JP4193279B2 - 異方性導電フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相対峙する回路基板間に介装し、回路間を導電性粒子を介して接続すると共に、これら回路基板同士を接着固定する目的に使用される厚み方向にのみ導電性を付与する異方性導電フィルムに係り、特に、異なる材料よりなる回路基板同士を強固に接着することができる異方性導電フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
異方性導電フィルムは、フレキシブルプリント基板(FPC)やTABと液晶パネルのガラス基板上に形成されたITO端子とを接続する場合をはじめとして、種々の端子間に異方性導電膜を形成し、それにより該基板同士を接着すると共に端子間を電気的に接合する場合に使用されている。
【0003】
従来、異方性導電フィルムは、一般にエポキシ系又はフェノール系樹脂と硬化剤を主成分とする接着剤に導電性粒子を分散させたもので構成され、中でも使用上の便宜等の点から接着剤としては1液型の熱硬化型のものが主流とされている。
【0004】
しかし、エポキシ系又はフェノール系樹脂を用いた異方性導電フィルムは、粘着力が低く、作業性が悪く、耐湿耐熱性にも問題があることから、この問題を解決するものとして、ベースポリマーが、ポリビニルアルコールをアセタール化して得られるポリマーを主成分とする異方性導電フィルム(特開平10−338860号公報)や、アクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーから選ばれる1種又は2種以上を重合して得られるポリマーを主成分とする異方性導電フィルム(特開平10−338844号公報)、エチレン−エチルアクリレート共重合体を主成分とする異方性導電フィルム(特開平10−338859号公報)、アクリル基を含有するポリマーを主成分とする異方性導電フィルム(特開平10−338842号公報)、エチレン−酢酸ビニル系共重合体を主成分とする異方性導電フィルム(特開平9−118860号公報)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の異方性導電フィルムは、いずれも単層構造の樹脂層内に導電性粒子を分散させた構造とされている。
【0006】
一方で、回路基板の接着、導通に際しては、ガラス基板とポリイミド基板、或いはガラスエポキシ基板とポリイミド基板といったように、異種材料で構成される回路基板同士を接着する場合が多い。
【0007】
しかし、接着樹脂と基板材料には、接着性においてそれぞれ特有の相性があることから、このように異種材料で構成される回路基板同士を接着する場合、従来の単層構造の樹脂層よりなる異方性導電フィルムでは、一方の基板材料に対して接着性の良好な樹脂を選定すると他方の基板材料に対しては十分な接着性を得ることができず、両基板同士を共に高強度に接着することが困難であるという欠点があった。
【0008】
本発明は上記従来の問題点を解決し、異種材料よりなる回路基板同士を強固に接着することができる異方性導電フィルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の異方性導電フィルムは、導電性粒子が樹脂層中に分散された異方性導電フィルムにおいて、該樹脂層が接着性の異なる複数層の樹脂層で構成されている異方性導電フィルムであって、該樹脂層は、同一のベースポリマーに対して、互いに異なる成分を配合した下記(1)、(2)又は(3)の2層の樹脂層で構成されていることを特徴とする。
(1)樹脂I層と樹脂 II
(2)樹脂 II 層と樹脂 IV
(3)樹脂I層と樹脂 III
ただし、樹脂I〜 IV 層は次の通りである。
樹脂I層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートを含み、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含む
樹脂 II 層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートを含み、シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシランを含む
樹脂 III 層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートとグリシジルメタクリレートを含み、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含む
樹脂 IV 層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートとグリシジルメタクリレートを含み、エポキシエステルと、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含む
【0010】
本発明の異方性導電フィルムは、接着性の異なる複数層の樹脂層で構成されるため、一方の面と他方の面とで、それぞれの面に当接される回路基板の構成材料に最適な強い接着力を有する樹脂を選定することができる。このため、異種材料よりなる回路基板同士を強固に接着することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
本発明の異方性導電フィルムを構成する樹脂層は、ベースポリマー、硬化のための硬化剤、各種物性改善のためのモノマー成分、接着促進剤、加工性向上のための他の樹脂成分と、導電性粒子とを配合してなるものであり、各構成成分の種類やその配合には特に制限はない。
【0014】
本発明の異方性導電フィルムでは、例えば、ベースポリマーやその他の各種配合成分の種類や配合量を変えることで接着性を互いに異なるものとした2層の樹脂層で構成することができ、この場合、各樹脂層は、各々の樹脂層が対面する被接着体としての回路基板の構成材料に対して良好な接着性を有するものであれば良い。
【0015】
