JP4189110B2 - Method for reforming stainless steel smelting slag - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステンレス溶鋼の精錬で生成するスラグからの有価金属を回収し、スラグの自然膨張を抑制して資源化を図るステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、上底吹き転炉、上吹き転炉等の精錬炉を用いて、吹酸による脱炭精錬を行った際に、溶鉄中に含まれるクロム（Ｃｒ）が同時に酸化され、一般的にこのクロム酸化物（Ｃｒ2Ｏ3）は、生成したスラグ中に１０質量％以上含まれている。
クロムは、高価であることから、Ｆｅ−Ｓｉ等の合金鉄を添加して、スラグ中に含まれるクロム酸化物を還元し、クロムとしてステンレス溶鋼中に回収することが行われている。
しかし、クロム酸化物の還元は、Ｆｅ−Ｓｉ等の還元剤の使用コストとスラグ中に未還元で残存するクロム酸化物の量とのコストバランスによって決まるため、クロム濃度として０．６〜５質量％程度がスラグ中に残留し、一部微量の金属クロムが存在する状態となる。
その結果、クロムの損失量が増し、補充するクロム合金鉄の使用量が増加してステンレス溶鋼の製造コストが高くなる。
更に、ステンレス溶鋼の脱炭精錬の際に生成したスラグは、資源として活用することが推進されている。しかし、膨張して崩壊（粉化）性が大きい特性を有するため、土木用の埋め立て材や路盤材として用いる際に制約を受けたり、使用できない等の問題がある。
【０００３】
この対策として、特開昭５２−１４７５１２号公報に記載されているように、上吹き転炉や上底吹き転炉、電気炉等の精錬炉を用いて大気下で炭素濃度が０．２〜０．３質量％程度になるまで吹酸による脱炭を行った後、このステンレス溶鋼を真空取鍋精錬装置に移し、取鍋底部から不活性ガスを吹き込んでステンレス溶鋼とスラグを混合攪拌し、スラグ中に含まれるクロム酸化物を炭素により還元することにより、クロム歩留りを高めて低炭素のステンレス溶鋼を溶製することが行われている。
また、スラグを資源として活用する方法として、特開平８−１０４５５３号公報に記載されているように、脱炭精錬を行って生成したスラグのクロム酸化物を還元処理して後、このスラグにＦｅＳあるいはＣａＳ等の２価の硫化物を添加してクロムの溶出のない安定したスラグにしている。
更に、特開平９−１６５２３８号公報、特開平１１−６１２１９号公報に記載されているように、ステンレス溶鋼の製造過程で発生するスラグにほう酸（Ｂ2Ｏ5）を添加して、ダイカルシウムシリケート（２ＣａＯ・ＳｉＯ2）内にほう酸を拡散して固溶させ、α’２Ｃａ０・ＳｉＯ2（Ｃ2Ｓ）からγ２ＣａＯ・ＳｉＯ2（Ｃ2Ｓ）への相転移を抑制し、膨張に起因する粉化を防止するか、あるいは特開平８−１８８８１３号公報に記載されているように、ほう酸とリン酸（Ｐ2Ｏ5）含有物を添加して固溶させることにより、スラグのα’Ｃ2ＳからγＣ2Ｓへの相転移を抑制することが行われている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭５２−１４７５１２号公報に記載された方法では、スラグ中のクロム酸化物を還元してステンレス溶鋼中に回収するのに時間を要し、生産性の低下や取鍋等の耐火物の損耗等を招く。しかも、クロム酸化物の還元に限界があり、精錬を終了した後のスラグ中に残存するクロム酸化物が多くなり、フェロクロム等の合金鉄の使用が増加して製造コストが高くなる。
しかも、スラグの崩壊性を改善することが出来ないため、土木用の埋め立て材や路盤材として使用する際に問題がある。
また、特開平９−１６５２３８号公報、特開平１１−６１２１９号公報、特開平８−１８８８１３号公報に記載された方法では、スラグにほう酸、あるいはほう酸とリン酸を添加し、２ＣａＯ・ＳｉＯ2の膨張に起因する粉化を防止できるが、高価なほう酸を多量に添加するため、処理コストが高くなる。
しかも、スラグにほう素（Ｂ）やリン酸を加えることになり、スラグ量の増加を招き、スラグの処理費用等を含めた経済的及び環境上の問題があり好ましくない。
更に、精錬を終了した後のスラグ中に残存するクロム酸化物を還元してステンレス溶鋼中に回収できないため、クロム損失を招き、フェロクロム等の合金鉄の使用が増加し、ステンレス溶鋼の製造コストが高くなる等の問題がある。
【０００５】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ステンレス溶鋼の脱炭精錬の際に生成するスラグ中に含まれるクロム酸化物を効率良く還元してステンレス溶鋼中に回収し、スラグ中に含まれるクロムの低減と膨張による粉化を改善してスラグの資源化を図ることができるステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明のステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法は、上底吹き転炉を用いてステンレス溶鋼を精錬する方法で、炭素濃度が０．１〜１．０質量％にまで低下した時点かつＣｒ2Ｏ3が１０〜３０質量％となった時点で、アルミドロス及び／又は金属Ａｌを添加し、炉体底部に設けたノズルで不活性ガスを転炉炉内に吹き込んで、スラグを攪拌するスラグの改質方法において、
