JP4191834B2 - 基板の分離収納装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下に積み重ねられた複数の基板、例えばシリコンウェハー、を所定のピッチで上下方向に互いに隔てて収納するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体プロセスにおいては、必要な処理を施したのちに上下に積み重ねられた複数のシリコンウェハーを、ウェハーカセットのようなウェハー収納装置へ移し替える作業がたびたび行われる。
【0003】
処理後のシリコンウェハーとしては、シリコンのインゴッドから切り出しされた直後のウェハー、水中で端面処理された直後のウェハーなどである。前者は未研磨のウェハーを直積みした状態となっており、後者は研磨済みのウェハーをスペーサーを介して積み重ねた状態となっている。
【0004】
ウェハー収納装置には、ウェハーは所定のピッチで互いに隔てて収納される。そのため、直積みされたウェハーは一枚づつ互いに離して移し替える必要があり、また、スペーサーを介して積み重ねられたウェハーについては、ウェハーを一枚づつ離すだけでなくウェハー間のスペーサーを取り除く必要がある。
【0005】
従来、積み重ねられたウェハーをウェハー収納装置へ移し替えることは、もっぱらピンセットなどの器具を用いた手作業によって行なわれていた。しかし、手作業による移し替えは、作業が煩雑となって時間がかかる、またウェハーを破損する恐れがあるなどのほか、水中で処理されたウェハーについては作業中に大気中の汚れが付着するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上下に積み重ねられた複数の基板を破損することなく迅速に収納用のピッチで上下方向に互いに分離し収納することが可能な基板分離収納装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、基板を収納するピッチで螺旋山部が設けられたロッドを用いた分離・保持手段によって基板を互いに隔てて分離し、分離された基板を基板間の間隔を変えずに基板収納手段へ移すようにしている。
【0008】
上記分離・保持手段においては、複数のロッドを基板の端面に沿って配置し、各ロッドの螺旋山部の先端が重なる2枚の基板の間をくぐるように各ロッドを自転させる。自転の結果、上側の基板は螺旋山部に沿って上昇するため2枚の基板は互いに隔てられる。自転ののち、各ロッドを基板の厚みだけ下降させる。自転と下降を繰り返せば、それぞれの基板を各ロッドの螺旋山部で支えながら各基板を上下方向に収納用のピッチで互いに隔てて保持することができる。こうして隔てられた基板を、基板間の間隔を変えずにそのまま収納手段へ移せば、破損することなく迅速に基板を収納することができる。
【0009】
すなわち、本発明によれば、端面が揃うように上下に積み重ねられた実質的に同形状でそれぞれ厚さがtである複数の基板を載置するための載置台と、載置台上の各基板をtよりも大きいピッチDで上下方向に互いに隔てて保持するための分離・保持手段と、ピッチDで互いに隔てて保持された該基板を分離・保持手段から基板収納手段へと移すための移載手段と、複数の基板をピッチDで互いに隔てて収納するための基板収納手段とを具備し、該分離・保持手段は、それぞれ長手軸を上下にして基板の端面に沿って移動できるように吊下げられ、上端および下端を有するピッチDの螺旋山部が側面に設けられた複数のロッドと、1つの基板の周縁部分の裏面側を各ロッドの螺旋山部で支えるために、各ロッドの螺旋山部の下端が該周縁部分の裏面の下をくぐるように各ロッドを長手軸の回りに一回転させるための回転手段と、各ロッドを基板の厚さtだけ下方に移動させることが可能な移動手段と、1つの基板の周縁部分の裏面側を各ロッドの螺旋山部で支えながら各基板を上下方向にピッチDで互いに隔てて保持するために、最上位の基板から始めて回転手段と移動手段とをこの順に交互に繰り返して駆動させるための駆動手段とを有することを特徴とする基板分離収納装置が提供される。
【0010】
本発明においては、該載置台を水中に配置するための水槽をさらに具備することが好ましい。
【0011】
また、本発明によれば、基板間にスペーサーを介してピッチdで上下に積み重ねられた実質的に同形状で端面が揃っている複数の基板を載置するための載置台と、載置台上の各基板をdよりも大きいピッチDで上下方向に互いに隔てて保持するための分離・保持手段と、ピッチDで互いに隔てて保持された該基板の間に残されたスペーサーを取り出すためのスペーサー取出し手段と、ピッチDで互いに隔てて保持された該基板を分離・保持手段から基板収納手段へと移すための移載手段と、複数の基板をピッチDで互いに隔てて収納するための基板収納手段とを具備し、該分離・保持手段は、それぞれ長手軸を上下にして基板の端面に沿って移動できるように吊下げられ、上端および下端を有するピッチDの螺旋山部が側面に設けられた複数のロッドと、1つの基板の周縁部分の裏面側を各ロッドの螺旋山部で支えるために、各ロッドの螺旋山部の下端が該周縁部分の裏面の下をくぐるように各ロッドを長手軸の回りに一回転させるための回転手段と、各ロッドをdだけ下方に移動させることが可能な移動手段と、1つの基板の周縁部分の裏面側を各ロッドの螺旋山部で支えながら各基板を上下方向にピッチDで互いに隔てて保持するために、最上位の基板から始めて回転手段と移動手段とをこの順に交互に繰り返して駆動させるための駆動手段とを有することを特徴とする基板分離収納装置が提供される。
【0012】
本発明においては、載置台およびスペーサー取出し手段を水中に配置するための水槽をさらに具備することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<本発明に係る基板分離収納装置の構成>
本発明に係る基板分離収納装置の構成を、図1および図2を参照しながら説明する。
【0015】
図1および図2は、本発明に係る基板分離収納装置の構成の一例を示す図である。図1は装置の概略側面図であり、図2は装置の概略上面図である。
【0016】
本発明に係る基板分離収納装置は、(1)載置台10、(2)分離・保持手段30、(3)移載手段70、(4)基板収納手段90の各構成要素を備えている。
【0017】
各構成要素について、以下説明する。
【0018】
(1)本発明に係る載置台10は、端面が揃うように上下に直積みされた実質的に同形状でそれぞれ厚さがtである複数の基板11を載置するほか、基板間にスペーサーを介してピッチdで上下に積み重ねられた実質的に同形状で端面が揃っている複数の基板11を載置するためのものである。
【0019】
