JP2023013134A - 砕砂、砕砂の製造方法、生コンクリート、及び生コンクリートの製造方法 - Google Patents

砕砂、砕砂の製造方法、生コンクリート、及び生コンクリートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023013134A
JP2023013134A JP2021117089A JP2021117089A JP2023013134A JP 2023013134 A JP2023013134 A JP 2023013134A JP 2021117089 A JP2021117089 A JP 2021117089A JP 2021117089 A JP2021117089 A JP 2021117089A JP 2023013134 A JP2023013134 A JP 2023013134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crushed sand
ready
mixed concrete
crushed
sand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021117089A
Other languages
English (en)
Inventor
清人 雪本
Kiyoto Yukimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Izumi Raw Concrete Co Ltd
Original Assignee
Izumi Raw Concrete Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Izumi Raw Concrete Co Ltd filed Critical Izumi Raw Concrete Co Ltd
Priority to JP2021117089A priority Critical patent/JP2023013134A/ja
Publication of JP2023013134A publication Critical patent/JP2023013134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】優れた生コンクリートを得ることができる砕砂及び砕砂の製造方法を提供することを目的とする。また、前記砕砂を用いて得られる生コンクリート及び生コンクリートの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】平均粒子径が0.001~3μmであり、かつ、粒度分布曲線におけるピークが1つである微粉分を含有する砕砂である。【選択図】なし

Description

本発明は、砕砂、砕砂の製造方法、生コンクリート、及び生コンクリートの製造方法に関する。
従来から、コンクリート用の骨材としては、川砂、川砂利、海砂、海砂利、山砂、及び山砂利等の天然骨材が用いられている。このような天然骨材は、採取可能な量には限界があり、環境保全の観点等からも、その採取量が制限されている。このため、コンクリートの需要に対して、天然骨材の供給が不足する傾向にある。かかる事情から、コンクリート用の骨材としては、天然骨材だけではなく、人工骨材である砕砂を使用することにも着目されている(例えば、特許文献1等参照)。
コンクリート用の骨材として砕砂を用いると、得られた生コンクリートの特性が製造毎に異なる、いわゆる、ロットぶれが発生する場合があった。このことは、砕砂は、表面状態、組成、及び微粒分量等のばらつきが比較的大きいことによると考えられる。具体的には、川砂や海砂等の天然骨材は、水流等による摩擦に基づく風化の影響を受け、その表面状態は比較的平滑であり、さらに、組成や微粒分量等のばらつきも比較的少ない状態になっていると考えられる。すなわち、天然骨材は、その性状が比較的均一な状態になっていると考えられる。これに対して、砕砂は、砕石等を粉砕した状態であるため、その表面状態は充分に平滑になっておらず、粉砕時等に発生する、原料鉱物等の微粒分が含まれることから、組成や微粒分量等もばらつきの比較的大きい状態になっていると考えられる。このようなばらつきの比較的大きい骨材である砕砂を用いると、上述したように、得られた生コンクリートにロットぶれが発生すると考えられる。
これらのことから、コンクリート用の骨材としては、砕石等を単に乾式で粉砕しただけではない砕砂の使用が検討されている。このような砕砂(砕石等を単に乾式で粉砕しただけの砕砂ではない砕砂)としては、例えば、特許文献1~5に記載の製造方法により得られた砕砂等が挙げられる。
特許文献1には、原石をフルイ機にて選別し、フルイ機にて選別された一方の原石を湿式砕砂製造により砕砂に製造するとともに、フルイ機にて選別された他方の原石を乾式砕砂製造により砕砂に製造して前述した湿式砕砂製造により製造された砕砂に混合するようにした砕砂製造方法が記載されている。特許文献1によれば、湿式砕砂製造と乾式砕砂製造とにわけて砕砂を製造しているから、従来の湿式砕砂製造より水の使用量を大幅に削減できる旨が開示されている。また、湿式砕砂製造により製造された砕砂と乾式砕砂製造により製造された砕砂とを混合することにより、砕砂における微粒分量を調整することができると考えられる。
特許文献2には、砕砂原料から製品砕砂を製造する過程にて規格分級点で分離された微粒分を一旦取り除くとともに、この取り除いた微粒分からさらに分級して予め定められた一定の分級点以上の微粒分を回収し、この回収微粒分を前記製品砕砂に配合するようにしたコンクリート用砕砂製造方法が記載されている。特許文献2によれば、ブリーティングの抑制及びフロー値の改善に寄与する粒径の微粉末(微粉末粒径が40μm以上のもの)を適正分布となるように配合した製品砂を製造できるようにした旨が開示されている。
特許文献3には、原料砕石を湿式で破砕・整粒して砕砂を得る湿式整粒工程と、前記湿式整粒工程を経た砕砂を所定の分級点で分級する第1分級工程と、前記第1分級工程を経た砕砂を水洗いする水洗工程と、前記水洗工程を経た砕砂の表面水率を調整する表面水率調整工程とを有する湿式砕砂製造工程と、原料砕石粉を熱風乾燥させながら所定粒径以下の粉分を除去する第2分級工程を有する砕石粉製造工程とを有し、前記湿式砕砂製造工程で得られた湿式砕砂に対して、前記砕石粉製造工程で得られた砕石粉を3~7質量%の割合で配合するコンクリート用骨材の製造方法が記載されている。また、特許文献3には、湿式砕砂に対して、粒径0.01mm以下の粒分の含有量を20~30%以下とする砕石粉が、3~7質量%の割合で配合されているコンクリート用骨材が記載されている。特許文献3によれば、粉分の少ない湿式砕砂に対して、所定の粒度分布を有する砕石粉を配合することにより、湿式砕砂に不足する適正粒度の粉分が補われるので、粗骨材と配合した際に、粗骨材との間に生じる空間が少なく、打設後にブリージングが生じにくく、かつ、流動性の良いコンクリート用骨材が得られる旨が開示されている。
