JP4190351B2 - 開弁特性制御装置の異常検出装置 - Google Patents

開弁特性制御装置の異常検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の開弁特性制御装置の異常を検出する異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、可変動弁機構を備えた内燃機関の開発が進められ、可変動弁機構の異常を検出する技術の必要性も高まってきている。
例えば、吸気弁や排気弁の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング装置の異常を検出する技術として、内燃機関の振動状態が規定値を超えた時にバルブオーバーラップ量を変更させ、その変更により振動状態が変化しなければ可変バルブタイミング装置が異常であると判定する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−106472号公報
【特許文献2】
特開2001−20798号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では吸気弁や排気弁の開閉タイミングのみならず、作用角およびまたはリフト量をも含めた開弁特性を可変とすることにより内燃機関の吸気量を制御する開弁特性制御装置の開発が進められているため、そのような開弁特性制御装置の異常を正確に検出できる技術が要求されてきている。
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、開弁特性制御装置を備えた内燃機関において、開弁特性制御装置の異常を正確に検出することができる技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された開弁特性制御装置の異常検出装置を提供する。
【0006】
1番目の発明は、各気筒に設けられた弁の開弁特性を変化させる開弁特性制御手段と、上記開弁特性制御手段が特定開弁特性を実現すべく制御されたときに、各気筒毎に燃焼状態の指標を検出すると共にそれら指標の気筒間差を算出する算出手段と、二つ以上の異なる特定開弁特性について上記算出手段が算出した気筒間差をパラメータとして、上記開弁特性制御手段の異常を検出する検出手段と、を備える開弁特性制御装置の異常検出装置を提供する。
【0007】
内燃機関の開弁特性制御装置の異常を検出するのに開弁特性制御装置に設けられている開弁特性センサを利用する方法があるが、普通この方法では開弁特性制御装置の気筒毎に設けられている部分の異常については検出することができない。また、例えば、ある一つの条件(開弁特性)において気筒間の燃焼状態に差があることが検出されたとしても、それが開弁特性制御装置の異常に起因するものなのか、それ以外の原因、例えば燃料噴射装置等の異常に起因するものなのかを判定するのは困難である。
【0008】
これに対し1番目の発明では、二つ以上の異なる特定開弁特性について算出した気筒間差をパラメータとして、上記開弁特性制御手段の異常を検出するので、上記開弁特性制御手段の気筒毎に設けられている部分の異常について検出することができ、また、上記開弁特性制御手段に異常が発生しているか否かについての判定を正確に行うことができる。
【0009】
2番目の発明は、各気筒に設けられた弁の開弁特性を変化させる開弁特性制御手段と、上記開弁特性制御手段が特定開弁特性を実現すべく制御されたときに、各気筒毎に燃焼状態の指標を検出すると共にそれら指標と基準値との偏差を気筒別に算出する算出手段と、二つ以上の異なる特定開弁特性について上記算出手段が算出した気筒別偏差の差をパラメータとして、上記開弁特性制御手段の異常を気筒別に検出する検出手段と、を備える開弁特性制御装置の異常検出装置を提供する。
【0010】
2番目の発明では、二つ以上の異なる特定開弁特性について算出した気筒別偏差の差をパラメータとして、上記開弁特性制御手段の異常を気筒別に検出するので、1番目の発明とほぼ同様の作用及び効果が得られるのに加え、どの気筒で上記開弁特性制御手段に異常が発生しているかについても判定することができる。
【0011】
3番目の発明は、各気筒に設けられた弁の開弁特性を変化させる開弁特性制御手段と、上記開弁特性制御手段が特定開弁特性を実現すべく制御されたときに、各気筒毎に燃焼状態の指標を検出すると共にそれら指標と基準値との偏差を気筒別に算出する算出手段と、二つ以上の異なる特定開弁特性について上記算出手段が算出した気筒別偏差をパラメータとして、上記開弁特性制御手段の異常を気筒別に検出する検出手段と、を備える開弁特性制御装置の異常検出装置において、上記特定開弁特性は、第1の作用角およびまたはリフト量と、この第1の作用角およびまたはリフト量より小さい第2の作用角およびまたはリフト量とを含み、上記検出手段は、上記開弁特性制御手段が第2の作用角およびまたはリフト量を実現すべく制御されたときの気筒間差または気筒別偏差から上記開弁特性制御手段が第1の作用角およびまたはリフト量を実現すべく制御されたときの気筒間差または気筒別偏差を減算し、その減算結果が所定値よりも大きければ上記開弁特性制御手段が異常であると判定する、開弁特性制御装置の異常検出装置を提供する。
上記開弁特性制御手段に生じた異常の内燃機関の燃焼状態に対する影響は、一般に吸気量が少なくなる開弁特性にした場合に大きくなる。したがって、3番目の発明のようにすることによって、上記開弁特性制御手段に異常が発生しているか否かについての判定をより正確に行うことができる。
