JPH11189570A - 亜硝酸エステルの製法 - Google Patents

亜硝酸エステルの製法

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JPH11189570A
JPH11189570A JP29795198A JP29795198A JPH11189570A JP H11189570 A JPH11189570 A JP H11189570A JP 29795198 A JP29795198 A JP 29795198A JP 29795198 A JP29795198 A JP 29795198A JP H11189570 A JPH11189570 A JP H11189570A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、一酸化窒素を含有する酸化窒素と
アルコールとを反応させて亜硝酸エステルを製造するに
当たり、亜硝酸エステルを生成させる反応を適正な状態
に維持すると共に、その反応熱を効率的に除去してその
反応温度を適正な範囲に確実に維持することができ、公
知の製法における種々の問題点を回避できるような亜硝
酸エステルの工業的な製法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 本発明の課題は、酸化窒素とアルコール
とを蒸留反応塔内で気液接触反応させて亜硝酸エステル
を製造する場合に、該反応塔の缶液を冷却・循環させる
際の循環量、アルコールの全量と酸化窒素とのモル比、
及び該反応塔の缶液中のアルコール濃度を特定の範囲に
限定した条件下に気液接触反応を行う亜硝酸エステルの
製法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の製法は、酸化窒素と
アルコールとを反応させると共に、その反応熱を効果的
に除去しながら、亜硝酸エステルを効率的及び工業的に
安定して製造する方法に係わる。
【0002】即ち、本発明の製法は、概略、アルコール
液を蒸留反応塔内の上部域から下部域へ流下させると共
に、該反応塔の缶液を冷却・循環させながら、該反応塔
の下部域において、冷却された缶液が流下している区域
へ酸化窒素を含有する原料ガスを供給し、該反応塔内で
酸化窒素とアルコールとを主として向流で気液接触反応
させて亜硝酸エステルを製造するに際して、新たに補給
されるアルコールの全量に対する缶液の循環量の重量
比、酸化窒素に対するアルコール全補給量のモル比、及
び蒸留反応塔の底部の缶液中のアルコール濃度をそれぞ
れ特定の範囲に限定した条件下で、該気液接触反応を行
う亜硝酸エステルの製法に係わる。
【0003】本発明の製法は、例えば、亜硝酸エステル
を反応原料として使用して一酸化炭素と反応させること
により、シュウ酸ジエステル又は炭酸ジエステルを製造
する際に、図2に示す概略のプロセス図のように、それ
らの製造工程(プロセス)に組み込んで適用することが
できる。
【0004】
【従来の技術】前述のように、亜硝酸エステルは、一酸
化炭素と反応させることにより、シュウ酸ジエステルを
製造したり、或いは炭酸ジエステルを非ホスゲン法で製
造するためによく用いられる。
【0005】亜硝酸エステルの製法としては、例えば、
特公昭61−6057号及び特公昭61−26977号
公報に、シュウ酸ジメチルを製造する際にアルコールと
酸化窒素とを気相で反応させて亜硝酸メチルを合成した
ことが開示されている。また、特公昭62−47867
号、特公昭63−35617号、特開平6−25104
号などの公報において、アルコールと酸化窒素とから亜
硝酸エステルを気相で製造する方法が種々提案されてい
る。
【0006】しかし、メタノールなどの低級アルコール
と一酸化窒素を主成分とする酸化窒素とを反応させる場
合、次式に示すような反応によって、高いレベルの反応
熱が放出されるので、この反応熱によって反応が暴走し
ないように適正な温度範囲に反応温度をコントロールす
ることが、亜硝酸エステルを高い収率で安全に製造する
ための重要な課題である。前記の公知文献には、亜硝酸
エステルの製造における反応熱の除去及び反応温度のコ
ントロールをどのような手段で行うかについて具体的に
開示されておらず、実際に亜硝酸エステルの製造を工業
的に実施することはかなり困難であった。
【0007】
【化1】
【0008】一方、特開平6−298706号公報に
は、亜硝酸エステルを生成させる反応域へアルコールを
噴霧し、その蒸発潜熱で反応熱を除去することによっ
て、反応温度のコントロールが可能であるとの記載があ
る。
【0009】しかし、前記公報記載の反応熱の除去法で
は、亜硝酸エステルの製造において必ずしも安定して反
応温度をコントロールすることができなかったり、前記
反応を充分に適正に維持できないこともあるので、工業
的な規模で再現性よく亜硝酸エステルの製造を実施する
ことがかなり困難である。
【0010】また、特開平1−121251号公報に