特許文献4には、湿式法により捕集された粒径75μm未満の砕石粉を150℃以上の温度で加熱乾燥する生コンクリート用充填材の製造方法が記載されている。特許文献4によれば、従来、コンクリート用の充填材としては使用されることのなかった湿式法により得られる砕石粉を使用することが可能となり、最終的に得られるコンクリート(生コンクリート硬化物)の圧縮強度が、乾式による砕石粉を用いた場合より向上した旨が開示されている。
特許文献5には、生コンクリート用の骨材に微細気泡を含有する微細気泡水を接触させることにより、前記骨材に対して表面処理を行う骨材の表面処理方法が記載されている。特許文献5によれば、この表面処理方法が、コンクリートの特性を向上させることができる旨が開示されている。
特開平8-131876号公報 特開2010-155745号公報 特開2017-165613号公報 特開2015-187056号公報 国際公開第2018/074580号
特許文献1~3に記載されているような製造方法は、乾式法と湿式法とを組み合わせたり、砕砂を分級する等によって、砕砂に対する微粒分量等の量的な調整を行っている。なお、JIS A 5005(2020)(コンクリート用砕石及び砕砂)において、砕砂における微粒分の量である微粒分量が規定されており、上記製造方法等により、このJISに規定の微粒分量を満たすことができると考えられる。しかしながら、このような製造方法は、砕砂に対する微粒分量等の量的な調整は行っているものの、本発明者の検討によれば、このような量的な調整だけでは、得られた生コンクリートの性状として、川砂や海砂等の天然骨材を用いた場合の生コンクリート特性を得ることができないことを見出した。また、このような製造方法は、乾式法と湿式法とを組み合わせたり、砕砂を分級したりすることから、工程が複雑になると考えられる。また、本発明者の検討によれば、特許文献4に記載されているような加熱乾燥を行っても、生コンクリートの性状を充分に向上させることができないことを見出した。
コンクリート用の骨材として、天然骨材ではなく砕砂を用いた場合、上述したように、天然骨材を用いた場合より、優れたコンクリート特性を示す生コンクリートが得られにくい傾向がある。具体的には、コンクリート用の骨材のうち、コンクリート用の細骨材として、砕砂を単独で用いた場合、スランプ高及び空気量等のコンクリート特性が低下する傾向がある。このことから、コンクリート用の骨材として、砕砂を用いる場合、砕砂に表面処理をすることが考えられ、例えば、特許文献5に記載の表面処理方法を適用することが考えられる。このような表面処理を砕砂に適用することによって、得られたコンクリートの特性を向上させることができるが、コンクリート用の細骨材として砕砂を単独で用いた場合であっても、より優れたコンクリート特性を示す生コンクリートが得られることが求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされた発明であって、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂及び砕砂の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記砕砂を用いて得られる生コンクリート及び生コンクリートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者の検討によれば、砕砂に含まれる微粒分の粒度分布及び砕砂の形状等が、得られた生コンクリートの特性に影響を及ぼすことを見出し、さらに、その影響は、砕砂に含まれる微粒分の粒度分布のほうが大きいことを見出した。本発明者は、砕砂に含まれる微粒分について、その粒度分布等を詳細に検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
本発明の一態様に係る砕砂は、平均粒子径が0.001~3μmであり、かつ、粒度分布曲線におけるピークが1つである微粉分を含有することを特徴とする砕砂である。
このような構成によれば、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂を提供することができる。具体的には、コンクリート用の骨材のうち、コンクリート用の細骨材として、前記砕砂を単独で用いた場合であっても、優れた生コンクリートを得ることができる。すなわち、前記砕砂に含まれる微粒分の粒度分布として、平均粒子径が上記範囲内であって、粒度分布曲線におけるピークが1つであることにより、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂が得られる。
このことは、以下のことによると考えられる。前記微粒分は親水性が高いと考えられる。そして、微粒分の親水性が向上することによって、砕砂の微粒分以外(砕砂本体)と、前記砕砂本体間に存在する微粒分との相互作用が強くなり、砕砂と砕砂との間に発生しうる毛管力が向上して、砕砂同士の接着力が高くなると考えられる。このため、このような砕砂を用いることによって、スランプが高い等の、コンクリートの特性に優れた生コンクリートが得られると考えられる。
また、前記砕砂において、前記微粒分の沈降速度が、0.001~0.02cm/分であることが好ましい。
このような構成によれば、より優れた生コンクリートを得ることができる砕砂が得られる。
また、前記砕砂において、微粒分量が、1~9質量%であることが好ましい。
このような構成によれば、より優れた生コンクリートを得ることができる砕砂が得られる。
また、本発明の他の一態様に係る砕砂の製造方法は、前記砕砂を製造する製造方法であって、砕砂原料を粉砕し、前記粉砕して得られた粉砕物を湿式で分級することを特徴とする砕砂の製造方法である。
このような構成によれば、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂を好適に製造することができる。具体的には、コンクリート用の細骨材として、単独で用いた場合であっても、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂を製造することができる。このことは、以下のことによると考えられる。前記粉砕物を湿式で分級することにより、疎水性の高い微粒分が優先的に除去されると考えられる。このことにより、親水性の高いと考えられる前記微粒分(平均粒子径が0.001~3μmであり、かつ、粒度分布曲線におけるピークが1つである微粉分)が残存すると考えられる。よって、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂が好適に得られると考えられる。
また、前記砕砂の製造方法において、前記粉砕は、湿式で行うことが好ましい。
