JP4188144B2 - 静電保持装置及びそれを用いた静電ピンセット、搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、静電気吸引力を用いて薄板などのハンドリング対象物を非接触の状態で保持する静電保持装置及びそれを用いた静電ピンセット、搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、対象物を保持する保持装置としては真空チャックが一般に用いられているが、近年、静電力により対象物を保持することができる静電チャックなどの静電保持装置が提案された(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
このような静電保持装置として、例えば、図10及び図11に示すようなものが知られている。
【0004】
ここで、図10に示す接触型の静電保持装置1100においては、符号101は電極(静電電極)を取り付けるベース板などのベース部材であり、電極要素103aと電極要素103bとからなる電極要素群が絶縁材に覆われてベース部材101に固定されて、電極要素103a、103bを有する保持面(電極面ということもある。)103が形成されている。
【0005】
これらの電極要素103a、103bは制御部1109に接続され、この制御部1109はスイッチSWに接続されている。この制御部1109は、スイッチSWのオン(on)、オフ(off)操作により、オン時には一定の電圧(例えば、電極要素103aには+Vボルト、電極要素103bには−Vボルト)を出力し、オフ時には、これらの電圧は遮断される。これにより、スイッチSWがオン時に保持面103と受台105上のハンドリング対象物104との間に静電気吸引力が誘起されてハンドリング対象物104が矢印a方向に静電気吸引力で吸引される。これによりハンドリング対象物104は、図示のとおり、保持面103に吸引されて保持される。スイッチSWをオフ時には、これらの静電気吸引力は解消されてハンドリング対象物104が矢印b方向に自然落下されて受台105上に載置される。
【0006】
これにより、この静電保持装置1100は導体、半導体又は高抵抗体などのハンドリング対象物を静電気吸引力により吸引する静電チャックとして機能する。また、吸引保持中に静電保持装置1100を移動させるか又は受台105を交換する等を行うことにより、この静電保持装置1100は種々のハンドリング対象物を搬送する搬送装置又は移載装置として利用できる。
【0007】
また、図11に示す浮上型の静電保持装置1200では、各電極要素103a、103b間が絶縁材で絶縁されて保持面103がベース部材101上に形成されている。電極面と導体、半導体又は高抵抗体などのハンドリング対象物104間のギャップ(離間距離)を実時間でフィードバックするように変位センサ102が設けられている。
【0008】
変位センサ102はハンドリング対象物104と電極面との間のギャップ又はハンドリング対象物104の位置を測定し、コントローラ1209にフィードバックする。コントローラ1209は、測定された電極面とハンドリング対象物104のギャップに基づいて印加電圧等を制御し、ギャップを前もって指定した所定値に維持する。例えば、ギャップがターゲットギャップより大きい場合(ギャップ>ターゲット)は、所定の直流電圧を印加して、静電気吸引力を誘起してハンドリング対象物を吸引してギャップを小さくする。一方、ギャップがターゲットギャップより小さい場合(ギャップ<ターゲット)は、各電極の印加される電圧を遮断して(0Vとし)、ハンドリング対象物への吸引力を無くして自重でハンドリング対象物を下げギャップを大きくする。これを繰り返すことにより、所定のギャップにハンドリング対象物を保持することができる。
【0009】
このような浮上型の静電保持装置1200も同様にして搬送装置又は移載装置として利用される。
【0010】
【特許文献1】
特開平7−257751号公報
【特許文献2】
特開平9−322564号公報
【特許文献3】
特開平10−66367号公報
【特許文献4】
特開2001−9766号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の静電チャックでは、ハンドリング対象物を静電的に保持させるには、ハンドリング対象物の表面(ハンドリング対象面)と保持面103とが交差する面を形成する場合には、ハンドリング対象面と保持面103との距離が一様ではなくなる。
【0012】
ここで、静電気力は電極面とハンドリング対象物104の間隔(ギャップ)の2乗に反比例して変化するので、絶縁層の厚みが均一であるとするとハンドリング対象物104と保持面103との間隔が一様でないとハンドリングが困難となる場合がある。
【0013】
例えば、初期ギャップがターゲットギャップよりも著しく大き過ぎる状態では、制御回路1109の作動によりギャップがターゲットギャップよりも大きいと判断されて所定の直流電流が印加されて静電気力は働くが、その吸引力が弱すぎてハンドリング対象物104を引き寄せることが困難となる。これにより、結果として初期ギャップが大きい部分に対応するハンドリング対象物104の表面付近では制御が不能となり、ハンドリングが行えない場合が生じる。