は、酸化窒素、低級アルコール及び酸素を反応帯域にお
いて反応させて亜硝酸エステル(アルキルナイトライ
ト)を生成させる場合に、その反応帯域が少なくとも二
つの区画(即ち、気液接触と冷却とを与える反応器区画
と、酸素の転化率を高めるために充分な蒸気滞留時間
と、反応気体中の水及び硝酸の量を減少させるに充分な
精留容量とを与え得る精留区画と)を包含していること
からなるアルキルナイトライトの製造方法、並びにその
反応器が開示されている。
【0011】更に、特開平1−121251号公報に
は、反応器から熱を除去する具体的な手段として、下部
充填床区画から液体側流を取り出し、その液体側流を冷
却し、次いでそれを前記反応器に戻す方法が開示されて
いる。そして、その冷却手段を包含している反応器も開
示されている。しかしながら、この公報記載の方法に
は、前述の冷却手段などを採用した場合に、前述のアル
コールと酸化窒素との反応において、反応熱の除去につ
いてそれなりの効果はあるけれども、亜硝酸エステルを
高い収率で安定して得ることができなかったり、硝酸な
どの副生物がかなり生じたりして、必ずしも前記反応を
効率的に安定して行わせることができなかったりすると
いう種々の問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一酸
化窒素を含有する酸化窒素とアルコールとを反応させて
亜硝酸エステルを製造するに当たり、前記の亜硝酸エス
テルを生成させる反応を適正な状態に維持すると共に、
その反応熱を効果的に除去して反応温度を適正な範囲に
確実に維持することができ、公知の製法における種々の
問題点を回避できるような亜硝酸エステルの工業的な製
法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルコール液
を蒸留反応塔の上部域へ補給しながら該反応塔内の上部
域から下部域へ流下させると共に、該反応塔の缶液をそ
の底部から抜き出して冷却して循環させることにより、
冷却された缶液を該反応塔の下部域において流下させ、
更に、その冷却された缶液が流下している区域の下方へ
酸化窒素を含有する原料ガスを供給して、該反応塔内で
酸化窒素とアルコールとを向流で気液接触反応させて亜
硝酸エステルを生成させる際に、 a)前記の蒸留反応塔の缶液の循環量を、該反応塔に補
給されるアルコールの全補給量に対して50〜300重
量倍とすると共に、 b)前記のアルコールの全補給量と、前述のように冷却
及び循環されている缶液中のアルコール量との総合計量
を、前記の原料ガス中の酸化窒素1モルに対して20〜
150モルとなし、 c)更に、該反応塔の底部における缶液中のアルコール
の濃度を15〜60重量%に維持することを特徴とする
亜硝酸エステルの製法に関する。
【0014】本発明の製法は、概略、アルコール液を蒸
留反応塔の上部域へ供給して該反応塔内を上部域から下
部域へ流下させると共に、酸化窒素を含有する原料ガス
を該反応塔の下部域(冷却された缶液が流下している区
域の下方)に供給して該反応塔内を上昇させながら、ア
ルコール(アルコール液)と酸化窒素(酸化窒素含有ガ
ス)とを向流で気液接触反応させて亜硝酸エステルを工
業的に製造する(特に大量生産に適する)方法を提供す
るものである。
【0015】前述の気液接触反応では、原料ガスの供給
される蒸留反応塔の下部域で最も高い割合で反応が起こ
るので、該反応塔の下部域での反応熱を効果的に除去
し、適正な反応を安定して行わせることが、異常な副反
応などを防止するために必要である。このために、本発
明では、特に、「蒸留反応塔の底部に溜まっている缶液
(アルコールを約15〜60重量%程度含有しているア
ルコール水溶液である)を抜き出して冷却器で冷却し、
その冷却された缶液を該反応器の下部域の上方へ戻し
て、該反応塔の下部域を流下させるという『缶液の冷却
・循環』を、前述のa)〜c)項で示した特定の条件下
で行うこと」により、該反応塔の下部域で特に高い割合
で発生する反応熱を効果的に確実に除去することがで
き、しかも前述の気液接触反応を適正な状態で行うこと
ができ、同時に副生する硝酸も低いレベルとすることが
できるという優れた効果が達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製法を図面も参考
にして更に詳しく説明する。図1は、酸化窒素を含有す
る原料ガスとアルコール液とを向流で気液接触させて亜
硝酸エステルを製造するための本発明の製法を例示する
概略のプロセス図である。図2は、本発明の製法が、亜
硝酸エステルと一酸化炭素との反応によりシュウ酸ジエ
ステルを製造する工程(プロセス)において、亜硝酸エ
ステルの再生工程として組み込まれた状態のシュウ酸ジ
エステルの製法を例示する概略のプロセス図である。図
2に示すシュウ酸ジエステルの製法に係わるプロセス
は、主反応器内で使用される触媒組成を変えることによ
り、実質的にそのままの状態で、炭酸ジエステルの製造
プロセスとして採用することもでき、更に原料にオレフ
