JP4193163B2 - 指掌紋画像処理装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋照合や指紋分類又は掌紋照合等に用いられる指掌紋画像処理装置及び方法、そのプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、指掌紋画像から隆線方向や隆線ピッチ等の隆線情報を自動的に抽出する方法として、例えば、特許第2765335号公報に記載された隆線方向パターン平滑化方法及びその装置や、情報処理学会第22回(昭和56年前期)全国大会で発表された弛緩法による指紋パターンの分類(河越等)がある。隆線方向パターン平滑化方法及びその装置は、エネルギー最小化原理に基づく手法であり、画像上に設定した2次元局所領域毎に抽出した方向に信頼度という尺度を介して評価関数を設定し、その評価関数を最小化することによって平滑化を施す方法である。一方、弛緩法による指紋パターンの分類では、画像上に設定した2次元局所領域毎に抽出した方向に関する情報を所謂弛緩法を用いて平滑化するという方法である。
【0003】
しかしながら、特許第2765335号公報に記載された方法では、皺を含む画像を平滑化しようとすると、皺に合わせて周囲の領域を平滑化してしまい、皺を強調してしまう場合がある。また、弛緩法による指紋パターンの分類に記載された技術では、局所領域ごとに抽出した方向に関する情報を平滑化する手法として弛緩法を用いているが、この手法においても掌紋に頻繁に存在する同様のピッチで互いに平行して広範囲に渡って存在する皺の部分に対し皺に合わせた平滑化が行われ、皺を強調してしまう場合があった。
【0004】
そこで、本願発明者は、特開平9−167230号公報で皺の影響を受けずに指掌紋画像から隆線画像を抽出することが可能な指掌紋画像処理装置を公開している。同公報の装置では、入力された指紋又は掌紋画像を複数のブロックに分割し、それぞれのブロック毎に隆線候補を複数検出し、検出された隆線候補のうち確実に隆線であるといえる候補とそのブロックを決定し、残りのブロックでそれらの候補と整合性を持つ候補を選択する。隆線同士、皺同士のパターンは空間的に連続しているが、一般に皺と隆線には連続性がないので、確実に隆線である候補を検出し、その他の局所候補でその候補と連続性を持っている候補を選択することにより、皺が存在する領域でも正しく隆線を検出することを可能とするものである。
【0005】
図10は上記指掌紋画像処理装置を示すブロック図である。なお、図10は特開平9−167230号公報の図9に対応している。但し、説明を簡単にするため、本明細書の図10は同公報の図9を簡単化したブロック図で示している。図10において、11は画像入力手段、12は局所情報抽出手段、13は高信頼性領域決定手段、14は隣接領域群検出手段、15は隆線候補選択手段、16は画像生成手段である。ここで、高信頼性領域決定手段13は同公報の第1隆線候補画像選択部12、接続性評価部13、クラスタリング部14、クラスタ評価部15に対応している。また、隣接領域群検出手段14と隆線候補選択手段15は最適隆線候補画像選択部17に対応している。
【0006】
図11は図10の装置の動作を示すフローチャートである。図11において、画像入力手段11は指紋又は掌紋を画像として読み込み、デジタル画像の形で局所情報抽出手段12へ供給する(S1001)。局所情報抽出手段12は入力された原画像を2次元局所領域に分割し(S1002)、局所領域毎に局所領域に存在する隆線を表現する候補となる画像(隆線候補画像という)を複数抽出する(S1003)。隆線候補画像にはそれぞれ番号を付しておく。抽出された隆線候補画像は高信頼性領域決定手段13、隆線候補選択手段14、画像生成手段16へそれぞれ供給される。高信頼性領域決定手段13では複数の隆線候補画像の中から隆線である可能性が高い隆線候補とそれを含む局所領域(高信頼性領域)を決定し(S1004)、隣接領域群検出手段14、隆線候補選択手段15、画像生成手段16にそれぞれ供給する。
【0007】
隣接領域群検出手段14は高信頼性領域に隣接する局所領域(隣接領域)をすべて見付ける(S1005)。例えば、図12(a)に示すように高信頼性領域(濃いハッチングで示す領域)が検出されたとすると、それに隣接する領域(薄いハッチングで示す領域)を隣接領域として検出する。次いで、隣接領域の数が1つ以上あるか否かを判定する(S1006)。例えば、図12(a)の例では隣接領域は1つ以上存在するので、S1007へ進み、隆線候補選択手段15において検出されたすべての隣接領域毎にそれぞれの隆線候補画像の中から隆線画像を選択し、選択した候補の番号を画像生成手段16に通知する。
【0008】
