JP4190346B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、撮像装置に関し、特にたとえば監視カメラに適用され、被写界の光学像をズームレンズおよびフォーカスレンズを通して撮影する、撮像装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来のこの種の撮像装置の一例が、特許文献1に開示されている。この従来技術では、低照度時に被写体にピントを合わせる場合、まず被写体の輝度が最大となるようにズームレンズを光軸に沿って前後に移動させる。次に、映像信号の高周波成分の振幅が最大になるようにフォーカスレンズを移動させる。そして、それらのレンズの位置に基づいて、撮像装置に記憶されている複数のトラッキングデータ(被写体までの距離ごとにズームレンズとフォーカスレンズの位置関係を示すデータ)の中から1つのデータを選択する。このように、選択したデータを用いてズームレンズとフォーカスレンズの位置を決めると、低照度でも被写体に精度よくピントを合わせることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−116801号公報〔H04N 5/232〕
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、被写体の輝度と映像信号の高周波成分の振幅がそれぞれ最大となるように、ズームレンズとフォーカスレンズを順次移動させてピント合わせを行うと、ピント合わせに要する時間が長くなる。このため、監視カメラでこのようなピント合わせを行うと、その間に侵入した不審者を見落とす恐れがあった。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、ピント合わせにかかる時間を最小限に抑えることができる、撮像装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る撮像装置は、被写界の光学像をズームレンズおよびフォーカスレンズを通して撮影する撮像装置であって、有効/無効を切換えることができ、有効な状態で光学像から赤外光をカットするフィルタ、フィルタが有効な状態で合焦が維持されるフォーカスレンズおよびズームレンズの位置関係を記憶するメモリ手段、およびフィルタが無効とされたときメモリ手段に記憶された位置関係を補正する補正手段を備え、補正手段は、ズームレンズの移動範囲のうち第1範囲における位置関係の補正量を第1補正量として特定する第1補正量特定手段、およびズームレンズの移動範囲のうち第2範囲における位置関係の補正量を第2補正量として特定する第2補正量特定手段を含むことを特徴とする。
【0007】
【作用】
光学像から赤外光をカットするフィルタを、手動で有効な状態にしたり無効な状態にしたりすることができる。このフィルタが有効な状態のときに、フォーカスレンズとズームレンズとの位置関係をメモリ手段に記憶する。次に、フィルタが無効とされたときに、メモリ手段に記憶させた位置関係を補正手段によって補正して、その位置関係を求める。このことにより、フィルタが無効な状態でも、短時間で被写体に合焦させることができる。
そして、第1補正量特定手段によって、ズームレンズの移動範囲のうち第1範囲におけるズームレンズとフォーカスレンズとの位置関係の第1補正量を特定する。次に、第2補正量特定手段によって、ズームレンズの移動範囲のうち第2範囲におけるズームレンズとフォーカスレンズとの位置関係の第2補正量を特定する。このことにより、第1範囲と第2範囲でそれぞれ補正量を特定することができるので、ズームレンズの全移動範囲で合焦させながら光学像の倍率を変えることができる。
【0008】
過去に特定した第1補正量と今回特定した第1補正量との差分を算出し、その差分に応じて、第2補正量特定手段を不能化する。この場合、算出した差分によっては、ズームレンズを第2範囲に移動させないので、被写界を撮影する時間を長くすることができる。
【0009】
好ましくは、過去に特定した第1補正量と今回特定した第1補正量とから算出した差分が、第3閾値以下のときに、第2補正量特定手段を不能化する。
【0010】
このフィルタの有効/無効は、被写界の明るさに応じ、制御手段によって切換えることができる。このことにより、フィルタの有効/無効の切換えは自動的に行うことができる。
【0011】
このフィルタは、被写界の明るさが第1閾値を上回るときに有効とされ、第2閾値を下回るときに無効とされる。
【0012】
好ましくは、第1閾値は第2閾値よりも大きく設定する。このことにより、撮影モードの判別にヒステリシス特性を持たせることができる。
【0014】
