JP4188590B2 - 三フッ化窒素の製造方法及び装置 - Google Patents

三フッ化窒素の製造方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸性フッ化アンモニウム溶融物中間体を用いて、アンモニアと化学元素のフッ素から三フッ化窒素とフッ化水素を製造する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
三フッ化窒素はアンモニアとフッ素の気相反応により製造できる。反応1は所望の気相NF3製造反応を示す。
3F2(g)+NH3(g)
→NF3(g)+3HF(g)(ΔH=−904KJ/gモルNF3
反応1
ここで、(g)は気相を示す。固体触媒は所望の動作温度を下げて、NF3の収量を増大するためにしばしば使用される。しかしながら、この高発熱反応において反応器温度を制御することは極めて困難である。その結果、気相のアンモニアとフッ素は反応してかなりの量のHF、N2、N22及びNH4Fを生成するが、一般にNF3の収率は実質的に10パーセントより少ない。
【0003】
米国特許No.4,091,081は溶融酸性フッ化アンモニウム[NH4F(HF)x]をガス状フッ素[F2]とアンモニア[NH3]に接触させることにより三フッ化窒素[NF3]と副生物の酸性フッ化アンモニウム[NH4F(HF)x]を製造する高収率方法を教示する。米国特許No.5,637,285は高水準の混合強度を利用し、またHF/NH3モル比が2.55(1.55より大きい溶融物酸性度x値に等しい)より大きい酸性フッ化アンモニウムを利用することにより収率が更に増大する類似の方法を記述する。しかしながら、前記特許5,637,285に記述された方法はいくつかの理由で好ましくない。この5,637,285特許に開示された方法は酸性フッ化アンモニウム廃棄物流を生じ、これにより廃棄の問題が発生する。更に、HF/NH3モル比又は液体酸性フッ化アンモニウム[NH4F(HF)x]のx値を所望の水準に維持することが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この技術分野では、上述の欠点を生じることなく、三フッ化窒素を高収率で製造する方法が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は溶融物酸性度値(melt acidity value)の正確な制御を必要とすることなく、酸性フッ化アンモニウム溶融物中間生成物を用いて三フッ化窒素を製造する方法及び装置を提供する。本発明はフッ素含有供給物流を、反応帯中で一定の時間及び三フッ化窒素を生じるのに十分な条件の下で、液体の酸性フッ化アンモニウム、例えばNH4yz(HF)x、(ここで、xは溶融物酸性度値である)と接触させることを含む。一つの反応器における接触工程を通じて、前記ガス状供給物流と接触する前記液体の酸性フッ化アンモニウムの有効溶融物酸性度値は低下するが、バルクの溶融物酸性度値はほぼ一定に保たれる。好ましくは、前記有効溶融物酸性度値は、反応帯の動作条件下で最高の三フッ化窒素の収量を生じる最適値を越える値からほぼ前記最適値まで低下する。三フッ化窒素を含有する反応生成物流は前記反応帯から取り出される。その結果、所望されない副生窒素の生成が、収率を犠牲にすることなく、又はバルクの溶融物酸性度x値を単一の値に正確に制御することを要することなく、抑制される。
【0006】
前記接触工程を通じて有効溶融物酸性度値を低下させる一つの方法は連続する反応器中で前記フッ素含有供給物流を液体酸性フッ化アンモニウムと接触させることであり、この方法において、連続する反応器のそれぞれは次第に低下する有効溶融物酸性度値を有する酸性フッ化アンモニウムを含有する。好ましい態様において、前記低下する有効溶融物酸性度値は化学元素のフッ素及びフッ化水素のガス状混合物を形成することにより達成される。前記ガス状混合物は一定の時間及び三フッ化窒素を生じるのに十分な条件の下で液体の酸性フッ化アンモニウムと接触する。前記ガス状供給物流中にフッ化水素が存在するため、反応帯における最初の有効溶融物酸性度値は前記バルク液体酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度値よりも大きいであろう。一つの態様において、前記最初の有効溶融物酸性度値は前記反応帯中の前記バルク液体酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度値よりも少なくとも約0.05大きく、好ましくは少なくとも約0.1大きく、更に好ましくは少なくとも約0.3大きい。前記バルク液体酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度値は好ましくは約1.8より小さく、より好ましくは約1.6より小さい。
【0007】
