JP4192543B2 - 搬送台車及び搬送台車の扉体開閉方法 - Google Patents

搬送台車及び搬送台車の扉体開閉方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造工場や物流倉庫等において搬送物を搬送する搬送台車及び搬送台車の扉体開閉方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、半導体工場や液晶工場等のクリーンルーム内においては、シリコンウェハや液晶ガラス基板等の搬送作業に搬送台車が使用されている。搬送台車は工場内に敷設された走行レールに沿って走行し、主に前工程から次工程へ仕掛品等を搬送する搬送機器として利用されている。この種の搬送台車は例えば特許文献1等に開示されている。
【0003】
搬送台車は、搬送物を収容する収容室と、搬送物の移載を行う移載部とを備えている。収容室内には、移載部が台車本体に対して水平面で旋回可能に装備されるとともに、同移載部と一体に旋回するシャッタが備えられている。搬送台車は、移載部を旋回させることで台車本体に設けられた開口部をシャッタにより開閉し、同移載部が備えるフォークによって搬送物の搬入・搬出作業を行っている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−196822号公報(第3−4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、半導体デバイスや液晶表示装置等において、製造プロセスの高度化・複雑化が著しく進展している。このため、半導体工場や液晶工場等では、製造工程間における仕掛品等の搬送量が年々増大化傾向にあることから、搬送作業の高効率化が要求されている。そこで、搬送物の搬入・搬出後、搬送台車の走行中に移載部を旋回させることで、搬送台車の稼動効率を向上させることが考えられる。
【0006】
ところで、クリーンルームは維持コストが高く、コストを低く抑えるためにクリーンルームを小面積化したい要望がある。そのためには搬送台車の保有面積を少なくすることが考えられるが、搬送台車の保有面積を小さくするには搬送台車を小型化する必要がある。しかし、搬送台車を小型化すると台車本体の台車幅が小さくなるので、旋回動作中に移載部の角部やシャッタの端部が台車側面よりも外側に突出することとなる。
【0007】
また、走行レールにはレールに沿って設備が設置されている。このため、搬送台車の稼働効率(搬送サイクル)の向上を図るために搬送台車の走行動作と移載部の旋回動作とを重ね合わせた場合、旋回動作中に移載部の角部やシャッタの端部が台車側面よりも外側に突出するので、移載部の角部やシャッタの端部が設備に干渉してしまう問題が生じていた。このため、設備等との干渉が心配される区間では、例えばシャッタを開けたまま走行しなければならず、クリーン度が低下する問題も生じる。
【0008】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、搬送のサイクルタイム及び収容室内のクリーン度を維持しつつ、設備との干渉を回避できる搬送台車を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、搬送物を収容する収容室の内部に旋回可能な移載部を設け、走行時に前記移載部が旋回することで該移載部と一体に旋回する扉体により前記収容室の開口部を開閉させる。また、駆動手段は前記移載部を旋回させるために駆動される。判断手段は旋回禁止エリアを指定する禁止エリアデータに基づき、目標位置までの走行ルート上に前記旋回禁止エリアがあるか否かを判断する。制御手段は前記判断手段の判断結果に基づき前記走行ルート上に前記旋回禁止エリアが存在すれば、前記駆動手段を駆動制御して該旋回禁止エリアでの旋回を禁止する。
【0010】
この発明によれば、移載部が旋回したとき、台車幅によっては旋回途中に移載部の角部が台車側面から突出する場合がある。この種の搬送台車では走行と旋回とを重ね合わせると、走行レールに沿って設置された設備に移載部の角部が干渉することが考えられる。しかし、走行ルート中で設備が存在する部分を旋回禁止エリアと設定すれば、そのエリアでは旋回が行われず、移載部が設備に干渉せずに済む。従って、クリーン度及び搬送サイクルを維持しつつ、設備との干渉が回避可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、搬送物搬入後に前記扉体を閉状態にする旋回動作を、走行を開始したときの走行動作に重ね合わせる。この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、扉体を閉状態にする旋回動作と停止状態から走行を開始するときの走行動作とを重ね合わせるとき、旋回禁止エリアでは旋回動作が行われないように旋回の開始タイミングが変更されるので、扉体を閉状態にするときに移載部が設備に干渉せずに済む。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記制御手段は、搬送物搬出前に前記扉体を開状態にする旋回動作を、走行を停止するときの走行動作に重ね合わせる。この発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、扉体を開状態にする旋回動作と走行状態から停止するときの走行動作とを重ね合わせるとき、旋回禁止エリアでは旋回動作が行われないように旋回の開始タイミングが変更されるので、扉体を開状態にするときに移載部が設備に干渉せずに済む。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記制御手段は、前記搬送物を搬入して走行を開始する前に、現在位置から目標位置までの距離から前記旋回禁止エリアの距離を除いた距離を走行するときに要する第1走行時間を計算し、該第1走行時間が前記移載部の2回分の旋回に要する旋回時間よりも短ければ、旋回を行わずに前記扉体を開けたままで走行させる。この発明によれば、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、例えば扉体の開閉動作を行って搬送物を搬送する場合に比べて搬送のサイクルタイムがよくなる。