JP4193884B2 - 測位装置、測位装置の制御方法及びプログラム - Google Patents
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GPS受信機は、例えば、3個以上のGPS衛星から信号を受信し、信号が各GPS衛星から発信された時刻とGPS受信機に到達した時刻との差(以後、遅延時間と呼ぶ)によって、各GPS衛星とGPS受信機との間の距離(以後、擬似距離と呼ぶ)を求める。そして、各GPS衛星から受信した信号に乗せられている各GPS衛星の衛星軌道情報と、上述の擬似距離を使用して、現在位置の測位演算を行うようになっている。
しかし、GPS衛星からの信号が建物等に反射してGPS受信機に到達したり、信号強度が弱かったり、天空におけるGPS衛星の配置(DOP:Dilution Of Precision)が悪い場合には、測位位置が真の位置と大きく乖離し、測位位置の精度が劣化する場合がある。
これに対して、前回の測位位置を基点として、速度ベクトルと経過時間から現在の予想位置(以下、「予想位置」という)を算出し、その予想位置と現在の測位位置を平均化処理する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
このため、上述の技術においては、GPS受信機が静止している場合であっても、例えば、経過時間が10秒(s)であれば10秒間に対応する距離だけ予想位置が前回位置から乖離する。この結果、平均化処理の後の位置の精度が劣化し、出力位置が真の位置と乖離する場合があるという問題がある。
そして、上述の技術においては、GPS受信機が静止している場合においては、前回測位時からの経過時間が長いほど、予想位置が前回位置から累積的に乖離し、この結果、出力位置が真の位置と乖離するという問題がある。
また、GPS受信機が歩行者に保持されて微速で移動している場合であっても、速度ベクトルに示される速度によっては、実際の現在位置が前回の測位位置の近傍にあるにもかかわらず、現在の測位位置が前回の測位位置と大きく乖離する場合があるという問題がある。
前記測位装置が静止している場合には、前記測位位置は継続的に一定の位置の周辺の座標によって示される。そして、前記測位装置が微速移動している場合には、前記測位位置は一定の位置からわずかづつ乖離する座標によって示される。
ここで、前記参照位置は、前記平均化によって前記測位位置の位置のばらつきが低減されているから、前記測位装置が静止している場合や微速移動している場合には、真の位置の近傍の座標を示す。これに対して、予想位置の近傍に真の位置が存在するとは限らない。
このため、前記参照位置と現在の前記測位位置を平均化して前記平均位置を出力することによって、予想位置と現在の前記測位位置を平均した位置を出力する場合よりも、出力位置がはるかに真の位置と近くなる。
これにより、信頼性を有し、かつ、精度の高い位置を出力することができる。
また、前記測位装置は、前記測位装置が微速移動している場合には、最新の前記参照位置と現在の前記測位位置を平均化することができる。このため、前記測位装置は、微速移動時には、最新の前記参照位置と現在の前記測位位置を平均化することによって、古い前記参照位置の影響を排除して、微速移動状態に対応した前記平均位置を算出することができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1に示すように、端末20は、使用者Aに保持されている。端末20は、測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g及び12hからの信号である信号G1,G2,G3,G4,G5,G6,G7及びG8を受信することができる。この信号G1等は、衛星信号の一例である。そして、端末20は、測位装置の一例である。
また、使用者Aが歩行しているときには、端末20は微速移動している。このとき、端末20の真の位置は例えば、位置r1から少しづつずれる。端末20は、端末20が実際に微速移動している状態において、微速移動に応じた位置を出力することによって、使用者Aの救助の確実性を増すことができる。
しかし、GPS衛星12a等はその衛星軌道上を移動し、信号G1等の受信状態は時々刻々と変動するから、測位位置も時々刻々と変動する。このため、端末20が静止しているとしても、測位位置は、例えば、時間経過に従って、測位位置P0,P1,P2,P3,P4というように、変動する。
また、端末20が微速移動しているにもかかわらず、例えば、連続して算出する測位位置同士が、大きく乖離する場合がある。
