JP4931426B2 - 縞模様を含む画像の照合装置 - Google Patents

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本発明は、縞模様を含む画像の照合装置に関し、より詳しくは、指紋画像又は掌紋画像について、画質を向上させた上で照合を行う照合装置に関する。
近年、入退室管理、情報機器へのアクセス、預貯金の引き出しなどにおけるセキュリティについて関心が高まっている。そのような中で、従来から用いられている鍵、パスワード認証などよりも確実で、より高度なセキュリティを提供できる個人認証方法として、バイオメトリクス認証(生体認証)が特に注目を集めている。
そのようなバイオメトリクス認証の一つである指紋認証では、指紋センサから得られる指紋の紋様を濃淡で表す多値画像から特徴情報を抽出し、その特徴情報と、予め登録された特徴情報とを比較して一致度を求め、その一致度に基づいて個人認証を行う方法が知られている。
指紋画像から特徴情報を抽出する方法の一つとして、指紋センサから得た多値画像に対してノイズ除去、ムラ補正などの処理を行って画質を補正し、その後二値化した画像から指紋の隆線の分岐点・端点を特徴点として得る方法がある。
しかしながら、指紋画像撮影時の様々な条件、例えば、指紋読取り装置への指の置き方と照明光源との位置関係や、乾燥等の指の状態により、指紋画像にノイズが生じる。そのため、本来隆線が連続した一本の線であるにもかかわらず、指紋画像上では途切れていたり、また隣接する2本の隆線が途中で接続しているように観察される場合がある。ノイズにより生じたこのような途切れや接続は、擬似特徴点として抽出され、指紋照合の精度を低下させる原因となる。そこで、指紋照合の精度を向上するためには、特徴点を抽出する前に、指紋画像から可能な限りノイズを除去することが重要である。
このような目的に対し、特許文献1に記載された画像処理装置は、入力画像を小領域に分割し、各小領域ごとにフーリエ変換を行って周波数スペクトルをもとめる。そしてその画像処理装置は、各小領域ごとに振幅が最大となる周波数成分を探索し、その最大振幅となる周波数成分を中心として、その周波数成分から離れるにつれて振幅を減弱させるようなフィルタ処理を行う。その後、その画像処理装置は、フィルタ処理を行った画像を小領域ごとに逆フーリエ変換して合成することにより、指紋の隆線のピッチに相当する周波数成分だけをそのまま残し、ノイズを減弱させた画像を得ることができる。
しかし、小領域中に隆線の端点や分岐点が含まれている場合、その端点や分岐点に起因する周波数成分は、最大振幅となる周波数成分とは通常異なる成分であるため、上記のように最大振幅となる周波数成分から離れるにつれて一律に減弱させるフィルタ処理を行うと、隆線の端点や分岐点の情報も消失してしまう可能性があった。
特開2005−115548号公報
上記の問題点に鑑み、本発明の目的は、縞模様を含む画像について、照合に使用する特徴点の情報を維持しつつ、ノイズを除去した画像を生成して用いるこにより、高い照合精度を得られる照合装置を提供することにある。
また本発明の別の目的は、指紋画像や掌紋画像について、指紋の隆線の端点や分岐点のような、照合に使用する特徴点の情報を正確に抽出することが可能で、且つ高い照合精度を得られる指紋又は掌紋画像の照合装置を提供することにある。
上記の問題に鑑み、本発明に係る縞模様を含む画像を照合する画像の照合装置は、画像を取得する画像入力部と、画像を周波数変換して周波数スペクトルを求める周波数スペクトル解析部と、周波数スペクトルから、振幅の絶対値が所定の閾値以上である周波数成分を選択する周波数成分選択部と、周波数成分選択部によって選択された周波数成分が所定の条件により照合に適する画像の質を満たすか否かを調べる画質評価部と、画質評価部が所定の条件を満たすと判断した場合、選択された周波数成分に基づいて、周波数変換の逆変換を行って画像を再構成する画像再構成部と、再構成された画像を用いて照合する照合部と、を有することを特徴とする。係る構成により、画像にノイズが含まれている場合であっても、その画像から適切なノイズ除去を行ったうえで照合を行うことができ、高い照合精度を達成することができる。
なお、本発明に置いて縞模様とは、一定の方向に対して周期的に画素値が変動する模様をいう。ただしその周期自体が変動するかしないかは問わない。
また本発明に係る照合装置は、さらに所定の閾値を調整する周波数成分選択制御部を有し、画質評価部が所定の条件を満たさないと判断した場合、周波数成分選択制御部は所定の閾値を変更し、周波数成分選択部はその変更された所定の閾値を用いて再度周波数成分の選択を行うことが好ましい。周波数成分の選択が不適切と判断した場合には再度条件を変更して周波数成分の選択をやり直すことにより、適切な周波数成分の選択が可能となる。
なお本発明に係る照合装置において、所定の条件を満たさない場合、周波数成分選択制御部は、所定の閾値を変更する前よりも大きな値にすることが好ましい。
また本発明に係る照合装置において、画質評価部は、選択された周波数成分の分布に基づいて、画像に含まれる縞模様の縞方向を特定する方向線算出手段と、選択された周波数成分が縞方向に集中している程度を表す指標を算出する集中度算出手段を有し、その指標が、所定以上の集中を示している場合、所定の条件を満たし、所定未満の集中を示している場合、所定の条件を満たしていないと評価する評価手段を有することが好ましい。なお、縞模様の縞方向とは、縞模様に対して直交する方向、すなわち画像の濃淡変化が最も短い周期となる方向をいう。また、選択された周波数成分が縞方向に集中している程度を表す指標を、各周波数成分と縞方向に対応する周波数平面上の直線との平均距離、その直線近傍に存在する周波数成分の個数とその直線から離れた位置に存在する周波数成分の個数の比、又はそれらの組み合わせに基づいて求めることができる。係る構成により、縞模様を含む画像では、縞方向に対して強い周波数成分が存在するということに基づいて画質評価を行うため、周波数成分の選択が適切か否かの判断を正確に行うことができる。
また本発明に係る照合装置は、さらに、画質評価部が所定の条件を満たすと判断した周波数成分に対し、縞方向に対応する周波数平面上の直線から所定の周波数以内の範囲に含まれない周波数成分を減弱させるバンドパスフィルタ処理を行う周波数フィルタ部を有し、画像再構成部は、バンドパスフィルタ処理を行った周波数成分に基づいて画像を再構成することが好ましい。
バンドパスフィルタ処理を行うことにより、画像に含まれる対象物とは関係のない周波数成分を除去することができ、画像から効率的にノイズを除去することができる。なお、所定の周波数範囲を、画像に含まれる対象物の構造に基づいて縞模様の縞方向が変化する角度に相当する周波数の変動量を含むように設定することが好ましい。縞方向の変動を考慮して画素値の変動成分を残せるため、誤ってその対象物の情報を失う危険性を低下させることができる。
さらに本発明に係る照合装置において、画像を複数の領域に分割する画像分割部と、複数の領域に分割された画像を一つの画像に合成する画像合成部とを有し、画像分割部は、画像入力部に入力された画像を縞模様が略平行な複数の直線とみなすことが可能な程度の複数領域に分割し、周波数スペクトル解析部は、複数領域それぞれについて周波数スペクトルを求め、周波数成分選択部は、複数領域それぞれについて、振幅の絶対値が所定の閾値以上である周波数成分を選択し、画質評価部は、複数領域それぞれについて、選択された周波数成分が所定の条件を満たすか否かを調べ、画像再構成部は、複数領域それぞれについて、選択された周波数成分が所定の条件を満たすと判断した場合、その選択された周波数成分に基づいて画像を再構成し、画像合成部は、再構成された画像を一つに合成することが好ましい。係る構成により、画像中に含まれる縞模様の縞方向が場所によって変わるような場合であっても、縞方向が同一の方向を向いている範囲を各領域とし、それぞれの領域を縞方向の変化が含まれない画像として扱うことができる。そのため、画像から適切にノイズを除去することができる。
本発明によれば、縞模様を含む画像について、照合に使用する特徴点の情報を維持しつつ、ノイズを除去した画像を生成して用いるこにより、高い照合精度を得られる照合装置を提供することが可能となった。
また本発明によれば、指紋画像や掌紋画像について、指紋の隆線の端点や分岐点のような、照合に使用する特徴点の情報を正確に抽出することが可能で、且つ高い照合精度を得られる指紋又は掌紋画像の照合装置を提供することが可能となった。
以下、本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置について、図を参照しつつ説明する。
本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置は、取得した指紋画像から、指紋の隆線の端点及び分岐点を特徴点として抽出した特徴点リストを作成し、予め記憶されている被照合者の指紋の特徴点リストと照合することにより認証を行う装置である。