また、扉体を開けたままで走行させるが走行距離は短い距離であるので、大幅にクリーン度が低下することもない。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記制御手段は、前記搬送物を搬入して走行を開始する前に、現在位置から前記旋回禁止エリアまでの距離を走行するときに要する第2走行時間を計算し、前記第2走行時間が前記移載部の1回分の旋回に要する旋回時間以上であれば、走行開始とほぼ同時に前記扉体を閉状態にする旋回動作を開始させる。この発明によれば、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、走行開始とほぼ同時に旋回動作も開始されるので、搬送のサイクルタイムがよくなる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、請求項1に記載の発明おいて、前記制御手段は、前記搬送物を搬入して走行を開始する前に、現在位置から前記旋回禁止エリアまでの距離を走行するときに要する第2走行時間を計算し、前記第2走行時間が前記移載部の1回分の旋回に要する旋回時間よりも短ければ、前記移載部の旋回を完了して前記扉体を閉じ終えてから走行を開始させる。この発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、移載部の旋回が完了して扉体が閉じ終えてから走行が開始されるので、扉体を閉じるときに設備に干渉することはない。
【0016】
請求項7に記載の発明では、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の発明において、前記制御手段は、前記搬送物を搬入して走行を開始する前に、現在位置から前記旋回禁止エリアまでの距離を走行するときに要する第2走行時間を計算し、前記第2走行時間が前記移載部の1回分の旋回に要する旋回時間よりも短ければ、走行開始に先立ち前記移載部の旋回を開始して前記扉体の閉動作を開始し、この旋回時に旋回残り時間を計算し、前記旋回残り時間が前記第2走行時間以下になったとき、走行を開始させて旋回と走行とを重ね合わせる。この発明によれば、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、扉体を閉状態にする旋回動作が完了したあとに走行を開始する場合に比べて搬送のサイクルタイムが向上する。
【0017】
請求項8に記載の発明では、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記制御手段は、前記扉体が閉状態で目標位置に向かう走行時に、現在位置から目標位置までの距離を走行するときに要する第3走行時間を逐次計算し、前記第3走行時間が前記移載部の1回分の旋回に要する旋回時間以下であり、かつ前記判断手段の判断結果に基づき現在位置が前記旋回禁止エリアに位置してなければ、前記移載部の旋回を開始して前記扉体の開動作を開始させる。この発明によれば、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、旋回禁止エリアを抜け出たら直ちに扉体を開く旋回動作が開始されるので、移載部を旋回して扉体を開状態とするときに設備に干渉せず、かつ搬送のサイクルタイムもよくなる。
【0018】
請求項9に記載の発明では、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記制御手段は、前記扉体を閉じて目標位置に向かう走行時に、前記旋回禁止エリアの入口から目標位置までの走行距離を計算し、前記走行距離が所定の閾値以下であれば、前記旋回禁止エリアの入口に到達するとほぼ同時に前記扉体の開動作が完了するように前記移載部を旋回する。この発明によれば、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、旋回禁止エリアを抜け出た後に旋回を開始して扉体を開け始める場合に比べて搬送のサイクルタイムがよくなる。また、旋回禁止エリアの入口から目標位置までの走行距離は短いので、旋回禁止エリアに進入する前に扉体を開状態としても大幅にクリーン度が低下することはない。
【0019】
請求項10に記載の発明では、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の発明において、前記制御手段は、前記扉体を閉じて目標位置に向かう走行時に、前記旋回禁止エリアの入口から目標位置までの走行距離を計算し、前記走行距離が所定の閾値よりも長ければ、前記扉体を閉じたままで前記旋回禁止エリアを走行させる。この発明によれば、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の発明の作用に加え、旋回禁止エリアの入口から目標位置までの走行距離が長い場合に、旋回禁止エリアに進入する前に扉体を開けてしまうとクリーン度が落ちるが、扉体を閉状態のままにして旋回禁止エリアを走行するので、クリーン度が維持される。
【0020】
請求項11に記載の発明では、搬送物を収容する収容室の内部に旋回可能な移載部を設け、走行時に前記移載部が旋回することで該移載部と一体に旋回する扉体により前記収容室の開口部を開閉させる搬送台車の扉体開閉方法において、旋回禁止エリアを指定する禁止エリアデータに基づき、目標位置までの走行ルート上に前記旋回禁止エリアがあるか否かが判断手段によって判断され、前記判断手段の判断結果に基づき、前記走行ルート上に前記旋回禁止エリアが存在すれば該旋回禁止エリアでの旋回が制御手段によって禁止される。この発明によれば、請求項1と同様の作用が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した搬送台車の第1実施形態を図1〜図9に従って説明する。
【0022】
液晶製造工場のクリーンルーム内において、液晶ガラス基板等の搬送作業に、図1、図2に示す搬送台車10が使用されている。通常、液晶ガラス基板は、専用の搬送用カセットに格納された状態で搬送されている。クリーンルーム内には左右一対の走行レール11が敷設され、搬送台車10は走行レール11上を走行可能となっている。