端末20は、以下に説明するように、静止状態や微速移動状態において、移動状態に応じて、信頼性を有し、かつ、精度の高い位置を出力することができるようになっている。
なお、本実施の形態において、端末20が静止している状態及び移動している状態を総称して、移動状態と呼ぶ。
なお、端末20は例えば、携帯電話機であるが、その他に、カーナビゲーション装置、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance)等であってもよく、また、これらに限らない。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等は8個に限らず例えば、3個以上7個以下でもよいし、9個以上でもよい。
図2は端末20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、端末20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26、外部記憶装置28等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。外部記憶装置28は例えば、HDD(Hard Disk Drive)等である。
図3は、端末20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、端末20は、各部を制御する制御部100、図2の端末GPS装置32に対応するGPS部102、時計38に対応する計時部104等を有する。
端末20は、また、各種プログラムを格納する第1記憶部110、各種情報を格納する第2記憶部150を有する。
図4に示すように、Buffには、位置P(n−1)乃至P(n−10)が保持されている。位置P(n−1)等を総称して、位置Pとも呼ぶ。
位置P(n−1)等は、過去の測位(後述の単発測位又は連発測位)においてBuffに格納された位置である。
また、Buffには、各位置P(n−1)等に対応して、それらの算出時刻t(n−1)等が保持されている。
また、Buffには、各位置P(n−1)等に対応して、それらを算出したときの端末20の移動速度v(n−1)等が保持されている。
位置P(n−1)等は、参照位置の一例である。Buffは、位置保持手段の一例である。
アルマナック152aは、すべてのGPS衛星12a等(図1参照)の概略の軌道を示す情報である。アルマナック152aは、いずれのGPS衛星12a等の信号G1等からも、デコードして取得することができる。
エフェメリス152bは、各GPS衛星12a等(図1参照)の精密な軌道を示す情報である。例えば、GPS衛星12aのエフェメリス152bを取得するためには、GPS衛星12aからの信号G1を受信し、デコードして取得する必要がある。
端末20は、衛星軌道情報152を、測位のために使用する。
具体的には、制御部100は、アルマナック152aを参照して、現在時刻において観測可能なGPS衛星12a等を判断し、観測可能なGPS衛星12a等からの信号G1等を受信する。このとき、基準となる自己位置は、例えば、Buffに保持されている前回の位置P(n−1)を使用する。
具体的には、制御部100は、例えば、3個以上のGPS衛星12a等から信号G1等を受信し、信号G1等が各GPS衛星12a等から発信された時刻と端末20に到達した時刻との差である遅延時間によって、各GPS衛星12a等と端末20との間の距離である擬似距離を求める。そして、各GPS衛星12a等のエフェメリス152bを使用して算出される各GPS衛星12a等の衛星軌道上の位置と、上述の擬似距離を使用して、現在位置の測位演算を行う。
制御部100は、現在の測位位置Pg(n)を示す測位位置情報154を第2記憶部150に格納する。なお、各時刻の測位位置Pg(n)等を総称して測位位置Pgとも呼ぶ。
測位の種類として、図5(a)に示す単発測位と図5(b)に示す連発測位がある。
図5(a)に示すように、単発測位は、測位位置Pgのばらつきが、予め規定した収束範囲内に収まった時点、又は、安定位置Pstを算出した時点のいずれかの時点で測位を終了する測位モードである。ここで、予め規定した収束範囲とは、例えば、2個以上の測位位置Pg(n)のばらつきが、100メートル(m)以内である範囲である。そして、安定位置Pstとは、端末20が、最初に算出した平均位置Pa又はPbである。平均位置Pa及びPbについては、後述する。