樹脂層の接着性は例えば、接着促進剤としてのシランカップリング剤として異なるものを用いるか或いはその配合量を変えることで調整することができる。また、各種物性改善のために添加されるモノマー成分等の添加剤として異なるものを用いるか或いはその配合量を変えることで調整することができる。
【0016】
また、樹脂層はベースポリマー自体が異なるものを用いても良く、ベースポリマーは同種のものを用いて、上述の如く、配合成分や配合割合を変えることにより接着性を調整しても良い。
【0017】
更に、異方性導電フィルムを構成する樹脂層は2層に限らず、一方の面側の樹脂層と他方の両面側との樹脂層の間に、その中間の接着性を有する中間層を設けた3層構造としても良い。
【0018】
本発明の異方性導電フィルムは、このように異なる接着性を有する複数の樹脂層の積層構造とすること以外は通常の異方性導電フィルムと同様の構成とすることができる。
【0019】
以下に本発明の異方性導電フィルムの構成材料の詳細について説明する。
【0020】
樹脂層を構成するベースポリマーとしては、従来より一般的に用いられているエポキシ系、フェノール系樹脂の他、前述の各公開公報に記載されている次の▲1▼〜▲5▼のようなものを用いることができる。
【0021】
▲1▼ ポリビニルアルコールをアセタール化して得られるポリマー
ここで、ポリビニルアルコールをアセタール化して得られるポリマーとしては、アセタール基の割合が30モル%以上であるものが好ましい。アセタール基の割合が30モル%より少ないと耐湿性が悪くなるおそれがある。このポリビニルアルコールをアセタール化して得られるポリマー(ポリビニルアセタール)としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が挙げられるが、特にはポリビニルブチラールが好ましい。
【0022】
このポリマーのメルトインデックス(MFR)は好ましくは1〜3000、より好ましくは1〜1000、更に好ましくは1〜800である。
【0023】
▲2▼ アクリル系モノマー及びメタクリル系モノマーの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて重合して得られるポリマー
ここで、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル系モノマーの中から選ばれるモノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20、特に1〜18の非置換又はエポキシ基等の置換基を有する置換脂肪族アルコールなどとのエステルが好ましく、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマーとしては、特にアクリル酸又はメタクリル酸と1価アルコール、特に脂肪族系1価アルコールとのエステルが好ましい。なお、脂肪族系1価アルコールとは、アルコール性水酸基がフェニル基等の芳香族環に結合していないものを意味する。
【0024】
▲3▼ エチレン−エチルアクリレート共重合体
ここで、エチレン−エチルアクリレート共重合体中のエチルアクリレート含有率は5〜50重量%、特に10〜45重量%であることが好ましい。エチルアクリレート含有率が5重量%より低いと高温時に架橋硬化させる場合に十分な架橋度が得られず、一方、50重量%を超えると樹脂の軟化温度が低くなり、貯蔵が困難となり、実用上問題である。
【0025】
このポリマーのメルトインデックス(MFR)は好ましくは1〜3000、より好ましくは1〜1000、更に好ましくは1〜800である。
【0026】
▲4▼ エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレンと酢酸ビニルとアクリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーとの共重合体;エチレンと酢酸ビニルとマレイン酸及び/又は無水マレイン酸との共重合体;エチレンとアクリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーとマレイン酸及び/又は無水マレイン酸との共重合体;並びにエチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで結合させたアイオノマー樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマー
上記ポリマーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率は10〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは15〜45重量%である。酢酸ビニル含有率が10重量%より低いと高温時に架橋硬化させる場合に充分な架橋度が得られず、一方、50重量%を超えると樹脂の軟化温度が低くなり、貯蔵が困難となり、実用上問題である。
【0027】
また、このポリマーとしてエチレンと酢酸ビニルとアクリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーとの共重合体を用いる場合、当該共重合体の酢酸ビニル含有率は10〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは14〜45重量%である。酢酸ビニル含有率が10重量%より低いと、高温時に架橋硬化させる場合に充分な架橋度が得られず、一方、50重量%を超えると樹脂の軟化温度が低くなり、貯蔵が困難となり、実用上問題である。更に、当該共重合体のアクリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーの含有率は0.01〜10重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜5重量%である。当該モノマーの含有率が0.01重量%より低いと接着力の改善効果が低下し、一方、10重量%を超えると加工性が低下してしまう場合がある。
【0028】