【0023】
搬送台車10は、走行レール11に配設された給電線から非接触で電力を受電するようになっている。搬送台車10は、台車本体15の底部に、前後一対ずつの走行輪16,17(図2参照)を備えている。本例では前後一対ずつの走行輪16,17のうち図2に示す紙面奥行き側が駆動輪16、手前側が従動輪17となっている。
【0024】
搬送台車10は、台車本体15の上部に、クリーンユニットとしてのファンフィルタユニット(FFU)19を備えている。ここでいうファンフィルタユニット19とは、送風ファンと排気フィルタとを備え、清浄なエアを供給することで車室内のクリーン環境を確保するためのものである。また、走行レール11にはレールに沿って給電線12が敷設され、搬送台車10は給電線12を介して非接触で電力を受電している。
【0025】
図2〜図4に示すように、搬送台車10は台車本体15内に搬送物21が収容される収容室20を備えている。また、搬送台車10は台車本体15の両側面(本例では左右側面)に搬送物21の出し入れを行うための開口部23を有している。収容室20内には一対のコンベアローラ24を有する移載部25が設けられ、その移載部25は台車本体15に対して水平面で旋回可能となっている。
【0026】
移載部25の両端部には一対のシャッタ26が取り付けられている。移載部25が旋回するとこれと一体回動するシャッタ26も旋回し、この旋回動作に伴ってシャッタ26が台車本体15の開口部23を開放或いは非開放状態にする。また、本例では移載部25が図3に示すシャッタ26の閉状態位置(実線)を基準として両側へ略90度ずつ旋回可能であり、この旋回動作によってシャッタ26が水平面内で90度回動することにより収容室20が開閉する。
【0027】
図3に示すように、搬送台車10がクリーンルーム内を走行する際、移載部25はその両端部に設けられたシャッタ26が開口部23を閉じる向きに配置されている。この場合、収容室20内は台車本体15の上部に取付けられたファンフィルタユニット19から清浄なエアが下方へ吹き出すように供給され、クリーンルーム内の気圧に対し正圧に設定されている。このため、搬送物21が収容される収容室20内は、パーティクルがほとんど存在しない高クリーン環境が維持されている。
【0028】
図4に示すように、搬送物21を収容室20内に搬入・搬出する際、移載部25は図3に示す搬送台車10の走行時から、台車本体15に対して水平面で90度旋回される。即ち、移載部25はその両端部に設けられたシャッタ26が開口部23を開放する向きに配置される。そして、クリーンルーム内に設置されたステーションSTと搬送台車10との間で開口部23を介して搬送物21の搬入・搬出作業が行われる。
【0029】
走行レール11にはレールに沿って等間隔にドグ27が設置されている。これらドグ27は一定の幅を有したプレートから構成され、各々のドグ27に応じてそのプレート間隔が異なっている。これらドグ27のうち所定のものはステーションSTに設置される。搬送台車10はドグ27を検出可能な位置にドグセンサ28(図5参照)を備えている。ドグセンサ28はこれらドグ27を検出し、そのドグ27に応じた出力信号を出力する。
【0030】
図5に示すように、搬送台車10には走行モータ29,30及び走行エンコーダ31が装備されている。走行モータ29,30は前後各々の駆動輪16に配置され、駆動輪16を駆動して搬送台車10を走行させる。走行エンコーダ31は例えばロータリエンコーダからなり、搬送台車10が走行したときの従動輪17の回転数(回転量)を検出してその回転数に応じた検出信号を出力する。
【0031】
また、搬送台車10には旋回モータ32及び旋回エンコーダ33が装備されている。旋回モータ32は出力軸が移載部25に連結され、出力軸を回転して移載部25を旋回させる。旋回エンコーダ33は例えばロータリエンコーダからなり、移載部25が旋回したときの回転数(回転量)を検出してその回転数に応じた検出信号を出力する。
【0032】
搬送台車10はCPU34、ROM35、RAM36、EEPROM37、インバータコントローラ38,39を備え、これらはバス40により相互に接続されている。CPU34はインバータコントローラ38を介して走行モータ29,30を駆動制御する。本例において搬送台車10は、図6に示すように加速、最高速(定速)、減速の速度波形をとって走行している。
【0033】
搬送台車10の走行時、CPU34は走行エンコーダ31からの検出信号に基づき搬送台車10の走行速度、走行方向、走行位置を演算する。このとき、CPU34はドグセンサ28の検出信号に基づき、走行エンコーダ31から求まる走行位置を補正している。また、CPU34は搬送台車10が目標速度をとるように走行モータ29,30をフィードバック制御している。
【0034】
CPU34はインバータコントローラ39を介して旋回モータ32を駆動制御する。移載部25の旋回時、CPU34は旋回エンコーダ33からの検出信号に基づき移載部25の旋回速度、旋回方向、旋回位置を演算する。また、CPU34は移載部25の旋回速度が目標速度をとるように旋回モータ32をフィードバック制御している。
【0035】
バス40には入力装置41及び通信装置42が接続されている。入力装置41は搬送台車10のEEPROM37に記憶された各種データを入力或いは書き換える装置である。また、通信装置42は給電線12を介して地上コントローラ(図示省略)と通信可能であり、この地上コントローラから各種指令信号を受信する。
【0036】
ここで、通信装置42を介して受信した指令信号によって移動先となるステーションSTが指定されると、CPU34はそれを目標位置P2として取り込み、現在位置P1から目標位置P2までの走行ルートを決めて搬送台車10を走行させる。また、CPU34はドグセンサ28の検出信号が目標位置のステーションSTに応じた信号となったとき、搬送台車10を停止させる。
【0037】
