JP4193335B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線を有する半導体装置及びその製造方法に関する。特には、配線間に空気層を形成することにより配線間の寄生容量を低減した半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、従来の半導体装置を示す断面図である。
まず、シリコン基板(図示せず)の上方に絶縁膜101を形成し、この絶縁膜101上にAl合金膜をスパッタ法により堆積する。次に、このAl合金膜をパターニングすることにより、絶縁膜101上には下層配線103a〜103cが形成される。
【0003】
この後、下層配線103a〜103c及び絶縁膜101の上にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜105をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により堆積し、この層間絶縁膜105をCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨により平坦化する。次に、層間絶縁膜105上にAl合金膜をスパッタ法により堆積し、このAl合金膜をパターニングすることにより、層間絶縁膜105上には上層配線107a,107bが形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、半導体素子や配線の微細化により、配線間の寄生容量が増加する傾向にある。具体的には、配線の微細化により、図2に示す下層配線103aと下層配線103bの間の寄生容量、下層配線103aと上層配線107aの間の寄生容量、下層配線103bと上層配線107aの間の寄生容量が大きくなっている。従って、配線間の寄生容量が素子の動作スピードに影響を与え、素子スピードの向上に対して配線間の寄生容量が無視出来なくなってきている。
【0005】
上記従来の半導体装置ではシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜105を用いているが、シリコン酸化膜より比誘電率の低い層間絶縁膜を用いれば、配線間の寄生容量を低減できるはずである。このような寄生容量を低減する方法として、一般的には低誘電率の酸化膜材料を開発して配線間容量を小さくすることが考えられるが、従来の酸化膜に対して格段に寄生容量を減らすことは困難である。
【0006】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、配線間に空気層を形成することにより配線間の寄生容量を低減した半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明の半導体装置は、絶縁膜上に形成された第1の下層配線と、 前記絶縁膜上に形成され第2の下層配線と、 前記絶縁膜上に形成され、前記第1の下層配線と前記第2の下層配線との間に配置されたダミー配線と、 前記第1の下層配線上に第1の層間絶縁膜を介して形成された第1の上層配線と、 前記第2の下層配線上に第2の層間絶縁膜を介して形成された第2の上層配線と、 前記第1の上層配線及び前記第2の上層配線の上に形成されたパッシベーション膜と、前記パッシベーション膜下に形成された空気層と、を具備し、断面視において、前記ダミー配線側に位置する前記第1の下層配線の端を、第1の端とし、前記断面視において、前記ダミー配線側に位置する前記第2の下層配線の端を、第2の端とし、前記断面視において、前記ダミー配線側に位置する前記第1の上層配線の端を、第3の端とし、前記断面視において、前記ダミー配線側に位置する前記第2の上層配線の端を、第4の端とし、前記断面視において、前記第1の端と前記第2の端との距離は、前記第第3の端と前記第4の端との距離と比して長い
【0008】
本発明の半導体装置は、前記半導体装置において、前記ダミー配線と前記第1の下層配線の間隔は0.5μm以下であり、前記ダミー配線と前記第2の下層配線の間隔は0.5μm以下であり、前記第1の上層配線及び前記第2の上層配線は、前記第1の下層配線の底部から第1の上層配線の上部までの高さと第1の上層配線と第2の上層配線の間隔の比が2以上となるように配置されていることを特徴とする。
【0009】
上記半導体装置の製造方法によれば、上述したような位置にダミー配線を配置し、上述したような位置に第1及び第2の上層配線を配置している。このため、パッシベーション膜を堆積した際にその下且つ第1、第2の上層配線の下に空気層を形成することができる。空気層は層間絶縁膜やパッシベーション膜に比べて比誘電率が非常に低いので、配線間の寄生容量を低減することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1(c)は、本発明の実施の形態による半導体装置を示す断面図である。
