JP2004120202A - 撮像装置,撮像モード切替方法 - Google Patents
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Landscapes
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Abstract
【課題】撮像環境の影響を受けずに撮像モードを安定して切り替えることが可能な撮像装置を提供すること。
【解決手段】撮像素子に対して脱着可能な赤外線カットフィルタを介して撮像するデイモードと,赤外線カットフィルタを介さないで撮像するナイトモードとを,被写体から撮像素子への入射光量に応じて切り替え可能な撮像装置が提供される。かかる撮像装置は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量(レベル3)に基づいて,ナイトモードからデイモードに切り替える基準となる基準入射光量(レベル4)を設定することを特徴とする。かかる構成により,デイモードからナイトモードへ切り替えた時の入射光量に応じて,ナイトモードからデイモードへ復帰させるための基準入射光量を,撮像環境に応じて動的に変化させることができる。このため,撮像モードの切り替え動作が安定する。
【選択図】 図9
【解決手段】撮像素子に対して脱着可能な赤外線カットフィルタを介して撮像するデイモードと,赤外線カットフィルタを介さないで撮像するナイトモードとを,被写体から撮像素子への入射光量に応じて切り替え可能な撮像装置が提供される。かかる撮像装置は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量(レベル3)に基づいて,ナイトモードからデイモードに切り替える基準となる基準入射光量(レベル4)を設定することを特徴とする。かかる構成により,デイモードからナイトモードへ切り替えた時の入射光量に応じて,ナイトモードからデイモードへ復帰させるための基準入射光量を,撮像環境に応じて動的に変化させることができる。このため,撮像モードの切り替え動作が安定する。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,撮像装置および撮像モード切替方法にかかり,特に,赤外線カットフィルタを備えた撮像装置およびその撮像モード切替方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラなどの撮像装置では,被写体からの入射光量に応じて赤外線カットフィルタを脱着することにより,撮像素子(撮像デバイス)への入射光量を増減させて撮像モードを切り替えるタイプのものが提案されている。このタイプの撮像装置では,例えば,昼間など通常の撮像環境で赤外線カットフィルタを取り付けて撮像するモード(デイモード)と,夜間など比較的入射光量が少ない撮像環境で赤外線カットフィルタを取り外して撮像するモード(ナイトモード)とを,切り替えることが一般的である。
【0003】
かかる撮像装置で,デイモードからナイトモードに切り替える条件は,例えば,撮像環境が暗くなり,撮像素子への入射光量が所定量以下に減少した場合である。なお,かかる入射光量の測定は,例えば,AGC回路の出力レベル等,露光状態を判断できる情報に基づいて行われる。
【0004】
一方,ナイトモードからデイモードに戻る条件は,例えば,上記撮像環境よりいくらか明るくなり,撮像素子への入射光量が基準入射光量以上に増加した場合である。かかる基準入射光量は,一般的に,上記デイモードからナイトモードに切り替えたときの入射光量より所定量だけ大きい光量に設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の撮像装置の撮像モード切替方法では,撮像環境下に例えば赤外もしくは近赤外領域の光を放つ光源が存在している場合などに問題が生じる場合がある。即ち,デイモードからナイトモードに遷移した結果,当該光源の光によって明るくなる状態になる(入射光量が上記基準入射光量を超えてしまう)ので,すぐさまデイモードに戻してしまう。しかしながら,デイモードでは露光条件が悪いので,再度ナイトモードに遷移してしまう。このように,デイモードとナイトモードの間を繰り返し遷移してしまうので,撮像装置の動作が不安定な状態が続き,好適に撮像できないという問題があった。
【0006】
本発明は,従来の撮像装置が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,撮像環境の影響を受けずに撮像モードを安定して切り替えることが可能な,新規かつ改良された撮像装置およびその撮像モード切替方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,撮像素子に対して脱着可能な赤外線カットフィルタを介して撮像するデイモードと,赤外線カットフィルタを介さないで撮像するナイトモードとを,被写体から撮像素子への入射光量に応じて切り替え可能な撮像装置が提供される。かかる撮像装置は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量に基づいて,ナイトモードからデイモードに切り替える基準となる基準入射光量を設定することを特徴とする。
【0008】
かかる構成により,赤外線カットフィルタは,被写体から撮像装置のレンズに入射した光のうち,近赤外光および赤外光などをカットして例えば可視光のみを透過させ,CCDなどの撮像素子に入射させることができる。かかる赤外線カットフィルタを撮像素子に対して脱着可能に構成することで,赤外線カットフィルタを装着することにより被写体から撮像素子に対して例えば可視光のみを入射させて撮像するデイモードと,赤外線カットフィルタを取り外すことにより例えば可視光のみならず近赤外光および赤外光なども入射させて撮像するナイトモードとを,撮像素子への入射光量に応じて切り替えることができる。
【0009】
さらに,上記デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量の大きさに応じて上記基準入射光量を設定し,この基準入射光量に基づいてナイトモードからデイモードに復帰させることができる。即ち,デイモードからナイトモードへの切り替え時の入射光量に応じて,ナイトモードからデイモードへ復帰させる基準となる入射光量(即ち,基準入射光量)を動的に変化させることができる。このデイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量は,当該切り替え時における撮像環境の光量を反映しているものである。このため,当該切り替え時の入射光量に基づいて設定された基準入射光量は,当該切り替え時における撮像環境の光量に応じた好適な値に設定されることとなる。従って,撮像装置は,撮像環境の影響を受けることなく,ナイトモードからデイモードへと撮像モードを安定して切り替えることができる。
【0010】
また,上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量を補正した光量に設定される,如く構成すれば,当該切り替え時の入射光量に任意の演算(加算,乗算など)を行って,好適な基準入射光量を容易かつ迅速に算出できる。
【0011】
また,上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量に所定量加えた光量に設定される,如く構成すれば,例えば,撮像環境に強力な赤外光光源などが存在するため,デイモードからナイトモードに切り替えた時に入射光量が大幅に増加した場合であっても,この増加した入射光量より基準入射光量をさらに大きく設定することができる。従って,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量が基準受光量を超えることがないので,デイモードからナイトモードへの切り替え後に,即時,デイモードに切り替えてしまうという誤動作を防止できる。
【0012】
また,上記基準入射光量設定装置は,デイモードからナイトモードに切り替わる度に,基準入射光量を更新する,如く構成すれば,基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替える度に,撮像環境に応じた好適な値に設定され直される。このため,撮像装置は,撮像場所の移動若しくは光源の変化などといった撮像環境の変化に柔軟に対応して,撮像モードを切り替えることができる。
【0013】
また,上記撮像装置は,自動露光調整装置を備えており,撮像素子への入射光量を表すパラメータとして,自動露光調整装置によって調整された露光条件情報を利用する,如く構成すれば,自動露光調整装置は,撮像素子への入射光量に応じて例えばレンズの絞りやAGC回路のゲイン,シャッタスピードなどの露光条件を調整し,露光量を自動調整できる。また,入射光量に相当する情報としてかかる自動露光調整装置によって調整された露光状態を判断できる情報(露光条件情報)を用いることで,撮像モードを切り替えるための撮像装置の各種装置を簡素化できるとともに,当該各種装置の制御が容易になる。
【0014】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,撮像素子に対して脱着可能な赤外線カットフィルタを介して撮像するデイモードと,赤外線カットフィルタを介さないで撮像するナイトモードとを,被写体から撮像素子への入射光量に応じて切り替え可能な撮像装置の撮像モード切替方法が提供される。かかる撮像モード切替方法は,撮像素子への入射光量が所定量以下に減少した場合に,デイモードからナイトモードに切り替える工程と;デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量に基づいて,ナイトモードからデイモードに切り替える基準となる基準入射光量を設定する工程と;入射光量が基準入射光量以上に増加した場合に,ナイトモードからデイモードに切り替える工程と;を含むことを特徴とする。
【0015】
かかる構成により,まず,撮像環境の光量の減少に伴って撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替え,次いで,当該切り替え時の撮像素子への入射光量に基づいて基準入射光量を設定し,さらに,撮像環境の光量の増加に伴って撮像素子への入射光量が基準入射光量を超えたときにデイモードからナイトモードに復帰させることができる。さらに,この基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の撮像環境の光量に応じて好適に設定されている。このため,撮像環境の影響を受けることなく,ナイトモードからデイモードへと撮像モードを安定して切り替えることができる。
【0016】
また,上記基準入射光量を設定する工程は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量を記録する工程と;記録した入射光量に基づいて,基準入射光量を設定する工程と;を含むように構成してもよい。
【0017】
上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量を補正した光量に設定されるように構成してもよい。
【0018】
また,上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量に所定量加えた光量に設定されるように構成してもよい。
【0019】
また,上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替わる度に更新されるように構成してもよい。
【0020】
また,上記撮像素子への入射光量を表すパラメータとして,自動露光調整装置によって調整された露光条件情報を利用するように構成してもよい。
【0021】
なお,上記「デイモードからナイトモードに切り替えた時」とは,デイモードからナイトモードに切り替えた直後から所定時間経過するまでの間の,ある程度の時間幅内のいずれかのタイミングを含むものとする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
(第1の実施の形態)
以下に,本発明にかかる第1の実施の形態について説明する。なお,以下では,本実施形態にかかる撮像装置として,ビデオカメラの例を挙げて説明するが,本発明はかかる例に限定されるものではない。
【0024】
まず,本実施形態にかかるビデオカメラの概要について説明する。本実施形態にかかるビデオカメラは,例えば,静止画像及び/又は動画像をカラー若しくは白黒で撮像可能なデジタルビデオカメラなどであり,例えば監視カメラなどに用いられるものである。この監視カメラの用途としては,例えば,銀行,コンビニエンスストア等の商店若しくは一般家庭などにおける防犯・監視用や,駐車場の混雑度,河川の水位,工事現場での土砂崩れ等をモニタリングする用途などが挙げられる。
【0025】
かかるビデオカメラは,例えば,自動露光(自動露出ともいう。以下では,AEという。)機能を有しており,撮像デバイスである例えばCCD個体撮像素子(以下では,CCDという。)への入射光量に応じて,レンズの絞り(アイリス)やシャッタスピードなどを制御して,露光量を自動的に調整することができる。
【0026】
さらに,このビデオカメラは,例えば,赤外線カットフィルタの脱着機構を備えており,撮像環境の明るさ(即ち,撮像素子への入射光量)に応じて,例えば,赤外線カットフィルタを介して撮像する撮像モード(デイモード)と,赤外線カットフィルタを介さないで撮像する撮像モード(ナイトモード)という例えば2つの撮像モードを相互に切り替えることができる。なお,かかる撮像モードの切り替えの詳細については後述する。
【0027】
次に,図1〜図3に基づいて,本実施形態にかかるビデオカメラの回路構成および信号処理について説明する。図1は,本実施形態にかかるビデオカメラ1の回路構成を示すブロック図である。また,図2は,本実施形態にかかる光学部品10を示すブロック図である。また,図3は,本実施形態にかかる前処理ブロック30および信号処理ブロック40の構成を示すブロック図である。なお,以下では,ビデオカメラ1は,撮像素子としてCCD20を用いた例について説明するが,かかる例に限定されるものではない。
【0028】
図1および図2に示すように,ビデオカメラ1において,撮像した被写体からの光は光学部品10を通して入射され,CCD20に取り込まれる。この光学部品10は,図2に示すように,レンズ12と光学フィルタ14とから構成される。
【0029】
レンズ12は,被写体からの光を集光し,光学フィルタ14に入射させる。なお,このレンズ12の絞りは,後述するマイクロコントローラ(以下では,マイコンという。)80によってレンズ制御回路100を介して制御可能である。かかるレンズ12の絞りを増減することにより,被写体からCCD20への入射光量を調整できる。
【0030】
光学フィルタ14は,例えば,赤外カットフィルタ(Infrared Cut Filter;以下では,IRCFという場合もある。)及び/又は光学ローパスフィルタ(Optical Low Pass Filer;以下では,OLPFという場合もある。)などで構成されており,被写体から入射された光に各種の処理を施すことができる。例えば,IRCFは,入射光のうち近赤外線領域よりも波長の長い光をカットして可視光領域の光のみを透過させることにより,人が見た色感と同様な画像を撮像する事ができる。また,OLPFは,例えば,特定周波数成分を除去することにより,モアレや擬色を防止して画質を向上させることができる。なお,かかる光学フィルタ14は,赤外線カットフィルタ脱着機構により上記IRCFを脱着することができるが,詳細については後述する。
【0031】
上記のようにしてレンズ12によって絞り込まれ,光学フィルタ14を通過した光学像は,CCD20に入射される。このCCD20は,代表的な撮像素子(撮像デバイス)であり,受光面に配された複数の画素により,受光した当該光学像を光電変換して電気信号として出力することができる。なお,CCD20としては,例えば,補色単板CCD,原色単板CCDまたは3板CCDのいずれであってもよい。
