JP4189777B2 - 赤外線反射吸収インキを用いた印刷物の検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線反射吸収インキを用いた印刷物の検査装置に関する。特に、偽造防止のために赤外線インキを用いる印刷機において、その品質管理を向上させたものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラーコピーマシン、カラーDTP等の技術の進展と普及は急速であり、印刷技術の高度化は、著しいものがある。こうした傾向が証券印刷製品の偽造の脅威を一層増大させ、深刻な問題となっている。
また、一方において、証券印刷製品の流通過程において、自動販売機やATM等が普及し、店舗や銀行等では、現金取扱が機械処理又はコンピュータ処理される傾向が増大している。
【0003】
証券印刷製品は、従前から、偽造防止手段として、その主模様に凹版印刷を用い、深い彫刻画線のレリーフや精緻でシャープな細画線を持つ画像を形成し、地紋模様は、正確な刷り合わせ精度を有する線画オフセットで印刷している。用紙には、すきいれ安全スレッド等が施されている。
しかし、近年の画像再現の諸技術の著しい発展と現金取扱の自動化により、証券印刷製品には、在来の偽造防止特性に加えて、最新の偽造防止特性を搭載することが緊急に求められている。
【0004】
赤外線インキの技術は、有価証券等の証券印刷製品に赤外線インキにより画像情報を隠蔽して印刷し、証券印刷製品の偽造防止特性を高めるものである。証券印刷には、一般に、近赤外線を反射吸収するインキが利用されている。
【0006】
このような赤外線反射吸収インキは、可視光領域の反射吸収特性が同じで、赤外線領域で、反射・吸収特性の異なるインキを組み合わせて用いる。
【0007】
これらを組み合わせて用いた印刷物を、赤外光を可視光に変換して見ることができる赤外線イメージコンバータを通して見ると、直接肉眼で見たのと異なった画像が見える。これが真正の証券印刷製品の証明となり得る。偽造したものでは、このような現象を示さない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
赤外線反射吸収インキを用いた証券印刷製品は、その製造工程において、室内光で肉眼で見ても印刷品質の検査ができないため、例えば、インキの入れ間違いや、パターンの混色、インキの薄刷りといった不備を調べるため、従来では、赤外線イメージコンバータを一定の場所に置き、そこまで印刷中にサンプリングした印刷物を持って行き、そこで印刷品質を検査しているのが現状である。
しかしながら、このような検査は長時間を要し、手間が掛かり、非能率的である。
【0009】
更に、抜き取り検査となるため、偽造防止の重要性から考えて、必ずしも完全とは言えない。
特に、流通過程においては、証券印刷製品の一枚一枚が真偽判別されている状況下から考えて、印刷工程においても、印刷物の品質保証を一層強化する必要があるものと思われる。
【0010】
本発明は、上述した従来技術に鑑みてなされたものであり、赤外線インキ印刷物の印刷工程又は検査工程における品質管理を効率化し、その信頼度を向上させる検査装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成する本発明は、赤外領域では白色光下と異なった分光特性を有する赤外線インキを用いて証券印刷製品を印刷することができる印刷機に、印刷され搬送される前記証券印刷製品に対して赤外光を照射する赤外線照射手段と、赤外光が照射された前記証券印刷製品の画像を取り込む画像取込手段とを設けると共に、前記赤外線インキにより正規に印刷された前記証券印刷製品に赤外光を照射して得られた画像を予め基準値として記憶した記憶装置と、前記記憶装置に記憶されている基準値の画像を読み出し、前記画像取込手段により取り込まれた画像と比較し、一定の許容値内から外れるか否かを判断する判定手段とを有することを特徴とする。
ここで、前記赤外線インキとして、赤外線領域で異なる吸収領域を有する二つ以上のインキの組み合わせや、可視光領域の反射・吸収特性が同じで、赤外領域で反射・吸収特性の異なるインキの組み合わせよりなるものが用いられる。
また、前記証券印刷製品としては、小切れ面を縦横に複数配列してなる大判を用いることができる。