一つの態様において、三フッ化窒素及び同伴された液体酸性フッ化アンモニウムを含有する反応生成物流が上述の反応帯から取り出される。前記反応生成物流は好ましくは分離撹拌タンクのような再生帯中に導入され、ここで再生帯の動作圧力は反応帯の動作圧力よりも低く、その結果、同伴された液体酸性フッ化アンモニウムからガス状のフッ化水素が放出される。三フッ化窒素及びフッ化水素を含む再生生成物流は次いで前記再生帯から取り出され、そして前記三フッ化窒素からフッ化水素を分離するために分離帯中に導入されてもよい。分離帯で分離されたフッ化水素の少なくとも一部は好ましくは前記ガス状供給物の混合物中で使用するために前記反応帯へ再循環されて気化する。
【0008】
また、液体酸性フッ化アンモニウムを再生帯から反応帯に再循環させることが好ましい。一つの態様において、反応帯に再循環された液体酸性フッ化アンモニウムの流量は三フッ化窒素の生成反応の高い発熱を弱めるのに十分である。例えば、再循環された酸性フッ化アンモニウムの流量は前記供給物流中のフッ素と反応するのに必要な化学量論的流量の少なくとも約1000倍であることが望ましく、より好ましくは前記化学量論的流量の少なくとも約2000倍であることが望ましく、更により好ましくは前記化学量論的流量の少なくとも約2500倍であることが望ましい。再循環された液体酸性フッ化アンモニウムは酸性フッ化アンモニウムを反応帯に再循環する前にガス相を液体酸性フッ化アンモニウムから分離するために好ましくは気体‐液体分離タンクを通過する。前記分離タンクで集められた前記ガス相は再生生成物流と一緒にされる
【0009】
酸性フッ化アンモニウムの補給流が必要に応じて本発明の方法に導入される。この補給流は第2の反応帯中でアンモニアをフッ化水素と反応させることにより製造できる。好ましくは、この補給酸性フッ化アンモニウム流は前記再生帯に導入される。一つの態様において、前記補給酸性フッ化アンモニウム流は同伴された酸性フッ化アンモニウムを前記再生生成物流から回収するために、例えばデミスター(demister)中において前記再生生成物流と接触する。その代わりに、前記酸性フッ化アンモニウムを生成するためにアンモニアを最初の反応帯に直接に供給してもよい。
【0010】
また、本発明は三フッ化窒素を製造するための装置を提供する。この装置は化学元素のフッ素及びフッ化水素を含有するガス状混合物の供給装置、及び前記ガス状混合物供給装置と流体連結する最初の反応器を含む。この反応器は好ましくは反応帯及び出口を含み、この反応帯前記ガス状混合物を液体の酸性フッ化アンモニウムと接触させるように機能的に配置されている。この装置は更に前記反応器の出口と流体連結し、そして再生帯と生成物出口を有する再生装置を含む。この再生帯三フッ化窒素とフッ化水素を含む再生生成物流を液体酸性フッ化アンモニウムから分離するように機能的に配置されている。この装置は再生装置の生成物出口と流体連結する分離器を更に有していてもよい。この分離器は気体出口と液体出口を有し、またこの分離器液状のフッ化水素を気体の三フッ化窒素から分離するように機能的に配置されている
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は好ましい態様が示される添付図面を参照して以下に更に詳細に示されるであろう。しかしながら、本発明は多くの異なる形式で具体化することができ、ここに示される態様に限定されるものではない。これらの態様は本発明の開示が綿密で完全であるように説明されており、当業者に本発明の範囲を十分に伝達できるであろう。同じ数字は明細書を通じて同じ構成要素を示す。
【0012】
本発明において、用語の“酸性フッ化アンモニウム”は全てのアンモニウムポリ(フッ化水素)錯体及びアンモニウムフルオロメタレート(fluorometallate)ポリ(フッ化水素)錯体を含む。酸性フッ化アンモニウムの組成はNH4yz(HF)xの酸‐塩基化学量論によって一般的に記述することができ、ここで、Mは元素の周期表の第IA〜VA族、第IB〜VIIB族及び第VIII族から成る群から選ばれる金属又はその混合物であり、yは0〜12であり、zは1〜12であって、錯体の電荷的中性を維持するために選ばれ、そしてxは溶融物酸性度値である。好ましい態様において、yは0、zは1であり、従ってNH4F(HF)xの酸‐塩基化学量論を有する錯体を生じる。しかしながら、その他の酸性フッ化アンモニウム錯体も本発明から外れることなく使用できる。
【0013】
本発明に含まれるNH3製造方法の化学反応を以下に簡単に記述する。酸性フッ化アンモニウム溶融物中間体であるNH4F(HF)x(ここでxは溶融物酸性度値である)は典型的に下記反応2を経由する気体アンモニアと気体HFとの反応により生成するか、又は下記反応3を経由する気体アンモニアとNH4F(HF)x溶融物との反応により生成する。
NH3(g)+(1+x)HF(g)→NH4F(HF)x(l)
反応2
NH3(g)+αNH4F(HF)x+(x+1)/ α(l)
→(α+1)NH4F(HF)x(l)
反応3
ここで、(l)は液相中の化学種を示す。
【0014】
反応2又は反応3からの酸性フッ化アンモニウム生成物は気体フッ素と反応して以下の反応4を経由して所望の三フッ化窒素を生成できる。