【0032】
かかるCCD20は,タイミングジェネレータ(以下では,TGという。)60により駆動され(電子シャッタ機能),光電変換された電気信号である画像信号を読み出す。なお,このTG60によるシャッタスピードは,マイコン80によって制御可能である。撮像環境が比較的明るくCCD20への入射光量が多い場合には,シャッタスピードを速め,一方,撮像環境が比較的暗く入射光量が少ない場合には,シャッタスピードを遅くすることにより,露光量を調整することができる。
【0033】
このようなCCD20から読み出された電気的な画像信号は,前処理ブロック30に入力される。この前処理ブロック30では,図3に示すように,例えば,画像信号に相関二重サンプリング(CDS)処理を施した後,ゲインコントロールアンプ(以下では,AGCという。)32によって必要に応じて好適な信号レベルに増幅(ゲイン調整)される。このAGC32のゲインは,マイコン80によって制御可能である。かかるAGC32の出力は,黒レベル等を調整した後,A/D変換器34によりアナログ信号からデジタル信号に変換されて,信号処理ブロック40に出力される。
【0034】
信号処理ブロック40は,画像信号に対して,ガンマ補正,ダイナミックレンジ調整,アパーチャーによる輪郭補正,ホワイトバランス(WB)調整などの各種画像処理を施すとともに,画像信号の信号レベルや色情報などを検出する機能を有する。
【0035】
より具体的には,信号処理ブロック40は,図3に示すように,例えば,画像信号のうちの輝度信号(Y信号)を処理するY信号処理回路42と,色信号(C信号)を処理するC信号処理回路44と,このY信号処理回路42およびC信号処理回路44の出力信号を検波する検波回路46と,D/A変換器47,48と,Y/C信号混合回路49を備える。
【0036】
Y信号処理回路42は,入力信号から輝度信号を生成し,この輝度信号に対して,例えば,ダイナミックレンジの調整,ガンマ補正,ホワイトクリップなどの処理を施した後,D/A変換機47でアナログ信号に変換してY/C信号混合回路49に入力する。
【0037】
一方,C信号処理回路44は,入力信号から色信号を生成し,この色信号に対して,例えば,WB調整等の色処理,ガンマ補正,例えばサブキャリア信号による変調などの処理を施した後,D/A変換機48でアナログ信号に変換してY/C信号混合回路49に入力する。
【0038】
また,検波回路46は,例えば,Y信号処理回路42の出力信号の所定エリアに関してAE用検波を行うとともに,C信号処理回路44の出力信号の所定エリアに関してWB調整用検波などを行い,検波結果をマイコン80に出力する。例えば,AE用検波をより具体的に説明すると,検波回路46は,例えば,AE用検波枠を生成し,このAE検波枠内の輝度信号を積分回路によって例えば1フィールド分積分し,この積分結果をマイコン80に出力することができる。
【0039】
上記Y/C信号混合回路49は,例えば,上記処理された輝度信号と色信号を混合し,さらに例えば同期信号なども加えた上で映像信号を生成する。この映像信号は,出力手段であるドライバ50を介して,例えば,コンポジット信号等として外部に出力される。
【0040】
また,レンズ制御回路100は,例えば,レンズ12の絞りを調整したり,後述する光学フィルタ14の切替を行ったりするためのモータ(図示せず。)と,制御回路(図示せず。)などから構成されている。
【0041】
また,マイコン80は,TG60を利用しながら,上記のようなビデオカメラ1内の各装置を制御する機能を有する。このようなマイコン80の制御のうち,例えば自動露光機能を実現するための制御について,以下に詳細に説明する。
【0042】
マイコン80は,上記検波回路46からの検波結果を基に,目標AEレベルを維持するべく,露光を自動的に調節するよう各装置を制御する。より詳しくは,マイコン80は,撮像中は常に,検波回路46による検波結果を用いて撮像画像のAEレベルを監視している。この監視の結果,例えば,撮像した画像信号のレベルが目標AEレベルよりも高い,即ち,CCD20への入射光量が多いと判断した場合には,CCD20が出力する信号レベルを減少させる方向に各装置を制御する。即ち,マイコン80は,例えば,電子ボリューム(以下では,EVRという。)70等を通じてレンズ制御回路100を制御してレンズ12の絞りを絞る,TG60を介して電子シャッタのシャッタスピードを増加させCCD20の露光量を低減する,或いはAGC32のゲインを抑えるなどといった制御を行う。かかる制御により,前処理ブロック30から信号処理ブロック40に入力される画像信号の信号レベルが好適なレベルにまで低減され,好適に露光調整を行うことができる。
【0043】
このように,マイコン80,TG60,CCD20,レンズ制御回路100および前処理ブロック30などは,自動露光調整装置としても構成されており,CCD20に対する入射光量(即ち,撮像環境の明度)に応じて,レンズ12の絞り,シャッタスピードおよびAGC32のゲインなどの露光条件を自動的に調整することができる。これにより,ビデオカメラ1は,出力する映像信号の明るさを好適なレベルに保ち,画質を向上させることができる。
【0044】
また,記録媒体90は,例えば,フラッシュメモリ等の電気的に消去可能なROMであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などで構成されている。この記録媒体90は,例えば,上記マイコン80の制御に必要なデータ,露光条件情報などの調整データおよびユーザ設定などを記憶する機能を有する。
【0045】
なお,上記では,主に,マイコン80が,上記ビデオカメラ1内の各装置の処理を制御するシステムについて説明したが,かかる例に限定されず,上記のような処理を,例えば,Ethernet(登録商標)やEIA−232,EIA−485等といった外部インターフェースを介して外部から制御することも可能である。
【0046】
また,上記マイコン80およびその周辺装置は,本実施形態にかかる特徴である撮像モード切替装置および基準入射光量設定装置(いずれも図示せず。)としても機能する。かかる撮像モード切替装置は,例えば,撮像環境の明るさの変化に応じてIRCFを脱着して,撮像モードを切り替える機能を有し,基準入射光量設定装置は,撮像モード切替装置が撮像モードを切り替えるときの基準となる基準入射光量を設定する機能を有するが,詳細については後述する。
【0047】
次に,図4に基づいて,本実施形態にかかるビデオカメラ1における赤外線カットフィルタの脱着機構について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる赤外線カットフィルタの脱着機構200を示すブロック図である。
【0048】
図4に示すように,赤外線カットフィルタの脱着機構200は,例えば,IRCFとOLPFを組み合わせて構成されたフィルタ142と,OLPFのみで構成されたフィルタ144とを切り替えることができる。例えば,図4に示す構造では,かかる2つのフィルタ142,144を横にスライドさせて,双方を切り替える機構である。この切替は,例えば,上記前処理ブロック30やマイコン80の情報に基づいて,レンズ制御回路100にあるモータなどを介して実行される。
【0049】
かかる構成により,IRCFを含むフィルタ142がセットされている場合には,レンズ12からの入射光は,例えば,IRCFによって近赤外線領域以上の波長を有する光がカットされ可視光のみが透過するとともに,OLPFによって可視光領域外の高周波光もカットされて,撮像素子であるCCD20に入射する。一方,IRCFを含まないフィルタ144がセットされている場合には,レンズ12からの入射光は,例えば,OLPFによって可視光領域外の高周波光がカットされるのみであり,近赤外線領域以上の波長を有する光(近赤外光,赤外光など)も透過して,CCD20に入射する。
【0050】
このように,赤外線カットフィルタの脱着機構200は,マイコン80等からの制御信号に基づいて,CCD20に対してIRCFを装着する若しくは取り外すことができ,この結果,例えば,CCD20への入射光量を例えば2段階で切り替える,即ち,後述する撮像モードの切り替えを実現することができる。
【0051】
なお,図4に示す構造では,かかる2つのフィルタ142,144を横にスライドさせて切り替える機構であるが,かかる例に限定されず,例えば,フィルタ142,144を回転させて切り替える機構等であってもよい。また,フィルタの種類も上記例に限定されず,少なくとも,IRCFを含むフィルタをCCD20に対して着脱可能に構成したものであればよい。例えば,IRCFとOLPFを組み合わせたフィルタと,光路長を合わせるためのダミーガラスとを切り替えるように構成してもよく,また,IRCFのみを含むフィルタと当該ダミーガラスを切り替えるように構成してもよい。また,少なくともIRCFを含む1つのフィルタだけをCCD20に対して着脱するような構成であってもよい。
【0052】
次に,本実施形態にかかる大きな特徴である撮像モードの切替方法について説明する。なお,以下では,まず,CCD20の分光感度特性および撮像モードについて説明し,次いで,従来のビデオカメラにおける撮像モードの切替動作及びその問題点について説明した上で,本実施形態にかかる撮像モードの切替方法について詳細に説明することとする。
【0053】
まず,図5に基づいて,CCD20の分光感度特性と撮像モードについて説明する,なお,図5は,CCD20への入射光の波長(横軸)とCCD20の分光感度特性(縦軸)の関係を例示するグラフである。
【0054】
CCD20の分光感度特性とは,CCD20への各波長の入射エネルギーに対する信号電流をいい,絶対値(μA/μW)または相対値(%)などで表される。図5に示すように,CCD20の分光感度特性は,例えば,可視光領域(波長が例えば400〜700nm程度)で大きく,波長が例えば470nm付近で最大となる。これに対し,近赤外領域,赤外領域における分光感度特性は比較的小さい。特に,波長が大きくなるほど分光感度特性が小さくなり,例えば1000nm付近では0となっている。このように,CCD20は,可視光領域の光に関しては良好な感度を有するのに対し,近赤外領域および赤外領域の光に関しては感度が比較的悪い。
【0055】
しかしながら,CCD20は,感度は悪いといえども,近赤外領域および赤外領域の光を捉えて出力してしまう。このため,IRCFを利用しないカラービデオカメラでは,人間の目では本来見えない光(即ち,近赤外光および赤外光など)についても,何らかの色情報として捕捉してしまうこととなる。この結果,出力した映像では,色合いが人間の見た目とは異なるものとなってしまい,正確な色再現が困難になる。
【0056】
このため,上記のような赤外線カットフィルタの着脱機構200を備え,IRCFを脱着することにより撮像モードを切り替え可能なビデオカメラ1が開発された訳である。このようなビデオカメラ1では,IRCFを利用して近赤外光よりも波長の長い光をカットして,CCD20に入射させないようにすることができる。これにより,CCD20が,図5の点線より左側(例えば,波長が700nm以下)の可視光のみを撮像することができるので,正確な色再現が可能になる。
【0057】
従って,かかるビデオカメラ1においては,昼間の太陽光源下など,被写体からの光量を十分に確保できる撮像環境下では,被写体からの入射光を上記IRCFを含むフィルタ142を介してCCD20に入射させ,近赤外光および赤外光をカットして撮像する撮像モード(即ち,デイモード)が適用される。
【0058】
一方,夜間など可視光は少ないが,例えば,月明かりや赤外線ランプ等の光源からの近赤外光若しくは赤外光が存在するような暗い撮像環境下では,IRCFを取り外すことによって近赤外光等をCCD20に入射させて撮像する撮像モード(即ち,ナイトモード)が適用される。かかるナイトモードで撮像することにより,近赤外領域などの受光感度を利用してCCD20の感度を向上させることができる。この結果,例えば,色再現が不十分になる場合があるものの,非常に暗い環境下であっても被写体を撮像することができるようになる。
【0059】
次に,本実施形態にかかるビデオカメラ1の撮像モード切替動作の説明に先立ち,説明の便宜上,図6に基づいて,従来のビデオカメラにおける撮像モード切替動作について詳細に説明する。なお,図6は,従来のビデオカメラの撮像モード切替動作における,CCDへの入射光量の時間変化を例示するグラフである。なお,図6の撮像環境としては,撮像場所として屋外撮影を想定し,撮像期間としては日暮れから夜明けまでをイメージしたものである。
【0060】
従来のビデオカメラでは,一般的に,デイモードでの撮像中に,可視光だけでは撮像したい被写体が暗すぎるときに,IRCFを取り外してデイモードからナイトモードに切り替える。さらに,ナイトモードでの撮像中に,撮像環境がある程度明るくなったときに,IRCFを元に戻してナイトモードからデイモードに復帰させる。
【0061】
かかる撮像モードの切替動作において,被写体からCCDへ入射する入射光量(以下では,単に入射光量という場合もある。)は,図6に示すようになる。
【0062】
なお,この図6において,「レベル1」とは,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替える基準となる入射光量である。即ち,デイモードでの撮像中に撮像環境が暗くなると,被写体からCCDへの入射光量は減少する。そして,この入射光量が「レベル1」以下となった場合には,撮像モードがデイモードからナイトモードに切り替えられる。一方,「レベル2」とは,撮像モードをナイトモードからデイモードに切り替える基準となる入射光量である。即ち,ナイトモードでの撮像中に撮像環境が明るくなると,被写体からCCDへの入射光量は増加する。そして,この入射光量が「レベル2」以上となった場合には,撮像モードがナイトモードからデイモードに切り替えられる。
【0063】
なお,これらの「レベル1」および「レベル2」の大きさは,ビデオカメラの各装置のスペックなどに基づいて予め設定されており,固定値である。また,以下では,双方のレベル差をLdiffとする。
【0064】
図6に示すように,まず,日暮れ時などにおいて,デイモードでの撮像中に撮像環境が明るい状態から徐々に暗くなると,入射光量も徐々に減少する。そして,この入射光量が,レベル1に到達した(a点)とき,デイモードからナイトモードに切り替えるための準備動作が開始される。この準備動作とは,入射光量の減少が一時的なものでなく,レベル1以下の状態を所定時間(例えば2秒〜3分程度)にわたり安定的に保つか否かを確認する動作をいう。
【0065】
次いで,かかる準備動作期間(a〜b間)を経過して,入射光量がレベル1以下の状態を保っていた場合には,b点でデイモードからナイトモードに切り替えられる。かかる撮像モードの切替により,これまでIRCFでカットされていた例えば赤外線ランプ等からの近赤外光などがCCDに入射するので,入射光量が急激に増加する(c点)。
【0066】
さらに,この切り替え後には,撮像環境がさらに暗くなるので入射光量は再び減少するが,最も暗い深夜(d点)を越すと,撮像環境が明るくなるにつれて入射光量も増加に転ずる。そして,入射光量がレベル2にまで増加する(e点)と,ナイトモードからデイモードに復帰させるために,上記と同様の準備動作を開始する。
【0067】
その後,かかる準備動作期間(e〜f間)を経過して,入射光量がレベル2以上の状態を保っていた場合には,f点でナイトモードからデイモードに切り替えられる。かかる撮像モードの切替により,IRCFが再び装着されるため,近赤外光などがカットされてCCDへの入射光量が急激に減少する(g点)が,その後は撮像環境が明るくなるため,入射光量は徐々に増加する。
【0068】
このように,従来のビデオカメラの撮像モード切替方法であっても,強い赤外光等が存在しない環境下では,好適に撮像モードを切り替えて撮像することができる。
【0069】
