JP4188646B2 - 溶接ナット供給装置 - Google Patents
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Description
【発明に属する利用分野】
本発明は,パーツフィーダから送り出された溶接ナット群を分離装置(セパレータ)を使用しないでフィーダユニットまで連続的に供給してフィーダユニットのスピンドルを前進後退させて抵抗スポット溶接機の溶接位置に自動供給を繰り返す場合に有用な溶接ナット供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来はたとえば四角ナットの隅部にプロジェクション(溶接用突起)を設けた溶接ナットを,パーツフィーダからシュートを通して連続的に整列・送給するもので,整列された溶接ナット群は途中で分離装置を介して一つ一つ分離を行いながらフィーダユニットまで供給され,フィーダユニットからナット供給用のスピンドルを前進駆動させて下部電極のワークセット位置に供給していた。
【0003】
従来,たとえば,特開平8−34514号公報により公開されているように,分離装置(セパレータ)を使用しないでパーツフィーダから直接フィーダユニットまで連続的に供給する溶接ナット供給方法と装置が提案されている。
【0004】
この種の従来装置は,振動式パーツフィーダを使って抵抗スポット溶接機の溶接位置に自動供給するもので,この場合,振動式パーツフィーダの螺旋通路に金属製の管部材に柔軟性のある合成樹脂製の送り出しホースが接続された状態の送出通路を連続させ,前記送出通路にその長手方向に空気噴出方向が設定されたエアノズルを設け,前記エアノズルと極接近した送出通路に部品検出センサーを取付け,前記部品センサーの部品検出電気信号によりパーツフィーダの振動を停止させると共に,前記エアノズルから搬送用圧縮空気を噴出させるようにしたものである。
【0005】
つまり前述した従来装置は供給部品を一つ一つ部品センサーで検出し圧縮エアで放出するものであり,螺旋通路と送出通路が連続しているので,部品は空間中を飛行する不安定な動作がなく,部品センサーはできるだけエアノズルに接近したところに配置されているから,エアノズルの前方に停滞する部品の個数を適正な数量に設定することができる。連続的に流入してくる部品を振動停止によって制限し,それと共に空気噴射で部品を目的個所まで吹き飛ばすから,エアノズルの前方には過剰な部品が停滞しない。という効果を有するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の溶接ナット供給方法及び装置は,シュートから整列して送り出されてくる溶接ナットを部品センサーが一つ一つ検出し,その検出信号でエアノズルから圧縮エアを噴射して部品を目的個所まで吹き飛ばして放出量を調整している。この場合,前記センサーはできるだけエアノズルに近づけた送出通路に配置されているため,勢いよく飛ばされて放出される部品が放出通路の先端に配置されたフィーダユニットのストッパに強く当たってエスケープする位置から部品がズレたりストッパの早期磨耗や供給ミスの発生要因となる問題が残されていた。
【0007】
また一つ一つナット部品を検出して振動ユニットの動作と停止,さらにはエアノズルの空気弁切り替えを頻繁に行なうことになり,制御回路も複雑となる。また目的個所の近くに整列部品が貯まったときにはこれを解除するために整列部品個数を検出するための検出器と振動ユニットの停止を司令する余分な制御回路が必要になりコストアップの要因を含んでいた。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
本発明は上記の問題を解決するために,請求項1の部品供給装置によれば, 任意の角度からスピンドルを直線往復移動させて該直線往復路と略直角に交わる部品切り離し位置で支持された溶接ナットを抵抗スポット溶接機の下部電極のガイドピンに挿入するフィーダユニットと,前記溶接ナットをパーツフィーダの振動ボールから連続的に整列して送り出す螺旋状のシュートと,前記シュートの終端に接続され前記シュートからの溶接ナットを,中空管内を通して送り出す部品供給チューブと,前記チューブの終端に接続されかつ前記チューブの終端から前記フィーダユニットの先端に向かって次第に低くなるように傾斜角度を付けて取付けられたエスケープメントレールと,前記チューブと前記シュートとの接続部位には溶接ナットを前記チューブ内に圧縮エアを噴出させて送り出すためのエアノズルを有するエアブロー用ブロックとを有し,前記チューブと前記エスケープメントレールの接続部位又はその近傍には前記シュート終端から前記チューブ内を通して前記エスケープメントレールの傾斜した溶接ナットストック領域内にダイレクトに供給される溶接ナットを検出するための検出手段が設けられており,しかも該検出手段は前記エスケープメントレールの傾斜した溶接ナットストック領域内の前記フルワークを検出したときに検出信号を出力し,その検出信号でタイマを起動させ所定時間T5を経過した後に前記ボールのバイブレータを停止させ,次いで前記バイブレータ停止時から所定時間T6を経て前記チューブ内のエアブローを停止させる;一方また前記検出器が前記フルワークでないと検出したときは前記タイマ起動で所定時間T3を経過して後にエアブローが始動し前記チューブ内に圧縮エアを噴射させ,次いで前記エアブロー開始から所定時間T4を経て前記バイブレータを開始させる;それによって前記溶接ナットストック領域内の溶接ナットが前記バイブレータ及び/又は前記エアブローの停止期間に関係なく前記部品切り離し位置に供給される溶接ナット供給装置を提供する。
【0009】
削除
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の溶接ナット供給システムの実施例を示す概略図であって,パーツフィーダからフィーダユニットのエスケープメントレールの傾斜した溶接ナットストック領域内に溶接ナットをダイレクトに供給しフィーダユニットのスピンドルで保持された溶接ナットが抵抗スポット溶接機の上下電極間の加圧線上に供給する際の説明図である。図2はフィーダユニットの具体的構造を示すものである。図3は本発明装置のシーケンス図である。
【0011】
図1及び図2において,符号1は溶接ナットを選別するパーツフィーダで,溶接ナットは振動ボール2の内側から螺旋状のシュート3にそって整列して外側に送り出される。前記ボールの外側に延びたシュート3の終端には柔軟性及び透明度を有する材質からなる部品供給チューブ4(ビニール材又はウレタンゴム材からなるホース又は角チューブを含む)が接続されている。前記供給チューブと前記シュートの接続部位には溶接ナットを前記供給チューブ内に圧縮エアを噴出させて送り出すためのエアブロー用ブロック5が接続されている。6がエアノズルの穴で,ここにエアホースが接続される。
【0012】
7はフィーダユニットである。8はエスケープメントレールである。この場合フィーダユニットのシリンダケース9の先端に前記エスケープメントレール終端が前記フィーダユニットのスピンドル11が前進後退する直線往復路と直角に交わる方向からレール支持ブロック10を介して取付けられたものである。その前記エスケープメントレール8は前記供給チューブとの接続部から前記フィーダユニットの先端に向かって供給部品が自重で降下するように次第に低くなる傾斜角度を付けて前記供給チューブ4の終端に接続されたもので,前記シュート3からの供給チューブ4と連続的に接続されている。
【0013】
前記エスケープメントレール7には前記シリンダと同心上にスピンドル11が配置され,スピンドル11が前進後退する直線往復路と交わる位置に部品切り離し口12が形成され,その部品切り離し口12には部品開閉手段13として固定ヒンジ14を中心に開閉動作する板バネ15が配置されていて,前記エスケープメントレール7に補給された先頭部品が板バネ15によって支持される。
【0014】
前記板バネ15は常に部品切り離し口12を閉じる方向にスプリング力が働いていて,前記スピンドル11を前進させることによって一旦停止している先頭の溶接ナットにスピンドル11の先端に設けた位置決めピンを溶接ナットのねじ穴に挿入し,そのままスピンドル11を前進すれば板バネ15を強制的に押し開き,スピンドル11の先端に保持した溶接ナットを下部電極E2のワークセット位置へ供給する。スピンドルの前進移動で板バネを押し下げてスピンドルの先端に保持した先頭の溶接ナットを前記エスケープメントレール7から分離して下部電極E2に到達して開放する。
【0015】
16は検出手段である。この検出器は近接スイッチ,光電スイッチ,非接触センサー,リミットスイッチ類などで,前記エスケープメントレール内の傾斜した溶接ナットストック領域内に補給された溶接ナット群がいっぱいの状態になったときのフルワーク(規定の部品個数とは無関係)を検出するものである。
【0016】
