JP2006247891A - 印刷方法および印刷システム - Google Patents

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幸博 後藤
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Abstract

【課題】フィルムに紫外線硬化樹脂が設けられていても、また暗い色のインクを用いていても、像を印刷している最中に、その印刷状態を検査できる印刷方法を提供すること。
【解決手段】転写ローラ1の外周面に形成されたインクの像をフィルムFに転写する印刷方法において、前記像が形成された転写ローラの外周面に紫外光L2を照射する第1の工程と、前記光を照射したときに前記インクから発生する蛍光L3の強度分布を検出する第2の工程と、前記蛍光L3の強度分布に基づいて前記像の印刷状態を検査する第3の工程とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ローラの外周面に形成されたインクの像をフィルムに転写する印刷方法および印刷システムに関する。
電気製品などの筐体に文字や絵などの模様を着ける方法として、長いフィルムの表面に予め模様を多数印刷しておき、このフィルムを模様ごとに切り分けて筐体に貼付する方法が知られている。このようにフィルムに模様を印刷してから筐体に貼付すれば、電気製品のモデルチェンジなどにより模様が変わっても、筐体に直接印刷する場合によりも低コストで対応できるというメリットがある。
しかしながら、この方法ではフィルムが製品に貼付された後で、目視により模様の印刷状態を検査していたため、印刷不良を発見したときには既に長いフィルム全体に模様が印刷されており、結果としてフィルム全体を廃棄することがあった。そこで近年、フィルムに模様を印刷しながら同時に印刷状態を検査してしまう方法が求められている。
印刷状態を検査する技術として、枚葉紙(フィルム)の印刷面に照明光源から光を照射し、その反射光をカメラで撮像することで、印刷状態の良否を検査する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、別の技術として、ブランケット胴(ローラ)の表面に透光器から光を照射し、その反射光を受光器で検出することで、印刷状態の良否を検査する方法も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−108638号公報 特開平7−195680号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、枚葉紙に紫外線硬化樹脂などの接着剤を設けた場合に、照明光源からの光で接着剤が硬化し、その後の電気製品への貼付作業がうまく行われないという問題がある。
また、特許文献2に記載された方法では、黒などの暗い色のインクを用いた場合に、反射光を殆んど検出できず、印刷状態の良否を検査できないという問題がある。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、フィルムに紫外線硬化樹脂が設けられていても、また暗い色のインクを用いていても、像を印刷している最中に、その印刷状態を検査できる印刷方法および印刷システムを提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の印刷方法および印刷システムは次のように構成されている。
(1)ローラの外周面に形成されたインクの像をフィルムに転写する印刷方法において、前記像が形成されたローラの外周面に光を照射する第1の工程と、前記光を照射したときに前記インクから発生する蛍光の強度分布を検出する第2の工程と、前記蛍光の強度分布に基づいて前記像の印刷状態を検査する第3の工程とを具備する。
(2)(1)に記載された印刷方法において、前記第2の工程では、前記ローラの回転と同期をとりながら前記蛍光の強度分布を検出する。
(3)(1)に記載された印刷方法において、前記第1の工程では、前記ローラの外周面に対して前記ローラの軸心線と略平行な直線状の光を照射する。
(4)ローラの外周面に形成されたインクの像をフィルムに転写する印刷システムにおいて、前記像が形成されたローラの外周面に光を照射する照射手段と、前記光を照射したときに前記インクから発生する蛍光の強度分布を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した蛍光の強度分布に基づいて前記像の印刷状態を検査する検査手段とを具備する。
(5)(4)に記載された印刷システムにおいて、前記光は、紫外線である。
(6)(4)に記載された印刷システムにおいて、前記光は、前記ローラの外周面において前記ローラの軸心線と略平行な直線状をしている。