しかしながら,例えば赤外光領域に強い光を放つ光源などが存在する場合には,撮像モードの切替に問題が起きる可能性がある。ここで,図7に基づいて,従来のビデオカメラにおける撮像モード切替方法の問題点について詳細に説明する。なお,図7は,従来のビデオカメラの撮像モード切替動作における,問題がある場合の入射光量の時間変化を示すグラフである。
【0070】
図7に示すように,入射光量が上記と同様にしてレベル1に達した(h点)後,デイモードからナイトモードに切り替えられる(i点)。しかしながら,撮像環境下に強い赤外光などが存在している場合には,入射光量がレベル2を超えてしまう(j点)ことがある。この結果,ビデオカメラの切替動作制御部は,周辺環境が明るくなったと誤判断してしまい,すぐにデイモードに戻してしまう(k点)。しかしながら,このデイモードでも入射光量はレベル1以下にしかならない(l点)ため,再度ナイトモードに切り替えてしまう(m点)。よって,上記のようにして,デイモードとナイトモードとを非常に短時間で相互に切り替える動作が,夜明けまで永遠と繰り返されることになる。従って,ビデオカメラは,一晩中,被写体を好適に撮像することができず,例えば監視カメラとしての機能を果たすことができない。
【0071】
上記のように,従来のビデオカメラにおける撮像モード切替方法は,月明かりまたは強力な赤外線ランプなど近赤外若しくは赤外光領域に強い光を放つ光源が存在する撮像環境下などでは,撮像モードを安定して切り替えることができないという大きな問題を有する。
【0072】
なお,上記レベル1とレベル2の差Ldiffが大きくなるように双方を設定することでこの問題を解決することができるが,かかる方法では双方のレベル差Ldiffが大きい分だけナイトモードからデイモードに戻りにくくなるという弊害を招く。さらに,デイモードでの撮像時に撮像環境があまり明るくない場合には,常にナイトモードで動作してしまう可能性もあり,このため出力映像の明るさや色再現が常に悪い状態になってしまうという問題もある。
【0073】
次に,上記のような従来の撮像モード切替方法の問題を解決することが可能な,本実施形態にかかるビデオカメラ1の構成上の特徴および撮像モード切替方法について説明する。
【0074】
まず,本実施形態にかかるビデオカメラ1の構成上の特徴について説明する。
【0075】
本実施形態にかかるビデオカメラ1は,撮像モードをナイトモードからデイモードに切り替えるときの基準となるCCD20への入射光量(以下では,基準入射光量という。)を,動的に変化させて設定可能であることを特徴とする。これは,従来のビデオカメラが,上記のようにナイトモードからデイモードに切り替えるときの基準となる入射光量(即ち,レベル2)が固定的であったことと対照的である。
【0076】
かかる特徴を実現すべく,本実施形態にかかるビデオカメラ1は,例えば,マイコン80およびその周辺装置などで構成された上記基準入射光量設定装置および上記撮像モード切替装置を備える。
【0077】
基準入射光量設定装置は,例えば,撮像モードをデイモードからナイトモードへ切り替えた直後におけるCCD20への入射光量に相当する情報を,例えば記録媒体90等の記録手段に記録する機能を有する。この入射光量に相当する情報としては,例えば,上記のような自動露光調整装置によって調整された露光条件情報(AGC32のゲイン,レンズ12の絞り,シャッタスピードなど)を利用することができる。即ち,撮像モード切替装置によってデイモードからナイトモードへ切り替えられると,例えば,可視光だけでなく近赤外光なども光学フィルタ14を透過するので,CCD20への入射光量が増加する。このため,自動露光調整装置が,露光量を好適に調節するよう動作するので,露光条件が変化する。基準入射光量設定装置は,例えば,このときの露光条件情報を記録しておくことで,当該切替直後の入射光量に相当する情報を記録することができる。
【0078】
このように,例えば,入射光量を直接記録するのではなく,入射光量に相当する情報として露光条件情報を間接的に記録することにより,基準入射光量設定装置の制御が容易になるとともに,新たな部品追加や設計変更が少なくて済むというメリットがある。しかし,記録される情報はかかる例に限定されず,例えば,上記露光条件情報の代わりに,CCD20への実際の入射光量を測定して記録するように構成してもよい。
【0079】
さらに,この基準入射光量設定装置は,例えば,上記のように記録した入射光量に相当する情報に基づいて,ナイトモードからデイモードに復帰させるときの基準入射光量を設定する機能を有する。即ち,かかる基準入射光量設定装置により,基準入射光量は,従来のように固定でなく,撮像モードをデイモードからナイトモードへ切り替えた時の撮像環境の明るさ(即ち,CCD20への入射光量)に応じて動的に設定される。なお,上記でいう「デイモードからナイトモードへ切り替えた時」とは,例えば,当該切り替え直後の時点,或いは露光条件が収束した時点等の当該切り替え時点から所定時間経過した時点など,当該切り替え時点からある程度の時間幅内の任意のタイミングであってもよい。
【0080】
かかる基準入射光量は,例えば,記録した入射光量(即ち,デイモードからナイトモードへ切り替えた時の入射光量)を補正して算出される。より具体的には,本実施形態では,記録した入射光量に所定量を加算した光量に設定される。この結果,基準入射光量は,例えば,デイモードからナイトモードへ切り替えた時の入射光量より所定量大きい光量に設定される。この所定量は,例えば,上記従来の撮像モード切替方法におけるレベル1とレベル2の差Ldiffと同一な値とすることができる。
【0081】
また,基準入射光量設定装置は,上記のような基準入射光量の設定動作を,例えば,撮像モードがデイモードからナイトモードに切り替えられる度に,毎回行うようにしてもよい。かかる構成により,当該切替の度に基準入射光量が更新されるので,撮像環境の変化(被写体の変更,光源の追加若しくは削除,または撮像場所の変更など)に対応して,基準入射光量を好適な値に設定し直すことができる。
【0082】
撮像モード切替装置は,被写体からCCD20への入射光量に基づいて,デイモードとナイトモードを切り替える機能を有する。この撮像モード切替装置による撮像モードの切替は,例えば,下記のように,デイモードからナイトモードに切り替える場合と,ナイトモードからデイモードに切り替える場合とで大きく異なる。
【0083】
まず,デイモードからナイトモードに切り替える場合について説明する。撮像モード切替装置は,例えば,CCD20への入射光量が所定量以下に減少し,この状態を所定時間維持したときに,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替える。この切替方法は,例えば,上記従来の撮像モード切替方法の場合と略同一であり,入射光量が例えば固定的な上記レベル1以下となった場合に,デイモードからナイトモードに切り替えるものである。
【0084】
次いで,本実施形態の特徴であるナイトモードからデイモードに切り替える場合について説明する。撮像モード切替装置は,例えば,CCD20への入射光量が上記基準入射光量以上に増加し,この状態を所定時間維持したときに,撮像モードをナイトモードからデイモードに切り替える。この基準入射光量は,上記のように,基準入射光量設定装置によって撮像環境に応じて動的に設定されているので,固定値ではない。さらに,基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量より大きい量に設定されているので,上記従来の切替方法のようにナイトモードに切り替えた後,すぐさまデイモードに切り替えるような状態になることがない。従って,撮像モード切替装置は,たとえ赤外光領域に強い光を放つ光源が存在している場合であっても,撮像モードの切替動作を安定的に行うことができる。
【0085】
次に,図8および図9に基づいて,以上のような構成の基準入射光量設定装置および撮像モード切替装置を有するビデオカメラ1の撮像モード切替方法について説明する。なお,図8は,本実施形態にかかる撮像モード切替方法の動作フローを示すフローチャートであり,図9は,本実施形態にかかるビデオカメラ1の撮像モード切替動作における,CCD20への入射光量の時間変化を例示するグラフである。なお,図9の撮像環境としては,撮像場所として屋外撮影を想定し,撮像期間としては日暮れから夜明けまでをイメージしており,また,強い赤外光若しくは近赤外光を放つ光源が存在しているものとする。
【0086】
また,この図9において,「レベル1」とは,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替える基準となる所定の入射光量であり,上記従来例と同様に固定値である。
【0087】
また,「レベル3」とは,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量であって,例えば記録媒体90に一時的に記録され,基準入射光量を設定する基準となる入射光量である。この「レベル3」の大きさは,当該切替時の撮像環境に応じて増減する。
【0088】
さらに,「レベル4」とは,撮像モードをナイトモードからデイモードに切り替える基準となる基準入射光量であって,上記基準入射光量設定装置によって,例えば,「レベル3」の値に所定量Ldiffを加えた量に設定されたものである。このため,この「レベル4」も「レベル3」の値に応じて増減することとなり,上記従来例の「レベル2」が固定的であるのと対照的である。
【0089】
図8に示すように,まず,ステップS10では,デイモードで被写体が撮像される(ステップS10)。撮像環境が明るく十分な量の可視光がCCD20に入射されている場合には,ビデオカメラ1は撮像モードをデイモードにして被写体を撮像する。しかし,日暮れ時などでは入射光量が徐々に減少する(図9:A〜B点間)。
【0090】
次いで,ステップS12では,入射光量が所定時間以上レベル1以下であるか否かが判定される(ステップS12)。ビデオカメラ1の例えば撮像モード切替装置は,例えば,デイモードでの撮像中は常に,デイモードからナイトモードに切り替えるべきか否かを判定している。この判定は,入射光量が所定時間(例えば2秒〜3分程度)にわたりレベル1以下の状態となっているか否かによって決定される。
【0091】
このように,入射光量がレベル1以下になった場合に即時デイモードからナイトモードに切り替えるのではなく,入射光量がレベル1以下となる状態が所定時間以上継続するか否かに基づいて判定するのは,上記従来例で説明したように,入射光量が突発的に減少した場合(ビデオカメラの前を人が横切った場合等)などに,撮像モードの切替を誤判断することを防止するためである。
【0092】
このような判定の結果,入射光量が所定時間以上レベル1以下でないと判定された場合には,再びステップS10に戻り,デイモードで撮像しながら本ステップの入射光量の監視が続けられる。一方,入射光量が所定時間以上レベル1以下である(図9:B〜C点間)と判定された場合には,ステップS14に進む。
【0093】
さらに,ステップS14では,撮像モードがデイモードからナイトモードに切り替えられる(ステップS14)。撮像モード切替装置は,赤外線カットフィルタの脱着機構200に対して制御信号を送り,IRCFを含むフィルタ142をCCD20から取り外すよう指示する(図9:C点)。これにより,赤外線カットフィルタの脱着機構200は,例えば,光学フィルタ14をスライドさせて,IRCFを含むフィルタ142からIRCFを含まないフィルタ144に切り替える。かかる動作によって,撮像モードがナイトモードに切り替えられ,これまでIRCFでカットされていた近赤外光などがCCD20に入射するようになるので,入射光量が急激に増加する(図9:D点)。これにより,ビデオカメラ1は,近赤外光などを利用してナイトモードで好適な撮像が可能になる。
【0094】
その後,ステップS16では,所定時間以上AEが安定しているか否かが判定される(ステップS16)。上記ステップS14で,撮像モードがナイトモードに切り替えられると,CCD20への入射光量が急激に増加する。このため,自動露光調整装置は,かかる入射光量の急激な増加に対応すべく,露光量を減少させるように調整する。具体的には,自動露光調整装置は,例えば,AGC32のゲインを減少させる,レンズ12の絞りを絞る,シャッタスピードを増加させるなどの操作を行う。本ステップでは,かかる露光調整動作に伴う露光量の変化量がある程度収束し,露光量が好適値まで収束したポイント(露光収束点)に至ったか否か,即ち,露光調整動作が所定時間以上にわたり安定しているか否かが判定される。この結果,安定していないと判定された場合には,さらにAE調整を行い,一方,安定していると判定された場合には,ステップS18に進む。なお,後続のステップS18で,例えば,ナイトモードへの切り替え直後の入射光量を直接記録する場合には,本ステップは省略してもよい。
【0095】
次いで,ステップS18では,例えばナイトモードに切り替えたときの入射光量がレベル3として記録される(ステップS18)。基準入射光量設定装置は,例えば,ステップS14によってナイトモードに切り替えた時の入射光量をレベル3として記録媒体90などに記録する。なお,本実施形態では,実際には,例えば,当該入射光量を直接記録するのではなく,当該入射光量に相当する情報として露光条件情報などを間接的に記録する。この露光条件情報は,具体的には,例えば,上記自動露光調整装置によって調整されたAGC32のゲイン,レンズ12の絞りおよびシャッタスピードなどの情報であり,例えば,上記露光収束点での値が用いられる。よって,本実施形態では,例えば,当該切替直後の時点ではなく,当該切替に伴う自動露光調整が収束した時点での入射光量が,露光条件情報を利用して間接的に記録されることとなる。
【0096】
さらに,ステップS20では,基準入射光量がレベル4として設定される(ステップS20)。基準入射光量設定装置は,上記ステップS18で記録された入射光量であるレベル3(実際には,入射光量に相当する情報である露光条件情報など)に基づいて,ナイトモードからデイモードに復帰させるときの基準入射光量をレベル4として設定する。より具体的には,この基準入射光量は,例えば,レベル3に所定量Ldiffを加えた値に設定される。さらに,本ステップにおいて,例えば,かかるレベル4と,レベル4に相当する露光条件情報とを関連付けておくようにしてもよい。これにより,以降のステップでの入射光量の判断を,例えば,かかる露光条件情報をパラメータとして行うことができる。
【0097】
その後,ステップS22では,ナイトモードで被写体が撮像される(ステップS22)。例えば夜間であるので可視光は非常に少ないが,ビデオカメラ1は,近赤外光などを好適に利用して,ナイトモードで被写体を撮像する。この際,CCD20への入射光量は,例えば,深夜(図9:E点)に至るまでは徐々に減少し,深夜を越えると徐々に増加する。
【0098】
次いで,ステップS24では,入射光量が所定時間以上にわたりレベル4以上であるか否かが判定される(ステップS24)。ビデオカメラ1の例えば撮像モード切替装置は,例えば,ナイトモードでの撮像中は常に,ナイトモードからデイモードに復帰させるべきか否かを判定している。この判定は,入射光量が所定時間(例えば2秒〜3分程度)にわたりレベル4以上の状態となっているか否かによって決定される。かかるデイモードへの切替時にも,上記ナイトモードへの切替時と同様に,誤判断を防止すべく,入射光量がレベル4以上となる状態が所定時間以上継続するか否かに基づいて判定が行われる。
【0099】
このような判定の結果,入射光量が所定時間以上レベル4以上でないと判定された場合には,再びステップS22に戻り,ナイトモードで撮像しながら本ステップの入射光量の監視が続けられる。一方,入射光量が所定時間以上レベル4以上である(図9:F〜G点間)と判定された場合には,ステップS26に進む。
【0100】