基板11としては、例えばシリコンウェハーなどの円形の基板11のほか、ガラスマスク等のフォトマスクなどの矩形の基板11などが挙げられる。
【0020】
基板11の厚みtとしては、例えば、基板11が200mm径のシリコンウェハーであるときには0.7mmであり、基板11がフォトマスクであるときには2.7mmである。
【0021】
載置する基板11の枚数としては、例えば、基板11がシリコンウェハーであるときには、シリコンウェハーを収納するウェハーカセットの収納枚数である25枚ないしウェハーカセット6カセット分に相当する150枚などである。また、基板11がフォトマスクであるときには、20枚ないし25枚である。
【0022】
スペーサーとしては、各基板11の周縁部分がスペーサーの周囲に露出する程度に、基板11よりも小さい大きさのものを用いる。例えば、基板11が200mm径のシリコンウェハーなどであるときには、スペーサーの径は197.5mmである。スペーサーを形成する材料としては、例えば塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
【0023】
ピッチdとしては、例えば、基板11が200mm径のシリコンウェハーであるときには1.2mmであり、基板11がフォトマスクであるときには3.2mmである。
【0024】
載置台10は、図1に示したように、例えば、基板11を置くための下プレート12、および基板11を周囲から支えて固定するための複数の棒状の基板固定ガイド13からなる。基板固定ガイド13は基板11の端面に沿うように下プレート12上に立てられている。図1および図2に示した載置台においては、一例として4本の基板固定ガイド13が下プレート12上に立てられている。
【0025】
載置台10に基板11を載置する仕方としては、例えば、載置台10を装置の外部に取り出して、基板固定ガイド13に沿って基板11を下プレート12上に直積みするかまたはスペーサーを介して積み重ねたのち、載置台10を装置内に戻すことなどが挙げられる。
【0026】
(2)本発明に係る分離・保持手段30は、載置台10上の各基板11を互いに分離して、基板収納手段90で基板11を収納するピッチで上下方向に互いに隔てて保持するためのものである。
【0027】
以下、基板収納手段90で基板11を収納するピッチをDとする。Dは、基板11の厚さtまたはスペーサーを介して積み重ねられた基板11のピッチdよりも大きい値である。
【0028】
分離・保持手段30は載置台10の上方に配置されており、複数のロッド31、各ロッド31を回転させるための回転手段、各ロッド31を上下方向に移動させるための移動手段、これら回転手段および移動手段をそれぞれ駆動させるための駆動手段を有している。
【0029】
なお、図2においては、分離・保持手段30としてロッド31および後述するクランパー55およびクランパーシリンダー56のみを示している。
【0030】
ロッド31の形状としては、例えば円柱体などが挙げられる。円柱体であるロッド31の径としては、例えば30mmなどである。
【0031】
複数のロッド31は、それぞれ長手軸を上下にして複数の基板11の端面に沿って移動できるように載置台10の上方に吊下げられるように配置されている。ロッド31の数としては、例えば4本などが挙げられる。ロッド31の配置の仕方としては、例えば複数のロッド31を基板11の周囲に沿って等間隔に配置することなどが挙げられる。
【0032】
ロッド31の長手軸に沿った側面には、上端および下端を有するピッチDの螺旋山部32が設けられている。螺旋山部32のロッド31の長手軸に沿う数としては、例えば、ウェハーカセット1個の収納枚数に対応して、20ないし25である。
【0033】
ロッド31を形成する材料としては、例えば高分子樹脂材料などが挙げられる。高分子樹脂材料としては、例えば、ジュラコンなどの硬質プラスチック等が挙げられる。高分子樹脂材料から形成されたロッド31は、駆動中にシリコンウェハーなどの基板11と擦れてもパーティクルが発生しにくいという利点を有する。
【0034】
ロッド31および螺旋山部32は、例えば、上述のロッド31を形成する材料からなるブロックから一体物として切出して作製する。
【0035】
回転手段は、複数のロッド31をそれぞれ長手軸の回りに一回転させて、各ロッド31の螺旋山部32の下端を基板11の周縁部分の裏面の下をくぐらせるためのものである。各ロッド31の螺旋山部32の下端を基板11の下をくぐらせることによって、基板11の周縁部分の裏面側を各ロッド31の螺旋山部32で支えることができる。
【0036】
移動手段は、分離・保持手段30を上下方向に移動させて載置台10に向かって下降させることおよび載置台10から上昇させることを可能にするものである。
また、分離・保持手段30を移動させることで、各ロッド31を基板11の厚さtだけまたは積み重ねられた基板11のピッチdだけ下方に移動させることを可能にするためのものである。
【0037】
駆動手段は、最上位の基板11から始めて回転手段と移動手段とをこの順に交互に繰り返して駆動させるためのものである。
【0038】
以上の各手段によって、1つの基板11の周縁部分の裏面側を各ロッド31の螺旋山部32で支えながら、各基板11を上下方向にピッチDで互いに隔てて保持することが可能となる。
【0039】
図3を参照して、分離・保持手段30の動作について説明する。
【0040】
最初に、端面が揃うように上下に直積みされた厚さがtの複数の基板11を分離、保持する動作について説明する。
【0041】
図3(a)に示したように、基板11の上方に位置する各ロッド31を移動手段によって同時に下降させて、ロッド31の側面の螺旋山部32の下端を最上位の基板11と最上位から2番目の基板11との間の境目と同じ高さにする。ここで、最上位から2番目の基板11とは、最上位の基板11のすぐ下にある基板11のことである。
【0042】
回転手段によって各ロッド31を長手軸のまわりに同時に一回転させて、各ロッド31の螺旋山部32の下端を最上位の基板11の周縁部分の裏面の下を同時にくぐらせる。ここで、螺旋山部32の下端が基板11の周縁部分の裏面の下をくぐるとは、螺旋山部32の下端が基板11の周縁部分の裏面の下、すなわち基板11と基板11との間の境目に挿入されたのちに周縁部分の裏面の下を通過して周縁部分の裏面の下から基板11の外へ出ることをいう。
【0043】
通常、シリコンウェハーなどの基板11の周縁部分はテーパ状などに加工されている。そのため、端面が揃うように基板11を上下に積み重ねたときには、基板11と基板11の間の境目には溝が生じる。この溝から螺旋山部32の下端を挿入させて基板11の周縁部分の裏面の下をくぐらせる。
【0044】
