JP4192526B2 - クマリン化合物の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬・農薬等の合成原料や合成中間体として有用な、クマリン化合物の新規な製法に関する。クマリン化合物の中でも、特に、6,7-ジヒドロキシクマリン誘導体は、例えば、ホスホリパーゼ活性阻害作用を有し、リウマチ性関節炎、変形性関節症等の炎症性疾患治療薬の合成原料として利用される化合物である(例えば、特表平8-512057号公報)。又、ヒト腫瘍細胞への殺傷作用を示す化合物の出発原料としても有用である(Tetrahedron Letters,41,9596(2000))。
【0002】
【従来の技術】
従来、フェノール誘導体とアルコキシメチレンマロン酸ジエステルとを反応させてクマリン化合物を製造する方法としては、1,3,5-トリヒドロキシベンゼンや1,2,4-トリヒドロキシベンゼンとエトキシメチレンマロン酸ジエチルとを無溶媒条件下で反応させて、相当するクマリン化合物を収率30%以下で得る方法が開示されている(C.R.Hebd.Seances Acad.Sci.,246,1701(1958))。しかしながら、この方法では、収率が極めて低く、工業的な製法としては満足するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、入手が容易な原料から、簡便な方法によって高収率でクマリン化合物を得る、工業的に好適なクマリン化合物の製法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、有機スルホン酸類の存在下、一般式(1)
【0005】
【化4】
Figure 0004192526
【0006】
(式中、R、R及びRは、同一又は異なっていても良く、水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。なお、R、R及びRは、互いに結合して環を形成していても良い。)
で示されるフェノール誘導体と、一般式(2)
【0007】
【化5】
Figure 0004192526
【0008】
(式中、R及びRは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で示されるアルコキシメチレンマロン酸ジエステルとを反応させることを特徴とする、一般式(3)
【0009】
【化6】
Figure 0004192526
【0010】
(式中、R、R及びRは、前記と同義である。)
で示される、クマリン化合物の製法によって解決される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の反応において使用されるフェノール誘導体は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、R、R及びRは、同一又は異なっていても良く、水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基、テトラメチレンジオキシ基が挙げられるが、好ましい態様は、R及びRがヒドロキシル基、Rが水素原子である。なお、R、R及びRは、互いに結合して環を形成していても良い。
【0012】
前記フェノール誘導体の使用量は、アルコキシメチレンマロン酸ジエステル1molに対して、好ましくは0.8〜2.0mol、更に好ましくは1.0〜1.4molである。
【0013】
本発明の反応において使用されるアルコキシメチレンマロン酸ジエステルは、前記の一般式(2)で示される。その一般式(2)において、R及びRは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基が挙げられる。
【0014】
本発明の反応において使用される酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、p-ブロモベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類(水和物も含む);硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸類が挙げられるが、好ましくは有機スルホン酸類、更に好ましくはp-トルエンスルホン酸が使用される。なお、これらの酸は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0015】
前記酸の使用量は、アルコキシメチレンマロン酸ジエステル1molに対して、好ましくは0.01〜0.30mol、更に好ましくは0.02〜0.25mol、特に好ましくは0.03〜0.20molである。
【0016】
本発明の反応は、溶媒中で行うのが好ましい。使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に限定されず、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等のアミド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル類が挙げられるが、好ましくはカルボン酸類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
【0017】
前記酸の使用量は、反応液の均一性や攪拌性により適宜調節するが、アルコキシメチレンマロン酸ジエステル1gに対して、好ましくは1〜200mlである。
【0018】
本発明の反応は、例えば、不活性ガス雰囲気にて、フェノール誘導体、アルコキシメチレンマロン酸ジエステル、酸及び溶媒を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは10〜200℃、更に好ましくは80〜130℃であり、反応圧力は特に制限されない。
【0019】
本発明の反応によって得られるクマリン化合物は、反応終了後、例えば、中和、抽出、濃縮、濾過等の処理を行った後、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製される。
【0020】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0021】
実施例1(6,7-ジヒドロキシクマリンの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積50mlのガラス製四つ口フラスコに、酢酸25mlを加えた後、窒素雰囲気にて、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン5.85g(46.4mmol)を加えた。次いで、液温を100℃まで昇温し、エトキシメチレンマロン酸ジエチル4.28g(19.8mmol)、p-トルエンスルホン酸一水和物0.34g(1.8mmol)の順でゆるやかに添加し、攪拌しながら100℃にて2時間反応させた。その後、エトキシメチレンマロン酸ジエチル1.71g(7.9mmol)を添加して同温度にて1時間、再びエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.86g(4.0mmol)を添加して同温度にて1時間、更にエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.86g(4.0mmol)を添加して同温度にて5時間、攪拌しながら反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、析出した結晶を濾過して酢酸エチルで洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥させ、黄土色結晶として、純度97.3%(高速液体クロマトグラフィーによる定量値(内部標準法))の6,7-ジヒドロキシクマリン4.87gを得た(単離収率:75%)。