【0012】
4番目の発明では1番目または2番目の発明において、上記特定開弁特性は、第1の作用角およびまたはリフト量と、この第1の作用角およびまたはリフト量より小さい第2の作用角およびまたはリフト量とを含み、上記検出手段は、上記開弁特性制御手段が第2の作用角およびまたはリフト量を実現すべく制御されたときの気筒間差または気筒別偏差から上記開弁特性制御手段が第1の作用角およびまたはリフト量を実現すべく制御されたときの気筒間差または気筒別偏差を減算し、その減算結果が所定値よりも大きければ上記開弁特性制御手段が異常であると判定する。
【0013】
上述したように上記開弁特性制御手段に生じた異常の内燃機関の燃焼状態に対する影響は、一般に吸気量が少なくなる開弁特性にした場合に大きくなる。したがって、4番目の発明のようにすることによっても、3番目の発明と同様、上記開弁特性制御手段に異常が発生しているか否かについての判定をより正確に行うことができる。
5番目の発明では1番目から4番目の何れかの発明において、上記内燃機関の吸気圧を制御する吸気圧制御手段を更に備え、上記吸気圧制御手段は、上記した総ての特定開弁特性において吸気量が一定となるように予め定められた目標値に制御される。
5番目の発明によっても、1番目から4番目の発明とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。
【0014】
番目の発明では1番目から番目の発明の何れかの発明において、上記指標は、空燃比、機関回転数変動、吸気圧変化、燃焼圧のうちの少なくとも一つを含む。
番目の発明のようにすることによって、比較的簡単な構成で上記開弁特性制御手段に異常が発生しているか否かについての判定を正確に行うことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照番号を付す。
図1は本発明の開弁特性制御装置の異常検出装置が搭載された火花点火式内燃機関の断面図であり、図2は図1に示した内燃機関の吸気系等を含めた概略構成図である。また図3は図1に示した内燃機関の排気系等をも含めた全体概略構成図である。なお、本発明の異常検出装置は筒内噴射型の火花点火式内燃機関や圧縮自着火式のディーゼル内燃機関にも搭載可能である。
【0016】
図1及び図2を参照すると、機関本体1はシリンダブロック2と、このシリンダブロック2内で往復動するピストン3と、シリンダブロック2上に取付けられたシリンダヘッド4とを具備する。また、シリンダヘッド4には点火栓55が設けられている。シリンダブロック2には後述するように四つの気筒5が形成され、各気筒5内にはシリンダブロック2、ピストン3、シリンダヘッド4によって画成される燃焼室6が形成される。
【0017】
各燃焼室6はシリンダヘッド4内に形成された吸気ポート7および排気ポート8に通じている。燃焼室6と吸気ポート7との間には吸気弁9が配置され、吸気弁9は燃焼室6と吸気ポート7との間の流路を開閉している。一方、燃焼室6と排気ポート8との間に排気弁10が配置され、排気弁10は燃焼室6と排気ポート8との間の流路を開閉している。吸気弁9は、後述する仲介駆動機構11とロッカーアーム12とを介して吸気カム13によってリフトされ、排気弁10はロッカーアーム14を介して排気カム15によってリフトされる。吸気カム13は吸気カムシャフト16に取付けられ、一方、排気カム15は排気カムシャフト17に取付けられる。
【0018】
電子制御ユニット(ECU)27は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、マイクロプロセッサ(CPU)、入力ポート、出力ポートを相互に双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュータから構成される。ECU27にはエアフローメータ19の他、アクセルペダルの踏込み量(以下、「アクセル踏込み量」と言う)に比例した出力電圧を発生する負荷センサ29やクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ30等の各種センサが接続される。また、点火栓55や燃料噴射弁(不図示)、スロットル弁56等も接続されその作動が制御される。本実施形態において、スロットル弁56の開度はアクセル踏込み量とは無関係に変更することができ、スロットル弁開度を調整することで吸気圧が制御される。更にECU27は、後述するように仲介駆動機構11を含んで構成される開弁特性制御装置57とも信号をやり取りして開弁特性制御装置57の制御を行い、吸気弁9の開弁特性である作用角及びリフト量の制御も行う。なお、図2において、52は吸気管、53はサージタンクを示している。
【0019】
図3に示したように、本実施形態における内燃機関1は四気筒であり、その排気通路は、まず第一気筒(#1)からの排気通路41と第四気筒(#4)からの排気通路44、並びに第二気筒(#2)からの排気通路42と第三気筒(#3)からの排気通路43が夫々合流して二つの排気通路45、46となり、その後これらが合流して一つの排気通路47となっている。そして、第一気筒からの排気通路41と第四気筒からの排気通路44とが合流した部分、すなわち二つになった排気通路45、46のうちの一方の排気通路45には第一空燃比センサ58aが設けられている。同様に、第二気筒からの排気通路42と第三気筒からの排気通路43とが合流した部分、すなわち二つになった排気通路45、46のうちの一方の排気通路46には第二空燃比センサ58bが設けられている。これらの空燃比センサ58a、58bはECU27に接続されており、検出した空燃比の情報がECU27に供給されるようになっている。また、排気通路が一つとなった部分47には排気浄化装置59が設けられている。