図3(b)に示したように、各ロッド31の螺旋山部32の下端が基板11の周縁部分の裏面の下を同時にくぐると、基板11の周縁部分は各ロッド31の螺旋山部32に沿って上昇し、基板11全体が持ち上がる。持ち上がった基板11の周縁部分の裏面側は、各ロッド31の螺旋山部32で支えられている。
【0045】
こうしてロッド31が一回転して最上位の基板11が持ち上がったのちに、移動手段によって各ロッド31を同時に基板11の厚さtだけ下方に移動させる。厚さtだけ下降させることで、各ロッド31の螺旋山部32の下端は最上位から2番目の基板11と最上位から3番目の基板11との間の境目と同じ高さになる。
【0046】
再び回転手段によって各ロッド31を長手軸のまわりに同時に一回転させて、各ロッド31の螺旋山部32の下端を最上位から2番目の基板11の周縁部分の裏面の下を同時にくぐらせる。螺旋山部32の下端が2番目の基板11の裏面の下を同時にくぐる結果、2番目の基板11が螺旋山部32に沿って上昇するとともに、螺旋山部32で支えられた最上位の基板11は螺旋山部32に沿ってさらに上昇する。こうして両基板11が上昇する結果、両基板11はそれぞれ各ロッド31の螺旋山部32で支えられながら上下方向にピッチDだけ隔てて保持される。
【0047】
以上のような各ロッド31の回転および下方への移動を、駆動手段によって複数の基板11の最上位の基板11から始めて下の基板11に向かって繰り返す。繰り返しは、例えばウェハーカセット収納枚数の数だけ行う。こうして、一枚の基板11の周縁部分の裏面側を各ロッド31の螺旋山部32で支えながら、載置台10上の基板11をそれぞれ上下方向にピッチDで互いに隔てて保持することができる。
【0048】
次に、基板11間にスペーサーを介してピッチdで上下に積み重ねられた複数の基板11を分離、保持する動作について説明する。
【0049】
この場合は、まず各ロッド31を基板11の上方から同時に下降させて、ロッド31側面の螺旋山部32の下端を最上位の基板11と最上位から2番目の基板11との間のスペーサーと同じ高さにする。そして、各ロッド31の螺旋山部32の下端が基板11の周縁部分の裏面の下、すなわち基板11間のスペーサーの部分に挿入されるように各ロッド31を一回転させる。
【0050】
前述したように、スペーサーの大きさは各基板11の周縁部分がスペーサーの周囲に露出する程度に基板11よりも小さい。そのため、螺旋山部32を基板11間のスペーサーの部分に挿入することができる。
【0051】
各ロッド31が一回転して最上位の基板11が持ち上がったのちに、各ロッド31をdだけ下方に移動させる。これらの回転と移動を繰り返すことによって、各基板11をそれぞれ上下方向にピッチDで互いに隔てて保持することができる。
【0052】
なお、螺旋山部32の下端がスペーサーの部分に挿入されるだけでスペーサーを介した2枚の基板11が押し広げられて分離する程度に、螺旋山部32の幅は広い方が良い。このようにすることで、スペーサーを介して積み重ねられた基板11の分離をより容易に行うことができる。
【0053】
図4および図5に、分離・保持手段30の具体的な構成の一例を示す。図4は側面図を示し、図5は上面図を示す。なお、説明を容易にするために、図4においては後述するケース41の内部が見えるように示してある。また、図5においてはこのケース41を省略してある。
【0054】
図4および図5において、分離・保持手段30は、板状のベースプレート33、ベースプレート33の下面にベースプレート33に対して回転可能に取り付けられた2本の細長いアームプレート34を備えている。
【0055】
各アームプレート34は、回転伝達軸35を介してベースプレート33に回転可能に取付けられている。回転伝達軸35の下部は、軸受け36を介してアームプレート34に接合されている。回転伝達軸35の中央部は、軸受け37を介してベースプレート33に接合されている。ベースプレート33の下面には、アームプレート34の軸受け36の上部を収容するための凹部38が設けられている。軸受け36と軸受け37によって、回転伝達軸35はアームプレート34およびベースプレート33の両方に対して独立に回転することができる。
【0056】
回転伝達軸35の上部にはプーリー39が取付けられている。プーリー39の上にさらに回転伝達用のギア40が設けられている。
【0057】
前述の回転手段である回転用モーターM1が、ケース41から吊下げられている。ケース41はベースプレート33に接合されている。回転用モーターM1の回転軸42の下部には、プーリー43が取付けられている。
【0058】
図4に示したように、回転軸42のプーリー43と各回転伝達軸35のプーリー39との間には、回転を伝達するためのベルト44が巻き掛けられている。
【0059】
各アームプレート34には、回転伝達軸35のほかに第1ロッド31aおよび第2ロッド31bが配置されている。第1ロッド31aおよび第2ロッド31bは、回転伝達軸35とアームプレート34の一方の端部との間に並んで配置されている。
【0060】
第1および第2ロッド31a、31bの中央部は、軸受け45、46を介してそれぞれアームプレート34に接合されている。第1および第2ロッド31a、31bのアームプレート34から下の部分には、それぞれ螺旋山部32が設けられている。第1および第2ロッド31a、31bの上部は、ベースプレート33に設けられた孔47、48を通して、それぞれベースプレート33の上側に出ている。
【0061】
ベースプレート33の上側に出ている第1ロッド31aの上部には、プーリー49が取付けられている。プーリー49の上にさらに回転伝達用のギア50が設けられている。前述の回転伝達軸35のギア40と第1ロッド31aのギア50とは、回転が伝達可能に噛み合っている。
【0062】
ベースプレート33の上側に出ている第2ロッド31bの上部にはプーリー51が取付けられている。上述の第1ロッド31aのプーリー49と第2ロッド31bのプーリー51との間には、回転を伝達するためのベルト52が巻き掛けられている。
【0063】
以上のような構成において、回転用モーターM1が回転することで、プーリー43および39ならびにベルト44によって、各回転伝達軸35が回転用モーターM1の回転方向と同じ方行に同時に回転する。それとともに、第1および第2ロッド31a、31bが、ギア40および50ならびにプーリー49および51ならびにベルト52によって、回転用モーターM1の回転方向と反対の方向に同時に回転する。
【0064】
2つのアームプレート34は、それぞれのアームプレートのロッド31a、31bの両方の長手軸を含む面が、2本の回転伝達軸35の両方の長手軸を含む面に直交するように、それぞれ配置されている。
【0065】
