm残分が11.1%、10μm通過分が49.2%の高炉スラグ粉末が得られる。
さらに、ブレーン値が3000cm/g、n値が1.21、90μm残分が4.2%、45μm残分が16.8%、10μm通過分が33.0%の高炉スラグ粉末と、ブレーン値が6200cm/g、n値が1.87、90μm残分が0.0%、45μm残分が0.4%、10μm通過分が60.5%の高炉スラグ粉末とブレーン値が12000cm/g、n値が2.94、90μm残分が0.0%、45μm残分が0.0%、10μm通過分が100%の高炉スラグ超微粉末の3種類を33:33:34に組み合わせることにより、ブレーン値が7180cm/g、n値が1.20、90μm残分が1.4%、45μm残分が5.7%、10μm通過分が64.8%の高炉スラグ粉末が得られる。
なお、粉末度はブレーン測定により、n値はマイクロトラックなどレーザー散乱を用いて測定した粒度分布(前述のロジン・ラムラー式)から求めて管理・評価される。90μm篩残分、45μm篩残分の測定は、たとえばJIS Z 8801−1「試験用ふるい」で規定されるふるいを用いて評価される。また、10μm篩通過分の測定は、たとえばセメント協会試験方法JCAS K−03−2005「エア・ジェット式ふるい装置によるセメントの粉末度試験方法」に準拠した方法で評価される。また、マイクロトラックなどレーザー散乱を用いて測定した粒度分布から求めてよい。
上記のようにして得られた高炉スラグ粉末は、低水/結合材比であってもフレッシュコンクリートの混練時に練混ぜ用のスコップがコンクリートに刺さらないといった障害を生ずることなくスムーズな混練ができるので、低水/結合材比の高強度コンクリート、高強度モルタル、転圧コンクリート、セメント系プレキャスト即脱品等に効果的に使用できる。
[セメント混和材]
上記本発明の高炉スラグ粉末は、これに無水石膏もしくは無水石膏とシリカフュームを配合してセメント混和材にすることもできる。これらのセメント混和材を用いれば、W/Cが30%以下の低水/結合材比のフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートであってもダイラタンシー現象が発生し難い高強度のものが得られる。セメント混和材中における上記本発明の高炉スラグ粉末の含有量は、80〜95重量%が好ましい。
無水石膏は、従来からセメント系材料に用いられているものであれば特に限定されないが、ブレーン値3000〜8000cm/g程度のものを用いるのが好ましい。
無水石膏は、セメントと高炉スラグ粉末による前記ダイラタンシー現象を緩和する方向に作用するので、併用することは好ましい。セメント混和材中における無水石膏の含有量は、5〜20重量%が好ましい。
シリカフュームも、従来からセメント系材料に用いられているものであれば特に限定されない。シリカフュームは粒径が0.1〜1μm程度とセメント粒子や一般的に用いられている高炉スラグ粉末に比べて著しく粒径が小さいので、適量添加することによって、セメント及び高炉スラグ粉末等によって形成される粒子間空隙、内部空隙等の空隙が充填でき、粉体の充填率が高くなるため、ダイラタンシー現象を緩和する方向に作用する。
また、シリカフュームはポゾラン活性を有するので、強度増進も図れる。したがって、シリカフュームを前記高炉スラグ粉末と併用することは好ましく、シリカフュームと前記無水石膏と前記高炉スラグ粉末の併用は更に好ましい。セメント混和材中におけるシリカフュームの含有量は、5〜15%が好ましく、より好ましくは10%程度である。
シリカフューム量は前記高炉スラグ粉末のブレーン値、n値によって調整され、ブレーン値が小さいほど、n値が大きいほど、多めに配合する。上記セメント混和材の製造は、上記各材料を従来方法により混合して行えばよい。
[セメント組成物]
前記本発明の高炉スラグ粉末や前記本発明のセメント混和材は、予め、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、エコセメント、本発明者らが開発した高活性セメント等に配合して、セメント組成物として用いることができる。
セメント組成物中におけるセメントの割合は、30〜90重量%が好ましい。30重量%未満では十分な強度が得られ難くなる。また、90重量%を超えると前記高炉スラグ粉末や前記セメント混和材の十分な添加効果が得られ難くなる。また、セメントとしては品質の安定したポルトランドセメントが好ましく、中でも安価で汎用性のある普通ポルトランドセメントがより好ましい。