更に、前記画像取込手段としては、前記大判における小切れ面の列に応じて複数配列される密着型ラインセンサや、前記大判における全小切れの画像を一度に取り込めるエリアセンサや、前記大判における各小切れの特定の一部の画像を取り込むスポットセンサを用いることができる。
また、前記画像取込手段は、凹版印刷機の圧胴の上に設置するものでも良く、更に、前記画像取込手段は、前記証券印刷製品の印刷された部分を検出するものと、前記証券印刷製品の印刷されていない余白部における画像を検出するものとから構成され、余白部を検出した信号が一定値となるように前記赤外線照射手段が制御されるようにしても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の赤外線印刷物検査装置の実施の形態としては、例えば、以下に述べるように、印刷機械等の上に赤外線センサを搭載して、印刷された証券印刷製品のシートの印刷面を走査し、オンラインでモニターすることが考えられる。
赤外線センサとしては、その用途或いは目的に応じて、多様なものが用いられる。
【0013】
例えば、図4(a)に示すように、証券印刷製品シート40の一部の領域を検出するスポットセンサ41を用いることができる。スポットセンサ41により検出される領域は、一つ以上であれば、複数とすることができ、また、その位置は断裁時に切り捨てられる領域に設けても良い。
【0014】
また、図4(b)に示すように、証券印刷製品シート40の印刷方向に対して横方向に密着型ラインセンサユニット又はCCDラインセンサ42を配設して、証券印刷製品シート40の搬送に伴い、証券印刷製品シート40の全面を検査できるようにすることもできる。
更に、図4(c)に示すように、証券印刷製品シート40より一定高さにカメラ等のエリアセンサ43を設け、証券印刷製品シート40の全面を一度に撮影するようにしても良い。このとき、赤外光は斜め横から照射する。
【0015】
図3(b)に示すように、証券印刷製品シート40が小切れ面(図中、破線で示す)を縦横に複数配置してなる大判であるときには、密着型ラインセンサユニット31を大判上の証券印刷製品の面数の列と同じとし、全小切れ証券印刷製品が走査できるようにする。
各密着型ラインセンサユニット31としては、上述した赤外線イメージコンバータのように、光源に赤外線ランプ又はLEDを用い、受光部にCCDラインセンサ又はフォトダイオードを用いることができる。
【0016】
例えば、図3(a)に示すように、光源となる赤外線LEDアレイ32及び赤外線フォトダイオードアレイ33、レンズ34を一つの筺体35内に収容し、赤外線LEDアレイ32から証券印刷製品シート30へ赤外光を照射し、赤外線が照射された証券印刷製品シート30の画像をレンズ34を介して赤外線フォトダイオードアレイ35で取り込むのである。
【0017】
赤外線イメージセンサを搭載する印刷機械等は、赤外線インキが印刷に用いられているものであれば、どの機械も対象となる。
オフセット印刷機、凹版印刷機、番号印刷機、自動検査装置、証券印刷製品仕上げ機等である。この他、切手印刷機、旅券印刷機、旅券仕上げ機も同様に対象となる。
【0018】
赤外線イメージセンサは、図示しないコンピュータシステムとオンラインで結ばれ、このコンピュータシステムは画像信号処理装置、識別装置、表示装置からなる。
従って、赤外線イメージセンサからコンピュータへ取り込まれた画像データは、予め識別装置に入力してある基準画像データとパターンを比較し、一定のデータのばらつきの幅を決めておいて、それを外れた印刷物を損紙と判別し、これにマークを付すか、別パイルに排紙し、更には、警報を発することもできる。
【0019】
基準画像データは、証券印刷製品シートを正規に印刷して赤外光を照射して得られた画像データであり、この基準画像データは所定の記憶装置に記録されている。
また、印刷中に移動する証券印刷製品シートの走査画像をCRT又はLCDに静止画像として可視化し、識別結果を、印刷物を基準印刷物と比較した画像と共に表示することができる。
【0020】
【実施例】
本発明の一実施例に係る赤外線印刷物検査装置を図1及び図2に示す。
同図に示すように、本実施例は、凹版印刷機に複数の密着型ラインセンサ3を配置し、信号処理装置12、パーソナルコンピュータ11と接続して、証券印刷製品シート14をオンラインで検査できるように構成したものである。