各アームプレート34のロッド31a、31bが配置されていない側の端部には、それぞれ接合用部材53を介してシリンダー54の一端が接合されている。シリンダー54の他端はベースプレート33の下面に固定されている。
【0066】
シリンダー54を駆動することで、アームプレート34のシリンダー54と接合された端部同士はお互いに近づく。それと同時に、シリンダー54と接合されていない側の端部同士、つまりロッド31a、31bが配置されている側の端部同士は、お互いに離れる。こうして、2本のアームプレート34は、それぞれ回転伝達軸35を中心にして角度θだけ互いに反対方向に回転する。角度θとしては、例えば15度である。
【0067】
以下、シリンダー54が駆動していないときをアームプレート34が「閉じている」状態といい、シリンダー54が駆動しているときをアームプレート34が「開いている」状態という。
【0068】
前述したように、回転伝達軸35はアームプレート34およびベースプレート33の両方に対して独立に回転することができる。従って、回転用モーターM1によって各ロッド31を回転させながら、同時にシリンダー54によって各アームプレート34を閉じたり開いたりすることが可能となっている。
【0069】
アームプレート34が閉じているときには、各ロッド31a、31bはそれぞれ載置台10上の基板11の側面に沿って移動することができる。そして、各ロッド31a、31bの螺旋山部32によってそれぞれの基板11を保持することができる。アームプレート34が開いているときには、各ロッド31a、31bは基板11の側面から離れており、螺旋山部32によって基板11は保持されない。
【0070】
複数のクランパー55が、ベースプレート33の下面側に吊下げられるように配置されている。クランパー55は、複数の基板11の側面を外から押さえて基板11を固定するためのものである。アームプレート34が開いているときには、螺旋山部32の代わりにクランパー55によって基板11を保持する。
【0071】
なお、基板11がスペーサーを介して積み重ねられているときには、クランパー55によって基板11を固定・保持したときに、基板11よりも小さい大きさのスペーサーは基板11の間に固定されずに残される。
【0072】
各クランパー55はロッド31a、31bとほぼ同じ長さを有し、それぞれクランパシリンダ56によって駆動される。クランパー55は、例えば、前述のジュラコンなどによって形成される。図4および図5においては、互いに対向する位置に配置された2つのクランパー55を示している。
【0073】
ベースプレート33の一つの側面には上下スライド用の板57が接合されている。上下スライド用板57は、ベースプレート33に対して垂直に接合されている。上下スライド用板57は、ボールナット58を介してネジ軸59に取付けられているとともに、スライダー60を介して案内レール61に取付けられている。ネジ軸59の一端は、上下移動用モーターM2に接続されている。案内レール61は、支持板62を介して支持部材63に接合されている。なお、図4においては、ボールナット58、ネジ軸59、および上下移動用モーターM2を省略してある。
【0074】
前述の移動手段である上下移動用モーターM2を駆動してネジ軸59が正逆に回転することによって、ベースプレート33は、スライダー60および案内レール61からなるリニアガイド64によって支持されながら、ネジ59軸に沿って上下に移動することができる。上下に移動する結果、前述したように、分離・保持手段30は載置台10に対して上昇および下降することができる。また、上下移動用モーターM2の回転量を調整することによって、ベースプレート33とともに各ロッド31a、31bを基板11の厚さtだけ下方に移動させることもできる。
【0075】
上述の回転手段および移動手段を駆動させるための駆動手段(図示せず)が、分離・保持手段30に備えられている。駆動手段(図示せず)は、例えばシーケンサーなどからなる。
【0076】
なお、図1および図2に示すように、基板分離収納装置が後述するスペーサー取出し手段110をさらに備えているときには、分離・保持手段30を載置台10の上方とスペーサー取出し手段110の上方との間で水平移動させるための水平移動手段(図示せず)が、支持部材63に取付けられている。水平移動手段(図示せず)は、例えば水平移動用モーターおよびボールネジなどからなる。
【0077】
水平移動手段(図示せず)を駆動することによって、分離・保持手段30が、載置台10の上方からスペーサー取出し手段110の上方に向かって移動すること(図1および図2に示す装置において、分離・保持手段30が「右行する」という)、およびスペーサー取出し手段110の上方から載置台10の上方に向かって移動すること(図1、2に示す装置において、分離・保持手段30が「左行する」という)が可能となる。
【0078】
(3)本発明に係る移載手段70は、ピッチDで互いに隔てて保持された複数の基板11を分離・保持手段30から基板収納手段90へと移すためのものである。
【0079】
移載手段70は、分離・保持手段30と同じ高さに配置され、例えば基板保持部71、第1スライド部72、回転部73、第2スライド部74からなる。移載手段70においては、例えば、図1に示したように、基板保持部71の上に第1スライド部72が設けられ、第1スライド部72の上に回転部73が設けられ、回転部73の上に第2スライド部74が設けられている。
【0080】
基板保持部71は、複数の基板11をピッチDのまま互いに隔てて保持するためのものである。基板保持部71は、図1に示したように、例えば、パッド駆動部75、パッド駆動部75の側面にピッチDで上下に隔てられてそれぞれ水平に取付けられた複数のハンド76からなる。
【0081】
各ハンド76はその上に基板11を載せて保持するためのものである。ハンド76の数としては、例えばシリコンウェハーを収納するウェハーカセットの収納枚数25枚に対応して25本などである。各ハンド76には基板11を真空吸着するための吸着パッド(図示せず)が設けられており、この吸着パッド(図示せず)によってハンド76上に載せられた基板11を真空吸着して保持することができる。
【0082】
パッド駆動部75は、各吸着パッド(図示せず)を駆動するためのものである。
【0083】
第1スライド部72は、移載手段70を分離・保持手段30に対して水平移動させるため、または、基板分離収納装置が後述するスペーサー取出し手段110をさらに備えているときには、このスペーサー取出し手段110の上方との間で水平移動させるためのものである。
【0084】