例えば、図12(a)の隣接領域Aの候補選択処理を行う場合は、隆線候補画像1〜6の中から連続性が高い候補を選択し、この時は候補画像2を選択する。次に、S705に戻り、高信頼性領域又は選択が終了している局所領域で、高信頼性領域ではなく、既に選択が終了している領域でもない隣接領域をすべて見付ける。即ち、図12(a)を例にとると、先に見付けた隣接領域に対し下方側に隣接する領域をすべて見付ける。次に、S1006で隣接領域が1つ以上あるか否かを判定し、1つ以上ある時はS1007ですべての隣接領域に対し隆線候補画像から隆線画像を選択する。以下、S1005〜S1007の処理を繰り返し行い、S1006でNoと判定すると、すべての局所領域について処理を終了しているので、画像生成手段16は、図12(b)に示すように選択された候補画像を用いて全体の隆線画像を復元する(S1008)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平9−167230号公報の指掌紋画像処理装置では、皺の影響を受けずに隆線を抽出することが可能であるが、隣接する領域の連続性を重視して局所領域毎に隆線画像を決定しているので、図13(a)に示すようなコア、図13(b)に示すようなデルタといった隆線の曲率の大きな部分では、隆線がはっきりしていても隆線よりも連続性の良い皺等に由来する画像候補を選択し、隆線の抽出に失敗することがあった。
【0010】
本発明は、上記先願発明を更に改良し、皺が混在する領域や隆線の曲率の高い部分であってもより正確に隆線を抽出することが可能な指掌紋画像処理装置及び方法、そのプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の指掌紋画像処理装置は、指紋又は掌紋を画像として読み込む手段と、前記指紋又は掌紋画像を局所領域に分割し、局所領域毎に隆線を表わす隆線候補画像を複数抽出する手段と、抽出された隆線候補画像のうち隆線である可能性が高い候補画像及びそれを含む局所領域を高信頼性領域として決定する手段と、前記高信頼性領域又は隆線画像候補の選択が終了している局所領域と隣接する局所領域を検出する手段と、前記検出手段で検出された局所領域毎に前記抽出手段で抽出された隆線候補画像の中から隆線を表わすと推定される候補画像を選択する手段と、選択された隆線画像毎に連続性に基づき隆線を表わす画像として有効であるかどうかを判定し、隆線を表わすと画像として有効である場合には該当する局所領域を候補画像の選択が終了したと判定し、有効ではない場合には該当する局所領域を選択が終了していないと判定する手段と、を備え、前記有効ではないと判定された局所領域に関しては、一旦選択を行わずに、連続性の高い局所領域の選択を行い、前記有効ではないと判定された局所領域を、前記選択手段により再度連続している局所領域から回り込むように選択を行い、前記高信頼性領域の隆線画像及び前記選択手段で選択された隆線画像に基づいて全体の画像を生成することを特徴とする。
【0012】
本発明の指掌紋画像処理方法は、指紋又は掌紋を画像として読み込む過程と、前記指紋又は掌紋画像を局所領域に分割し、局所領域毎に隆線を表わす隆線候補画像を複数抽出する過程と、抽出された隆線候補画像のうち隆線である可能性が高い候補画像及びそれを含む局所領域を高信頼性領域として決定する過程と、前記高信頼性領域又は隆線画像候補の選択が終了している局所領域と隣接する局所領域を検出する過程と、検出された局所領域毎に抽出された隆線候補画像の中から隆線を表わすと推定される候補画像を選択する過程と、選択された隆線画像毎に連続性に基づき隆線を表わす画像として有効であるかどうかを判定し、隆線を表わすと画像として有効である場合には該当する局所領域を候補画像の選択が終了したと判定し、有効ではない場合には該当する局所領域を選択が終了していないと判定する過程と、を含み、前記有効ではないと判定された局所領域に関しては、一旦選択を行わずに、連続性の高い局所領域の選択を行い、前記有効ではないと判定された局所領域を、前記選択手段により再度連続している局所領域から回り込むように選択を行い、前記高信頼性領域の隆線画像及び前記選択手段で選択された隆線画像に基づいて全体の画像を生成することを特徴とする。
【0013】
更に、本発明のプログラムは、コンピュータに、指紋又は掌紋画像を局所領域に分割し、局所領域毎に隆線を表わす隆線候補画像を複数抽出する手順、抽出された隆線候補画像のうち隆線である可能性が高い候補画像及びそれを含む局所領域を高信頼性領域として決定する手順、前記高信頼性領域又は隆線画像候補の選択が終了している局所領域と隣接する局所領域を検出する手順、検出された局所領域毎に抽出された隆線候補画像の中から隆線を表わすと推定される候補画像を選択する手順、選択された隆線画像毎に連続性に基づき隆線を表わす画像として有効であるかどうかを判定し、隆線を表わすと画像として有効である場合には該当する局所領域を候補画像の選択が終了したと判定し、有効ではない場合には該当する局所領域を選択が終了していないと判定する手順、前記有効ではないと判定された局所領域に関しては、一旦選択を行わずに、連続性の高い局所領域の選択を行い、前記有効ではないと判定された局所領域を、前記選択手段により再度連続している局所領域から回り込むように選択を行い、前記高信頼性領域の隆線画像及び前記選択手段で選択された隆線画像に基づいて全体の画像を生成する手順、を実行させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の指掌紋画像処理装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。