3c12(g)+c1(α+1)NH4F(HF)x(l)
→c1NF3(g)+αc1NH4F(HF)x(l)+c1(4+x)HF(l)
反応4
ここで、c1は反応によりNF3を生じるF2の画分であり、またαはNH 4 ( HF ) x (l)の化学量論的供給に対するNH4F(HF)x(l)の生成の比率である。主要な競争反応である以下の反応5は、NF3よりもむしろN2を生じる。
3c22(g)+c2(α+2)NH4F(HF)x
→c22+αc2NH4F(HF)x+c2(8+2x)HF(l)
反応5
ここで、c2は反応によりN2を生じるF2の画分である。
【0015】
或いは、F2は以下の反応6に示すように反応することなくNF3反応器を通過できる。
32(g)→c32(g)
反応6
ここで、c3は反応しないF2の画分である。上述の分析結果から、反応4〜6は全てのフッ素反応(c1+c2+c3=1)を示すことが推定される。
HF副生物は反応7を経由する蒸発によりNH4F(HF)x溶融物から取り出すことができる。
1(4+x)HF(l)+c2(8+2x)HF(l)
→c1(4+x)HF(g)+c2(8+2x)HF(g)
反応7
【0016】
図2は与えられた一組のプロセスパラメーターにおけるベンチスケールのバッチNF3実験の推定F2反応収量分布(c1,c2,及びc3)の図表である。この分析結果は、最適値よりも小さい(即ち、NF3の最高収量を生じるNH 4 ( HF ) x 溶融物酸性度値よりも小さい)NH4F(HF)x溶融物酸性度値に関して、反応5が主に低いNF3転化率の原因となることを示す。最適値よりも大きいNH4F(HF)x溶融物酸性度値に関しては、未反応F2(反応6)が主に低いNF3転化率の原因となる。
【0017】
また図2は従来のF2反応路Aと好ましいF2反応路Bを示す。米国特許No.5,637,285に記述された方法では、フッ素は単一の気泡塔又は単一の撹拌タンク中においてNH4F(HF)x溶融物に接触する。両形式の反応器は実質的に単一のNH4F(HF)x酸性度レベルで作動し、その結果F2供給物は反応路Aで示すように、一定の溶融物酸性度値においてNF3に転化する。これに対して、好ましい反応路Bは先ずフッ素含有ガスを最適値より大きい酸性度x値を有するNH4F(HF)x溶融物に接触させ、これによりフッ素の反応率は低くなるが、NF3の選択性は高くなり、次いで前記フッ素含有ガス次第に低下する酸性度x値を有するNH4F(HF)x溶融物に接触させて、次第に高くなるF2反応率と適度に減少するNF3の選択性を得る。この方法により、最適NH4F(HF)x溶融物酸性度値又はバルクNH4F(HF)x溶融物酸性度x値の注意深い制御に関する詳細な知識を持つことなく、ほぼ最適NF3転化率を達成できる。
【0018】
本発明バルク酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度値を最適な設定値に厳密に維持することを必要とせずに、酸性フッ化アンモニウム中間体を利用する三フッ化窒素の効率的な製造方法及び装置を提供する。本発明の方法において、フッ素含有供給物流はNH4yz(HF)x(ここで、xは溶融物酸性度値である)のような液体酸性フッ化アンモニウムと反応帯中で一定の時間及び三フッ化窒素を生じるのに十分な条件の下で接触する。上述の反応路Bを良好にエミュレートするために、フッ素含有供給物流と接触する液体酸性フッ化アンモニウムの有効溶融物酸性度x値(すなわち、反応器の入口の領域における溶融物酸性度x値)は前記接触工程を通じて低下する。前記フッ素含有気泡と接触する液体酸性フッ化アンモニウムの“有効溶融物酸性度x値”は反応器動作条件(即ち、反応器の温度及び圧力)において前記フッ素含有気泡中のフッ化水素(HF)の分圧と平衡状態にある溶融物酸性度値である。好ましくは、前記低下工程は前記液体酸性フッ化アンモニウムの有効溶融物酸性度値を、反応帯の条件下で最高の三フッ化窒素収量を生じる最適値を越える値から、ほぼ前記最適値まで低下させることを含む。最初の有効溶融物酸性度値は反応帯中のバルク液体酸性フッ化アンモニウム(すなわち、反応帯中の全体の液体酸性フッ化アンモニウム)の溶融物酸性度値よりも少なくとも約0.05大きく、好ましくは少なくとも約0.1大きいか、又は少なくとも約0.3大きい。例えば、一つの態様では、溶融物酸性度値は約1.8〜約2.0の初期値から約1.6〜約1.8の低い値まで低下する。
【0019】
一つの態様において、前記接触工程は撹拌タンク又は気泡塔のような連続した反応器又は段階の中で実施され、連続する反応器は、それらの反応器を経るごとに次第に低下するバルク溶融物酸性度x値を有する酸性フッ化アンモニウムを含有する。この態様では、前記フッ素含有ガスは好ましくは酸性フッ化アンモニウムと向流で接触する。フッ素含有供給物流が最初の反応器又は段階を出るとき、このフッ素含有供給物流中のHFの分圧は最初の段階の酸性フッ化アンモニウムのバルク溶融物酸性度x値と平衡状態になる。その結果、第2段階における酸性フッ化アンモニウムの初期有効溶融物酸性度x値は第2段階以降のバルク溶融物酸性度x値よりも高くなるであろう。