図1は、本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置1の機能ブロック図である。図1に示すように、指紋認証装置1は、操作・表示部2、指紋入力部3、記憶部4、画像照合部5及び出力部6を有する。そして、指紋認証装置1は、操作・表示部2において指紋認証を行う操作者(被照合者)に対する操作ガイダンス及び情報の表示を行い、そのガイダンスにしたがって指紋入力部3に置かれた指から多値指紋画像Mを読み取る。そして、読み取った多値指紋画像Mは画像照合部5に送られる。画像照合部5は、受け取った多値指紋画像Mに対してノイズ除去、二値化などを行った後に特徴点を抽出し、特徴点リスト(以下、入力特徴点リストという)Fを作成する。そして画像照合部5は、入力特徴点リストFと操作者について記憶部4に予め登録された特徴点リスト(以下、登録特徴点リストという)Fを照合する。その照合結果は、出力部6を通じて外部の機器に出力される。出力部6には、例えば電気錠の施解錠制御装置が接続される。そして、電気錠の施解錠制御装置は、出力部6から受信した照合結果が認証に成功したことを示す信号であれば、電気錠の解錠を行い、逆に認証に失敗したことを示す信号であれば、電気錠の施錠を維持する。
指紋認証装置1は、読み取った多値指紋画像Mに対して、隆線が略平行な複数の直線とみなせるような小領域ごとに分けてその周波数成分を解析し、隆線の縞を表す周波数成分及びその周波数成分に近い周波数成分だけを取り出して画像を再構成することにより、隆線の端点や分岐点の情報を維持しつつ、ノイズを除去する。そして指紋認証装置1は、ノイズを除去した多値指紋画像M’に基づいて特徴点を抽出して照合に使用することにより、擬似特徴点の抽出及び特徴点の抽出失敗を抑制して高い照合精度を達成することができる。
以下、各部について詳細に説明する。
操作・表示部2は、指紋認証装置1の操作者、すなわち被照合者が、識別番号INの入力、行いたい動作の選択(例えば、特定の部屋への入室)などの操作を行うものである。また操作・表示部2は、操作のガイダンスを表示又は音声指示するものであり、タッチパネルディスプレイとスピーカで構成される。また、タッチパネルの代わりに、キーボード又はマウスのような入力デバイスと液晶ディスプレイのような単純な表示デバイスで構成してもよい。なお、ガイダンスの音声指示を行わない場合には、スピーカを省略してもよい。
操作・表示部2で入力された識別番号INなどのデータは、画像照合部5で呼び出す登録特徴点リストFのような登録指紋データの特定などに使用される。
指紋入力部3は、画像入力部として機能し、照合処理に使用する指紋画像を取得する。そして指紋入力部3は、載置された指を撮像してデジタル信号に変換するCCDカメラをモジュール化した指紋センサ、指紋センサへの指の載置を検出する載置センサ、撮像時に指を照明するLED、操作者に指の載置位置を正しく認識させるための指ガイド部材を有する。本実施形態では、指紋センサとして指内部特性検出型光学式のものを使用した。しかし、本発明で使用可能な指紋センサはこれに限られない。例えば、指紋センサとして、全反射法光学式、光路分離法光学式、表面突起不規則反射式などの光学式センサ、静電容量式、電界式、感圧式、超音波方式などの非光学式センサを使用してもよい。
指紋入力部3では、指紋センサ上に指が載置されたことを載置センサが検出すると、指紋センサがその指を撮像し、多値指紋画像Mを生成する。本実施形態では、多値指紋画像Mの各画素は0−255の256階調で表され、指紋の隆線領域は画素値が低く(若しくは黒く)、指紋の谷線領域は画素値が高く(若しくは白く)表現される。ここでいう画素値とは、画像上の各画素における輝度値に相当し、画素値が低い画素は低輝度、画素値が高い画素は高輝度で表される。また、多値指紋画像Mを解像度500dpiで取得するようにした。しかし本発明で使用可能な多値指紋画像は上記のものに限られない。隆線の縞構造、特に分岐点や端点を画像上で確認できるものであれば異なる解像度であってもよく、また階調数も256階調に限られない。
記憶部4は、予め登録された操作者の識別番号INと登録特徴点リストFを関連付けて記憶するものであり、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、ハードディスクなどの磁気記録媒体、CD−ROM、DVD−R/Wなどの光記録媒体を有する。
登録特徴点リストFは、予め登録された被照合者の指紋画像から作成した特徴点リストであり、隆線の分岐点、端点などの各特徴点の位置をリスト形式にしたものである。登録特徴点リストFは、後述する画像照合部5による入力特徴点リストFの作成と同じ方法で作成される。特徴点リストの詳細及び作成方法については、後述する。
また記憶部4は、画像照合部5が使用するプログラム、各種設定ファイル、パラメータなども記憶する。これらは、指紋認証装置1の起動時など、所定のタイミングで必要に応じて画像照合部5により読み出される。
画像照合部5は、指紋入力部3から取得した多値指紋画像Mと記憶部4から取得した登録特徴点リストFに基づいて指紋の照合を行うものであり、中央演算装置(CPU)、数値演算プロセッサ、ROM又はRAMのような半導体メモリなどで構成される。また画像照合部5は、記憶部4から読み込まれたプログラムにしたがって、所定の動作を実行する。さらに画像照合部5は、操作・表示部2、指紋入力部3、記憶部4、及び出力部6と接続されており、それら各部に所定の制御信号を出力して制御を行う。そのため、画像照合部5は、画像修正部10、二値化部11、細線化部12、特徴抽出部13、照合部14、及び各部の制御を行う制御部15を有する。
画像照合部5は、操作・表示部2から操作者の識別番号INが入力されると、その識別番号IN(以下入力識別番号という)が記憶部4に登録されているか否か検索する。そして画像照合部5は、一致する識別番号INが登録されていれば、その入力識別番号INと関連付けられた登録特徴点リストFを記憶部4から読み出す。また画像修正部10は、指紋入力部3から取得した多値指紋画像Mに対してノイズ除去処理を行う。二値化部11は、そのノイズ除去処理を行った多値指紋画像M’に基づいて隆線領域と谷線領域に二値化した二値指紋画像Bを生成する。さらに細線化部12は二値指紋画像Bに対して隆線領域の細線化を行い、細線化二値指紋画像Bを生成する。そして特徴抽出部13は、細線化二値指紋画像Bから隆線の分岐点、端点などに基づいて特徴点を抽出し、入力特徴点リストFを作成する。入力特徴点リストFが作成されると、照合部14は、入力特徴点リストFと登録特徴点リストFとに基づいて照合を行う。また照合部14は、両方の特徴点リストを比較して類似度Sを算出する。その類似度Sが所定の閾値Thdよりも大きい場合、照合部14は認証に成功したと判定し、類似度Sが閾値Thd以下であれば認証に失敗したと判定する。最後に画像照合部5は、認証に成功したか否かに関する照合結果を操作・表示部2に表示させ、また照合結果を示す信号を出力部6を介して電気錠制御装置など外部の機器へ出力する。
以下、画像照合部5の各部について詳細に説明する。
制御部15は、記憶部4から読み込まれたプログラム及び操作・表示部2からの入力信号にしたがって、操作・表示部2、指紋入力部3、記憶部4及び出力部6の各部の制御、指紋画像など各種データの受け渡しなどを行う。また、制御部15は、画像照合部5内の画像修正部10、二値化部11、細線化部12、特徴抽出部13及び照合部14による処理を制御する。
画像修正部10は、多値指紋画像Mに対してノイズ除去処理を行う。そのために、画像修正部10は、多値指紋画像Mについて、隆線が略平行な複数の直線とみなせるような小領域ごとに分けてその周波数成分を解析し、隆線の縞方向(隆線に直交する方向をいう。以下同じ)を特定する。そして画像修正部10はその縞方向に沿って隆線の縞を表す周波数成分及びその周波数成分に近い特定の周波数成分だけを抽出して画像を再構成することにより、隆線の端点や分岐点の情報を維持しつつ、ノイズを除去する。
図2に、画像修正部10の機能ブロック図を示す。