第1スライド部72によって、移載手段70は、分離・保持手段30に向かってまたはスペーサー取出し手段110の上方に向かって水平移動すること(図1および図2に示す装置において、移載手段70が「左行する」という)、および、分離・保持手段30から離れるようにまたはスペーサー取出し手段110の上方から離れるように水平移動すること(図1、2に示す装置において、移載手段70が「右行する」という)が、可能となる。
【0085】
第1スライド部72は、図1に示したように、例えば、基板保持部71の上面に接合された第1スライド板77、第1スライド板77の上面に取付けられた第1固定板78、第1スライド板77の側面に取付けられたスライド用第1モーターM3からなる。第1スライド板77は第1固定板78との間でスライド可能となっている。スライド用第1モーターM3は、第1スライド板77を第1固定板78に対してスライドさせるためのものである。このように第1スライド板77をスライドさせることによって、前述したように、移載手段70を分離・保持手段30の上方またはスペーサー取出し手段110の上方との間で水平移動させることができる。
【0086】
回転部73は、移載手段70を分離・保持手段30の位置する方向と後述する基板収納手段90の位置する方向との間で回転させるためのものである。このように回転する結果、移載手段70は、分離・保持手段30の方向から基板収納手段90の方向に向かって回転すること(図1、2に示す装置において、「左旋する」という)、および、逆に基板収納手段90の方向から分離・保持手段30の方向へと回転すること(図1、2に示す装置において、「右旋する」という)が可能となる。
【0087】
回転部73は、図1に示したように、例えば、第1固定板78の上面に接合された回転テーブル79、回転テーブル79の上面に取付けられた固定枠80、回転テーブル79の側面に取付けられた回転用モーターM4からなる。回転テーブル79は固定枠80に対して水平面内で回転可能となっている。回転用モーターM4は、回転テーブル79を固定枠80に対して回転させるためのものである。このように回転テーブル79を回転させることによって、前述したように、移載手段70を分離・保持手段30の位置の方向と基板収納手段90の位置の方向との間で回転させることができる。回転させる角度は、分離・保持手段30の位置と基板収納手段90の位置との間の角度によるが、例えば、図2に示したように90度である。
【0088】
第2スライド部74は、移載手段70を基板収納手段90との間で水平移動させるためのものである。このように水平移動する結果、移載手段70は、前述したように左旋したのち基板収納手段90に向かって移動すること(図1、2に示す装置において、「前進する」という)、および基板収納手段90から戻るように移動すること(図1、2に示す装置において、「後退する」という)が可能となる。
【0089】
第2スライド部74は、図1に示したように、例えば固定枠80の上面に接合された第2スライド板81、第2スライド板81の上面に取付けられた第2固定板82、第2スライド板81の側面に取付けられたスライド用第2モーターM5からなる。第2スライド板81は第2固定板82との間でスライド可能となっている。スライド用第2モーターM5は、第2スライド板81を第2固定板82に対してスライドさせるためのものである。このように第2スライド板81をスライドさせることによって、前述したように、移載手段70を基板収納手段90との間で水平移動させることができる。第2固定板82は、吊下げ用部材83を介して支持枠(図示せず)に吊下げられて固定されている。
【0090】
(4)本発明に係る基板収納手段90は、複数の基板11を所定のピッチ、すなわちピッチDで上下方向に互いに隔てて収納するためのものである。
【0091】
ピッチDは、前述したように載置台10上の基板11の厚さtまたはスペーサーを介して積み重ねられた基板11のピッチdよりも大きい値である。ピッチDとしては、例えば、基板11が8インチのシリコンウェハーであるときには、このウェハーを収納するウェハーカセットのピッチ6mmである。また、基板11がフォトマスクであるときにはフォトマスクを収納するフォトマスクカセットのピッチ8mmである。
【0092】
基板収納手段90が収納する基板11の数は、例えば載置台10上の基板11の数と同じである。すなわち、収納する基板11の数としては、例えば、ウェハーカセット1カセット分に対応するウェハー25枚ないし6カセット分に相当するウェハー150枚などである。
【0093】
基板収納手段90としては、例えばシリコンウェハーを収納するための1または複数のウェハーカセットを有するものなどが挙げられる。
【0094】
図2には、一例として、第1および第2の2つのウェハーカセットケース91a、91bを収容する構造のキャビネット93からなる基板収納手段90を示す。各ウェハーカセットケース91a、91bは、それぞれウェハーカセット92を上下に3カセット収納できる。従って、図2の基板収納手段90は、合計で6カセットのウェハーカセット92、すなわち150枚のウェハー11を収納することができる。各ウェハーカセットケース91a、91bとの間でのウェハーカセット92の出し入れは、キャビネット93の背面に設けられた扉94を開けて行う。
【0095】
図6は、図2に示した基板収納手段90を前述の移載手段70側から見た概略側面図である。
【0096】
第1および第2のウェハーカセットケース91a、91bは、それぞれ上下移動用エレベーター95によって移動用ガイド96に沿ってキャビネット93内を上下に移動することが可能となっている。また、キャビネット93全体は、水平移動用モーター(図示せず)によって、水平に移動することが可能となっている。
【0097】
次に、図2および図6に示した基板収納手段90が移載手段70からウェハー11を受け取る動作の一例について説明する。
【0098】
最初、第1および第2のウェハーカセットケース91a,91bは、それぞれキャビネット93の上段に配置されている。背面の扉94を開けて、各ウェハーカセットケース91a,91bにそれぞれ3つの空のウェハーカセット92を配置したのち、扉94を閉める。
【0099】
移載手段70からのウェハー11の受け取りは、まず、第1のウェハーカセットケース91aの3つのウェハーカセット92のうち一番上のカセット92に対して行われる。つまり、上下移動用エレベーター95および水平移動用モーター(図示せず)によって、第1のウェハーカセットケース91aの一番上のカセット92をウェハー11の受け取り位置に移動させる。ウェハー11の受け取り位置は、移載手段70と同じ高さに位置している。一番上のカセット92を移動させたのち、移載手段70からの25枚のウェハー11をこの一番上のウェハーカセット92に収納する。
【0100】