使用可能なアクリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーとしては、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル系モノマーの中から選ばれるモノマーであり、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20、特に1〜18の非置換又はエポキシ基等の置換基を有する置換脂肪族アルコールとのエステルが好ましく、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。
【0029】
また、▲4▼のポリマーとしてエチレンと酢酸ビニルとマレイン酸及び/又は無水マレイン酸との共重合体を用いる場合、当該共重合体の酢酸ビニル含有率は10〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは14〜45重量%である。酢酸ビニル含有率が10重量%より低いと高温時に架橋硬化させる場合に充分な架橋度が得られず、一方、50重量%を超えると接着層の強度や耐久性が著しく低下してしまう傾向となる。更に、当該共重合体のマレイン酸及び/又は無水マレイン酸の含有率は0.01〜10重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜5重量%である。この含有率が0.01重量%より低いと接着力の改善効果が低下し、一方、10重量%を超えると加工性が低下してしまう場合がある。
【0030】
また、▲4▼のポリマーとしてエチレンとアクリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーとマレイン酸及び/又は無水マレイン酸との共重合体を用いる場合、当該共重合体のアクリレート系モノマーの含有率は10〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは14〜45重量%である。アクリレート系モノマーの含有率が10重量%より低いと高温時に架橋硬化させる場合に充分な架橋度が得られず、一方、50重量%を超えると接着層の強度や耐久性が著しく低下してしまう傾向となる。更に、当該共重合体のマレイン酸及び/又は無水マレイン酸の含有率は0.01〜10重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜5重量%である。この含有率が0.01重量%より低いと接着力の改善効果が低下し、一方、10重量%を超えると加工性が低下してしまう場合がある。なお、アクリレート系及び/又はメタクリレート系モノマーとしては、前述したものと同様のものが挙げられる。
【0031】
また、▲4▼のポリマーとしてエチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで結合させたアイオノマー樹脂(以下「エチレン−メタクリル酸アイオノマー樹脂」という。)を用いる場合、当該樹脂のメタクリル酸含有率は1〜30重量%であることが好ましく、更に好ましくは5〜25重量%である。メタクリル酸含有率が1重量%より低いとイオン架橋効果が低下し、ひいては接着力の低下を招き、一方、30重量%を超えると加工性の著しい低下を招く場合がある。
【0032】
また、このエチレン−メタクリル酸アイオノマー樹脂に用いられる金属イオンとしては、ナトリウム、亜鉛、マグネシウム、リチウム等の金属陽イオンが挙げられ、金属イオンによるイオン化度は5〜80%であることが好ましく、更に好ましくは7〜70%である。イオン化度が5%未満であると透明性が著しく低下し、80%を超えると加工性の著しい低下を招く場合がある。
【0033】
▲5▼ アリル基を含有する化合物を主成分とするポリマー
ここで、アリル基を含有する化合物としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等のモノマー、これらモノマーの1種を単独で又は2種以上を用いて重合することによって得られたポリマーを挙げることができる。
【0034】
導電性粒子としては、電気的に良好な導体である限り、種々のものを使用することができる。例えば、銅、銀、ニッケル等の金属粉体、このような金属で被覆された樹脂あるいはセラミック粉体等を使用することができる。また、その形状についても特に制限はなく、りん片状、樹枝状、粒状、ペレット状等の任意の形状をとることができる。
【0035】
導電性粒子の配合量は、前記ポリマーに対し0.1〜15容量%であることが好ましく、また、平均粒径は0.1〜100μmであることが好ましい。このように、配合量及び粒径を規定することにより、隣接した回路間で導電性粒子が凝縮し、短絡しなくなる。
【0036】
樹脂層の硬化のためには、有機過酸化物又は光増感剤を用いることができるが、硬化性接着樹脂が熱硬化性接着樹脂である場合には、通常、有機過酸化物が用いられ、硬化性接着樹脂が光硬化性接着樹脂である場合には、通常、光増感剤が用いられる。
【0037】
有機過酸化物としては、70℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであればいずれも使用可能であるが、半減期10時間の分解温度が50℃以上のものが好ましく、成膜温度、調製条件、硬化(貼り合わせ)温度、被接着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。
【0038】
使用可能な有機過酸化物としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、クロロヘキサノンパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。有機過酸化物としては、これらのうちの少なくとも1種が単独又は混合して用いられ、通常前記ポリマー100重量部に対し0.1〜10重量部を添加して用いる。
【0039】