このような構成によれば、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂をより好適に製造することができる。このことは、以下のことによると考えられる。砕砂原料を粉砕する際も湿式で行うことにより、親水性の高い微粒分が優先的に残存されるように、砕砂原料が粉砕されると考えられる。このことから、前記分級だけではなく、前記粉砕も、湿式で行うことにより、親水性が高いと考えられる前記微粒分がより優先的に残存し、より優れた生コンクリートを得ることができる砕砂がより好適に得られると考えられる。
また、前記砕砂の製造方法において、前記湿式は、マイクロバブル水を用いた湿式であることがより好ましい。また、前記砕砂の製造方法において、前記マイクロバブル水の温度が20℃未満であることがさらに好ましい。
このような構成によれば、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂をより好適に製造することができる。このことは、前記分級及び前記粉砕を湿式で行う際に、マイクロバブル水を用いることにより、疎水性の高い微粒分がより優先的に除去されることによると考えられる。また、前記マイクロバブル水として、20℃未満のマイクロバブル水を用いることによって、疎水性の高い微粒分がさらに優先的に除去されることによると考えられる。これらのことから、親水性が高いと考えられる前記微粒分がより優先的に残存し、より優れた生コンクリートを得ることができる砕砂がより好適に得られると考えられる。
また、前記砕砂の製造方法において、前記マイクロバブル水が、旋回流方式で得られたマイクロバブル水であることが好ましい。
このような構成によれば、マイクロバブル水を好適に得られ、結果として、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂をより好適に製造することができる。
また、本発明の他の一態様に係る生コンクリートは、前記砕砂を含むことを特徴とする生コンクリートである。
このような構成によれば、優れた生コンクリートを得ることができる。具体的には、コンクリート用の骨材として、前記砕砂を含むことによって、優れた生コンクリートを得ることができる。さらに、コンクリート用の骨材のうち、コンクリート用の細骨材として、前記砕砂を単独で用いた場合であっても、優れた生コンクリートを得ることができる。
また、本発明の他の一態様に係る生コンクリートの製造方法は、セメントと、骨材と、水とを混合する工程を備え、前記骨材として、前記砕砂を用いることを特徴とする生コンクリートの製造方法である。
このような構成によれば、優れた生コンクリートを製造することができる。
本発明によれば、優れた生コンクリートを得ることができる砕砂及び砕砂の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、前記砕砂を用いて得られる生コンクリート及び生コンクリートの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る砕砂を製造する製造方法の一例を示す工程図である。 図2は、本発明の実施形態に係る砕砂を製造する製造方法の他の一例を示す工程図である。 図3は、実施例及び比較例を説明するためのグラフ図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[砕砂]
本発明の実施形態に係る砕砂は、平均粒子径が0.001~3μmであり、かつ、粒度分布曲線におけるピークが1つである微粉分を含有する砕砂である。ここで、前記微粒分の粒度分布曲線とは、砕砂を水に分散させた後の上澄み水に分散されている微粒分の粒子径を測定することによって得られた粒度分布曲線(粒子径分布曲線)である。前記微粒分の粒子径は、一般的な粒子径の測定方法で測定することができ、例えば、レーザ回折法等の回折法、レーザ散乱法等の光散乱法、X線透過法、及び光透過法等が挙げられ、操作性等の観点から、回折法及び光散乱法が好ましく、レーザ回折・散乱法がより好ましい。なお、例えば、レーザ回折法では、液状媒体中に分散された粒子試料をレーザ光が通過する際に光の強度の角度依存性を測定することで、粒子径を測定することができる。また、光散乱法における解析法としては、例えば、動的散乱法及びミー散乱法等が挙げられ、ミー散乱法が好ましい。前記粒度分布曲線としては、例えば、解析法としてミー散乱法を用いたレーザ回折・散乱法を用いて得られた粒度分布曲線等が挙げられる。また、ここで平均粒子径とは、体積平均粒子径であり、例えば、レーザ回折・散乱法等によって測定することができる。より具体的には、上述した粒度分布曲線(解析法としてミー散乱法を用いたレーザ回折・散乱法を用いて得られた粒度分布曲線)から求められる体積平均粒子径等挙げられる。
前記砕砂としては、例えば、前記砕砂に含有される微粉分が、平均粒子径が0.001~3μmであり、かつ、粒度分布曲線におけるピークが1つである微粉分となるような処理が施された砕砂等が挙げられる。これに対して、例えば、乾式法で得られた砕砂は、上述した方法(レーザ回折・散乱法等)によって得られた粒度分布曲線におけるピークが、少なくとも10μm以下の範囲内において、2つある。
前記処理としては、前記砕砂に含有される微粉分が、平均粒子径が0.001~3μmであり、かつ、粒度分布曲線におけるピークが1つである微粉分となるような処理であれば、特に限定されない。前記処理としては、具体的には、マイクロバブル水を用いた湿式法による処理、及びこの湿式法に乾式法を組み合わせた処理等であって、粒子径の大きい側のピークを構成する微粒分を優先的に除去し、粒子径の小さい側のピークを構成する微粒分を残存させることができる処理等が挙げられる。前記処理としては、より具体的には、後述する実施例1~4における処理(所定の温度のマイクロバブル水を用いた湿式法を用いた処理であって、粒子径5μm付近のピークを構成する微粒分を優先的に除去し、粒子径1μm付近のピークを構成する微粒分を残存させることができる処理)等が挙げられる。このようにして得られた前記砕砂を、コンクリート用の骨材として用いることで、安定したコンクリート特性を有する、優れた生コンクリートを得ることができる。
前記微粒分の平均粒子径は、上述したように、0.001~3μmであり、0.01~2μmであることが好ましく、0.01~1μmであることがより好ましい。前記微粒分の平均粒子径が大きすぎると、粒子径の大きい側のピークを構成する微粒分の含有量が多い傾向があり、安定したコンクリート特性を有する、優れた生コンクリートが得られにくく傾向がある。前記微粒分の平均粒子径が上記範囲内であると、コンクリート用の骨材として用いることで、より優れた生コンクリートを得ることができる。
前記微粒分の沈降速度は、0.001~0.02cm/分であることが好ましく、0.001~0.01cm/分であることがより好ましく、0.003~0.008cm/分cm/分であることがさらに好ましい。前記微粒分の沈降速度が小さすぎても大きすぎても、優れた生コンクリートが得られにくくなる傾向がある。例えば、得られた生コンクリートのクリープ性等が低下する傾向ある。よって、前記微粒分の平均粒子径が上記範囲内であると、コンクリート用の骨材として用いることで、より優れた生コンクリートを得ることができる。このことは、前記微粒分の親水性が適切であることによると考えられる。前記沈降速度は、前記微粒分の親水性及び疎水性の指標となり、前記微粒分の重さの影響があるものの、親水性が高いと、沈降速度が遅い、すなわち、疎水性が高いと、沈降速度が速いと考えられる。よって、前記沈降速度が上記範囲内であれば、前記微粒分の親水性が適切であると考えられる。