25枚のウェハー11を収納したのち、上下移動用エレベーター95によって第1のウェハーカセットケース91aを上昇させて、上下に積んだ3つのウェハーカセット92の中央のカセット92をウェハー受け取り位置に移動させる。そして、移載手段70からの25枚のウェハー11をこの中央のカセット92に収納したのち、再びウェハーカセットケース91aを上昇させて一番下のカセット92をウェハーカセット受け取り位置に移動させる。そして、再び移載手段70からの25枚のウェハー11をこのカセット92に収納する。
【0101】
こうして、3つのカセット92のすべてにウェハー11を収納したのち、上下移動用エレベーター95によって第1のウェハーカセットケース91aを上昇させてウェハー11を受け取る前の元の位置に戻す。
【0102】
次に、水平移動用モーター(図示せず)によってキャビネット93全体を水平に動かして、第2のウェハーカセットケース92bを第1のウェハーカセットケース91aの位置に移動させる。そして、上下移動用エレベーター95によって第2のウェハーカセットケース91bの3つのカセット92のうち一番上のカセット92をウェハー受け取り位置に移動させる。第1のウェハーカセットケース91aの場合と同様にして3つのウェハーカセット92のすべてにウェハー11を収納したのち、上下移動用エレベーター95によって、第2のウェハーカセットケース91bをキャビネット93の上段の位置に戻す。
【0103】
以上のようにして、6つのウェハーカセット92のすべてにウェハー11が収納される。ウェハー11が収納されたのち、キャビネット93の背面の扉94を開けて、ウェハー11が収納されたウェハーカセット92を各ウェハーカセットケース91a、91bから取り出す。
【0104】
本発明に係る基板分離収納装置は、図1および図2に示したように、載置台10を水102の中に配置するための水槽100をさらに備えていても良い。図1および図2に示した載置台10は、一例として、水槽100の中に設けられた支持板101の上に配置されている。
【0105】
載置台10を水102の中に配置することで、載置台10上の基板11を水102の中で分離することが可能となる。水102の中での基板11の分離は大気中での基板11の分離よりも容易であるため、基板11の分離をより迅速にかつ破損することなく行うことができる。また、大気中で処理されたあとの基板11を水102の中で分離することにより、大気中で基板11に付着した汚れを除去することができる。さらに、水102の中で研磨されたあとの基板11をそのまま水102の中で分離することが可能となるため、基板11が大気にさらされて汚れることを防ぐことができる。
【0106】
また、前述したように基板11が基板11間にスペーサーを介して積み重ねられているときには、図1および図2に示したように、分離・保持手段30によって分離された基板11の間に残されたスペーサー111を取り出すためのスペーサー取出し手段110を、さらに備えていることが好ましい。スペーサー111を取出すことによって、分離した基板11だけを移載手段70によって基板収納手段90へと移すことができる。
【0107】
スペーサー取出し手段110としては、例えば、大気のような気体もしくは水のような液体の噴流112を、分離・保持手段30によって分離された基板11の側面から吹き付けて、スペーサー111を外部へ押し出す手段などが挙げられる。このような手段は、図1および図2に示したように、例えば、水平に複数の噴流112を吹き付けるための噴流ノズル113によって構成される。噴流ノズル113は、図1に示したように、例えば前述の支持板101の上に配置されている。
【0108】
噴流ノズル113の横に、分離した基板11および基板11の間に残されたスペーサー111を有する分離・保持手段30を配置すれば、噴流ノズル113からの噴流112によって、スペーサー111を押出すことができる。
【0109】
また、スペーサー取出し手段110を備えているときには、取出したスペーサー111を回収するためのスペーサー回収手段120をさらに備えていることが好ましい。
【0110】
スペーサー回収手段120としては、図1および図2に示したように、例えば、取り出したスペーサー111を受け取るための受け取り板121、この受け取り板121を載せておくためのバケット122から構成される。受け取り板121には、この受け取り板121を外部へ取り出すための取っ手部123が取付けられている。スペーサー111は、基板11の間から押出されたのち、例えば前述の支持板101に接合された傾斜部材124を滑ってバケット122上の受け取り板121の上に溜まる。受け取り板121の上のスペーサー111が所定の数になったときに、取っ手部123を用いて受け取り板121を水槽100から引き上げて、スペーサー111を回収する。回収されたスペーサー111は、基板11を積み上げるために再び利用することができる。
【0111】
なお、スペーサー取出し手段110およびスペーサー回収手段120を備えているときには、図1および図2に示したように、これらも水槽100を用いて水102の中に配置しても良い。
【0112】
水102の中でスペーサー111を取り出すことは大気中でスペーサー111を取り出すことよりも容易に行うことができるため、スペーサー111の取り出しをより早く安全に行うことができる。また、水102の中でスペーサー111を取り出すことにより、大気中で基板11に付着した汚れを除去することもできる。さらに、水102の中で研磨されたあとの基板11について、基板11の分離だけでなくスペーサー111の取出しも水102の中で行うことによって、基板11が大気にさらされて汚れることを防ぐことができる。
【0113】
また、図1および図2に示したように、載置台10およびスペーサー取出し手段110およびスペーサー回収手段120を、同じ水槽100を用いて水102の中に配置しても良い。
【0114】
<本発明に係る基板分離収納装置の動作>
次に、本発明に係る基板分離収納装置の動作の一例について、図7を参照しながら説明する。なお、図7に記入されている数値は、各動作において要する時間の一例である。
【0115】
本発明に係る基板分離収納装置は、基板11の積み重ね状態によって例えば以下の2つの動作を行う。
【0116】
すなわち、(1)基板がスペーサーを介して積み重ねられているときの装置動作は、(A)基板分離・保持動作、(A’)スペーサー取り出し動作、(B)基板移載動作、(C)基板収納動作からなる。
【0117】
また、(2)基板が直積みされているときの装置動作は、(A)基板分離・保持動作、(B)基板移載動作、(C)基板収納動作からなる。
【0118】
各動作について、以下、説明する。
【0119】
(1)基板がスペーサーを介して積み重ねられているときの装置動作