【0020】
フッ化水素[HF]化学元素のフッ素に添加され、その結果、ガス状供給物の混合物が反応帯中の液体酸性フッ化アンモニウムに最初に接触するため、有効溶融物酸性度x値はバルク酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度x値よりも大きくなる。前記フッ素含有気泡に接触する液体酸性フッ化アンモニウムの有効溶融物酸性度値は気泡が反応帯を通過するにつれて低下する。上述したように、前記フッ素含有気泡に接触する液体酸性フッ化アンモニウムの有効溶融物酸性度x値は反応器の動作条件において気泡中のHF分圧と平衡状態になる溶融物酸性度値である。前記気泡が反応帯に入る時の最初の有効溶融物酸性度x値は反応帯へのフッ素含有供給物流中のHF分圧と平衡状態になる溶融物酸性度x値である。前記気泡が反応帯を出る時まで、前記気泡のHF分圧はバルク溶融物酸性度値と実質的に平衡状態にある。従って、前記有効溶融物酸性度x値及びバルク溶融物酸性度値は気泡が反応帯を出る時にほぼ等しくなる。バルク液体酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度x値は反応帯中に含まれる酸性フッ化アンモニウムの全容積の酸性度値として定義される。酸性フッ化アンモニウムは反応帯内で一般によく混合されるため、バルク酸性度値は反応帯を通じて均一であると推定される。反応帯は酸性フッ化アンモニウム及びフッ素含有供給物流が三フッ化窒素を生成できる状態で接触する場所として定義される。
【0021】
本質的に、フッ化水素を反応体供給物に添加すると、各ガス状供給物気泡は図2に示す好ましい反応路Bに沿って移動する。例えば、それぞれのF2‐HF気泡が最適レベル又はそれより僅かに低いレベルの溶融物酸性度値を有する酸性フッ化アンモニウム溶融物を通過する場合、有効溶融物酸性度値は初めは最適の酸性度値又はそれ以上であり、次いで前記気泡が酸性フッ化アンモニウムと相互作用するにつれて低下する。フッ素含有気泡が反応帯を出る時までは、前記気泡内のフッ化水素の分圧は実質的に前記バルク酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度値と平衡状態にある。その結果、前記有効溶融物酸性度値と反応帯を出る気泡のバルク溶融物酸性度値は実質的に等しくなる
【0022】
方程式E1はフッ化水素及び化学元素のフッ素を含有する供給物ガスに関する有効NH4F(HF)x溶融物酸性度x値の有益な評価を与える。
Figure 0004188590
方程式E1
ここで、tはNH4F(HF)x溶融物の温度℃であり、xは溶融物酸性度値であり、そしてPはフッ化水素の蒸気圧mmHgである。一つの複雑な要素は、実際のフッ化水素の分圧が反応帯の他の動作条件、特に含水量の重要な関数である可能性があることである。フッ化水素の分圧は酸性フッ化アンモニウムの含水量が少し増加すると劇的に減少する。この制約及びその他の類似の制約にもかかわらず、経験によると、方程式E1は化学元素のフッ素を含有する供給物ガス中のフッ化水素の分圧を設定する確実な手引きを与える。上述のように、フッ素含有供給物中のHFの分圧は、酸性フッ化アンモニウムの最初の有効溶融物酸性度x値が、測定されたバルク酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度x値よりも大きくなるように設定される。
【0023】
本発明の装置10の一つの態様を図1に示す。ここに示されるように、化学元素のフッ素を含有する供給物流1は反応器100に供給される。供給物流の流量は典型的にタンクの断面積の平方メートル当り毎秒約0.01〜約0.05立方メートルである。図1に概略的に示されるように、フッ素含有ガス供給物流1は混合点12でガス状フッ化水素流と混合される。一般に、再循環された液体フッ化水素流5はフッ素含有供給物流1と混合される前にヒーター1000を用いて気化される。フッ素及びフッ化水素から成る生成したガス混合物14は次いで反応器100に送られる。好ましくは、ガス状供給物の混合物14中のフッ化水素の分圧は反応器100の130℃の動作温度において、少なくとも約15kPa(少なくとも約1.49の酸性フッ化アンモニウムの有効溶融物酸性度xの値に相当する)であり、より好ましくは少なくとも約25kPa(少なくとも約1.67の酸性フッ化アンモニウムの有効溶融物酸性度値に相当する)である。一つの態様では、供給物流中のHFの分圧は反応器100の動作条件において約15〜約60kPaであり、好ましくは約30〜約50kPaである。
【0024】
再循環された酸性フッ化アンモニウム[NH4F(HF)x]流6も反応器100に送られる。図示のように、必須ではないが、ガス供給物の混合物14は反応器100に導入される前に再循環流6と結合してもよい。この態様では、“反応帯”は前記2つの流れが混ぜられた後に反応器100に導かれる配管の部分を含むだろう。或いは、前記2つの流れ6及び14は別々の位置で反応器100に導入できる。再循環された酸性フッ化アンモニウム流6は好ましくは化学量論的供給量よりも少なくとも約1000倍大きい流量で反応器100に入り、より好ましくは化学量論的供給量よりも少なくとも約2000倍大きい流量で反応器100に入り、そして最も好ましくは化学量論的供給量よりも少なくとも約2500倍大きい流量で反応器100に入る。