上記本発明のセメント組成物を用いれば、W/Cが30%以下の低水/結合材比のフレッシュモルタルやフレッシュコンクリートであってもダイラタンシー現象が発生し難くなる。上記本発明のセメント組成物の製造は、セメントに本発明の高炉スラグ粉末もしくは本発明のセメント混和材を所定量配合し、従来通りの方法で混合して行えばよい。
[試験例]
<フレッシュモルタルによるダイラタンシー現象の抑制性能確認試験>
粒度分布の異なる高炉スラグ粉末を製造し、これらを配合したフレッシュモルタルにつき、練混ぜ時間測定とコーンフロー測定と小型L型フロー試験器によるフロー試験を行い、練混ぜ性能と流動性能の両面からの総合評価によりダイラタンシー現象の抑制性能確認試験を行った。測定試料における結合材(セメント組成物)は、1)普通ポルトランドセメント−高炉スラグ粉末、2)普通ポルトランドセメント−高炉スラグ粉末−無水石膏、3)普通ポルトランドセメント−高炉スラグ粉末−無水石膏−シリカフュームの3つの系のものを用いた。
(1)使用材料
・高炉スラグ(JFEスチール社製)
・無水石膏(市販品;デイ・シイ社製)
・シリカフューム(市販品;エルケム社製)
・普通ポルトランドセメント(市販品;太平洋セメント社製)
・砂(セメント協会標準砂)
・高性能AE減水剤(市販品;竹本油脂社製)
(2)高炉スラグ粉末の製造
ボールミルにより高炉スラグを粉砕し、基準となるブレーン値4000cm/g、ブレーン値6000cm/g、ブレーン値8000cm/gの3種類の高炉スラグ粉末を用意する。ただし、ブレーン値6000cm/gおよびブレーン値8000cm/gの2種類の高炉スラグ粉末は、ブレーン値4000cm/gの高炉スラグ粉末からJIS Z 8801「試験用ふるい」の45μm、20μmを通過させて用意した。次に、n値及び90μm残分、45μm残分、10μm通過分の各調整用のものとして、前記用意した高炉スラグ粉末をそれぞれ90μmふるいと45μmふるいで90μm以上の高炉スラグ粉末、90〜45μmの高炉スラグ粉末を作製した。また、10μm通過分の高炉スラグ粉末は、JCAS K−03−2005「エア・ジェット式ふるい装置によるセメントの粉末度試験方法」に準拠した10μm篩通過分を回収した。
次に、上記各基準および各調整用となる高炉スラグ粉末につき、マイクロトラックにより粒度分布を測定して、ロジン・ラムラー式によりn値を求めた。各基準となる高炉スラグ粉末をJIS Z 8801「試験用ふるい」により各々90μm残分、45μm残分を求め、10μm通過分については、JCAS K−03−2005「エア・ジェット式ふるい装置によるセメントの粉末度試験方法」に準拠して求めた。n値、90μm残分、45μm残分、10μm通過分が目標とする範囲となるように、各基準および各調整用となる高炉スラグ粉末を混合して、表1に示す粒度分布形態の高炉スラグ粉末を得た。A〜Iは本発明の範囲に属するものである。比較例となるK、L、Mは、工場の実機で製造したブレーン値がそれぞれ8430cm/g、4470cm/g、3210cm/gの従来の高炉スラグ粉末である。高炉スラグ粉末GとKは、ブレーン値は本発明の範囲に入って同じだが、n値が本発明の範囲に入る実施例とn値が外れる比較例である。高炉スラグ粉末DとJは、n値は本発明の範囲に入って同じだが、ブレーン値が本発明の範囲に入る実施例と外れる比較例である。
Figure 2014108910
(3)結合材の配合
表1に示す各高炉スラグ粉末を用い、各試験に供する表2に示す配合の結合材を作製した。普通ポルトランドセメント−高炉スラグ粉末の系では、これらの材料を混合して結合材(セメント組成物)を作製した。
また、普通ポルトランドセメント−高炉スラグ粉末−無水石膏の系では、予め高炉スラグ粉末と無水石膏とを混合してセメント混和材を作製しておき、該セメント混和材を普通ポルトランドセメントに混和して結合材(セメント組成物)を作製した。
また、普通ポルトランドセメント−高炉スラグ粉末−無水石膏−シリカフュームの系では、予め高炉スラグ粉末と無水石膏とシリカフュームとを混合してセメント混和材を作製しておき、該セメント混和材を普通ポルトランドセメントに混和して結合材(セメント組成物)を作製した。配合No.1〜No.11、No.13、No.16、No.17が実施例である。配合No.12、No.14、No.15、No.18、No.19が比較例である。
Figure 2014108910
(4)フレッシュモルタルによるダイラタンシー現象の抑制性能確認試験
(a) 試験項目及び試験方法
1) 練混ぜ時間測定
測定試料は、ミキサーの羽根の撹拌による外力が作用してダイラタンシー現象が発
生しフレッシュモルタルが硬くなって流動し難くなるものとダイラタンシー現象が発