なお、図1では図10の従来装置と同一部分は同一符号を付している。図1において、11は指紋又は掌紋を画像として読み込み、指紋又は掌紋画像を入力するためのスキャナーやライブスキャナー等の画像入力手段である。12は画像入力手段から入力された指紋又は掌紋の原画像を2次元局所領域に分割し、それぞれの局所領域に存在する隆線を表わす隆線候補画像を各局所領域毎に複数個抽出する局所情報抽出手段である。
【0015】
局所情報抽出手段12は特開平9−167230号公報に記載しているように例えば、2次元局所領域の各々に2次元フーリエ変換を施し、その結果得られたフーリエ変換面でのピークの内異なる2次元正弦波に対応するピークをその振幅又はピーク近傍のエネルギーの大きなものから順に複数個抽出し、各ピークに対応する2次元正弦波を隆線候補画像としている。13は局所情報抽出手段12で抽出された各局所領域の複数の隆線候補画像のうち隆線である可能性が高い隆線候補画像を決定すると共に、そのような候補画像を含む局所領域を高信頼性領域として決定する高信頼性領域決定手段である。
【0016】
高信頼性領域決定手段13は上記公報に記載しているように、各2次元局所領域の複数個の隆線候補画像についてそれぞれ隆線らしさの度合いを評価し、各々の局所領域毎に隆線らしさの度合いが最も高い隆線候補画像を選択する。この場合、高信頼性領域決定手段13は各々の局所領域の隆線候補画像のうちその振幅が最大となるものを選択する。隣接領域群検出手段14は、高信頼性領域決定手段13により決定された高信頼性領域又は隆線候補画像の選択が終了している領域群と隣接する局所領域(隣接領域という)を検出する。
【0017】
隆線候補選択手段15は隣接領域群検出手段14で検出された隣接領域に対し接続性を評価して隆線候補画像の中から隆線を表わすと推定される隆線画像を選択する。有効領域決定手段17は、隆線画像選択手段15で選択された隆線候補を隆線を表わす画像として採用するかどうかを決定する。画像生成手段16は指紋又は掌紋の全体の画像を生成する。なお、図1の装置では、処理途中の段階のデータ等を必要に応じてメモリ等の記憶装置(図示せず)に一旦格納し、必要に応じてそれを読み出すことでデータ処理を行う。
【0018】
次に、第1の実施形態の具体的な動作を図2のフローチャートを参照して詳細に説明する。図2において、画像入力手段11は指紋又は掌紋をデジタル画像として読み込み、指紋又は掌紋の原画像を局所情報抽出手段12に供給する(S201)。局所情報抽出手段12では、入力された原画像を2次元局所領域に分割し(S202)、各2次元局所領域に存在する隆線を表現する隆線候補画像を各々の2次元局所領域毎に複数個抽出する(S203)。抽出された隆線候補画像は高信頼性領域決定手段13、隆線候補選択手段15、有効領域決定手段17、画像生成手段16へそれぞれ供給される。
【0019】
ここで、画像入力手段11の入力画像の解像度を20pixel/mmとし、局所領域を正方形(図3参照)とすると、局所領域の一辺の長さは8〜32pixel 程度となる。また、隆線候補画像を抽出する場合、特開平9−167230号公報に記載しているように、局所領域の画像のパワースペクトルの極大点を大きなものから順に複数個検出し、極大点に対応する2次元正弦波をそれぞれの局所領域の隆線候補画像とする。例えば、局所領域毎に隆線候補画像を6個づつ抽出するものとする。次に、その極大点に対応する正弦波を特徴付けるパラメータをそれぞれの極大点により算出し記録する。
【0020】
そのようなパラメータの一例について説明する。これは、上記特開平9−167230号公報に記載されている。まず、局所領域
Iij(0<i<63,0<j<63)
の第n番目のピークのフーリエ面での座標値を、
(ξn (i,j),ηn (i,j))
とすると、局所情報抽出手段12では振幅、位相、方向、周波数、ピーク周辺のパワーをそれぞれ算出する。
【0021】
振幅は(1)式、位相は(2)式、方向は(3)式、周波数は(4)式、ピーク周辺のパワーは(5)式で得られる。
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】
【数3】
【0025】
【数4】
【0026】
【数5】
また、fの全パワー
【0027】
【数6】
も算出しておく。これらのパラメータから決定される画像は、
となる。この
【0028】
【数7】