【0025】
一つの態様において、反応器100に入る酸性フッ化アンモニウム溶融物は約1.8より小さいバルク溶融物酸性度値を有し、より好ましくは約1.6より小さいバルク溶融物酸性度値を有する。一つの態様において、反応器100中のバルク溶融物酸性度値は約1.5以下である。上述のように、ガス供給物流14中にフッ化水素が存在すると、ガス供給物に接触する液体酸性フッ化アンモニウムの最初の有効溶融物酸性度値は反応器100中の前記バルク(すなわち全体の)溶融物物質の酸性度値よりも高くなる。好ましくは、最初の有効溶融物酸性度値は反応器100中のバルク液体酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度値よりも少なくとも約0.05大きく、より好ましくは前記溶融物酸性度値よりも少なくとも約0.1大きいか、又は少なくとも約0.3大きい。
【0026】
三フッ化窒素の収量は酸性フッ化アンモニウムの融点に到達するまで、温度の減少につれて増大するため、反応器100を低温で作動させ、そして温度勾配を最小にすることが有利である。三フッ化窒素の生成に伴なう反応の発熱が極めて高いにもかかわらず、反応器100中の最大温度上昇は酸性フッ化アンモニウム流6の流量を大きくすることにより僅か約4〜5℃に制限できる。また、反応器100、再生器200(以下に述べる)及び連続配管は装置10から過剰な熱を除去するための十分な表面積を提供する。更に、反応器100と再生器200との間の連続配管が適切な大きさに設定される場合、再循環流6の流量はフッ素含有供給物流1の流量に略比例し、このフッ素含有供給物流1の流量は反応熱に略比例する。従って、反応器100の最高温度上昇は適度に増大するだけであり、それによりフッ素供給物流1の流量を増大させるであろう。
【0027】
反応器100は好ましくは撹拌タンク反応器であるが、バブル塔のような公知の他の反応器も使用できる。好ましい態様では、反応器100はタービン又は気体‐液体混合物の撹拌に有用なその他の公知の撹拌装置を含む。図示のように、一つの態様において、この撹拌装置はエアレーション羽根車130及びこの羽根車に供給物流を導く立ち管18を含む。前記タービン又はその他の撹拌装置に入力される電力は好ましくは酸性フッ化アンモニウム溶融物の立方メートル当り約1キロワットより大きく、より好ましくは前記溶融物の立方メートル当り約5キロワットより大きい。反応器100中の酸性フッ化アンモニウム溶融物の深さは好ましくは約1メートルより大きく、より好ましくは約2メートルより大きい。反応器100は好ましくは約80〜約200kPaの圧力及び約120〜約150℃の温度で動作する。
【0028】
一つの態様において、ガス生成物のバイパス管路30は反応器100の頂部から後述のデミスター500まで、又は反応器100と再生器200との間の中間点まで延びる。バイパス管路30の主な目的は反応器の操業停止の前に反応器100をパージする能力を持つことである。またバイパス管路30中の流量は、正常な反応器操作を通じて、再循環酸性フッ化アンモニウム[NH4F(HF)x]流6の流量及び再生器200へのガス流を減少させるために使用できる。前記流れ6の最大流量及び再生器200への最大ガス流は反応器100からデミスター500へのバイパス管路30を通るガス流を使用しないで達成され、これは通常好ましい操作方法である。反応器100からデミスター500へのバイパス管路30のガス流が過度であると、反応器中の溶融物の高さ110と再生器中の溶融物の高さ210との間の高度差120が減少し、これは好ましくない。
【0029】
反応器生成物流7は反応器100から取り出されて、再生器200ヘ供給される。反応器生成物流7は三フッ化窒素、フッ化水素及び反応器100で生じた窒素、更に同伴された酸性フッ化アンモニウム溶融物及び少量の未反応フッ素を含む。反応器生成物流7の流量は典型的に毎秒タンクの横断面積の平方メートル当り約0.1〜約0.5立方メートルである。必要な場合には、装置10の始動を通じて、窒素流28を反応器生成物流7中に導入できる。
【0030】
再生器200は反応器100と同じ形式の撹拌タンクからなっていてもよい。反応器100と同様に、前記タービン又はその他の撹拌装置に入力される電力は好ましくは酸性フッ化アンモニウム溶融物の立方メートル当り約1キロワットより大きく、より好ましくは前記溶融物の立方メートル当り約5キロワットより大きい。図示のように、この撹拌装置は好ましくはエアレーション羽根車220及びこの羽根車に供給物流を導く立ち管22を含む。
【0031】
