JP2014059255A - シート状物の検査装置 - Google Patents

Abstract

【課題】ＵＶ成分が含まれるインクで印刷された絵柄部分のみを詳細に検査することができるシート状物の検査装置を提供する。
【解決手段】ＵＶインクで印刷された絵柄部分ＵＥを含む紙Ｗの検査装置において、紙に紫外線を照射するＵＶ‐ＬＥＤ照明器４１ａ，４１ｂと、紙を撮像するカラーカメラ４２と、紙から反射されたＵＶ‐ＬＥＤ照明器からの紫外線以下の波長の光をカットし、カラーカメラに紫外線を越える波長の光のみ入射するようにする紫外線カットフィルタ４３と、カラーカメラに入射された前記紙のＵＶインクで印刷された絵柄部分ＵＥから発光された紫外線を越える波長の光によって、紙のＵＶインクで印刷された絵柄部分の適否を判断する制御装置４６と、ＵＶ‐ＬＥＤ照明器，カラーカメラ及び紫外線カットフィルタを収容する暗室６０と、を備えた。
【選択図】図１

Description

本発明は、ＵＶ（紫外線）成分が含まれるインクを使用して印刷された絵柄部分を含むシート状物の検査装置に関するものである。

紙幣や有価証券等の印刷物では、偽造防止の為、ＵＶ成分が含まれるインクを使用して一部の絵柄が印刷されることが多い。

そのため、可視光で見えている通常のインクで印刷された絵柄部分以外に、肉眼では見えないＵＶインクで印刷された絵柄部分を検査する必要がある。

特開２０１０−２２１４１０号公報

しかしながら、通常のインクで印刷された絵柄部分の検査装置としては、従来、特許文献１など種々のものが提案されているが、ＵＶ成分が含まれるインクで印刷された絵柄部分の位置や形を正確に検出する手段は無かった。

そこで、本発明は、ＵＶ成分が含まれるインクで印刷された絵柄部分のみを詳細に検査することができるシート状物の検査装置を提供することを目的とする。

斯かる目的を達成するための本発明に係るシート状物の検査装置は、
紫外成分が含まれるインクで印刷された絵柄部分を含むシート状物の検査装置において、
前記シート状物に紫外線を照射する紫外線光源と、
前記シート状物を撮像する撮像手段と、
前記シート状物から反射された紫外線光源からの紫外線以下の波長の光をカットし、前記撮像手段に紫外線を越える波長の光のみ入射するようにする紫外線カットフィルタと、
前記撮像手段に入射された前記シート状物から反射された前記紫外線光源からの紫外線を越える波長の光によって、前記シート状物の紫外成分が含まれるインクで印刷された絵柄部分の適否を判断する制御装置と、
前記紫外線光源、撮像手段及び紫外線カットフィルタを覆うカバー手段と、
を備えたことを特徴とする。

本発明に係るシート状物の検査装置によれば、紫外成分が含まれるインクに紫外線を照射して紫外成分を発光させ、その発光部分のみを紫外線カットフィルタを通して撮像手段が撮像することにより、シート状物の紫外成分が含まれるインクで印刷された絵柄部分を詳細に検査することができる。

本発明の一実施例を示す検査装置の概略構成図である。 同じく制御装置のブロック図である。 同じく紙の小切れにおける絵柄の説明図である。

以下、本発明に係るシート状物の検査装置を実施例により図面を用いて詳細に説明する。

図１は本発明の一実施例を示す検査装置の概略構成図、図２は同じく制御装置のブロック図、図３は同じく紙の小切れにおける絵柄の説明図である。

図１に示すように、図示しない印刷機の印刷ユニットにおいてＵＶ（紫外線）成分が含まれるインク（以下、ＵＶインクという）で印刷された絵柄部分を含む紙（シート状物）Ｗが暗室（カバー手段）６０内に設置された検査胴（圧胴や渡胴でも良い）４５に受け渡される。

そして、前記検査胴４５の周面に対向して前記暗室６０内に設けられた検査装置４０でその印刷品質が検査された紙Ｗは、図示しない搬送手段を介して排紙ユニットへ送られて排紙台（パイル）上に積載される。

前記検査装置４０は、ＵＶインクで印刷された絵柄部分を検査するもので、紫外線を含む光を紙Ｗに照射する一対（対でなくても良い）のＵＶ‐ＬＥＤ照明器（紫外線光源：波長ピーク３６５ｎｍ）４１ａ，４１ｂと、紙Ｗを撮像する１台のカラーカメラ（撮像手段）４２と、紙Ｗから反射されたＵＶ‐ＬＥＤ照明器４１ａ，４１ｂからの光のＵＶ領域である４１０ｎｍ以下の波長の光をカットし紫外線を越える波長の光のみカラーカメラ４２に入射する紫外線カットフィルタ４３と、カラーカメラ４２に入射された紙Ｗから反射されたＵＶ‐ＬＥＤ照明器４１ａ，４１ｂからの紫外線を越える波長の光によって、紙ＷのＵＶインクで印刷された絵柄部分の適否を判断する制御装置４６とから構成される。