ここでの沈降速度は、沈降管の沈降距離測定から決定される値であって、例えば、Werner法で測定される値等が挙げられる。具体的には、沈降管中の沈降粒子の高さが粒子質量に比例すると仮定して、微粒分の沈降量と時間とから微粒分の沈降曲線を作成し、沈降曲線の初期の接線から沈降速度を算出した値である。
前記微粒分量は、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、2.5質量%以上であることが好ましい。また、前記微粒分量は、9質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3.5質量%以下であることがさらに好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。ここでの前記微粒分量は、骨材(砕砂)に含まれる微粉末であって、75μmの網ふるいを通過する微粉末の量であり、具体的には、JIS A 5005(2020)に記載の方法(骨材の微粒分量試験方法)により測定される値である。
前記砕砂は、含まれる微粒分の親水性が高いと考えられる。そして、前記微粒分の親水性が向上することによって、砕砂の微粒分以外(砕砂本体)と、前記砕砂本体間に存在する微粒分との相互作用が強くなり、砕砂と砕砂との間に発生しうる毛管力が向上して、砕砂同士の接着力が高くなると考えられる。このことから、前記砕砂を、コンクリート用の骨材として用いると、優れた生コンクリートを得ることができると考えられる。具体的には、コンクリート用の骨材のうち、コンクリート用の細骨材として、前記砕砂を単独で用いた場合であっても、優れた生コンクリートを得ることができると考えられる。
[砕砂の製造方法]
前記砕砂の製造方法は、前記砕砂を製造することができれば、特に限定されないが、具体的には、湿式法を用いた製造方法等が挙げられる。前記砕砂の製造方法としては、より具体的には、砕石等の砕砂原料を粉砕し、前記粉砕して得られた粉砕物を湿式で分級する方法等が挙げられる。すなわち、本発明の他の実施形態に係る砕砂の製造方法は、前記砕砂を製造する製造方法であって、砕砂原料を粉砕し、前記粉砕して得られた粉砕物を湿式で分級する製造方法である。また、前記砕砂の製造方法としては、上述したように、分級を湿式で行うだけではなく、粉砕も湿式で行ってもよい。そして、これらの湿式は、マイクロバブル水を用いた湿式であることが好ましい。
前記砕砂の製造方法としては、例えば、マイクロバブル水を用いた湿式法による製造方法、及びこの湿式法に乾式法を組み合わせた製造方法等が挙げられる。
前記マイクロバブル水を用いた湿式法による製造方法としては、例えば、図1に示すような、マイクロバブル水を用いた湿式による粉砕とマイクロバブル水を用いた湿式による分級とを組み合わせた方法や、図2に示すような、マイクロバブル水を用いた湿式による分級を用いた方法等が挙げられる。
前記マイクロバブル水を用いた湿式による粉砕とマイクロバブル水を用いた湿式による分級とを組み合わせた方法としては、図1に示すように、例えば、まず、原料となる砕石(原料砕石)11を、ホッパー12からフィーダ13に供給する。前記フィーダ13に供給された原料砕石11を、前記フィーダ13により、1次破砕機14に連続的に一定量供給する。その際、水恒温貯留槽19で所定の水温に調整され保持された水をマイクロバブル水製造機20に供給する。前記マイクロバブル水製造機20は、前記水恒温貯留槽19供給された水から、所定の水温のマイクロバブル水を製造する。この製造されたマイクロバブル水を、前記原料砕石とともに、前記1次破砕機14に連続的に一定量供給する。前記フィーダ13から供給された原料砕石を、前記1次破砕機14で粉砕する。この粉砕は、前記マイクロバブル水製造機20から供給されたマイクロバブル水を用いた湿式の粉砕である。前記1次破砕機14で粉砕された粉砕物を、1次スクリーン15として、フルイ機においてフルイ網を通過した分(例えば、5mm以下等)を選別する。この選別された粉砕物を、湿式製砂機16で、前記マイクロバブル水製造機20で製造されたマイクロバブル水を用いた粉砕を行う。前記湿式製砂機16で粉砕された粉砕物を、2次スクリーン17として、フルイ機においてフルイ網を通過した分を選別する。この選別された粉砕物を、湿式分級機18で、前記マイクロバブル水製造機20で製造されたマイクロバブル水を用いた分級を行う。以上のように製造することによって、本実施形態に係る砕砂21を製造することができる。なお、前記湿式分級機18での分級では、前記砕砂21と泥水とに分級され、前記砕砂21を搬出して適所に貯留するとともに、泥水や不要な微粒分等を泥水処理設備に搬入し処理してもよい。なお、図1は、本実施形態に係る砕砂を製造する製造方法の一例を示す工程図である。
前記原料砕石11は、粉砕することによって、コンクリート用の砕砂として利用できる砕石であれば、特に限定されない。前記原料砕石11としては、例えば、砂岩を粉砕して得られた砕石(砂岩砕石)等が挙げられる。
前記マイクロバブル水を用いた湿式による分級を用いた方法としては、まず、原料砕砂として、乾式法による粉砕で得られた砕砂、具体的には、乾式製砂機で製造された砕砂を用いる。図2に示すように、原料となる砕砂(原料砕砂)31を、ホッパー32からフィーダ33に供給する。前記フィーダ33に供給された原料砕砂31を、前記フィーダ33により、フルイ機34に連続的に一定量供給する。その際、水恒温貯留槽36で所定の水温に調整され保持された水をマイクロバブル水製造機37に供給する。前記マイクロバブル水製造機37は、前記水恒温貯留槽36供給された水から、所定の水温のマイクロバブル水を製造する。この製造されたマイクロバブル水を、前記原料砕砂とともに、前記フルイ機34に連続的に一定量供給する。前記フィーダ33から供給された原料砕砂を、前記フルイ機34においてフルイ網を通過した分(例えば、5mm以下等)を選別する。この選別された粉砕物を、湿式分級機35で、前記マイクロバブル水製造機37で製造されたマイクロバブル水を用いた分級を行う。以上のように製造することによって、本実施形態に係る砕砂38を製造することができる。なお、前記湿式分級機35での分級では、前記砕砂38と泥水とに分級され、前記砕砂38を搬出して適所に貯留するとともに、泥水や不要な微粒分等を泥水処理設備に搬入し処理してもよい。なお、図2は、本実施形態に係る砕砂を製造する製造方法の他の一例を示す工程図である。