さらに,ステップS26では,撮像モードがナイトモードからデイモードに切り替えられる(ステップS26)。撮像モード切替装置は,赤外線カットフィルタの脱着機構200に対して制御信号を送り,IRCFを含むフィルタ142をCCD20に装着させるよう指示する(図9:G点)。これにより,赤外線カットフィルタの脱着機構200は,例えば,光学フィルタ14をスライドさせて,IRCFを含まないフィルタ144からIRCFを含むフィルタ142に切り替える。かかる動作によって,撮像モードがナイトモードからデイモードに切り替えられるので,近赤外光および赤外光などがIRCFによってカットされCCD20に入射しなくなるので,入射光量が急激に減少する(図9:H点)。その後は,撮像環境が明るくなるにつれ入射光量が徐々に増加していき(図9:H〜I点間),上記ステップS10で説明したように,デイモードでの撮像が好適になされる。
【0101】
以上のように,本実施形態にかかる撮像モードの切替方法では,ナイトモードに切り替えたときの入射光量(レベル3)に基づいて,デイモードに復帰させる基準となる入射光量(レベル4)を動的に設定することができる。このため,レベル4をナイトモードへの切替時の撮像環境の明るさに応じて,好適に増減させることができる。従って,照明の明るさ,波長スペクトル,赤外光源の有無などの撮像環境の影響を受けずに,適切に撮像モードを切り替えることができる。
【0102】
また,例えば,レベル4をレベル3に所定値を加えた値に設定することで,レベル4は常にレベル3より大きな値となる。このため,例えば,強力な赤外光などが存在する撮像環境下であっても,上記従来の撮像モード切替方法のように,ナイトモードに切り替えた直後にデイモードに切り替えてしまう誤動作を起こすことがない。従って,撮像モードを安定して切り替えることができるので,好適な撮像を実現できる。
【0103】
さらに,デイモードからナイトモードに切り替える度に,レベル3に基づいてレベル4を更新設定する(即ち,上記図8のS10〜S26を繰り返す)ことにより,直近にナイトモードへ切り替えたときのレベル3に応じて好適なレベル4を毎回設定できる。このため,光源の追加や削除,撮像場所の移動および被写体の変化などといった撮像環境の変化に,柔軟に対応することができる。
【0104】
次に,図10に基づいて,上記のような本実施形態にかかる撮像モード切替方法による撮像モードの切替に伴う,CCD20への入射光量と,自動露光調整装置によって露光調整処理された画像信号の信号レベル(即ち,輝度レベル)との関係について説明する。なお,図10は,本実施形態にかかるビデオカメラ1の撮像モード切替動作における,(a)撮像環境下の光量の時間変化と,(b)CCD20への入射光量の時間変化と,(c)前処理ブロック30の出力する画像信号レベルの時間変化と,の関係を例示するグラフである。なお,図10の撮像環境としては,撮像場所として屋外撮影を想定し,撮像期間としては日暮れから夜明けまでをイメージしており,また,強い赤外光を放つ光源が存在しているものとする。また,図10において,撮像モードは,P時点でデイモードからナイトモードに切り替えられ,Q時点でナイトモードからデイモードに切り替えられているものとする。
【0105】
図10(a)に示すように,撮像環境下には,例えば,太陽からの可視光と,赤外線ランプなどからの赤外光の双方が存在している。可視光の光量は,昼間は大きく夜間は小さくなるので,例えば図10(a)のような下に凸のカーブを描いて変化する。一方,赤外光の光量は例えば常に一定である。
【0106】
このような撮像環境下で撮像モードを切り替えながら撮像すると,CCD20への入射光量は,上記で説明したように,図10(b)に示すように変化する。また,かかるCCD20への入射光量の変化に対応して,自動露光調整装置が機能して露光量を調整するので,前処理ブロック30での処理後の画像信号の信号レベル(以下では,前処理後の信号レベルという。)は,図10(c)に示すように変化する。
【0107】
詳細には,まず,日暮れ時において撮像環境の可視光の光量が徐々に減少する(a1〜a2点間)と,可視光のみが入射されるデイモードで撮像されているので,CCD20への入射光量も同様に減少する(b1〜b2点間)。このとき,前処理後の信号レベルは,減少した光量が自動露光調整装置で対応可能な範囲にある場合には,レンズの絞りを開くなどの露光調整を行うことにより一定のレベルを保つことができる(c1〜c2点間)。しかし,光量が自動露光調整装置で対応不可能なレベルにまで減少すると,前処理後の信号レベルは,上記一定レベルを維持できずに,入射光量の減少に伴って減少してしまう(c2〜c3点間)。この結果,出力する映像が徐々に暗くなってしまうことになる。
【0108】
従って,撮像モード切替装置は,CCD20への入射光量が例えば上記レベル1(b2点に対応)に至り準備動作期間(図示せず。)を経た時点で,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替える。これにより,赤外光がCCD20に入射可能になるので,入射光量が突然増加する。このとき,自動露光調整装置はかかる入射光量の急増に即座には対応しきれないので,前処理後の信号レベルも急激に増加する(c4点)。その後,自動露光調整装置が露光量を減少させるように動作すると,前処理後の信号レベルは減少し(c4〜c5点間),ついには好適なレベルに収束する(c5点;即ち,露光収束点)。上記基準入射光量設定装置は,例えば,かかる露光収束点での露光条件情報(上記レベル3に相当する。)を記録し,この露光条件情報に基づいて基準受光量(上記レベル4)を設定する。
【0109】
次いで,夜間におけるナイトモードでの撮像中には,可視光の光量はさらに減少した後に増加するが(a2〜a3点間),赤外光の光量は一定量を確保しているので,CCD20への入射光量はさほど変化しない(b3〜b4点間)。このように入射光量の変量が比較的少ないため,自動露光調整装置は好適に動作することができる。このため,前処理後の信号レベルは,一定レベルに維持される(c5〜c6点間)。
【0110】
さらに,夜明け前後において,可視光の光量がある程度まで増加する(a3点)と,CCD20への入射光量が基準入射光量に達する(b4点)。このとき,撮像モード切替装置は,上記準備動作期間を経た時点で撮像モードをナイトモードからデイモードに戻す。この結果,赤外光がカットされるので,CCD20への入射光量が突然減少する(b5点)。このときも,自動露光調整装置はかかる入射光量の急減に即座には対応しきれないので,前処理後の信号レベルは急激に減少する(c7点)。その後,自動露光調整装置が露光量を増加させるように動作すると,前処理後の信号レベルは増加し(c7〜c8点間),ついには好適なレベルに収束する(c8点)。
【0111】
その後は,デイモードの撮像が継続され,可視光の光量が徐々に増加する(a3〜a4点間)ので,CCD20への入射光量も同様に増加する(b5〜b6点間)。また,自動露光調整装置がレンズの絞りを絞るなどして好適に露光調整を行うことにより,前処理後の信号レベルは,一定のレベルを保つことができる(c8〜c9点間)。
【0112】
上記のように,前処理後の信号レベルは,例えば,撮像モード切替時に多少の増減はあるものの,全体的には略同一のレベルを維持している。即ち,自動露光装置が良好に機能しているといえる。よって,ビデオカメラ1は,明るさがほぼ所定の好適レベルで安定した,見やすい映像を出力することができる。
【0113】
以上のような図9および図10では,本実施形態にかかる撮像モード切替方法を,例えば強力な赤外光が存在する撮像環境下で適用した例について説明した。しかし,本実施形態にかかる撮像モード切替方法は,当該赤外光若しくは近赤外光などが存在しない(例えば,可視光のみが存在する)環境下であっても,好適に適用できる。以下に,図11に基づいて,かかる撮像環境下に本実施形態にかかる撮像モード切替方法を提供した例について説明する。なお,図11は,本実施形態にかかる撮像モード切替動作を赤外光等がない撮像環境下に適用した場合における,CCD20への入射光量の時間変化を例示するグラフである。なお,図11の撮像環境としては,撮像場所として屋外撮影を想定し,撮像期間としては日暮れから夜明けまでをイメージしている。
【0114】
図11に示すように,まず,日暮れ時には可視光の光量が減少するに伴って,CCD20への入射光量も減少する(S〜T点間)。次いで,入射光量がレベル1以下に減少した時点(T点)で準備動作が開始され,所定時間経過(T〜U点間)後,撮像モードがデイモードからナイトモードに切り替えられる(U点)。上記までは,図9の例と略同一である。
【0115】
ここで特徴的なのは,ナイトモードに切り替えてIRCFを取り外したとしても,撮像環境下に赤外光などが存在しないため,CCD20への入射光量が増加しない点である。従って,当該切替後の入射光量であるレベル3は,例えば,レベル1と略同一な値として記録される(「レベル1」=「レベル3」)。また,基準入射光量であるレベル4は,例えば,かかるレベル3に所定量Ldiffを加えた値として設定される。
【0116】
次いで,ナイトモードへの撮像モード切替(U点)後も,CCD20への入射光量は,可視光の光量の減少に伴ってさらに減少する(U〜V点間)。従って,ビデオカメラ1が出力する映像は,ナイトモードで撮像したとしても,例えば,多少は暗くなってしまう。
【0117】
さらに,可視光の光量が最も少なくなる深夜(V点)を経過した後は,CCDへの入射光量は増加に転じる(V〜W点間)。次いで,入射光量がレベル4以上に増加した時点(W点)で準備動作が開始され,所定時間経過(W〜X点間)後,撮像モードがナイトモードからデイモードに切り替えられる(X点)。かかる撮像モードの切替により,CCD20にIRCFを装着して,赤外光等をカットできるようにしたとしても,撮像環境下には元々赤外光等が存在しないため,CCD20への入射光量は,上記図9のように減少することはない。その後は,CCD20への入射光量が可視光の光量の増加に伴って増加するので,デイモードで好適な撮像が可能になる。
【0118】
以上のように,本実施形態にかかる撮像モード切替方法では,撮像環境に赤外光などが存在しない場合であっても,好適に撮像モードの切替動作を実行することができる。
【0119】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0120】
例えば,上記実施形態では,撮像装置としてビデオカメラ1の例を挙げて説明したが,本発明はかかる例に限定されず,例えば,デジタルスチールカメラ,携帯電話用デジタルカメラなどに広く適用可能である。また,ビデオカメラ1は,監視カメラ以外にも,例えば,業務用ビデオカメラ,家庭用ビデオカメラなどであってもよい。
【0121】
また,撮像デバイスは,CCD20等の撮像素子に限定されず,例えばCMOSセンサ,VMISなどであってもよい。
【0122】
また,上記実施形態では,画質調整機能として,AE機能およびWB調整機能の双方を備えたビデオカメラ1について説明したが,かかる例に限定されず,WB調整機能を備えない,若しくはこれら以外の画質調整機能(例えば,マスク機能,ワイドダイナミックレンジ調整機能など)をさらに備えた撮像装置であってもよい。
【0123】
また,撮像装置の回路構成は,上記実施形態にかかるビデオカメラ1の回路構成の例に限定されず,例えば,同期信号,画像位置信号を作成する同期信号発生回路(SG回路)等の各種の回路及び/又はセンサなどを付加したり,若しくは削除したりしてもよい。
【0124】
また,上記実施形態では,撮像モードとしてデイモードとナイトモードの2つを切り替え可能なビデオカメラ1について説明したが,本発明はかかる例に限定されず,これら以外にも新たな撮像モード(例えば,室内モード,屋外モード,デイモードとナイトモードの中間的な撮像モードなど)を追加してもよい。
【0125】
また,上記デイモードが適用される撮像環境は,上記のような日中の屋外に限定されず,例えば,比較的光量の多い撮像環境であれば,明るい室内,若しくは夜間でも明るい光源が存在する場所などといった多様な撮像環境に適用してもよい。また,上記ナイトモードが適用される撮像環境は,上記のような夜間の屋外に限定されず,例えば,比較的光量の少ない撮像環境であれば,比較的暗い室内,若しくは雨の日の日中などといった多様な撮像環境に適用してもよい。
【0126】
また,上記実施形態では,マイコン80などが撮像モード切替装置および基準入射光量設定装置を構成し,撮像モードを切り替える処理を行ったが,本発明はかかる例に限定されず,例えばマイコン80とは独立した撮像モード切替ユニットなどを設けて,このユニットに撮像モードの切替処理を任せてもよい。また,ビデオカメラ1の外部から撮像モード切替動作を制御してもよい。
【0127】
また,上記実施形態では,基準入射光量設定装置は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量(レベル3)に所定量を加えた光量を基準受光量(レベル4)として設定したが,本発明はかかる例に限定されない。レベル4は,レベル3に基づいて決定される値であればよく,例えば,レベル3に所定数を乗算した光量に設定する,或いはレベル3を変数とする所定の関数を用いて演算した光量に設定する,などしてもよい。
【0128】
また,上記実施形態では,入射光量に相当する情報として,露光条件情報を利用したが,本発明はかかる例に限定されない。入射光量に相当する情報としては,例えば,マイコン80の制御信号,前処理ブロック30若しくは信号処理ブロック40の出力信号レベルの平均値若しくはピーク値等,各種の計測装置で測定した撮像環境下の光量若しくはCCD20への実際の入射光量自体,などを利用してもよい。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,撮像環境に影響されずに撮像モードを安定して切り替えることが可能な撮像装置および撮像モード切替方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,第1の実施形態にかかるビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図2】図2は,第1の実施形態にかかる光学部品を示すブロック図である。
【図3】図3は,第1の実施形態にかかる前処理ブロックおよび信号処理ブロックの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は,第1の実施形態にかかる赤外線カットフィルタの脱着機構を示すブロック図である。
【図5】図5は,入射光の波長(横軸)とCCDの分光感度特性(縦軸)の関係を例示するグラフである。
【図6】図6は,従来のビデオカメラの撮像モード切替動作における,CCDへの入射光量の時間変化を例示するグラフである。
【図7】図7は,従来のビデオカメラの撮像モード切替動作における,問題がある場合の入射光量の時間変化を示すグラフである。
【図8】図8は,第1の実施形態にかかる撮像モード切替方法の動作フローを示すフローチャートである。
【図9】図9は,第1の実施形態にかかるビデオカメラの撮像モード切替動作における,CCDへの入射光量の時間変化を例示するグラフである。
【図10】図10は,第1の実施形態にかかるビデオカメラの撮像モード切替動作における,(a)撮像環境下の光量の時間変化と,(b)CCDへの入射光量の時間変化と,(c)前処理ブロックの出力する画像信号レベルの時間変化と,の関係を例示するグラフである。
【図11】図11は,第1の実施形態にかかる撮像モード切替動作を赤外光等がない撮像環境下に適用した場合における,CCDへの入射光量の時間変化を例示するグラフである。
【符号の説明】
1 : ビデオカメラ
10 : 光学部品
12 : レンズ
14 : 光学フィルタ
20 : CCD
30 : 前処理ブロック
32 : AGC
40 : 信号処理ブロック
46 : 検波回路
50 : ドライバ
60 : タイミングジェネレータ
70 : 電子ボリューム
80 : マイクロコントローラ
90 : 記録媒体
100 : レンズ制御回路
142 : 赤外線カットフィルタを含むフィルタ
142 : 赤外線カットフィルタを含まないフィルタ
200 : 赤外線カットフィルタの脱着機構
【発明の属する技術分野】