【発明の効果】
この発明によれば、基準となるトラッキングデータを補正して任意の波長分布の光に対するトラッキングデータを求めるので、被写体にピントを合わせるために要する時間を最小限に抑えることができる。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0016】
【実施例】
図1を参照して、この実施例の監視カメラ10は、ズームレンズ12を含む。ズームレンズ12は、ステッピングモータ16により光軸に沿って前後に移動し、被写体像を任意の倍率に拡大したり縮小したりする。
【0017】
ズームレンズ12の内側には、フォーカスレンズ14が設けられている。フォーカスレンズ14は、ズームレンズ12の動きに連動してステッピングモータ18により光軸に沿って前後に移動し、撮像素子であるCCD28の受光面に被写体像を結像する。
【0018】
フォーカスレンズ14を透過した光は、さらに光学フィルタ20および色フィルタ26を介してCCD28の受光面に入射する。光学フィルタ20は、図2に示すように、その上半分は赤外光(700nm以上の波長成分)をカットするIRカットフィルタ(赤外光カットフィルタ)20aからなり、下半分はダミーガラス20bからなる。この光学フィルタ20は、CPU34によって制御されるステッピングモータ24によってその長さ方向に移動する。フォーカスレンズ14とCCD28との間の光軸上には、外部の明るさに応じて、IRカットフィルタ20aおよびダミーガラス20bのいずれか一方が配置される。
【0019】
外部が明るいときには、光軸上にIRカットフィルタ20aが配置され、可視光だけを透過し赤外光を除去する。一方、外部が暗いときには、光軸上にダミーガラス20bが配置され、可視光とともに赤外光も透過させる。IRカットフィルタ20aのかわりにガラスフィルタ20bを挿入するのは、IRカットフィルタ20aを挿入した場合と同じ光路長にするためである。なお、IRカットフィルタ20aとダミーガラス20bのいずれが光軸上にあるかは状態センサ22によって検知され、その検知信号はCPU34に与えられる。
【0020】
色フィルタ26は、Ye、Cy、MgおよびGの各色要素がモザイク状に配置された補色フィルタである。この色フィルタ26は、CCD28の受光面に形成された複数の受光素子の各々に対応しており、各受光素子で光電変換される電荷は、Ye、Cy、MgまたはGの光量を反映する。
【0021】
各CCD28に蓄積された電荷つまり補色画像信号は、CCD28から読み出された後、CDS回路30で相関2重サンプリングによりノイズ除去を施される。次に、AGC回路38でゲイン調整を施され、A/D変換器40でディジタル信号である補色画像データに変換される。
【0022】
前述のCCD28からの補色画像信号の読み出し、CDS回路30によるノイズ除去およびA/D変換器40による補色画像データへの変換は、TG32から出力されたタイミング信号に応答して実行される。また、後述するD/A変換器50からCPU34に入力される輝度信号に基づいて、CPU34は撮影モードが昼間モードであるか夜間モードであるかを判断する。そして、CPU34はその判断結果に基づいて、AGC回路38のゲイン調整を行う。
【0023】
信号処理回路42は、A/D変換器40から出力された補色画像データに色分離、RGB変換、白バランス調整およびYUV変換の一連の処理を施す。補色画像データを形成する各々の画像データはYe、Cy、MgおよびGのいずれか1つの色情報しか持たないため、不足する色情報は色分離処理によって補完される。色分離処理によって得られた補色画像データは、RGB変換によって原色画像データに変換され、変換された原色画像データは白バランス調整を施される。YUV変換は白バランスが調整された原色画像データに対して施され、これによって輝度成分であるYデータと色差成分であるUデータおよびVデータ(U:R−Y、V:B−Y)とが生成される。
【0024】
UデータおよびVデータは色処理信号回路44に与えられ、Yデータは輝度処理回路46に与えられる。色処理信号回路44は、与えられたUデータおよびVデータを、カラーバースト信号を含む搬送色データに変換し、輝度処理回路46は、与えられたYデータを水平同期パルスおよび垂直同期パルスを含む輝度データに変換する。
【0025】
搬送色データはD/A変換器48によってアナログ信号である搬送色信号に変換され、変換された搬送色信号は3.58MHzを中心周波数とするBFP52でノイズ除去を施される。輝度データは、D/A変換器50でアナログ信号である輝度信号に変換され、変換された輝度信号はカットオフ周波数が6.0MHzのLPF54でノイズ除去を施される。ノイズが除去された搬送色信号および輝度信号は加算器56によって互いに加算され、これによってNTSC方式のコンポジットビデオ信号が生成される。生成されたコンポジットビデオ信号は、出力端子58から出力され、ビデオレコーダ(図示せず)によって記録媒体に記録される。