【0014】
また、一方、初期ギャップが小さすぎてターゲットギャップよりも初期ギャップが小さい場合には、メインスイッチをオンとして静電保持装置1200の稼動を開始させても、(ギャップ<ターゲット)であるので、制御回路1105の作用により各電極へ印加される電圧は遮断されるので、吸引力を働かすことができずに、同様に結果としてハンドリングを行えない場合が生じる。
【0015】
ここで、半導体のウエハーを搬送する搬送装置として実際に利用する一例としては、1KVの電圧を電極要素103a、103bに印加することによって、厚みが0.7mmのウエハーを放置状態から吸引し持ち上げるための初期ギャップは、0.3mm≦初期ギャップ≦0.7mm、という条件を満たす場合のみ所定の浮上制御が行えるように設計されている。
【0016】
このため、ハンドリング対象物104の面寸法が大きいほど、初期ギャップの許容範囲を満たすために、要求する平行度は高くなり、一例として、直径が300mmのシリコンウエハをハンドリング対象物とする場合、保持面103と受台105の表面105aとの為す角度は0.08度以下であることが必要条件となる。
【0017】
それ故、このような静電保持装置1200ではハンドリング対象物104と電極面(保持面)103との平行精度が極めて高いことが要求される。
【0018】
また、接触式の静電保持装置では、保持面103とハンドリング対象物104との面が交差していると、静電吸引力が弱まり十分に吸着できない場合がある。
【0019】
そこで、この発明は、ハンドリング対象物と保持面との平行精度を高めることによりハンドリングの初期ギャップ設定が簡易に行える静電保持装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、電極面を保持面として、該電極面へ所定の電圧を印加してハンドリング対象物を静電気力により非接触的に浮上させて保持する静電保持装置において、前記保持面を支持する電極支持体は該保持面をハンドリング対象物面から所定の距離以内に近づかないようにした状態で該保持面の傾きをハンドリング対象物面に平行する様に機能するが、前記ハンドリング対象物を静電気力により非接触的に浮上させて保持させる状態では、ハンドリング対象物に対して非接触となる姿勢制御機構を備えていることを特徴とする静電保持装置である。
【0021】
この姿勢制御機構は、例えば、ハンドリング対象物を受けている対象物受台の表面と前記保持面との距離が所定の距離となるように制御する距離制御機構である。
【0022】
このような距離制御機構は、例えば、保持面から突出して対象物受台の表面と保持面との距離が所定の距離となるように制限する距離制限手段を備えることにより構成される。
【0023】
また、以上に記載の静電保持装置は、保持面をピンセット吸引部とする静電ピンセットとしたり、移載装置を含む搬送装置として利用できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、従来技術と同一乃至均等な部位部材は、同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0025】
図1〜図9は本発明に係る静電保持装置(静電チャック)の実施例を示す図である。図1〜図7では非接触支持型静電チャックを説明し、図8及び図9では接触支持型静電チャックを説明している。
【0026】
先ず、第1実施例の静電チャック(静電保持装置)100の構成について説明する。
【0027】
図1は受台105上に載置されているハンドリング対象物104を静電チャック100が吸引浮上しようとする初期状態を示す図であり、図2は、その静電チャック100の外観を眺めた図である。
【0028】
この図2において、静電チャック100は、ベース部材101の表面には4カ所に分割されて電極面(保持面)103…が形成されている。このベース部材101は首振り機構107を介してロボットのツール先端などの移載手段構造体108にベース部材101の保持角度が自由になるように固定されている。
【0029】
この首振り機構107は、この図では、3本のバネ又は伸縮可能なシリンダ107aであるが、角度が所定範囲内で自由に調整できればこれに限定されない。例えば、ユニバーサルジョイント、その他のバネを含む弾性体、その他のシリンダを含む伸縮機構などの角度調整部材等が用いられる。外力を受けてベース部材101の角度が変更されるような構成が簡易な構造で好ましいが、ベース部材101の角度が調整可能で有れば、適宜の制御駆動機構により駆動制御されて所定の角度に調整できるように構成されていてもよい。
【0030】
また、各保持面103…には、従来技術と同様に電極要素103a及び電極要素103bとが絶縁材により絶縁されて不図示のコントローラ1209にそれぞれ独立に接続されている。ここで、保持面103の表面は非接触式であるので絶縁層で被覆されていてもされていなくてもよい。
【0031】