本発明によれば、フィルムに紫外線硬化樹脂が設けられていても、また暗い色のインクを用いていても、フィルムにインクの像を印刷している最中に印刷状態を検査することができる。
まず、図1〜図4を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る印刷システムの構成を示す概略図、図2は同実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図、図3は同実施形態に係る検査装置50の構成を示す概略図である。
図1に示すように、この印刷システムは、フィルムFに像を印刷するための印刷機Sを備えている。印刷機S内には、転写ローラ1が設けられている。この転写ローラ1は円筒状をしており、駆動装置4(図4にのみ図示)により矢印方向に等速回転される。
転写ローラ1の外周面には、その周囲に比べて僅かに突出した突出領域1aが形成されている。この突出領域1aは、フィルムFに印刷される像の中でインクが存在しない領域の形状と対応している。以下、フィルムFの像の中でインクが存在する領域を付着領域Aと称し、インクが存在しない領域を非付着領域Bと称する。
転写ローラ1の下側にはインク壺2が配置されている。このインク壺2は印刷用のインクを収容しており、転写ローラ1の下側部分はインク壺2内のインクに浸漬している。なお、インクの種類は特に限定されるものではないが、有機物を含んでいる必要がある。
転写ローラ1の外周面には透明なフィルムFが掛け渡されている。このフィルムFは帯状をしており、搬送装置7(図2にのみ図示)により印刷ラインを所定速度で搬送されている。なお、フィルムFの転写ローラ1と反対側の面には、このフィルムFを電気製品などの筐体に貼付する際に接着剤として機能する紫外線硬化樹脂(図示しない)が塗布されている。
インク壺2に対して転写ローラ1の回転方向の下流側には、転写ローラ1に付着した余分なインクを除去するためのスキージ3が設けられている。このスキージ3は、その先端部が転写ローラ1の突出領域1aとだけ接触するように位置決めされている。
これにより、転写ローラ1を回転させると、突出領域1aに付着したインクがスキージ3に擦り取られ、その結果、転写ローラ1の外周面には突出領域1aがくり抜かれた形状のインク像が形成される。
このインク像は、転写ローラ1の回転に伴って上方に移動し、フィルムFの転写ローラ1側の面に転写される。これにより、フィルムFには、前記付着領域Aと非付着領域Bからなる像が印刷される。なお、転写ローラ1の外周面に形成されたインク像と、フィルムFに印刷される像とは、殆んど同等であるとみなすことができる。そこで、本発明ではフィルムFに印刷される像の印刷状態を検査する代わりに、転写ローラ1の外周面に形成されたインク像の状態を検査する。
スキージ3に対して転写ローラ1の回転方向の下流側には、転写ローラ1の外周面に形成されたインク像の状態を検査するための検査装置50が配置されている。なお、この検査装置50は、本発明の重要なポイントであるため、後で詳しく説明する。
また、印刷機Sの内部には、前記転写ローラ1やインク壺2の他に、図2に示す制御回路5とローラ回転センサ6が設けられている。制御回路5は、比較回路66から停止信号が出力されると、駆動装置4および搬送装置7を制御してフィルムFへの印刷を停止させる。ローラ回転センサ6は、転写ローラ1が1回転するたびにカウンタ67にリセット信号を出力する。
次に、検査装置50について説明する。
図3に示すように、この検査装置50は、照射装置10、検出装置20、および回路装置25から構成される。
照射装置10は、水銀ランプ11、干渉フィルタ12、コリメートレンズ13、ピンホール板14、および円柱レンズ15を具備している。水銀ランプ11は、i線などの紫外光を含む光L1を発生させる。干渉フィルタ12は、水銀ランプ11からの光L1をフィルタリングし、前記紫外光L2のみを選択的に透過させる。コリメートレンズ13は、干渉フィルタ12を透過した紫外光L2をコリメートする。ピンホール板14は、コリメートレンズ13によりコリメートされた紫外光L2の断面形状を矩形形状に整形する。円柱レンズ15は、ピンホール板14により矩形形状に整形された紫外光L2を直線状に収束させ、転写ローラ1の外周面に照射する。
一方、検出装置20は、紫外光L2の光路に対して略直交方向に延びるように配設されており、ハーフミラー21、カラーフィルタ22、結像レンズ23、およびラインセンサ24を具備している。