【0026】
CPU34は、D/A変換器50からの輝度信号に基づいてD/A変換器48をオン/オフする。すなわち、CPU34は、輝度信号の大きさがあらかじめ設定した閾値よりも大きい場合には、昼間モードで撮影するために、ステッピングモータ24を制御してIRカットフィルタ20aを有効にし、D/A変換器48をオン状態にする。この結果、カラー方式のコンポジットビデオ信号が出力端子58から出力される。
【0027】
一方、CPU34は、輝度信号の大きさがあらかじめ設定した閾値よりも小さい場合には、夜間モードで撮影するため、ステッピングモータ24を制御してガラスフィルタ20bを無効にし、D/A変換器48をオフ状態にする。この結果、モノクロ方式のコンポジットビデオ信号が出力端子58から出力される。
【0028】
フラッシュメモリ36は、CPU34が実行する処理に対応する制御プログラム、可視光に対するトラッキングデータ、このデータを補正して求めた赤外光を含む光に対するトラッキングデータおよび各種の閾値を記憶する。また、レジスタ34a、34bはそれぞれ後述するオフセット量を記憶する。
【0029】
次に、この監視カメラ10を用いて監視する場合の動作を説明する。監視カメラ10は、昼夜を問わずズームレンズ12をワイド(WIDE)領域の監視位置に固定して映像を記録する。そして、不審者を発見すると、監視カメラ10に記憶されているトラッキングデータにしたがって不審者にピントを合わせた状態でズームレンズ12を移動させて不審者を拡大し、その映像を記録する。
【0030】
CCD28は可視光に対してだけでなく、赤外光に対しても高い感度を有する。このため、昼間のように外部が明るいときに、被写体からの光をそのままCCD28に入射させると、再現される色に赤味がかかる。このため、フォーカスレンズ14とCCD28との間にIRカットフィルタ20aを挿入して赤外光を除去し、人間の目で見るのと同程度の色再現性を実現している。
【0031】
一方、夜間のように外部が暗いときには、可視光だけでは十分な光量が得られない。このため、IRカットフィルタ20aのかわりにガラスフィルタ20bを挿入して、可視光だけでなく赤外光も透過させて必要な光量を確保する。このとき、カラー映像では白バランスが取れないため、D/A変換器48をオフして白黒映像に切り替える。
【0032】
このように、外部の明るさに応じて光学フィルタ20をIRカットフィルタ20aからガラスフィルタ20bに切り換えると、トラッキングデータも修正する必要がある。可視光に対するトラッキングデータは、被写体と監視カメラ10との距離が決まれば、図5に示すように一義的に決まる。しかし、赤外光を含む場合は、その波長分布によってトラッキングデータが異なる。ズームレンズ12の位置が可視光の場合と同じ位置であっても、赤外光の波長が長くなるほど、CCD28の表面からより深いところで光電変換される。このため、フォーカスレンズ14の位置が可視光の場合と同じだと、被写体にピントを合わせることができない。
【0033】
そこで、可視光に対するトラッキングデータをフラッシュメモリ36にあらかじめ記憶させておく。次に、赤外光を含む光が入射した場合に、フラッシュメモリ36に記憶させたデータからのオフセット量を求めて、トラッキングデータを補正する。この結果、赤外光の波長分布ごとのトラッキングデータをあらかじめフラッシュメモリ36に記憶させておく必要がなく、またピント合わせも数ミリ秒でできるので不審者の侵入を見落とす可能性も低い。
【0034】
さらに、このオフセット量は、ワイド領域内およびテレ領域内ではそれぞれ一定値であるが、ワイド領域とテレ(TELE)領域とではその値が異なる。したがって、侵入した不審者にピントを合わせた状態で不審者を拡大するためには、ズームレンズ12をワイド領域の監視位置に置いてオフセット量を求めた後、テレ領域に移動させてさらにオフセット量を求め、これらのオフセット量を用いてワイド領域とテレ領域のトラッキングデータをそれぞれ補正することが望ましい。
【0035】
ここで、ステッピングモータ18を制御して不審者にピントを合わせるために必要な時間は数ミリ秒程度と短い。しかし、ズームレンズ12をワイド領域の監視位置からテレ領域に移動させてオフセット量を求めた後、再びテレ領域からワイド領域の監視位置に移動させるために必要な時間は数秒と長い。この期間、監視カメラ10は不審者の侵入を監視することができないので、不審者が侵入してもその映像を捉えられない。