画像修正部10は、画像分割部110、周波数スペクトル解析部120、スペクトル記憶部130、周波数成分選択部140、画質評価部150、周波数成分選択制御部160、選択パラメータ記憶部170、周波数フィルタ部180、画像再構成部190及び指紋画像合成部200を有する。そして画像分割部110は、多値指紋画像Mを複数の小領域に分割する。周波数スペクトル解析部120は、各小領域ごとにフーリエ変換を行って多値指紋画像Mの小領域ごとの周波数スペクトル画像を算出する。スペクトル記憶部130は、算出された各小領域ごとの周波数スペクトル画像を一時的に記憶する。周波数成分選択部140は、各周波数スペクトル画像について、ある程度以上の振幅を有する周波数成分のみを選択し、選択スペクトル画像を生成する。画質評価部150は、選択スペクトル画像に基づいて、隆線の縞方向を特定する。そして画質評価部150は、その縞方向に対する選択された周波数成分の集中度を表す指標に基づいて、周波数成分選択部140における周波数成分の選択が適切か否か評価する。周波数成分選択制御部160は、画質評価部150が周波数成分の選択を不適切と判断した場合、周波数成分選択基準を調整し、周波数成分選択部140において再度選択スペクトル画像を生成させる。また周波数成分選択基準を、再度の調整に利用するために選択パラメータ記憶部170に記憶させる。一方、画質評価部150が周波数成分の選択を適切と判断した場合、周波数フィルタ部180は、各選択スペクトル画像ごとに、隆線の縞方向に基づいて、隆線の端点及び分岐点の周波数特性を考慮して決定した所定の周波数帯域の周波数成分を残し、他を減弱させるようなバンドパスフィルタ処理を行う。画像再構成部190は、周波数フィルタ部180でバンドパスフィルタ処理された各選択スペクトル画像を逆フーリエ変換して各小領域ごとの指紋画像を再構成する。最後に指紋画像合成部200は、画像再構成部190で復元された各小領域ごとの指紋画像を合成してノイズ除去された多値指紋画像M’を得る。
上記のように、画像修正部10は、各周波数スペクトル画像に対して、周波数成分選択部140である程度以上の振幅を有する周波数成分を選択し、その選択した周波数成分についてさらに周波数フィルタ部180で隆線の縞方向を中心とした所定の周波数帯域に含まれる周波数成分を残すことで、隆線の端点や分岐点の情報を維持しつつ、ノイズを適切に除去することができる。さらに画像修正部10は、指紋画像の隆線が、小領域では略平行な複数の直線が並ぶ縞模様となることから、所定の方向にのみ周波数成分が集中するはずであるという事実に基づいて、一度選択した周波数成分が適切か否か評価し、その評価結果によっては選択の基準を調整して再度周波数成分を選択することにより、適切な周波数成分の選択を行うことができる。
以下、画像修正部10の各部について詳細に説明する。
画像分割部110は、指紋入力部3から取得した多値指紋画像Mを横p個、縦q個の複数の小領域L(i=1,2,・・・,m)(ただし、m=p×q)に分割する。各小領域Lは、例えばそれぞれ矩形領域とすることができ、多値指紋画像Mを碁盤目状に分割する。また各小領域Lは、以後の処理で隆線の縞方向の周波数成分の特定を容易にするために、隆線が略平行な複数の直線状として観察されるような大きさとする。
図3に、多値指紋画像M上に小領域Lを設定した様子を示す。図3において示される画像300は、多値指紋画像Mの一例である。また図3において、相対的に黒く見える部分が隆線である。そして多値指紋画像M上に示された矩形領域310、320、330が各小領域Li−1、L、Li+1に相当する。なお図3では、説明の明瞭化のために、多値指紋画像Mの一部の領域にのみ小領域を図示しているが、多値指紋画像Mは、その任意の部分が何れかの小領域に含まれるように全体が分割される。本実施形態では、解像度が500dpiの多値指紋画像Mに対して、各小領域Lを32画素×32画素とした。また図3に示すように、各小領域Lは、隣接する小領域と重なる領域を有するように設定してもよい。そのような重なり領域を設けることにより、後述する指紋画像合成部200において各小領域の画像を合成する際に、隣接する小領域との境界で不連続な部分を生じるような不自然な合成を避けることができる。例えば、そのような重なり領域を5画素幅とすることができる。
なお、以下の説明において、各小領域内Lの画像をf(x,y)と表記する。ここでxは水平方向の座標値であり、yは垂直方向の座標値である。またf(x,y)の出力値は、座標(x,y)の画素の画素値を表す。
周波数スペクトル解析部120は、画像分割部110から受け取った多値指紋画像Mの各小領域Lの画像f(x,y)に対して周波数変換を行い、周波数スペクトル画像F(u,v)(i=1,2,・・・,m)を算出する。ここでuは、水平方向の周波数を表し、vは垂直方向の周波数を表す。そしてF(u,v)の出力値は、周波数(u,v)の周波数成分の振幅を表す。周波数スペクトル解析部120は、周波数スペクトル画像F(u,v)を算出するために、例えば以下の式(1)に示すN×N点の二次元離散フーリエ変換を使用することができる。
Figure 0004931426
なお、周波数スペクトル解析部120では、式(1)にしたがった周波数スペクトル画像F(u,v)の算出を、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを用いたソフトウェアで実行することができる。また、周波数スペクトル解析部120は、周波数スペクトル画像F(u,v)を算出するために、フーリエ変換以外の周波数変換関数を使用することができる。周波数スペクトル解析部120は、そのような周波数変換関数として、例えば離散コサイン変換、離散ウェーブレット変換、アダマール変換などを使用することができる。
本実施形態では、各小領域Lの周波数スペクトル画像F(u,v)を32×32画素の画像として算出した。また算出された各周波数スペクトル画像F(u,v)は、スペクトル記憶部130及び周波数成分選択部140に送られる。
スペクトル記憶部130は、画像照合部5のRAM内に確保されたメモリ領域であり、周波数スペクトル解析部120で算出した各周波数スペクトル画像F(u,v)を記憶する。そして、必要に応じてそれら周波数スペクトル画像F(u,v)を周波数成分選択部140へ出力する。また後述するように、各周波数スペクトル画像F(u,v)から所定の振幅以上の周波数成分を選択した選択スペクトル画像Fsi(u,v)も記憶する。
なお、スペクトル記憶部130の代わりに記憶部4を使用し、スペクトル記憶部130を省略することもできる。
周波数成分選択部140は、スペクトル記憶部130から取得した各周波数スペクトル画像F(u,v)ごとに、振幅の絶対値が所定以上の周波数成分のみを選択して残した選択スペクトル画像Fsi(u,v)を生成する。周波数成分選択部140は、選択基準を算出するために、各周波数スペクトル画像F(u,v)ごとに、スペクトルの最大振幅成分Fimax(u,v)を求める。そして、その最大振幅成分Fimax(u,v)に所定の係数α(i=1,2,・・・,m)を乗じた値をその周波数スペクトル画像F(u,v)における選択閾値Thdαiとする。なお周波数成分選択部140は、係数αを周波数成分選択制御部160から取得する。そして周波数成分選択部140は、各周波数スペクトル画像F(u,v)から振幅の絶対値が選択閾値Thdαi以上の周波数成分をそのまま残し、選択閾値Thdαi未満の周波数成分を、実数成分、虚数成分とも0とする。
選択閾値Thdαiが適切であれば、振幅の絶対値が所定値以上の周波数成分のみを選択することにより、多値指紋画像Mに印加されたノイズに起因する周波数成分を除去し、各小領域Lにおいて支配的な隆線の構造(特に縞方向へのピッチ)に基づく周波数成分を選択することができる。そこで周波数成分選択部140は、後述する画質評価部150での画質評価結果が所定の基準を満たすまで、周波数成分選択制御部160で調整された係数αを用いて周波数成分の選択を繰り返す。
なお、選択閾値Thdαiの算出において、各周波数スペクトル画像F(u,v)の最大振幅成分Fimax(u,v)を直流成分(u=0,v=0)以外の最大振幅成分としてもよい。直流成分を除いて選択閾値Thdαiを決定することにより、各周波数スペクトル画像F(u,v)の周波数特性をより反映した選択閾値Thdαiを決定することができる。
生成された各選択スペクトル画像Fsi(u,v)は、スペクトル記憶部130及び画質評価部150へ送られる。
画質評価部150は、各選択スペクトル画像Fsi(u,v)について、周波数成分選択部140で選択された周波数成分が隆線の構造に基づく周波数成分を適切に表せているか否かを評価する。多値指紋画像Mの各小領域Lでは、上記のように、隆線が略平行な複数の直線となっているため、隆線と直交する縞方向に沿って周波数成分が多数存在すると考えられる。他方、隆線と平行な方向に対しては、隆線の構造に起因する強い周波数成分は少ないと考えられる。したがって、ある特定の方向に沿って多数の周波数成分が集中していれば、周波数成分の選択は適切であると判断される。そこで画質評価部150は、周波数成分が最も集中する方向線dlを方向線算出手段151で求め、その方向線dlの近傍にどれだけ周波数成分が集中しているかの指標である複雑度Cを集中度算出手段152で求める。そして画質評価部150は、評価手段153で複雑度Cを評価して周波数成分の選択が適切か否かを評価する。また画質評価部150は、各選択スペクトル画像Fsi(u,v)ごとに上記の方向線算出、複雑度算出及び評価を行い、各選択スペクトル画像Fsi(u,v)ごとに周波数成分の選択が適切か否かを評価する。