前記カラーカメラ４２は、検査胴４５の中心線に対して法線方向Ｎに設けられ、紙Ｗの撮像面を垂直方向から撮像する位置にて支持フレーム４４を介して暗室６０内に支持される。尚、ＵＶ‐ＬＥＤ照明器４１ａ，４１ｂも図示しない支持フレームを介して暗室６０内に支持される。

次に、図２を用いて、本実施例による検査装置４０の光学的および電気的構成について説明する。検査装置４０は、紙ＷのＵＶインクで印刷された絵柄部分を撮像する上述したカラーカメラ４２と、このカラーカメラ４２からの撮像出力に基づいて紙Ｗに印刷された絵柄の印刷品質を検査する制御装置４６とを備える。前記カラーカメラ４２は、Ｆ１．４のレンズ４２ａを含む光学系および光学系を介して結像される画像を電気信号に変換するＣＣＤ(Charge Coupled Device)４２ｂを有する。

制御装置４６は、基準画像信号を記憶する基準メモリ５０と、検出画像信号を記憶する検出メモリ５１と、基準メモリ５０及び検出メモリ５１への書き込み及び読み出しを制御するメモリコントローラ５５と、基準メモリ５０及び検出メモリ５１から読み出された２つの信号の許容レベル差が設定される判定レベル設定回路５２と、判定レベル設定回路５２に設定された許容レベル差を考慮して２つの信号を比較する比較回路５３と、ＣＣＤ４２ｂの出力を増幅するアンプ５６と、アンプ５６の出力をアナログ・デジタル変換してメモリコントローラ５５に出力するＡ／Ｄコンバータ５７と、アンプ５６のゲインを調整する補正回路５８と、ＣＣＤ４２ｂを制御するＣＣＤコントローラ５９とを備える。

基準メモリ５０は、印刷ジョブの開始時に、紙Ｗに正常に印刷された絵柄部分から読み込まれた基準画像データを記憶する。尚、基準画像データは、印刷ジョブ毎に異なった基準画像データが基準メモリ５０に記憶される。検出メモリ５１は、検査対象の紙Ｗから読み込まれた検出画像データを記憶する。

メモリコントローラ５５は、基準メモリ５０および検出メモリ５１へのデータの書き込みおよび読み出しを制御する。判定レベル設定回路５２は、基準メモリ５０から読み出された基準画像データと検出メモリ５１から読み出された検出画像データとの許容レベル差を予め設定する。

比較回路５３は、メモリコントローラ５５によって読み出された基準画像データと検出画像データとのレベル差が判定レベル設定回路５２に設定された許容レベル差以上の場合に、品質が不良であることを示す信号を出力する。即ち、ＣＣＤ４２ｂの各画素に対応する基準画像データと検出画像データとを逐一比較することにより各画素に対応する両データのレベルを比較し、一個でも許容差以上となっている場合には不良信号を出力する。

具体的には、比較回路５３は、基準メモリ５０から読み出された基準画像データと検出メモリ５１から読み出された検出画像データとを一画素毎に順次比較する第１の比較動作を行う。次に、比較回路５３は、第１の比較動作によって得られた２つの信号のレベル差と、判定レベル設定回路５２から出力された許容レベル差とを比較する第２の比較動作を行う。第２の比較動作の結果、２つの信号のレベル差が許容レベル差よりも大きい場合に、比較回路５３は検査対象である紙ＷにＵＶインクで印刷された絵柄部分が不良であることを示す不良信号を出力する。

補正回路５８は、検査胴４５の回転速度に合わせてアンプ５６のゲインを調整する。即ち、カラーカメラ４２に同一光量が入射した場合でも、検査胴４５の回転速度が速いほどＣＣＤ４２ｂの出力レベルが小さくなる。このため、補正回路５８によって回転速度の影響を除去する。メモリコントローラ５５、比較回路５３、補正回路５８、ＣＣＤコントローラ５９には位相信号が供給される。メモリコントローラ５５には基準値メモリ信号が供給される。メモリコントローラ５５、比較回路５３には判定スタート信号が供給される。

位相信号は、検査胴４５の回転位相を検出するロータリエンコーダ（図示せず）の出力信号から生成される。位相信号は、検査胴４５の１回転毎に立ち上がる基準パルスと、検査胴４５の一定回転毎に立ち上がるクロックパルスとからなる。基準値メモリ信号は、メモリコントローラ５５を介して基準メモリ５０に基準画像データの読み込みを行うための信号であり、オペレータによる基準値メモリスイッチ（図示せず）の操作により供給される。判定スタート信号は、基準画像データと検出画像データとの比較動作開始を指示する信号であり、オペレータによる判定スタートスイッチ（図示せず）の操作により供給される。