この場合,近接スイッチ16は前記供給チューブ4と前記エスケープメントレール8の接続金具17の上にボルト18により取り付けられた支持板19に固定されている。前記近接スイッチ16はナット部品をエスケープする位置またはその近傍位置に整列されてストック部品を検出できれば検出器16の取り付け位置は前記接続金具17以外でもよい。
【0017】
前記検出手段16は前記エスケープメントレール8内の傾斜した溶接ナットストック領域に補給された溶接ナットがフルワークに達したとき又はフルワークが外れたときに検出 信号を外部に出力し溶接タイマを起動させ,それによって振動ボールのバイブレータを一旦停止又は始動する。またこの検出信号により溶接タイマを介してエアブロー回路の電磁弁(SOL2)をON/OFFし,前記供給チューブ内に噴出していた圧縮エアを停止または始動するものである。
前記フィーダユニット7は電磁弁(SOL1)がONすると,スピンドル11が前進駆動し,前記エスケープメントレール内に貯まった溶接ナットのうち前記レール終端の部品切り離し口12に位置する先頭の溶接ナットが前記部品開閉手段13から離脱し,下部電極E2にセットした相手ワークWに供給される構成になっている。
【0018】
以下に一連の動作を図3のシーケンス図に基づいて説明する。予め抵抗スポット溶接機の上部電極E1を開放した状態で,下部電極E2にワークWをセットする。
【0019】
まず溶接機の起動スイッチをONすると,フィードユニット7のスピンドル11が前進してエスケープメントレール7に補給された先頭の溶接ナットにスピンドル先端の位置決めピンが溶接ナットのねじ穴に刺さり,そのままスピンドル11が前進してスピンドル11の先端に保持した溶接ナットを下部電極E2のワークセット位置へ供給する。部品を開放したスピンドルは元の位置に後退したとき前記エスケープメントレール内の溶接ナットが整列したまま前記エスケープメントレール8の傾斜角にそって自重で下降し部品切り離し口12に送られて次のスピンドルによる供給に備える。
【0020】
このようにして順次先頭の溶接ナットがエスケープされると近接スイッチ16の位置に対応する検出領域内からフルワークが外れ,近接スイッチがONし,その信号で溶接タイマが起動し所定時間T3を経過した後にエアブロー回路の電磁弁(SOL2)がONし,部品供給チューブ内にエアノズルから圧縮エアが前記フルワークになるまでの期間噴射される。エアブローが開始して僅かな時間T4を経過して後,振動ボール2のバイブレータが振動を開始する。
【0021】
これにより溶接ナットは螺旋状のシュート3を移動しながら順次整列してボール外側に放出され,整列して送られた溶接ナットはシュート3から供給チューブ4に送り込まれ,圧縮エアにより供給チューブ4の終端に接続された前記エスケープメントレール8の部品ガイド溝に送り込まれる。先頭の溶接ナットが部品切り離し口12で停止し待機する間もなく,次々とシュート3から前記エスケープメントレール内に部品が送られてくる。
【0022】
やがて前記エスケープメントレール8の溶接ナットストック領域内にナット部品が整列して貯まると,そのフル状態を近接スイッチ16が検出し,その電気信号でタイマが起動し所定時間T5経過した後に,振動ボール2のバイブレータを停止する。前記バイブレータが停止すると共に,所定時間T6をとってエアブローが停止する。
【0023】
この間,前記エスケープメントレール内に補給された溶接ナットのうち先頭の溶接ナットは,前記エスケープメントレール終端の部品切り離し口で停止する間もなく前記スピンドル11の前進駆動で,前記部品開閉手段13から離脱し下部電極E2のワークWに供給される。スピンドルが前進している間は部品切り離し口への通路は遮られるため次の溶接ナットの供給は規制される。前記スピンドルが元の位置に後退すると同時に前記次の溶接ナットは整列したまま前記エスケープメントレール8の傾斜角にそって自重で下降し部品切り離し口12に送られてくる。
【0024】
前記スピンドル11が後退端に達すると同時に,後退端の検出信号で溶接タイマが起動し上部電極E1が下降する。前記上部電極の下降動作で下部電極E2のガイドピンPが押し戻されると,その変位量を検出してナット供給確認がなされる。供給部品有り無しの確認信号で溶接がスタートし,電極間に溶接に必要な加圧力を発生させるとともに溶接電流を流しナットプロジェクション溶接が行われる。この溶接期間中はスパッタ付着防止用のエアブローが動作し,ナット供給用のエアブローと下部電極の内側からガイドピンの外側に圧縮エアが噴出する。このようにしてナット供給から溶接までの1サイクルの動作が完了する。