このような製造方法(例えば、図1に示すような製造方法、及び図2に示すような製造方法等)によれば、粒子径の大きい側のピークを構成する微粒分を優先的に除去し、粒子径の小さい側のピークを構成する微粒分を残存させることができ、本実施形態に係る砕砂(平均粒子径が0.001~3μmであり、かつ、粒度分布曲線におけるピークが1つである微粉分を含有する砕砂)を製造することができる。このような製造方法によれば、具体的には、前記原料砕石を、上述したように、マイクロバブル水(例えば、特定の温度のマイクロバブル水等)を用いた処理を行うことで、粉砕及び整粒し、分級(例えば、5mm以下の分級点での分級等)を行い、さらに、得られた砕砂は、マイクロバブル水(例えば、特定の温度のマイクロバブル水等)で水洗いされ、砕砂に含まれる微粒分の粒度分布が調整された状態の砕砂となる。
前記製造方法において、マイクロバブル水を用いた湿式による処理は、上記のように、少なくとも1工程以上行う。さらに、マイクロバブル水を用いた湿式による処理を2工程以上行うことが好ましい。そうすることによって、粒子径の大きい側のピークを構成する微粒分をより優先的に除去することができる。すなわち、粒子径の小さい側のピークを構成する微粒分をより残存させることができる。よって、本実施形態に係る砕砂をより容易に製造することができる。
前記ホッパーは、砕石や砕砂を前記フィーダに供給することができれば、特に限定されず、一般的なホッパー等が挙げられる。また、前記フィーダは、砕石や砕砂を連続的に一定量供給することができれば、特に限定されず、一般的なフィーダ等が挙げられる。前記1次破砕機及び前記湿式製砂機は、砕石を粉砕することができれば、特に限定されず、一般的な破砕機等が挙げられる。前記フルイ機は、前記砕石の粉砕物(砕砂)を選別することができれば、特に限定されず、一般的なフルイ機等が挙げられる。前記湿式分級機は、砕砂を分級することができれば、特に限定されず、一般的な分級機等が挙げられる。
前記水恒温貯留槽は、水を所定の温度に調整して貯留することができる槽であれば、特に限定されない。前記マイクロバブル水製造機は、水からマイクロバブル水を製造することができれば、特に限定されず、例えば、後述するような、マイクロバブル水の製造方法を実現できる装置等が挙げられる。
前記水(マイクロバブル水になる前の水)は、特に限定されず、例えば、水道水、及び工業用水等の、一般的な水が挙げられる。
前記マイクロバブル水は、例えば、ISO 20480-1:2017に規定のマイクロバブルを含む水等挙げられる。前記マイクロバブルの平均粒径は、0.1~100μmであることが好ましく、0.1~50μmであることがより好ましい。なお、平均粒径としては、例えば、球形を前提としたバブルの体積に基づいて導き出される直径等の体積球相当径等が挙げられる。
前記マイクロバブル水の製造方法は、特に限定されない。前記マイクロバブル水を製造する方法としては、例えば、エジェクタ方式、キャビテーション方式、旋回流方式、及び加圧溶解法等が挙げられる。エジェクタ方式とは、例えば、エジェクタに加圧された液体を送り、エジェクタ内部に発生する無数の剥離流により自吸されるガスを微粒化して気泡を生成する手法等が挙げられる。キャビテーション方式とは、例えば、キャビテーション構造を有する発生器に加圧された液体を送り、構造部で発生するキャビテーション現象(空洞現象)を利用し液体に含まれる溶存ガスを析出させて気泡を生成する手法等が挙げられる。旋回流方式とは、例えば、筒状の構造を有する発生器に偏心方向から加圧された液体を送り、円筒中心部に形成される気柱により空気を自吸させ、吐出する際の速度差で生じるせん断力により気泡を生成する手法等が挙げられる。加圧溶解法とは、例えば、圧力下で気体を強制的に溶解させ、減圧(大気開放)により気泡を析出させる手法等が挙げられる。マイクロバブルの発生装置としては、水質の影響を受けにくい旋回型マイクロバブル発生装置が望ましい。具体的には、有限会社バイ・クリーン製のYJノズルを用いたマイクロバブル発生装置が好ましい。すなわち、前記マイクロバブル水は、旋回流方式で得られたマイクロバブル水が好ましく、具体的には、有限会社バイ・クリーン製のYJノズルを用いたマイクロバブル発生装置で製造されたマイクロバブル水が好ましい。
前記製造方法における、前記マイクロバブル水の温度は、20℃未満であることが好ましく、0~18℃であることがより好ましく、5~15℃であることがさらに好ましく、5~10℃であることが特に好ましい。このような温度のマイクロバブル水を用いることによって、粒子径の大きい側のピークを構成する微粒分をより優先的に除去することができる。すなわち、粒子径の小さい側のピークを構成する微粒分をより残存させることができる。よって、本実施形態に係る砕砂をより容易に製造することができる。
前記製造方法における、前記マイクロバブル水の使用量は、砕砂(処理対象となる砕砂)100質量部に対して、20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることが好ましい。このような使用量でマイクロバブル水を用いることによって、粒子径の大きい側のピークを構成する微粒分をより優先的に除去することができる。すなわち、粒子径の小さい側のピークを構成する微粒分をより残存させることができる。よって、本実施形態に係る砕砂をより容易に製造することができる。
[生コンクリート]
本発明の他の一実施形態に係る生コンクリートは、前記砕砂を含む生コンクリートであれば、特に限定されない。前記生コンクリートとしては、具体的には、セメントと骨材と水とを含み、前記骨材として、前記砕砂を含む生コンクリート等が挙げられる。前記生コンクリートは、前記砕砂を含むことによって、優れた生コンクリートを得ることができる。具体的には、コンクリート用の骨材として、前記砕砂を含むことによって、優れた生コンクリートを得ることができる。さらに、コンクリート用の骨材のうち、コンクリート用の細骨材として、前記砕砂を単独で用いた場合であっても、優れた生コンクリートを得ることができる。
前記セメントは、生コンクリートを製造する際に用いられるセメントであれば、特に限定されない。具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、及び白色ポルトランドセメント等の、ポルトランドセメント、高炉セメント、アルミナセメント、シリカセメント、及びシリカヒュームセメント等が挙げられる。前記セメントとしては、これらの中でも、ポルトランドセメントが好ましく、普通ポルトランドセメントがより好ましい。また、普通ポルトランドセメントとしては、JIS R 5210に記載のもの等が挙げられる。このようなセメントを用いれば、セメントの水和反応やポラゾン反応をより好適に進行させることができると考えられる。よって、このようなセメントを用いることで、強度がより高く、かつ安定性のより高いコンクリート構造体を得ることができる生コンクリートが得られる。前記セメントの含有量は、前記生コンクリートに対して、8.84~18.13体積%であることが好ましい。