本発明は,撮像装置および撮像モード切替方法にかかり,特に,赤外線カットフィルタを備えた撮像装置およびその撮像モード切替方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラなどの撮像装置では,被写体からの入射光量に応じて赤外線カットフィルタを脱着することにより,撮像素子(撮像デバイス)への入射光量を増減させて撮像モードを切り替えるタイプのものが提案されている。このタイプの撮像装置では,例えば,昼間など通常の撮像環境で赤外線カットフィルタを取り付けて撮像するモード(デイモード)と,夜間など比較的入射光量が少ない撮像環境で赤外線カットフィルタを取り外して撮像するモード(ナイトモード)とを,切り替えることが一般的である。
【0003】
かかる撮像装置で,デイモードからナイトモードに切り替える条件は,例えば,撮像環境が暗くなり,撮像素子への入射光量が所定量以下に減少した場合である。なお,かかる入射光量の測定は,例えば,AGC回路の出力レベル等,露光状態を判断できる情報に基づいて行われる。
【0004】
一方,ナイトモードからデイモードに戻る条件は,例えば,上記撮像環境よりいくらか明るくなり,撮像素子への入射光量が基準入射光量以上に増加した場合である。かかる基準入射光量は,一般的に,上記デイモードからナイトモードに切り替えたときの入射光量より所定量だけ大きい光量に設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の撮像装置の撮像モード切替方法では,撮像環境下に例えば赤外もしくは近赤外領域の光を放つ光源が存在している場合などに問題が生じる場合がある。即ち,デイモードからナイトモードに遷移した結果,当該光源の光によって明るくなる状態になる(入射光量が上記基準入射光量を超えてしまう)ので,すぐさまデイモードに戻してしまう。しかしながら,デイモードでは露光条件が悪いので,再度ナイトモードに遷移してしまう。このように,デイモードとナイトモードの間を繰り返し遷移してしまうので,撮像装置の動作が不安定な状態が続き,好適に撮像できないという問題があった。
【0006】
本発明は,従来の撮像装置が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,撮像環境の影響を受けずに撮像モードを安定して切り替えることが可能な,新規かつ改良された撮像装置およびその撮像モード切替方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,撮像素子に対して脱着可能な赤外線カットフィルタを介して撮像するデイモードと,赤外線カットフィルタを介さないで撮像するナイトモードとを,被写体から撮像素子への入射光量に応じて切り替え可能な撮像装置が提供される。かかる撮像装置は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量に基づいて,ナイトモードからデイモードに切り替える基準となる基準入射光量を設定することを特徴とする。
【0008】
かかる構成により,赤外線カットフィルタは,被写体から撮像装置のレンズに入射した光のうち,近赤外光および赤外光などをカットして例えば可視光のみを透過させ,CCDなどの撮像素子に入射させることができる。かかる赤外線カットフィルタを撮像素子に対して脱着可能に構成することで,赤外線カットフィルタを装着することにより被写体から撮像素子に対して例えば可視光のみを入射させて撮像するデイモードと,赤外線カットフィルタを取り外すことにより例えば可視光のみならず近赤外光および赤外光なども入射させて撮像するナイトモードとを,撮像素子への入射光量に応じて切り替えることができる。
【0009】
さらに,上記デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量の大きさに応じて上記基準入射光量を設定し,この基準入射光量に基づいてナイトモードからデイモードに復帰させることができる。即ち,デイモードからナイトモードへの切り替え時の入射光量に応じて,ナイトモードからデイモードへ復帰させる基準となる入射光量(即ち,基準入射光量)を動的に変化させることができる。このデイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量は,当該切り替え時における撮像環境の光量を反映しているものである。このため,当該切り替え時の入射光量に基づいて設定された基準入射光量は,当該切り替え時における撮像環境の光量に応じた好適な値に設定されることとなる。従って,撮像装置は,撮像環境の影響を受けることなく,ナイトモードからデイモードへと撮像モードを安定して切り替えることができる。
【0010】
また,上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量を補正した光量に設定される,如く構成すれば,当該切り替え時の入射光量に任意の演算(加算,乗算など)を行って,好適な基準入射光量を容易かつ迅速に算出できる。
【0011】
また,上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量に所定量加えた光量に設定される,如く構成すれば,例えば,撮像環境に強力な赤外光光源などが存在するため,デイモードからナイトモードに切り替えた時に入射光量が大幅に増加した場合であっても,この増加した入射光量より基準入射光量をさらに大きく設定することができる。従って,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量が基準受光量を超えることがないので,デイモードからナイトモードへの切り替え後に,即時,デイモードに切り替えてしまうという誤動作を防止できる。
【0012】
また,上記基準入射光量設定装置は,デイモードからナイトモードに切り替わる度に,基準入射光量を更新する,如く構成すれば,基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替える度に,撮像環境に応じた好適な値に設定され直される。このため,撮像装置は,撮像場所の移動若しくは光源の変化などといった撮像環境の変化に柔軟に対応して,撮像モードを切り替えることができる。
【0013】
また,上記撮像装置は,自動露光調整装置を備えており,撮像素子への入射光量を表すパラメータとして,自動露光調整装置によって調整された露光条件情報を利用する,如く構成すれば,自動露光調整装置は,撮像素子への入射光量に応じて例えばレンズの絞りやAGC回路のゲイン,シャッタスピードなどの露光条件を調整し,露光量を自動調整できる。また,入射光量に相当する情報としてかかる自動露光調整装置によって調整された露光状態を判断できる情報(露光条件情報)を用いることで,撮像モードを切り替えるための撮像装置の各種装置を簡素化できるとともに,当該各種装置の制御が容易になる。
【0014】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,撮像素子に対して脱着可能な赤外線カットフィルタを介して撮像するデイモードと,赤外線カットフィルタを介さないで撮像するナイトモードとを,被写体から撮像素子への入射光量に応じて切り替え可能な撮像装置の撮像モード切替方法が提供される。かかる撮像モード切替方法は,撮像素子への入射光量が所定量以下に減少した場合に,デイモードからナイトモードに切り替える工程と;デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量に基づいて,ナイトモードからデイモードに切り替える基準となる基準入射光量を設定する工程と;入射光量が基準入射光量以上に増加した場合に,ナイトモードからデイモードに切り替える工程と;を含むことを特徴とする。
【0015】
かかる構成により,まず,撮像環境の光量の減少に伴って撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替え,次いで,当該切り替え時の撮像素子への入射光量に基づいて基準入射光量を設定し,さらに,撮像環境の光量の増加に伴って撮像素子への入射光量が基準入射光量を超えたときにデイモードからナイトモードに復帰させることができる。さらに,この基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の撮像環境の光量に応じて好適に設定されている。このため,撮像環境の影響を受けることなく,ナイトモードからデイモードへと撮像モードを安定して切り替えることができる。
【0016】
また,上記基準入射光量を設定する工程は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量を記録する工程と;記録した入射光量に基づいて,基準入射光量を設定する工程と;を含むように構成してもよい。
【0017】
上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量を補正した光量に設定されるように構成してもよい。
【0018】
また,上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量に所定量加えた光量に設定されるように構成してもよい。
【0019】
また,上記基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替わる度に更新されるように構成してもよい。
【0020】
また,上記撮像素子への入射光量を表すパラメータとして,自動露光調整装置によって調整された露光条件情報を利用するように構成してもよい。
【0021】
なお,上記「デイモードからナイトモードに切り替えた時」とは,デイモードからナイトモードに切り替えた直後から所定時間経過するまでの間の,ある程度の時間幅内のいずれかのタイミングを含むものとする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
(第1の実施の形態)
以下に,本発明にかかる第1の実施の形態について説明する。なお,以下では,本実施形態にかかる撮像装置として,ビデオカメラの例を挙げて説明するが,本発明はかかる例に限定されるものではない。
【0024】
まず,本実施形態にかかるビデオカメラの概要について説明する。本実施形態にかかるビデオカメラは,例えば,静止画像及び/又は動画像をカラー若しくは白黒で撮像可能なデジタルビデオカメラなどであり,例えば監視カメラなどに用いられるものである。この監視カメラの用途としては,例えば,銀行,コンビニエンスストア等の商店若しくは一般家庭などにおける防犯・監視用や,駐車場の混雑度,河川の水位,工事現場での土砂崩れ等をモニタリングする用途などが挙げられる。
【0025】
かかるビデオカメラは,例えば,自動露光(自動露出ともいう。以下では,AEという。)機能を有しており,撮像デバイスである例えばCCD個体撮像素子(以下では,CCDという。)への入射光量に応じて,レンズの絞り(アイリス)やシャッタスピードなどを制御して,露光量を自動的に調整することができる。
【0026】
さらに,このビデオカメラは,例えば,赤外線カットフィルタの脱着機構を備えており,撮像環境の明るさ(即ち,撮像素子への入射光量)に応じて,例えば,赤外線カットフィルタを介して撮像する撮像モード(デイモード)と,赤外線カットフィルタを介さないで撮像する撮像モード(ナイトモード)という例えば2つの撮像モードを相互に切り替えることができる。なお,かかる撮像モードの切り替えの詳細については後述する。
【0027】
次に,図1〜図3に基づいて,本実施形態にかかるビデオカメラの回路構成および信号処理について説明する。図1は,本実施形態にかかるビデオカメラ1の回路構成を示すブロック図である。また,図2は,本実施形態にかかる光学部品10を示すブロック図である。また,図3は,本実施形態にかかる前処理ブロック30および信号処理ブロック40の構成を示すブロック図である。なお,以下では,ビデオカメラ1は,撮像素子としてCCD20を用いた例について説明するが,かかる例に限定されるものではない。
【0028】
図1および図2に示すように,ビデオカメラ1において,撮像した被写体からの光は光学部品10を通して入射され,CCD20に取り込まれる。この光学部品10は,図2に示すように,レンズ12と光学フィルタ14とから構成される。
【0029】
レンズ12は,被写体からの光を集光し,光学フィルタ14に入射させる。なお,このレンズ12の絞りは,後述するマイクロコントローラ(以下では,マイコンという。)80によってレンズ制御回路100を介して制御可能である。かかるレンズ12の絞りを増減することにより,被写体からCCD20への入射光量を調整できる。
【0030】
光学フィルタ14は,例えば,赤外カットフィルタ(Infrared Cut Filter;以下では,IRCFという場合もある。)及び/又は光学ローパスフィルタ(Optical Low Pass Filer;以下では,OLPFという場合もある。)などで構成されており,被写体から入射された光に各種の処理を施すことができる。例えば,IRCFは,入射光のうち近赤外線領域よりも波長の長い光をカットして可視光領域の光のみを透過させることにより,人が見た色感と同様な画像を撮像する事ができる。また,OLPFは,例えば,特定周波数成分を除去することにより,モアレや擬色を防止して画質を向上させることができる。なお,かかる光学フィルタ14は,赤外線カットフィルタ脱着機構により上記IRCFを脱着することができるが,詳細については後述する。
【0031】
上記のようにしてレンズ12によって絞り込まれ,光学フィルタ14を通過した光学像は,CCD20に入射される。このCCD20は,代表的な撮像素子(撮像デバイス)であり,受光面に配された複数の画素により,受光した当該光学像を光電変換して電気信号として出力することができる。なお,CCD20としては,例えば,補色単板CCD,原色単板CCDまたは3板CCDのいずれであってもよい。
【0032】
かかるCCD20は,タイミングジェネレータ(以下では,TGという。)60により駆動され(電子シャッタ機能),光電変換された電気信号である画像信号を読み出す。なお,このTG60によるシャッタスピードは,マイコン80によって制御可能である。撮像環境が比較的明るくCCD20への入射光量が多い場合には,シャッタスピードを速め,一方,撮像環境が比較的暗く入射光量が少ない場合には,シャッタスピードを遅くすることにより,露光量を調整することができる。
【0033】
このようなCCD20から読み出された電気的な画像信号は,前処理ブロック30に入力される。この前処理ブロック30では,図3に示すように,例えば,画像信号に相関二重サンプリング(CDS)処理を施した後,ゲインコントロールアンプ(以下では,AGCという。)32によって必要に応じて好適な信号レベルに増幅(ゲイン調整)される。このAGC32のゲインは,マイコン80によって制御可能である。かかるAGC32の出力は,黒レベル等を調整した後,A/D変換器34によりアナログ信号からデジタル信号に変換されて,信号処理ブロック40に出力される。
【0034】
信号処理ブロック40は,画像信号に対して,ガンマ補正,ダイナミックレンジ調整,アパーチャーによる輪郭補正,ホワイトバランス(WB)調整などの各種画像処理を施すとともに,画像信号の信号レベルや色情報などを検出する機能を有する。
【0035】
より具体的には,信号処理ブロック40は,図3に示すように,例えば,画像信号のうちの輝度信号(Y信号)を処理するY信号処理回路42と,色信号(C信号)を処理するC信号処理回路44と,このY信号処理回路42およびC信号処理回路44の出力信号を検波する検波回路46と,D/A変換器47,48と,Y/C信号混合回路49を備える。
【0036】
Y信号処理回路42は,入力信号から輝度信号を生成し,この輝度信号に対して,例えば,ダイナミックレンジの調整,ガンマ補正,ホワイトクリップなどの処理を施した後,D/A変換機47でアナログ信号に変換してY/C信号混合回路49に入力する。
【0037】
一方,C信号処理回路44は,入力信号から色信号を生成し,この色信号に対して,例えば,WB調整等の色処理,ガンマ補正,例えばサブキャリア信号による変調などの処理を施した後,D/A変換機48でアナログ信号に変換してY/C信号混合回路49に入力する。
【0038】