ハーフミラー21は、ピンホール板14と円柱レンズ15の間に、紫外光L2の光路に対して略45度で傾斜して配置され、転写ローラ1の外周面に付着したインクからの後述する蛍光L3を略直角に反射させる。カラーフィルタ22は、ハーフミラー21で反射した蛍光L3をフィルタリングし、所定波長の蛍光L3のみを選択的に透過させる。結像レンズ23は、カラーフィルタ22を透過した所定波長の蛍光L3を直線状に収束させる。ラインセンサ24は、結像レンズ23により直線状に収束された蛍光L3の強度をセンサ要素ごとに検出し、これらセンサ要素が検出した複数の電気信号からなる信号列(以下、「ライン信号」と称する。)を出力する。また、このラインセンサ24は、ライン信号を出力するたびにタイミング信号を出力する。
回路装置25は、ラインセンサ24から出力される複数のライン信号に基づいて転写ローラ1の外周面に付着しているインク像の状態を検査する。
次に、回路装置25について説明する。
図2に示すように、この回路装置25は、増幅回路61、A/D変換回路62、画像メモリ63、バッファ画像メモリ64、参照メモリ65、比較回路66、およびカウンタ67を具備している。
増幅回路61は、ラインセンサ24から出力されたライン信号を増幅する。A/D変換回路62は、増幅回路61から出力されたライン信号をデジタル化する。画像メモリ63は、A/D変換回路62によりデジタル化された複数のライン信号を保存する。また、この画像メモリ63は、カウンタ67から出力されるリセット信号により、保存したライン信号を全て消去し、再びA/D変換回路62から出力されるライン信号を順次保存する。バッファ画像メモリ64は、画像メモリ63に1画像分のライン信号が保存されるのを待って、これらのライン信号を検査画像データとして保存する。参照メモリ65は、良好なインク像から得られた1画像分のライン信号を基準画像データとして保存する。比較回路66は、バッファ画像メモリ64が保存した検査画像データと、参照メモリ65が保存した基準画像データとから差分画像データを作成する。また、この比較回路66は、差分画像データ上に所定の閾値を超えるデータが存在するかどうかを検出し、存在する場合には制御回路5に停止信号を出力する。カウンタ67は、ラインセンサ24から出力されるタイミング信号をカウントする。カウンタ67がカウントしたカウント数は、ローラ回転センサ6から出力されるリセット信号により0に戻される。すなわち、カウンタ67からリセット信号が出力されるタイミングで、空の画像メモリ63にライン信号を保存していく。これにより、転写ローラ1の回転とライン信号の取得とが同期し、常に転写ローラ1の外周面の同じ範囲の検査画像データを作成することができる。また、このカウンタ67は、ローラ回転センサ6から出力されるリセット信号により別のリセット信号を出力する。
次に、前記構成の印刷システムの動作について説明する。
印刷システムが稼動すると、ラインセンサ24は所定時間ごとにライン信号を出力する。これらのライン信号は増幅回路61で増幅され、A/D変換回路62でデジタル化された後、次々と画像メモリ63に保存されていく。
一方、ラインセンサ24から出力されるタイミング信号の数はカウンタ67によりカウントされている。そして、タイミング信号のカウント数が所定のカウント数になったら、画像メモリ63に保存されている複数のライン信号が検査画像データとしてバッファ画像メモリ64に保存される。そして、これと同時にカウンタ67からリセット信号が出力され、画像メモリ63に保存されている全てのライン信号が消去される。
バッファ画像メモリ64に検査画像データが記憶されたら、比較回路66で検査画像データと基準画像データから差分画像データを作成し、差分画像データ上に所定の閾値を超えるデータが存在するかどうか検出する。
そして、差分画像データ上に所定の閾値を超えるデータが存在した場合、比較回路66から停止信号が出力され、制御回路5によりフィルムFへの印刷動作が停止される。すなわち、転写ローラ1の外周面のインク像から不良が検出されると、自動的にフィルムFに対する印刷が停止される。一方、差分画像データ上に所定の閾値を超えるデータが存在しない場合は、そのまま印刷動作が続行される。
次に、図4を参照しながら検査画像データと基準画像データから差分画像データを作成する様子を画像化して説明する。
図4は同実施形態に係る検査画像データと基準画像データから差分画像データを作成するときの様子を画像化して説明する説明図であり、(a)は検査画像データにより作成された検査画像、(b)は基準画像データにより作成された基準画像、(c)は差分画像データにより作成された差分画像を示している。
図4を見ると、検査画像と基準画像から差分画像を作成することで、検査画像上に存在していたインク汚れCが差分画像上に浮き出ていることがわかる。したがって、検査画像データと基準画像データから差分画像データを作成した場合でも、差分画像データ上にはインク汚れに対応したデータが浮き出ることとなる。
