JP4193037B2 - プリント基板収納ユニット装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を搭載した複数のプリント基板を収納するユニット装置におけるプリント基板の挿抜構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品を搭載した複数のプリント基板を1個の大きなユニット装置に収納するプリント基板収納ユニット装置はよく知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−21670号公報
【0004】
ところが電子部品を搭載した複数のプリント基板を収納するこのようなユニット装置において、プリント基板をユニット装置から個別に取り外す場合、プリント基板に挿抜レバーを取り付るなど挿抜機構用の部品を別途設ける必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来技術では、挿抜機構用の部品を別途設ける必要があり、部品点数が多く構造が複雑になり、コストも高くなった。
また、特にユニット装置が樹脂製の筐体で構成される場合は、ユニット装置を小型化すると挿抜機構を設けるには強度的に弱かった。
さらに、部品点数が多いことにより、省スペース化が難しいという問題があり、ユニット装置の小型化や低コスト化が難しかった。
そこで、本発明は従来の問題点を解決すべく、プリント基板とユニット装置筐体に部品点数を増やすことなく、プリント基板の挿抜動作を簡単化し、しかも装置の小型化、及び低コスト化となるプリント基板収納ユニット装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解消するために、請求項1記載のプリント基板収納ユニット装置の発明は、電子部品を搭載した複数のプリント基板およびデータ保持用のバッテリーを収納した筐体カバー付きユニット装置において、前記プリント基板が、前記ユニット装置に収納された状態で挿入口側の上辺部に長穴形状の開いた切り欠きを備え、前記データ保持用のバッテリが、前記ユニット装置から脱着可能な矩形状のバッテリカバーを備え、前記矩形状のバッテリカバーの四隅の一角に、前記プリント基板の切り欠きに挿入するための円柱形状突起が前記バッテリカバー面から垂直方向に形成され、前記筐体カバー内に収納された前記プリント基板の切り欠きの近傍に位置する前記筐体カバーの端部に曲面形状突起が形成されることにより、前記プリント基板を前記ユニット装置から抜く時に、前記バッテリーカバーを取り外してその円柱形状突起を前記プリント基板の切り欠きに挿入し、前記バッテリーカバーの一端縁を前記筐体カバーの曲面形状突起に当接してそこを支点として前記バッテリーカバーの他端縁を前記ユニット装置側に押すことで前記支点が前記筐体カバーの曲面形状突起上に沿って変動することを可能にすることを特徴とする。
以上の構成により、プリント基板とユニット装置筐体に部品点数を増やすことなく、プリント基板の挿抜動作を簡単化し、しかも装置の小型化、及び低コスト化となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、電子部品を搭載した複数のプリント基板を収納するユニット装置において、樹脂製の筐体ケースと筐体カバーから構成されるユニット装置の筐体にプリント基板が5枚収納されている場合の例を示すことにする。
図1は本発明の実施例を示すユニット装置の全体の等角図である。
図1において、樹脂製の筐体ケース1に相対して樹脂製の筐体カバー2が装着され、この筐体の中には、電気的に接続された5つの勘合コネクタを持ったマザーボード基板があり、筐体ケース1に固定されている。そのマザーボート基板上の勘合コネクタに、それぞれにマザーボード基板との勘合用のコネクタを持ったプリント基板3〜7の5枚が嵌合され、これらのプリント基板は電気的に互いに接続された状態で収納され、ユニット装置としての機能をなしている。
プリント基板3および4は挿抜不可能な基板である。
プリント基板5〜7は、それぞれ個別にフェースカバー5a〜7aが筐体カバー2に取り付けられており、それらを個別に外すことによりプリント基板ごとの挿抜可能となる。
筐体カバー2に内蔵されるユニット装置のデータ保持用のバッテリ8は、バッテリ容量切れで交換するときを除き、通常は脱着可能なバッテリカバー9を筐体カバー2に装着することにより外域から保護される。このバッテリカバー9を利用してプリント基板を筐体から挿抜する。