【0025】
【発明の効果】
以上で説明したように,本発明の装置によれば,分離装置(セパレータ)を使用しないから,溶接ナットを一つひとつカウントする必要はない。また振動ボールのバイブレータ及び/又はエアブローを停止している期間中もエスケープメントレールの溶接ナットストック領域内のフルワークの溶接ナットは前記スピンドルが前進して元の位置に後退するごとに自重で下降して部品切り離し口に供給されるため部品がズレたり供給ミスがなくストッパ早期磨耗を防ぐことができ,溶接ナットをワークセット位置に精度よく自動供給することができる。また溶接ナットストック領域内へのフルワークは振動ボールからダイレクトに供給されるためエアノズルの近くで一つひとつ部品を検出して振動ユニットの始動・停止,さらにエアブロー回路の空気弁切り替えを頻繁に行うことがなくなり,従来のように目的個所の近くに整列部品を貯めたりこれを解除するための,整列部品個数を検出する検出器や振動ユニットの始動・停止を司令する余分な制御回路も必要なく,回路構造も格段に簡素化することができ,コスト面でも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の部品供給システムの実施例を示す概略図である。
【図2】 本発明のフィーダユニットの断面図である。
【図3】 本発明装置の動作例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1 パーツフィーダ 2 振動ボール
3 シュート 4 部品供給チューブ
5 エアブロー用ブロック 6 エアノズル穴
7 フィーダユニット 8 エスケープメントレール
9 シリンダケース 10 レール支持ブロック
11 スピンドル 12 部品切り離し口
13 部品開閉手段 14 固定ヒンジ
15 板バネ 16 検出手段(近接スイッチ)
17 接続金具 18 ボルト 19 支持板
Claims (1)
- 任意の角度からスピンドルを直線往復移動させて該直線往復路と略直角に交わる部品切り離し位置で支持された溶接ナットを抵抗スポット溶接機の下部電極のガイドピンに挿入するフィーダユニットと,前記溶接ナットをパーツフィーダの振動ボールから連続的に整列して送り出す螺旋状のシュートと,前記シュートの終端に接続され前記シュートからの溶接ナットを,中空管内を通して送り出す部品供給チューブと,前記チューブの終端に接続されかつ前記チューブの終端から前記フィーダユニットの先端に向かって次第に低くなるように傾斜角度を付けて取付けられたエスケープメントレールと,前記チューブと前記シュートとの接続部位には溶接ナットを前記チューブ内に圧縮エアを噴出させて送り出すためのエアノズルを有するエアブロー用ブロックとを有し,前記チューブと前記エスケープメントレールの接続部位又はその近傍には前記シュート終端から前記チューブ内を通して前記エスケープメントレールの傾斜した溶接ナットストック領域内にダイレクトに供給される溶接ナットを検出するための検出手段が設けられており,しかも該検出手段は前記エスケープメントレールの傾斜した溶接ナットストック領域内の前記フルワークを検出したときに検出信号を出力し,その検出信号でタイマを起動させ所定時間T5を経過した後に前記ボールのバイブレータを停止させ,次いで前記バイブレータ停止時から所定時間T6を経て前記チューブ内のエアブローを停止させる;一方また前記検出器が前記フルワークでないと検出したときは前記タイマ起動で所定時間T3を経過して後にエアブローが始動し前記チューブ内に圧縮エアを噴射させ,次いで前記エアブロー開始から所定時間T4を経て前記バイブレータを開始させる;それによって前記溶接ナットストック領域内の溶接ナットが前記バイブレータ及び/又は前記エアブローの停止期間に関係なく前記部品切り離し位置に供給される溶接ナット供給装置。
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JP2002255857A Expired - Lifetime JP4188646B2 (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 溶接ナット供給装置 |
Country Status (1)
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2002
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