ROM35には搬送台車10の走行動作と移載部25(シャッタ26)の旋回動作とを重ね合わせる条件下で、所定条件を満たしたときに走行動作中の旋回動作を許可しない旋回禁止処理を実行する制御プログラムが記憶されている。また、EEPROM37には旋回禁止エリアE(図9参照)のデータ(禁止エリアデータ)が記憶されている。この禁止エリアデータは入力装置41によって入力され、旋回禁止エリアの開始位置と終了位置のデータである。
【0038】
図9に示すように、ステーションST(本例ではST1,ST2)は走行レール11に沿って設置されている。ここで、搬送台車10はステーションST1からステーションST2へ搬送物21を搬送している。また、両ステーションST1,ST2間における搬送経路に対しその外側近傍には、ステーションSTと反対側に設備43が設置されている。本例の設備43は走行開始位置付近と目標位置付近とに各々2つずつ(合計4つ)設置されている。
【0039】
搬送台車10は荷の搬送のサイクルタイムを悪化させないために、走行動作と旋回動作とを重ね合わせている。即ち、ステーションSTで搬送物21を搬入されると、搬送台車10は走行を開始するとほぼ同時に移載部25の旋回動作を開始してシャッタ26の閉動作を開始する。また、搬送台車10が目標位置となるステーションSTに近づくと、ステーションSTに到着するとほぼ同時にシャッタ26が完全に開いた状態となるように、走行中に移載部25を走行開始時と逆方向に旋回してシャッタ26の開動作を開始する。
【0040】
ところで、この種のクリーンルームはルーム面積に応じて維持費がかかるので、このルーム面積を小さくするために搬送台車10の台車本体を小型化して搬送台車10の保有面積を小さくしている。このように搬送台車10を小型化すると搬送台車10の台車幅h(図3参照)が短くなり、走行動作と旋回動作を重ね合わせた場合、移載部25が旋回する途中で移載部25の角部22やシャッタ26の端部が台車側面から突出して設備43と干渉することがある。
【0041】
このため、設備43が存在する区間が旋回禁止エリアEとして設定されている。旋回禁止エリアEは移載部25の旋回を禁止する区間であり、本例では走行開始位置付近に設定されたE1と、目標位置付近に設定されたE2とがある。ここで、本例では走行動作とシャッタ閉動作とを同時に開始したとき、その旋回動作区域が旋回禁止エリアE1と一部重複している。また、走行停止したときとほぼ同時にシャッタ開動作が終了するとき、その旋回動作区域が旋回禁止エリアE2と一部重複している。
【0042】
CPU34は制御プログラム及び禁止エリアデータに基づき以下に示す旋回禁止処理を実行する。まず、図6に示すように搬送物21を搬入するために停止したステーションST1を現在位置P1とし、搬送物21を搬出するために次に停止するステーションST2を目標位置P2とする。この場合、CPU34は現在位置P1と目標位置P2との間の距離から旋回禁止エリアEの距離を除いた残り距離L1を走行する時間Tr1を計算する。
【0043】
EEPROM37には各ステーションSTの位置が座標(X,Y)で設定されたルートマップが記憶されている。CPU34はEEPROM37に記憶されたルートマップを読み出し、このルートマップを参照することで現在位置P1と目標位置P2との各座標を求める。そして、走行ルートにおいて現在位置P1を始点、目標位置P2を終点として、この2位置間のルート上の距離を求めることで現在位置P1と目標位置P2との間を走行する距離Laが計算される。なお、以下に示す距離計算も同様の手順で行われている。
【0044】
距離Laが計算されると、この距離Laから旋回禁止エリアE1,E2の距離Lb,Lcが減算されて距離L1が計算され、この距離L1と搬送台車10の走行速度とから時間Tr1が計算される。シャッタ26を閉じるとき又は開くときの1回の旋回動作に要する旋回時間をTtとすると、CPU34は時間Tr1と2回分の旋回動作に要する時間Tt×2とを比較する。時間Tr1が時間Tt×2よりも短ければ、目標位置P2までの走行距離が非常に短いので、搬送台車10はシャッタ26を閉めずに目標位置P2まで走行する。
【0045】
一方、時間Tr1が時間Tt×2以上であれば、CPU34は現在位置P1と旋回禁止エリアEとの間の距離L2を走行する時間Tr2を計算する。そして、時間Tr2と1回分の旋回動作に要する時間Ttとを比較する。時間Tr2が時間Ttよりも短ければ、走行動作と旋回動作とを重ねると旋回動作中に旋回禁止エリアに進入するので、搬送台車10は停止した状態でシャッタ26を閉め、閉じ終わってから目標位置P2に向かって走行を開始する。
【0046】
また、時間Tr2が時間Tt以上であれば、走行動作と旋回動作とを重ねても旋回動作中に旋回禁止エリアE1に進入しないので、走行動作及び旋回動作を同時に開始する。搬送台車10の走行時、CPU34は走行中の現在位置P1から目標位置P2までの距離L3を走行する際に要する時間Tr3を逐次計算している。
【0047】
そして、時間Tr3と1回分の旋回動作に要する時間Ttとを比較し、時間Tr3が時間Ttよりも長ければ時間Tr3の計算を継続する。一方、時間Tr3が時間T以下となると、CPU34は現在位置が旋回禁止エリアE2内か否かを判断し、旋回禁止エリアE2から抜けると目標位置P2に到着する前に移載部25の旋回動作を開始してシャッタ26を開け始める。
【0048】
次に、CPU34が実行する旋回禁止処理を図7及び図8に示すフローチャートに従って説明する。
まず、ステップ(以下、単にSと記す)100では、現在位置P1と目標位置P2との間に旋回禁止エリアEがあるか否かを判断する。旋回禁止エリアがなければS110に移行し、存在するならばS120に移行する。
【0049】
S110では、通常の走行旋回動作を実行する。即ち、搬送台車10の走行開始と同時にシャッタ26を閉じ始め、走行動作と旋回動作とを重ね合わせる。そして、ステーションST2に到着する前にシャッタ26を開き始め、ステーションST2に停止するとほぼ同時にシャッタ26が開いた状態となる。
【0050】
S120では、目標位置P2までの距離から旋回禁止エリアEの距離を除いた残り距離L1を走行する時間Tr1を計算する。
S130では、Tr1≧Tt×2が成立するか否かを判断する。そして、Tr1≧Tt×2が不成立であればS140に移行し、成立すればS150に移行する。