これに対して、図5(b)に示すように、連発測位は、測位位置Pgのばらつきが、予め規定した収束範囲内に収まった時点の後、又は、安定位置Pstを算出した後、予め規定した一定時間又は一定回数の測位を行った後に測位を終了する測位モードである。
上述のように、単発測位も連発測位も、複数の測位から構成されている。そして、複数の測位は予め規定された規定時間において行われるから、単発測位も連発測位も複数の測位から構成される測位時間において行われる。
なお、本実施の形態とは異なり、測位の種類として、測位位置Pgのばらつきが、予め規定した収束範囲内に収まった時点、又は、安定位置Pstを算出した後も、ユーザによって測位終了の命令が入力されるまで測位を継続する連続測位を加えてもよい。
制御部100は、測位時刻t(n)を示す測位時刻情報156を第2記憶部150に格納する。なお、測位時刻t(n)を現在時刻t(n)とも呼ぶ。
具体的には、制御部100は、複数のGPS衛星12a等からの信号G1等のドップラー偏移等に基づいて、各GPS衛星12a等と端末20の相対速度を算出し、端末20の移動速度である移動速度v(n)を算出する(例えば、特開平8−68651の段落〔0016〕乃至〔0018〕参照)。
制御部100は、移動速度v(n)を示す移動速度情報158を第2記憶部150に格納する。なお、移動速度v(n)を現在速度v(n)とも呼ぶ。
図6に示すように、制御部100は、経過時間評価プログラム116に基づいて、まず、Buff中の各時刻t(n−1)等から現在時刻t(n)までの経過時間が、時間閾値α1以下か否かを判断する。時間閾値α1は予め規定されており、例えば、180秒(s)である。
次に、制御部100は、まず、Buff中の最新の時刻t(n−1)から現在時刻t(n)までの経過時間が、時間閾値α2以下か否かを判断する。時間閾値α2は予め規定されており、例えば、60秒(s)である。
図7に示すように、制御部100は速度評価プログラム118に基づいて、まず、現在速度v(n)及びBuff中の各速度v(n−1)等が、速度閾値β1以下か否かを判断するためのプログラムである。速度閾値β1は予め規定されており、例えば、毎秒0.5メートル(m/s)である。
次に、制御部100は、現在速度v(n)及びBuff中の最新の速度v(n−1)が、速度閾値β2以下か否かを判断する。速度閾値β2は予め規定されており、例えば、毎秒2.0メートル(m/s)である。
図8に示すように、距離評価プログラム120は、制御部100が、Buff中の各位置P(n−1)等と現在位置Pg(n)までの距離が、距離閾値γ以下か否かを判断するためのプログラムである。距離閾値γは予め規定されており、例えば、15メートル(m)である。
例えば、図9(a)に示すように、端末20の真の位置は、位置P(n−5)から位置P(n−4)へ移動し、位置P(n−4)から位置P(n−3)へ移動し、位置P(n−3)から位置P(n−2)へ移動し、位置P(n−2)から位置P(n−1)へ移動し、位置P(n−1)から測位位置Pg(n)へ移動していると仮定する。
このように端末20が円状に移動して、測位位置Pg(n)がその円の中心の座標を示す場合等には、測位位置Pg(n)と、各位置P(n−5)乃至P(n−1)との距離は、距離閾値γ以下になり得る。
このため、測位位置Pg(n)と、各位置P(n−5)乃至P(n−1)との距離が距離閾値γ以下であるというだけでは、端末20が移動しているか否かを正確に判断することができない。
このように、制御部100は、各位置P(n−1)等から現在の測位位置Pg(n)までの道のりの距離(累積距離)を算出し、累積距離が累積距離閾値γs以下であるか否かを判断する。累積距離閾値γsは予め規定されており、例えば、20メートル(m)である。
図10に示すように、制御部100は移動状態判断プログラム124に基づいて、まず、端末20の移動状態が静止条件B1を満たすか否かを判断し、次に、微速移動状態B2を満たすか否かを判断する。
条件1は、現在速度v(n)及びBuff内の各速度v(n−1)等の双方が、速度閾値β1以下であることである。条件1を満たすためには、例えば、現在速度v(n)と速度v(n−1)との関係においては、現在速度v(n)と速度v(n−1)の双方が速度閾値β1以下である必要がある。
条件2は、経過時間が時間閾値α1以下であることである。
条件3は、現在の測位位置Pg(n)と各位置P(n−1)等の距離が距離閾値γ以下であることである。
条件4は、累積距離が、累積距離閾値γs以下であることである。
具体的には、制御部100は、まず、現在の移動速度v(n)が速度閾値β以下否かを判断する。なお、制御部100は、現在の移動速度v(n)が速度閾値β以下ではないと判断した場合には、各位置P(n−1)について静止条件Bを満たすか否かを判断することなく、静止条件B1の判断を停止する。