【0011】
この半導体装置はシリコン酸化膜等からなる絶縁膜1を有している。この絶縁膜1上には第1及び第2の下層配線3a,3cが形成されている。絶縁膜1上における第1の下層配線3aと第2の下層配線3cとの間にはダミー配線3bが形成されている。
【0012】
このようにダミー配線3bを配置することにより、第1の下層配線3aとダミー配線3bの間隔d1が0.5μm以下とされ、第2の下層配線3cとダミー配線3bの間隔d2が0.5μm以下とされる。つまり、ダミー配線3bは下層配線の相互の間隔が0.5μm以下とするために配置するものである。従って、下層配線の相互の間隔が0.5μm以下であれば、ダミー配線を配置する必要はない。ダミー配線は必用に応じて配置すれば良い。
【0013】
第1及び第2の下層配線3a,3cの上にはシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜5が形成されており、この層間絶縁膜5上には第1及び第2の上層配線7a,7bが形成されている。第1及び第2の上層配線7a,7bを含む全面上にはシリコン窒化膜からなるパッシベーション膜9が形成されている。このパッシベーション膜9内には空気層6が形成されており、空気層6は上層配線7a,7bと下層配線3a,3cの相互間及び下層配線の相互間それぞれに位置している。
【0014】
第1の上層配線7aと第2の上層配線7bの間隔をRとし、下層配線3a,3cの底部から上層配線7a,7bの上部までの高さをAとした場合、A/Rが2以上となるように、第1及び第2の上層配線7a,7bを配置している。
【0015】
次に、上記半導体装置の製造方法について説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0016】
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板(図示せず)の上方にシリコン酸化膜等からなる絶縁膜1を形成し、この絶縁膜1上にAl合金膜をスパッタ法により堆積する。次に、このAl合金膜をパターニングすることにより、絶縁膜1上には第1、第2の下層配線3a,3c及びダミー配線3bが形成される。ダミー配線3bは、第1の下層配線3aと第2の下層配線3cとの間に配置されている。第1の下層配線3aとダミー配線3bの間隔は0.5μm以下とされ、第2の下層配線3cとダミー配線3bの間隔は0.5μm以下とされる。ダミー配線3bは、後述する中空配線及びパッシベーション膜9のつきまわりを安定させるものである。
【0017】
この後、第1、第2の下層配線3a,3c、ダミー配線3b及び絶縁膜1の上にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜5をCVD法により堆積する。次に、この層間絶縁膜5をCMP研磨により平坦化する。この後、層間絶縁膜5上にAl合金膜をスパッタ法により堆積し、このAl合金膜をパターニングすることにより、層間絶縁膜5上には第1及び第2の上層配線7a,7bが形成される。第1及び第2の上層配線7a,7bは、A/Rが2以上となるような位置に配置される。
【0018】
次に、図1(b)に示すように、第1及び第2の上層配線7a,7bをマスクとして層間絶縁膜5をエッチバックする。これにより、上層配線7a,7bの下のみに層間絶縁膜5が残される。
【0019】
この後、図1(c)に示すように、第1及び第2の上層配線7a,7bを含む全面上にプラズマCVD法によりシリコン窒化膜からなるパッシベーション膜9を堆積する。この際、上述したように位置にダミー配線3bを配置し、A/Rが2以上となるような位置に上層配線7a,7bを配置しているため、パッシベーション膜9の下は段差が厳しい状態となっており、その結果、パッシベーション膜9のつきまわりが悪くなり、パッシベーション膜9の下には空気層(ボイド)6が形成される。つまり、パッシベーション膜9の下における下層配線の相互間及び上層配線と下層配線の相互間には空気層6が形成され、中空配線となる。なお、パッシベーション膜9の膜厚は空気層6を塞ぐことができる程度の厚さとする。
【0020】
ここで、パッシベーション膜9は被覆性の悪い窒化膜で形成することが好ましく、この際の堆積条件は比較的成膜速度の速い条件(つきまわりが悪くなる条件)とすることが好ましい。それにより、パッシベーション膜9に空気層6がより形成され易くなる。比較的成膜速度の速い条件とは、使用するCVD装置により異なるが、一般的には、使用ガスの流量を増やし、成膜時のRFパワーを上昇させ、温度を変化させること(温度を上げるか下げるかは装置によって異なる)である。