生していないものとでは、フレッシュモルタルになるまでの練混ぜ時間が異なる。
そこで、練混ぜ開始から3分間混練した後一時的に混練を止めてコーンフロー値を
測定し、以後、30秒ごとに同様にしてコーンフロー値を測定し、コーンフロー値が
300mm以上(良好な流動性)となるまでの練混ぜ時間を測定した。そして、練混
ぜ時間が4分を経過してもコーンフロー値が300mm以上に達しないものは、混練
過程でダイラタンシー現象が発生するため混練性能が悪くなっていると判断した。
2) コーンフロー測定
上記コーンフロー値の測定をJIS R 5201「セメントの物理試験方法」の
0打フローに準じて行った。ダイラタンシー現象の影響を受けないでモルタルが良好
に流動であると判断できる数値として、コーンフロー値300mm以上を良好な流動
性とした。
3) 小型L型フロー試験器によるフロー試験
縦長の容器に入れた測定試料の下方部では、測定試料の自重による重力が外力とな
ってダイラタンシー現象が発生し、フレッシュモルタルが硬くなって流動性が悪くな
り、容器の下方部を開放しても容器から流出し難くなる。
そこで、図1に示す小型L型フロー試験器を用い、仕切板2を手で上方に引上げ、
水平部のゲートを開いてからの(鉛直部Aと水平部Bとの間を開放状態にしてから
の)、測定試料のゲート(水平部Bにおける鉛直部Aと水平部Bとの間の開口部)か
ら水平部B内をそれぞれ100mm、200mm、300mmまで流動するのに要し
た時間(L型フロー到達時間)を測定した。そして、100mmL型フロー到達時間
が4.0秒以上、200mmL型フロー到達時間が8.0秒以上、300mmL型フ
ロー到達時間が25秒以上となるものは、いずれも測定試料の材料構成に上記ダイラ
タンシー現象の発生が加わって流動性が悪くなっていると判断した。
図1は、上記L型フロー到達時間の測定に用いた小型L型フロー試験器1で、鉛直
部Aと水平部BがL型に連結した函体であり、測定開始時には縦長の鉛直部Aと横長
の水平部Bとが仕切板2により遮断された状態となっている。そして、仕切板2は、
上方に引き抜けるようになっている。また、水平部Bの上部は開口されており、測定
試料4の流動状況を観察できるようになっている。小型L型試験器1の各寸法は図1
に示す通りである(単位;mm)。材質はアクリル樹脂製である。
フロー試験は、鉛直部Aの上方の開口(測定試料投入口3)より所定量の測定試料
を自然落下させて鉛直部Aに充填した後、仕切板2を手で上方に引上げ、鉛直部Aと
水平部Bとの間を開放状態にする。すると、鉛直部Aに充填されていた測定試料は、
ダイラタンシー現象を起さないものであれば、自重により水平部Bに流れ出し水平部
Bを測定試料の流動性に応じて水平部Bを流動するが、ダイラタンシー現象を起して
いるものは、流動し難くなって水平部Bをスムーズに流動しなくなる。
したがって、上記の通り、100mm、200mm、300mmでのL型フロー到
達時間を測定することにより、ダイラタンシー現象の発生の有無を含む流動性の良否
を評価できる。
(b) フレッシュモルタルの作製
上記表2に示す結合材(セメント組成物)と砂とを1:1の割合で配合し、高性能
AE減水剤を結合材に対して2.0重量%添加し、水/結合材比0.2でホバートミ
キサーにより混練してフレッシュモルタルを作製した。ただし、シリカフュームを添
加した配合No.17〜No.19については、流動性を向上させるシリカフューム
を使用したため流動性を水/結合材比0.2のものと同程度にすべく、水/結合材比
0.17でフレッシュモルタルを作製した。
(c) 試験結果
表3に、練混ぜ時間、練混ぜ終了時のコーンフロー値、小型L型フロー試験器での
L型フロー到達時間の各測定結果を示す。なお、コーンフロー測定においてコーンフ
ロー値が300mm以上に達せず練混ぜが未終了のものについては、練混ぜ時間10
分でのコーンフロー値を示した。また、各測定結果の評価を○、△、×で示した。
Figure 2014108910
上表によれば、比較例である従来の高炉スラグ粉末(記号;L)を使用した配合No.15は、モルタル練り混ぜ時間が長くフロー値が小さく、また各L型フロー到達時間が長いため、練り混ぜ性能および流動性能が劣る結果となった。これはダイランシー現象が発生したことによると推察される。
これに対し、実施例である本発明の高炉スラグ粉末を同一の割合で使用した配合No.13は、練り混ぜ性能、流動性能のいずれも良好な結果となった。