図2(a)はプリント基板6の外観斜視図である。
筐体ケース1中に固定されたマザーボード基板11a上の嵌合コネクタ25と嵌合するためのマザーボード基板への固定用コネクタ11とプリント基板前面側の上部には切り欠き10を有している。
図2(b)がその拡大図で、プリント基板前面側の上部のあらかじめ計算された適当な位置と大きさの長穴形状の開いた切り欠きとなっている。
図3(a)は筐体カバー2の外観斜視図であり、上部に突起12、13、14を有し、図3(b)がその突起12の側面断面図であり、突起13、14についても同様である。
突起12、13、14は先端が丸みを持った曲面形状15になっている。
図4はバッテリカバー9を説明する図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。各図から判るように、バッテリカバー9は筐体カバー2に装着するためのツメ17、ツメ18と円柱形状をした突起16を有している。
【0008】
以上に述べた形状の組み合わせにより、プリント基板6を筐体から取り外す方法を以下に示す。
図5はプリント基板6を取り外す前の状態を説明する図で、(a)は外観斜視図、(b)はその側面断面図、(c)はその正面図である。
図6はプリント基板6を取り外し作業中の状態を説明する図で、(a)は外観斜視図、(b)はその側面断面図である。
図5では、プリント基板6の半田面19は筐体カバー2の基板ガイド用突起20によって位置決めされており、フェースカバー7aの側面21との間に一定の距離空間22が存在している。
その空間22にバッテリカバー9を図6(a)になるように前面斜め上から挿入する。このとき、図6(b)のように、プリント基板6の切り欠き10にバッテリカバー9の円柱形状の突起16をはめ込んだ状態で、バッテリカバー9は鉛直方向に対してあらかじめ計算された角度θ1だけ傾いて保持される。
これを筐体ケース1とプリント基板6とバッテリカバー9の関係に注目してみると図7のようになる。図7は取り外し動作直前の側面断面図である。
筐体ケース1に固定されているマザーボート基板11a側の嵌合コネクタ25にプリント基板6の嵌合コネクタ11が嵌合されている。この状態を動作前とし、筐体ケース1に対するプリント基板6の相対位置を位置0とする。
この状態から、バッテリカバー9の上部を作業者の指先9aで挟むように持ち、手動でバッテリカバー9の円柱形状突起の円中心23を中心として、角度θ2
まで回転させる。
【0009】
この動作後を説明する図が図8である。
また、図7および図8をそれぞれ等価的な機構図で説明したものが、図9である。(a)は図7に対応する動作前の機構図、(b)は図8に対応する動作後の機構図である。
図9(a)において、29は筐体ケース1、30は筐体カバー2の曲面形状突起15を示し、これらは相対的に固定されているとみなす。
また、31はバッテリカバー9の端面、32はバッテリカバー9の円柱形状の突起16(図6(b))である。
33はプリント基板9で、34はプリント基板9の切り欠き部10を示している。
35はプリント基板9が筐体ケース1に対して水平方向に移動可能なことを等価的に表す車輪である。
図7と図9(a)を比べて分かるように、力点が前記円柱形状の突起を持った専用治具上の点、すわなち、バッテリカバー9を持つ部分が力点26となり、筐体カバー2の曲面形状の点27が支点となり、曲面形状の突起上に沿って変動する。プリント基板6の長穴形状の開いた切り欠き上の点が作用点28となり、テコの原理が構成される。
この作用点に生じる力の方向は、プリント基板6の嵌合コネクタ11が、筐体ケース1に固定されたマザーボード基板11aの嵌合コネクタ25から離れる方向に働く。
ある一定以上の力に達した時点で、コネクタの嵌合力を超えてプリント基板6が取り外し可能となる。
この瞬間を示した図8を等価的に示した図9(b)において、バッテリカバー9と鉛直方向のなす角度はθ2となる。このとき、力点26は点26aに移動し、支点27は点27aに、作用点28は28aに移動しており、プリント基板9を等価的に表した台車33は元の位置0よりLだけ進んでいる。
今、力点26と支点27間の距離は、支点27と作用点28間の距離よりもはるかに長くすることで、テコの原理により、力点26に加える力はコネクタの嵌合力に比べて小さくできる。わずかな力でしかも簡単にプリント基板9が筐体ケース1と筐体カバー2に対して取り外すことができる。