即ち、一定速度で回転する圧胴13には、印刷後の証券印刷製品シート14が密着して搬送されると共にこの証券印刷製品シート14には小切れ面(以下、検査対象と言う)が横に3列に配列されている。
【0021】
この証券印刷製品シート14の各検査対象の列に対応して、それぞれ、密着型ラインセンサ3が設けられており、各ラインセンサ3はそれぞれ信号処理装置12へ接続している。
密着型ラインセンサ3は、前述したように、赤外LEDアレイ、結像光学部品、フォトダイオードアレイ、画像信号制御ICで構成され、検査対象の赤外画像を検出し、時系列に画像の濃淡に比例する信号を出力する。
尚、検出される領域の一部を印刷されていない余白部とし、その検出信号が一定値となるように、パーソナルコンピュータ11にて赤外LEDの電流を制御すると良い。
【0022】
信号処理装置12は、図2に示すように、ロータリーエンコーダー1、光電スイッチ2からの信号に基づいて、各ラインセンサ3からの画像信号を処理して、パーソナルコンピュータ11へ転送するものであり、LED駆動回路4、電流制御回路5、ラインセンサ駆動信号作成回路6、A/Dメモリー制御回路7、画像信号アンプ回路8、A/Dコンバーター9、画像メモリ10等から構成される。
【0023】
ロータリーエンコーダー1は、時間に関係なく圧胴13が一定角度回転する毎に図6(a)に示すパルスを出力する機器であり、このパルスを利用して、図6(c)〜(e)に示すように、各ラインセンサ3のスキャン、A/Dコンバータ9等の動作開始を制御する。図6(b)は基準クロックである。
光電スイッチ2は、検査対象が各ラインセンサ3へ進入したときに図6(f)に示す信号を出力する機器であり、その信号により、図6(g)に示すように、画像信号をA/D変換して画像メモリー10に保存する。
【0024】
LED駆動回路4は、各ラインセンサ3内の赤外LEDを定電流で駆動する回路である。
電流制御回路5は、パーソナルコンピュータ11からの指示により、各ラインセンサ3内の赤外LEDの電流値を増減する回路である。
ラインセンサ駆動信号作成回路6は、各ラインセンサ3内の画像信号制御ICを駆動させるためのスキャンスタート信号を作成し、各ラインセンサ3へ出力する回路である。
【0025】
このスキャンスタート信号は、図6(c)に示すように、ロータリーエンコーダー1から出力される信号の立ち上がりタイミングに応じて出力され、このスキャンスタート信号により、各ラインセンサ3のスキャンが開始される。
A/Dメモリー制御回路7は、ロータリーエンコーダー1、光電スイッチ2からの信号及び基準クロックより、図6(e)に示すA/D変換タイミング信号を作成し、図6(h)に示す画像メモリー10への書き込み信号を作成する回路である。
【0026】
画像信号アンプ回路8は、図6(c)に示すスキャンスタート信号に応じて、各ラインセンサ3から出力される図6(d)に示す赤外画像信号(アナログ)を増幅する回路である。
尚、各ラインセンサ3内のフォトダイオードアレイは、発生する電荷の蓄積時間をいつも一定に保つフラッシュ露光方式の構造のものを使用したため、スキャンスタート間隔が不定であっても、画像信号の振幅は一定となる。
A/Dコンバーター9は、図6(e)に示すA/D変換タイミング信号に基づいて、画像信号アンプ回路8からの赤外画像信号をA/D変換してデジタル化した画像データとする変換器である。
【0027】
画像メモリ10は、A/Dコンバーター9で変換された画像データをパーソナルコンピュータ11へ転送するための一時保存用メモリであり、図6(g)に示す書き込み許可信号及び基準クロック(b)により動作する。
パーソナルコンピュータ11は、各ラインセンサ3内の赤外LED発光量の制御(電流制御)を行ない、予め基準値として保存されている正規の画像データと、現在搬送されている検査対象の画像と、印刷濃度、印刷位置について比較し、一定の許容値により、正常/異常を判定する処理装置である。
判定結果は、上位全体制御用コンピュータ(図示省略)へ通信し、異常であれば損紙と判定し、損紙と判定された証券印刷製品シート14には、公知の手段でマークを付すか、別パイルに排紙する等の正紙との区分けを行い、また、警報を発する。