【0051】
S140では、旋回動作を行わずに走行を開始する。このように、2回分の旋回動作に要する時間よりも短い距離を走行する場合には、シャッタ26を開けたままでステーションST2まで走行する。
【0052】
S150では、現在位置P1から旋回禁止エリアEまでの距離を走行する時間Tr2を計算する。
S160では、Tr2≧Ttが成立するか否かを判断する。そして、Tr2≧Ttが不成立であればS10に移行し、成立すればS10に移行する。
【0053】
S170では、搬送台車10の走行を開始するとともに、移載部25の旋回動作(シャッタ閉動作)を開始する。これにより、搬送台車10は目標位置P2に向かって走行する。
【0054】
S180では、移載部25の旋回動作が完了したか否かを判断する。旋回動作が完了していなければそのまま待機し、完了すればS220に移行する。
一方、S190では、走行を開始する前に移載部25の旋回動作(シャッタ閉動作)を開始する。
【0055】
S200では、移載部25の旋回動作が完了したか否かを判断する。旋回動作が完了していなければそのまま待機し、完了すればS210に移行する。
S210では、搬送台車10の走行を開始する。これにより、搬送台車10は搬送物21を搬入してシャッタ26が閉じられてから走行を開始し、目標位置P2に向かって走行する。
【0056】
S220では、現在位置P1と目標位置P2との間に旋回禁止エリアEがあるか否かが判断される。旋回禁止エリアがなければS230に移行し、存在するならばS240に移行する。
【0057】
S230では、通常の走行旋回動作を実行する。このため、ステーションST2に到着する前にシャッタ26が開き始め、ステーションST2に停止するとほぼ同時にシャッタ26が開いた状態となる。
【0058】
S240では、現在の走行位置から目標位置P2までの距離を走行する時間Tr3を計算する。
S250では、Tt≧Tr3が成立するか否かを判断する。そして、Tt≧Tr3が不成立であれば今現在の時間Tr3を計算し直して再び判断を行い、成立すればS260に移行する。
【0059】
S260では、走行中の現在位置が旋回禁止エリアE内か否かを判断する。ここで、現在位置が旋回禁止エリアE内であれば待機し、旋回禁止エリアE内でないならばS270に移行する。
【0060】
S270では、移載部25の旋回動作(シャッタ開動作)を開始する。これにより、搬送台車10が目標位置P2に到着する前にシャッタ26の開動作が開始される。
【0061】
本例では、停止状態から走行を開始するときの走行動作と、シャッタ26を閉状態にする旋回動作とを同時に開始したとき、旋回動作中の移載部25が旋回動作区域に存在する設備43に干渉することが考えられる。ここで、設備43が存在する区域を旋回禁止エリアEとして、旋回動作区域と旋回禁止エリアEとが重複しなければ、走行動作と旋回動作(シャッタ閉動作)とが同時に開始される。従って、搬送のサイクルタイムがよくなり、さらにシャッタ26を閉じる構成でもあるので、収容室20内のクリーン度も維持される。
【0062】
一方、旋回動作区域と旋回禁止エリアEとが重複すれば、走行動作と旋回動作とを同時に開始すると移載部25が設備43に干渉する状況下であると見なされる。この場合では、旋回禁止エリアEで旋回動作が行われないように走行開始に先立って旋回動作を開始して、シャッタ26が閉状態となってから走行が開始される。このため、旋回禁止エリアEではシャッタ26を閉じる旋回動作が行われず、移載部25が設備43に干渉することはない。
【0063】
また、搬送台車10が目標位置P2に到着したとほぼ同時にシャッタ26が開状態となるように走行動作と旋回動作とを重ね合わせたとき、旋回動作中の移載部25が旋回動作区域に存在する設備43に干渉することが考えられる。このとき、シャッタ26を開状態にする旋回動作区域と旋回禁止エリアEが重複しなければ、走行動作と旋回動作(シャッタ開動作)とが同時に行われる。従って、搬送のサイクルタイムがよくなり、かつ収容室20内のクリーン度も維持される。
【0064】
一方、旋回動作区域と旋回禁止エリアEとが重複すれば、走行動作と旋回動作とを同時に開始すると移載部25が設備43に干渉する状況下であると見なされる。この場合では、旋回禁止エリアEで旋回動作が行われないように、旋回禁止エリアEを抜け出てから旋回動作(シャッタ開動作)が開始される。このため、旋回禁止エリアEではシャッタ26を開く旋回動作が行われず、移載部25が設備43に干渉することはない。
【0065】
この実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)走行動作と旋回動作(シャッタ開閉動作)とを重ね合わせる構成としても、旋回禁止エリアEでは移載部25の旋回を禁止したので、搬送のサイクルタイム及び収容室20内のクリーン度を維持しつつ、移載部25の設備43との干渉を回避できる。
【0066】
(2)旋回動作が旋回禁止エリアEで行われるときには、シャッタ26の開閉タイミングをずらすことによって旋回禁止エリアEで旋回動作を実施しないようにすることができる。
【0067】
(3)全体の走行距離から旋回禁止エリアEを走行する距離を除いた距離L1を走行するときに要する時間Tr1が、2回分の旋回時間Tt×2よりも短い場合には、シャッタ26を開けたままで走行を行う。従って、シャッタ26を開閉して走行を行う場合に比べて搬送のサイクルタイムがよくなる。また、シャッタ26を開けたままで走行させるが走行距離は短いので、収容室20内のクリーン度が大幅に低下することもない。
【0068】
(4)搬送台車10の走行開始とシャッタ26の閉動作の開始とをずらす方法として、シャッタ26が閉じた状態となってから走行を開始するので、移載部25を設備43に干渉させずに済み、かつ高いクリーン度も維持できる。
【0069】
(5)現在位置P1から目標位置P2までの距離L3を走行する時間Tr3が、1回分の旋回時間Tt以下となったとき、旋回禁止エリアEを抜け出したら直ちにシャッタ26の開動作を開始するので、移載部25を設備43に干渉させずに済み、かつ搬送のサイクルタイムがよくなる。