方向線算出手段151は、周波数成分選択部140で選択された周波数成分の分布から、隆線の縞方向を推定する直線(以下、方向線dlという)を算出する。ある小領域Lにおいて、隆線が完全な直線であり、ノイズも全く含まれない場合、対応する選択スペクトル画像Fsk(u,v)に存在する周波数成分は、隆線の縞方向に沿ってスペクトル平面の原点を通る直線状に存在することになる。そこで方向線算出手段151は、方向線dlをスペクトル平面の原点を通る直線として算出する。
図4は、周波数成分の分布に対する方向線dlの算出の様子を示す。図4において、400は着目する選択スペクトル画像Fsk(u,v)であり、選択スペクトル画像Fsk(u,v)400上の各点410は、周波数成分選択部140で選択された周波数成分である。また、直線420は、算出する方向線dlである。図4に示すように、方向線算出手段151は、各周波数成分から方向線dlまでの距離dの和が最小となるように、最小二乗法を用いて方向線dlを算出する。この場合、着目する選択スペクトル画像Fsk(u,v)の方向線dlの傾きaは、以下の式(2)で算出される。
Figure 0004931426
ここでnは、周波数成分選択部140で選択された周波数成分の個数(すなわち、選択スペクトル画像Fsk(u,v)で画素値が0でない画素の数)であり、u、vはそれぞれある周波数成分の水平方向座標値及び垂直方向座標値を表す。あるいは、方向線算出手段151は、各周波数成分の振幅の大きさを考慮して、以下の式(3)で方向線dlの傾きaを算出することもできる。
Figure 0004931426
ただしFsk(0,0)は、周波数成分のうちの直流成分を表し、Fsk(u,v)は座標(u,v)の周波数成分の振幅を表す。
得られた方向線dl(傾きa)は、集中度算出手段152に送られる。
集中度算出手段152は、方向線算出手段151で求められた方向線dlへの周波数成分の集中度合いを示す指標(複雑度C)を求める。求めた指標は、後述する評価手段153において画質の評価値として使用される。
集中度算出手段152は、方向線dlの法線nl(すなわち、隆線方向の周波数変化を表す線)から、ある一定の距離βを境界とした二つの領域R、Rごとに、複雑度Cの算出に用いる指標D、Dなどを算出する。ここで領域Rは、法線nlから距離β以上離れた領域であり、方向線dlとは無関係に広がる周波数成分がどの程度存在するかを示す指標Dなどの算出に使用される。一方領域Rは、方向線dlと直交する方向の周期的な成分がどの程度存在するかを示す指標Dなどの算出に使用される。
図5(a)は、設定される領域R、Rの概略を示す。図5(a)において、500は着目する選択スペクトル画像Fsk(u,v)であり、選択スペクトル画像Fsk(u,v)500上の各点510は、周波数成分選択部140で選択された周波数成分である。また、直線520は方向線dlであり、直線530は法線nlである。ここでβは、約1.2lp/mm〜1.9lp/mmに相当する程度の値とすることが好ましい。この場合、本実施形態では、多値指紋画像Mの解像度が500dpiであり、選択スペクトル画像Fsk(u,v)を32×32画素で構成しているため、選択スペクトル画像Fsk(u,v)に対するβの値は2.0〜3.0程度となる。
領域Rでは、周波数成分選択部140で選択された各周波数成分510から方向線dlまでの距離dの距離の和Dを指標として算出する。すなわちDは、以下の式(4)で表される。
Figure 0004931426
ただしNは、領域Rに存在する選択された周波数成分510の数である。Nが大きいほど、選択された周波数成分510が表す構造は単純な周期構造から乖離する。またDが大きいほど、着目する選択スペクトル画像Fsk(u,v)に対応する小領域Lの画像中に方向線dlと大きく異なる方向に沿った画素値の変動が含まれることを示すため、、方向線dlは隆線の縞方向を表していない可能性が高くなる。
一方、領域Rにおいても、周波数成分選択部140で選択された各周波数成分510から方向線までの距離dの距離の和Dを指標として算出する。すなわちDは、以下の式(5)で表される。
Figure 0004931426
ただしNは、領域Rに存在する選択された周波数成分510の数である。D、Nが大きいほど、着目する選択スペクトル画像Fsk(u,v)に対応する小領域Lの画像中に、方向線dlの方向とは略直交する方向に高周波の画素値の変動が含まれることになる。そのため、D、Nが大きくなるほど、方向線dlは隆線の縞方向を表していない可能性が高くなる。
なお、集中度算出手段152は、D、D、N、Nを求めるために、領域R、Rを図5(b)に示すように区分してもよい。なお、図5(b)において付された番号は、図5(a)と同じものを示す。図5(b)において、領域RとRの境界は、周波数平面の原点を通り、方向線dlの法線nlとなす角φの2本の直線である。そして領域Rは、法線nlを中心として、それら2本の直線で挟まれた領域であり、一方領域Rは、領域R以外の領域である。この場合、角φは約15°〜30°に設定することができる。
集中度算出手段152は、D、D、N、Nを求めると、それらを用いて複雑度Cを算出する。複雑度Cは以下の式(6)で算出される。
Figure 0004931426
ここでκ、λは定数であり、多値指紋画像Mの解像度、選択スペクトル画像画像Fsk(u,v)の大きさに応じて最適化される。また、周波数成分選択部140の係数αの値が大きくなるにつれて、κ、λも大きくなるように変更してもよい。係数αが大きくなるほど選択される周波数成分の数が減少するため、単なる周波数成分数の減少だけで複雑度Cが低下することを防止するためである。本実施形態では、多値指紋画像Mの解像度が500dpiであり、選択スペクトル画像Fsk(u,v)が32×32画素であるのに対して、係数αが0.1〜0.2程度の値であれば、κ=0.10〜0.50、λ=0.5〜1.5程度に設定することが好ましい。
複雑度Cは、選択された周波数成分がどれだけ方向線dlに集中しているかを表す指標である。そして複雑度Cは、その値が低い程、選択された周波数成分が方向線dlの近傍に集中していることを表す。
なお複雑度Cを求める式は上記に限られない。代わりに、以下の式を用いてもよい。
Figure 0004931426
式(7)におけるκ、λは、式(6)と同様の値である。また集中度算出手段152は、複雑度Cの代わりに、別の値を方向線dlへの集中度を表す指標とすることもできる。簡単な例としては、所定の値Qmaxから複雑度Cを引いた値Q(=Qmax−C)を指標することもできる。このQ値では、選択された周波数成分が方向線dlの近傍に集中するほど大きな値を示す。さらに、集中度算出手段152は、上記のように領域を二つに分けて指標を求めることなく、単純に各周波数成分と方向線dlの距離の平均二乗誤差を求めて方向線dlへの集中度を表す指標として用いてもよい。またさらに、集中度算出手段152は、方向線dlから所定の距離以内にある周波数成分の個数と、方向線dlからその所定の距離より離れたところにある周波数成分の個数との比を、方向線dlへの集中度を表す指標として用いてもよい。この場合、所定の距離を、例えば上記のβに設定することができる。
集中度算出手段152は、算出した指標(複雑度C)を評価手段153へ送る。
評価手段153は、選択スペクトル画像Fsk(u,v)に基づいて再構成される小領域Lの画像f’(x,y)が、特徴点の抽出を行うために十分な画質を有するか否かを評価する。その評価のために、評価手段153は、集中度算出手段152から取得した複雑度Cを所定の閾値Thdconfと比較する。そして評価手段153は、複雑度Cが閾値Thdconf未満の場合、選択された周波数成分が方向線dlの近傍に一定の基準を満たす程度に集中していると考えられるため、その選択スペクトル画像Fsk(u,v)については、十分な画質の画像を再構成できると判断する。そして、その選択スペクトル画像Fsk(u,v)をスペクトル記憶部130に記憶させる。一方、複雑度Cが閾値Thdconf以上の場合、評価手段153は、その選択スペクトル画像Fsk(u,v)について、十分な画質の画像を再構成できないと判断する。この場合、評価手段153は、周波数成分選択制御部160へ判断結果を報知し、係数αの再調整を行わせる。
なお画質評価部150は、上記の画質評価を、全ての選択スペクトル画像Fsi(u,v)(i=1,2,・・・,m)に対して行う。
周波数成分選択制御部160は、周波数成分選択部140で周波数成分の選択基準となる係数αを設定する。また周波数成分選択制御部160は、画質評価部150が選択された周波数成分に基づいては、十分な画質の画像を再構成しないと判断した(すなわち、それら周波数成分は不適切と判断した)場合、係数αの値を適宜調整する。また周波数成分選択制御部160は、係数αの調整を、各周波数スペクトル画像F(u,v)ごとに行う。以下では、説明の簡単化のために着目する周波数スペクトル画像F(u,v)を例に周波数成分選択制御部160の動作を説明する。