また、各保持面103の平面視略中央には変位センサ102…がそれぞれ設けられている。静電チャック100が稼動状態では、各変位センサ102…の情報がコントローラ1209にフィードバックされてハンドリング対象物104と保持面103との距離(ギャップ)が所定の範囲内となるように制御されることにより、ハンドリング対象物104が浮上制御されるように構成されている。ここで、この各保持面103と変位センサとの組み合わせ単位を一つのモジュールと呼称する。
【0032】
例えば、各電極モジュールとその対向するハンドリング対象物104の局所間のギャップに基づいて、電極モジュールへの印加電圧が実時間で制御され、対向局所のギャップを所定ターゲットギャップに維持する。これらの電極モジュールとその対向するハンドリング対象物104の局所とのギャップを所定値に維持することによって、浮上ハンドリングを実現する。保持面103の下に吊り下げた状態で浮上ハンドリングされているハンドリング対象物104はロボット等により静電チャック100と共に移動させることができる。また、同様に受台105として新しい受台105に交換することもできる。
【0033】
ここで、この発明に係る静電チャック100では、図3に示すように、ベース部材101の周囲には、所定の長さd1の棒状の傾き調整基準部材(3個の突起物106…)が設けられている。これらの突起物106…の各先端106aは、例えば半球状である。これにより、静電チャック100を受台105の表面105aに近づけても保持面103が所定の距離以内には近づかなくなるように設計され、半球状にすることにより設計精度が増大されている。
【0034】
次にこのような構成の静電チャック100の作用について説明する。
【0035】
初期状態において、保持面103をハンドリング対象物104に近づけると、複数の突起106の一部の先端106aが受台105の上面に当接してその間隔が突起物106の長さd1に応じて制限される。さらにこの状態で静電チャック100を強制的に受台105に近づけると、このベース部材101と移載手段構造体108とは首振り機構107で連結しているので、首振り機構107の作用によりベース部材101が反作用力を受けた方向へ任意の角度で首を振り、先端面106aが順次受台105の表面に当接される。
【0036】
これにより、ベース部材101は移載手段構造体108の傾きに無関係に、受台105に先端106aが当接した反作用力を受けて3個の突起物106…の全てが受台105の表面105aに当接した状態では、ベース部材101の傾きが調整されて受台105とベース部材101とは平行となる。
【0037】
この様に、静電チャック100を受台105に押し付けるだけで、保持面103とハンドリング対象物104間の傾き誤差を首振り機構107に吸収させ、傾き許容範囲を突起物106の長さと設定位置で、簡単に満たすことができる。
【0038】
このとき、突起物106の長さd1がハンドリング対象物104の厚みを考慮したコントローラ1209の制御許容範囲に設定されていれば、保持対象物104の位置はこの状態で常に制御可能な範囲に位置することになる。また、先端106aが半球状に形成されているとより高精度に傾き及び初期ギャップを位置出しすることができる。
【0039】
ついで、この状態で、静電チャックのコントローラ(図示していない)から吸引浮上動作開始を指示し、保持面103に所定の電圧を印加して、ハンドリング対象物104を静電気吸引力で引き上げる。
【0040】
なお、この実施例では、保持面103は4分割された4分割モジュールを用いていたが、完全浮上ハンドリングを実現するためには、ハンドリング対象物の姿勢(2自由度)と上下方向の3自由度を制御することが好ましく、このため、保持面103は最低でも3モジュールに分割して3自由度以上の制御を行うことが好ましい。
【0041】
なお、突起物106の長さd1の一例として、1KVの電圧を電極面に印加することによって、厚みが0.7mmのウエハー(ハンドリング対象物104)を放置状態から吸引し持ち上げるための初期ギャップは、0.3mm≦初期ギャップ≦0.7mm、という条件を満たすことが好ましい。なお、ここでの初期ギャップは、電極面が絶縁層で覆われている場合には、その絶縁層がない場合の裸の電極面からハンドリング対象物104までの距離である。
【0042】
そこで、この長さd1は1.0mm≦d1≦1.4mmの範囲内に設定されている場合に、制御が可能となる。
【0043】
また、受台105から別の受台105への移載においては、全受台と静電チャック100間の平行度調整が要求されるが、本発明のように首振り機構を備えていれば、静電チャック100の寸法精度に与える許容範囲が拡大される。
【0044】
また、以上の実施例では説明されていないが、首振り機構の煽り動作に伴う静電チャックと受台間の相対平面移動をスムーズにするための付加的な構成を採用してもよい。例えば、静電チャック100とロボットツール先端などの移載手段構造体108との間に、受動的に動く微小スライド機構を設けてもよい。これにより静電チャック100の保持面103はスライド的に例えば前後に引き出されたり又は引き戻されて位置調整が行われる。
【0045】
次に図4及び図5は別の実施例(第2の実施例)を示す構成模式図である。この第2実施例は、既に、本発明者らによって提案された静電気力と機構支持部材を組み合わせた静電チャック(詳細には、特開2001-009766号公報明細書等を参照。)へのこの発明の応用例を述べている。この第2実施例に従う局所接触支持型の静電チャック200は、浮上式静電チャックの一例である。