前記構成の印刷システムによれば、転写ローラ1の外周面に紫外線を照射し、インクに含まれる有機物からの蛍光L3を検出することで、フィルムFに印刷される像の印刷状態を検査している。
そのため、フィルムFに紫外線硬化樹脂が塗られていても、紫外線硬化樹脂を硬化させることなく、フィルムFに印刷される像の印刷状態を検査することができる。しかも、暗い色のインクを用いた場合であっても、フィルムFの印刷状態を正確に検査することができる。
また、検査画像データと基準画像データから差分画像データを作成し、この差分画像データに基づいてフィルムFの印刷状態を検査している。
そのため、検査画像データ上にノイズが存在しても、このノイズが相殺されて差分画像データから除去されるから、インク汚れだけを鮮明に浮き立たせることができる。これにより、フィルムFに印刷されるであろうインク汚れを確実に検出することができる。
なお、一般的に印刷システムでは、インク壺2内のインクが減少すると、転写ローラ1の外周面全体に亘ってインクの付着量が少なくなる。この場合には、差分画像データに基づいて印刷状態の検査を行っても正確な検査結果が得られない。そこで、検査画像データを取得したら、まずデータ全体の平均値を求め、この平均値をオフセットしておくことで、前述のような問題を回避することができる。
次に、図5を用いて本発明の第2実施形態を説明する。
図5は本発明の第2実施形態に係る印刷システムの構成を示す概略図である。
図5に示すように、本実施形態では、第1実施形態に係るピンホール板14および円柱レンズ15の代わりに、転写ローラ1に紫外光L2を照射するために光ファイバーケーブル31を用いている。この光ファイバーケーブル31は、その先端部を転写ローラ1の外周面に対向させており、スキャン装置32により光ファイバーケーブル31を移動させることで、転写ローラ1の軸心線方向全体に紫外光L2を照射できるようになっている。
本実施形態のように、光ファイバーケーブル31を用いれば、紫外光L2の出射位置を転写ローラ1の表面に接近させることができるから、周囲に飛び散る紫外光の量を低減することができる。さらに、紫外光の焦点位置や焦点形状の調整が不要となるから、装置の組み立てを簡単化することができる。
なお、前記実施形態では、検査画像上に存在していたインク汚れCの検出について述べているが、これに限定されるものではなく、例えば本来インクが付着すべきところに付着していない場合の検出にも適用することができる。
本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明の第1実施形態に係る印刷システムの構成を示す概略図。 同実施形態に係る印刷システムの構成を示すブロック図。 同実施形態に係る検査装置の構成を示す概略図。 同実施形態に係る検査画像データと基準画像データから差分画像データを作成するときの様子を画像化して説明する説明図。 本発明の第2実施形態に係る印刷システムの構成を示す概略図。
符号の説明
1…転写ローラ、5…制御回路、10…照射装置、20…検出装置、24…ラインセンサ、25…回路装置、F…フィルム。

Claims (6)

  1. ローラの外周面に形成されたインクの像をフィルムに転写する印刷方法において、
    前記像が形成されたローラの外周面に光を照射する第1の工程と、
    前記光を照射したときに前記インクから発生する蛍光の強度分布を検出する第2の工程と、
    前記蛍光の強度分布に基づいて前記像の印刷状態を検査する第3の工程と、
    を具備することを特徴とする印刷方法。
  2. 前記第2の工程では、前記ローラの回転と同期をとりながら前記蛍光の強度分布を検出することを特徴とする請求項1記載の印刷方法。
  3. 前記第1の工程では、前記ローラの外周面に対して前記ローラの軸心線と略平行な直線状の光を照射することを特徴とする請求項1記載の印刷方法。
  4. ローラの外周面に形成されたインクの像をフィルムに転写する印刷システムにおいて、
    前記像が形成されたローラの外周面に光を照射する照射手段と、
    前記光を照射したときに前記インクから発生する蛍光の強度分布を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した蛍光の強度分布に基づいて前記像の印刷状態を検査する検査手段と、
    を具備することを特徴とする印刷システム。
  5. 前記光は、紫外線であることを特徴とする請求項4記載の印刷システム。
  6. 前記光は、前記ローラの外周面において前記ローラの軸心線と略平行な直線状をしていることを特徴とする請求項4記載の印刷システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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