ィンを加えることによりジカルボン酸ジエステル類の製
造プロセスとしても適用できる。
【0017】本発明の製法においては、図1に示すよう
に、概略、アルコール液をアルコール液供給ライン6か
ら蒸留反応塔1の上部域2へ補給しながら、該反応塔内
の上部域2から下部域3へ流下させると共に、該反応塔
の缶液をその底部4から抜き出し、液輸送手段(ポン
プ)7を経由して冷却器8で冷却して循環ライン9から
該反応塔の下部域3の上方へ供給して缶液を強制的に循
環させることにより、該反応塔の下部域3において冷却
された缶液を流下させ、更に、その冷却された缶液が流
下している区域の下方へ酸化窒素を含有する原料ガスを
原料ガス供給ライン5から供給し、該反応塔内で酸化窒
素とアルコールとを向流で気液接触反応させて、亜硝酸
エステルを生成させるのである。
【0018】本発明の製法においては、前述のように亜
硝酸エステルを製造するに当たって a)前記の蒸留反応塔の缶液の循環量を、該反応塔に補
給されるアルコールの全補給量に対して50〜300重
量倍、好ましくは50〜200重量倍、更に好ましくは
60〜180重量倍、そして更に好ましくは70〜16
0重量倍程度の割合となるような量とすると共に、 b)前記のアルコールの全補給量と、前述のように蒸留
反応塔の下部域において冷却及び循環されている缶液
(循環液)中のアルコール量との総合計量を、前記原料
ガス中の酸化窒素1モルに対して20〜150モル、好
ましくは30〜120モル程度の割合となるような量と
なし、 c)更に、該反応塔の底部における缶液中のアルコール
の濃度を15〜60重量%、好ましくは20〜55重量
%に維持することが必要である。
【0019】前記の缶液の循環量が少なくなり過ぎる
と、蒸留反応塔の下部域での気液接触反応における反応
熱の除去が均一又は充分に行われなかったり、該反応塔
の下部域で液状のアルコールが下部域内の充填材などの
全体を均一に濡れた状態に維持することができず、極め
て不均一な濡れ状態となってしまうことがあって、液状
アルコールと酸化窒素との気液接触反応が該反応塔内で
均一にしかも安定して行われなくなるので適当ではな
い。また、缶液の循環量が多くなり過ぎると、冷却・循
環において過大なエネルギーを必要とするので適当では
ない。
【0020】前記の蒸留反応塔の缶液の冷却及び循環
は、該反応塔1の底部4から缶液を循環ライン9に抜き
出して、循環ライン9の途中に設けられた液送用ポンプ
などの液輸送手段7によって、次の冷却器8へ送り込
み、その冷却器8で缶液の温度より低い温度に冷却した
後、該反応塔の下部域3の上方(上部域2よりも下方)
へ供給し、その冷却された缶液を該反応塔の下部域3に
おいて流下させることにより、循環ライン9において強
制的に行うことが好ましい。
【0021】前記の蒸留反応塔の底部の缶液を冷却器で
冷却する際には、該反応塔1の底部4における缶液の温
度より3〜20℃、特に5〜10℃低い温度であって、
0〜50℃程度の温度範囲にまで、該反応塔の底部から
抜き出した缶液を冷却器8で冷却することが好ましい。
【0022】本発明では、蒸留反応塔の底部4から抜き
出した缶液の一部は、水、硝酸などの副生物を缶液排出
ライン10経由で反応系から除去するために、循環ライ
ン9における液輸送手段7の吐出直後に系外へ排出し、
そして、残りの大部分の缶液は冷却器8に輸送して冷却
器8で冷却した後、該反応塔の下部域3の上方へ供給し
て強制的に循環させることが好ましい。
【0023】前記のアルコールの全補給量とアルコール
循環量との総合計量が、原料ガス中の酸化窒素1モルに
対するモル比において下限値より少ない割合の量である
と、蒸留反応塔の下部域において、酸化窒素と液状のア
ルコールとの気液接触反応が効果的に均一に行われなく
なることがあったり、局部的な反応によって反応温度の
コントロールが安定的に行われなくなるので適当ではな
い。また、前記の総合計量が前記モル比における上限値
より多い割合の量であると、未反応アルコールの回収量
やそのリサイクル量が多くなり、経済的ではないので適
当ではない。
【0024】また、前記の蒸留反応塔の缶液中のアルコ
ール濃度が低くなりすぎると、前述の気液接触反応にお
いて副反応が起りやすくなって硝酸の副生が盛んになる
ので適当でなく、また、缶液中のアルコール濃度が高く
なりすぎるとやはり副反応が盛んになるので適当でな
い。
【0025】本発明で使用するアルコールとしては、製
造しようとする亜硝酸エステルによって決められるが、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノ−ルなどの
炭素数1〜3の低級アルコールを挙げることができる。
前記の蒸留反応塔1の上部域2へ補給されるアルコール
液は−15〜30℃、特に−10〜20℃の温度範囲に
冷却されていることが好ましく、そのアルコール液は蒸
留反応塔1の上部域2の上部付近へ供給して該反応塔の
上部域2から下部域3へ流下させることが好ましい。そ