【0046】
この第2実施例に係る静電チャック200では、第1実施例の静電チャック100の突起物106に変えて、図6に示すような突起物206が設けられている。この突起物206の先端206aは半球状であり、この突起物206の長さd1(先端206aと保持面103距離)は第1実施例の距離d1と同一に設計されているが、その突起物206の途中に円筒状の機構部材207が設けられている。
【0047】
この機構部材207は、図7に示すように、受台105の表面に先端206aが当接された状態で、ハンドリング対象物104を吸引させた場合に、その機構部材207により干渉させてハンドリング対象物104の近接距離をその厚みの長さd2に制限している。
【0048】
このような突起物206は、径の異なる2つの円筒を連結してベース部材101から突設させて保持面から所定の長さを突出させることができる。これにより径の大きい円筒の端面の一部を浮上ハンドリング時の機構部材(接触支持部材)207として用いると共に、径の小さい円筒の先端206aを浮上ハンドリング前の初期位置決めに役立たせることができる。なお、この細径円筒の側面は、横方向搬送時におけるハンドリング対象物のガイドとして利用してもよい。
【0049】
このように構成すれば、第1実施例と同様に、初期状態において、静電チャック200とハンドリング対象物104との初期ギャップ設定を容易に行える。
【0050】
また、この突起物206は、その構造を工夫することによって、局所接触支持型の静電チャック200で必要とする浮上ハンドリング時の接触支持部材として兼用させることができる。
【0051】
なお、この第2実施例の構成によれば、ハンドリング対象物104の中心部当たりのギャップの1カ所のみを変位センサ102にて測定してフィードバック制御が可能である点は従来技術と同一である。
【0052】
すなわち、このような静電チャック200では、ハンドリング対象物104のエッジ部104aの数箇所は、図7に示すように、機構部材207により機構的に拘束されているために、受動的にハンドリング対象物104の傾きが定まり、制御を必要とする自由度が少なくなり、ハンドリング対象物104の剛性によって、1モジュールの電極のみでハンドリングを実現できる。
【0053】
ハンドリング対象物104を吸引し引寄せた場合、ハンドリング対象物104のエッジ部104aが複数箇所の機構部材207…に当接されてそれ以上に近接されない。これにより姿勢制御が行えると同時に、ハンドリング対象物104の端部104a以外の重要部分が静電浮上されてハンドリングされる。
【0054】
次に、図8は本発明の参考例としての第3実施例を示す静電保持装置としての静電ピンセット300の構成模式図である。ハンドリング対象物104の表面積に比べて小さい面積を有するベース部材101を用いている。このベース部材101の裏面には保持面103(ベース部材101の下面)が絶縁体で被覆されて形成されている。このベース部材101はユニバーサルジョイントなどの首振り機構107を介してハンドルなどのハンド部308に連結されている。保持面103は接触式であるので、電極要素103a、103b(何れも不図示)が絶縁層に覆われるように形成されている。
【0055】
作業者はハンドル308を握って小面積の保持面103を利用してハンドリング作業を行う。操作スイッチSWを押すと、電極要素103a、103b(いずれも不図示)に所定の電圧が印加され、保持面103とハンドリング対象物104間に発生する静電吸引力でハンドリング対象物104を保持面103に吸着してハンドリングが行える。
【0056】
また、このような構成とすれば、狭い空間に保持面103を差し入れてハンドリング操作を行う場合に好適に用いることができる。このような小面積の保持面103をピンセット保持部と称してこのような静電保持装置は、静電ピンセットと呼称されている。
【0057】
これにより、このような静電ピンセット300を用いれば、例えば、キャリア内に配列されているシリコンウエハーの中から一枚のみを抽出検査する場合等の摘みだし作業に好適に利用することができる。
【0058】
ベース部材101が小面積であるので、隣接する他のウエハーに触れずに、ベース部材101を2枚のウエハー間に挿入して、目的ウエハーを電極面103に吸引して取り出す作業を行える。
【0059】
挿入の容易さを考慮して、電極の面積を大きく取れなくても、この少ない電極面積で確実にハンドリング作業を行うには、保持面103とハンドリング対象物104間のギャップを最小にする必要がある。言い換えると、保持面103を確実に全面的にハンドリング対象物104に接触させることが最も好ましい吸引条件となる。
【0060】
ここで、この発明の静電保持装置によれば、保持面103は首振り機構107を介してハンド部308に連結しているため、首振り機構107が受動的に煽られ、保持面103とハンドリング対象物104間の相対傾きを自動修正できる。これにより、手作業で角度調整を行っても、保持面103を簡単にハンドリング対象面に面合わせして完全接触状態で吸着作業を行うことができる。
【0061】