【0036】
そこで、ズームレンズ12の位置をテレ領域に移動させてオフセット量を求める回数を最小限に抑えるために、ワイド領域で求めたオフセット量が前回求めたオフセット量と異なる場合のみ、テレ領域でもオフセット量を求める。
【0037】
この監視カメラ10の動作のうち、光学フィルタ20の切換えのサブルーチンについて、図3を参照して説明する。まず、ステップS1で、昼間モードで撮影可能かどうかを判断する。この判断は、D/A変換器50からの輝度信号の大きさと第1閾値TH1との大小関係により行われる。そして、Y≧TH1の場合には、外部は十分明るいので昼間モードで撮影できると判断してステップS3に進み、Y<TH1ならステップS9に進む。
【0038】
ステップS3で、CPU34に設定されたフラグflgが“1”かどうかを判断する。このフラグflgは、状態センサ22からの検知信号に基づいて設定される。フラグflgが“1”の場合には、フォーカスレンズ14とCCD28との間の光軸上にIRカットフィルタ20aが配置されているので、メインルーチンに戻る。
【0039】
一方、フラグflgが“0”の場合は、光軸上にガラスフィルタ20bが配置されている。このため、ステップS5で、ステッピングモータ24を制御してガラスフィルタ20bのかわりにIRカットフィルタ20aを配置する。そして、ステップS7で、フラグflgを“1”にセットする。フラグflgを“1”にセットすることにより、次に夜間モードになるまでIRカットフィルタ20aが配置された状態になる。
【0040】
また、ステップS9で、夜間モードで撮影可能かどうかを判断する。この判断は、D/A変換器50からの輝度信号の大きさと第2閾値TH2との大小関係により判断する。その結果、Y>TH2の場合には、夜間モードで撮影できないと判断してメインルーチンに戻る。一方、Y≦TH2のときは、外部は暗いので夜間モードで撮影可能と判断する。ここで、モード判定にヒステリシスを持たせるべく、第1閾値TH1と第2閾値TH2との関係はTH1>TH2としている。
【0041】
次に、ステップS11で、フラグflgが“0”かどうかを判断する。その結果、フラグflgが“0”の場合には、すでにフォーカスレンズ14とCCD28との間の光軸上にガラスフィルタ20bが配置されているので、メインルーチンに戻る。一方、フラグflgが“1”の場合には、ステップS13で、フォーカスレンズ14とCCD28との間の光軸上にガラスフィルタ20bを配置する。
【0042】
このガラスフィルタ20bは赤外光も透過させるので、CCD28に入射する光は赤外光を含む。一方、あらかじめフラッシュメモリ36に記憶されているトラッキングデータは可視光に対するデータなので、使用できない。そこで、ステップS15で、このトラッキングデータを補正して赤外光を含む光に対するトラッキングデータを求める。このトラッキングデータを補正するサブルーチンについては、後述する。
【0043】
赤外光を含む光に対するトラッキングデータを求めた後、ステップS17でフラグflgを“0”にセットして、メインルーチンに戻る。このようにして、監視カメラ10の撮影モードに応じて、IRカットフィルタ20aとガラスフィルタ20bの切換えを行う。
【0044】
なお、このサブルーチンではIRカットフィルタ20aとガラスフィルタ20bの切換えを自動で行う場合について説明したが、このサブルーチンによらずに、手動で行ってもよい。
【0045】
可視光に対するトラッキングデータを補正して赤外光を含む光に対するトラッキングデータを求めるCPU34の動作を説明する前に、図5を参照して、可視光のトラッキング曲線について説明する。このトラッキング曲線は、被写体と監視カメラ10との距離が一定の場合に、被写体にピントを合わせた状態で被写体像を拡大または縮小するときに使用するトラッキングデータをグラフ化したものである。このトラッキング曲線に沿って、ズームレンズ12およびフォーカスレンズ14を移動させると、被写体にピントを合わせた状態で被写体像を拡大することができる。
【0046】
図5からわかるように、ズームレンズ12がワイド領域にある場合には、その位置がテレ領域側に移動するにつれてフォーカスレンズ14の位置も無限遠側から至近端側に移動する。一方、ズームレンズ12がテレ領域にある場合に、その位置がワイド領域側に移動するにつれて、フォーカスレンズ14の位置も無限遠側から至近端側に移動する。このため、ズームレンズ12の位置がワイド領域とテレ領域との境界位置で、フォーカスレンズ14の位置は最も至近端側となる。
【0047】