が各局所領域における隆線を表す候補画像となる。局所情報抽出手段12ではすべての局所領域毎にこれらのパラメータの値、
【0029】
【数8】
を算出する。
【0030】
高信頼性領域決定手段13では、特開平9−167230号公報に記載しているように隆線である可能性が高い隆線候補画像(高信頼性候補)とそれを含む局所領域を高信頼性領域として決定する(S204)。決定された高信頼性候補とそれを含む高信頼性領域は隣接領域群検出手段14、隆線候補選択手段17、画像生成手段16へそれぞれ供給される。ここで、高信頼性領域決定手段13ではすべての局所領域毎にすべての隆線候補画像について隆線らしさの度合を評価し、隆線らしさの度合いが高い隆線候補画像を各局所領域から1つ選び、高信頼性候補画像とする。
【0031】
この場合のアルゴリズムは、上記公報に記載しているように局所情報抽出手段12で2次元局所領域の各々に2次元フーリエ変換を施し、その結果得られたフーリエ変換面でのピークのうち異なる2次元正弦波に対応するピークをその振幅又はピーク近傍のエネルギーの大きなものから順に複数個抽出し、各ピークに対応する2次元正弦波を隆線候補画像としているが、2次元局所領域の各々の隆線候補画像の中でその振幅が最大となるものを高信頼性候補画像とする。
【0032】
次に、隣接領域群検出手段14では高信頼性領域に隣接するすべての隣接領域を検出する(S205)。例えば、図3に示すように中央の領域が高信頼性領域として検出されたとすると、その周囲の1周目の局所領域を隣接領域として検出する。次いで、検出された隣接領域が1つ以上あるか否かを判定する(S206)。例えば、図3の例では、隣接領域は複数存在するので、S207へ進む。また、この時は隣接領域群検出手段14の隣接領域情報は隆線候補選択手段15へ供給される。
【0033】
隆線候補選択手段15はS207において特開平9−167230号公報に記載しているように隣接領域毎に接続性を評価し、隆線候補画像の中から接続性の良い隆線画像を選択し、選択した候補の番号を有効領域決定手段17、画像生成手段16へ通知する。有効領域決定手段17では、選択されたすべての隆線候補画像に対して1つづつ最終的な隆線候補として採用するかどうかを決定し(S208)、その結果を隣接領域群検出手段14に通知する。ここで、有効領域決定手段17の最終的な隆線候補として採用するかどうかを決定する具体的な処理について説明する。
【0034】
この処理では、評価対象の隆線候補画像とその周囲の高信頼性領域の高信頼性隆線候補(2回目以降は評価対象の隆線候補画像とその周囲のその時点で既に選択が終了している局所領域の隆線候補画像)との方向dn (i,j)、ピッチfn (i,j)、位相phn (i,j)、等の局所情報の連続性や局所画像におけるパワースペクトルの隆線候補画像への集中度や隆線候補画像の隆線ピッチ等を評価し、隆線候補選択手段15で選択された隆線候補画像を採用するかどうかをその結果に応じて決定する。
【0035】
例えば、方向の連続性を用いる場合は、評価対象の局所領域で選択された隆線候補画像の隆線方向を、
d(0<d<π)
とし、その近傍の局所領域における隆線方向を代表する方向(方向ベクトルの和の方向)を、
dn (0<dn <π)
とすると、
【0036】
【数9】
がある閾値よりも小さい場合はその隆線候補画像を採用するものとし、そうでない場合は採用しないと判定する。
【0037】
また、局所画像におけるパワースペクトルの集中度を用いる場合は、隆線候補画像のパワースペクトルの総和を対応する局所領域画像のパワースペクトルの総和で割ったものがある閾値よりも小さい場合はその隆線候補画像を採用すると判定し、そうでない場合は採用しないと判定する。更に、隆線候補画像の隆線ピッチを用いる場合は、隆線ピッチが隆線としてあり得る範囲内であればその隆線候補画像を採用するものとし、そうでない場合は採用しないと判定する。この判定処理は、これらの特徴量を単独で用いることもできるし、組み合わせて用いることもできる。
【0038】
図3の例では、Bの局所領域から処理を開始し、実線は隆線候補として採用すべきと決定した局所領域、破線は採用すべきでないと決定した局所領域である。この場合、コアやデルタ等の曲率の高い領域で局所情報が著しく不連続な部分は採用すべきでないと決定され、このような不連続な面が存在する部分は一旦選択が行われず、局所情報の連続性が高い領域のみで選択が進んでいく。
【0039】
次に、S205に戻り、既に選択が終了している局所領域に隣接する隣接領域をすべて見付ける処理を行う。図3の例では、高信頼性領域の外側の2周目の局所領域がこれに該当する。次いで、S206で隣接領域が1つ以上あるか否かの判定を行い、S207で検出されたすべての隣接領域毎に隆線候補画像から隆線画像を選択し、S208で選択結果を採用するかどうかを決定する処理を行う。この際、隣接領域は高信頼性領域の2周目であるので、前述のように方向、ピッチ、位相等の局所情報の連続性を評価する場合は、評価対象の隆線候補画像とその周囲の選択が終了している隣接領域の隆線候補画像との方向、ピッチ、位相等の局所情報の連続性の評価を行う。