のアルコール液の補給量は、蒸留反応塔の下部域へ供給
される原料ガス中の酸化窒素1モル当たり0.2〜3モ
ル、特に0.3〜2モル程度の割合となるようなアルコ
ール量であることが好ましい。また、本発明では、前記
のアルコールが、液状又は蒸気状で、原料ガスに同伴さ
れるか又は別の供給ラインから、蒸留反応塔の下部域へ
供給されてもよい。
【0026】本発明において、前記のアルコールの全補
給量は、蒸留反応塔の外部からこの反応塔内に新たに補
給される液状及び蒸気状のアルコールの全ての合計量で
ある。例えば、アルコールの全補給量は、図1では、蒸
留反応塔1の上部域2に液状で補給されるアルコール
液、該反応塔1の下部域3の下部から原料ガスに同伴し
て蒸気状で供給される同伴アルコールなどの合計量であ
る。但し、該反応塔の缶液の循環ライン9経由で該反応
塔の下部域の上方に戻ってくる缶液(循環液)に含有さ
れているアルコールは前記のアルコールの全補給量に含
めない。このアルコールの全補給量は、原料ガス中の酸
化窒素1モルに対して0.5〜6モル、特に1〜5モル
程度の割合となるようなアルコール量であることが好ま
しい。
【0027】本発明において、原料ガス中には、一酸化
窒素、二酸化窒素、三酸化二窒素、四酸化二窒素などか
ら選ぶことができる酸化窒素が約3〜40容量%、特に
5〜20容量%の割合で配合されていることが好まし
い。そして、しかも、その酸化窒素は、酸化窒素の全量
に対して、一酸化窒素が50モル%以上、特に60〜1
00モル%の割合で含有されていると共に、分子状酸素
がその酸化窒素の1モルに対して0.02〜0.25モ
ルの割合で配合されていることが好ましい。また、原料
ガスは、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスで希釈さ
れていてもよく、その際には、不活性ガスの含有率は、
原料ガスに対して10〜90容量%、特に20〜80容
量%程度であればよい。更に、原料ガスはアルコールの
蒸気を2〜40容量%の割合で含有して同伴していても
よい。
【0028】本発明において、酸化窒素とアルコールと
の気液接触反応は、0〜100℃、特に5〜80℃、更
には10〜60℃の反応温度にできるだけ維持して行う
ことが好ましい。
【0029】本発明で使用する蒸留反応塔は、図1に示
すように、該反応塔内で生成した反応ガス中の副生水を
除去するためなどの吸収及び精留が主として行われる
『上部域2』と、原料ガス中の酸化窒素と液状のアルコ
ールとの気液接触反応が主として行われる『下部域3』
とを有しているものであればよい。
【0030】前記の蒸留反応塔1の上部域2は、アルコ
ールを流下させることができると共にその流下している
アルコール液を精留する機能を有していればどのような
形式であってもよい。例えば、シーブトレイ、バルブト
レイなどの棚段を複数有する多段蒸留塔形式、或いは、
ラッシヒリング、ポールリングなどの充填材が充填され
ている充填塔形式の構造を有していてもよいが、本発明
では、多段蒸留塔形式の構造を有することが好ましい。
【0031】また、前記の蒸留反応塔1の下部域3は、
前述の酸化窒素とアルコールとの気液接触反応を効果的
に行うことができれば、どのような形式であってもよ
い。例えば、前述の上部域の場合と同様の多段蒸留塔形
式、或いは充填塔形式の構造を有するものを挙げること
ができる。即ち、本発明で使用する蒸留反応塔として
は、例えば、図1に示すように、蒸留反応塔1の上部域
2が多段蒸留塔形式又は充填塔形式の構造をしており、
そして、下部域3が充填塔形式の構造を有していて、更
に、上部域2と下部域3とが必要であれば適当な間隔を
おいて一体に連続して形成されている構造であるものが
挙げられる。
【0032】本発明で使用する蒸留反応塔は、図1に示
すように、酸化窒素を含有する原料ガスを供給するため
の『原料ガス供給ライン5』が該反応塔の下部域3にお
いて冷却された缶液が流下している区域の下方に連結さ
れていて、また、アルコール液を補給するための『アル
コール液補給ライン6』が該反応塔の上部域2の上部に
連結されていることが好ましい。
【0033】また、本発明で使用する蒸留反応塔は、図
1に示すように、その底部4から缶液を抜き出して、液
輸送手段7(例えば、液送用ポンプなど)と冷却器8と
を経由して、その下部域3の上方に供給するための缶液
の『缶液循環ライン9』が連結されていることが好まし
い。そして、缶液循環ライン9には、液輸送手段7の直
後から分岐している『缶液排出ライン10』が連結され
ていてもよい。この缶液の排出は、該反応塔の底部の缶
液のレベルが一定になるように、該反応塔の底部から抜
き出された缶液の一部を該排出ラインから抜き出すこと
によって行われる。残りの缶液は、前記のように冷却さ
れて循環される。更に、該反応塔は、図1に示すよう
に、その塔頂部11から目的の亜硝酸エステルを含有す
る反応ガスを取出すための『亜硝酸エステル含有反応ガ
ス取出しライン12』が接続されており、また、必要で