周波数成分選択制御部160は、最初の周波数成分の選択では、多くの周波数成分が選択されるように係数αを低い値に設定する。また係数αは、選択パラメータ記憶部170に記憶しておく。そして、選択された周波数成分が画質評価部150において不適切と判断される度に、選択される周波数成分の数を徐々に減少させるように、選択パラメータ記憶部170から係数αを取得し、係数αを所定の比率だけ大きな値に変更する。そして変更された係数αを選択パラメータ記憶部170に送り、記憶されている係数αの値を更新する。一方、周波数成分選択制御部160は、係数αを周波数成分選択部140に送り、上記のように係数αに基づいて定められる閾値Thdαk以上の振幅の絶対値を有する周波数成分の選択を行わせる。周波数成分選択制御部160は、画質評価部150が選択された周波数成分は適切と判断するか、所定の繰り返し回数に到達するまで係数αの調整を繰り返す。
本実施形態では、αの初期値を0.1とした。そして、周波数成分選択制御部160は、1回調整する度に、係数αを1.2倍させることとした。しかし係数αの初期値は0.1に限られず、0.1よりも小さい値若しくは大きい値を初期値としてもよい。また係数αを増加させる比率も、1.2に限られず、例えば1.1〜1.3程度の値を用いることができる。また周波数成分選択制御部160は、調整の度に、係数αに一定の増分、例えば0.05などの値を加えるようにしたり、繰り返し回数に応じて予め定めた値を有するようにしてもよい。さらに周波数成分選択制御部160は、係数αが所定の上限値、例えば0.3に到達した時点で係数αの調整を終了するようにしてもよい。
さらに、上記では、αを増加させる方向にのみ変化させたが、所定の場合には、αを減少させる方向に変化させるように構成してもよい。例えば、上記の画質評価部150の評価手段153において、複雑度Cに対する閾値Thdconfよりも小さい値を有する第2の閾値Thdconf2を設定しておく。そして集中度算出手段152において算出された複雑度Cが、第2の閾値Thdconf2以下の場合には、αを上記と逆に0.8倍して減少させる。このように構成することで、選択される周波数成分の数を過度に制限して、隆線の構造を表す情報を過剰に削除してしまう可能性を低下させることができる。
選択パラメータ記憶部170は、画像照合部5のRAM内に確保されたメモリ領域であり、各周波数スペクトル画像F(u,v)についての係数αを記憶する。そして周波数成分選択制御部160からの取得要求に応じて係数αを出力し、周波数成分選択制御部160からの更新要求に応じて係数αの値を更新する。
なお、選択パラメータ記憶部170の代わりに記憶部4を使用し、選択パラメータ記憶部170を省略することもできる。
周波数フィルタ部180は、各選択スペクトル画像Fsi(u,v)について周波数成分選択部140で選択された周波数成分に対し、さらに特定の周波数帯域に含まれる周波数成分を残すようにバンドパスフィルタ処理を行う。このバンドパスフィルタ処理を行うことにより、隆線の分岐点及び端点の情報を消去することなく、ノイズ成分を除去することができる。
ここで、隆線の分岐点及び端点についてどのような周波数成分が生じるかを説明する。図6に、隆線の分岐点及び端点を含む小領域の画像の概略図を示す。図6に示すように、隆線が数本含まれる程度の小領域600内では、一般に各隆線610はほぼ同じ太さを有する。そしてそれら隆線610は、ほぼ同じ間隔で平行線状に並んでいる。さらに隆線610の太さは、隆線の分岐点620の近傍であっても殆ど変化しない。また分岐された隆線610も、他の隆線610と略平行な直線となる。したがって、隆線の縞方向(隆線と直交する方向)の周波数成分は、隆線の分岐点620を含む場合と含まない場合とで、大きな差異は生じない。しかし、隆線610の分岐点620近傍では、分岐された隆線610は他の隆線610とわずかに異なる方向を向く。したがって、小領域600中に隆線の分岐点620が含まれる場合、隆線の縞方向と若干異なる方向の周波数成分が含まれることになる。同様に、隆線の端点630が存在すると、その端点630の近傍では隣接する隆線610同士の間隔が変わるため、隆線610の方向が若干変化する。そのため、隆線の縞方向と若干異なる方向の周波数成分が含まれることになる。
そこで周波数フィルタ部180は、画質評価部150で求めた方向線dlに基づいて、その方向線dlを中心とした一定の拡がりを有する領域Rを周波数成分を残す周波数帯域として設定する。そして周波数フィルタ部180は、直流成分(Fsk(0,0))を除いて、領域Rに含まれない周波数成分について、実数成分、虚数成分とも0にする。なお、直流成分を減弱させずに残すのは、各小領域Lの指紋画像を再構成した場合に、隆線のエッジだけが強調された画像となることを防止して、後述する二値化処理によって隆線のエッジ部分だけが隆線領域となることを防ぐためである。以下に領域Rについて説明する。
図7に、周波数フィルタリングを行うためのフィルタ領域の一例を示す。図7において、画像700は、選択スペクトル画像Fsk(u,v)の一例である。また画像上の各点710は、選択された周波数成分である。さらに、直線720、730はそれぞれ方向線dl、方向線dlの法線nlである。そして、領域Rは周波数成分を残す領域である。領域Rは、方向線dlから距離γ以下であり(両側で2γの幅)、周波数平面の原点から距離δ以上離れ、且つ周波数スペクトルの原点から距離ε以下の範囲である。
これら、γ、δ、εの値は、実際の多値指紋画像Mにおける隆線のピッチ、分岐点された隆線が分岐元の隆線となす角などに基づいて経験的に最適化される。本実施形態では、それぞれγを1.9lp/mm、δを1.2lp/mm、εを4.9lp/mmに対応する値とした。すなわち、本実施形態では、多値指紋画像Mの解像度が500dpiであり、各選択スペクトル画像Fsi(u,v)を32×32画素で構成しているため、それぞれγ=3.0、δ=2.0、ε=8.0となる。なお、γ、δ、εは、上記の値に限られない。指紋入力部3で使用される指紋センサの特性などに応じて最適化することができる。例えばγは約1.2lp/mm〜2.4lp/mmに相当する範囲で設定することができる。さらにδは、約0.6lp/mm〜1.9lp/mmに相当する範囲で設定することができる。同様にεは、約3.7lp/mm〜6.1lp/mmに相当する範囲で設定することができる。γ、δ、εの値を上記範囲よりも領域Rが狭くなるような値に設定すると、隆線の分岐点及び端点の情報まで減弱させてしまい、後述する特徴抽出部13で正確に特徴点を抽出することができなくなる。一方、γ、δ、εの値を上記範囲よりも領域Rが広くなるような値に設定すると、ノイズに起因する周波数成分を除去しきれず、特徴抽出部13で擬似特徴点を抽出してしまう可能性が高くなる。
また、これらγ、δ、εを、他の画質情報に基づいて変化させるようにしてもよい。例えば、隆線の幅を別途算出し、その幅に応じて変化させるようにしてもよい。隆線の幅は、例えば以下のように求めることができる。まず、後述する二値化部11における処理を多値指紋画像Mに対して行って仮の二値指紋画像を取得する。そして、その二値指紋画像を各小領域Lに分割して、各小領域L内において隆線に相当する画素値の平均連続数を複数の方向について求める。それら複数の方向について求めた平均連続数のうち、最小となるものを隆線の幅とすることができる。隆線の幅が太い場合、隆線の構造に起因する周波数成分は、比較的低周波側に存在するため、隆線の幅が太いほど、上記γ、δ、εを小さな値に設定する。
また図8に、周波数フィルタリングを行うためのフィルタ領域の別の一例を示す。図8において、画像800は、選択スペクトル画像Fsk(u,v)の一例である。また画像上の各点810は、選択された周波数成分である。さらに直線820は、方向線dlである。そして領域Rは周波数成分を残す領域である。領域Rは、周波数平面の原点を中心とした半径δの円周と、周波数スペクトルの原点を中心とした半径εの二つの同心円に挟まれた範囲に存在し、且つ方向線dlとのなす角がψの2本の直線に挟まれた範囲である。この場合、ψは約15°〜30°に設定することができる。
画像再構成部190は、周波数フィルタ部180でフィルタ処理された各小領域Lの選択スペクトル画像に対し、周波数スペクトル解析部120で行った周波数変換の逆変換を行う。そして画像再構成部190は、ノイズ除去された各小領域Lの画像を再構成する。再構成された各小領域の画像は、指紋画像合成部200に送られる。