前記スラグの塩基度に対するＡｌ2Ｏ3の濃度比を、１２≧Ａｌ2Ｏ3 質量％／（ＣａＯ質量％／ＳｉＯ2 質量％）≧１０とし、
前記アルミドロス及び／又は金属Ａｌによる金属Ａｌ添加量は、前記スラグ中のＣｒ2Ｏ3、ＦｅＯ及びＭｎＯの合計量を金属Ａｌで還元する反応の化学量論量の１．０倍以上１．２倍以下としている。
この方法により、スラグの滓化が促進されクロム酸化物の還元が容易になり、スラグ組成中にダイカルシウムシリケート（２ＣａＯ・ＳｉＯ2）が生成するのを防止して、スラグ自体の膨張による崩壊を無くすことができる。
なお、スラグの塩基度は、スラグ中に含まれるＳｉＯ2に対するＣａＯの比（ＣａＯ／ＳｉＯ2）である。
【０００７】
ここで、前記スラグにアルミドロス及び／又は金属Ａｌを添加している。この方法により、スラグ中に含まれるクロム酸化物の還元を促進してスラグ中に残留する総クロム量を低減することができ、同時に生成する２ＣａＯ・ＳｉＯ2を抑制することができる。
【０００８】
更に、前記スラグにＡｌ2Ｏ3含有物を添加しても良い。
安価なＡｌ2Ｏ3によって２ＣａＯ・ＳｉＯ2の生成を抑制でき、処理コストを低減することができる。
【０００９】
また、前記スラグを改質した後のスラグに含まれる全クロム含有量を０．５質量％以下にすることができる。
クロムの含有量を一般の製鋼工程で発生するスラグと同等にしているので、資源化が可能になり土木用の埋め立て材や路盤材等に使用することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明者等は、前記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、炭素濃度が２〜５質量％の溶銑から精錬炉を用いて脱炭精錬を行って生成されたスラグと、ＶＯＤ（Ｖａｃｕｕｍ・Ｏｘｙｇｅｎ・Ｄｅｃａｂｕｒｉｚａｔｉｏｎ）、一本足の大径の浸漬管等の真空を利用した二次精錬で生成したスラグでは、その特徴に大きな差異があることを知見できた。
更に、Ａｌ脱酸した二次精錬スラグは、普通鋼スラグと同様にスラグ中に残留するクロム量が少なくなる。しかも、膨張による崩壊性が小さく塊状を維持している。
一方、Ｓｉ脱酸した二次精錬スラグは、クロム酸化物の還元効率が悪く、スラグ中に残留するクロム量が高くなり、且つ、膨張による崩壊性が大きいことが判った。
そして、クロム酸化物の還元効率及びスラグ性状は、脱酸の仕方に大きく関連することに着目し、本発明に至った。以下に具体的に説明する。
図１は本発明の一実施の形態に係るステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法に適用される上底吹き転炉の全体図、図２はＣａＯ−Ａｌ2Ｏ3−ＳｉＯ2系状態図である。
図１に示すように、本発明の一実施の形態に係るステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法に用いられる精錬炉の一例である上底吹き転炉１０は、炉体１１と、炉体１１の上方から炉体１１内に酸素あるいは酸素とアルゴンガス等を混合した酸素含有気体を吹き込むランス１２と、炉体１１内を攪拌するため不活性ガスを吹き込む底部に設けたノズル１３と、炉体１１内に生石灰、鉄鉱石、ダスト等の副原料やＦｅ−Ｓｉ、Ｆｅ−Ｃｒ、アルミドロス、金属Ａｌ等の合金鉄を添加するシュート１４及び貯蔵ホッパー１５と、脱炭精錬を終了したステンレス溶鋼（以下溶鋼という）を図示しない取鍋に出鋼するための出鋼口１６を備えている。
【００１１】
次に、上底吹き転炉１０を用いたステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法について説明する。
予め脱硫、脱燐等の処理を施した１５０トンの溶銑を上底吹き転炉１０に装入し、貯蔵ホッパー１５に貯蔵した生石灰やＦｅ−Ｃｒ等をシュート１４から炉１１内に添加し、ランス１２を下降させて酸素含有気体を前記熔銑に吹き付けることにより、溶銑中に含まれる炭素を燃焼して除去するいわゆる脱炭が行われて、同時に、生石灰や溶銑中のＳｉ等が酸化してスラグが生成する。
そして、脱炭の進行に伴って、溶鉄中に含まれるクロム（Ｃｒ）も酸化されて１０〜３０質量％のクロム酸化物（Ｃｒ2Ｏ3）が生成し、このクロム酸化物はスラグ中に移行する。
炭素濃度が０．１〜１．０質量％にまで低下して、脱炭精錬が終了し溶鋼が溶製された時点で、アルミドロス、あるいは金属Ａｌを添加し（アルミドロスと金属Ａｌの両方を添加してもよい）、ノズル１３から不活性ガスの一例であるアルゴンガスを炉１１内に吹き込んで、スラグを攪拌し、スラグ中のＣｒ2Ｏ3を下記（１）式に示す反応により還元して、還元されたＣｒを溶鋼中に回収する。
Ｃｒ2Ｏ3＋２Ａｌ→２Ｃｒ＋Ａｌ2Ｏ3 ・・・・・（１）
このアルミドロスに含まれるＡｌあるいは金属Ａｌの添加量は、前記の（１）式で消費される化学量論的な量以上の金属（メタリック）Ａｌ量となるようにすることにより、改質後のスラグ中の金属Ｃｒ及びＣｒ2Ｏ3を全てＣｒに換算した残留全Ｃｒ濃度（スラグ中の全クロム含有量）を０．５質量％以下にでき、普通溶鋼の溶製時に生成するスラグに相当する品質にして、金属ＣｒやＣｒ2Ｏ3による環境への影響を無くし、資源化を可能にすることができる。