【0020】
次に、図4および図5を参照して、上記仲介駆動機構11及びそれを含んで構成される開弁特性制御装置57について説明する。図4は上記仲介駆動機構11の斜視図であり、図5は上記開弁特性制御装置57の概略構成を示す説明図である。ここで上記仲介駆動機構11は特開2001−263015号公報に記載された仲介駆動機構と同様な構成を有するものであり、いわゆる揺動カム機構として既に公知のものであるので、以下では簡単に説明する。図4に示した仲介駆動機構11は内燃機関の気筒毎に設けられる。したがって、四気筒の内燃機関の場合である本実施形態では、四つの仲介駆動機構11を有することになる。
【0021】
仲介駆動機構11は円筒形の入力部21と、この入力部21の軸線方向において入力部21の一方の側に配置される円筒形の第一揺動カム22と、入力部21の軸線方向において入力部21の上記一方の側とは反対側に配置される円筒形の第二揺動カム23とを具備する。これら入力部21、揺動カム22、23はその軸線を中心として軸線方向に延びる円筒状の貫通孔を有し、この貫通孔を支持パイプ24が貫通する。入力部21、揺動カム22、23はそれぞれ支持パイプ24によって支持され、且つそれぞれ支持パイプ24を中心に回動することができる。支持パイプ24はシリンダヘッド4に固定される。また、支持パイプ24はその軸線を中心として軸線方向に延びる円筒状の貫通孔を有し、この貫通孔を制御シャフト25が貫通する。制御シャフト25は支持パイプ24の貫通孔内で、支持パイプ24の軸線方向に摺動可能である。
【0022】
入力部21の外周面からは入力部21の径方向に向かってアーム21a、21bが延び、これらアーム21a、21bの先端の間にローラ21cが配置される。ローラ21cは、図1に示したように吸気カム13のカム面13aに当接し、これにより入力部21はカム面13aの形状に応じて支持パイプ24周りで回動する。一方、揺動カム22、23の外周面からは揺動カム22、23の径方向に向かってノーズ22a、23aが延び、これらノーズ22a、23aはロッカーアーム12に当接可能である。
【0023】
さらに、入力部21および揺動カム21、22と制御シャフト25との間は一定の制御機構(不図示)によって結合されている。この制御機構は、制御シャフト25を支持パイプ24に対して相対的に移動させると、入力部21と揺動カム22、23とを互いに反対方向に回動させるように構成されている。特に、本実施形態では、制御シャフト25を支持パイプ24に対して方向D1に移動させると、入力部21のローラ21cと揺動カム22、23のノーズ22a、23aとの間の相対角度が大きくなるように入力部21と揺動カム22、23とが回動し、制御シャフト25を支持パイプ24に対して上記方向D1とは反対向きの方向D2に移動させると、入力部21のローラ21cと揺動カム22、23のノーズ22a、23aとの間の相対角度が小さくなるように入力部21と揺動カム22、23とが回動する。ローラ21cとノーズ22a、23aとの相対角度が大きくなると、ローラ21cとノーズ22a、23aとの間隔が長くなり、逆にローラ21cとノーズ22a、23aとの相対角度が小さくなるとローラ21cとノーズ22a、23aとの間隔が短くなる。
【0024】
一方、図1からわかるように、吸気弁9が吸気カム13によってリフトされる量はローラ21cとノーズ22a、23aとの間隔によって変わる。すなわち、ローラ21cとノーズ22a、23aとの間隔が長くなると、ローラ21cが吸気カム13のカム山部13bと当接するときに、ノーズ22a、23aが吸気弁9をリフトする期間が長くなると共にリフトする量が多くなる。逆に、ローラ21cとノーズ22a、23aとの間隔が短くなると、ローラ21cが吸気カム13のカム山部13bと当接するときに、ノーズ22a、23aが吸気弁9をリフトする期間が短くなると共にリフトする量も少なくなる。すなわち、ローラ21cとノーズ22a、23aとの間隔が長くなると、吸気弁9の作用角が大きくなると同時に吸気弁9のリフト量も大きくなり、一方、ローラ21cとノーズ22a、23aとの間隔が短くなると、吸気弁9の作用角が小さくなると同時に吸気弁9のリフト量も小さくなる。
【0025】
したがって、仲介駆動機構11では、制御シャフト25を第一方向D1に移動させると、吸気弁9の作用角が大きくなると同時に吸気弁9のリフト量も大きくなり、制御シャフト25を第二方向D2に移動させると吸気弁9の作用角が小さくなると同時に吸気弁9のリフト量も小さくなる。なお、本実施形態では、このように開弁特性である作用角とリフト量に一定の関係があるが、他の実施形態では開弁特性として作用角のみあるいはリフト量のみを変更するようにしても良い。
【0026】
上述したように本実施形態は四気筒の内燃機関の場合であるので、上記仲介駆動機構11を四つ有している。四つの仲介駆動機構11は図5に示したように直列に並べて配置され、全ての仲介駆動機構11が一つの支持パイプ24と一つの制御シャフト25上に設けられる。したがって、開弁特性制御装置27が正常に作動している場合には、全気筒で同様な開弁特性を得ることができる。
【0027】