あれば、その取出しライン12から反応ガスの一部をパ
ージするための『排ガスパージライン13』が設けられ
ていてもよい。該パージライン13からは、適当な冷却
器を経由して、凝縮物質などが除去されて不活性ガスが
大気中に放出される。
【0034】図2に概略示すように、シュウ酸ジエステ
ルは、CO供給ライン15からの一酸化炭素(CO)
と、亜硝酸エステル含有反応ガス取出しライン12から
の亜硝酸エステル含有の再生ガス(亜硝酸エステル製造
における反応ガス)とを、主反応器20へ供給し、白金
族金属系触媒の存在下に反応させてシュウ酸ジエステル
を生成させ(主反応)、次いで、その主反応ガスを主反
応ガス抜き出しライン16から吸収塔21(アルコール
からなる吸収液が流下している)へ供給して、吸収塔内
を流下する吸収液にシュウ酸ジエステルを凝縮・溶解さ
せ、吸収塔の底部から凝縮液を凝縮液抜き出しライン1
9から抜き出し、その後、その凝縮液を蒸留精製してシ
ュウ酸ジエステルを得ることにより、製造される。
【0035】図2に示すように、前記の吸収塔21の出
口に接続した非凝縮ガス抜き出しライン17からの非凝
縮ガスは、主反応で生成した多量の一酸化窒素を含有し
ている(炭酸ガス、窒素ガス、アルコール蒸気なども含
む)ので、本発明の製法に従って、その非凝縮ガス(原
料ガス)に酸素供給ライン14からの分子状酸素を加え
て、その混合ガスを再生塔(亜硝酸エステル製造用の反
応器)22の下部域に供給し、アルコール液を再生塔内
の上部域から下部域へ流下させながら、一酸化窒素など
の酸化窒素とアルコールとを気液接触反応させて亜硝酸
エステルを製造(再生)し、そして、その亜硝酸エステ
ルを含む再生ガスを再び前記の主反応器20へ供給し
て、前述の主反応に供することができる。
【0036】
【実施例】本発明の製法に関する実施例などを以下に示
す。
【0037】実施例1 内径158mm、及び高さ1400mm(塔頂部から5
0mm下より10mmラシヒリング充填層800mm
(上部域に相当する)と、更にこの充填層より30mm
下から10mmラシヒリング充填層400mm(下部域
に相当する)を有する)の充填塔(図1における蒸留反
応塔1を参照)の原料ガス供給ライン5(下部ノズル
:蒸留反応塔1の下部域3の下部へ連結されている)
より、一酸化窒素15容量%、窒素85容量%の組成の
混合ガス(原料ガス)を15.0Nm 3/hr(圧力
2.2kg/cm2G)で供給し、酸素ガス供給ライン
14(ノズル)より分子状酸素を0.5Nm3/hr
で同時に供給した。また、該充填塔(蒸留反応塔)の塔
頂部のアルコール液補給ライン6(ノズル)からは、
20℃のメタノール液を5.7L(リットル)/hrで
供給した。該充填塔の圧力は、塔頂部で2.0kg/c
2Gとなるように調整した。該充填塔の底部4(ノズ
ル)からは缶液を抜き出し、付属のポンプ7によっ
て、クーラー(熱交換型の冷却器)8を経由し、360
L/hrの流量で缶液循環ライン9(ノズル)より該
充填塔内(下部域3の充填層の上部)に返した。
【0038】この場合に、缶液の循環量は該充填塔(蒸
留反応塔)へ補給されたメタノールの全補給量に対して
73重量倍となるような量であり、クーラー8は該充填
塔の缶液の温度が40℃となるように、ジャケット側に
5℃の冷却水を通水して調整した。なお、メタノールの
全補給量と循環液中のメタノール量との総合計量は、該
充填塔(蒸留反応塔)に供給された一酸化窒素1モルに
対して41.9モルとなるような量であった。
【0039】この状態で安定した時点で各部の組成を測
定したところ、該充填塔の塔頂部の亜硝酸メチル含有反
応ガス取出しライン12(塔頂)から、15.67N
3/hrで抜き出した反応ガスの組成は、亜硝酸メチ
ル12.4容量%、一酸化窒素1.6容量%、メタノー
ル4.7容量%、窒素81.4容量%であった。その反
応ガス中の水分は0.05容量%以下であった。また、
該充填塔の缶液の組成は、メタノール40.1重量%、
水52,2重量%、硝酸7.4重量%、亜硝酸メチル
0.4重量%であり、その缶液の一部を循環用ポンプ7
の吐出口の缶液排出ライン10(ノズル)から1.6
6L/hrの流量で抜き出した。この実施例1において
は、充填塔(蒸留反応塔)へ供給された一酸化窒素1モ
ルに対して、硝酸0.018モルが生成していた。な
お、硝酸は、この反応で消費された一酸化窒素1モルに
対して2.0モル%の割合で生成していた。
【0040】実施例2 原料ガスとして、一酸化炭素15.2容量%、亜硝酸メ
チル4.8容量%、一酸化窒素9.9容量%、メタノー
ル6.8容量%、二酸化炭素1.7容量%及び窒素6
1.6容量%の組成の混合ガス15.0Nm3/hr
(圧力3.1kg/cm2G)に、分子状酸素0.15
Nm3/hrを混合して使用し、この原料ガスを充填塔
(蒸留反応塔1)の下部域3の下部(ノズル)へ供給
すると共に、該充填塔の塔頂部のアルコール液補給ライ
ン6(ノズル)から20℃のメタノール液を1.44
L/hrで供給し、更に該充填塔の塔頂部の圧力が2.