更に、添加する金属Ａｌ量を、スラグ中のＣｒ2Ｏ3の量とＦｅＯ及びＭｎＯの量を加えた量を還元するのに必要な化学量論的な量以上にすると、残留全Ｃｒ濃度をより安定して０．５質量％以下にすることができるので好ましい結果が得られる。
【００１２】
また、スラグ組成が下記（２）式を満足するように、Ａｌ2Ｏ3量を調整する。例えばスラグ中のＣｒ2Ｏ3やＦｅＯ、ＭｎＯ等を還元するために添加した金属Ａｌ量から生成するＡｌ2Ｏ3が不足する際には、その不足量に見合うようにアルミドロスやＡｌ2Ｏ3を含有するフラックス等を添加する。
Ａｌ2Ｏ3／（ＣａＯ／ＳｉＯ2）≧１０ ・・・・・（２）
スラグ組成の調整は、上底吹き転炉１０を用いて脱炭精錬を行った際に生成したスラグの分析を行って、Ｃｒ2Ｏ3、ＣａＯ、ＳｉＯ2、Ａｌ2Ｏ3、ＦｅＯ、ＭｎＯ等の濃度を把握し、生石灰等の使用量を基に過去の操業経験から全スラグ量を決めることができ、これ等からスラグの塩基度の計算と、添加する金属Ａｌ量やＡｌ2Ｏ3量を一般の化学当量計算により求める。
スラグの塩基度（ＣａＯ／ＳｉＯ2）に対するＡｌ2Ｏ3の濃度比が１０より小さくなると、図２に示すように、２ＣａＯ・ＳｉＯ2（ダイカルシウムシリケート）が生成する領域になり、凝固してからα’２Ｃａ０・ＳｉＯ2（Ｃ2Ｓ）からγ２ＣａＯ・ＳｉＯ2（Ｃ2Ｓ）に相転移して体積膨張を起こし、膨張が激しくなると粉化する。
従って、２ＣａＯ・ＳｉＯ2の生成域とＣａＯ濃度の高い範囲を除いたゲレナイト（２ＣａＯ・Ａｌ2Ｏ3・ＳｉＯ2である図２のＣ2ＡＳ）、Ｃａ3Ａｌ2Ｏ6（図２のＣ3Ａ）等の範囲、即ち塩基度に対するＡｌ2Ｏ3の濃度比が１０以上となるようにスラグ中のＡｌ2Ｏ3の含有量を調整することにより、凝固したスラグの膨張による崩壊（粉化）性を十分に抑制でき、土木用埋め立て材や路盤材として使用することができる。
そして、Ｃｒ2Ｏ3及びメタリックＣｒのスラグ中の残留全クロム量を０．５質量％以下にして膨張による崩壊を抑制したスラグは、上底吹き転炉１０から排滓し、冷却して、粒度を５〜７０ｍｍ程度に破砕されてから土木用埋め立て材や路盤材等として搬送される。
【００１３】
【実施例】
次に、ステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法の実施例について説明する。
予め脱硫、脱燐等の処理を施した１５０トンの熔銑を上底吹き転炉（転炉）に装入して、生石灰及び鉄鉱石とＦｅ−Ｃｒ合金鉄をシュートから転炉内に添加し、ランスから１５０００〜２８０００Ｎｍ3／ｈｒの速度で吹酸して炭素濃度を０．３質量％になるまで脱炭精錬を行った。そして、脱炭精錬の際に生成したスラグの塩基度とＡｌ2Ｏ3の濃度を変え、その時のクロム酸化物の還元効率の良否、還元後のスラグ中クロム濃度の良否、スラグの膨張性、総合評価について調査した。その結果を表１に示す。
実施例１は、塩基度に対するＡｌ2Ｏ3の比を１０にし、しかも、スラグ中のＣｒ2Ｏ3とＦｅＯ及びＭｎＯの合計量を還元するに必要な化学量論的量の１．０倍の金属Ａｌを添加した場合であり、クロム酸化物の還元効率が良く、還元後のスラグ中クロム濃度を普通溶鋼と同等に低減（○）でき、スラグの膨張性を小さく（○）でき、総合評価として良い（○）結果が得られた。
実施例２は、塩基度に対するＡｌ2Ｏ3の比を１２にし、しかも、スラグ中のＣｒ2Ｏ3とＦｅＯ及びＭｎＯの合計量を還元するに必要な化学量論的量の１．２倍の金属Ａｌを添加した場合であり、クロム酸化物の還元効率が良く、還元後のスラグ中クロム濃度を普通溶鋼と同等に低減（○）でき、スラグの膨張性を小さく（○）でき、総合評価として良い（○）結果が得られた。
実施例３は、塩基度に対するＡｌ2Ｏ3の比を１２にし、しかも、スラグ中のＣｒ2Ｏ3とＦｅＯ及びＭｎＯの合計量を還元するに必要な化学量論的量の１．０倍の金属Ａｌを添加した場合であり、クロム酸化物の還元効率が良く、還元後のスラグ中クロム濃度を普通溶鋼と同等に低減（○）でき、スラグの膨張性を小さく（○）でき、総合評価として良い（○）結果が得られた。
【００１４】
【表１】
これに対し、比較例１は、塩基度に対するＡｌ2Ｏ3の比を８にし、しかも、スラグ中のＣｒ2Ｏ3とＦｅＯ及びＭｎＯの合計量を還元するに必要な化学量論的量の１．０倍の金属Ａｌを添加した場合であり、クロム酸化物の還元効率が良く、還元後のスラグ中クロム濃度を普通溶鋼と同等に低減（○）できたが、２ＣａＯ・ＳｉＯ2が生成してスラグの膨張性が大きく（×）なり、総合評価として悪い（×）結果になった。
比較例２は、塩基度に対するＡｌ2Ｏ3の比を８にし、しかも、スラグ中のＣｒ2Ｏ3とＦｅＯ及びＭｎＯの合計量を還元するに必要な化学量論的量の０．６倍の金属Ａｌを添加した場合であり、クロム酸化物の還元効率が悪く、還元後のスラグ中クロム濃度も高く（×）なり、２ＣａＯ・ＳｉＯ2が生成してスラグの膨張性が大きく（×）なり、総合評価として悪い（×）結果になった。
【００１６】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、ＡＯＤ（Ａｒｇｏｎ・Ｏｘｙｇｅｎ・Ｄｅｃａｂｕｒｉｚａｔｉｏｎ）や電気炉等の吹酸を伴う脱炭精錬によって生成したスラグや取鍋等の二次精錬において、Ｓｉ脱酸を行ったスラグに適用することができる。