図5に示したように、上記制御シャフト25の一方の端部には電動アクチュエータ26が連結され、これによって制御シャフト25の位置が制御できるようになっている。この電動アクチュエータ26はECU27に接続されており、これによって制御される。つまり、本実施形態ではECU27により電動アクチュエータ26を制御して制御シャフト25の位置をその軸線方向に移動することができ、これによって、ローラ21cとノーズ22a、23aとの間隔を変化させて吸気弁9の開弁特性である作用角とリフト量を連続的に制御することができる。
【0028】
制御シャフト25の他方の端部近傍には、制御シャフト25の軸線方向の位置を検出するための位置センサ28が配置される。この位置センサ28により制御シャフト25の位置を検出することができる。この位置センサ28はECU27に接続されており、位置センサ28により検出された制御シャフト25の位置の情報がECU27に供給される。なお、上述したように本実施形態においては、制御シャフト25の位置を制御することでローラ21cとノーズ22a、23aとの間隔を変化させ、それによって吸気弁9の開弁特性である作用角とリフト量を制御するので、上記位置センサ28は、上記開弁特性を検出する開弁特性センサであると言える。
【0029】
本実施形態の内燃機関では、以上のような構成において、各種センサからの信号に基づいてECU27によって燃料噴射量制御、点火時期制御、吸気量制御等の各種制御が実施される。特に吸気量制御については、より詳細にはECU27が上記開弁特性制御装置57と上記スロットル弁56の両方を制御することによって行われる。すなわち、本実施形態では上記開弁特性制御装置57により吸気弁9の開弁特性である作用角とリフト量を連続的に制御することができ、また、スロットル弁56により吸気圧を制御することができるので、通常は開弁特性(リフト量、作用角)と吸気圧とを協調制御することによって吸気量が制御される。
【0030】
ところで、上記のような開弁特性制御装置57の異常を検出することを考えた場合、その方法としてまず上記開弁特性制御装置57に設けられている開弁特性センサ(位置センサ)28を利用する方法がある。ところが、上述のように上記開弁特性センサ28は全気筒が共用する制御シャフト25の位置を検出するものであるため、これによって検出され得る開弁特性制御装置57の異常は、例えば上記制御シャフト25や上記電動アクチュエータ26等の共用部分の異常に限られ、気筒毎に設けられている部分、例えば各仲介駆動機構11等の異常については検出することができない。
【0031】
また、上記のような開弁特性制御装置57の異常は、機関回転数の変動や空燃比等の異常によっても間接的に検出することができるが、この場合、例えば燃料噴射装置や点火装置の異常等でも同様な機関回転数の変動や空燃比等の異常が検出され、実際に開弁特性制御装置57に異常が発生しているか否かを確定することが困難である。
【0032】
このような問題に対し本実施形態では、以下で説明するような制御を行うことで、上記開弁特性制御装置57の気筒毎に設けられている部分の異常について検出することを可能とし、また、上記開弁特性制御装置57に異常が発生しているか否かについての判定を正確に行うことを可能としている。次に、この制御について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0033】
図6は、上述したような構成の内燃機関において開弁特性制御装置57の異常を検出するための制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは吸気量が一定となる定常運転の場合、例えば暖機後のアイドリング運転時等にECU27によって実施される。本制御ルーチンがスタートすると、まずステップ101において、開弁特性を第一の開弁特性(以下、第一開弁特性と言う)とした時の燃焼状態の指標、すなわち燃焼状態に関連して変動する指標(以下、単に燃焼状態の指標と言う)Xfnが気筒毎に検出される(以下、第一開弁特性における第一気筒の燃焼状態の指標をXf1と示し、第二、第三、第四気筒の上記指標をそれぞれXf2、Xf3、Xf4と示す。また、これらをまとめて示す場合にはXfnと示す)。
【0034】
この第一開弁特性には作用角及びリフト量が比較的大きい場合が選択される。なお、開弁特性制御装置によって作用角とリフト量の一方のみを制御する実施形態の場合には作用角またはリフト量が比較的大きい場合とされる。
また、上記燃焼状態の指標Xfnは内燃機関の気筒毎の燃焼状態を判断し得る指標であって、例えば、各気筒における空燃比または各気筒に対応する機関回転数変動等が用いられる。ここで、空燃比については、本実施形態では上述したように排気系に二つの空燃比センサ58a、58bが設けられているので、これらによって検出される空燃比の経時変化をクランク角度との関係で解析することにより各気筒における空燃比を求めることができる。なお、気筒毎の排気通路41、42、43、44にそれぞれ空燃比センサを設け、それによって気筒毎の空燃比を求めるようにしてもよい。
【0035】
また、機関回転数変動については、クランク角センサ30からの信号に基づき機関回転数の経時変化が求められるので、これをクランク角度との関係で解析することにより各気筒における爆発に対応する回転数の変動(例えば各気筒における点火直前の機関回転数と点火後のピーク回転数との差)を求めることができる。そしてこの値を各気筒に対応する機関回転数変動とすることができる。
【0036】