【0040】
この結果、図3に示すようにCの領域から処理が開始され、同様に実線と破線で示すように隣接領域毎に隆線画像を採用すべき、あるいは採用すべきでないと決定する処理を行う。以下、S205〜S208の処理を繰り返し行い、S206で隣接領域が1つ以上ないと判定すると、画像生成手段16は隆線候補選択手段15で選択された隆線候補、高信頼性領域決定手段13で隆線を表わしている可能性が高いと判定された隆線候補、あるいは局所情報抽出手段12で得られた局所情報に基づいて全体の隆線画像を生成する(S209)。
【0041】
また、図2のS205において隆線画像として採用しなかった領域についても選択対象としてもよい。図4はこの場合の隆線候補画像選択の順番を示す図である。実線は隆線画像として採用すべきと決定した局所領域、破線は採用すべきでないと決定した局所領域を示す。図4に示すように図3の破線領域が少なくなっており、こうすることによってS205で採用しなかった領域が選択され、より多くの領域について隆線を求めることができる。
【0042】
ここで、特開平9−167230号公報の従来の隆線候補選択では、図5、図6に示すように高信頼性領域に近い局所領域から順に隆線候補選択を行う。本実施形態では隆線候補選択手段15で選択された隆線候補画像を最終的な隆線画像として採用するかを有効領域決定手段17で決定している。この結果、図3、図7に示すように採用すべきでない領域が選択され、この領域における隆線の誤認を防いでいる。
【0043】
この場合、図8に示すようにコアやデルタや壁状紋の付近といった曲率の高い領域で局所情報が著しく不連続な部分を採用すべきでない領域とする。これによって、そのような不連続な面が存在する部分は一旦選択が行われず、局所情報の連続性が高い領域のみで選択が進んでいく。そのような不連続な面でも画像全体では連続的に変化してつながっているので、その連続している部分を回り込むように選択していけば不連続面で選択を行うことなく全ての領域の選択を実現できる(図7参照)。
【0044】
不連続な領域での選択を従来手法のように領域の性質を考えずに行おうとすれば、局所情報の差が大きな候補も選択せざるを得ず、そのような候補も選択するような基準を用いると、他の部分特に皺が多く存在する領域での候補選択に悪影響を及ぼす。本実施形態のように選択順序を変えることで不連続面での選択を避ければ、局所情報の差が小さな候補を選択するという基準で全ての領域から正しく隆線を選択することができる。従来方法では局所領域の連続性が小さな部分でも無理に選択を進めていたために誤って皺に由来する隆線候補画像を選択してしまうことがあったが、そのような事態を回避できる。
【0045】
また、本実施形態では、隣接する局所領域における隆線候補画像と方向の差が小さい隆線候補画像のみを有効とし、不連続面であるかどうかを方向の差で評価している。隆線候補選択では隆線方向が隆線かどうかを表す有効な特徴量となっているので、方向情報を用いることで隆線候補画像選択が失敗する可能性のある不連続面を精度よく検出することができる。更に、選択された隆線候補画像の隆線らしさをピッチが隆線として存在する範囲内にあるかどうかやパワースペクトルが一点に集中しているかどうか等を評価して隆線らしさの度合を評価し、その度合いが一定以上である隆線候補画像だけを有効としている。このようにすると隆線の曲率が高く画質が良好な部分で誤って隆線方向の連続性がある皺等を選択しても隆線らしさが小さいため選択が採用されない。つまり、選択に失敗した不連続面を検出することができる。不連続面でも選択に成功した場合は選択順序を後にする必要はないため処理の効率化を図ることができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の構成は図1と同様であるが、処理方法が図2と異なっている。図9は第2の実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。図9において、まず、S801〜804は図2のS201〜S204と同様である。S804で高信頼性候補とそれを含む高信頼性領域を決定すると、変数SCを0にセットする(S805)。次いで、隣接領域群検出手段14で高信頼性領域に隣接する隣接領域をすべて検出する(S806)。例えば、図3の例では、高信頼性領域の外側の1周目の隣接領域がこれに該当する。また、隣接領域が1つ以上あるかどうかを判定し(S807)、その後、隆線候補選択手段15で第1の実施形態と同様にすべての隣接領域毎に隆線候補画像から隆線画像を選択する候補選択処理を行う(S808)。選択した候補の番号は隣接領域群検出手段14、有効領域決定手段17、画像生成手段16へ供給される。
【0047】