更に、ステンレス鋼溶融還元炉等の精錬炉、スラグ処理炉等のスラグにも適用できる。
【００１７】
【発明の効果】
請求項１、２記載のステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法は、精錬炉を用いてステンレス溶鋼を精錬する際のスラグの改質方法において、スラグの塩基度に対するＡｌ2Ｏ3の濃度比を１０以上にしているので、Ａｌ2Ｏ3源としての金属Ａｌによりスラグ中に含まれるクロムの溶鋼中への回収率を高めてＦｅ−Ｃｒ合金鉄等の使用量を節減し、ダイカルシウムシリケート（２ＣａＯ・ＳｉＯ2）等の生成を抑制してスラグの崩壊性を小さくし、路盤材や土木埋め立て材等の資源として活用することができる。
【００１８】
特に、スラグにアルミドロス及び／又は金属Ａｌを添加するので、スラグ中に含まれるクロム量を安定して低減でき、同時にスラグの崩壊を安定して防止し、資源としての活用を可能にでき、スラグ量を最小限にすることにより処理コストを低減することができる。
【００１９】
【００２０】
請求項２記載のステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法は、スラグを改質した後のスラグに含まれる全クロム含有量を０．５質量％以下にするので、一般の製鋼工程で発生するスラグと同等にすることができ、環境制約が無く、資源として活用範囲が広くなり、スラグの付加価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態に係るステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法に適用される上底吹き転炉の全体図である。
【図２】ＣａＯ−Ａｌ2Ｏ3−ＳｉＯ2系状態図である。
【符号の説明】
１０：上底吹き転炉、１１：炉体、１２：ランス、１３：ノズル、１４：シュート、１５：貯蔵ホッパー、１６：出鋼口[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for reforming stainless steel refining slag that recovers valuable metals from slag produced by refining molten stainless steel and suppresses natural expansion of the slag to recycle.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when decarburization and refining with blowing acid is performed using a refining furnace such as a top-bottom blowing converter or top-blowing converter, chromium (Cr) contained in the molten iron is simultaneously oxidized. Chromium oxide (Cr 2 O 3 ) is contained in the produced slag by 10% by mass or more.
Since chromium is expensive, an alloy iron such as Fe—Si is added to reduce chromium oxide contained in the slag and collect it in the molten stainless steel as chromium.
However, the reduction of chromium oxide is determined by the cost balance between the cost of using a reducing agent such as Fe-Si and the amount of chromium oxide remaining unreduced in the slag, so the chromium concentration is 0.6 to 5 mass. % Remains in the slag, and a small amount of metallic chromium is present.
As a result, the amount of chromium loss increases, the amount of chromium alloy iron to be supplemented increases, and the production cost of molten stainless steel increases.
Furthermore, utilization of slag produced during decarburization and refining of molten stainless steel as a resource is promoted. However, since it has a characteristic of expanding and disintegrating (pulverizing), there is a problem that it is restricted or cannot be used when used as a landfill material or roadbed material for civil engineering.