光増感剤(光重合開始剤)としては、ラジカル光重合開始剤が好適に用いられる。ラジカル光重合開始剤のうち、水素引き抜き型開始剤としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、4−(ジエチルアミノ)安息香酸エチル等が使用可能である。また、ラジカル光重合開始剤のうち、分子内開裂型開始剤としては、ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン型として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノンが、また、α−アミノアルキルフェノン型として、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1が、またアシルフォスフィンオキサイド等が用いられる。光増感剤としては、これらのうちの少なくとも1種が単独又は混合して用いられ、通常前記ポリマー100重量部に対し0.1〜10重量部を添加して用いる。
【0040】
得られる異方性導電フィルムの物性(機械的強度、接着性、光学的特性、耐熱性、耐湿性、耐候性、架橋速度等)の改良や調節のために、本発明においては、樹脂層にアクリロキシ基、メタクリロキシ基又はエポキシ基を有する化合物(モノマー)を添加することが好ましい。
【0041】
この目的に供せられる化合物としては、アクリル酸又はメタクリル酸誘導体、例えばそのエステル及びアミドが最も一般的であり、エステル残基としてはメチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリルのようなアルキル基のほかに、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。また、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルも同様に用いられる。アミドとしては、ダイアセトンアクリルアミドが代表的である。多官能架橋助剤としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル等が挙げられる。また、エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、エポキシ基を含有するポリマーをアロイ化することによっても同様の効果を得ることができる。これらの化合物は1種又は2種以上の混合物として、前記ポリマー100重量部に対し、通常0.5〜80重量%、好ましくは0.5〜70重量部添加して用いられる。この添加量が80重量部を超えると接着樹脂の調製時の作業性や成膜性を低下させることがある。
【0042】
樹脂層には、接着促進剤としてシランカップリング剤を添加することが好ましい。シランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の1種又は2種以上の混合物が用いられる。これらのシランカップリング剤の添加量は、前記ポリマー100重量部に対し、通常0.01〜5重量部で充分である。
【0043】
また、加工性や貼り合わせ等の向上の目的で樹脂層に炭化水素樹脂を添加することもできる。この場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでもよい。天然樹脂系ではロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネン等のテルペン系樹脂の他、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。また、その他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェラックを用いてもよい。一方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができる。
【0044】
これらの炭化水素樹脂の添加量は適宜選択されるが、前記ポリマー100重量部に対して1〜200重量部が好ましく、更に好ましくは5〜150重量部である。
【0045】
以上の添加剤のほか、本発明では、老化防止剤、紫外線吸収剤、染料、加工助剤等を本発明の目的に支障をきたさない範囲で樹脂層に用いてもよい。
【0046】
本発明の異方性導電フィルムを得るためには、前述した熱又は光によってラジカルを発生する架橋剤(有機過酸化物及び/又は光増感剤)、更に必要に応じて架橋助剤、シランカップリング剤、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、エポキシ基含有化合物等を主成分である前記ポリマーに添加し、更に導電性粒子を配合し、これを均一に混合したものを2種又は3種用意し、各々、押出機、ロール等で混合した後、カレンダーロール、Tダイ押出、インフレーション等の成膜法により所定の形状に積層成膜する。なお、成膜に際しては、ブロッキング防止、被接着体との圧着を容易にするため等の目的で、エンボス加工を施していてもよい。
【0047】
このようにして得られた異方性導電フィルムで回路基板等同士を貼り合わせるには、各々の回路基板等に接着性の適した樹脂層面側が位置するように、回路基板等同士の間に異方性導電フィルムを介在させて積層し、常法、例えば、熱プレスによる貼り合わせ法や、押出機、カレンダーによる直接ラミネート法、フィルムラミネーターによる加熱圧着法等の手法を用いて接着一体化する。
【0048】
また、各樹脂層構成成分を回路基板等に何ら影響を及ぼさない溶媒に均一に溶解させ、各々回路基板等の表面に均一に塗布して仮圧着した後、熱又は光硬化させることにより接着することもできる。
【0049】
本発明の異方性導電フィルムの硬化条件としては、熱硬化の場合は、用いる有機過酸化物の種類に依存するが、通常70〜170℃、好ましくは70〜150℃で、通常10秒〜120分、好ましくは20秒〜60分である。
【0050】
光増感剤を用いる光硬化の場合は、光源として紫外−可視領域に発光する多くのものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、レーザー光等が挙げられる。照射時間は、ランプの種類、光源の強さによって一概には決められないが、数十秒〜数十分程度である。
【0051】