装置の初期状態として、分離・保持手段30はスペーサー取出し手段110の上方(図1のAの位置)に待機している。また、分離・保持手段30のアームプレート34は開じており、クランパー55は基板11から離れている。
【0120】
(A)基板分離・保持動作
まず、分離・保持手段30を左行させて載置台10の上方(図1のBの位置)に移動させる。
【0121】
次に、分離・保持手段30を載置台10の上方から載置台10へと下降させる。そして、各ロッド31の螺旋山部32の下端が最上位の基板11と最上位から2番目の基板11との間の境目と同じ高さになったときに下降を止めてアームプレート34を閉じ、各ロッド31の螺旋山部32の下端をこの基板11間の境目に位置させる。
【0122】
次に、前述したように、ロッド31の回転/下降を繰り返して載置台10の基板11を分離・保持する。この分離・保持に要する時間は、図7に記載したように、例えば1枚の基板11あたり約2秒であり、従って25枚の基板11に対しては約50秒である。
【0123】
すべての基板11について分離・保持が完了したときに、分離・保持手段30を上昇させるとともに、分離・保持手段30のクランパー55を駆動させて基板11を固定する(クランプする)。クランパー55によって基板11を固定したのち、アームプレート34を開けて各ロッド31の螺旋山部32を基板11の外へ出す。
【0124】
(A’)スペーサー取り出し動作
(A)の最後において、アームプレート34を開けるとともに、分離・保持手段30を載置台10の上方(図1のBの位置)からスペーサー取り出し手段110の上方(図1のAの位置)へと右行させる。
【0125】
次に、分離・保持手段30をスペーサー取り出し手段110の上方からスペーサー取り出し手段110へと下降させる。下降させたのち、例えば、分離・保持手段30を揺動させながら噴流ノズル113から水などの噴流112を噴出させて、基板11の間に残されたスペーサー111を押し出す。揺動の仕方としては、例えば分離・保持手段30を上下に2mmづつ揺動させる等である。噴流112を出す時間としては、図7に記載したように、例えば10秒間である。押し出されたスペーサー111は、スペーサー回収手段120へと流れて回収される。
【0126】
スペーサー111を押し出したのち、分離・保持手段30を上昇させてスペーサー取り出し手段110の上方(図1のAの位置)へと戻す。
(B)基板移載動作
移載手段70を左行させて、分離・保持手段30によって保持されている各基板11の下に各ハンド76を挿入する。ハンド76を挿入するとともに、各ハンド76の吸着パッドを駆動して真空引きを行う。
【0127】
ハンド76を挿入したのちに、分離・保持手段30を少しだけ下降させて各基板11をそれぞれのハンド76の上に載せ、各基板11を吸着パッドにより真空吸着して固定する。
【0128】
各基板11が吸着パッドにより固定されたのち、分離・保持手段30のクランプ55の駆動を停止して基板11から離す(アンクランプする)とともに、移載手段70を右行させて、各基板11を分離・保持手段30から引き出す。
【0129】
基板11が引き出された分離・保持手段30は、左行して載置台10の上方へと移動し、再び(A)の動作を行う。分離・保持手段30が再び(A)の動作を行う間に、以下の(C)の動作が行われる。
【0130】
(C)基板収納動作
基板11を載せた移載手段70を左旋させて基板収納手段90の方向へ向け、基板収納手段90に向かって前進させる。そして、例えば、図6に示したウェハカセットケース91aの一番上のカセット92(ウェハー受け取り位置にある)の中へ、シリコンウェハーなどの基板11を載せた各ハンド76を進ませる。具体的には、カセットケース92内にピッチDで設けられたウェハー保持用の溝に各シリコンウェハー11が挿入されるように、ハンド76を進ませる。
【0131】
基板11が挿入されたのち、移載手段70の各ハンド76の吸着パッドを排気して基板11の固定を解除する。基板11の固定を解除するとともに、例えば、上下移動用エレベーター95によってウェハーカセット92を少しだけ上昇させて、各基板11をウェハーカセット92の各溝の上に保持して各ハンド76から浮かせる。
【0132】
基板11がウェハーカセット92の各溝によって保持されたのちに、移載手段70を後退させてハンド76を基板収納手段90から外へ出す。こうして、基板11は基板収納手段90の中へ収納される。
【0133】
移載手段70を後退させたのちに、例えば、前述したようにウェハーカセットケース91aを上昇させて、中央のカセット92をウェハー受け取り位置に移動させる。基板収納手段90を上昇させるとともに、後退した移載手段70を右旋させて分離・保持手段30の方向に向け、待機させる。
【0134】
以上の(A)、(A’)、(B)および(C)の動作によって、載置台10上の基板11を分離してスペーサー111を取り出したのちに基板収納手段90へ収納することができる。
【0135】
前述したように、(B)の動作を終了した分離・保持手段30は引き続いて(A)の動作を行う。そして、(A)の動作が行われる間に(C)の動作が行われる。こうして、(A)、(A’)、(B)および(C)の動作サイクルは連続して行われる。
【0136】
(2)基板が直積みされているときの装置動作
装置の初期状態として、分離・保持手段30は載置台10の上方(図1のBの位置)に待機している。また、分離・保持手段30のアームプレート34は開じており、クランパー55は基板11から離れている。
【0137】
「(1)基板がスペーサーを介して積み重ねられているときの装置動作」で述べた、(A)基板分離・保持動作、(B)基板移載動作、および(C)基板収納動作を、この順に行う。
【0138】
これら(A)、(B)および(C)の動作によって、載置台10上に直積みされた基板11を分離して基板収納手段90へ収納することができる。
【0139】
(B)の動作を終了した分離・保持手段30は引き続いて(A)の動作を行い、(A)の動作が行われる間に(C)の動作が行われる。こうして、(A)、(B)および(C)の動作サイクルは連続して行われる。
【0140】
以上、説明したように、(1)基板がスペーサーを介して積み重ねられているとき、および(2)基板が直積みされているときの両方において、本発明に係る基板分離収納装置は連続して動作することができる。
【0141】
本発明に係る基板分離収納装置は、基板収納手段90にこの手段90に収納可能な枚数の基板11が収納されるまで、連続して動作する。収納可能な枚数の基板11が収納されたのち、基板分離収納装置の動作を一時停止して、基板収納手段90から基板11を取り出す。基板収納手段90からの基板11の取り出しは、前述したように、例えばシリコンウェハー11が収納されたウェハカセット92を取り出すなどのようにして行う。