このような可視光に対するトラッキングデータを記憶する監視カメラ10でガラスフィルタ20bを挿入して夜間モードにすると、CCD28に入射する光に赤外光が含まれる。このときズームレンズ12を移動させて被写体を拡大する場合、可視光に対するトラッキングデータを用いてフォーカスレンズ14を移動させても、被写体にピントを合わせた状態で被写体を拡大することができない。
【0048】
そこで、可視光に対するトラッキングデータに基づいて、赤外光を含む入射光に対するトラッキングデータを求めるサブルーチンについて、図4を参照して説明する。
【0049】
まず、ステップS21で、ズームレンズ12がワイド領域の監視位置にあるときに、可視光に対するフォーカスレンズ14の位置と赤外光を含む照明光に対するフォーカスレンズ14の位置との差であるオフセット量ΔWcを求める。具体的には、図5のトラッキング曲線のワイド領域の一部を拡大した図6を参照して説明する。まず、ズームレンズ12の位置を監視位置であるワイド領域のA点に固定したときに、フラッシュメモリ36に記憶させたトラッキングデータからCCD28の受光面に被写体像のピントが合うように移動したフォーカスレンズ14の位置B点の座標を求める。
【0050】
次に、赤外光を含む照明光について、可視光の場合と同じ位置A点にズームレンズ12を固定したままで、CCD28の受光面で被写体像のピントが合うようにフォーカスレンズ14を移動させて、その位置Cの座標を求める。このようにして求めたB点の座標とC点の座標との差が、オフセット量ΔWcである。なお、フォーカスレンズ14は、図6に示す無限遠トラッキング曲線と至近端リミッタとに挟まれた範囲で動かすことができる。
【0051】
次に、ステップS23で、前回の夜間モード撮影時にレジスタ34aに記憶させたワイド領域のオフセット量△Wrを呼び出す。そして、ステップS25で、
と、あらかじめフラッシュメモリ36に記憶させておいた閾値WTHとの大小関
は、照明光に含まれる赤外光の波長分布に前回とほぼ同じであると考えられる。このため、レジスタ34aに記憶されたオフセット量△Wrを書き換えずに、メインルーチンに戻る。このように、ワイド領域のオフセット量ΔWrを書き換える必要がない場合、テレ領域のオフセット量ΔTrも書き換える必要がないと考えられる。したがって、今回の夜間モード撮影時に使用するトラッキングデータは、フラッシュメモリ36に記憶されているトラッキングデータを使用する。
【0052】
分布がかなり変化していると考えられるので、現在フラッシュメモリ36に記憶されたトラッキングデータを用いて被写体にピントを合わせながら被写体像を拡大することができない。このため、ステップS27で、現在レジスタ34aに記憶されているオフセット量△Wrを、ステップS21で求めたオフセット量△Wcに書き換える。
【0053】
このように、ワイド領域でオフセット量が変わったことから、テレ領域でもオフセットが変化していると考えられる。このため、テレ領域でもオフセット量ΔTcを求めるために、ステップS29で、ズームレンズ12をテレ領域の任意の一点に移動させる。
【0054】
そして、ステップS31で、ステップS27でオフセット△Wcを求めたのと同様にして、オフセット△Tcを求める。次に、ステップS33で、レジスタ34bが現在記憶しているオフセット量△Trを、新たに求めたオフセット量△Tcに書き換える。このように、テレ領域で再びオフセット量△Tcを求めるのは、ワイド領域で求めたオフセット量ΔWcを用いてトラッキングデータを補正しても、被写体像を拡大するためにズームレンズがテレ領域に移動すると被写体にピントが合わなくなるからである。
【0055】
ステップS35で、ズームレンズ12をワイド領域の監視位置であるA点に戻す。次に、ステップS37で、新たに求めたワイド領域のオフセット△Wcを用いて、フラッシュメモリ36に記憶されている可視光のトラッキングデータを補正し、夜間モード時のトラッキングデータを作成する。具体的には、図5に示すワイド領域のトラッキング曲線を、レジスタ34aに記憶させたオフセット量ΔWcだけフォーカスレンズ14の位置を至近端側に平行移動させて、ワイド領域のトラッキングデータを作成する。同様に、テレ領域のトラッキング曲線を、レジスタ34bに記憶させたオフセット量ΔTcだけフォーカスレンズ14の位置を至近端側に平行移動させて、テレ領域のトラッキングデータを作成する。
【0056】
このようにして作成した赤外光補正したトラッキング曲線の一例を図7に示す。図7からわかるように、ワイド領域とテレ領域との境界を境にしてそれぞれオフセット量がそれぞれ異なり、したがってトラッキング曲線もこの境界で不連続となることがわかる。この赤外光補正のトラッキングデータをフラッシュメモリ36に記憶させ、次に夜間照明に含まれる赤外光の波長分布が変わるなど、新たにオフセット量を求める必要が生じるまで、監視カメラ10はこの新しく求めたトラッキングデータを用いて、ズームレンズ12およびフォーカスレンズ14の位置を制御して、被写体にピントを合わせながら被写体像を拡大する。