制御部100は、現在の移動速度v(n)が速度閾値β1以下であると判断すると、現在の測位位置Pg(n)との関係で、各位置P(n−1)が、静止条件B1を満たすか否かを判断する。続いて、現在の測位位置Pg(n)と位置P(n−2)について、静止条件B1を満たすか否かを判断する。このように、制御部100は、新しい順に位置P(n−1)等について、静止条件B1を満たすか否かを判断し、位置P(n−1)等が静止条件B1を満たさないと判断した時点で、静止条件Bの判断を停止する。
微速移動条件B2は、制御部100が、端末20が微速移動していると判断するための条件であり、微速移動条件の一例である。
条件5は、現在速度v(n)及びBuff内の最新の速度v(n−1)の双方が、速度閾値β2以下であることである。
条件6は、最新の時刻t(n−1)から現在時刻t(n)までの経過時間が時間閾値α2以下であることである。
平均位置算出プログラム126は、第1平均位置算出プログラム126aと第1平均位置算出プログラム126bを含む。
図11(a)に示すように、制御部100は、第1平均位置算出プログラム126aに基づいて、静止条件B1を満たすすべての位置Pと測位位置Pg(n)とを平均化処理する。
例えば、静止条件Bを満たす位置Pが、位置P(n−1),P(n−2),P(n−3),P(n−4)及びP(n−5)である場合には、位置P(n−1)乃至位置P(n−5)及び測位位置Pg(n)の平均の位置を算出する。
このように、制御部100は、静止条件B1を満たすすべての位置Pと測位位置Pg(n)の平均の位置を算出する。例えば、Buff内のすべての位置Pが、静止条件B2を満たす場合には、測位位置Pg(n)とあわせて、11個の位置について平均化処理が行われる。
制御部100は、平均位置Paを示す第1平均位置情報160を第2記憶部150に格納する。
制御部100は、平均位置Pbを示す第2平均位置情報162を第2記憶部150に格納する。
具体的には、制御部100は、上述の静止条件B1を満たす位置Pがある場合には平均位置Paを表示装置36(図2参照)に表示する。
そして、制御部は、上述の静止条件B1を満たす位置Pがなく、端末20の移動状態が微速移動条件B2を満たす場合には平均位置Pbを表示装置36(図2参照)に表示する。
これに対して、制御部100は、上述の静止条件Baを満たす位置Pがなく、かつ端末20の移動状態が微速移動条件B2を満たさない場合には測位位置Pg(n)を表示装置36に表示する。
図12に示すように、制御部100は、単発測位又は連発測位の最後に出力した平均位置Pa,Pb又は測位位置Pg(n)を新たな位置P(n−1)としてBuffに格納する。
制御部100は、平均位置Paを表示装置36に表示した場合には、平均位置Paを新たな位置P(n−1)として、Buffに格納する。
そして、制御部100は、平均位置Pbを表示装置36に表示した場合には、平均位置Pbを新たな位置P(n−1)として、Buffに格納する。
これに対して、制御部100は、位置Pg(n)を表示装置36に表示した場合には、位置Pg(n)を新たな位置P(n−1)として、Buffに格納する。
端末20は、その移動状態に基づいて、平均位置Pa又はPbを算出することができる。すなわち、端末20は、前回の測位位置と前回の速度ベクトル及び経過時間から推定した予想位置と、今回の測位位置との平均化(補正)をするのではない。端末20は、その移動状態に基づいて、Buff中の位置Pと、測位によって算出した現在の測位位置Pg(n)を平均化して平均位置 Pa又はPbを算出するのである。このため、現在の前記測位位置Pg(n)を補正するために、前回の速度ベクトルの精度の影響を受けない。
端末20が静止している場合には、測位位置Pg(n)は継続的に一定の位置の周辺の座標によって示される。そして、端末20が微速移動している場合には、測位位置Pg(n)は一定の位置からわずかづつ乖離する座標によって示される。
ここで、位置Pは、平均化によって測位位置Pg(n)の位置のばらつきが低減されているから、端末20が静止している場合や微速移動している場合には、真の位置の近傍の座標を示す。これに対して、予想位置の近傍に真の位置が存在するとは限らない。
このため、位置Pと現在の測位位置Pg(n)を平均化して平均位置Pa又はPbを出力することによって、予想位置と現在の測位位置Pg(n)を平均した位置を出力する場合よりも、出力位置がはるかに真の位置と近くなる。