[0003]
As a countermeasure against this, as described in JP-A-52-147512, the carbon concentration is 0.2 to 0.2 in the atmosphere using a refining furnace such as a top blowing converter, a top bottom blowing converter, or an electric furnace. After decarburization with blowing acid until about 0.3% by mass , this stainless steel molten steel is transferred to a vacuum ladle refining device, inert gas is blown from the bottom of the ladle, and the stainless steel molten steel and slag are mixed and stirred. Reduction of chromium oxide contained in the slag with carbon increases the chromium yield and melts low-carbon stainless steel.
Further, as a method of utilizing slag as a resource, as described in JP-A-8-104553, slag chromium oxide produced by decarburization refining is reduced, and the slag is treated with FeS. Alternatively, a divalent sulfide such as CaS is added to form a stable slag without leaching of chromium.
Further, as described in JP-A-9-165238 and JP-A-11-61219, boric acid (B 2 O 5 ) is added to slag generated in the manufacturing process of molten stainless steel, and then dicalcium silicate. (2CaO · SiO 2) boric acid diffused by solid solution in, phase transition is suppressed from α'2Ca0 · SiO 2 (C 2 S ) to γ2CaO · SiO 2 (C 2 S ), due to the expansion As described in JP-A-8-188813, by adding powders containing boric acid and phosphoric acid (P 2 O 5 ) and dissolving them, α′C of the slag is prevented. Suppression of the phase transition from 2 S to γC 2 S has been performed.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method described in JP-A-52-147512, it takes time to reduce the chromium oxide in the slag and recover it in the molten stainless steel. It causes wear and tear of things. In addition, there is a limit to the reduction of chromium oxide, the amount of chromium oxide remaining in the slag after finishing refining increases, the use of alloy iron such as ferrochrome increases, and the manufacturing cost increases.
Moreover, since the slag disintegrability cannot be improved, there is a problem when used as a landfill material or roadbed material for civil engineering.