なお、各気筒の吸気ポート7に吸気圧センサを設けた場合には吸気圧を上記燃焼状態の指標Xfnとすることができる。あるいは、各気筒の燃焼圧(例えば、気筒内最大圧力を燃焼圧とする)を検出するようにして、その値を上記燃焼状態の指標Xfnとしてもよい。また、これらのうちの複数のものを同時に検出して、それぞれを上記燃焼状態の指標として用いるようにしてもよい。
【0037】
ステップ101において気筒毎に第一開弁特性での上記のような燃焼状態の指標Xfnが検出されると、ステップ103に進む。ステップ103においては上記指標Xfnの気筒間差(より詳細には気筒間差の大きさ)ΔXfが算出される。本実施形態ではこの気筒間差ΔXfは、各気筒に対して得られた上記指標Xfnの中の最大値Xfmaxと最小値Xfminとの差(ΔXf=Xfmax−Xfmin)とする。なお、他の実施形態においては、気筒間差ΔXfとして、各気筒間の上記指標Xfnの差をそれぞれ求めるようにしてもよい。この場合、二気筒の組合せ毎に六つの気筒間差ΔXfが得られることになる。
【0038】
ステップ103において気筒間差ΔXfが算出されると、ステップ105に進む。ステップ105においては、開弁特性を第二の開弁特性(以下、第二開弁特性と言う)とした時の燃焼状態の指標Xsnが気筒毎に検出される(以下、第二開弁特性における第一気筒の燃焼状態の指標をXs1と示し、第二、第三、第四気筒の上記指標をそれぞれXs2、Xs3、Xs4と示す。また、これらをまとめて示す場合にはXsnと示す)。
【0039】
この第二開弁特性においては上記第一開弁特性の時よりも作用角及びリフト量が小さくされる。なお、開弁特性制御装置によって作用角とリフト量の一方のみを制御する実施形態の場合には作用角またはリフト量が上記第一開弁特性の時よりも小さくされる。
更に、ステップ105において開弁特性を第二開弁特性とした時の吸気量は、ステップ101において開弁特性が第一開弁特性であった時と同じになるようにされる。すなわち、開弁特性制御装置57が正常に作動しているとすれば各開弁特性の時に同じ吸気量になるようにスロットル弁56が制御される。なお、当然のことながら、ステップ105で検出する燃焼状態の指標Xsnはステップ101で検出した燃焼状態の指標Xfnと同種類のものとされる。すなわち、ステップ101において燃焼状態の指標Xfnとして空燃比を検出したのであれば、ステップ105においても燃焼状態の指標Xsnとして空燃比を検出する。
【0040】
ステップ105において気筒毎に第二開弁特性での燃焼状態の指標Xsnが検出されると、ステップ107に進み、ステップ103の場合と同様に上記指標Xsnの気筒間差(より詳細には気筒間差の大きさ)ΔXsが算出される。ここではこの気筒間差ΔXsは、各気筒に対して得られた上記指標Xsnの中の最大値Xsmaxと最小値Xsminとの差(ΔXs=Xsmax−Xsmin)とする。なお、ステップ103の場合と同様、他の実施形態においては、気筒間差ΔXsとして、各気筒間の上記指標Xsnの差をそれぞれ求めるようにしてもよい。この場合、二気筒の組合せ毎に六つの気筒間差ΔXsが得られることになる。
【0041】
ステップ107において気筒間差ΔXsが算出されると、ステップ109に進む。ステップ109においては、上記気筒間差ΔXfを上記気筒間差ΔXsから引いた値が所定値Caより大きいか否かが判定される。そして、ステップ109において上記気筒間差ΔXfを上記気筒間差ΔXsから引いた値が所定値Caより大きいと判定された場合には、ステップ111に進み開弁特性制御装置に異常があると判定され、上記気筒間差ΔXfを上記気筒間差ΔXsから引いた値が所定値Ca以下であると判定された場合には、ステップ113に進み開弁特性制御装置は正常であると判定される。
【0042】
なお、二気筒の組合せ毎に気筒間差ΔXf、ΔXsを六つずつ算出する実施形態においては、ステップ109において同じ気筒の組合せの気筒間差ΔXf、ΔXs毎に判定が行われ、一つでも気筒間差の差(ΔXs−ΔXf)が所定値Caよりも大きければ異常判定(ステップ111)がなされる。
【0043】
上記ステップ109における所定値Caはゼロより大きい値であって上記第一開弁特性と上記第二開弁特性との関係や異常検出の感度等を考慮して予め決定される。すなわち、例えば所定値Caが大きい程、異常検出の感度は低くなる。また、このステップ109における判定は、ステップ103やステップ107で算出された気筒間の燃焼状態の差が開弁特性制御装置57の異常に起因して発生したものか否かを判定する役割を果たすものである。すなわち、開弁特性制御装置57に異常が発生した場合、吸気量に異常が発生するが、その影響は吸気圧が同じであれば吸気量が少なくなるような開弁特性である程、つまり作用角やリフト量が小さい程大きくなることがわかっている(図7は作用角を例にとり、作用角が1度ずれた時に吸気量に与える影響(目標吸気量に対する吸気量のずれ)を百分率にして作用角の大きさに対して示したものである)。したがって、開弁特性制御装置57に異常があれば、それに起因する燃焼状態の気筒間差は、吸気圧が同じであれば吸気量が少なくなるような開弁特性である程、つまり作用角やリフト量が小さい程大きくなるはずである。一方、開弁特性制御装置57以外の部分、例えば燃料噴射装置等に異常があり開弁特性制御装置57に異常がない場合には、上記第一開弁特性の場合と上記第二開弁特性の場合とで吸気量は同じとなるので、開弁特性を変えても燃焼状態の気筒間差は同程度となると考えられる。
【0044】