前記骨材は、上記のように、前記砕砂を含んでいれば、特に限定されず、前記砕砂以外の骨材を含んでいてもよい。また、前記骨材としては、細骨材及び粗骨材等が挙げられる。前記生コンクリートとしては、前記細骨材として前記砕砂を単独で用いてもよいし、前記砕砂と他の細骨材とを組み合わせて用いてもよい。また、前記生コンクリートとしては、前記細骨材として前記砕砂を単独で用いる場合であっても、前記粗骨材として、前記砕砂以外の骨材を用いてもよい。前記砕砂以外の骨材としては、生コンクリートを製造する際に、一般的に用いられる骨材であれば、特に限定されない。また、前記砕砂以外の細骨材としては、生コンクリートに含有させる細骨材であれば、特に限定されない。この細骨材としては、例えば、珪砂等の天然の砂、及び砕石粉等が挙げられる。前記砕砂以外の細骨材としては、JIS A5005に規定の砂等が挙げられる。また、前記粗骨材としては、生コンクリートに含有させる細骨材であれば、特に限定されない。前記粗骨材としては、例えば、砕石等が挙げられる。前記粗骨材としては、JIS A5005に規定の、粗骨材1505や粗骨材2010等が挙げられ、これらの混合物等が挙げられる。また、前記砕砂以外の骨材としては、例えば、山地、丘陵,台地等の陸地部の洪積堆積土で,建設用材料として採取される砂質に富んだ土である山砂等であってもよい。前記骨材の含有量は、前記生コンクリートに対して、66.80~90.33体積%であることが好ましい。また、前記骨材の中でも、前記砕砂の含有量は、前記生コンクリートに対して、31.31~43.10体積%であることが好ましい。
前記水は、生コンクリートを製造する際に、一般的に用いられる水であれば、特に限定されない。前記としては、例えば、水道水、及び工業用水等の、一般的な水が挙げられる。前記水の含有量は、前記生コンクリートに対して、6.84~8.85体積%であることが好ましい。
前記生コンクリートには、前記セメント、前記骨材、及び水以外にも、生コンクリートに一般的に添加されるもの(他の成分)等を含んでいてもよい。前記他の成分としては、例えば、石炭灰、スラグ粉末、空気連行剤(AE剤:Air Entraining Agent)等の界面活性剤やAE減水剤等の混和剤等が挙げられる。
前記石炭灰は、石炭を燃焼させた際に発生する灰であれば、特に限定されない。前記石炭灰としては、例えば、フライアッシュやクリンカアッシュ等が挙げられ、フライアッシュが好ましく用いられる。
前記スラグ粉末は、特に限定されず、例えば、高炉スラグ粉末、及び銅スラグ粉末等が挙げられる。すなわち、前記スラグ粉末としては、高炉スラグ粉末、銅スラグ粉末、又は高炉スラグ粉末と銅スラグ粉末との混合物が好ましい。
前記混和剤としては、生コンクリートに含有させる混和剤であれば、特に限定されない。前記混和剤としては、例えば、空気連行剤等の界面活性剤やAE減水剤等が挙げられ、具体的には、JIS A6204に規定の減水剤(高機能AE減水剤)等が挙げられる。
前記セメントが少なすぎると、得られたコンクリート構造体の強度が不充分になる傾向がある。また、前記セメントが多すぎると、得られたコンクリート構造体の安定性が不充分になる傾向がある。このことは、前記セメントが多すぎると、相対的に、前記石炭灰の量が少なくなり、ポゾラン反応が好適に進行しにくくなり、ポゾラン反応による安定性の向上効果が不充分になることによると考えられる。前記セメントの含有量が、前記セメントと前記石炭灰と前記骨材との混合物に対して、上記のような範囲内となるように、前記石炭灰を用いると、強度がより高く、かつ安定性のより高いコンクリート構造体を得ることができる生コンクリートが得られる。このことは、前記セメントの一部の代わりに、前記石炭灰を、上記範囲内になるように用いることによって、セメントの水和反応やポゾラン反応をより好適に進行させることができることによると考えられる。
[生コンクリートの製造方法]
前記生コンクリートの製造方法は、前記生コンクリートを製造することができれば、特に限定されない。前記生コンクリートの製造方法としては、具体的には、前記骨材として、前記砕砂を用いること以外は、一般的な生コンクリートの製造方法と同様の製造方法等が挙げられる。すなわち、本発明の他の実施形態に係る生コンクリートの製造方法は、セメントと、骨材と、水とを混合する工程(混合工程)を備え、前記骨材として、前記砕砂を用いる製造方法である。前記骨材として、前記砕砂を用いることによって、優れた生コンクリートを製造することができる。前記生コンクリートの製造方法における前記混合工程では、セメント、骨材、及び水以外にも、必要に応じて、例えば、前記他の成分も混合してもよい。前記混合工程は、セメント、骨材、水、及び必要に応じて、前記他の成分等を混合する工程である。前記混合工程としては、前記骨材として前記砕砂を用いること以外は、特に限定されず、例えば、一般的な生コンクリートの製造方法における混合工程等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
原料砕石として、茨木市産砂岩砕石を用い、図1に示す製造方法において、水温10℃のマイクロバブル水を用いた湿式での処理を、湿式製砂機での粉砕及び湿式分級機での分級での3回行った方法で、砕砂を製造した。
[実施例2]
原料砕石として、茨木市産砂岩砕石を用い、図1に示す製造方法において、水温15℃のマイクロバブル水を用いた湿式での処理を、湿式製砂機での粉砕及び湿式分級機での分級での3回行った方法で、砕砂を製造した。
[実施例3]
原料砕砂として、高槻市産砂岩砕砂(株式会社大阪砕石工業所製)を用い、図2に示す製造方法において、水温10℃のマイクロバブル水を用いた湿式での処理を、フルイ機でのふるい分け及び湿式分級機での分級での2回行った方法で、砕砂を製造した。
[実施例4]
原料砕砂として、大垣市産砂岩砕砂を用い、図2に示す製造方法において、水温10℃のマイクロバブル水を用いた湿式での処理を、フルイ機でのふるい分け及び湿式分級機での分級での2回行った方法で、砕砂を製造した。
[比較例1]
原料砕砂として、茨木市産砂岩砕砂を用い、図2に示す製造方法において、水温20℃のマイクロバブル水を用いた湿式での処理を、フルイ機でのふるい分け及び湿式分級機での分級での2回行った方法で、砕砂を製造した。
[比較例2]
原料砕砂として、茨木市産砂岩砕砂を用い、図2に示す製造方法において、水温35℃のマイクロバブル水を用いた湿式での処理を、フルイ機でのふるい分け及び湿式分級機での分級での2回行った方法で、砕砂を製造した。
[比較例3]
原料砕石として、宝塚市産砂岩砕石を用い、図1に示す製造方法において、水温20℃のマイクロバブル水を用いた湿式での処理を、湿式製砂機での粉砕及び湿式分級機での分級での3回行った方法で、砕砂を製造した。
[比較例4]
原料砕砂として、茨木市産砂岩砕砂を用い、乾式砕石法で砕砂を製造した。なお、マイクロバブル水は用いなかった。
上記のように製造された砕砂に含まれる微粒分の、沈降速度及び粒度分布(ピーク数及び平均粒子径)を、下記の方法により測定した。また、上記のように製造された砕砂における微粒分量を、下記の方法により測定した。
[微粒分の沈降速度]