硬化促進のために、本発明の異方性導電フィルムを介して回路基板等同士を積層した積層体を予め40〜120分に加温し、これに紫外線を照射してもよい。
【0052】
この場合、上記接着時の加圧で、加圧方向(フィルム厚さ方向)に導電性が生じるが、この加圧力は適宜選定され、通常5〜50kg/cm2、特に10〜30kg/cm2の加圧力とすることが好ましい。
【0053】
なお、本発明の異方性導電フィルムは、フィルム厚さ方向に10Ω以下、特に5Ω以下の導電性を有し、面方向の抵抗は106Ω以上、特に109Ω以上であることが好ましい。
【0054】
また、本発明の異方性導電フィルムは、例えばFPCやTABと液晶パネルのガラス基板上のITO端子との接続など、種々の異種材料よりなる回路基板等同士の導通、接着に有効に用いられ、各々の回路基板等に対して高い接着力を得ることができ、これにより信頼性の高い製品を容易に製造することができる。
【0055】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0056】
なお、以下の実施例及び比較例で用いた材料は次の通りである。
【0057】
ベースポリマー:ポリビニルブチラール(新中村化学社製「デンカPVB3000−1」)
モノマー1:ネオペンチルグリコールジメタクリレート(新中村化学社製)
モノマー2:グリシジルメタクリレート(日産化学社製)
パーオキサイド:ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製)
エポキシエステル:エポキシエステル(共栄社化学社製「3002A」)
シランカップリング剤A:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製)
シランカップリング剤B:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製)
導電性粒子:Ni粉体(平均粒径10μm)(福田金属箔粉工業社製)
実施例1〜3、比較例1〜3
ガラス、ポリイミド、ポリエステル、ガラスエポキシの各々に接着力の大きい樹脂として表1に示す配合の樹脂I〜IVを調製し、表2に示す樹脂層よりなる2層構造の異方性導電フィルムを製造し、各々、表2に示す基板同士の接着に用い、その接着強度を調べ、結果を表2に示した。なお、接着条件は130℃,30kg/cm2で30秒とした。
【0058】
比較のため、表2に示す単層構造の異方性導電フィルムを製造し、同様に接着強度を調べ、結果を表2に示した。
【0059】
【表1】
Figure 0004193279
【0060】
【表2】
Figure 0004193279
【0061】
【発明の効果】
表2の結果からも明らかなように、本発明の異方性導電フィルムによれば、異種材料で構成される回路基板同士を高強度に接着することができる。

Claims (3)

  1. 導電性粒子が樹脂層中に分散された異方性導電フィルムにおいて、
    該樹脂層が接着性の異なる複数層の樹脂層で構成されている異方性導電フィルムであって、該樹脂層は、同一のベースポリマーに対して、互いに異なる成分を配合した下記(1)の2層の樹脂層で構成されていることを特徴とする異方性導電フィルム。
    (1)樹脂I層と樹脂 II
    ただし、樹脂I, II 層は次の通りである。
    樹脂I層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートを含み、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含む
    樹脂 II 層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートを含み、シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシランを含む
  2. 導電性粒子が樹脂層中に分散された異方性導電フィルムにおいて、
    該樹脂層が接着性の異なる複数層の樹脂層で構成されている異方性導電フィルムであって、該樹脂層は、同一のベースポリマーに対して、互いに異なる成分を配合した下記(2)の2層の樹脂層で構成されていることを特徴とする異方性導電フィルム。
    (2)樹脂 II 層と樹脂 IV
    ただし、樹脂 II IV 層は次の通りである。
    樹脂 II 層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートを含み、シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシランを含む
    樹脂 IV 層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートとグリシジルメタクリレートを含み、エポキシエステルと、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含む
  3. 導電性粒子が樹脂層中に分散された異方性導電フィルムにおいて、
    該樹脂層が接着性の異なる複数層の樹脂層で構成されている異方性導電フィルムであって、該樹脂層は、同一のベースポリマーに対して、互いに異なる成分を配合した下記(3)の2層の樹脂層で構成されていることを特徴とする異方性導電フィルム。
    (3)樹脂I層と樹脂 III
    ただし、樹脂I, III 層は次の通りである。
    樹脂I層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートを含み、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含む
    樹脂 III 層:ベースポリマーとしてのポリビニルブチラールに、モノマーとしてネオペンチルグリコールジメタクリレートとグリシジルメタクリレートを含み、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを含む
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