【0057】
以上の説明からわかるように、被写界が明るいときに、光学像から赤外光をカットするIRカットフィルタ20aを手動で光軸上に挿入し、このときのフォーカスレンズ14とズームレンズ12の位置関係をフラッシュメモリ36に記憶させる。次に、この位置関係を補正して、IRカットフィルタ20aを抜き取ったときのフォーカスレンズ14とズームレンズ12の位置関係を求める。この補正された位置関係を用いることによって、IRカットフィルタ20aが無効にされた場合にも、短時間で被写体にピントを合わせることができる。
【0058】
このIRカットフィルタ20aは、被写界の明るさに応じて、自動的に光軸上に挿入されたり、光軸上から抜き取られたりする。
【0059】
IRカットフィルタ20aは、被写界の明るさが第1閾値TH1を上回るときに光軸上に挿入され、第2閾値TH2を下回るときに抜き取られる。
【0060】
好ましくは、第1閾値TH1は第2閾値TH2よりも大きく設定する。このことにより、撮影モードの判別にヒステリシス特性を持たせることができる。
【0061】
まず、ワイド領域におけるズームレンズ12とフォーカスレンズ14との位置関係の補正量を特定する。次に、テレ領域におけるズームレンズ12とフォーカスレンズ14との位置関係の補正量を特定する。このことにより、ワイド領域とテレ領域でそれぞれ補正量を特定することができるので、ズームレンズ12の全移動範囲でピントを合わせながら被写体像の倍率を変えることができる。
【0062】
ワイド領域で過去に特定した補正量と今回特定した補正量との差分を算出し、算出した差分によっては、ズームレンズ12をテレ領域に移動させなくてもよいようにする。この場合、ズームレンズ12の移動時間が不要となるので、侵入者を見逃す可能性を低くすることができる。
【0063】
好ましくは、ワイド領域で過去に特定した補正量と今回特定した補正量とから算出した差分が、閾値WTH以下のときに、テレ領域での補正量を特定しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】光学フィルタの一例を示す図解図である。
【図3】図1実施例の動作の一部を示すフロー図である。
【図4】図1実施例の動作の一部を示す他のフロー図である。
【図5】図1実施例のトラッキング曲線の一例を示す図解図である。
【図6】図1実施例のトラッキング曲線の一例を示す他の図解図である。
【図7】図1実施例のトラッキング曲線の一例を示すその他の図解図である。
【符号の説明】
10…監視カメラ
12…ズームレンズ
14…フォーカスレンズ
20a…IRカットフィルタ
20b…ガラスフィルタ
28…CCD
34…CPU
Claims (6)
- 被写界の光学像をズームレンズおよびフォーカスレンズを通して撮影する撮像装置において、
有効/無効を切換えることができ、前記有効な状態で前記光学像から赤外光をカットするフィルタ、
前記フィルタが有効な状態で合焦が維持される前記フォーカスレンズおよび前記ズームレンズの位置関係を記憶するメモリ手段、および
前記フィルタが無効とされたとき前記メモリ手段に記憶された位置関係を補正する補正手段を備え、
前記補正手段は、前記ズームレンズの移動範囲のうち第1範囲における前記位置関係の補正量を第1補正量として特定する第1補正量特定手段、および前記ズームレンズの移動範囲のうち第2範囲における前記位置関係の補正量を第2補正量として特定する第2補正量特定手段を含むことを特徴とする、撮像装置。 - 前記補正手段は、過去に特定した第1補正量と今回特定した第1補正量との差分を算出する差分算出手段、および前記差分算出手段によって算出された差分に応じて前記第2補正量特定手段を不能化する不能化手段をさらに含む、請求項1記載の撮像装置。
- 前記不能化手段は前記差分が第3閾値以下のとき前記第2補正量特定手段を不能化する、請求項2記載の撮像装置。
- 前記被写界の明るさに応じて前記フィルタの有効/無効の切換えを制御する制御手段をさらに備える、請求項1乃至3記載のいずれかの撮像装置。
- 前記制御手段は、前記被写界の明るさが第1閾値を上回るとき前記フィルタを有効化し、前記被写界の明るさが第2閾値を下回るとき前記フィルタを無効化する、請求項4記載の撮像装置。
- 前記第1閾値は前記第2閾値よりも大きい、請求項5記載の撮像装置。
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