得られた砕砂に含まれる微粒分の沈降速度は、沈降管の沈降距離測定から沈降速度を決定するWerner法により測定した。具体的には、得られた砕砂2gに対して精製水4gを混合し、強く攪拌後、25℃で静置してその沈降状態を写真撮影した。撮影間隔を、30秒毎、5分毎、及び10分毎等と徐々に長くして、写真撮影を最長5日間行った。その後、撮影した画像を目視で沈降挙動の変化した画像を選択、印刷した。それぞれの沈降過程を写真上で、上澄みの透明相の界面から砕砂の沈殿相までの距離(沈降相高さ)を測定した。測定した沈降相高さと沈降時間とに基づいて、微粒分の沈降量と時間とから微粒分の沈降曲線を作成した。それぞれの沈降曲線の形状と沈降曲線の直線近似した傾きから沈降挙動の解析を行い、沈降速度を算出した。具体的には、沈降曲線の初期の接線から沈降速度を算出した。
得られた結果(沈降速度)を表1に示す。
[粒度分布(ピーク数及び平均粒子径)]
得られた砕砂を水に分散させた後の上澄み水に分散されている微粒分を、解析法としてミー散乱法を用いたレーザ回折・散乱法を用いて測定することにより、粒度分布曲線、及びこの粒度分布曲線から求められる体積平均粒子径を得た。具体的には、得られた砕砂2gに対して精製水4gを混合し、強く攪拌後、約2時間静置した。前記静置して得られた上澄み水を約0.5mL取り出し、その取り出した上澄み水をサンプルとして、株式会社堀場製作所製のLA-920(レーザ回折・散乱法(ミー散乱原理))を用いて、粒度分布曲線及び体積平均粒子径(粒度分布曲線に基づく体積平均粒子径)を測定した。
得られた粒度分布曲線から、実施例1~4に係る砕砂を用いた場合は、得られた粒度分布曲線におけるピークが1つであった。これに対して、比較例1~4に係る砕砂を用いた場合は、得られた粒度分布曲線におけるピークが2つであった。その具体的に結果の一部を、図3に示す。図3におけるグラフ41は、実施例1に係る砕砂を用いたときの粒度分布曲線を示し、グラフ42は、実施例2に係る砕砂を用いたときの粒度分布曲線を示し、グラフ43は、比較例1に係る砕砂を用いたときの粒度分布曲線を示し、グラフ44は、比較例2に係る砕砂を用いたときの粒度分布曲線を示す。なお、図3は、実施例及び比較例(実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2)を説明するためのグラフ図である。
得られた結果(体積平均粒子径)は、表1に示す。
[微粒分量]
微粒分量は、JIS A 5005(2020)に記載の方法により測定した。具体的には、75μm(0.075mm)の網ふるいを通過する量を測定し、この通過する量から微粉分量を算出した。
得られた結果(微粉分量)を表1に示す。
[評価]
上記のように調製された砕砂を、以下に示す方法により評価を行った。
まず、得られた砕砂を用いて、生コンクリートを製造した。具体的には、以下のような配合組成(質量%)となるように配合して、生コンクリートを製造した。
セメント(株式会社トクヤマ製の普通ポルトランドセメント:JIS R 5210)が13.48体積%、石炭灰であるフライアッシュ(株式会社関電パワーテック 舞鶴事業所製のフライアッシュII種:JIS A 6201)が1.51体積%、細骨材として、実施例1~4及び比較例1~4に係る砕砂35.68体積%、粗骨材[株式会社大阪砕石工業所宝塚工場製の再生粗骨材M(RMG1505とRMG2010とを混合比(体積比)1:1で混合した混合物)が41.36体積%、混和剤(高機能AE減水剤:山宗化学株式会社製のヤマソー02NL)が0.13体積%、及び水が7.84体積%となるように、混合した。そうすることによって、生コンクリートが得られた。
次に、生コンクリートを用いて、公知の方法で、呼び強度21N、目標スランプ15cmとなるように試験した。なお、上記の配合の生コンクリートは、上記試験における標準的な配合である。具体的には、以下のような評価を行った。
(流動性)
得られた生コンクリートの流動性を目視で確認した。生コンクリートの流動性は、現場での作業性を示す指標の1つであり、現場の作業員10人中9~10人が良好な流動性であると判断すれば、「◎」と評価した。また、現場の作業員10人中6~8人が良好な流動性であると判断すれば、「○(標準)」と評価した。また、現場の作業員10人中3~5人が良好な流動性であると判断すれば、「△」と評価した。また、現場の作業員10人中0~2人が良好な流動性であると判断すれば、「×」と評価した。
(スランプ)
生コンクリートのスランプ評価は、JIS A 1101に準じて行った。具体的には、上記のように、スランプを形成した直後及び30分後の、スランプの高さ(cm)を測定した。
(フロー)
生コンクリートのフロー評価は、JIS A 1101に準じて行った。具体的には、上記のように、スランプを形成した直後からの、スランプの広がりを、JIS A 1101における基準に従って、「標準」「大きい」「小さい」と評価した。
(空気量)
生コンクリートの空気量は、JIS A 1101に準じた方法で測定した。具体的には、生コンクリートの体積に対する、生コンクリートの混入される空気の体積の比率を測定し、JIS A 1101における基準に従って、「標準」「多い」「少ない」と評価した。
(混合状態)
得られた生コンクリートの混合状態は、生コンクリートの粘り等で評価した。例えば、柔らかいが粘る生コンクリートが良好な生コンクリートである。生コンクリートの混合状態は、現場の作業員10人中9~10人が良好な混合状態であると判断すれば、「◎」と評価した。また、現場の作業員10人中6~8人が良好な混合状態であると判断すれば、「○」と評価した。また、現場の作業員10人中3~5人が良好な混合状態であると判断すれば、「△」と評価した。また、現場の作業員10人中0~2人が良好な混合状態であると判断すれば、「×」と評価した。
なお、上述したように、柔らかいが粘る生コンクリートが良好な生コンクリートである。このため、上記流動性等よりも、この混合状態が、生コンクリートの評価としては、重要である。
(強度)
得られた生コンクリートを凝固させて得られたコンクリートの強度(圧縮強度)は、JIS A 1108に準じた方法で測定した。そして、その材齢7日、及び材齢28日の強度を、JIS A 1108における基準に従って、「高い」「やや高い」「標準」「やや低い」「低い」と評価した。
(総合評価)
上記各評価から、生コンクリートの評価として、非常に良好であると判断できるものを、「◎」と評価した。また、「◎」よりは劣るが、良好であると判断できるものを、「〇」と評価した。また、「〇」よりも劣るが、使用可能と判断できるものを、「△」と評価し、生コンクリートとして、使用が困難と判断されるものを、「×」と評価した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2023013134000001
表1から、平均粒子径が0.001~3μmであり、かつ、粒度分布曲線におけるピークが1つである微粉分を含有する砕砂を用いた場合(実施例1~4)は、平均粒子径が3μmを超え、粒度分布曲線におけるピークが2つである微粉分を用いた場合(比較例1~4)より、優れた生コンクリートが得られることがわかった。
11 原料砕石
12、32 ホッパー