【0070】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図10〜図13に従って説明する。本例は第1実施形態と比べて旋回禁止処理の内容が異なっており、他の基本的な構成は同じである。よって、第1実施形態と同じ部分は同一符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0071】
まず、CPU34は現在位置P1と目標位置P2との間の距離から旋回禁止エリアEの距離を除いた残り距離L1を走行する時間Tr1を計算する。時間Tr1が時間Tt×2以上であれば、CPU34は現在位置P1と旋回禁止エリアEとの間の距離L2を走行する時間Tr2を計算する。そして、時間Tr2が時間Tt以上であれば、走行動作と旋回動作とを重ねても旋回動作中に旋回禁止エリアEに進入しないので、走行動作及び旋回動作を同時に開始する。
【0072】
一方、時間Tr2が時間Ttよりも短ければ、CPU34は走行動作に先駆けて移載部25の旋回動作を開始してシャッタ26を閉め始める。このとき、CPU34は旋回動作の残り時間Taを計算し、残り時間TaとTr2とを比較する。なお、1回の旋回動作に要する時間Ttから旋回開始後の経過時間Tsを減算することで残り時間Ta(=Tt−Ts)が計算される。残り時間TaがTr2以下になると、CPU34は搬送台車10の走行を開始し、シャッタ26が閉じる途中で搬送台車10の走行を開始させる。
【0073】
搬送台車10の走行時、CPU34は現在の走行位置から目標位置P2までの距離L3を走行する際に要する時間Tr3を逐次計算している。また、CPU34は旋回禁止エリアEの入口から目標位置P2までの距離Lxを計算し、この距離Lxと閾値Lzとを比較する。ここで、例えば図10に示すように目標位置P2の直前に短い間隔の旋回禁止エリアEが存在する例では、距離Lxが閾値Lzよりも小さくなる。
【0074】
このとき、CPU34は距離Lxの走行時に要する時間Trxを計算する。そして、CPU34は1回の旋回動作に要する時間Tt及び時間Trxを加算した値と、現在位置P1から目標位置P2に到達するまでの時間Tr3とを比較する。時間Tr3が時間Tt及び時間Trxを加えた値以下となったとき、CPU34は移載部25の旋回動作を開始してシャッタ26を開け始める。このため、搬送台車10が旋回禁止エリアEに進入する前にシャッタ26が開状態となる。
【0075】
また、この距離Lxと閾値Lzとを比較したとき、例えば図11に示すように旋回禁止エリアEが非常に長い例では、距離Lxが閾値Lz以上となる。このとき、CPU34は旋回禁止エリアEの出口から目標位置P2までの距離L4と、その距離L4の走行時に要する時間Tr4とを計算する。そして、CPU34は時間Ttと時間Tr4とを比較する。
【0076】
時間Tr4が時間Tt以下であれば、CPU34は旋回禁止エリアEから抜けたとほぼ同時に移載部25の旋回動作を開始してシャッタ26を開け始める。一方、時間Tr4が時間Ttよりも大きいとき、CPU34は現在位置P1から目標位置P2に到達する時間Tr3と時間Ttとを比較する。そして、時間Tr3が時間Tt以下となると、CPU34は搬送台車10が旋回禁止エリアEにないならば移載部25の旋回動作を開始してシャッタ26を開け始める。
【0077】
次に、CPU34が実行する旋回禁止処理を図12及び図13に示すフローチャートに従って説明する。なお、本例では第1実施形態のS100〜S190までが同じであり、S190の次はS300に移行する。
【0078】
S300では、Tr2≧Taが成立するか否かを判断する。ここで、Tr2≧Taが成立していればS310に移行し、成立していなければそのまま待機する。
S310では、搬送台車10の走行を開始する。
【0079】
S320では、移載部25の旋回動作が完了したか否かを判断する。ここで、旋回動作が完了していればS220に移行し、完了していなければそのまま待機する。また、本例では第1実施形態のS220〜S230が同じであり、S230の次はS330に移行する。
【0080】
S330では、旋回禁止エリアEの入口から目標位置P2までの距離Lxを計算する。
S340では、Lz≧Lxが成立するか否かを判断する。距離Lxが閾値Lz以下となってLz≧Lxが成立すればS350に移行し、不成立であればS390に移行する。
【0081】
S350では、距離Lxを走行する時間Trxを計算する。
S360では、Tt+Trx≧Tr3が成立するか否かを判断する。ここで、Tt+Trx≧Tr3が不成立ならば今現在の時間Tr3を計算し直して再び判断を行い、成立すればS370に移行する。
【0082】
S370では、移載部25の旋回動作(シャッタ開動作)を開始する。これにより、シャッタ26は旋回禁止エリアEに進入する前に開いた状態となり、搬送台車10はシャッタ26が開状態で旋回禁止エリアEを走行する。
【0083】
一方、S380では、旋回禁止エリアEの出口から目標位置P2までの距離L4を計算する。
S390では、距離L4の走行時に要する時間Tr4を計算する。
【0084】
S400では、Tt≧Tr4が成立するか否かを判断する。ここで、Tt≧Tr4が成立するならばS410に移行し、不成立であればS430に移行する。
S410では、現在位置P1が旋回禁止エリアE内か否かを判断する。旋回禁止エリアE内であればそのまま待機し、旋回禁止エリア内でないならばS420に移行する。
【0085】
S420では、移載部25の旋回動作(シャッタ開動作)を開始する。これにより、旋回禁止エリアEを抜け出ると直ぐに移載部25の旋回動作が開始されてシャッタ26が開き始め、走行動作と旋回動作(シャッタ開動作)とが重ね合わされる。
【0086】
S430では、Tt≧Tr3が成立するか否かを判断する。ここで、Tt≧Tr3が不成立ならば今現在の時間Tr3を計算し直して再び判断を行い、成立すればS440に移行する。
【0087】
S440では、現在位置P1が旋回禁止エリアE内か否かを判断する。旋回禁止エリアE内であればそのまま待機し、旋回禁止エリア内でないならばS450に移行する。
【0088】