再生器200は反応器100よりも低い圧力で動作する。再生器200の動作圧力は反応器100の動作圧力よりも少なくとも約50kPa低い。1つの態様では、再生器200の圧力は約5〜約20kPaである。再生器200の圧力が低いと、再生器200に入る液体酸性フッ化アンモニウムからのガス状フッ化水素の放出が促進される。反応器100と再生器200の間に動作する圧力差は好ましくは反応器100より高く再生器200を上げることにより達成され、その結果、反応器100の圧力は前記高度差から生じる液体ヘッド圧力を再生器200の圧力に加えたものになる。再生器200内の酸性フッ化アンモニウム溶融物表面210と所望の圧力差に達するのに必要とされる反応器100内の溶融物表面110との間の必要な高度差120は典型的な酸性フッ化アンモニウム溶融物の比重1.3を用いて概算される。2つのタンクの100及び200内の酸性フッ化アンモニウム溶融物の残留量を少し調整することにより、再生器200内の溶融物の高さ210を制御できる。一つの態様において、高さ120は少なくとも約6メートル、より好ましくは少なくとも約8メートルである。再生器200の動作温度は好ましくは反応器100よりもわずか約5℃低い。
【0032】
三フッ化窒素、フッ化水素、窒素及び同伴の酸性フッ化アンモニウムを含む再生生成物流16は再生器200から取り出されて、デミスター500へ送られ、ここで同伴の酸性フッ化アンモニウムが補給の酸性フッ化アンモニウム流9と向流接触することにより回収される。この技術分野で知られているように、他の形式の装置も生成物流16から前記同伴の液体を分離できる。
【0033】
前記補給の酸性フッ化アンモニウムは第2反応器400内で製造され、ここでフッ化水素流8及びアンモニア流2が混合され反応して、酸性フッ化アンモニウム溶融物を生成する。この反応は極めて発熱的であるため、冷却壁流下膜反応器が好ましい。好ましくは、第2反応器400を出る酸性フッ化アンモニウム流9の溶融物酸性度値は少なくとも約1.8であり、より好ましくは少なくとも約2.0である。比較的高い溶融物酸性度値の補給流9を使用すると、再生器生成物流16の温度を急速に低下させて、三フッ化窒素の分解を最小にできるため、有利である。更に、溶融物酸性度値を高くすると、第2反応器400を一般的な40℃の冷却水で冷却できる。
【0034】
上述したように、再生器200からの酸性フッ化アンモニウム溶融物は流れ6を経由して反応器100に再循環される。好ましくは、この再循環酸性フッ化アンモニウムは、気体/液体の分離を助ける静止帯を提供する気体‐液体分離器300に通される。気体‐液体分離器300から出るガス流20は好ましくはデミスター500に向かう再生器生成物流16と一緒にされるか、又はデミスターに直接供給される。気体‐液体分離器300の主な目的は流れ6と流れ7との間に十分な密度差を生じさせることであり、その結果、流れ6中に好ましい酸性フッ化アンモニウムの流量が達成される。しかしながら、流れ6中にかなりの量のガスが同伴していることが本発明では許容される。
【0035】
同伴された酸性フッ化アンモニウムの取り出しに続いて、ガス状生成物流10がデミスター500から取り出され、そして好ましくはフッ化水素から粗三フッ化窒素生成物を分離するように設計された連続するプロセス段階に供給される。図示のように、一つの態様では、ガス状生成物流10は真空ポンプ供給物冷却器600に通される。好ましくは、真空ポンプ供給物冷却器600は生成物流10の温度を約50℃より低い温度に減少させる。次いで生成物流10は、好ましくは段階間冷却式のドライ真空ポンプを含む真空ポンプ700に通される。真空ポンプ700の吐出圧は好ましくは大気圧よりもわずかに大きい。その後、生成物流10は好ましくは還流冷却器を備える気体‐液体分離器800に入る。この分離機800はガスの出口26と液体の出口24を含む。粗三フッ化窒素流3は好ましくは生成物流10中に認められる約1%未満のフッ化水素を含有する。これは還流冷却器900を用いて約−30℃の温度で達成できる。粗生成物流3は次いで販売し易い製品を製造するために公知の清浄化技術を用いて清浄化されてもよい。
【0036】
図1に示すように、分離器800の液体出口24は工程の5及び8で使用される2種類のフッ化水素流と流体連絡し、これによりフッ化水素の再循環が可能になる。また、副生物のフッ化水素流4が必要に応じて前記工程から取り出されてもよい。
【0037】
以下の方法が反応器100及び再生器200の動作圧力を決定し、そして酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度値を制御するために使用されてもよい。上述したように、実質的に全てのフッ化水素を生成物流10から回収するのに十分低い温度で還流冷却器900を作動させることが好ましい。アンモニア供給物流2の流量と副生物のフッ化水素流4の流量はフッ素供給物流1の流量と反応4〜6中のc1,c2,及びc3予測値に基づいて概算できる。次いで、再生器200中の圧力が適当な流れ6及び8の流量を与えるために決定されてもよい。上述したように、これにより再生器200の圧力は約5〜20kPaの範囲内になる。再循環流6及び反応器生成物流7の酸性フッ化アンモニウム溶融物酸性度、又は反応器100又は再生器200の溶融物の残留量中の酸性フッ化アンモニウム溶融物酸性度を定期的に測定することがc1,c2,及びc3の推定値及び流れ2及び4の流量を更新するために採用されてもよい。反応器100、再生器200及び相互接続配管中のフッ化水素の残留量は副生物流4の流量に比べて大きいため、フッ素の供給量、アンモニウムの供給量又はc1,c2,及びc3の値に関する見積もりに実質的な誤りがあっても、流れ6及び7における酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度値の変化は遅くなるであろう。