有効領域決定手段17では選択された候補画像をSC番目(この場合は、SC=0)の評価基準で評価し、選択されたすべての隆線候補画像に対して1つづつ最終的な隆線候補として採用するかどうかを決定し(S809)、その結果を隣接領域群検出手段14に通知する。具体的には、有効領域決定手段17は第1の実施形態と同様に評価対象の隆線候補画像とその周囲の高信頼性領域の候補画像との方向・ピッチ・位相等の局所情報の連続性や局所画像におけるパワースペクトルの隆線候補画像への集中度や隆線候補画像の隆線ピッチ等を評価し、隆線候補選択手段15で選択された候補画像を採用するかどうかをその結果に応じて決定する。採用するかどうかの基準は隣接領域群検出手段14で検出される隣接領域が無くなるまで同じ基準を用い、無くなった時点で基準を変更する。
【0048】
例えば、まず、方向差が閾値以下のものだけを採用するようにし、隣接する局所領域が無くなったら方向差に拘わらず採用するようにする。また、局所情報抽出手段12で各局所領域に2次元フーリエ変換を施し、得られたフーリエ変換面でのピークの内、異なる2次元正弦波に対応するピークを、その振幅又はピーク近傍のエネルギーの大きなものから順に複数個抽出し、それぞれのピークに対応する2次元正弦波を隆線候補画像とする場合は、有効領域決定手段17は、まずピーク近傍のエネルギーが最大のピークである隆線候補画像だけを有効とし、その基準で有効領域決定処理の対象となる領域が無くなったらピーク近傍のエネルギーに拘わらず有効にする。
【0049】
次に、S806に戻って、S806〜S809の処理を繰り返し行い、この時は先の説明のようにS809で同じ評価基準で評価し、隆線候補画像を隆線画像として採用するかどうかを決定する。そして、S807で隣接領域が1つ以上ないと判定すると、SC=SC+1とし(S810)、その後、SCの値(この場合は1)と予め決められたSの値(例えば2)を比較する(S811)。この場合は、SCの値はSの値以下であるので、S806に戻り、S806〜S809の処理を行う。
【0050】
但し、この場合は、S806で現在の選択採用基準で以前に選択対象領域となったことのない隣接領域(例えば、図3の例では、破線で示す領域)が検出される。また、それに対してS808で検出されたすべての隣接領域毎に候補選択処理を行い、S809ではSC=1番目の評価基準で評価し、採用するかどうかを決定する。この場合の評価基準は先の説明のように、例えば、前回の評価基準が方向差が閾値以下のものを採用するのであれば、方向差に拘わらず採用するようにする。また、先の説明のように前回の評価基準がピーク近傍のエネルギーが最大のピークである隆線候補画像だけを有効とするであれば、ピーク近傍のエネルギーに拘わらず有効にする。
【0051】
次に、S807で隣接領域がなくなったらS810でSC=SC+1とし、S811で再度SCの値とSの値を比較する。この時は、S811でYESとなったものとし、画像生成手段16では隆線候補選択手段15で選択された隆線候補、高信頼性領域決定手段13で隆線を表わしている可能性が高いと判定された隆線候補、局所情報抽出手段12で得られた局所情報に基づいて全体の隆線画像を生成する(S812)。
【0052】
本実施形態では、有効領域決定手段17で有効領域決定処理の対象となる領域が無くなる度に有効領域決定の評価基準を変えている。第1の実施形態では、不連続面で囲まれてしまった領域は隆線候補画像の選択を行うことができないが、第2の実施形態では不連続面で囲まれてしまい選択を進めることができなくなったら有効領域決定の基準を変更すれば選択を進めることができ、より広い範囲で隆線抽出を行うことができる。
【0053】
また、本実施形態では、隣接する局所領域における隆線候補画像と方向の差が小さい隆線候補画像のみを有効としている。そして、選択できる局所領域が無くなったら、選択が終了した局所領域に隣接する選択の終了していない局所領域から無条件に選択を行う。これによって、方向の差という基準での不連続面に囲まれてしまった部分でも隆線選択を行うことができる。更に、選択された隆線候補画像の隆線らしさをピッチが隆線として存在する範囲内にあるかどうかやパワースペクトルが一点に集中しているかどうか等を評価して隆線らしさの度合を評価し、その度合が一定以上である隆線候補画像だけを有効としている。そして、選択できる局所領域が無くなったら、選択が終了した局所領域に隣接する選択の終了していない局所領域から無条件に選択を行う。これによって、不連続面に囲まれてしまった部分でも隆線選択を行うことができる。
【0054】