Further, in the methods described in JP-A-9-165238, JP-A-11-61219, and JP-A-8-188813, boric acid or boric acid and phosphoric acid are added to slag, and 2CaO · SiO 2 Although powdering due to expansion can be prevented, a large amount of expensive boric acid is added, so that the processing cost becomes high.
Moreover, boron (B) and phosphoric acid are added to the slag, which causes an increase in the amount of slag, which is not preferable because of economic and environmental problems including slag processing costs.
In addition, chromium oxide remaining in the slag after refining cannot be reduced and recovered in the stainless steel, resulting in chromium loss, increased use of ferrochrome and other alloy irons, and the production cost of stainless steel There are problems such as high.
[0005]
The present invention has been made in view of such circumstances, and chromium oxides contained in slag generated during decarburization and refining of molten stainless steel are efficiently reduced and recovered in the molten stainless steel, and contained in the slag. An object of the present invention is to provide a method for reforming stainless steel refined slag capable of improving pulverization due to reduction and expansion of chromium and thereby making slag resources available.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The method for reforming stainless steel refining slag of the present invention that meets the above-mentioned purpose is a method of refining stainless steel using a top-bottom blow converter, and when the carbon concentration is reduced to 0.1 to 1.0% by mass. and when the Cr 2 O 3 became 10 to 30 mass%, the addition of aluminum dross and / or metal Al, the nozzle provided in a furnace body bottom by blowing an inert gas into the converter furnace slag In the method of reforming slag to be stirred,
The concentration ratio of Al 2 O 3 to the basicity of the slag is 12 ≧ Al 2 O 3 mass% / (CaO mass% / SiO 2 mass% ) ≧ 10,
The amount of metal Al added by the aluminum dross and / or metal Al is 1.0 times or more the stoichiometric amount of the reaction of reducing the total amount of Cr 2 O 3 , FeO and MnO in the slag with metal Al. 2 times or less.
By this method, the hatching of slag is promoted and the reduction of chromium oxide is facilitated, the formation of dicalcium silicate (2CaO.SiO 2 ) is prevented during the slag composition, and the collapse of the slag itself due to expansion is prevented. It can be lost.
The basicity of slag is the ratio of CaO to SiO 2 contained in slag (CaO / SiO 2 ).
[0007]
Here, aluminum dross and / or metal Al is added to the slag. By this method, the reduction of the chromium oxide contained in the slag can be promoted to reduce the total amount of chromium remaining in the slag, and at the same time, 2CaO.SiO 2 produced can be suppressed.
[0008]
Further, an Al 2 O 3 containing material may be added to the slag.
The production of 2CaO.SiO 2 can be suppressed by inexpensive Al 2 O 3 , and the processing cost can be reduced.
[0009]
Moreover, the total chromium content contained in the slag after modifying the slag can be reduced to 0.5% by mass or less.
Since the chromium content is equivalent to that of slag generated in a general steelmaking process, it can be used as a landfill material or roadbed material for civil engineering.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings for understanding of the present invention.
First, as a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors, as a result, slag produced by performing decarburization refining from a hot metal having a carbon concentration of 2 to 5% by mass using a refining furnace, It was found that the characteristics of the slag produced by secondary refining using vacuum such as VOD (Vacuum, Oxygen, Decaburization) and a large-diameter dip tube of one leg are greatly different.
Furthermore, the amount of chromium remaining in the slag is reduced in the secondary refining slag that has been deoxidized by Al as in the case of ordinary steel slag. In addition, the disintegration property due to expansion is small and the lump is maintained.
On the other hand, it was found that the secondary refining slag deoxidized with Si has poor reduction efficiency of chromium oxide, the amount of chromium remaining in the slag is high, and the disintegration due to expansion is large.
The inventors have focused on the fact that the reduction efficiency and slag properties of chromium oxide are greatly related to the way of deoxidation, and have reached the present invention. This will be specifically described below.
FIG. 1 is an overall view of an upper-bottom blown converter applied to a method for reforming stainless steel refining slag according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a CaO—Al 2 O 3 —SiO 2 phase diagram. .
As shown in FIG. 1, an upper
[0011]
Next, a method for reforming stainless steel refining slag using the top-
150 tons of hot metal previously treated with desulfurization, dephosphorization, etc. are charged into the top-
As the decarburization proceeds, chromium (Cr) contained in the molten iron is also oxidized to produce 10 to 30% by mass of chromium oxide (Cr 2 O 3 ), and this chromium oxide is contained in the slag. Transition.