このようなことから、上記所定値Caをゼロより大きい値として適切に設定すれば、上述したステップ109のような判定を行うことで、上記気筒間差ΔXs、ΔXfが開弁特性制御装置57の異常に起因して発生したものか否かをより正確に判定することができる。
以上のように、図6に示した制御ルーチンによる制御では、燃焼状態の気筒間差を検出するので、開弁特性制御装置57の気筒毎に設けられている部分の異常について検出することができる。また、図6に示した制御ルーチンによる制御によれば、ステップ109における判定により開弁特性制御装置57に異常が発生しているか否かについての判定を正確に行うことができる。
【0045】
次に図8を参照しつつ、上記燃焼状態の指標に空燃比を用いた場合について具体的に説明する。図8は、空燃比センサ58aによって検出された空燃比の経時変化の一例を示す図である。図8(a)は開弁特性が第一開弁特性とされている場合であり、図8(b)は開弁特性が第二開弁特性とされている場合である。各図共、空燃比の変化のクランク角度との関係を示すため一つの山が720°に相当するクランクカウンタが上段に示されている。
【0046】
上述したようにこれらは空燃比センサ58aによって検出された空燃比の経時変化を示しているので、第一気筒と第四気筒に関する空燃比が示されている。実際にはこの空燃比の変化を解析して各気筒における空燃比の変化をより正確に求めることも可能であるが、ここではこの空燃比センサ58aから得られる空燃比の値をそのまま用い、その経時変化をクランク角度との関係で解析して各気筒における空燃比とする。そうすると、例えば図8(a)及び図8(b)に#1、#4で示した点がそれぞれ第一気筒及び第四気筒の空燃比ということになり、これらが燃焼状態の指標Xf1、Xf4、Xs1、Xs4となる。
【0047】
そして、開弁特性が第一開弁特性である場合と第二開弁特性である場合の何れの場合においても、他の気筒の空燃比(すなわち、空燃比センサ58bによって得られる第二気筒及び第三気筒の空燃比)と比較して第四気筒の空燃比Xf4、Xs4が最大で第一気筒の空燃比Xf1、Xs1が最小であったとすると、上述のステップ103及びステップ107で求められる気筒間差ΔXf及びΔXsはこれら空燃比の差であって図8(a)及び図8(b)にΔXf及びΔXsで示した部分がこれらに相当することになる。そして、これらを用いて上述のステップ109の判定が実施され、開弁特性制御装置57に異常が発生しているか否かが判定される。
【0048】
次に図9を参照しつつ、上記燃焼状態の指標に機関回転数変動を用いた場合について具体的に説明する。図9は、クランク角センサ30からの信号に基づいて求められた機関回転数の経時変化の一例を示す図である。図9(a)は開弁特性が第一開弁特性とされている場合であり、図9(b)は開弁特性が第二開弁特性とされている場合である。図8の場合と同様、各図共、機関回転数の変化のクランク角度との関係を示すため一つの山が720°に相当するクランクカウンタが上段に示されている。
【0049】
ここで、図9(a)及び図9(b)に示された機関回転数の経時変化をクランク角度との関係で解析すると、例えば図9(a)及び図9(b)に#1、#2、#3、#4で示した部分がそれぞれ第一から第四気筒における爆発に対応する回転数の変動ということになり、これらが燃焼状態の指標Xf1、Xf2、Xf3、Xf4、並びにXs1、Xs2、Xs3、Xs4となる。
【0050】
そして、これらから開弁特性が第一開弁特性である場合の気筒間差ΔXfと、開弁特性が第二開弁特性である場合の気筒間差ΔXsが求められる(ステップ103及びステップ107)。例えば、図9(a)に示された開弁特性が第一開弁特性である場合に、Xf1が最大で、Xf3が最小であったとすると気筒間差ΔXf=Xf1−Xf3となる。一方、図9(b)に示された開弁特性が第二開弁特性である場合に、Xs4が最大で、Xs3が最小であったとすると気筒間差ΔXs=Xs4−Xf3となる。そして、これらを用いて上述のステップ109の判定が実施され、開弁特性制御装置57に異常が発生しているか否かが判定される。
【0051】
次に、上述したような構成の内燃機関において開弁特性制御装置57の異常を検出するための別の制御について説明する。但し、図6を参照しつつ先に説明した制御と共通する部分については原則として説明を省略する。図10はこの別の制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンがスタートすると、まずステップ201において、開弁特性を第一開弁特性とした時の燃焼状態の指標Xfnが気筒毎に検出される。これは図6の制御ルーチンのステップ101と同様の制御ステップであり、上記指標Xfnとしては空燃比や機関回転数変動等を用いることができる。また、必要なセンサを設ければ、吸気圧や燃焼圧を上記指標Xfnとすることもできる。
【0052】
ステップ201において気筒毎に第一開弁特性での上記燃焼状態の指標Xfnが検出されると、ステップ203に進む。ステップ203においては上記指標Xfnとその指標について予め定めた基準値Xfrとの差(より詳細には予め定めた基準値との差の大きさ)ΔXfnが気筒毎に算出される。この基準値Xfrは、その燃焼状態の指標に関して各運転状態における正常な値もしくは目標とする値であって、事前に実験等によって求めマップ化してECU27に記憶させておく。すなわち、例えば機関回転数、アクセル開度等からその時の燃焼状態の指標の基準値Xfrが得られるようにしておく。ステップ203により、各気筒(第一から第四気筒)の燃焼状態の指標Xfnと基準値Xfrとの差(すなわち、気筒毎偏差)ΔXfn(つまり、ΔXf1=|Xf1−Xfr|、ΔXf2=|Xf2−Xfr|、ΔXf3=|Xf3−Xfr|、ΔXf4=|Xf4−Xfr|)が得られる。