13、33 フィーダ
14 1次破砕機
15 1次スクリーン
16 湿式製砂機
17 2次スクリーン
18、35 湿式分級機
19、36 水恒温貯留槽
20、37 マイクロバブル水製造機
21、38 砕砂
31 原料砕砂
34 フルイ機

Claims (10)

  1. 平均粒子径が0.001~3μmであり、かつ、粒度分布曲線におけるピークが1つである微粉分を含有することを特徴とする砕砂。
  2. 前記微粒分の沈降速度が、0.001~0.02cm/分である請求項1に記載の砕砂。
  3. 微粒分量が、1~9質量%である請求項1又は請求項2に記載の砕砂。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の砕砂を製造する製造方法であって、
    砕砂原料を粉砕し、前記粉砕して得られた粉砕物を湿式で分級することを特徴とする砕砂の製造方法。
  5. 前記粉砕は、湿式で行う請求項4に記載の砕砂の製造方法。
  6. 前記湿式は、マイクロバブル水を用いた湿式である請求項4又は請求項5に記載の砕砂の製造方法。
  7. 前記マイクロバブル水の温度が20℃未満である請求項6に記載の砕砂の製造方法。
  8. 前記マイクロバブル水が、旋回流方式で得られたマイクロバブル水である請求項6又は請求項7に記載の砕砂の製造方法。
  9. 請求項1~3のいずれか1項に記載の砕砂を含むことを特徴とする生コンクリート。
  10. セメントと、骨材と、水とを混合する工程を備え、
    前記骨材として、請求項1~3のいずれか1項に記載の砕砂を用いることを特徴とする生コンクリートの製造方法。
JP2021117089A 2021-07-15 2021-07-15 砕砂、砕砂の製造方法、生コンクリート、及び生コンクリートの製造方法 Pending JP2023013134A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021117089A JP2023013134A (ja) 2021-07-15 2021-07-15 砕砂、砕砂の製造方法、生コンクリート、及び生コンクリートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021117089A JP2023013134A (ja) 2021-07-15 2021-07-15 砕砂、砕砂の製造方法、生コンクリート、及び生コンクリートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023013134A true JP2023013134A (ja) 2023-01-26

Family

ID=85129775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021117089A Pending JP2023013134A (ja) 2021-07-15 2021-07-15 砕砂、砕砂の製造方法、生コンクリート、及び生コンクリートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023013134A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7514045B1 (ja) 2023-10-31 2024-07-10 和泉生コンクリート株式会社 コンクリート用再生細骨材、及び生コンクリート

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7514045B1 (ja) 2023-10-31 2024-07-10 和泉生コンクリート株式会社 コンクリート用再生細骨材、及び生コンクリート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5562863B2 (ja) ポゾランを加工する方法
TWI477322B (zh) 升級的焚燒灰渣及其製法
SA08290602B1 (ar) خرسانة بمحتوى منخفض من بقايا المعادن
KR20110053270A (ko) 조강 포졸란 시멘트 배합물
Chernysheva et al. Composite gypsum binders with silica-containing additives
CN106045443A (zh) 一种尾矿胶结剂
JP3230378B2 (ja) セメント組成物
Terzić et al. The effect of mechano-chemical activation and surface treatment of limestone filler on the properties of construction composites
Gu et al. Mechanical grinding kinetics and particle packing novel characterization of iron ore tailings as inert filler for cement mortar
JP5012127B2 (ja) セメント・コンクリート用混和材の製造方法
JP2023013134A (ja) 砕砂、砕砂の製造方法、生コンクリート、及び生コンクリートの製造方法
JP7462251B2 (ja) 土壌の解泥方法及び分級方法
LASTNOSTI The effect of high-speed grinding technology on the properties of fly ash
KR102202526B1 (ko) 석탄회의 제조 방법 및 석탄회, 시멘트 조성물
CN104968437B (zh) 经由硅酸盐的反向阳离子浮选精选锰矿石的方法
JP6036295B2 (ja) 焼結原料の事前処理方法
Altun et al. Effects of impact and attrition mechanisms on size distribution and liberation characteristics of the components
JP7407491B1 (ja) コンクリート用再生細骨材の製造方法、及び生コンクリートの製造方法
JP6912696B2 (ja) 水硬性石灰及びその製造方法
JP2006298667A (ja) コンクリート用炭酸カルシウム微粉末、その製造方法、及びフレッシュコンクリート
JP4193913B1 (ja) 鉱物質球状微粒子とその製造方法および用途
JPH0354139A (ja) コンクリート混和材の製造方法
JP7514045B1 (ja) コンクリート用再生細骨材、及び生コンクリート
JP2007126304A (ja) 鉱物の微粒子、該微粒子を用いた混合セメント及び該混合セメントを用いた硬化体
JP2011006311A (ja) 骨材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240514