When the carbon concentration is reduced to 0.1 to 1.0 mass %, decarburization refining is finished, and molten steel is melted, aluminum dross or metal Al is added (both aluminum dross and metal Al). In addition, argon gas, which is an example of an inert gas, is blown into the
Cr 2 O 3 + 2Al → 2Cr + Al 2 O 3 (1)
The amount of Al or metal Al contained in the aluminum dross is adjusted to be a metal (metallic) Al amount equal to or higher than the stoichiometric amount consumed by the above-mentioned formula (1), so that Residual total Cr concentration (total chromium content in slag) converted to Cr for all metal Cr and Cr 2 O 3 in slag of slag can be reduced to 0.5 mass % or less. The quality can be made equivalent, and the influence of the metal Cr or Cr 2 O 3 on the environment can be eliminated and resource can be made available.
Furthermore, when the amount of metallic Al added is more than the stoichiometric amount necessary to reduce the amount of Cr 2 O 3 in the slag plus the amount of FeO and MnO, the residual total Cr concentration is reduced. Since it can be more stably made 0.5 mass % or less, a preferable result is obtained.
[0012]
Further, the amount of Al 2 O 3 is adjusted so that the slag composition satisfies the following formula (2). For example, when Al 2 O 3 produced from the amount of metal Al added to reduce Cr 2 O 3 , FeO, MnO, etc. in the slag is insufficient, aluminum dross or Al 2 O is used to meet the shortage. Add flux containing 3 .
Al 2 O 3 / (CaO / SiO 2 ) ≧ 10 (2)
The slag composition is adjusted by analyzing the slag produced when decarburizing and refining using the top-
When the concentration ratio of Al 2 O 3 to slag basicity (CaO / SiO 2 ) is less than 10, as shown in FIG. 2, it becomes a region where 2CaO · SiO 2 (dicalcium silicate) is formed and solidifies. Phase transition from α′2Ca0 · SiO 2 (C 2 S) to γ2CaO · SiO 2 (C 2 S) to cause volume expansion.
Thus, (C 2 AS in Figure 2 is 2CaO · Al 2 O 3 · SiO 2) Gerenaito excluding the range of high generation region and CaO concentration of 2CaO · SiO 2, the Ca 3 Al 2 O 6 (FIG. 2 C 3 A) etc., that is, by adjusting the content of Al 2 O 3 in the slag so that the concentration ratio of Al 2 O 3 to basicity is 10 or more, disintegration due to expansion of the solidified slag (powder) Can be sufficiently suppressed, and can be used as a landfill material for civil engineering or a roadbed material.
Then, Cr 2 O 3 and the slag that suppresses disintegration residual total chromium content due to expansion in the 0.5 mass% in the slag of metallic Cr is to Haikasu from
[0013]
【Example】
Next, an embodiment of a method for reforming stainless steel refining slag will be described.
150 tons of molten iron that has been treated in advance with desulfurization, dephosphorization, etc. are charged into an upper-bottom blowing converter (converter), and quick lime, iron ore, and Fe-Cr alloy iron are added to the converter from the chute. Then, decarburization and refining were performed by blowing acid from the lance at a rate of 15000 to 28000 Nm 3 / hr until the carbon concentration became 0.3 mass %. And, the basicity of the slag generated during decarburization refining and the concentration of Al 2 O 3 are changed, the reduction efficiency of the chromium oxide at that time, the quality of the chromium concentration in the slag after reduction, the expansibility of the slag, The overall evaluation was investigated. The results are shown in Table 1.
In Example 1, the ratio of Al 2 O 3 to basicity was set to 10, and 1.0 times the stoichiometric amount necessary for reducing the total amount of Cr 2 O 3 , FeO and MnO in the slag. The reduction efficiency of chromium oxide is good, the chromium concentration in the slag after reduction can be reduced to the same level as ordinary molten steel (○), and the expansion of the slag can be reduced (○). Good (◯) results were obtained for evaluation.
In Example 2, the ratio of Al 2 O 3 to basicity was 12, and 1.2 times the stoichiometric amount required to reduce the total amount of Cr 2 O 3 , FeO and MnO in the slag. The reduction efficiency of chromium oxide is good, the chromium concentration in the slag after reduction can be reduced to the same level as ordinary molten steel (○), and the expansion of the slag can be reduced (○). Good (◯) results were obtained for evaluation.
In Example 3, the ratio of Al 2 O 3 to basicity was set to 12, and 1.0 times the stoichiometric amount necessary for reducing the total amount of Cr 2 O 3 , FeO and MnO in the slag. The reduction efficiency of chromium oxide is good, the chromium concentration in the slag after reduction can be reduced to the same level as ordinary molten steel (○), and the expansion of the slag can be reduced (○). Good (◯) results were obtained for evaluation.