S450では、移載部25の旋回動作(シャッタ開動作)を開始する。これにより、このため、ステーションST2に到着する前にシャッタ26が開き始め、ステーションST2に停止するとほぼ同時にシャッタ26が開いた状態となる。
【0089】
この構成においても前記実施形態の(1)〜(3)及び(5)と同様な効果が得られる他に、次の効果が得られる。
(6)搬送台車10の走行開始とシャッタ26の閉動作の開始とをずらす方法として、シャッタ26を閉じ終わる途中の所定のタイミングで走行を開始するので、シャッタ26が完全に閉じてから走行を開始する場合に比べて搬送のサイクルタイムを向上できる。
【0090】
(7)旋回禁止エリアEの入口と目標位置P2との距離Lxが閾値Lz以下となって非常に短いときには、旋回禁止エリアEに進入する前に予めシャッタ26を開けた状態としておくので、旋回禁止エリアEを抜け出てからシャッタ開動作を行う場合に比べて搬送のサイクルタイムを向上できる。また、旋回禁止エリアEの入口と目標位置P2との距離Lxは非常に短いので、旋回禁止エリアEに進入する前にシャッタ26を開状態としても大幅にクリーン度が低下することはない。
【0091】
(8)旋回禁止エリアEの入口と目標位置P2との距離Lxが閾値Lzよりも長いときには、シャッタ26を閉じたままで旋回禁止エリアEを走行するので、収容室20内のクリーン度を高い状態で維持できる。
【0092】
なお、実施形態は前記に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
○ 第1及び第2実施形態において、シャッタ26を開閉するときの開始タイミングは、シャッタ26の旋回動作が旋回禁止エリアE内で行われなければどの位置でもよい。
【0093】
○ 第1及び第2実施形態において、搬送台車10の走行速度は停止状態から1回の加速で定速状態に至り、定速状態から1回の減速で停止状態に至る速度パターンとすることに限定されない。例えば、停止状態から複数回の加速で定速状態に至り、定速状態から複数回の減速で停止状態に至る速度パターンで走行するなど、速度パターンを自由に変更してもよい。
【0094】
○ 第1及び第2実施形態において、移載部25を旋回するときの旋回速度の速度パターンは自由に設定してもよい。例えば、走行速度の速度波形が台形をとるものに限らず、複数回の加速や減速をもつ速度パターンでもよい。
【0095】
○ 第1及び第2実施形態において、走行モータ29,30及び旋回モータ32の速度制御はフィードバック制御に限らず、例えばフィードフォワード制御を用いてもよい。
【0096】
○ 第1及び第2実施形態において、搬送台車10はクリーンルームの床面上の走行レール11を走行する有軌道台車に具体化されていた。しかし、搬送台車10は、これに限られるものではなく、天井及び空間等を走行する天井走行台車に具体化してもよい。
【0097】
○ 第1及び第2実施形態において、搬送台車10は台車本体15の上部に、ファンフィルタユニット19を備えていた。しかし、ファンフィルタユニット19は、清浄なエアを収容室20内に供給可能であれば、台車本体15の任意の位置に取り付けられてもよい。また、搬送台車10は、その使用環境に応じて、ファンフィルタユニット19を備えなくても差し支えない。
【0098】
○ 第1及び第2実施形態において、入力装置41及び通信装置42は有線及び無線のどちらを用いてもよい。
○ 第1及び第2実施形態において、走行エンコーダ31はロータリエンコーダに限定されず、例えば走行レール11のレール面に接触して転動するように設けられた従動輪17の回転数を検出するものでもよい。
【0099】
○ 第1及び第2実施形態において、搬送物21を搬入するステーションSTを目標位置P2となるステーションST2とが走行レール11を挟んで互いに反対側に位置する場合がある。このときには、移載部25が走行開始時と同方向に略90度旋回されて、シャッタ26の開動作が行うようにしている。この場合、移載部25の旋回量を少なくできる。
【0100】
○ 第1及び第2実施形態において、駆動手段はモータ(旋回モータ32)に限らず、例えばシリンダ等の他の駆動源を用いてもよい。
○ 第1及び第2実施形態において、搬送台車10は液晶製造工場のクリーンルーム内において、液晶ガラス基板等の搬送作業に使用されていた。しかし、搬送台車10は、これ以外の使用方法に適用されてもよく、例えば、物流倉庫における荷物の搬送作業に使用することもできる。
【0101】
前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(1)請求項1〜10のいずれかにおいて、前記移載部の旋回が前記旋回禁止エリアで行われないように前記旋回の開始タイミングを変更して走行と旋回とを重ね合わせる。この場合、移載部の旋回が旋回禁止エリアで行われないように旋回の開始タイミングが変更されるので、移載部が設備に干渉せずに済む。
【0102】
(2)請求項1〜10のいずれかにおいて、前記制御手段は、搬送物搬入後に前記扉体を閉状態にする旋回動作と、搬送物搬出前に前記扉体を開状態にする旋回動作とを、走行を停止するときの走行動作に重ね合わせる。
【0103】
(3)請求項1〜10のいずれかにおいて、前記禁止エリアデータを記憶する記憶手段を備えた。この場合、走行開始前に禁止エリアデータを毎回入力する必要がなくなる。
【0104】
(4)請求項11において、請求項1〜10及び前記技術的思想(1)〜(3)のうちいずれか一項の構成要件を備える。
【0105】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、走行と旋回とを重ね合わせる構成であっても旋回禁止エリアでは旋回を禁止するので、搬送のサイクルタイム及び収容室内のクリーン度を維持しつつ、設備との干渉を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における搬送台車の斜視図。
【図2】 搬送台車の側面図。
【図3】 開口部が閉じている状態での搬送台車の平面図。
【図4】 開口部が開口している状態での搬送台車の平面図。
【図5】 搬送台車の電気的構成を示すブロック図。