9kg/cm2Gとなるように該充填塔内の圧力を調整
したほかは、実施例1と同様にして亜硝酸メチルの製造
を行った。
【0041】また、実施例1と同様に、該充填塔の底部
4(ノズル)から缶液を抜き出して、付属のポンプ7
によって、クーラー8を経由し、360L/hrの流量
で缶液の循環ライン(ノズル)より該充填塔内(下部
域3の充填層の上部)に返した。クーラー8は該充填塔
の缶液の温度が40℃となるように、ジャケット側に5
℃の冷却水を通水して調整した。なお、缶液の循環量は
該充填塔(蒸留反応塔)へ補給されたメタノールの全補
給量に対して154重量倍となるような量であり、メタ
ノールの全補給量と循環液中のメタノール量との総合計
量は、該充填塔(蒸留反応塔)に供給された一酸化窒素
1モルに対して97.1モルとなるような量であった。
【0042】この状態で安定した時点で各部の組成を測
定したところ、該充填塔の塔頂部の亜硝酸メチル含有反
応ガス取出しライン12(塔頂)から、15.0Nm
3/hrで抜き出した反応ガスの組成は、一酸化炭素1
5.2容量%、亜硝酸メチル8.7容量%、一酸化窒素
5.9容量%、メタノール6.8容量%、二酸化炭素
1.7容量%、窒素61.7容量%であった。その反応
ガス中の水分は0.05容量%以下であった。また、該
充填塔の缶液の組成は、メタノール51.1重量%、水
41.5重量%、硝酸7.0重量%、亜硝酸メチル0.
4重量%であり、その缶液の一部を循環用ポンプ7の吐
出口の缶液排出ライン10(ノズル)から0.63L
/hrの流量で抜き出した。この実施例2においては、
該充填塔(蒸留反応塔)へ供給された一酸化窒素1モル
に対して、硝酸0.010モルが生成していた。なお、
硝酸は、この反応で消費された一酸化窒素1モルに対し
て2.5モル%の割合で生成していた。
【0043】実施例3 充填塔(蒸留反応塔1)の塔頂部のアルコール液補給ラ
イン6(ノズル)から、20℃のメタノール液を2.
70L/hrで供給し、分子状酸素の供給量を0.34
Nm3/hrとしたほかは、実施例2と同様にして亜硝
酸メチルの製造を行った。なお、缶液の循環量は該充填
塔(蒸留反応塔)へ補給されたメタノールの全補給量に
対して95重量倍となるような量であり、メタノールの
全補給量と循環液中のメタノール量との総合計量は、該
充填塔(蒸留反応塔)に供給された一酸化窒素1モルに
対して38.4モルとなるような量であった。
【0044】この状態で安定した時点で各部の組成を測
定したところ、該充填塔の塔頂部の亜硝酸メチル含有反
応ガス取出しライン12(塔頂)から、14.98N
3/hrで抜き出した反応ガスの組成は、一酸化炭素
15.2容量%、亜硝酸メチル13.8容量%、一酸化
窒素0.8容量%、メタノール6.8容量%、二酸化炭
素1.7容量%、窒素61.7容量%であった。その反
応ガス中の水分は0.05容量%以下であった。また、
該充填塔の缶液の組成は、メタノール22.6重量%、
水69.7重量%、硝酸7.5重量%、亜硝酸メチル
0.2重量%であり、その缶液の一部を循環用ポンプ7
の吐出口の缶液排出ライン10(ノズル)から0.8
7L/hrの流量で抜き出した。この実施例3において
は、該充填塔(蒸留反応塔)へ供給された一酸化窒素1
モルに対して、硝酸0.014モルが生成していた。な
お、硝酸は、この反応で消費された一酸化窒素1モルに
対して1.5モル%の割合で生成していた。
【0045】比較例1 充填塔(蒸留反応塔1)の缶液の循環を途中で全く行わ
なくしたほかは、実施例3と同様にして亜硝酸メチルの
製造を行った。その結果、該充填塔の下部域の温度が急
激に上昇して、安定な反応操作ができなくなったので、
原料の供給を停止した。
【0046】比較例2 充填塔(蒸留反応塔1)の塔頂部のアルコール液補給ラ
イン6(ノズル)から20℃のメタノール液を2.5
0L/hrで供給したほかは、実施例2と同様にして亜
硝酸メチルの製造を行った。なお、缶液の循環量は該充
填塔(蒸留反応塔)へ補給されたメタノールの全補給量
に対して137重量倍となるような量であり、メタノー
ルの全補給量と循環液中のメタノール量との総合計量
は、該充填塔(蒸留反応塔)に供給された一酸化窒素1
モルに対して175.3モルとなるような量であった。
【0047】この状態で安定した時点で各部の組成を測