また,検波回路46は,例えば,Y信号処理回路42の出力信号の所定エリアに関してAE用検波を行うとともに,C信号処理回路44の出力信号の所定エリアに関してWB調整用検波などを行い,検波結果をマイコン80に出力する。例えば,AE用検波をより具体的に説明すると,検波回路46は,例えば,AE用検波枠を生成し,このAE検波枠内の輝度信号を積分回路によって例えば1フィールド分積分し,この積分結果をマイコン80に出力することができる。
【0039】
上記Y/C信号混合回路49は,例えば,上記処理された輝度信号と色信号を混合し,さらに例えば同期信号なども加えた上で映像信号を生成する。この映像信号は,出力手段であるドライバ50を介して,例えば,コンポジット信号等として外部に出力される。
【0040】
また,レンズ制御回路100は,例えば,レンズ12の絞りを調整したり,後述する光学フィルタ14の切替を行ったりするためのモータ(図示せず。)と,制御回路(図示せず。)などから構成されている。
【0041】
また,マイコン80は,TG60を利用しながら,上記のようなビデオカメラ1内の各装置を制御する機能を有する。このようなマイコン80の制御のうち,例えば自動露光機能を実現するための制御について,以下に詳細に説明する。
【0042】
マイコン80は,上記検波回路46からの検波結果を基に,目標AEレベルを維持するべく,露光を自動的に調節するよう各装置を制御する。より詳しくは,マイコン80は,撮像中は常に,検波回路46による検波結果を用いて撮像画像のAEレベルを監視している。この監視の結果,例えば,撮像した画像信号のレベルが目標AEレベルよりも高い,即ち,CCD20への入射光量が多いと判断した場合には,CCD20が出力する信号レベルを減少させる方向に各装置を制御する。即ち,マイコン80は,例えば,電子ボリューム(以下では,EVRという。)70等を通じてレンズ制御回路100を制御してレンズ12の絞りを絞る,TG60を介して電子シャッタのシャッタスピードを増加させCCD20の露光量を低減する,或いはAGC32のゲインを抑えるなどといった制御を行う。かかる制御により,前処理ブロック30から信号処理ブロック40に入力される画像信号の信号レベルが好適なレベルにまで低減され,好適に露光調整を行うことができる。
【0043】
このように,マイコン80,TG60,CCD20,レンズ制御回路100および前処理ブロック30などは,自動露光調整装置としても構成されており,CCD20に対する入射光量(即ち,撮像環境の明度)に応じて,レンズ12の絞り,シャッタスピードおよびAGC32のゲインなどの露光条件を自動的に調整することができる。これにより,ビデオカメラ1は,出力する映像信号の明るさを好適なレベルに保ち,画質を向上させることができる。
【0044】
また,記録媒体90は,例えば,フラッシュメモリ等の電気的に消去可能なROMであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などで構成されている。この記録媒体90は,例えば,上記マイコン80の制御に必要なデータ,露光条件情報などの調整データおよびユーザ設定などを記憶する機能を有する。
【0045】
なお,上記では,主に,マイコン80が,上記ビデオカメラ1内の各装置の処理を制御するシステムについて説明したが,かかる例に限定されず,上記のような処理を,例えば,Ethernet(登録商標)やEIA−232,EIA−485等といった外部インターフェースを介して外部から制御することも可能である。
【0046】
また,上記マイコン80およびその周辺装置は,本実施形態にかかる特徴である撮像モード切替装置および基準入射光量設定装置(いずれも図示せず。)としても機能する。かかる撮像モード切替装置は,例えば,撮像環境の明るさの変化に応じてIRCFを脱着して,撮像モードを切り替える機能を有し,基準入射光量設定装置は,撮像モード切替装置が撮像モードを切り替えるときの基準となる基準入射光量を設定する機能を有するが,詳細については後述する。
【0047】
次に,図4に基づいて,本実施形態にかかるビデオカメラ1における赤外線カットフィルタの脱着機構について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる赤外線カットフィルタの脱着機構200を示すブロック図である。
【0048】
図4に示すように,赤外線カットフィルタの脱着機構200は,例えば,IRCFとOLPFを組み合わせて構成されたフィルタ142と,OLPFのみで構成されたフィルタ144とを切り替えることができる。例えば,図4に示す構造では,かかる2つのフィルタ142,144を横にスライドさせて,双方を切り替える機構である。この切替は,例えば,上記前処理ブロック30やマイコン80の情報に基づいて,レンズ制御回路100にあるモータなどを介して実行される。
【0049】
かかる構成により,IRCFを含むフィルタ142がセットされている場合には,レンズ12からの入射光は,例えば,IRCFによって近赤外線領域以上の波長を有する光がカットされ可視光のみが透過するとともに,OLPFによって可視光領域外の高周波光もカットされて,撮像素子であるCCD20に入射する。一方,IRCFを含まないフィルタ144がセットされている場合には,レンズ12からの入射光は,例えば,OLPFによって可視光領域外の高周波光がカットされるのみであり,近赤外線領域以上の波長を有する光(近赤外光,赤外光など)も透過して,CCD20に入射する。
【0050】
このように,赤外線カットフィルタの脱着機構200は,マイコン80等からの制御信号に基づいて,CCD20に対してIRCFを装着する若しくは取り外すことができ,この結果,例えば,CCD20への入射光量を例えば2段階で切り替える,即ち,後述する撮像モードの切り替えを実現することができる。
【0051】
なお,図4に示す構造では,かかる2つのフィルタ142,144を横にスライドさせて切り替える機構であるが,かかる例に限定されず,例えば,フィルタ142,144を回転させて切り替える機構等であってもよい。また,フィルタの種類も上記例に限定されず,少なくとも,IRCFを含むフィルタをCCD20に対して着脱可能に構成したものであればよい。例えば,IRCFとOLPFを組み合わせたフィルタと,光路長を合わせるためのダミーガラスとを切り替えるように構成してもよく,また,IRCFのみを含むフィルタと当該ダミーガラスを切り替えるように構成してもよい。また,少なくともIRCFを含む1つのフィルタだけをCCD20に対して着脱するような構成であってもよい。
【0052】
次に,本実施形態にかかる大きな特徴である撮像モードの切替方法について説明する。なお,以下では,まず,CCD20の分光感度特性および撮像モードについて説明し,次いで,従来のビデオカメラにおける撮像モードの切替動作及びその問題点について説明した上で,本実施形態にかかる撮像モードの切替方法について詳細に説明することとする。
【0053】
まず,図5に基づいて,CCD20の分光感度特性と撮像モードについて説明する,なお,図5は,CCD20への入射光の波長(横軸)とCCD20の分光感度特性(縦軸)の関係を例示するグラフである。
【0054】
CCD20の分光感度特性とは,CCD20への各波長の入射エネルギーに対する信号電流をいい,絶対値(μA/μW)または相対値(%)などで表される。図5に示すように,CCD20の分光感度特性は,例えば,可視光領域(波長が例えば400〜700nm程度)で大きく,波長が例えば470nm付近で最大となる。これに対し,近赤外領域,赤外領域における分光感度特性は比較的小さい。特に,波長が大きくなるほど分光感度特性が小さくなり,例えば1000nm付近では0となっている。このように,CCD20は,可視光領域の光に関しては良好な感度を有するのに対し,近赤外領域および赤外領域の光に関しては感度が比較的悪い。
【0055】
しかしながら,CCD20は,感度は悪いといえども,近赤外領域および赤外領域の光を捉えて出力してしまう。このため,IRCFを利用しないカラービデオカメラでは,人間の目では本来見えない光(即ち,近赤外光および赤外光など)についても,何らかの色情報として捕捉してしまうこととなる。この結果,出力した映像では,色合いが人間の見た目とは異なるものとなってしまい,正確な色再現が困難になる。
【0056】
このため,上記のような赤外線カットフィルタの着脱機構200を備え,IRCFを脱着することにより撮像モードを切り替え可能なビデオカメラ1が開発された訳である。このようなビデオカメラ1では,IRCFを利用して近赤外光よりも波長の長い光をカットして,CCD20に入射させないようにすることができる。これにより,CCD20が,図5の点線より左側(例えば,波長が700nm以下)の可視光のみを撮像することができるので,正確な色再現が可能になる。
【0057】
従って,かかるビデオカメラ1においては,昼間の太陽光源下など,被写体からの光量を十分に確保できる撮像環境下では,被写体からの入射光を上記IRCFを含むフィルタ142を介してCCD20に入射させ,近赤外光および赤外光をカットして撮像する撮像モード(即ち,デイモード)が適用される。
【0058】
一方,夜間など可視光は少ないが,例えば,月明かりや赤外線ランプ等の光源からの近赤外光若しくは赤外光が存在するような暗い撮像環境下では,IRCFを取り外すことによって近赤外光等をCCD20に入射させて撮像する撮像モード(即ち,ナイトモード)が適用される。かかるナイトモードで撮像することにより,近赤外領域などの受光感度を利用してCCD20の感度を向上させることができる。この結果,例えば,色再現が不十分になる場合があるものの,非常に暗い環境下であっても被写体を撮像することができるようになる。
【0059】
次に,本実施形態にかかるビデオカメラ1の撮像モード切替動作の説明に先立ち,説明の便宜上,図6に基づいて,従来のビデオカメラにおける撮像モード切替動作について詳細に説明する。なお,図6は,従来のビデオカメラの撮像モード切替動作における,CCDへの入射光量の時間変化を例示するグラフである。なお,図6の撮像環境としては,撮像場所として屋外撮影を想定し,撮像期間としては日暮れから夜明けまでをイメージしたものである。
【0060】
従来のビデオカメラでは,一般的に,デイモードでの撮像中に,可視光だけでは撮像したい被写体が暗すぎるときに,IRCFを取り外してデイモードからナイトモードに切り替える。さらに,ナイトモードでの撮像中に,撮像環境がある程度明るくなったときに,IRCFを元に戻してナイトモードからデイモードに復帰させる。
【0061】
かかる撮像モードの切替動作において,被写体からCCDへ入射する入射光量(以下では,単に入射光量という場合もある。)は,図6に示すようになる。
【0062】
なお,この図6において,「レベル1」とは,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替える基準となる入射光量である。即ち,デイモードでの撮像中に撮像環境が暗くなると,被写体からCCDへの入射光量は減少する。そして,この入射光量が「レベル1」以下となった場合には,撮像モードがデイモードからナイトモードに切り替えられる。一方,「レベル2」とは,撮像モードをナイトモードからデイモードに切り替える基準となる入射光量である。即ち,ナイトモードでの撮像中に撮像環境が明るくなると,被写体からCCDへの入射光量は増加する。そして,この入射光量が「レベル2」以上となった場合には,撮像モードがナイトモードからデイモードに切り替えられる。
【0063】
なお,これらの「レベル1」および「レベル2」の大きさは,ビデオカメラの各装置のスペックなどに基づいて予め設定されており,固定値である。また,以下では,双方のレベル差をLdiffとする。
【0064】
図6に示すように,まず,日暮れ時などにおいて,デイモードでの撮像中に撮像環境が明るい状態から徐々に暗くなると,入射光量も徐々に減少する。そして,この入射光量が,レベル1に到達した(a点)とき,デイモードからナイトモードに切り替えるための準備動作が開始される。この準備動作とは,入射光量の減少が一時的なものでなく,レベル1以下の状態を所定時間(例えば2秒〜3分程度)にわたり安定的に保つか否かを確認する動作をいう。
【0065】
次いで,かかる準備動作期間(a〜b間)を経過して,入射光量がレベル1以下の状態を保っていた場合には,b点でデイモードからナイトモードに切り替えられる。かかる撮像モードの切替により,これまでIRCFでカットされていた例えば赤外線ランプ等からの近赤外光などがCCDに入射するので,入射光量が急激に増加する(c点)。
【0066】
さらに,この切り替え後には,撮像環境がさらに暗くなるので入射光量は再び減少するが,最も暗い深夜(d点)を越すと,撮像環境が明るくなるにつれて入射光量も増加に転ずる。そして,入射光量がレベル2にまで増加する(e点)と,ナイトモードからデイモードに復帰させるために,上記と同様の準備動作を開始する。
【0067】
その後,かかる準備動作期間(e〜f間)を経過して,入射光量がレベル2以上の状態を保っていた場合には,f点でナイトモードからデイモードに切り替えられる。かかる撮像モードの切替により,IRCFが再び装着されるため,近赤外光などがカットされてCCDへの入射光量が急激に減少する(g点)が,その後は撮像環境が明るくなるため,入射光量は徐々に増加する。
【0068】
このように,従来のビデオカメラの撮像モード切替方法であっても,強い赤外光等が存在しない環境下では,好適に撮像モードを切り替えて撮像することができる。
【0069】
しかしながら,例えば赤外光領域に強い光を放つ光源などが存在する場合には,撮像モードの切替に問題が起きる可能性がある。ここで,図7に基づいて,従来のビデオカメラにおける撮像モード切替方法の問題点について詳細に説明する。なお,図7は,従来のビデオカメラの撮像モード切替動作における,問題がある場合の入射光量の時間変化を示すグラフである。
【0070】
図7に示すように,入射光量が上記と同様にしてレベル1に達した(h点)後,デイモードからナイトモードに切り替えられる(i点)。しかしながら,撮像環境下に強い赤外光などが存在している場合には,入射光量がレベル2を超えてしまう(j点)ことがある。この結果,ビデオカメラの切替動作制御部は,周辺環境が明るくなったと誤判断してしまい,すぐにデイモードに戻してしまう(k点)。しかしながら,このデイモードでも入射光量はレベル1以下にしかならない(l点)ため,再度ナイトモードに切り替えてしまう(m点)。よって,上記のようにして,デイモードとナイトモードとを非常に短時間で相互に切り替える動作が,夜明けまで永遠と繰り返されることになる。従って,ビデオカメラは,一晩中,被写体を好適に撮像することができず,例えば監視カメラとしての機能を果たすことができない。
【0071】
上記のように,従来のビデオカメラにおける撮像モード切替方法は,月明かりまたは強力な赤外線ランプなど近赤外若しくは赤外光領域に強い光を放つ光源が存在する撮像環境下などでは,撮像モードを安定して切り替えることができないという大きな問題を有する。
【0072】
なお,上記レベル1とレベル2の差Ldiffが大きくなるように双方を設定することでこの問題を解決することができるが,かかる方法では双方のレベル差Ldiffが大きい分だけナイトモードからデイモードに戻りにくくなるという弊害を招く。さらに,デイモードでの撮像時に撮像環境があまり明るくない場合には,常にナイトモードで動作してしまう可能性もあり,このため出力映像の明るさや色再現が常に悪い状態になってしまうという問題もある。
【0073】
次に,上記のような従来の撮像モード切替方法の問題を解決することが可能な,本実施形態にかかるビデオカメラ1の構成上の特徴および撮像モード切替方法について説明する。
【0074】
まず,本実施形態にかかるビデオカメラ1の構成上の特徴について説明する。
【0075】
本実施形態にかかるビデオカメラ1は,撮像モードをナイトモードからデイモードに切り替えるときの基準となるCCD20への入射光量(以下では,基準入射光量という。)を,動的に変化させて設定可能であることを特徴とする。これは,従来のビデオカメラが,上記のようにナイトモードからデイモードに切り替えるときの基準となる入射光量(即ち,レベル2)が固定的であったことと対照的である。