また、n値が本発明の高炉スラグ粉末(記号;D)と同じだがブレーン値が本発明のものより細かい高炉スラグ超微粉末(記号;J)を使用した比較例である配合No.14は、ブレーン値が10050cm/gと細かい高炉スラグ超微粉末を使用しているため、モルタル練り混ぜ時間が長くフロー値が小さく、また各L型フロー到達時間が長い結果となった。このように、n値が本発明の範囲にあってもブレーン値が高くなりすぎるとダイラタンシー現象が発生すると見られる。実施例である配合No.13のように、ブレーン値が本発明の範囲にあれば練り混ぜ性能、流動性能のいずれも良くなることから、ダイラタンシー現象の発生は抑制されると見られる。
従来の高炉スラグ粉末(記号;K)を使用した比較例である配合No.12は、無水石膏を添加しているにもかかわらず、モルタル練り混ぜ時間が長くフロー値が小さく、また各L型フロー到達時間が長いため、練り混ぜ性能および流動性能が劣る結果となった。これもダイラタンシー現象発生の影響と考える。これに対し、本発明の高炉スラグ粉末を同一の割合で使用した実施例である配合No.6〜No.11は、練り混ぜ性能、流動性能のいずれもほぼ良好であった。
ブレーン値は本発明の範囲に入ってほぼ同じだが、n値が本発明の範囲に入る高炉スラグ粉末(記号G)を用いた実施例である配合No.9とn値が外れる高炉スラグ粉末(記号;K)を用いた比較例である配合No.12を比較すると、配合No.9の方が配合No.12よりモルタル練り混ぜ時間が短く、また各L型フロー到達時間が短いため、練り混ぜ性能および流動性能が優れる結果となった。これも、ダイラタンシー現象の発生の有無による差異と見られる。
普通ポルトランドセメント−高炉スラグ粉末の系の実施例である配合No.1、No.4、No.5、No.13は、いずれもモルタル練り混ぜ時間が短く、各L型フロー到達時間も短いため、練り混ぜ性能および流動性能がともに優れる結果となった。また、普通ポルトランドセメント−高炉スラグ粉末−無水石膏の系の実施例である配合No.2、No.3、No.6〜No.11、No.16も同様にいずれもモルタル練り混ぜ時間が短く、各L型フローの到達時間も短いため、練り混ぜ性能および流動性能がともに優れる結果となった。
普通ポルトランドセメント−高炉スラグ粉末−無水石膏−シリカフュームの系において、従来の高炉スラグ粉末(記号;K)を使用した配合No.18は、シリカフュームを用いているにもかかわらずモルタル練り混ぜ時間が長くフロー値が小さく、また各L型フロー到達時間が長いため、練り混ぜ性能および流動性能が劣る結果となった。上記結果から、無水石膏やシリカフュームの添加だけではダイラタンシー現象の発生を抑制し難く、本発明のように高炉スラグ粉末自体の改善が必要であることがわかる。
また、従来の高炉スラグ粉末(記号;K)よりブレーン値およびn値が小さい従来の高炉スラグ粉末(記号;M)を用いた配合No.19は、配合No.18よりかは練り混ぜ性能および流動性能が改善されるものの十分とは言えない結果となった。まだ、十分ダイラタンシー現象の発生を抑制できていないと見られる。また、配合No.19のものでは、ブレーン値が小さい高炉スラグ粉末(記号;M)を用いているため、強度発現が悪くなる虞がある。
一方、実施例である高炉スラグ粉末(記号;H)を用いた配合No.17は、練り混ぜ性能および流動性能がともに優れる結果となり、ダイラタンシー現象の発生を十分抑制できていると言える。
以上の通りであり、上記表3の結果からわかるように、本発明の実施例である高炉スラグ粉末(記号;A〜I)を用いた配合では、いずれも練り混ぜ性能および流動性能が優れる結果となり、ダイラタンシー現象の発生が十分抑制できていることがわかる。
1…小型L型フロー試験器、2…仕切板、A…鉛直部、B…水平部、3…測定試料投入口、4…測定試料

Claims (4)

  1. セメント混和用の高炉スラグ粉末であって、ブレーン値が4000〜9000cm/gであり、かつ、ロジン・ラムラー式におけるn値が1.00〜1.20であることを特徴とする高炉スラグ粉末。
  2. 請求項1に記載の高炉スラグ粉末であって、90μm篩残分が0.5重量%以上、かつ、45μm篩残分が5〜15重量%、かつ、10μm篩通過分が40〜80重量%であることを特徴とする高炉スラグ粉末。
  3. 請求項1又は2に記載の高炉スラグ粉末に無水石膏もしくは無水石膏とシリカフュームを配合してなるセメント混和材。
  4. ポルトランドセメントに請求項1又は2に記載の高炉スラグ粉末もしくは請求項3に記載のセメント混和材を配合してなるセメント組成物であって、該セメント組成物中の前記ポルトランドセメントの割合が、30〜90重量%であることを特徴とするセメント組成物。
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