これにより、信頼性を有し、かつ、精度の高い位置を出力することができる。
さらに、静止条件B1は累積距離が累積距離閾値γs以下であるという条件を含むから、端末20は、例えば、近距離において円状に移動していて距離によっては端末20の静止状態を判断することができない場合においても、累積距離に基づいて静止状態を判断することができる。
図13及び図14は本実施の形態に係る端末20の動作例を示す概略フローチャートである。
図13及び図14においては、端末20が、連発測位(図5(b)参照)を行うと仮定して、以下の説明をする。そして、連発測位は、安定位置Pstを算出した後(又は、測位位置Pgのばらつきが規定範囲内に収まった後)、規定回数である10回の測位を行った時点で測位を終了する構成であるとして、以下の説明をする。
続いて、端末20は、Buff内の各位置P(n−1)等について、静止条件B1を満たすか否かの判断を行う(ステップST2)。このステップST2は、移動状態判断ステップの一例である。
端末20は、上述のステップST2において、静止条件B1を満たす位置Pがあると判断した場合には、静止条件B1を満たすすべての位置P(n−1)等と測位位置Pg(n)を平均化処理して、第1平均位置Paを算出する(ステップST3)。このステップST3は、平均位置算出手段の一例である。
ステップST5において、端末20が、最終の測位であると判断した場合には、平均位置Paを位置P(n−1)としてBuffに格納する(ステップST6)。このステップST6は、位置格納ステップの一例である。
端末20は、複数の測位位置Pg(n)が収束範囲内ではないと判断すると、ステップST1に戻り、測位位置Pg(n)の算出を継続する。
これに対して、ステップST101において、端末20は、複数の測位位置Pg(n)が収束範囲内であると判断すると、端末20の移動状態が微速移動条件B2を満たすか否かを判断する(ステップST102)。
端末20が、ステップST102において、端末20の移動状態が微速移動条件B2を満たすと判断した場合には、最新の位置Pと現在の測位位置Pg(n)を平均化処理して、第2平均位置Pbを算出する(ステップST103)。このステップST103もまた、平均位置算出ステップの一例である。
続いて、端末20は、単発測位における最終の測位か否かを判断し(ステップST105)、最終の測位であれば、第2平均位置PbをBuffに格納する(ステップST106)。このステップST106もまた、位置格納ステップの一例である。
端末20は、ステップST105において、単発測位における最終の測位ではないと判断すると、ステップST1に戻る。
続いて、端末20は、単発測位における最終の測位か否かを判断し(ステップST202)、最終の測位であれば、測位位置Pg(n)をBuffに格納する(ステップST203)。
端末20は、ステップST202において、単発測位における最終の測位ではないと判断すると、ステップST1に戻る。
また、端末20が、微速移動しているときには、平均位置Pbを算出するから、微速移動時において、移動状態に応じた位置を出力することができる。
また、静止状態でもなく、微速移動状態でもない場合には、測位位置Pg(n)を出力するから、移動中の真の位置に迅速に追従する位置を出力することができる。
これに対して、端末20は、第1平均位置Paの算出に際しては、測位位置Pg(n)のばらつきが予め規定した規定範囲内に収まることを待たずに第1平均位置Paを算出する。第1平均位置Paは、1以上の位置Pと平均化されるから、測位位置Pg(n)のばらつきが予め規定した規定範囲内に収まることを待たなくても、第1平均位置Paは真の位置の近傍を示す信頼性の高い位置となるからである。
コンピュータに上述の動作例の移動状態判断ステップと、平均位置算出ステップと、位置出力ステップと、位置格納ステップ等を実行させるための測位装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような測位装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
Claims (4)
- 測位衛星からの信号である衛星信号に基づく測位を行うとともに、当該測位結果と当該測位した所定時刻より過去の出力位置とに基づき出力位置を求めて出力する処理を繰り返し行う測位装置であって、
前記測位装置が出力した出力位置の履歴を保持する位置保持手段と、