また、本実施形態では、ピーク近傍のエネルギーが最大のピークである隆線候補画像が選択された場合のみ有効としている。隆線の曲率が高く画質が良好な部分で誤って隆線方向の連続性がある皺等を選択してもそのような隆線候補画像はピーク近傍のエネルギーが最大のピークとはならないことが多いので選択が採用されない。つまり、選択に失敗した不連続面を検出することができる。不連続面でも選択に成功した場合は選択順序を後にする必要はないため処理の効率化が図られる。そして、選択できる局所領域が無くなったら、選択が終了した局所領域に隣接する選択の終了していない局所領域から無条件に選択を行う。こうすることで、エネルギーが最大のピークのみ採用という基準での不連続面に囲まれてしまった部分でも隆線選択を行うことができる。
【0055】
なお、本発明のコンピュータプログラムは、上述した指掌紋画像の処理の方法を実行する手順を記述したプログラムである。即ち、コンピュータに、指紋又は掌紋画像を局所領域に分割し、局所領域毎に隆線を表わす隆線候補画像を複数抽出する手順、抽出された隆線候補画像のうち隆線である可能性が高い候補画像及びそれを含む局所領域を高信頼性領域として決定する手順、前記高信頼性領域以外の局所領域に関して前記抽出手順で抽出された隆線候補画像の中から隆線を表わすと推定される隆線画像を選択する手順、選択された隆線画像毎に隆線を表わす画像として有効であるかどうかを判定する手順、前記高信頼性領域における隆線画像、前記選択手順で選択された隆線画像のうち前記判定手順により有効であると判定された隆線画像に基づいて全体の画像を生成する手順を実行させるためのプログラムである。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、皺が混在する領域からと隆線の曲率が高い部分の双方で、より正確に隆線を抽出することができる。即ち、隆線候補選択手段で選択された隆線候補画像を最終的な隆線画像として採用するかを有効領域決定手段で決定しているので、採用すべきでない領域で隆線を誤って選択することを防ぐことができる。
【0057】
ここで、コアやデルタや壁状紋の付近といった曲率の高い領域で局所情報が著しく不連続な部分を採用すべきでない領域とする。こうすることで、そのような不連続な面が存在する部分は一旦選択が行われず、局所情報の連続性が高い領域のみで選択が進んでいく。そのような不連続な面でも、画像全体では連続的に変化してつながっているので、その連続している部分を回り込むように選択していけば不連続面で選択を行うことなく全ての領域の選択を実現できる。
【0058】
また、不連続な領域での選択を従来手法のように領域の性質を考えずに行おうとすれば、局所情報の差が大きな候補も選択せざるを得ず、他の部分特に皺が多く存在する領域での候補選択に悪影響を及ぼすが、本発明のように選択順序を変えることで不連続面での選択を避ければ局所情報の差が小さな候補を選択するという基準で全ての領域から正しい隆線を選択することができる。従来の方法では局所領域の連続性が小さな部分でも無理に選択を進めていたために誤って皺に由来する隆線候補画像を選択していしまうことがあったが、こうすることで、そのような事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の指掌紋画像処理装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】図2の隆線候補画像選択の順番の例を示す図である。
【図4】隆線画像として採用しなかった領域を選択対象とした場合の隆線候補画像選択の順番を示す図である。
【図5】従来の隆線候補画像選択の順番を示す図である。
【図6】従来の指掌紋画像における隆線候補の選択順番を示す図である。
【図7】図1の実施形態の指掌紋画像における隆線候補の選択順番を示す図である。
【図8】指掌紋画像の隆線方向といった局所情報が急激に変化している不連続面の例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図10】従来例の指掌紋画像処理装置を示すブロック図である。
【図11】図9の従来装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】図10の隆線の画像の選択処理を説明するための図である。
【図13】コア、デルタといった隆線の曲率の大きな部分を示す図である。
【符号の説明】
11 画像入力手段
12 局所情報抽出手段
13 高信頼性領域決定手段
14 隣接領域群検出手段
15 隆線候補選択手段
16 画像生成手段
17 有効領域決定手段
Claims (9)
- 指紋又は掌紋を画像として読み込む手段と、
前記指紋又は掌紋画像を局所領域に分割し、局所領域毎に隆線を表わす隆線候補画像を複数抽出する手段と、
抽出された隆線候補画像のうち隆線である可能性が高い候補画像及びそれを含む局所領域を高信頼性領域として決定する手段と、
前記高信頼性領域又は隆線画像候補の選択が終了している局所領域と隣接する局所領域を検出する手段と、
前記検出手段で検出された局所領域毎に前記抽出手段で抽出された隆線候補画像の中から隆線を表わすと推定される候補画像を選択する手段と、