【0053】
ステップ203において上記基準値Xfrとの差ΔXfnが算出されると、ステップ205に進む。ステップ205においては、開弁特性を第二開弁特性とした時の燃焼状態の指標Xsnが気筒毎に検出される。これは図6の制御ルーチンのステップ105と同様の制御ステップである。本制御ルーチンによる制御においても、この第二開弁特性においては上記第一開弁特性の時よりも作用角及びリフト量が小さくされる。なお、開弁特性制御装置によって作用角とリフト量の一方のみを制御する実施形態の場合には作用角またはリフト量が上記第一開弁特性の時よりも小さくされる。
【0054】
更に、ステップ205において開弁特性を第二開弁特性とした時の吸気量は、ステップ201において開弁特性が第一開弁特性であった時と同じになるようにされる。すなわち、開弁特性制御装置57が正常に作動しているとすれば各開弁特性の時に同じ吸気量になるようにスロットル弁56が制御される。なお、当然のことながら、ステップ205で検出する燃焼状態の指標Xsnはステップ201で検出した燃焼状態の指標Xfnと同種類のものとされる。
【0055】
ステップ205において気筒毎に第二開弁特性での上記燃焼状態の指標Xsnが検出されると、ステップ207に進む。ステップ207においては上記指標Xsnとその指標について予め定めた基準値Xsrとの差(より詳細には予め定めた基準値との差の大きさ)ΔXsnが気筒毎に算出される。この基準値Xsrは、上記基準値Xfrと同様、各運転状態におけるその指標に関する正常な値もしくは目標とする値である。但し、上述したようにステップ205において開弁特性を第二開弁特性とした時の吸気量は、ステップ201において開弁特性が第一開弁特性であった時と同じになるようにされ、ステップ201において開弁特性を第一開弁特性とした時とステップ205において開弁特性を第二開弁特性とした時とで内燃機関の運転状態が変わらないようにされるので、通常は基準値Xsrと基準値Xfrは同じ値となる。
【0056】
ステップ207により、各気筒(第一から第四気筒)の燃焼状態の指標Xsnと基準値Xsrとの差(すなわち、気筒毎偏差)ΔXsn(つまり、ΔXs1=|Xs1−Xsr|、ΔXs2=|Xs2−Xsr|、ΔXs3=|Xs3−Xsr|、ΔXs4=|Xs4−Xsr|)が得られる。
ステップ207において上記基準値Xsrとの差ΔXsnが算出されると、ステップ209に進む。ステップ209においては、上記ΔXfnを上記ΔXsnから引いた値が所定値Cbより大きいか否かが気筒毎に判定される。そして、ステップ209において上記ΔXfnを上記ΔXsnから引いた値が所定値Cbより大きいと判定された場合には、ステップ211に進み開弁特性制御装置57のその気筒に係る部分に異常があると判定され、上記ΔXfnを上記ΔXsnから引いた値が所定値Cb以下であると判定された場合には、ステップ213に進み開弁特性制御装置57のその気筒に係る部分は正常であると判定される。
【0057】
上記ステップ209における所定値Cbは、図6の制御ルーチンのステップ109における所定値Caと同様、ゼロより大きい値であって上記第一開弁特性と上記第二開弁特性との関係や異常検出の感度等を考慮して予め決定される。例えば所定値Cbの場合も上記所定値Caの場合と同様、その値が大きい程、異常検出の感度は低くなる。また、このステップ209における判定は、図6の制御ルーチンのステップ109とほぼ同様の原理及び手法により、ステップ203やステップ207で算出された各気筒の燃焼状態の指標の基準値との差が開弁特性制御装置57の異常に起因して発生したものか否かを判定する役割を果たすものである。この制御ステップを有することにより、上記開弁特性制御装置57に異常が発生しているか否かについての判定を正確に行うことができる。
【0058】
以上のように、図10に示した制御ルーチンによる制御によれば、上記開弁特性制御装置57に異常が発生しているか否かについての判定を正確に行うことができる。また、この制御によれば開弁特性制御装置57の気筒毎に設けられている部分の異常について検出することができ、更に、どの気筒に対応する部分で上記開弁特性制御装置57に異常が発生しているかについても判定することができる。
【0059】
なお、以上では開弁特性を二つの異なる開弁特性(第一開弁特性及び第二開弁特性)に変化させる場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、開弁特性を三つ以上の異なる開弁特性に変化させて、その時の上記指標の上記気筒間差や上記基準値との差の変化に基づいて開弁特性制御装置の異常判定をするようにしてもよい。
【0060】
また、上述した内燃機関の構成では、開弁特性制御装置57が吸気弁9側のみに設けられているが、他の実施形態においては開弁特性制御装置が排気弁10側に設けられてもよいし、吸気弁9側および排気弁10側の両方に設けられてもよい。そして、この場合、排気弁10側に設けられた開弁特性制御装置についても、上述したような方法により異常を検出することが可能である。この場合、排気弁10側に設けられた開弁特性制御装置によって排気弁10の開弁特性を二つ以上の異なる開弁特性に変化させるが、その際、各開弁特性とした時に吸気量が同じになるようにスロットル弁56や吸気弁9の開弁特性が制御される。更に、この場合には、上記燃焼状態の指標として機関回転数変動または燃焼圧を用いることが好ましい。