【0010】
また、図10に示すように円柱形状の突起を持った専用治具であるバッテリカバー9は筐体カバー2にツメ17、ツメ18により脱着可能な構造になっており、プリント基板を挿抜する場合と、本来の機能である保護カバーとしてバッテリ8を交換するときに取り外す場合を除いては、通常は筐体カバー2に装着されて具備される。
【0011】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電子部品を搭載した複数のプリント基板を収納するユニット装置において、プリント基板とユニット装置筐体に部品点数を増やすことなく、プリント基板を簡単に挿抜可能な構造としたので、装置の小型化、及び低コスト化を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すユニット装置の全体の等角図である。
【図2】本発明のプリント基板を説明する図で、(a)は外観斜視図、(b)プリント基板の部分拡大側面図である。
【図3】本発明の筐体カバーを説明する図で、(a)は外観斜視図、(b)は突起の側面断面図である。
【図4】本発明の専用治具を兼ねるバッテリカバーを説明する図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図5】プリント基板を取り外す前の状態を説明する図で、(a)は外観斜視図、(b)はその側面断面図、(c)はその正面図である。
【図6】プリント基板6を取り外し作業中の状態を説明する図で、(a)は外観斜視図、(b)はその側面断面図である。
【図7】取り外し動作直前の側面断面図である。
【図8】取り外し動作直後の側面断面図である。
【図9】本発明の取り外し動作を説明する等価機構図で、(a)は図7に対応する動作前の機構図、(b)は図8に対応する動作後の機構図である。
【図10】専用治具であるバッテリカバーが取り付けられた状態の本発明のユニット装置の外観斜視図である。
【符号の説明】
1 筐体ケース
2 筐体カバー
3 プリント基板
4 プリント基板
5 プリント基板
5a フェースカバー
6 プリント基板
7 プリント基板
7a フェースカバー
8 バッテリ
9 バッテリカバー
9a 作業者の指先
10 切り欠き
11 マザーボード基板への固定用コネクタ
11a マザーボード基板
12 突起
13 突起
14 突起
15 曲面形状
16 円柱形状突起
17 ツメ
18 ツメ
19 プリント基板半田面
20 基板ガイド
21 フェースカバー側面
22 空間
23 中心点
24 バッテリカバー端面
25 マザーボード基板側嵌合コネクタ
26 移動前の力点
26a 移動後の力点
27 移動前の支点
27a 移動後の支点
28 移動前の作用点
28a 移動後の作用点
29 筐体ケース1の等価図
30 筐体カバー2の曲面形状突起15の等価図
31 バッテリカバー9の等価図
32 バッテリカバー9の円柱形上突起16の等価図
33 プリント基板9の等価図
34 プリント基板9の切り欠き10の等価図
35 プリント基板の水平移動を表す車輪

Claims (1)

  1. 電子部品を搭載した複数のプリント基板およびデータ保持用のバッテリーを収納した筐体カバー付きユニット装置において、
    前記プリント基板が、前記ユニット装置に収納された状態で挿入口側の上辺部に長穴形状の開いた切り欠きを備え、
    前記データ保持用のバッテリが、前記ユニット装置から脱着可能な矩形状のバッテリカバーを備え、
    前記矩形状のバッテリカバーの四隅の一角に、前記プリント基板の切り欠きに挿入するための円柱形状突起が前記バッテリカバー面から垂直方向に形成され、
    前記筐体カバー内に収納された前記プリント基板の切り欠きの近傍に位置する前記筐体カバーの端部に曲面形状突起が形成されることにより、
    前記プリント基板を前記ユニット装置から抜く時に、前記バッテリーカバーを取り外してその円柱形状突起を前記プリント基板の切り欠きに挿入し、前記バッテリーカバーの一端縁を前記筐体カバーの曲面形状突起に当接してそこを支点として前記バッテリーカバーの他端縁を前記ユニット装置側に押すことで前記支点が前記筐体カバーの曲面形状突起上に沿って変動することを可能にさせることを特徴とするプリント基板収納ユニット装置。
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