次に、図9は本発明の参考例としての第4実施例を示す小型のハンドリング対象物104に好適な静電ピンセット300の構成模式図である。その基本構造は第3実施例の静電ピンセット300と同じであるが、ハンドリング対象物が小さいため(例えばLSIチップ)保持面103をさらに小さくする必要がある場合の実施例である。
【0062】
また、保持面103を有するベース部材101は小さい故にハンドリング対象物面が保持面103に全面接触しているかどうかを作業者が的確に感じ取るのは困難である。本発明はこの様な小型電極を有するベース部材101を首振り機構107を介してハンド部308に連結しているため、局所的にハンドリング対象物104に当たるベース部材101は、その反力で首振り機構107が煽られ、自動的に面合わせを行えるので、作業者は面合わせをあまり意識せずにハンドリング作業を行える。
【0063】
以上説明したように、本発明に従えば、首振り機構を電極面またはその連動部材に設けることによって、電極面またはその連動部材が基準面から受けた反力を利用して煽り動作を実現し、電極面とハンドリング対象物間の傾きを修正してハンドリング対象物と保持面との平行精度を高めることができる。
【0064】
これにより、浮上型の静電保持装置に本発明を適用すれば、ハンドリングの初期ギャップ設定が簡易に行える。
【0065】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、首振り機構を取り付ける位置と首振り機構の実現形式は種々変更又は変形して設計することも可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明に従えば、ハンドリング対象物と保持面との平行精度を高めることによりハンドリングの初期ギャップ設定が簡易に行える静電保持装置を提供することができる。これにより、浮上型の静電保持装置では、浮上制御を行うことが容易となる。
【0067】
また、本発明の静電保持装置は、静電チャックなどとして、または各種の移載装置を含む搬送装置や静電ピンセットなどとして応用することができる、という実用上有益な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す浮上型の静電チャックによりハンドリング対象物を浮上させる初期状態の構成を断面により説明する模式図である。
【図2】 図1の静電チャックの構成を説明する模式図である。
【図3】 図2の部分拡大断面図である。
【図4】 本発明の実施例を示す浮上型の静電チャックによりハンドリング対象物を浮上させる初期状態の構成を断面により説明する模式図である。
【図5】 図4の静電チャックの構成を説明する模式図である。
【図6】 図5の部分拡大断面図である。
【図7】 図4の部分拡大断面図である。
【図8】 本発明の実施例を示す接触型の静電保持装置としての静電ピンセットを説明する模式図である。
【図9】 本発明の実施例を示す接触型の静電保持装置としての静電ピンセットを説明する模式図である。
【図10】 従来の接触型の静電チャックの構成を断面により説明する模式図である。
【図11】 従来の浮上型の静電チャックの構成を断面により説明する模式図である。
【符号の説明】
101:ベース部材(電極支持体)
102:変位センサ
103:電極面
103a、103b:電極要素
104:ハンドリング対象物
105:受台
106、206:突起物(姿勢制御機構;傾き調整基準部材;距離制限手段)
107:首振り機構(姿勢制御機構)
108:移載手段構造体
207:機構部材(接触支持部材)
308:ハンドル部
SW:操作スイッチ
1109:制御回路
1209:コントローラ
Claims (5)
- 電極面を保持面として、該電極面へ所定の電圧を印加してハンドリング対象物を静電気力により非接触的に浮上させて保持する静電保持装置において、
前記保持面を支持する電極支持体は、該保持面をハンドリング対象物面から所定の距離以内に近づかないようにした状態で該保持面の傾きをハンドリング対象物面に平行する様に機能するが、前記ハンドリング対象物を静電気力により非接触的に浮上させて保持させる状態では、ハンドリング対象物に対して非接触となる姿勢制御機構を備えていることを特徴とする静電保持装置。 - 前記姿勢制御機構は、ハンドリング対象物を受けている対象物受台の表面と前記保持面との距離が所定の距離となるように制御する距離制御機構であることを特徴とする請求項1記載の静電保持装置。
- 前記距離制御機構は、保持面から突出して前記対象物受台の表面と前記保持面との距離が所定の距離となるように制限する距離制限手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の静電保持装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の静電保持装置を用い、前記保持面をピンセット吸引部とする静電ピンセット。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の静電保持装置を用いた搬送装置。
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