【0142】
今、スペーサーを介して積み重ねられた基板を分離・収納するのに要する時間を計算する。ウェハーカセット6カセット分に相当する150枚の基板を、1カセット分に対応する25枚づつ分離・収納する場合を考える。
【0143】
図7に記載したように、(A)、(A’)および(B)の動作サイクルに必要な時間は、基板25枚に対して約80秒である。(C)の動作サイクルに必要な時間は、約11秒である。
【0144】
(A)、(A’)および(B)の動作は6回行われる。従って、所用時間は約80秒×6=約480秒となる。(C)の動作も同じように6回行われるが、1〜5回目の動作は前述したように(A)の動作の間に行われるため、装置の所用時間の中には入ってこない。6回目のみが所要時間として加算される。従って、(C)の動作の所用時間は約11秒×1=約11秒となる。
【0145】
以上より、所用時間の合計は(約80秒×6)+約11秒=約491秒、すなわち約8.5分となる。
【0146】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明に係る基板分離収納装置によって、上下に積み重ねられた複数の基板11を破損することなく迅速に収納用のピッチで上下方向に互いに分離して収納することが可能となる。その結果、基板11としてシリコンウェハーを用いた半導体プロセスにおいて、シリコンウェハー上に作製するデバイスの生産性および歩留まりが向上する等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板分離収納装置の一例を示す概略側面図。
【図2】本発明に係る基板分離収納装置の一例を示す概略上面図。
【図3】本発明に係る分離・保持手段の動作を説明するための概略側面図。
【図4】本発明に係る分離・保持手段の一例を示す概略側面図。
【図5】本発明に係る分離・保持手段の一例を示す概略上面図。
【図6】本発明に係る基板収納手段の一例を示す概略側面図。
【図7】本発明に係る基板分離収納装置の動作の一例を示す図。
【符号の説明】
10…載置台
11…基板
12…下プレート
13…基板固定ガイド
30…分離・保持手段
31…ロッド
31a…第1ロッド
31b…第2ロッド
32…螺旋山部
33…ベースプレート
34…アームプレート
35…回転伝達軸
36、37…軸受け
38…凹部
39、43、49…プーリー
40…ギア
41…ケース
42…回転軸
44…ベルト
45、46…軸受け
47、48…孔
50…ギア
51…プーリー
52…ベルト
53…接合用部材
54…シリンダー
55…クランパー
56…クランパーシリンダー
57…上下スライド用板
58…ボールナット
59…ネジ軸
60…スライダー
61…案内レール
62…支持板
63…支持部材
64…リニアガイド
70…移載手段
71…基板保持部
72…第1スライド部
73…回転部
74…第2スライド部
75…パッド駆動部
76…ハンド
77…第1スライド板
78…第1固定板
79…回転テーブル
80…固定枠
81…第2スライド板
82…第2固定板
83…吊下げ用支持部材
90…基板収納手段
91…ウェハーカセットケース
92…ウェハーカセット
93…キャビネット
94…扉
95…上下移動用エレベーター
96…移動用ガイド
100…水槽
101…支持板
102…水
110…スペーサー取出し手段
111…スペーサー
112…噴流
113…噴流ノズル
120…スペーサー回収手段
121…受け取り板
122…バケット
123…取っ手部
124…傾斜部材
M1、M2、M3、M4、M5…モーター

Claims (4)

  1. 端面が揃うように上下に積み重ねられた実質的に同形状でそれぞれ厚さがtである複数の基板を載置するための載置台と、載置台上の各基板をtよりも大きいピッチDで上下方向に互いに隔てて保持するための分離・保持手段と、ピッチDで互いに隔てて保持された該基板を分離・保持手段から基板収納手段へと移すための移載手段と、複数の基板をピッチDで互いに隔てて収納するための基板収納手段とを具備し、
    該分離・保持手段は、
    それぞれ長手軸を上下にして基板の端面に沿って移動できるように吊下げられ、上端および下端を有するピッチDの螺旋山部が側面に設けられた複数のロッドと、
    1つの基板の周縁部分の裏面側を各ロッドの螺旋山部で支えるために、各ロッドの螺旋山部の下端が該周縁部分の裏面の下をくぐるように各ロッドを長手軸の回りに一回転させるための回転手段と、
    各ロッドを基板の厚さtだけ下方に移動させることが可能な移動手段と、
    1つの基板の周縁部分の裏面側を各ロッドの螺旋山部で支えながら各基板を上下方向にピッチDで互いに隔てて保持するために、最上位の基板から始めて回転手段と移動手段とをこの順に交互に繰り返して駆動させるための駆動手段と
    を有することを特徴とする基板分離収納装置。
  2. 該載置台を水中に配置するための水槽をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 基板間にスペーサーを介してピッチdで上下に積み重ねられた実質的に同形状で端面が揃っている複数の基板を載置するための載置台と、載置台上の各基板をdよりも大きいピッチDで上下方向に互いに隔てて保持するための分離・保持手段と、ピッチDで互いに隔てて保持された該基板の間に残されたスペーサーを取り出すためのスペーサー取出し手段と、ピッチDで互いに隔てて保持された該基板を分離・保持手段から基板収納手段へと移すための移載手段と、複数の基板をピッチDで互いに隔てて収納するための基板収納手段とを具備し、
    該分離・保持手段は、
    それぞれ長手軸を上下にして基板の端面に沿って移動できるように吊下げられ、上端および下端を有するピッチDの螺旋山部が側面に設けられた複数のロッドと、
    1つの基板の周縁部分の裏面側を各ロッドの螺旋山部で支えるために、各ロッドの螺旋山部の下端が該周縁部分の裏面の下をくぐるように各ロッドを長手軸の回りに一回転させるための回転手段と、
    各ロッドをdだけ下方に移動させることが可能な移動手段と、
    1つの基板の周縁部分の裏面側を各ロッドの螺旋山部で支えながら各基板を上下方向にピッチDで互いに隔てて保持するために、最上位の基板から始めて回転手段と移動手段とをこの順に交互に繰り返して駆動させるための駆動手段と
    を有することを特徴とする基板分離収納装置。
  4. 該載置台およびスペーサー取出し手段を水中に配置するための水槽をさらに具備することを特徴とする請求項3記載の装置。
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