定したところ、該充填塔の塔頂部の亜硝酸メチル含有反
応ガス取出しライン12(塔頂)から、14.98N
3/hrで抜き出した反応ガスの組成は、一酸化炭素
15.3容量%、亜硝酸メチル8.6容量%、一酸化窒
素5.9容量%、メタノール6.7容量%、二酸化炭素
1.7容量%、窒素61.8容量%であった。その反応
ガス中の水分は0.05容量%以下であった。また、該
充填塔の缶液の組成は、メタノール78.1重量%、水
16.0重量%、硝酸5.3重量%、亜硝酸メチル0.
6重量%であり、その缶液の一部を循環用ポンプ7の吐
出口の缶液排出ライン10(ノズル)から1.60L
/hrの流量で抜き出した。この比較例2においては、
該充填塔(蒸留反応塔)へ供給された一酸化窒素1モル
に対して、硝酸0.018モルが生成していた。なお、
硝酸は、この反応で消費された一酸化窒素1モルに対し
て4.5モル%の割合で生成していた。
【0048】比較例3 充填塔(蒸留反応塔1)の塔頂部のアルコール液補給ラ
イン6(ノズル)から20℃のメタノール液を2.4
6L/hrでフィードしたほかは、実施例3と同様にし
て亜硝酸メチルの製造を行った。その際に、缶液の循環
量は該充填塔(蒸留反応塔)へ補給されたメタノールの
全補給量に対して110重量倍となるような量であり、
メタノールの全補給量と循環液中のメタノール量との総
合計量は、該充填塔(蒸留反応塔)に供給された一酸化
窒素1モルに対して20.1モルとなるような量であっ
た。
【0049】この状態で安定した時点で各部の組成を測
定したところ、該充填塔の塔頂部の亜硝酸メチル含有反
応ガス取出しライン12(塔頂)から、14.90N
3/hrで抜き出した反応ガスの組成は、一酸化炭素
15.3容量%、亜硝酸メチル13.4容量%、一酸化
窒素0.7容量%、メタノール6.8容量%、二酸化炭
素1.7容量%、窒素62.1容量%であった。その反
応ガス中の水分は0.05容量%以下であった。また、
該充填塔の缶液の組成は、メタノール10.0重量%、
水59.7重量%、硝酸30.3重量%、亜硝酸メチル
0.2重量%であり、その缶液の一部を循環用ポンプ7
の吐出口の缶液排出ライン10(ノズル)から1.0
3L/hrの流量で抜き出した。この比較例3において
は、該充填塔(蒸留反応塔)へ供給された一酸化窒素1
モルに対して、硝酸0.067モルが生成していた。な
お、硝酸は、この反応で消費された一酸化窒素1モルに
対して7.2モル%の割合で生成していた。
【0050】比較例4 充填塔(蒸留反応塔1)の缶液の循環量を360L/h
rから120L/hrに変えたほかは、実施例3と同様
にして亜硝酸メチルの製造を行った。その際に、缶液の
循環量は該充填塔(蒸留反応)塔へ補給されたメタノー
ルの全補給量に対して35重量倍となるような量であ
り、メタノールの全補給量と循環液中のメタノール量と
の総合計量は、該充填塔(蒸留反応塔)に供給された一
酸化窒素1モルに対して16.5モルとなるような量で
あった。
【0051】この状態で安定した時点で各部の組成を測
定したところ、該充填塔の塔頂部の亜硝酸メチル含有反
応ガス取出しライン12(塔頂)から、14.93N
3/hrで抜き出した反応ガスの組成は、一酸化炭素
15.3容量%、亜硝酸メチル13.6容量%、一酸化
窒素0.7容量%、メタノール6.8容量%、二酸化炭
素1.7容量%、窒素61.9容量%であった。その反
応ガス中の水分は0.05容量%以下であった。また、
該充填塔の缶液の組成は、メタノール24.5重量%、
水55.7重量%、硝酸19.8重量%、亜硝酸メチル
0.2重量%であり、その缶液の一部を循環用ポンプ7
の吐出口の缶液排出ライン10(ノズル)から1.0
7L/hrの流量で抜き出した。この比較例4において
は、該充填塔(蒸留反応塔)へ供給された一酸化窒素1
モルに対して、硝酸0.045モルが生成していた。な
お、硝酸は、この反応で消費された一酸化窒素1モルに
対して4.9モル%の割合で生成していた。
【0052】
【発明の効果】本発明では、特に、「蒸留反応塔の底部
に溜まっている缶液(アルコールを約15〜60重量%
程度含有しているアルコール水溶液である)を抜き出し
て冷却器で冷却し、その冷却された缶液を該反応器の下
部域の上方へ戻して、該反応塔の下部域を流下させると
いう『缶液の冷却・循環』を、前述のa)〜c)項で示