なお、6,7-ジヒドロキシクマリンの物性値は、以下の通りであった。
【0022】
CI-MS(m/e);179(M+1)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));6.20(1H,d,J=9.4Hz)、6.79(1H,s)、7.02(1H,s)、7.89(1H,d,J=9.4Hz)、9.48(1H,brs)、10.17(1H,brs)
13C-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));102.6、110.7、111.5、112.3、142.8、144.3、148.5、150.3、160.8
【0023】
実施例2(6,7-ジヒドロキシクマリンの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積100mlのガラス製四つ口フラスコに、酢酸50mlを加えた後、窒素雰囲気にて、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン4.95g(39.3mmol)を加えた。次いで、液温を110℃まで昇温し、エトキシメチレンマロン酸ジエチル4.28g(19.8mmol)をゆるやかに加えて2時間攪拌後、p-トルエンスルホン酸一水和物0.34g(1.8mmol)をゆるやかに添加し、攪拌しながら110℃にて2時間反応させた。その後、エトキシメチレンマロン酸ジエチル1.71g(7.9mmol)を添加して100℃にて1時間、再びエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.86g(4.0mmol)を添加して同温度にて1時間、更にエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.86g(4.0mmol)を添加して同温度にて2時間、攪拌しながら反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、析出した結晶を濾過して酢酸エチルで洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥させ、黄土色結晶として、純度97.8%(高速液体クロマトグラフィーによる定量値(内部標準法))の6,7-ジヒドロキシクマリン4.50gを得た(単離収率:69%)。
【0024】
実施例3(6,7-ジヒドロキシクマリンの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積50mlのガラス製四つ口フラスコに、酢酸25mlを加えた後、窒素雰囲気にて、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン5.85g(46.4mmol)を加えた。次いで、液温を110℃まで昇温し、エトキシメチレンマロン酸ジエチル4.28g(19.8mmol)、p-トルエンスルホン酸一水和物0.34g(1.8mmol)の順でゆるやかに添加し、攪拌しながら110℃にて2時間反応させた。その後、エトキシメチレンマロン酸ジエチル3.42g(15.8mmol)を添加して100℃にて6時間、攪拌しながら反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、析出した結晶を濾過して酢酸エチルで洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥させ、黄土色結晶として、純度96.3%(高速液体クロマトグラフィーによる定量値(内部標準法))の6,7-ジヒドロキシクマリン4.29gを得た(単離収率:65%)。
【0025】
実施例4(6-ヒドロキシ-7-メトキシクマリンの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積50mlのガラス製四つ口フラスコに、酢酸25mlを加えた後、窒素雰囲気にて、2,5-ジヒドロキシアニソール3.32g(23.7mmol)を加えた。次いで、液温を110℃まで昇温し、エトキシメチレンマロン酸ジエチル2.34g(10.8mmol)、p-トルエンスルホン酸一水和物0.17g(0.9mmol)の順でゆるやかに添加し、攪拌しながら110℃にて2時間反応させた。その後、エトキシメチレンマロン酸ジエチル0.78g(3.6mmol)を添加して109℃にて1時間、再びエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.39g(1.8mmol)を添加して同温度にて1時間、更にエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.39g(1.8mmol)を添加して107℃にて17時間、攪拌しながら反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル12mlを加えて、2℃で3時間攪拌した。析出した結晶を濾過して酢酸エチルで洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥させ、緑褐色結晶として、純度99.4%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の6-ヒドロキシ-7-メトキシクマリン1.54gを得た(単離収率:45%)。
なお、6-ヒドロキシ-7-メトキシクマリンの物性値は、以下の通りであった。
【0026】
CI-MS(m/e);193(M+1)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));3.85(3H,s)、6.22(1H,d,J=9.8Hz)、6.98(1H,s)、6.99(1H,s)、7.87(1H,d,J=9.3Hz)、9.35(1H,brs)
13C-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));56.1、100.0、111.5、111.9、112.5、143.6、144.2、148.4、151.8、160.7
【0027】
実施例5(7-ヒドロキシクマリンの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積50mlのガラス製四つ口フラスコに、酢酸25mlを加えた後、窒素雰囲気にて、1,3-ジヒドロキシベンゼン2.61g(23.7mmol)を加えた。次いで、液温を100℃まで昇温し、エトキシメチレンマロン酸ジエチル2.34g(10.8mmol)、p-トルエンスルホン酸一水和物0.17g(0.9mmol)の順でゆるやかに添加し、攪拌しながら100℃にて2時間反応させた。その後、エトキシメチレンマロン酸ジエチル0.78g(3.6mmol)を添加して106℃にて1時間、再びエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.39g(1.8mmol)を添加して104℃にて1時間、更にエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.39g(1.8mmol)を添加して103℃にて12時間、攪拌しながら反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル12mlを加えて、2℃で2時間攪拌した。析出した結晶を濾過して酢酸エチルで洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥させ、淡黄色結晶として、純度97.1%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の7-ヒドロキシクマリン0.42gを得た(単離収率:14%)。