【0076】
かかる特徴を実現すべく,本実施形態にかかるビデオカメラ1は,例えば,マイコン80およびその周辺装置などで構成された上記基準入射光量設定装置および上記撮像モード切替装置を備える。
【0077】
基準入射光量設定装置は,例えば,撮像モードをデイモードからナイトモードへ切り替えた直後におけるCCD20への入射光量に相当する情報を,例えば記録媒体90等の記録手段に記録する機能を有する。この入射光量に相当する情報としては,例えば,上記のような自動露光調整装置によって調整された露光条件情報(AGC32のゲイン,レンズ12の絞り,シャッタスピードなど)を利用することができる。即ち,撮像モード切替装置によってデイモードからナイトモードへ切り替えられると,例えば,可視光だけでなく近赤外光なども光学フィルタ14を透過するので,CCD20への入射光量が増加する。このため,自動露光調整装置が,露光量を好適に調節するよう動作するので,露光条件が変化する。基準入射光量設定装置は,例えば,このときの露光条件情報を記録しておくことで,当該切替直後の入射光量に相当する情報を記録することができる。
【0078】
このように,例えば,入射光量を直接記録するのではなく,入射光量に相当する情報として露光条件情報を間接的に記録することにより,基準入射光量設定装置の制御が容易になるとともに,新たな部品追加や設計変更が少なくて済むというメリットがある。しかし,記録される情報はかかる例に限定されず,例えば,上記露光条件情報の代わりに,CCD20への実際の入射光量を測定して記録するように構成してもよい。
【0079】
さらに,この基準入射光量設定装置は,例えば,上記のように記録した入射光量に相当する情報に基づいて,ナイトモードからデイモードに復帰させるときの基準入射光量を設定する機能を有する。即ち,かかる基準入射光量設定装置により,基準入射光量は,従来のように固定でなく,撮像モードをデイモードからナイトモードへ切り替えた時の撮像環境の明るさ(即ち,CCD20への入射光量)に応じて動的に設定される。なお,上記でいう「デイモードからナイトモードへ切り替えた時」とは,例えば,当該切り替え直後の時点,或いは露光条件が収束した時点等の当該切り替え時点から所定時間経過した時点など,当該切り替え時点からある程度の時間幅内の任意のタイミングであってもよい。
【0080】
かかる基準入射光量は,例えば,記録した入射光量(即ち,デイモードからナイトモードへ切り替えた時の入射光量)を補正して算出される。より具体的には,本実施形態では,記録した入射光量に所定量を加算した光量に設定される。この結果,基準入射光量は,例えば,デイモードからナイトモードへ切り替えた時の入射光量より所定量大きい光量に設定される。この所定量は,例えば,上記従来の撮像モード切替方法におけるレベル1とレベル2の差Ldiffと同一な値とすることができる。
【0081】
また,基準入射光量設定装置は,上記のような基準入射光量の設定動作を,例えば,撮像モードがデイモードからナイトモードに切り替えられる度に,毎回行うようにしてもよい。かかる構成により,当該切替の度に基準入射光量が更新されるので,撮像環境の変化(被写体の変更,光源の追加若しくは削除,または撮像場所の変更など)に対応して,基準入射光量を好適な値に設定し直すことができる。
【0082】
撮像モード切替装置は,被写体からCCD20への入射光量に基づいて,デイモードとナイトモードを切り替える機能を有する。この撮像モード切替装置による撮像モードの切替は,例えば,下記のように,デイモードからナイトモードに切り替える場合と,ナイトモードからデイモードに切り替える場合とで大きく異なる。
【0083】
まず,デイモードからナイトモードに切り替える場合について説明する。撮像モード切替装置は,例えば,CCD20への入射光量が所定量以下に減少し,この状態を所定時間維持したときに,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替える。この切替方法は,例えば,上記従来の撮像モード切替方法の場合と略同一であり,入射光量が例えば固定的な上記レベル1以下となった場合に,デイモードからナイトモードに切り替えるものである。
【0084】
次いで,本実施形態の特徴であるナイトモードからデイモードに切り替える場合について説明する。撮像モード切替装置は,例えば,CCD20への入射光量が上記基準入射光量以上に増加し,この状態を所定時間維持したときに,撮像モードをナイトモードからデイモードに切り替える。この基準入射光量は,上記のように,基準入射光量設定装置によって撮像環境に応じて動的に設定されているので,固定値ではない。さらに,基準入射光量は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量より大きい量に設定されているので,上記従来の切替方法のようにナイトモードに切り替えた後,すぐさまデイモードに切り替えるような状態になることがない。従って,撮像モード切替装置は,たとえ赤外光領域に強い光を放つ光源が存在している場合であっても,撮像モードの切替動作を安定的に行うことができる。
【0085】
次に,図8および図9に基づいて,以上のような構成の基準入射光量設定装置および撮像モード切替装置を有するビデオカメラ1の撮像モード切替方法について説明する。なお,図8は,本実施形態にかかる撮像モード切替方法の動作フローを示すフローチャートであり,図9は,本実施形態にかかるビデオカメラ1の撮像モード切替動作における,CCD20への入射光量の時間変化を例示するグラフである。なお,図9の撮像環境としては,撮像場所として屋外撮影を想定し,撮像期間としては日暮れから夜明けまでをイメージしており,また,強い赤外光若しくは近赤外光を放つ光源が存在しているものとする。
【0086】
また,この図9において,「レベル1」とは,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替える基準となる所定の入射光量であり,上記従来例と同様に固定値である。
【0087】
また,「レベル3」とは,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量であって,例えば記録媒体90に一時的に記録され,基準入射光量を設定する基準となる入射光量である。この「レベル3」の大きさは,当該切替時の撮像環境に応じて増減する。
【0088】
さらに,「レベル4」とは,撮像モードをナイトモードからデイモードに切り替える基準となる基準入射光量であって,上記基準入射光量設定装置によって,例えば,「レベル3」の値に所定量Ldiffを加えた量に設定されたものである。このため,この「レベル4」も「レベル3」の値に応じて増減することとなり,上記従来例の「レベル2」が固定的であるのと対照的である。
【0089】
図8に示すように,まず,ステップS10では,デイモードで被写体が撮像される(ステップS10)。撮像環境が明るく十分な量の可視光がCCD20に入射されている場合には,ビデオカメラ1は撮像モードをデイモードにして被写体を撮像する。しかし,日暮れ時などでは入射光量が徐々に減少する(図9:A〜B点間)。
【0090】
次いで,ステップS12では,入射光量が所定時間以上レベル1以下であるか否かが判定される(ステップS12)。ビデオカメラ1の例えば撮像モード切替装置は,例えば,デイモードでの撮像中は常に,デイモードからナイトモードに切り替えるべきか否かを判定している。この判定は,入射光量が所定時間(例えば2秒〜3分程度)にわたりレベル1以下の状態となっているか否かによって決定される。
【0091】
このように,入射光量がレベル1以下になった場合に即時デイモードからナイトモードに切り替えるのではなく,入射光量がレベル1以下となる状態が所定時間以上継続するか否かに基づいて判定するのは,上記従来例で説明したように,入射光量が突発的に減少した場合(ビデオカメラの前を人が横切った場合等)などに,撮像モードの切替を誤判断することを防止するためである。
【0092】
このような判定の結果,入射光量が所定時間以上レベル1以下でないと判定された場合には,再びステップS10に戻り,デイモードで撮像しながら本ステップの入射光量の監視が続けられる。一方,入射光量が所定時間以上レベル1以下である(図9:B〜C点間)と判定された場合には,ステップS14に進む。
【0093】
さらに,ステップS14では,撮像モードがデイモードからナイトモードに切り替えられる(ステップS14)。撮像モード切替装置は,赤外線カットフィルタの脱着機構200に対して制御信号を送り,IRCFを含むフィルタ142をCCD20から取り外すよう指示する(図9:C点)。これにより,赤外線カットフィルタの脱着機構200は,例えば,光学フィルタ14をスライドさせて,IRCFを含むフィルタ142からIRCFを含まないフィルタ144に切り替える。かかる動作によって,撮像モードがナイトモードに切り替えられ,これまでIRCFでカットされていた近赤外光などがCCD20に入射するようになるので,入射光量が急激に増加する(図9:D点)。これにより,ビデオカメラ1は,近赤外光などを利用してナイトモードで好適な撮像が可能になる。
【0094】
その後,ステップS16では,所定時間以上AEが安定しているか否かが判定される(ステップS16)。上記ステップS14で,撮像モードがナイトモードに切り替えられると,CCD20への入射光量が急激に増加する。このため,自動露光調整装置は,かかる入射光量の急激な増加に対応すべく,露光量を減少させるように調整する。具体的には,自動露光調整装置は,例えば,AGC32のゲインを減少させる,レンズ12の絞りを絞る,シャッタスピードを増加させるなどの操作を行う。本ステップでは,かかる露光調整動作に伴う露光量の変化量がある程度収束し,露光量が好適値まで収束したポイント(露光収束点)に至ったか否か,即ち,露光調整動作が所定時間以上にわたり安定しているか否かが判定される。この結果,安定していないと判定された場合には,さらにAE調整を行い,一方,安定していると判定された場合には,ステップS18に進む。なお,後続のステップS18で,例えば,ナイトモードへの切り替え直後の入射光量を直接記録する場合には,本ステップは省略してもよい。
【0095】
次いで,ステップS18では,例えばナイトモードに切り替えたときの入射光量がレベル3として記録される(ステップS18)。基準入射光量設定装置は,例えば,ステップS14によってナイトモードに切り替えた時の入射光量をレベル3として記録媒体90などに記録する。なお,本実施形態では,実際には,例えば,当該入射光量を直接記録するのではなく,当該入射光量に相当する情報として露光条件情報などを間接的に記録する。この露光条件情報は,具体的には,例えば,上記自動露光調整装置によって調整されたAGC32のゲイン,レンズ12の絞りおよびシャッタスピードなどの情報であり,例えば,上記露光収束点での値が用いられる。よって,本実施形態では,例えば,当該切替直後の時点ではなく,当該切替に伴う自動露光調整が収束した時点での入射光量が,露光条件情報を利用して間接的に記録されることとなる。
【0096】
さらに,ステップS20では,基準入射光量がレベル4として設定される(ステップS20)。基準入射光量設定装置は,上記ステップS18で記録された入射光量であるレベル3(実際には,入射光量に相当する情報である露光条件情報など)に基づいて,ナイトモードからデイモードに復帰させるときの基準入射光量をレベル4として設定する。より具体的には,この基準入射光量は,例えば,レベル3に所定量Ldiffを加えた値に設定される。さらに,本ステップにおいて,例えば,かかるレベル4と,レベル4に相当する露光条件情報とを関連付けておくようにしてもよい。これにより,以降のステップでの入射光量の判断を,例えば,かかる露光条件情報をパラメータとして行うことができる。
【0097】
その後,ステップS22では,ナイトモードで被写体が撮像される(ステップS22)。例えば夜間であるので可視光は非常に少ないが,ビデオカメラ1は,近赤外光などを好適に利用して,ナイトモードで被写体を撮像する。この際,CCD20への入射光量は,例えば,深夜(図9:E点)に至るまでは徐々に減少し,深夜を越えると徐々に増加する。
【0098】
次いで,ステップS24では,入射光量が所定時間以上にわたりレベル4以上であるか否かが判定される(ステップS24)。ビデオカメラ1の例えば撮像モード切替装置は,例えば,ナイトモードでの撮像中は常に,ナイトモードからデイモードに復帰させるべきか否かを判定している。この判定は,入射光量が所定時間(例えば2秒〜3分程度)にわたりレベル4以上の状態となっているか否かによって決定される。かかるデイモードへの切替時にも,上記ナイトモードへの切替時と同様に,誤判断を防止すべく,入射光量がレベル4以上となる状態が所定時間以上継続するか否かに基づいて判定が行われる。
【0099】
このような判定の結果,入射光量が所定時間以上レベル4以上でないと判定された場合には,再びステップS22に戻り,ナイトモードで撮像しながら本ステップの入射光量の監視が続けられる。一方,入射光量が所定時間以上レベル4以上である(図9:F〜G点間)と判定された場合には,ステップS26に進む。
【0100】
さらに,ステップS26では,撮像モードがナイトモードからデイモードに切り替えられる(ステップS26)。撮像モード切替装置は,赤外線カットフィルタの脱着機構200に対して制御信号を送り,IRCFを含むフィルタ142をCCD20に装着させるよう指示する(図9:G点)。これにより,赤外線カットフィルタの脱着機構200は,例えば,光学フィルタ14をスライドさせて,IRCFを含まないフィルタ144からIRCFを含むフィルタ142に切り替える。かかる動作によって,撮像モードがナイトモードからデイモードに切り替えられるので,近赤外光および赤外光などがIRCFによってカットされCCD20に入射しなくなるので,入射光量が急激に減少する(図9:H点)。その後は,撮像環境が明るくなるにつれ入射光量が徐々に増加していき(図9:H〜I点間),上記ステップS10で説明したように,デイモードでの撮像が好適になされる。
【0101】
以上のように,本実施形態にかかる撮像モードの切替方法では,ナイトモードに切り替えたときの入射光量(レベル3)に基づいて,デイモードに復帰させる基準となる入射光量(レベル4)を動的に設定することができる。このため,レベル4をナイトモードへの切替時の撮像環境の明るさに応じて,好適に増減させることができる。従って,照明の明るさ,波長スペクトル,赤外光源の有無などの撮像環境の影響を受けずに,適切に撮像モードを切り替えることができる。
【0102】
また,例えば,レベル4をレベル3に所定値を加えた値に設定することで,レベル4は常にレベル3より大きな値となる。このため,例えば,強力な赤外光などが存在する撮像環境下であっても,上記従来の撮像モード切替方法のように,ナイトモードに切り替えた直後にデイモードに切り替えてしまう誤動作を起こすことがない。従って,撮像モードを安定して切り替えることができるので,好適な撮像を実現できる。
【0103】
さらに,デイモードからナイトモードに切り替える度に,レベル3に基づいてレベル4を更新設定する(即ち,上記図8のS10〜S26を繰り返す)ことにより,直近にナイトモードへ切り替えたときのレベル3に応じて好適なレベル4を毎回設定できる。このため,光源の追加や削除,撮像場所の移動および被写体の変化などといった撮像環境の変化に,柔軟に対応することができる。
【0104】
次に,図10に基づいて,上記のような本実施形態にかかる撮像モード切替方法による撮像モードの切替に伴う,CCD20への入射光量と,自動露光調整装置によって露光調整処理された画像信号の信号レベル(即ち,輝度レベル)との関係について説明する。なお,図10は,本実施形態にかかるビデオカメラ1の撮像モード切替動作における,(a)撮像環境下の光量の時間変化と,(b)CCD20への入射光量の時間変化と,(c)前処理ブロック30の出力する画像信号レベルの時間変化と,の関係を例示するグラフである。なお,図10の撮像環境としては,撮像場所として屋外撮影を想定し,撮像期間としては日暮れから夜明けまでをイメージしており,また,強い赤外光を放つ光源が存在しているものとする。また,図10において,撮像モードは,P時点でデイモードからナイトモードに切り替えられ,Q時点でナイトモードからデイモードに切り替えられているものとする。