指紋画像合成部200は、再構成された各小領域Lの画像を合成し、1枚の多値指紋画像M’を生成する。この多値指紋画像M’は、ノイズが除去され、隆線の端点や分岐点を明瞭に観察することができるものとなる。なお、指紋画像合成部200は、各小領域Lの画像を合成する際、隣接小領域との重なり部分に含まれる画素については、重なった全ての小領域の対応する画素の画素値を平均化することにより、画素値を算出する。このような平均化を行うことにより、隣接する小領域との境界部で、隆線が不連続となることを防止することができる。
多値指紋画像M’の生成が終了すると、画像修正部10は、その多値指紋画像M’を二値化部10へ送る。
二値化部11は、画像修正部10でノイズ除去処理が行われた多値指紋画像M’に基づいて、隆線領域と谷線領域に二値化した二値指紋画像Bを生成する。
二値化部11は、多値指紋画像M’の着目画素Cの画素値Icを所定の二値化閾値ThdBINと比較する。そして二値化部11は、多値指紋画像M’の着目画素Cに対応する二値指紋画像Bの画素の値Bを以下のように設定する。
≧ThdBINの場合、B=‘255’
<ThdBINの場合、B=‘0’
ここで、二値指紋画像Bにおいては、画素値‘255’を谷線画素値とし、‘0’を隆線画素値とする。つまり、Bの値が‘255’であることは、その画素が谷線画素であることを示す。一方、Bの値が‘0’であることは、その画素が隆線画素であることを示す。
なお、Bの値は、‘0’と‘255’の組み合わせに限られず、二値指紋画像Bを表現するデータ形式で扱うことが可能な任意の二つの異なる値、例えば‘0’と‘1’を使用することができる。
また、二値化閾値ThdBINは、例えば多値指紋画像M’の平均画素値Iに設定することができる。また二値化閾値ThdBINは、多値指紋画像M’を複数の小領域L(i=1,2,・・・,m)に分割し、各小領域Lごとの平均画素値ILiに設定してもよい。さらに二値化閾値ThdBINは、多値指紋画像M’の平均画素値Iに、その平均画素値Iと各小領域Lごとの平均画素値ILiの差I(=I−ILi)を加えた値としてもよい。なおこの場合の各小領域は、上記の画像分割部110によって分割した小領域と同じ大きさ、形状に設定してもよく、別個の大きさ、形状に設定してもよい。
二値化部11は、多値指紋画像M’の全ての画素について上記の比較を行うことにより、二値指紋画像Bを生成することができる。生成された二値指紋画像Bは、細線化部12へ送られる。
なお以下では、説明の便宜上、二値指紋画像B及び細線化二値指紋画像Bにおける隆線画素の値を‘0’、谷線画素の値を‘255’で表す。
細線化部12は、二値化部11で生成された二値指紋画像Bに対して、隆線領域を細線化するように細線化処理を行う。そして隆線領域が1画素の幅で連続する線となる細線化二値指紋画像Bを生成する。細線化部12は、例えば、隣接する複数の画素が‘0’の値を有する所定のマスクパターンを複数準備し、それらマスクパターンを順次適用して、何れかのマスクパターンに当てはまれば、その画素の画素値を‘0’から‘255’へ変換する方法を使用することができる。しかし、細線化部12は、上記の細線化方法に限られず、公知の種々の方法を使用することができる。
特徴抽出部13は、細線化部12において生成された細線化二値指紋画像Bに基づいて特徴点を抽出し、入力特徴点リストFを作成する。ここで特徴点とは、隆線領域の端点、分岐点などである。
図9は、細線化された指紋画像における特徴点の概略を示す。
図9において、黒く示された部分は細線化された隆線領域を表す。また、図9において、隆線領域の終端となっている部分900及び910が、隆線の端点であり、隆線が1本から2本に分岐している部分920が分岐点である。これらの特徴点の位置、数は、個人毎に異なるため、指紋の照合を行うための非常に有益な情報となる。
特徴点を表す情報は、特徴点の種類(端点か分岐点か)、位置、方向、信頼度の各要素を有する。ここで端点Pは、例えば、隆線画素(すなわち、画素値‘0’)のうちで、且つ隣接する8近傍画素のうち、1画素だけが隆線画素である画素とすることができる。また分岐点Pは、隆線画素のうちで、隣接する8近傍画素のうち、3画素が隆線画素であり、且つそれら8近傍画素中の隆線画素同士が隣接していない画素とすることができる。また特徴点の位置は、端点P又は分岐点Pの細線化二値指紋画像B上の座標値(X,Y)で表される。ただしXは細線化二値指紋画像B上の水平方向座標値、Yは細線化二値指紋画像B上の垂直方向座標値である。
特徴点の方向θは、その特徴点における隆線の方向を表す。また特徴点の方向θは、図9に示すように、例えば細線化二値指紋画像Bの水平方向軸と時計回りの方向になす角で表される。特徴点が端点Pの場合、特徴点の方向θは、その端点Pと隣接する隆線画素を結んだ直線と、細線化二値指紋画像Bの水平方向軸とのなす角として求めることができる。また特徴点が分岐点Pの場合、分岐点Pと、分岐点Pから2画素の距離にある隆線画素との線分を求める(そのような線分は3本あるはずである)。次に、それぞれの線分同士のなす角を求める。そして、最もなす角が狭い2本の線分の2等分線を求める。その2等分線と細線化二値指紋画像Bの水平方向軸とのなす角を特徴点の方向θとすることができる。なお、特徴点の方向θの求め方は、上記に限られるものではなく、他の公知の方法を用いてもよい。
特徴点の信頼度Tは、その特徴点の存在、位置、方向の信頼性を示す値である。例えば、指紋画像では、局所的に見ると複数の隆線が略平行に並んでいる。そのため、複数の特徴点が含まれる局所的な領域を考えると、その領域内では、それぞれの特徴点の方向θは、ほぼ同じ方向となる。そこで、以下のように信頼度Tを設定することができる。まず、着目する特徴点を中心とした局所的な領域(例えば、32×32画素程度)を設定する。次に、その局所的な領域中に含まれる各特徴点の方向θの平均値θavを算出する。そして、その平均値θavと、着目特徴点の方向θとの差の絶対値を信頼度とする。
なお、抽出する特徴点は、上記のものに限られない。例えば、各特徴点間の位置関係、隣接する特徴点間の間に存在する隆線又は谷線の本数などを特徴点として抽出してもよい。
特徴抽出部13は、上記のように一つの細線化二値指紋画像Bから抽出した特徴点のそれぞれについて、その特徴点の情報を予め定められた形式にしたがってリストとして作成する。
照合部14は、操作者の指紋画像から特徴抽出部13において抽出した入力特徴点リストFと、記憶部4から読み出した登録特徴点リストFとを照合する。照合の具体的な方法として、特徴量の類似度を算出する公知の方法、例えばマニューシャ・マッチング法を使用することができる。具体的には、まず、入力特徴点リストFに含まれている幾つかの特徴点について、登録特徴点リストFに含まれている特徴点のいずれかとの位置の差の平均が最小となるような、座標値の平行移動量Δd及び回転補正角Δθを求める。そして、入力特徴点リストFに含まれる各特徴点に対して、その平行移動量Δd及び回転補正角Δθを加えて、入力特徴点リストFと登録特徴点リストFとを位置合わせする。
次に、入力特徴点リストFに含まれる各特徴点について、登録特徴点リストFに含まれる各特徴点のうち、特徴点の種類が同じで、位置が最も近いものとの距離、方向の差の絶対値、信頼度に基づいて得点を算出する。この得点は、距離が近いほど高くなるように設定する。同様に、方向の差の絶対値が小さいほど、また信頼度が高いほど得点は高くなるように設定する。
各特徴点についての得点が算出されると、照合部14は、その得点の合計を類似度Sとして算出する。そして、照合部14は、算出された類似度Sが予め定められた照合閾値Thdを超えていれば、認証に成功したと判定し(すなわち、操作者の指紋は、登録されている指紋と一致する)、逆に算出された類似度Sが予め定められた照合閾値Thd以下であれば、認証に失敗したと判定する(すなわち、操作者の指紋は、登録されている指紋と一致しない)。
出力部6は、指紋認証装置1と外部の機器(例えば、電気錠の施解錠制御装置)を接続し、信号の入出力を行うインターフェースであり、イーサネット(登録商標)、USB、SCSI、RS−232Cなどの規格に準拠した通信ポート、電子回路及びドライバソフトウェアなどで構成される。
出力部6は、画像照合部5の照合結果を示す信号などを外部機器に出力する。
次に、本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置1の動作を説明する。
図10は、指紋認証装置1における、指紋認証の動作を示すフローチャートである。なお、以下に説明する指紋認証装置1の動作は、画像照合部5に読み込まれたプログラムにしたがって、画像照合部5の制御部15により実行される。
まず、指紋認証装置1は、例えば図示しない近赤外線センサなどにより、操作者の接近を検知すると、所定のガイダンスを操作・表示部2に表示し、操作者にそのガイダンスにしたがって指紋認証作業を行うよう促すとともに、指紋認証動作を開始する。