このような構成において、品質検査工程の前処理として、ＵＶインクで印刷された絵柄部分に対応する基準画像データの取り込みが行われる。まず、紙Ｗを用いた試し刷り中にオペレータが紙Ｗの印刷状態を確認する。印刷状態が良であることが確認された場合、基準値メモリスイッチ（図示せず）の操作によりカラーカメラ４２を介して基準値メモリ信号の制御装置４６への供給が開始される。検査胴４５の基準位置を表す基準信号がロータリエンコーダより出力されると、検査胴４５に保持／搬送される紙Ｗから基準画像データの取り込みが開始され、基準メモリ５０へ記憶される。

検査胴４５に保持／搬送される紙Ｗの基準画像データが基準メモリ５０に記憶された後、判定スタート信号により判定処理が開始される。この判定処理において、まず基準画像データの読み込みと同様に、検査胴４５の回転に伴い検出メモリ５１に対応する検査胴４５に保持／搬送される紙Ｗの検出画像データが読み込まれる。次に、判定処理時に読み込まれた検出画像データと予め記憶された基準画像データとが比較され、両データのレベル値が許容レベル差内に収まっているかによって、紙ＷのＵＶインクで印刷された絵柄部分の適否が判定される。

例えば、カラーカメラ４２によれば、図３に示すように、検査対象である紙Ｗの多数の小切れ（紙幣や有価証券等）Ｗａにおいて、ＵＶインクで印刷された絵柄部分ＵＥは、ＵＶ‐ＬＥＤ照明器４１ａ，４１ｂから撮像面に紫外線が照射されて発光し、その反射した紫外線以下の波長の光が紫外線カットフィルタ４３でカットされ、発光部分のみがカラーカメラ４２に可視領域として入射されるため、白く写る。

そして、ＵＶインクで印刷された絵柄部分ＵＥの周囲に位置する可視インクで印刷された絵柄部分ＶＥは、ＵＶ‐ＬＥＤ照明器４１ａ，４１ｂから撮像面に紫外線を照射されても発光しないし、撮像面で反射したＵＶ‐ＬＥＤ照明器４１ａ，４１ｂからの紫外線以下の波長の光は紫外線カットフィルタ４３でカットされ、かつ、暗室６０の中でもあることからカラーカメラ４２には黒く写る。

これらの結果、ＵＶインクで印刷された絵柄部分ＵＥの位置や形の詳細な検査が可能となるのである。

このように、ＵＶインクの発光部分と紫外線とは波長が異なるので、ＵＶインクで印刷された絵柄部分ＵＥの検査が可能となる。

このようにして本実施例によれば、検査装置４０によりＵＶインクで印刷された絵柄部分ＵＥの検査を行えるので、紙Ｗの印刷品質をより一層高めることができる。

尚、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種変更が可能であることはいうまでもない。

本発明に係るシート状物の検査装置は、品質管理が重要な紙幣や証券印刷等の印刷を行う特殊印刷機に用いて有効である。

４０ 検査装置
４１ａ，４１ｂ ＵＶ‐ＬＥＤ照明器（紫外線光源）
４２ カラーカメラ（撮像手段）
４２ａ レンズ
４２ｂ ＣＣＤ(Charge Coupled Device)
４３ 紫外線カットフィルタ
４４ 支持フレーム
４６ 制御装置
５０ 基準メモリ
５１ 検出メモリ
５２ 判定レベル設定回路
５３ 比較回路
５５ メモリコントローラ
５６ アンプ
５７ Ａ／Ｄコンバータ
５８ 補正回路
５９ ＣＣＤコントローラ
６０ 暗室
Ｗ 紙（シート状物）
Ｗａ 小切れ（紙幣や有価証券等）
ＵＥ ＵＶインクで印刷された絵柄部分
ＶＥ 可視インクで印刷された絵柄部分

Claims (1)

1. 紫外成分が含まれるインクで印刷された絵柄部分を含むシート状物の検査装置において、
   前記シート状物に紫外線を照射する紫外線光源と、
   前記シート状物を撮像する撮像手段と、
   前記シート状物から反射された紫外線光源からの紫外線以下の波長の光をカットし、前記撮像手段に紫外線を越える波長の光のみ入射するようにする紫外線カットフィルタと、
   前記撮像手段に入射された前記シート状物から反射された前記紫外線光源からの紫外線を越える波長の光によって、前記シート状物の紫外成分が含まれるインクで印刷された絵柄部分の適否を判断する制御装置と、
   前記紫外線光源、撮像手段及び紫外線カットフィルタを覆うカバー手段と、
   を備えたことを特徴とするシート状物の検査装置。