【0038】
下記の表1〜3は図1におけるいくつかの標識化流に関する典型的な流れの特性の要約を示す。
【表1】
Figure 0004188590
【0039】
【表2】
Figure 0004188590
【0040】
【表3】
Figure 0004188590
【0041】
実施例1
図3のデータはフッ化水素をフッ素供給物に添加する有効性を示す。図3で与えられた反応器の動作条件において、最適の溶融物酸性度x値は約1.7である。35kPaのHFの分圧は約1.8の最初の有効溶融物酸性度x値に等しい。F2供給物にHFを添加すると、1.7の最適値より小さいバルクNH4F(HF)x溶融物酸性度x値の悪影響を劇的に低下させることを図3のデータは示す。この最適なNH4F(HF)x溶融物酸性度x値を越えて、HFをフッ素供給物に添加すると、NF3転化率とNH4F(HF)x溶融物酸性度値との間の関係に少し効果がある。最適な性能は最適なバルク溶融物酸性度値における最初の有効溶融物酸性度値で達成されるであろう。しかしながら、本発明の利点の一つは使用者が前記最適値より僅かに大きい最初の有効溶融物酸性度x値及び前記最適値より僅かに下のバルクNH4F(HF)x溶融物酸性度値を選択できることである。従って、反応器の動作条件の検出されない変化又はNH4F(HF)x酸性度値の偏位に基づく最適のNH4F(HF)x酸性度値の変化に対して、NF3の生成率が敏感になることは極めて少ないであろう。またフッ素供給物中にHFを存在させると、酸性フッ化アンモニウムによる閉塞の可能性が低下するため、スパージャー又は他の気泡装置の信頼性と操作性が改善される。
【0042】
本発明の多くの変更とその他の態様が本発明に関連する技術の専門家であって、上述の記述と関連する図面に示された教えの利益を持つ者に思い浮かぶであろう。従って、本発明は開示された特定の態様に限定されず、また変更及び他の態様は添付の特許請求の範囲内に含まれるものである。特定の用語がここに採用されるが、これらは一般的で記述的な意味だけで使用され、何ら限定を目的とするものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の一つの態様の工程フローダイヤグラムである。
【図2】 バッチで行われるベンチスケール実験において、NH4F(HF)x溶融物酸性度x値の関数としての推定F2反応分布(c1,c2,及びc3)のグラフである。
【図3】 フッ素供給物中の異なるフッ化水素の分圧におけるNH4F(HF)x溶融物酸性度x値の関数としての三フッ化窒素の収率のグラフである。

Claims (23)

  1. 化学元素のフッ素及びフッ化水素を含む供給物流を準備し、
    前記供給物流を一連の反応器の中で液体の酸性フッ化アンモニウムと接触させ、ここで、連続する反応器のそれぞれは直前の反応器におけるバルク溶融物酸性度値よりも低いバルク溶融物酸性度値を有する液体の酸性フッ化アンモニウムを含み、そして
    一連の反応器における最後の反応器から三フッ化窒素を含有する反応生成物流を取り出す
    ことを含む、三フッ化窒素の製造方法。
  2. 一連の反応器のうちの最初の反応器におけるバルク溶融物酸性度値は最高の三フッ化窒素の収量をもたらす最適値よりも高く、そして一連の反応器のうちの最後の反応器におけるバルク溶融物酸性度値は前記最適値である、請求項1記載の方法。
  3. 前記酸性フッ化アンモニウムはNH4yz(HF)xの酸‐塩基化学量論を有し、ここで、Mは元素の周期表の第IA〜VA族、第IB〜VIIB族及び第VIII族から成る群から選ばれる金属又はその混合物であり、yは0〜12であり、zは1〜12であり、そしてxは溶融物酸性度値である、請求項1記載の方法。
  4. 前記酸性フッ化アンモニウムはNH 4 ( HF ) x の酸‐塩基化学量論式を有し、ここで、xは溶融物酸性度値である、請求項1記載の方法
  5. 化学元素のフッ素及びフッ化水素のガス状混合物を準備し、
    前記ガス状混合物を液体酸性フッ化アンモニウムを含む反応帯中に供給し、
    前記ガス状混合物を一定の時間及び三フッ化窒素が生成するのに十分な条件の下で前記液体酸性フッ化アンモニウムと接触させ、ここで、前記反応帯における前記液体酸性フッ化アンモニウムのバルク溶融物酸性度値は1 . 5以下であり、そして
    前記反応帯から三フッ化窒素を含有する反応生成物流を取り出す