前記位置保持手段に保持された出力位置の中に、当該出力位置を算出した時刻から前記所定時刻までの経過時間、及び、当該出力位置を算出したときの前記測位装置の移動速度が、当該出力位置を算出した時刻から前記所定時刻までの間、前記測位装置が静止していることを表す条件である予め定められた静止条件を満たす出力位置がある場合には、前記静止条件を満たす前記出力位置それぞれと前記所定時刻での測位位置とを平均化した平均位置を出力するとともに、前記静止条件を満たす出力位置がない場合で、かつ、前記所定時刻の直前の出力位置を算出した時刻から前記所定時刻までの経過時間、当該直前の出力位置を算出したときの前記測位装置の移動速度、及び、前記所定時刻における前記測位装置の移動速度が、前記測位装置が微速移動していることを表す条件である予め定められた微速移動条件を満たす場合には、当該直前の出力位置と前記所定時刻における測位位置とを平均化した平均位置を出力する位置出力手段と、
前記位置出力手段により出力された位置を前記位置保持手段に格納する位置格納手段と、
を有することを特徴とする測位装置。 - 前記位置出力手段は、当該出力位置と前記所定時刻における測位位置との間の距離に関する条件と、当該出力位置から前記所定時刻における測位位置までの道のりの距離である累積距離に関する条件とを前記静止条件に更に含めて前記静止条件を満たす出力位置を判定する請求項1に記載の測位装置。
- 出力位置の履歴を保持する位置保持手段を備え、測位衛星からの信号である衛星信号に基づく測位を行うとともに、当該測位結果と当該測位した所定時刻より過去の出力位置とに基づき出力位置を求めて出力する処理を繰り返し行う測位装置の制御方法であって、
前記位置保持手段に保持された出力位置の中に、当該出力位置を算出した時刻から前記所定時刻までの経過時間、及び、当該出力位置を算出したときの前記測位装置の移動速度が、当該出力位置を算出した時刻から前記所定時刻までの間、前記測位装置が静止していることを表す条件である予め定められた静止条件を満たす出力位置がある場合には、前記静止条件を満たす前記出力位置それぞれと前記所定時刻での測位位置とを平均化した平均位置を出力するとともに、前記静止条件を満たす出力位置がない場合で、かつ、前記所定時刻の直前の出力位置を算出した時刻から前記所定時刻までの経過時間、当該直前の出力位置を算出したときの前記測位装置の移動速度、及び、前記所定時刻における前記測位装置の移動速度が、前記測位装置が微速移動していることを表す条件である予め定められた微速移動条件を満たす場合には、当該直前の出力位置と前記所定時刻における測位位置とを平均化した平均位置を出力する位置出力ステップと、
前記位置出力ステップで出力した位置を前記位置保持手段に格納する位置格納ステップと、
を含む測位装置の制御方法。 - 出力位置の履歴を保持する位置保持手段を備えた測位装置に内蔵されたコンピュータに、測位衛星からの信号である衛星信号に基づく測位を行うとともに、当該測位結果と当該測位した所定時刻より過去の出力位置とに基づき出力位置を求めて出力する処理を繰り返し行わせるためのプログラムであって、
前記位置保持手段に保持された出力位置の中に、当該出力位置を算出した時刻から前記所定時刻までの経過時間、及び、当該出力位置を算出したときの前記測位装置の移動速度が、当該出力位置を算出した時刻から前記所定時刻までの間、前記測位装置が静止していることを表す条件である予め定められた静止条件を満たす出力位置がある場合には、前記静止条件を満たす前記出力位置それぞれと前記所定時刻での測位位置とを平均化した平均位置を出力するとともに、前記静止条件を満たす出力位置がない場合で、かつ、前記所定時刻の直前の出力位置を算出した時刻から前記所定時刻までの経過時間、当該直前の出力位置を算出したときの前記測位装置の移動速度、及び、前記所定時刻における前記測位装置の移動速度が、前記測位装置が微速移動していることを表す条件である予め定められた微速移動条件を満たす場合には、当該直前の出力位置と前記所定時刻における測位位置とを平均化した平均位置を出力する位置出力ステップと、
前記位置出力ステップで出力した位置を前記位置保持手段に格納する位置格納ステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
Priority Applications (6)
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JP2006198759A JP4193884B2 (ja) | 2006-07-20 | 2006-07-20 | 測位装置、測位装置の制御方法及びプログラム |
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