最初に、指紋認証装置1は、操作・表示部2から操作者の入力識別番号INを取得する(ステップS101)。なお、操作者が識別番号INを入力する前に、指紋入力部3の載置センサが指を検知した場合には、指紋認証装置1は、操作・表示部2を通じて識別番号の入力を促すメッセージを表示する。次に、指紋認証装置1は、取得した入力識別番号INが記憶部4に登録されているか否か検索する(ステップS102)。入力識別番号INが記憶部4に登録されている場合、指紋認証装置1は、操作者の指紋画像を取得するために、指を指紋入力部3の所定位置に置くように操作・表示部2を通じて操作者に対するガイダンスを行う(ステップS103)。一方、ステップS102において、取得した入力識別番号INが登録されていなければ、指紋認証装置1は、操作・表示部2を通じて識別番号未登録のエラーメッセージを表示する(ステップS104)。そして、制御を最初に戻す。
ステップS103の後、指紋入力部3の載置センサが指を検知すると指紋入力部3は操作者の多値指紋画像Mを取得する(ステップS105)。取得した多値指紋画像Mは、画像照合部5に送られる。画像照合部5が多値指紋画像Mを取得すると、画像照合部5の画像修正部10は、その多値指紋画像Mに対するノイズ除去処理を行う(ステップS106)。なお、ノイズ除去処理の実行手順については、後述する。その後、画像照合部5の二値化部11は、ノイズ除去された多値指紋画像M’に基づいて、二値指紋画像Bを生成する(ステップS107)。二値化部11は、多値指紋画像M’中の隆線領域と谷線領域を区別するように二値化する。二値指紋画像Bが生成されると、画像照合部5の細線化部12は、隆線領域が細線化された細線化二値指紋画像Bを生成する(ステップS108)。
ステップS108において、細線化二値指紋画像Bが生成されると、画像照合部5の特徴抽出部13は、その細線化二値指紋画像Bから隆線領域の端点P、分岐点Pなどの特徴点を抽出し、入力特徴点リストFを作成する(ステップS109)。そして、入力特徴点リストFが作成されると、画像照合部5は、記憶部4から入力識別番号INに関連付けられた登録特徴点リストFを読み出し、照合部14で入力特徴点リストFと登録特徴点リストFの類似度Sを算出する(ステップS110)。
そして照合部14は、ステップS110において算出された類似度Sと所定の照合閾値Thdを比較する(ステップS111)。ステップS111において、類似度Sが照合閾値Thd以下の場合、画像照合部5は、認証に失敗したと判定する。そして指紋認証装置1は、操作・表示部2に認証に失敗したことを示すメッセージを表示する(ステップS112)。そして、再度操作者の指紋画像を取得するために、制御をステップS103の前に戻す。
一方、類似度Sが照合閾値Thdよりも大きい場合、画像照合部5の照合部14は、認証に成功したと判定する。そして指紋認証装置1は、操作・表示部2に認証に成功したことを示すメッセージを表示するとともに、必要に応じて照合結果を示す信号を出力部6を通じて外部機器に送信する(ステップS113)。そして指紋認証装置1は、動作を終了する。
なお、所定回数連続して認証に失敗した場合、指紋認証装置1は、操作・表示部2を通じて操作者に警告メッセージを表示するようにしてもよい。さらに指紋認証装置1は、そのような場合、出力部6を通じて、監視センタ(図示せず)などに指紋認証装置1自身の識別情報及び警告情報を通知するようにしてもよい。
次に、本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置1における、ノイズ除去処理の動作について、図11及び図12に示したフローチャートを参照しつつ説明する。なお、ノイズ除去処理は、専ら指紋認証装置1の画像修正部10で実行される。
図11に示すように、まず、多値指紋画像Mが画像修正部10に送られ、ノイズ除去処理が開始される。ノイズ除去処理が開始されると、画像分割部110は、多値指紋画像Mを複数の小領域L(i=1,2,・・・,m)に分割する(ステップS201)。次に、周波数スペクトル解析部120は、各小領域Lについて周波数変換を行い、各小領域Lの周波数スペクトル画像F(u,v)を作成する(ステップS202)。そして、作成した各周波数スペクトル画像F(u,v)をスペクトル記憶部130に記憶するとともに、周波数成分選択部140に送る。
次に、周波数成分選択部140は、まず各周波数スペクトル画像F(u,v)のうちの一つの周波数スペクトル画像Fk(u,v)(k=1,2,・・・,m)に着目する(ステップS203)。そして周波数成分選択部140は、着目した周波数スペクトル画像Fk(u,v)に対し、選択する周波数成分を決定する基準となる振幅の係数α(k=1,2,・・・,m)を周波数成分選択制御部160から取得し、閾値Thdαkを算出する。そして周波数スペクトル画像F(u,v)について閾値Thdαk以上の振幅の絶対値を有する周波数成分のみを選択した選択スペクトル画像Fs(u,v)を作成する(ステップS204)。
選択スペクトル画像Fs(u,v)が作成されると、画質評価部150は、その周波数成分の選択が適切か否か判断する。そのために、画質評価部150の方向線算出手段151は、選択スペクトル画像Fsk(u,v)について、選択された周波数成分に基づいて方向線dlを算出する(ステップS205)。次に画質評価部150の集中度算出手段152は、選択された周波数成分が方向線dlに対してどれだけ集中しているかの指標である複雑度Cを算出する(ステップS206)。そして画質評価部150の評価手段153は、複雑度Cと所定の閾値Thdconfを比較して、選択された周波数成分が適切か否か判断する(ステップS207)。複雑度Cが閾値Thdconf以上であれば、選択された周波数成分は不適切であると判断され、周波数成分選択制御部160が周波数成分選択の基準となる係数αを調整する(ステップS208)。なお、調整された係数αは、選択パラメータ記憶部170に記憶され、再度の調整の際に参照される。そして、ステップS204の前に制御を移行し、ステップS204〜ステップS207の処理を繰り返す。一方、ステップS207において、複雑度Cが閾値Thdconf未満であれば、選択された周波数成分は適切であると判断され、その選択スペクトル画像Fsk(u,v)はスペクトル記憶部130に一時的に記憶される(ステップS209)。
図12に示すように、ステップS209の後、画像修正部10は、全ての周波数スペクトル画像について、ステップS204〜S209の処理が終了したか否か判定する(ステップS210)。そして画像修正部10は、何れかの周波数スペクトル画像(例えばFi+1(u,v))について上記のステップS204〜S209の処理がなされていないと判断した場合、その周波数スペクトル画像を次に着目する周波数スペクトル画像F(u,v)に設定する(S211)。そして、ステップS204の前に制御を移行し、ステップS204〜ステップS210の処理を繰り返す。一方、ステップS210において、画像修正部10は、全ての周波数スペクトル画像についてステップS204〜S209の処理が終了し、各周波数スペクトル画像F(u,v)に対応する選択スペクトル画像Fs(u,v)が作成されていることを確認すると、それら選択スペクトル画像Fs(u,v)を周波数フィルタ部180へ送る。そして周波数フィルタ部180は、各選択スペクトル画像Fs(u,v)に対して所定の周波数帯域の周波数成分だけを残すようなバンドパスフィルタ処理を行う(ステップS212)。そして、そのバンドパスフィルタ処理が行われた各選択スペクトル画像Fs(u,v)に対し、画像再構成部190は、周波数スペクトル解析部120の周波数変換処理の逆変換処理を行い、各小領域Lの画像f’(x,y)を再構成する(ステップS213)。最後に、指紋画像合成部200は、再構成された各小領域Lの画像f’(x,y)を合成し、ノイズ処理が施された多値指紋画像M’を生成する(ステップS214)。そして画像修正部10は、スペクトル記憶部130に記憶されている各周波数スペクトル画像F(u,v)及び各選択スペクトル画像Fs(u,v)を消去するとともに、生成された多値指紋画像M’を出力して処理を終了する。
上記のように、画像修正部10は、各周波数スペクトル画像F(u,v)に対して、周波数成分選択部140である程度以上の振幅を有する周波数成分を選択し、その選択した周波数成分についてさらに周波数フィルタ部180で隆線の縞方向を中心とした所定の周波数帯域に含まれる周波数成分を残すことで、隆線の端点や分岐点の情報を残しつつ、ノイズを適切に除去することができる。さらに画像修正部10は、指紋画像の隆線が小領域では略平行な複数の直線が並ぶ縞模様となることから、所定の方向にのみ周波数成分が集中するはずであるという事実に基づいて、一度選択した周波数成分が適切か否か評価し、その評価結果によっては選択する基準を調整して再度周波数成分を選択することにより、適切な周波数成分の選択を行うことができる。