【0021】
上記実施の形態によれば、上述したような位置にダミー配線3bを配置し、上述したような位置に上層配線7a,7bを配置している。このため、パッシベーション膜9を堆積した際に下層配線の相互間及び上層配線と下層配線の相互間に空気層6を形成することができる。空気層6は層間絶縁膜5やパッシベーション膜9に比べて比誘電率が非常に低いので、配線間の寄生容量を激減させることができる。これにより、素子の動作スピードの低下を抑制することができる。
【0022】
つまり、真空中の誘電率をε0とし、配線間の層間絶縁膜の比誘電率をεとし、配線間の対向している面積をSとし、配線間の距離をdとすると、配線間の寄生容量Cは下記式(1)により求められる。
C=(ε0×ε×S)/d (1)
この式(1)から層間絶縁膜の誘電率を下げることにより、配線間の寄生容量を下げることができることが分かる。配線間に空気層6を形成することにより層間絶縁膜の比誘電率を従来のそれ(シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜の比誘電率)に比べて低減することができる。具体的には、従来の層間絶縁膜として用いたシリコン酸化膜の比誘電率は4.0以上であるのに対し、本実施の形態による空気層6を備えた層間絶縁膜5の比誘電率は1.5以下である。従って、本実施の形態による層間絶縁膜の比誘電率は従来の層間絶縁膜のそれの半分以下とすることができる。よって、配線間の寄生容量を低減することができる。
【0023】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ダミー配線と第1の下層配線の間隔を0.5μm以下とし、ダミー配線と第2の下層配線の間隔を0.5μm以下とし、第1及び第2の上層配線を、第1の下層配線の底部から第1の上層配線の上部までの高さと第1の上層配線と第2の上層配線の間隔の比が2以上となるような位置に形成している。したがって、配線間に空気層を形成することができ、それにより配線間の寄生容量を低減した半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態による半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】従来の半導体装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1,101 絶縁膜
3a 第1の下層配線
3b ダミー配線
3c 第2の下層配線
5,105 層間絶縁膜
6 空気層
7a 第1の上層配線
7b 第2の上層配線
9 パッシベーション膜
103a〜103c 下層配線
107a,107b 上層配線
d1 第1の下層配線とダミー配線の間隔
d2 第2の下層配線とダミー配線の間隔
A 下層配線の底部から上層配線の上部までの高さ
R 第1の上層配線と第2の上層配線の間隔

Claims (2)

  1. 絶縁膜上に形成された第1の下層配線と、
    前記絶縁膜上に形成され第2の下層配線と、
    前記絶縁膜上に形成され、前記第1の下層配線と前記第2の下層配線との間に配置されたダミー配線と、
    前記第1の下層配線上に第1の層間絶縁膜を介して形成された第1の上層配線と、
    前記第2の下層配線上に第2の層間絶縁膜を介して形成された第2の上層配線と、
    前記第1の上層配線及び前記第2の上層配線の上に形成されたパッシベーション膜と、
    前記パッシベーション膜下に形成された空気層と、
    を具備し、
    断面視において、前記ダミー配線側に位置する前記第1の下層配線の端を、第1の端とし、
    前記断面視において、前記ダミー配線側に位置する前記第2の下層配線の端を、第2の端とし、
    前記断面視において、前記ダミー配線側に位置する前記第1の上層配線の端を、第3の端とし、
    前記断面視において、前記ダミー配線側に位置する前記第2の上層配線の端を、第4の端とし、
    前記断面視において、前記第1の端と前記第2の端との距離は、前記第第3の端と前記第4の端との距離と比して長いことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記ダミー配線と前記第1の下層配線の間隔は0.5μm以下であり、
    前記ダミー配線と前記第2の下層配線の間隔は0.5μm以下であり、
    前記第1の上層配線及び前記第2の上層配線は、前記第1の下層配線の底部から第1の上層配線の上部までの高さと第1の上層配線と第2の上層配線の間隔の比が2以上となるように配置されていることを特徴とする半導体装置。
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