した特定の条件下で行うこと」により、該反応塔の下部
域で特に高い割合で発生する反応熱を効果的に確実に除
去することができ、しかも前述の気液接触反応を適正な
状態で安定して行うことができ、同時に副生する硝酸も
低いレベルとすることができるという優れた効果が達成
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法を例示するプロセス図である。
【図2】本発明を組み込んだシュウ酸ジエステルの製造
工程を例示するプロセス図である。
【符号の説明】
1:蒸留反応器 2:上部域 3:下部域 4:底部 5:原料ガス供給ライン 6:アルコール液補給ライン 7:液輸送手段 8:冷却器 9:缶液循環ライン 10:缶液排出ライン 11:塔頂部 12:亜硝酸エステル含有反応ガス取出しライン 13:排ガスパージライン 14:酸素供給ライン 20:主反応器 21:吸収塔 22:再生塔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール液を蒸留反応塔の上部域へ補
    給しながら該反応塔内の上部域から下部域へ流下させる
    と共に、該反応塔の缶液をその底部から抜き出して冷却
    して循環させることにより、冷却された缶液を該反応塔
    の下部域において流下させ、更に、その冷却された缶液
    が流下している区域の下方へ酸化窒素を含有する原料ガ
    スを供給して、該反応塔内で酸化窒素とアルコールとを
    向流で気液接触反応させて亜硝酸エステルを生成させる
    際に、 a)前記の蒸留反応塔の缶液の循環量を、該反応塔に補
    給されるアルコールの全補給量に対して50〜300重
    量倍とすると共に、 b)前記のアルコールの全補給量と、前述のように冷却
    及び循環されている缶液中のアルコール量との総合計量
    を、前記の原料ガス中の酸化窒素1モルに対して20〜
    150モルとなし、 c)更に、該反応塔の底部における缶液中のアルコール
    の濃度を15〜60重量%に維持することを特徴とする
    亜硝酸エステルの製法。
  2. 【請求項2】 蒸留反応塔の缶液を該反応塔の底部から
    抜き出して、液輸送手段を経由させて冷却器で冷却した
    後、該反応塔の下部域の上方へ供給し、その冷却された
    缶液を該反応塔の下部域で流下させることにより、缶液
    を強制的に冷却及び循環させる、請求項1に記載の亜硝
    酸エステルの製法。
  3. 【請求項3】 蒸留反応塔の缶液を該反応塔の底部から
    抜き出して、抜き出した缶液の温度より3〜20℃程度
    低い温度であって0〜50℃の温度にまで冷却した後、
    その冷却された缶液を該反応塔の下部域へ供給すること
    により、缶液を強制的に冷却及び循環させる、請求項1
    に記載の亜硝酸エステルの製法。
  4. 【請求項4】 蒸留反応塔の底部から抜き出した缶液の
    一部を系外へ排出し、残りの大部分の缶液を冷却器で冷
    却した後、その冷却された缶液を該反応塔の下部域の上
    方へ供給することにより、缶液を強制的に冷却及び循環
    させる、請求項1に記載の亜硝酸エステルの製法。
  5. 【請求項5】 酸化窒素とアルコールとの気液接触反応
    を0〜100℃の反応温度に維持して行う、請求項1に
    記載の亜硝酸エステルの製法。
  6. 【請求項6】 蒸留反応塔の缶液の循環量を該反応塔に
    補給されるアルコールの全補給量に対し50〜200重
    量倍とする、請求項1に記載の亜硝酸エステルの製法。
  7. 【請求項7】 原料ガス中に、一酸化窒素が酸化窒素の
    全量に対して50モル%以上の割合である酸化窒素が含
    有されていると共に、分子状酸素がその酸化窒素の1モ
    ルに対して0.02〜0.25モルの割合で配合されて
    いる、請求項1に記載の亜硝酸エステルの製法。
  8. 【請求項8】 −15〜30℃の温度範囲に冷却されて
    いるアルコール液を蒸留反応塔の上部域の最上部へ供給
    して、該反応塔の上部域から下部域へ流下させる、請求
    項1に記載の亜硝酸エステルの製法。
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