【0028】
上記構成を有する本実施例の赤外線印刷物検査装置では、検査開始前に、正紙である証券印刷製品の赤外線照射下での画像データを密着型ラインセンサ3で取り込み予め基準値としてパーソナルコンピュータ11内のメモリに保存し、また、判定の基準となる許容値(閾値)を入力し、記憶しておく。
検査の際には、各ラインセンサ3における赤外LEDの光量を設定し、印刷の為に証券印刷製品シート14を供給し、圧胴13にて搬送中に印刷され、そのまま圧胴に密着して搬送されるときに、印刷済の証券印刷製品シート14を各ラインセンサ3にて、各検査対象の画像を取り込む。
尚、各ラインセンサ13による検出は、圧胴上に限らず、印刷後から排紙されるまでの間における胴上又はチェーングリッパでの搬送中に行なっても良い。
【0029】
次に、取り込まれた搬送中の画像データと、予め保存されていた基準値である画像データを比較演算し、一定の許容値内にあるか否か合否を判定する。
その結果は、図示しない表示装置に表示すると共に全体監視用コンピュータへ送信する。
検査終了後は、判定結果を記録として保存すると共に比較演算の途中過程も記録として保存する。
【0030】
ここで、合否の判定は、例として、図5(a)(b)に示す画像に基づいて行なう。
先ず、図5(a)に示すように、赤外線を反射するインキを部分Aに用い、赤外線を吸収するインキを部分Cに使った場合には、本実施例の各ラインセンサ3により、図5(b)に示すように、部分Aが検出されず、部分Cのみが検出され、各部が許容値内に入っていれば、正紙として判定することになる。
そして、各ラインセンサ3によっても、図5(a)に示すように、部分Aと部分Cとの区別が付かないとき等、各部が許容値内からずれていれば、不正紙として信号を出力することになる。
【0031】
ここで、基準値である画像データとの比較演算は、具体的には、次のように行なう。
▲1▼予め、検出した正規な銀行券等シートの画像を、図7(a)に示すように、m×nのブロックに分割し、各ブロック内の画素を統合(総和)し、その画像データの合計を求め、基準値Sijとして保存する。ブロックの数は、印刷対象により決定する。
▲2▼次に、各ラインセンサ3より得られた検査対象の画像も、図7(b)に示すように、m×nのブロックに分割し、各ブロック内の画素を統合し、その画像データの合計を求め、検出値Dijとして保存する。
【0032】
▲3▼引き続き、下式(1)に従い、それぞれのブロック毎に、基準値Sijと基準値Sijとの間で比較演算を行なう。
Cij=(Dij−Sij)/Sij …(1)
但し、i=1〜m、
j=1〜nである。
▲4▼予め設定した合否判定テーブル(Tmin ij,Tmax ij)より、下式(2)を満足するときは正常と判断し、満足しない場合には、異常と判断する。
Tmin ij<Cij<Tmax ij …(2)
【0033】
尚、上述した実施例において、正紙である証券印刷製品シートを予め基準値として取り込む際の圧胴13の回転速度と、印刷された証券印刷製品シートを実際に検査する際の圧胴13の回転速度とが異なる場合があるが、速度変動によるセンサ出力は補正する必要がない。
各ラインセンサ3が、その信号タイミングを図6に示すように、ラインセンサスキャンスタート信号に同期して一定時間光源を光らせるフラッシュ露光方式の光電荷蓄積回路を用いており、常に一定の蓄積時間で露光するからである。
つまり、印刷機と同期して回転しているロータリーエンコーダー1のパルスの立ち上がり(又は立下がり)で、一定時間蓄積、画像出力を行なっているためである。
従って、本実施例におけるラインセンサ3では、速度変動によるセンサ出力は補正する必要がない。
但し、ロータリーエンコーダー1のパルス間隔が、検出分解能に相当することになる。
【0034】
また、上述した実施例においては、検査対象が各ラインセンサ3へ進入したことを光電スイッチ2により検出しているが、ロータリーエンコーダー1のゼロパルス(原点パルス)のタイミングと、検査対象の各ラインセンサ3への進入タイミングが相対的に一致していれば、これに代えて、ロータリーエンコーダー1のゼロパルスを同様の役割で用いても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上、実施例に基づいて具体的に説明したように、本発明では、室内の光で肉眼で見ても品質の検査ができない赤外線インキによる証券印刷製品を自動的に検査することができ、検査が効率的に行なわれ、印刷品質を高めることができる。また、抜き取り検査ではなく、全数の証券印刷製品を確実に検査できることから、真偽判別が厳しく行なわれている現在の流通過程において、極めて信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における赤外線印刷物検査装置の概念図である。