選択された隆線画像毎に連続性に基づき隆線を表わす画像として有効であるかどうかを判定し、隆線を表わすと画像として有効である場合には該当する局所領域を候補画像の選択が終了したと判定し、有効ではない場合には該当する局所領域を選択が終了していないと判定する手段と、を備え、
前記有効ではないと判定された局所領域に関しては、一旦選択を行わずに、連続性の高い局所領域の選択を行い、前記有効ではないと判定された局所領域を、前記選択手段により再度連続している局所領域から回り込むように選択を行い、前記高信頼性領域の隆線画像及び前記選択手段で選択された隆線画像に基づいて全体の画像を生成することを特徴とする指掌紋画像処理装置。 - 前記判定手段は、評価対象の隆線画像の隆線方向と周囲の隆線画像の隆線方向との差が、しきい値以下の隆線候補画像を有効にすることを特徴とする請求項1に記載の指掌紋画像処理装置。
- 前記判定手段は、隆線候補画像の隆線らしさを隆線ピッチ又はパワースペクトルの偏りに基づいて評価し、隆線らしさの度合が一定以上である隆線候補画像を有効にすることを特徴とする請求項1に記載の指掌紋画像処理装置。
- 前記判定手段は、有効領域決定処理の対象となる局所領域が無くなる度に有効領域決定の評価基準を変えることを特徴とする請求項1に記載の指掌紋画像処理装置。
- 前記判定手段は、評価対象の隆線画像の隆線方向と周囲の隆線画像における隆線方向との差がしきい値以下の隆線候補画像を有効とし、有効領域決定処理の対象となる局所領域が無くなったら前記方向差に拘わらず有効にすることを特徴とする請求項4に記載の指掌紋画像処理装置。
- 前記判定手段は、隆線候補画像の隆線らしさを隆線ピッチ又はパワースペクトルの偏りに基づいて評価し、隆線らしさの度合が一定以上である隆線候補画像を有効とし、有効領域決定処理の対象となる領域が無くなったら前記隆線らしさに拘わらず有効にすることを特徴とする請求項4に記載の指掌紋画像処理装置。
- 前記抽出手段は、各局所領域に2次元フーリエ変換を施し、得られたフーリエ変換面でのピークの内、異なる2次元正弦波に対応するピークをその振幅又はピーク近傍のエネルギーの大きなものから順に複数個抽出すると共に、それぞれのピークに対応する2次元正弦波を隆線候補画像とし、前記判定手段は、前記ピーク近傍のエネルギーが最大のピークである隆線候補画像を有効とし、有効領域決定処理の対象となる領域が無くなったら、前記ピーク近傍のエネルギーに拘わらず有効にすることを特徴とする請求項4に記載の指掌紋画像処理装置。
- 指紋又は掌紋を画像として読み込む過程と、
前記指紋又は掌紋画像を局所領域に分割し、局所領域毎に隆線を表わす隆線候補画像を複数抽出する過程と、
抽出された隆線候補画像のうち隆線である可能性が高い候補画像及びそれを含む局所領域を高信頼性領域として決定する過程と、
前記高信頼性領域又は隆線画像候補の選択が終了している局所領域と隣接する局所領域を検出する過程と、
検出された局所領域毎に抽出された隆線候補画像の中から隆線を表わすと推定される候補画像を選択する過程と、
選択された隆線画像毎に連続性に基づき隆線を表わす画像として有効であるかどうかを判定し、隆線を表わすと画像として有効である場合には該当する局所領域を候補画像の選択が終了したと判定し、有効ではない場合には該当する局所領域を選択が終了していないと判定する過程と、を含み、
前記有効ではないと判定された局所領域に関しては、一旦選択を行わずに、連続性の高い局所領域の選択を行い、前記有効ではないと判定された局所領域を、前記選択手段により再度連続している局所領域から回り込むように選択を行い、前記高信頼性領域の隆線画像及び前記選択手段で選択された隆線画像に基づいて全体の画像を生成することを特徴とする指掌紋画像処理方法。 - コンピュータに、
指紋又は掌紋画像を局所領域に分割し、局所領域毎に隆線を表わす隆線候補画像を複数抽出する手順、
抽出された隆線候補画像のうち隆線である可能性が高い候補画像及びそれを含む局所領域を高信頼性領域として決定する手順、
前記高信頼性領域又は隆線画像候補の選択が終了している局所領域と隣接する局所領域を検出する手順、
検出された局所領域毎に抽出された隆線候補画像の中から隆線を表わすと推定される候補画像を選択する手順、
選択された隆線画像毎に連続性に基づき隆線を表わす画像として有効であるかどうかを判定し、隆線を表わすと画像として有効である場合には該当する局所領域を候補画像の選択が終了したと判定し、有効ではない場合には該当する局所領域を選択が終了していないと判定する手順、
前記有効ではないと判定された局所領域に関しては、一旦選択を行わずに、連続性の高い局所領域の選択を行い、前記有効ではないと判定された局所領域を、前記選択手段により再度連続している局所領域から回り込むように選択を行い、前記高信頼性領域の隆線画像及び前記選択手段で選択された隆線画像に基づいて全体の画像を生成する手順、
を実行させるためのプログラム。
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