    ことを含む、三フッ化窒素の製造方法。
  6. 前記ガス状混合物が前記液体酸性フッ化アンモニウムと最初に接触する反応帯の領域において、有効溶融物酸性度値は前記反応帯のその他の部分における液体酸性フッ化アンモニウムの溶融物酸性度値よりも少なくとも . 05大きい、請求項記載の方法。
  7. 前記ガス状混合物中のフッ化水素の最初の分圧は前記反応帯の動作温度及び動作圧力において15 kPa 〜60 kPa の範囲である、請求項5記載の方法。
  8. 前記反応帯の動作温度は120℃〜150℃の範囲であり、前記反応帯の動作圧力は80 kPa 〜200 kPa の範囲である、請求項記載の方法。
  9. 前記接触工程は撹拌されるタンク反応器中で実施される、請求項記載の方法。
  10. 前記反応生成物流は三フッ化窒素および同伴される液体酸性フッ化アンモニウムを含み、前記方法は、
    前記反応生成物流を再生帯に導入し、ここで、前記再生帯の動作圧力は前記反応帯の動作圧力よりも低く、それによって前記同伴される液体酸性フッ化アンモニウムからガス状のフッ化水素が放出され、
    前記再生帯から再生生成物流を取り出し、この再生生成物流は三フッ化窒素とフッ化水 素を含み、
    前記再生生成物流を分離帯に導入し、それによって三フッ化窒素からフッ化水素を分離し、
    液体酸性フッ化アンモニウムを前記再生帯から前記反応帯へ再循環させ、そして
    前記分離帯において分離されたフッ化水素の少なくとも一部を、化学元素のフッ素及びフッ化水素のガス状混合物において用いるために再循環させる、
    ことをさらに含む、請求項5記載の方法。
  11. 前記反応帯と前記再生帯は別個の撹拌されるタンク反応器の中に存在する、請求項10記載の方法。
  12. 前記反応帯の動作圧力は前記再生帯の動作圧力よりも少なくとも50 kPa 高い、請求項10記載の方法。
  13. 前記再生帯の動作圧力は5 kPa 〜20 kPa の範囲である、請求項10記載の方法。
  14. 前記再生帯は前記反応帯の高さよりも少なくとも6メートル高い位置に存在する、請求項10記載の方法。
  15. 液体酸性フッ化アンモニウムを前記再生帯から前記反応帯へ再循環させることは、
    前記液体酸性フッ化アンモニウムからガス相を分離するために、液体酸性フッ化アンモニウムを前記再生帯から気体 - 液体分離タンクへ送り、
    前記気体 - 液体分離タンクにおいて生成したガス相を前記再生生成物流と一緒にして、そして
    液体酸性フッ化アンモニウムを前記分離タンクから前記反応帯へ送る、
    ことを含む、請求項10記載の方法。
  16. 前記再生帯から再循環された液体酸性フッ化アンモニウムは、前記反応帯に入る前に化学元素のフッ素及びフッ化水素のガス状混合物と混合される、請求項10記載の方法。
  17. 反応帯に入る再循環された液体酸性フッ化アンモニウムの流量は化学量論的流量の少なくとも1000倍である、請求項10記載の方法。
  18. 第二の反応帯において、酸性フッ化アンモニウムが生成するのに十分な条件の下でアンモニアをフッ化水素と反応させ、
    前記第二の反応帯から液体の酸性フッ化アンモニウム生成物流を取り出し、
    前記酸性フッ化アンモニウム生成物流を再生帯に導入する、
    ことをさらに含む、請求項10記載の方法。
  19. 前記再生生成物流からの同伴される酸性フッ化アンモニウムを取り出すために、前記第二の反応帯からの液体の酸性フッ化アンモニウム生成物流を前記再生帯からの再生生成物流と接触させる、
    ことをさらに含む、請求項18記載の方法。
  20. 前記第二の反応帯からの酸性フッ化アンモニウム生成物流を前記再生帯からの再生生成物流と接触させることは、前記酸性フッ化アンモニウム生成物流と前記再生生成物流をデミスターの中で接触させることを含む、請求項19記載の方法。
  21. 前記分離帯において分離されたフッ化水素の少なくとも一部を、前記第二の反応帯においてアンモニアと反応させるために再循環させる、請求項18記載の方法。
  22. 前記分離帯において分離されたフッ化水素の少なくとも一部が副生物の流れとして回収される、請求項10記載の方法。
  23. 三フッ化窒素を製造するための装置であって、
    化学元素のフッ素及びフッ化水素を含有するガス状混合物の供給装置およびそれぞれが反応帯と出口を含む一連の反応器を有していて、一連の反応器における最初の反応器は前記ガス状混合物の供給装置と流体連結していて、一連の連続する反応器のそれぞれは前の反応器と流体連結していて、連続する反応器のそれぞれは直前の反応器におけるバルク溶融物酸性度値よりも低いバルク溶融物酸性度値を有する液体の酸性フッ化アンモニウムを含み、そしてそれぞれの反応器の反応帯は反応器の中で前記ガス状混合物を前記液体の酸性フッ化アンモニウムと接触させるように機能的に配置されている、前記三フッ化窒素を製造するための装置。
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