【0105】
図10(a)に示すように,撮像環境下には,例えば,太陽からの可視光と,赤外線ランプなどからの赤外光の双方が存在している。可視光の光量は,昼間は大きく夜間は小さくなるので,例えば図10(a)のような下に凸のカーブを描いて変化する。一方,赤外光の光量は例えば常に一定である。
【0106】
このような撮像環境下で撮像モードを切り替えながら撮像すると,CCD20への入射光量は,上記で説明したように,図10(b)に示すように変化する。また,かかるCCD20への入射光量の変化に対応して,自動露光調整装置が機能して露光量を調整するので,前処理ブロック30での処理後の画像信号の信号レベル(以下では,前処理後の信号レベルという。)は,図10(c)に示すように変化する。
【0107】
詳細には,まず,日暮れ時において撮像環境の可視光の光量が徐々に減少する(a1〜a2点間)と,可視光のみが入射されるデイモードで撮像されているので,CCD20への入射光量も同様に減少する(b1〜b2点間)。このとき,前処理後の信号レベルは,減少した光量が自動露光調整装置で対応可能な範囲にある場合には,レンズの絞りを開くなどの露光調整を行うことにより一定のレベルを保つことができる(c1〜c2点間)。しかし,光量が自動露光調整装置で対応不可能なレベルにまで減少すると,前処理後の信号レベルは,上記一定レベルを維持できずに,入射光量の減少に伴って減少してしまう(c2〜c3点間)。この結果,出力する映像が徐々に暗くなってしまうことになる。
【0108】
従って,撮像モード切替装置は,CCD20への入射光量が例えば上記レベル1(b2点に対応)に至り準備動作期間(図示せず。)を経た時点で,撮像モードをデイモードからナイトモードに切り替える。これにより,赤外光がCCD20に入射可能になるので,入射光量が突然増加する。このとき,自動露光調整装置はかかる入射光量の急増に即座には対応しきれないので,前処理後の信号レベルも急激に増加する(c4点)。その後,自動露光調整装置が露光量を減少させるように動作すると,前処理後の信号レベルは減少し(c4〜c5点間),ついには好適なレベルに収束する(c5点;即ち,露光収束点)。上記基準入射光量設定装置は,例えば,かかる露光収束点での露光条件情報(上記レベル3に相当する。)を記録し,この露光条件情報に基づいて基準受光量(上記レベル4)を設定する。
【0109】
次いで,夜間におけるナイトモードでの撮像中には,可視光の光量はさらに減少した後に増加するが(a2〜a3点間),赤外光の光量は一定量を確保しているので,CCD20への入射光量はさほど変化しない(b3〜b4点間)。このように入射光量の変量が比較的少ないため,自動露光調整装置は好適に動作することができる。このため,前処理後の信号レベルは,一定レベルに維持される(c5〜c6点間)。
【0110】
さらに,夜明け前後において,可視光の光量がある程度まで増加する(a3点)と,CCD20への入射光量が基準入射光量に達する(b4点)。このとき,撮像モード切替装置は,上記準備動作期間を経た時点で撮像モードをナイトモードからデイモードに戻す。この結果,赤外光がカットされるので,CCD20への入射光量が突然減少する(b5点)。このときも,自動露光調整装置はかかる入射光量の急減に即座には対応しきれないので,前処理後の信号レベルは急激に減少する(c7点)。その後,自動露光調整装置が露光量を増加させるように動作すると,前処理後の信号レベルは増加し(c7〜c8点間),ついには好適なレベルに収束する(c8点)。
【0111】
その後は,デイモードの撮像が継続され,可視光の光量が徐々に増加する(a3〜a4点間)ので,CCD20への入射光量も同様に増加する(b5〜b6点間)。また,自動露光調整装置がレンズの絞りを絞るなどして好適に露光調整を行うことにより,前処理後の信号レベルは,一定のレベルを保つことができる(c8〜c9点間)。
【0112】
上記のように,前処理後の信号レベルは,例えば,撮像モード切替時に多少の増減はあるものの,全体的には略同一のレベルを維持している。即ち,自動露光装置が良好に機能しているといえる。よって,ビデオカメラ1は,明るさがほぼ所定の好適レベルで安定した,見やすい映像を出力することができる。
【0113】
以上のような図9および図10では,本実施形態にかかる撮像モード切替方法を,例えば強力な赤外光が存在する撮像環境下で適用した例について説明した。しかし,本実施形態にかかる撮像モード切替方法は,当該赤外光若しくは近赤外光などが存在しない(例えば,可視光のみが存在する)環境下であっても,好適に適用できる。以下に,図11に基づいて,かかる撮像環境下に本実施形態にかかる撮像モード切替方法を提供した例について説明する。なお,図11は,本実施形態にかかる撮像モード切替動作を赤外光等がない撮像環境下に適用した場合における,CCD20への入射光量の時間変化を例示するグラフである。なお,図11の撮像環境としては,撮像場所として屋外撮影を想定し,撮像期間としては日暮れから夜明けまでをイメージしている。
【0114】
図11に示すように,まず,日暮れ時には可視光の光量が減少するに伴って,CCD20への入射光量も減少する(S〜T点間)。次いで,入射光量がレベル1以下に減少した時点(T点)で準備動作が開始され,所定時間経過(T〜U点間)後,撮像モードがデイモードからナイトモードに切り替えられる(U点)。上記までは,図9の例と略同一である。
【0115】
ここで特徴的なのは,ナイトモードに切り替えてIRCFを取り外したとしても,撮像環境下に赤外光などが存在しないため,CCD20への入射光量が増加しない点である。従って,当該切替後の入射光量であるレベル3は,例えば,レベル1と略同一な値として記録される(「レベル1」=「レベル3」)。また,基準入射光量であるレベル4は,例えば,かかるレベル3に所定量Ldiffを加えた値として設定される。
【0116】
次いで,ナイトモードへの撮像モード切替(U点)後も,CCD20への入射光量は,可視光の光量の減少に伴ってさらに減少する(U〜V点間)。従って,ビデオカメラ1が出力する映像は,ナイトモードで撮像したとしても,例えば,多少は暗くなってしまう。
【0117】
さらに,可視光の光量が最も少なくなる深夜(V点)を経過した後は,CCDへの入射光量は増加に転じる(V〜W点間)。次いで,入射光量がレベル4以上に増加した時点(W点)で準備動作が開始され,所定時間経過(W〜X点間)後,撮像モードがナイトモードからデイモードに切り替えられる(X点)。かかる撮像モードの切替により,CCD20にIRCFを装着して,赤外光等をカットできるようにしたとしても,撮像環境下には元々赤外光等が存在しないため,CCD20への入射光量は,上記図9のように減少することはない。その後は,CCD20への入射光量が可視光の光量の増加に伴って増加するので,デイモードで好適な撮像が可能になる。
【0118】
以上のように,本実施形態にかかる撮像モード切替方法では,撮像環境に赤外光などが存在しない場合であっても,好適に撮像モードの切替動作を実行することができる。
【0119】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0120】
例えば,上記実施形態では,撮像装置としてビデオカメラ1の例を挙げて説明したが,本発明はかかる例に限定されず,例えば,デジタルスチールカメラ,携帯電話用デジタルカメラなどに広く適用可能である。また,ビデオカメラ1は,監視カメラ以外にも,例えば,業務用ビデオカメラ,家庭用ビデオカメラなどであってもよい。
【0121】
また,撮像デバイスは,CCD20等の撮像素子に限定されず,例えばCMOSセンサ,VMISなどであってもよい。
【0122】
また,上記実施形態では,画質調整機能として,AE機能およびWB調整機能の双方を備えたビデオカメラ1について説明したが,かかる例に限定されず,WB調整機能を備えない,若しくはこれら以外の画質調整機能(例えば,マスク機能,ワイドダイナミックレンジ調整機能など)をさらに備えた撮像装置であってもよい。
【0123】
また,撮像装置の回路構成は,上記実施形態にかかるビデオカメラ1の回路構成の例に限定されず,例えば,同期信号,画像位置信号を作成する同期信号発生回路(SG回路)等の各種の回路及び/又はセンサなどを付加したり,若しくは削除したりしてもよい。
【0124】
また,上記実施形態では,撮像モードとしてデイモードとナイトモードの2つを切り替え可能なビデオカメラ1について説明したが,本発明はかかる例に限定されず,これら以外にも新たな撮像モード(例えば,室内モード,屋外モード,デイモードとナイトモードの中間的な撮像モードなど)を追加してもよい。
【0125】
また,上記デイモードが適用される撮像環境は,上記のような日中の屋外に限定されず,例えば,比較的光量の多い撮像環境であれば,明るい室内,若しくは夜間でも明るい光源が存在する場所などといった多様な撮像環境に適用してもよい。また,上記ナイトモードが適用される撮像環境は,上記のような夜間の屋外に限定されず,例えば,比較的光量の少ない撮像環境であれば,比較的暗い室内,若しくは雨の日の日中などといった多様な撮像環境に適用してもよい。
【0126】
また,上記実施形態では,マイコン80などが撮像モード切替装置および基準入射光量設定装置を構成し,撮像モードを切り替える処理を行ったが,本発明はかかる例に限定されず,例えばマイコン80とは独立した撮像モード切替ユニットなどを設けて,このユニットに撮像モードの切替処理を任せてもよい。また,ビデオカメラ1の外部から撮像モード切替動作を制御してもよい。
【0127】
また,上記実施形態では,基準入射光量設定装置は,デイモードからナイトモードに切り替えた時の入射光量(レベル3)に所定量を加えた光量を基準受光量(レベル4)として設定したが,本発明はかかる例に限定されない。レベル4は,レベル3に基づいて決定される値であればよく,例えば,レベル3に所定数を乗算した光量に設定する,或いはレベル3を変数とする所定の関数を用いて演算した光量に設定する,などしてもよい。
【0128】
また,上記実施形態では,入射光量に相当する情報として,露光条件情報を利用したが,本発明はかかる例に限定されない。入射光量に相当する情報としては,例えば,マイコン80の制御信号,前処理ブロック30若しくは信号処理ブロック40の出力信号レベルの平均値若しくはピーク値等,各種の計測装置で測定した撮像環境下の光量若しくはCCD20への実際の入射光量自体,などを利用してもよい。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,撮像環境に影響されずに撮像モードを安定して切り替えることが可能な撮像装置および撮像モード切替方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,第1の実施形態にかかるビデオカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図2】図2は,第1の実施形態にかかる光学部品を示すブロック図である。
【図3】図3は,第1の実施形態にかかる前処理ブロックおよび信号処理ブロックの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は,第1の実施形態にかかる赤外線カットフィルタの脱着機構を示すブロック図である。
【図5】図5は,入射光の波長(横軸)とCCDの分光感度特性(縦軸)の関係を例示するグラフである。
【図6】図6は,従来のビデオカメラの撮像モード切替動作における,CCDへの入射光量の時間変化を例示するグラフである。
【図7】図7は,従来のビデオカメラの撮像モード切替動作における,問題がある場合の入射光量の時間変化を示すグラフである。
【図8】図8は,第1の実施形態にかかる撮像モード切替方法の動作フローを示すフローチャートである。
【図9】図9は,第1の実施形態にかかるビデオカメラの撮像モード切替動作における,CCDへの入射光量の時間変化を例示するグラフである。
【図10】図10は,第1の実施形態にかかるビデオカメラの撮像モード切替動作における,(a)撮像環境下の光量の時間変化と,(b)CCDへの入射光量の時間変化と,(c)前処理ブロックの出力する画像信号レベルの時間変化と,の関係を例示するグラフである。
【図11】図11は,第1の実施形態にかかる撮像モード切替動作を赤外光等がない撮像環境下に適用した場合における,CCDへの入射光量の時間変化を例示するグラフである。
【符号の説明】
1 : ビデオカメラ
10 : 光学部品
12 : レンズ
14 : 光学フィルタ
20 : CCD
30 : 前処理ブロック
32 : AGC
40 : 信号処理ブロック
46 : 検波回路
50 : ドライバ
60 : タイミングジェネレータ
70 : 電子ボリューム
80 : マイクロコントローラ
90 : 記録媒体
100 : レンズ制御回路
142 : 赤外線カットフィルタを含むフィルタ
142 : 赤外線カットフィルタを含まないフィルタ
200 : 赤外線カットフィルタの脱着機構
Claims (10)
- 撮像素子に対して脱着可能な赤外線カットフィルタを介して撮像するデイモードと,前記赤外線カットフィルタを介さないで撮像するナイトモードとを,被写体から前記撮像素子への入射光量に応じて切り替え可能な撮像装置であって:
前記デイモードから前記ナイトモードに切り替えた時の入射光量に基づいて,前記ナイトモードから前記デイモードに切り替える基準となる基準入射光量を設定することを特徴とする,撮像装置。 - 前記基準入射光量は,前記デイモードから前記ナイトモードに切り替えた時の入射光量を補正した光量に設定されることを特徴とする,請求項1に記載の撮像装置。
- 前記基準入射光量は,前記デイモードから前記ナイトモードに切り替えた時の入射光量に所定量を加えた光量に設定されることを特徴とする,請求項2に記載の撮像装置。
- 前記基準入射光量設定装置は,前記デイモードから前記ナイトモードに切り替わる度に,前記基準入射光量を更新することを特徴とする,請求項1に記載の撮像装置。
- 前記撮像装置は,自動露光調整装置を備えており;
前記撮像素子への入射光量を表すパラメータとして,前記自動露光調整装置によって調整された露光条件情報を利用することを特徴とする,請求項1に記載の撮像装置。 - 撮像素子に対して脱着可能な赤外線カットフィルタを介して撮像するデイモードと,前記赤外線カットフィルタを介さないで撮像するナイトモードとを,被写体から前記撮像素子への入射光量に応じて切り替え可能な撮像装置の撮像モード切替方法であって:
入射光量が所定量以下に減少した場合に,前記デイモードから前記ナイトモードに切り替える工程と;
前記デイモードから前記ナイトモードに切り替えた時の入射光量に基づいて,前記ナイトモードから前記デイモードに切り替える基準となる基準入射光量を設定する工程と;
入射光量が前記基準入射光量以上に増加した場合に,前記ナイトモードから前記デイモードに切り替える工程と;
を含むことを特徴とする,撮像モード切替方法。 - 前記基準入射光量は,前記デイモードから前記ナイトモードに切り替えた時の入射光量を補正した光量に設定されることを特徴とする,請求項6に記載の撮像モード切替方法。
- 前記基準入射光量は,前記デイモードから前記ナイトモードに切り替えた時の入射光量に所定量を加えた光量に設定されることを特徴とする,請求項7に記載の撮像モード切替方法。
- 前記基準入射光量は,前記デイモードから前記ナイトモードに切り替わる度に更新されることを特徴とする,請求項6に記載の撮像モード切替方法。
- 前記撮像素子への入射光量を表すパラメータとして,自動露光調整装置によって調整された露光条件情報を利用することを特徴とする,請求項6に記載の撮像モード切替方法。
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