【図6】 搬送台車の経過時間に対する速度変化を示す速度波形図。
【図7】 CPUが旋回禁止処理を実行するときのフローチャート。
【図8】 図7のフローの続きを示すフローチャート。
【図9】 搬送台車が走行するときの走行と旋回の関係を示す説明図。
【図10】 第2実施形態の搬送台車の走行と旋回の関係を示す説明図。
【図11】 搬送台車が走行するときの走行と旋回の関係を示す説明図。
【図12】 CPUが旋回禁止処理を実行するときのフローチャート。
【図13】 図12のフローの続きを示すフローチャート。
【符号の説明】
10…搬送台車、20…収容室、21…搬送物、23…開口部、25…移載部、26…扉体としてのシャッタ、32…駆動手段としての旋回モータ、34…判断手段及び制御手段を構成するCPU、E(E1,E2)…旋回禁止エリア、P1…現在位置、P2…目標位置、Tr1…第1走行時間としての時間、Tr2…第2走行時間としての時間、Tr3…第3走行時間としての時間、Tt…旋回時間、Ta…残り時間、L1〜L3…距離、Lx…走行距離としての距離、Lz…閾値。

Claims (11)

  1. 搬送物を収容する収容室の内部に旋回可能な移載部を設け、走行時に前記移載部が旋回することで該移載部と一体に旋回する扉体により前記収容室の開口部を開閉させる搬送台車において、
    前記移載部を旋回させるために駆動される駆動手段と、
    旋回禁止エリアを指定する禁止エリアデータに基づき、目標位置までの走行ルート上に前記旋回禁止エリアがあるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段の判断結果に基づき前記走行ルート上に前記旋回禁止エリアが存在すれば、前記駆動手段を駆動制御して該旋回禁止エリアでの旋回を禁止する制御手段と
    を備えた搬送台車。
  2. 前記制御手段は、搬送物搬入後に前記扉体を閉状態にする旋回動作を、走行を開始したときの走行動作に重ね合わせる請求項1に記載の搬送台車。
  3. 前記制御手段は、搬送物搬出前に前記扉体を開状態にする旋回動作を、走行を停止するときの走行動作に重ね合わせる請求項1又は2に記載の搬送台車。
  4. 前記制御手段は、前記搬送物を搬入して走行を開始する前に、現在位置から目標位置までの距離から前記旋回禁止エリアの距離を除いた距離を走行するときに要する第1走行時間を計算し、該第1走行時間が前記移載部の2回分の旋回に要する旋回時間よりも短ければ、旋回を行わずに前記扉体を開けたままで走行させる請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の搬送台車。
  5. 前記制御手段は、前記搬送物を搬入して走行を開始する前に、現在位置から前記旋回禁止エリアまでの距離を走行するときに要する第2走行時間を計算し、前記第2走行時間が前記移載部の1回分の旋回に要する旋回時間以上であれば、走行開始とほぼ同時に前記扉体を閉状態にする旋回動作を開始させる請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の搬送台車。
  6. 前記制御手段は、前記搬送物を搬入して走行を開始する前に、現在位置から前記旋回禁止エリアまでの距離を走行するときに要する第2走行時間を計算し、前記第2走行時間が前記移載部の1回分の旋回に要する旋回時間よりも短ければ、前記移載部の旋回を完了して前記扉体を閉じ終えてから走行を開始させる請求項1に記載の搬送台車。
  7. 前記制御手段は、前記搬送物を搬入して走行を開始する前に、現在位置から前記旋回禁止エリアまでの距離を走行するときに要する第2走行時間を計算し、前記第2走行時間が前記移載部の1回分の旋回に要する旋回時間よりも短ければ、走行開始に先立ち前記移載部の旋回を開始して前記扉体の閉動作を開始し、
    この旋回時に旋回完了までの残り時間を計算し、前記残り時間が前記第2走行時間以下になったとき、走行を開始させて旋回と走行とを重ね合わせる請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の搬送台車。
  8. 前記制御手段は、前記扉体が閉状態で目標位置に向かう走行時に、現在位置から目標位置までの距離を走行するときに要する第3走行時間を逐次計算し、前記第3走行時間が前記移載部の1回分の旋回に要する旋回時間以下であり、かつ前記判断手段の判断結果に基づき現在位置が前記旋回禁止エリアに位置してなければ、前記移載部の旋回を開始して前記扉体の開動作を開始させる請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の搬送台車。
  9. 前記制御手段は、前記扉体を閉じて目標位置に向かう走行時に、前記旋回禁止エリアの入口から目標位置までの走行距離を計算し、前記走行距離が所定の閾値以下であれば、前記旋回禁止エリアの入口に到達するとほぼ同時に前記扉体の開動作が完了するように前記移載部を旋回する請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の搬送台車。
  10. 前記制御手段は、前記扉体を閉じて目標位置に向かう走行時に、前記旋回禁止エリアの入口から目標位置までの走行距離を計算し、前記走行距離が所定の閾値よりも長ければ、前記扉体を閉じたままで前記旋回禁止エリアを走行させる請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の搬送台車。
  11. 搬送物を収容する収容室の内部に旋回可能な移載部を設け、走行時に前記移載部が旋回することで該移載部と一体に旋回する扉体により前記収容室の開口部を開閉させる搬送台車の扉体開閉方法において、
    判断手段は旋回禁止エリアを指定する禁止エリアデータに基づき、目標位置までの走行ルート上に前記旋回禁止エリアがあるか否かを判断し、制御手段は前記判断手段の判断結果に基づき、前記走行ルート上に前記旋回禁止エリアが存在すれば該旋回禁止エリアでの旋回を禁止する搬送台車の扉体開閉方法。
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