【0061】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明は、開弁特性制御装置を備えた内燃機関において、開弁特性制御装置の異常を正確に検出することを可能にするという共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の開弁特性制御装置の異常検出装置が搭載された火花点火式内燃機関の断面図である。
【図2】図2は、図1に示した内燃機関の吸気系等を含めた概略構成図である。
【図3】図3は、図1に示した内燃機関の排気系等をも含めた全体概略構成図である。
【図4】図4は、仲介駆動機構の斜視図である。
【図5】図5は、開弁特性制御装置の概略構成を示す説明図である。
【図6】図6は、図1から図3に示したような構成の内燃機関において開弁特性制御装置の異常を検出するための制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図7は、作用角が1度ずれた時に吸気量に与える影響(目標吸気量に対する吸気量のずれ)を百分率にして作用角の大きさに対して示したものである。
【図8】図8は、空燃比センサ58aによって検出された空燃比の経時変化の一例を示す図である。図8(a)は開弁特性が第一開弁特性とされている場合であり、図8(b)は開弁特性が第二開弁特性とされている場合である。
【図9】図9は、機関回転数の経時変化の一例を示す図である。図9(a)は開弁特性が第一開弁特性とされている場合であり、図9(b)は開弁特性が第二開弁特性とされている場合である。
【図10】図10は、図1から図3に示したような構成の内燃機関において開弁特性制御装置の異常を検出するための別の制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関(機関本体)
9…吸気弁
10…排気弁
11…仲介駆動機構
13…吸気カム
15…排気カム
27…電子制御ユニット(ECU)
28…位置センサ(開弁特性センサ)
30…クランク角センサ
56…スロットル弁
57…開弁特性制御装置
58a、58b…空燃比センサ

Claims (6)

  1. 各気筒に設けられた弁の開弁特性を変化させる開弁特性制御手段と、
    上記開弁特性制御手段が特定開弁特性を実現すべく制御されたときに、各気筒毎に燃焼状態の指標を検出すると共にそれら指標の気筒間差を算出する算出手段と、
    二つ以上の異なる特定開弁特性について上記算出手段が算出した気筒間差をパラメータとして、上記開弁特性制御手段の異常を検出する検出手段と、を備える開弁特性制御装置の異常検出装置。
  2. 各気筒に設けられた弁の開弁特性を変化させる開弁特性制御手段と、
    上記開弁特性制御手段が特定開弁特性を実現すべく制御されたときに、各気筒毎に燃焼状態の指標を検出すると共にそれら指標と基準値との偏差を気筒別に算出する算出手段と、
    二つ以上の異なる特定開弁特性について上記算出手段が算出した気筒別偏差の差をパラメータとして、上記開弁特性制御手段の異常を気筒別に検出する検出手段と、を備える開弁特性制御装置の異常検出装置。
  3. 各気筒に設けられた弁の開弁特性を変化させる開弁特性制御手段と、
    上記開弁特性制御手段が特定開弁特性を実現すべく制御されたときに、各気筒毎に燃焼状態の指標を検出すると共にそれら指標と基準値との偏差を気筒別に算出する算出手段と、
    二つ以上の異なる特定開弁特性について上記算出手段が算出した気筒別偏差をパラメータとして、上記開弁特性制御手段の異常を気筒別に検出する検出手段と、を備える開弁特性制御装置の異常検出装置において、
    上記特定開弁特性は、第1の作用角およびまたはリフト量と、この第1の作用角およびまたはリフト量より小さい第2の作用角およびまたはリフト量とを含み、
    上記検出手段は、上記開弁特性制御手段が第2の作用角およびまたはリフト量を実現すべく制御されたときの気筒間差または気筒別偏差から上記開弁特性制御手段が第1の作用角およびまたはリフト量を実現すべく制御されたときの気筒間差または気筒別偏差を減算し、その減算結果が所定値よりも大きければ上記開弁特性制御手段が異常であると判定する、開弁特性制御装置の異常検出装置。
  4. 上記特定開弁特性は、第1の作用角およびまたはリフト量と、この第1の作用角およびまたはリフト量より小さい第2の作用角およびまたはリフト量とを含み、
    上記検出手段は、上記開弁特性制御手段が第2の作用角およびまたはリフト量を実現すべく制御されたときの気筒間差または気筒別偏差から上記開弁特性制御手段が第1の作用角およびまたはリフト量を実現すべく制御されたときの気筒間差または気筒別偏差を減算し、その減算結果が所定値よりも大きければ上記開弁特性制御手段が異常であると判定する、請求項1または2に記載の開弁特性制御装置の異常検出装置。
  5. 上記内燃機関の吸気圧を制御する吸気圧制御手段を更に備え、上記吸気圧制御手段は、上記した総ての特定開弁特性において吸気量が一定となるように予め定められた目標値に制御される、請求項1から4の何れか一項に記載の開弁特性制御装置の異常検出装置。
  6. 上記指標は、空燃比、機関回転数変動、吸気圧変化、燃焼圧のうちの少なくとも一つを含む、請求項1からの何れか一項に記載の異常検出装置。
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