【図2】本発明の一実施例における信号処理の流れを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の態様に係る説明図であり、同図(a)は赤外線イメージセンサの断面図、同図(b)はその配置図である。
【図4】赤外線イメージセンサの各種の例を示す説明図であり、同図(a)はスポットセンサ、同図(b)は密着型ラインセンサユニット又はCCDラインセンサ、同図(c)はエリアセンサを示す。
【図5】証券印刷製品における印刷のパターンに係り、同図(a)は白色光下での画像、同図(b)は赤外光下での画像を示す。
【図6】本発明の一実施例における各信号のタイミングを示す説明図である。
【図7】基準値との比較演算を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ロータリーエンコーダー
2 光電スイッチ
3、31 密着型ラインセンサ
4 LED駆動回路
5 電流制御回路
6 ラインセンサ駆動信号作成回路
7 A/Dメモリー制御回路
8 画像信号アンプ回路
9 A/Dコンバーター
10 画像メモリ
11 パーソナルコンピュータ
12 信号処理装置
13 圧胴
14,30,40 証券印刷製品シート
32 赤外線LEDアレイ
33 赤外線フォトダイオードアレイ33
34 レンズ
35 筺体
41 スポットセンサ
42 密着型ラインセンサ又はCCDラインセンサ
43 エリアセンサ
Claims (9)
- 赤外領域では白色光下と異なった分光特性を有する赤外線インキを用いて証券印刷製品を印刷することができる印刷機に、印刷され搬送される前記証券印刷製品に対して赤外光を照射する赤外線照射手段と、赤外光が照射された前記証券印刷製品の画像を取り込む画像取込手段とを設けると共に、前記赤外線インキにより正規に印刷された前記証券印刷製品に赤外光を照射して得られた画像を予め基準値として記憶した記憶装置と、前記記憶装置に記憶されている基準値の画像を読み出し、前記画像取込手段により取り込まれた画像と比較し、一定の許容値内から外れるか否かを判断する判定手段とを有することを特徴とする赤外線反射吸収インキを用いた印刷物の検査装置。
- 前記赤外線インキとして、赤外線領域で異なる吸収領域を有する二つ以上のインキの組み合わせが用いられることを特徴とする請求項1記載の赤外線印刷物検査装置。
- 前記赤外線インキは、可視光領域の反射・吸収特性が同じで、赤外領域で反射・吸収特性の異なるインキの組み合わせよりなることを特徴とする請求項1記載の赤外線印刷物検査装置。
- 前記証券印刷製品は、小切れ面を縦横に複数配列してなる大判であることを特徴とする請求項1記載の赤外線印刷物検査装置。
- 前記画像取込手段は、前記大判における小切れ面の列に応じて複数配列される密着型ラインセンサであることを特徴とする請求項4記載の赤外線印刷物検査装置。
- 前記画像取込手段は、前記大判における全小切れの画像を一度に取り込めるエリアセンサであることを特徴とする請求項4記載の赤外線印刷物検査装置。
- 前記画像取込手段は、前記大判における各小切れの特定の一部の画像を取り込むスポットセンサであることを特徴とする請求項4記載の赤外線印刷物検査装置。
- 前記画像取込手段は、凹版印刷機の圧胴の上に設置することを特徴とする請求項1記載の赤外線印刷物検査装置。
- 前記画像取込手段は、前記証券印刷製品の印刷された部分を検出するものと、前記証券印刷製品の印刷されていない余白部における画像を検出するものとから構成され、余白部を検出した信号が一定値となるように前記赤外線照射手段が制御されることを特徴とする請求項1記載の赤外線印刷物検査装置。
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