以上説明してきたように、本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置1は、隆線の分岐点や端点の情報を残しつつノイズを除去した多値指紋画像M’を作成する。そして指紋認証装置1は、その多値指紋画像M’から作成された細線化二値指紋画像Bから特徴点を抽出して照合を行うことにより、特徴点の抽出失敗や擬似特徴点の抽出を抑制できるため、高い照合精度を達成することができる。
なお、上記の実施形態では、指紋の隆線領域は画素値が低く(若しくは黒く)、指紋の谷線領域は画素値が高く(若しくは白く)表現されることとしたが、指紋センサとして光路分離法光学式を使用した場合のように、指紋の隆線領域は画素値が高く(若しくは白く)、指紋の谷線領域は画素値が低く(若しくは黒く)表現される場合でも本発明を適用することができる。この場合、上記の説明において画素値の大小を逆にする(例えば、〜以上という表現は〜以下と置き換える)ことで同様に取り扱うことができる。
また、上記の実施形態では、指紋の照合を特徴点ベースの類似度に基づいて判定したが、本発明の照合装置は、別の方法で指紋の照合を行う場合にも適用することができる。例えば、指紋の照合を指紋画像同士のパターンマッチングに基づいて行う場合に適用することもできる。この場合、特徴情報として、上記の特徴点リストの代わりに被照合者の二値指紋画像を予め登録しておく。そして多値指紋画像M’から隆線と谷線に分離した二値指紋画像を生成し、生成した二値指紋画像を、予め登録された被照合者の二値指紋画像とパターンマッチングを行う。そして一致度が所定の閾値を超えれば認証に成功したと判定するように構成することができる。あるいは、二値指紋画像の代わりに、多値指紋画像M’そのものをパターンマッチングに使用してもよい。
またさらに、画像修正部10では、ノイズ除去処理を行う前に、指を指紋入力部3に載置する際における、指の中央部の押圧力と周辺部の押圧力の差異などにより生じる多値指紋画像Mの濃度ムラを補正し、指紋画像全体の濃度を均一化するようにしてもよい。
例えば、ムラ補正は、多値指紋画像Mを32×32画素程度の部分領域に分割し、各部分領域について平均画素値及び画素値の分散を算出する。そして、その平均画素値及び画素値の分散が、多値指紋画像M全体の平均画素値及び画素値の分散と略等しくなるように画素値を変換する(画像解析ハンドブックp.478、高木幹雄、東京大学出版を参照)ことにより、ムラ補正を行うことができる。
また、上記では本発明に係る照合装置を指紋画像認証装置として説明してきたが、本発明は、指紋画像以外の縞模様を含む画像の照合装置にも適用できる。例えば、本発明は、掌紋画像の照合装置に適用することができる。さらに、指紋画像と異なり、画像全体が略平行な直線状の縞模様を含む場合には、上記のように画像を小領域に分割することなく、画像全体を1枚の画像として周波数解析・周波数成分抽出・画質評価・バンドパスフィルタの各処理を行うようにしてもよい。このように小領域に分割を行わない場合には、周波数変換を行う際に、ハニング窓やハミング窓などの窓関数を用いて、画像中の特定部分に着目した処理を行うようにしてもよい。
以上のように、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。
本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置の機能ブロック図である。 指紋認証装置の画像修正部の機能ブロック図である。 多値指紋画像に対する小領域の設定の概略を示す図である。 周波数成分の分布に対する方向線dlの算出の様子を示す図である。 (a)は複雑度Cの二つの指標を算出する領域の一例を示す図であり、(b)は複雑度Cの二つの指標を算出する領域の別の一例を示す図である。 隆線の分岐点を含む小領域の画像の概略図である。 周波数フィルタリングを行うためのフィルタ領域の一例を示す概略図である。 周波数フィルタリングを行うためのフィルタ領域の別の一例を示す概略図である。 細線化された指紋画像における特徴点の概略を示す図である。 本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置における、指紋認証処理の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置における、ノイズ除去処理の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る照合装置の一例である指紋認証装置における、ノイズ除去処理の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 指紋認証装置
2 操作・表示部
3 指紋入力部(画像入力部)
4 記憶部
5 画像照合部
6 出力部
10 画像修正部
11 二値化部
12 細線化部
13 特徴抽出部
14 照合部
15 制御部
110 画像分割部
120 周波数スペクトル解析部
130 スペクトル記憶部
140 周波数成分選択部
150 画質評価部
151 方向線算出手段
152 集中度算出手段
153 評価手段
160 周波数成分選択制御部
170 選択パラメータ記憶部
180 周波数フィルタ部
190 画像再構成部
200 指紋画像合成部
300 多値指紋画像
310、320、330 多値指紋画像の小領域
400、500、700、800 選択スペクトル画像
410、510、710、810 周波数成分
420、520、720、820 方向線
530、730 方向線の法線
600 多値指紋画像の小領域
610 隆線
620 分岐点
630 端点
900、910 特徴点(端点)
920 特徴点(分岐点)

Claims (4)

  1. 縞模様を含む画像を照合する画像の照合装置であって、
    前記画像を取得する画像入力部と、
    前記画像を周波数変換して周波数スペクトルを求める周波数スペクトル解析部と、
    前記周波数スペクトルから、振幅の絶対値が所定の閾値以上である周波数成分を選択する周波数成分選択部と、
    前記周波数成分選択部によって選択された周波数成分に基づいて、前記画像が照合に適する画質を満たすか否かを判断する画質評価部と、
    前記画質評価部が、前記画像が前記画質を満たさないと判断した場合、前記所定の閾値を変更し、前記周波数成分選択部に該変更された所定の閾値以上の周波数成分を再選択させる周波数成分選択制御部と、
    前記画質評価部が、前記画像が前記画質を満たすと判断した場合、前記選択された周波数成分に基づいて、前記周波数変換の逆変換を行って前記画像を再構成する画像再構成部と、
    前記再構成された画像を用いて照合する照合部と、
    を有し、
    前記画質評価部は、
    前記選択された周波数成分の分布に基づいて、前記画像に含まれる縞模様の縞方向を特定する方向線算出手段と、
    前記選択された周波数成分が前記縞方向に集中している程度を表す指標を算出する集中度算出手段と、
    前記指標が、略平行な複数の直線の周波数成分に対応する場合、前記画像が前記画質を満たし、一方、前記指標が当該周波数成分に対応しない場合、前記画像が前記画質を満たしていないと評価する評価手段を有する
    ことを特徴とする照合装置。
  2. 前記画像が前記画質を満たさない場合、前記周波数成分選択制御部は、前記所定の閾値を変更する前よりも大きな値にする、請求項1に記載の照合装置。
  3. さらに、前記画質評価部が、前記画像が前記画質を満たすと判断した場合、前記選択された周波数成分に対し、前記縞方向に対応する周波数平面上の直線から所定の周波数以内の範囲に含まれない周波数成分を減弱させるバンドパスフィルタ処理を行う周波数フィルタ部を有し、
    前記画像再構成部は、前記バンドパスフィルタ処理を行った周波数成分に基づいて画像を再構成する、請求項1または2に記載の照合装置。
  4. さらに、画像を複数の領域に分割する画像分割部と、該複数の領域に分割された画像を一つの画像に合成する画像合成部とを有し、
    前記画像分割部は、前記画像入力部に入力された画像を縞模様が略平行な複数の直線とみなすことが可能な程度の複数領域に分割し、
    前記周波数スペクトル解析部は、前記複数領域それぞれについて周波数スペクトルを求め、
    前記周波数成分選択部は、前記複数領域それぞれについて、振幅の絶対値が前記所定の閾値以上である周波数成分を選択し、
    前記画質評価部は、前記複数領域それぞれについて、選択された周波数成分に基づいて、当該領域が照合に適する画質を満たすか否かを判断し、
    前記画像再構成部は、前記複数領域それぞれについて、当該領域が前記画質を満たすと判断した場合、該選択された周波数成分に基づいて画像を再構成し、
    前記画像合成部は、前記再構成された画像を一つに合成する、請求項1〜3の何れか一項に記載の照合装置。
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