なお、7-ヒドロキシクマリンの物性値は、以下の通りであった。
【0028】
CI-MS(m/e);163(M+1)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));6.17(1H,d,J=9.3Hz)、6.69(1H,d,J=2.0Hz)、6.76(1H,dd,J=8.3,2.4Hz)、7.48(1H,d,J=8.3Hz)、7.89(1H,d,J=9.3Hz)、10.53(1H,brs)
13C-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));102.2、111.3、111.4、113.1、129.7、144.5、155.5、160.4、161.3
【0029】
実施例6(7,8-ジヒドロキシクマリンの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積50mlのガラス製四つ口フラスコに、酢酸25mlを加えた後、窒素雰囲気にて、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン5.85g(46.4mmol)を加えた。次いで、液温を104℃まで昇温し、エトキシメチレンマロン酸ジエチル4.28g(19.8mmol)、メタンスルホン酸0.34g(3.5mmol)の順でゆるやかに添加し、攪拌しながら104℃にて2時間反応させた。その後、エトキシメチレンマロン酸ジエチル1.71g(7.9mmol)を添加して96℃にて1時間、再びエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.86g(4.0mmol)を添加して94℃にて1時間、更にエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.86g(4.0mmol)を添加して93℃にて3時間、次いでメタンスルホン酸0.17g(1.8mmol)を添加して93℃にて3時間、攪拌しながら反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、2℃まで冷却して1時間攪拌した。析出した結晶を濾過して酢酸エチルで洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥させ、茶色結晶として、純度93.0%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の7,8-ジヒドロキシクマリン1.25gを得た(単離収率:20%)。
なお、7,8-ジヒドロキシクマリンの物性値は、以下の通りであった。
【0030】
CI-MS(m/e);179(M+1)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));6.20(1H,d,J=9.8Hz)、6.82(1H,d,J=8.3Hz)、7.03(1H,d,J=8.3Hz)、7.90(1H,d,J=9.3Hz)
13C-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));111.2、112.0、112.4、118.8、132.1、143.7、145.0、149.6、160.3
【0031】
実施例7(6,7-ジメトキシクマリンの合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積50mlのガラス製四つ口フラスコに、酢酸25mlを加えた後、窒素雰囲気にて、3,4-ジメトキシフェノール3.69g(23.9mmol)を加えた。次いで、液温を100℃まで昇温し、エトキシメチレンマロン酸ジエチル2.34g(10.8mmol)、p-トルエンスルホン酸一水和物0.17g(0.9mmol)の順でゆるやかに添加し、攪拌しながら100℃にて2時間反応させた。その後、エトキシメチレンマロン酸ジエチル0.78g(3.6mmol)を添加して110℃にて1時間、再びエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.39g(1.8mmol)を添加して108℃にて1時間、更にエトキシメチレンマロン酸ジエチル0.39g(1.8mmol)を添加して107℃にて14時間、攪拌しながら反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液を減圧濃縮した。濃縮液を高速液体クロマトグラフィーにより分析(内部標準法)したところ、6,7-ジメトキシクマリンが2.20g生成していた(反応収率:60%)。濃縮液の一部を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒;塩化メチレン/メタノール=95/5)により精製し、灰色結晶として、6,7-ジメトキシクマリン70mgを得た。
なお、6,7-ジメトキシクマリンの物性値は、以下の通りであった。
【0032】
CI-MS(m/e);207(M+1)
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));3.92(1H,s)、3.95(1H,s)、6.29(1H,d,J=9.5Hz)、6.84(1H,s)、6.86(1H,s)、7.65(1H,d,J=9.5Hz)
【0033】
【発明の効果】
本発明により、入手が容易な原料から、簡便な方法によって高収率でクマリン化合物を得る、工業的に好適なクマリン化合物の製法を提供することが出来る。

Claims (5)

  1. 有機スルホン酸類の存在下、一般式(1)
    Figure 0004192526
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なっていても良く、水素原子、ヒドロキシル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。なお、R、R及びRは、互いに結合して環を形成していても良い。)で示されるフェノール誘導体と、一般式(2)
    Figure 0004192526
    (式中、R及びRは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で示されるアルコキシメチレンマロン酸ジエステルとを反応させることを特徴とする、
    一般式(3)
    Figure 0004192526
    (式中、R、R及びRは、前記と同義である。)
    で示される、クマリン化合物の製法。
  2. 有機スルホン酸類がメタンスルホン酸及び/またはp−トルエンスルホン酸である請求項1記載のクマリン化合物の製法。
  3. 反応を溶媒中で行う請求項1または2記載のクマリン化合物の製法。
  4. 溶媒がカルボン酸類である請求項3記載のクマリン化合物の製法。
  5. 及びRがヒドロキシル基、Rが水素原子である請求項1〜4のいずれか1項記載のクマリン化合物の製法。
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