[0014]
[Table 1]
On the other hand, in Comparative Example 1, the ratio of Al 2 O 3 to basicity was set to 8, and the stoichiometric amount necessary for reducing the total amount of Cr 2 O 3 , FeO and MnO in the slag was reduced. This is the case when 1.0 times the metal Al is added, the reduction efficiency of chromium oxide is good, and the chromium concentration in the slag after reduction can be reduced (◯) to the same level as ordinary molten steel, but 2CaO · SiO 2 is produced. As a result, the expandability of the slag was increased (x), and the overall evaluation was bad (x).
In Comparative Example 2, the ratio of Al 2 O 3 to basicity was set to 8, and 0.6 times the stoichiometric amount necessary for reducing the total amount of Cr 2 O 3 , FeO and MnO in the slag. When the metal Al is added, the reduction efficiency of the chromium oxide is poor, the chromium concentration in the slag after reduction is high (×), 2CaO · SiO 2 is generated, and the slag is highly expandable (×). It became a bad (x) result as comprehensive evaluation.
[0016]
Although the embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and all changes in conditions and the like that do not depart from the gist are within the scope of the present invention.
For example, it can be applied to slag subjected to Si deoxidation in secondary refining such as slag and ladle produced by decarburization refining with blowing acid such as AOD (Argon, Oxygen, Decaburization) and electric furnace.
Furthermore, the present invention can also be applied to a slag such as a refining furnace such as a stainless steel melting reduction furnace or a slag processing furnace.
[0017]
【The invention's effect】
The method for reforming stainless steel refining slag according to claim 1 or 2 is a method for reforming stainless steel using a refining furnace, wherein the concentration ratio of Al 2 O 3 to the basicity of the slag is 10 As described above, metal Al as the Al 2 O 3 source increases the recovery rate of chromium contained in the slag into the molten steel, thereby reducing the amount of Fe—Cr alloy iron and the like, and dicalcium silicate (2CaO・ Suppressing the generation of SiO 2 ) and the like can reduce the collapse of slag, and can be used as resources such as roadbed materials and civil engineering landfill materials.
[0018]
In particular , since aluminum dross and / or metal Al is added to the slag, the amount of chromium contained in the slag can be stably reduced, and at the same time, the collapse of the slag can be stably prevented, making it possible to use it as a resource. Processing costs can be reduced by minimizing the amount of slag.
[0019]
[0020]
Since the total chromium content contained in the slag after modifying the slag is 0.5% by mass or less, the method for modifying the molten steel smelting slag according to claim 2 includes slag generated in a general steelmaking process. It can be made equal, there is no environmental restriction, the range of utilization as resources is widened, and the added value of slag can be increased.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall view of an upper bottom blown converter applied to a method for reforming stainless steel refining slag according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a CaO—Al 2 O 3 —SiO 2 phase diagram.
[Explanation of symbols]
10: Top bottom blowing converter, 11: Furnace body, 12: Lance, 13: Nozzle, 14: Chute, 15: Storage hopper, 16: Steel outlet
Claims (2)
前記スラグの塩基度に対するＡｌ2Ｏ3の濃度比を、１２≧Ａｌ2Ｏ3 質量％／（ＣａＯ質量％／ＳｉＯ2 質量％）≧１０とし、
前記アルミドロス及び／又は金属Ａｌによる金属Ａｌ添加量は、前記スラグ中のＣｒ2Ｏ3、ＦｅＯ及びＭｎＯの合計量を金属Ａｌで還元する反応の化学量論量の１．０倍以上１．２倍以下とすることを特徴とするステンレス溶鋼精錬スラグの改質方法。In a method of refining molten stainless steel using a top-bottom blow converter, when the carbon concentration is reduced to 0.1 to 1.0% by mass and when Cr 2 O 3 becomes 10 to 30% by mass, In the slag reforming method of adding alumidos and / or metal Al, blowing an inert gas into the converter furnace with a nozzle provided at the bottom of the furnace body, and stirring the slag,
The concentration ratio of Al 2 O 3 to the basicity of the slag is 12 ≧ Al 2 O 3 mass% / (CaO mass% / SiO 2 mass% ) ≧ 10,
The amount of metal Al added by the aluminum dross and / or metal Al is 1.0 times or more the stoichiometric amount of the reaction of reducing the total amount of Cr 2 O 3 , FeO and MnO in the slag with metal Al. A method for reforming stainless steel refining slag, characterized by being made twice or less.
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