JP4187364B2 - 板状ガラス母材の切断方法、プリフォームの製造方法、および板状ガラス母材切断装置 - Google Patents
板状ガラス母材の切断方法、プリフォームの製造方法、および板状ガラス母材切断装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリヒートプレス法で使用されるプレス素材の母材である板状ガラス母材の切断方法、および板状ガラス母材切断装置に関し、特に一方の主表面に複数本の溝が予めスクライブ加工された板状ガラス母材の切断方法、および板状ガラス母材切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学レンズやプリズムなどの光学素子を形成する場合には、プレス成形が用いられている。このプレス成形の方法としては、主に、精密プレス成形法、ダイレクトプレス法、およびリヒートプレス法がある。
【0003】
精密プレス成形法は、軟化状態のガラスに成形型の形状、及び表面精度を転写する成形方法であり、プレス品は研削、研磨の必要がない。
これに対し、ダイレクトプレス法、及びリヒートプレス法はプレス成形後にプレス品の形状を最終製品の形状に近づけるための研削、及びプレス品の表面を磨く研磨とを行うことを前提とした成形方法である。ただし、リヒートプレス法でもプレス素材の重量が正確で、表面が良好な場合は研磨が不要で、研磨フリーのリヒートプレスが可能である。
【0004】
精密プレス成形法は研磨フリーなので、非球面レンズのように研磨が困難な形状のレンズを製造するのに適しているが、成形型の形状精度を再現するためプレス時の粘性が108〜10 12dPa・Sと比較的高いところでプレスしなければならず、このプレス粘性で失透しない、という条件を満たした硝材しか使用できない、また、製造装置が大規模、高価であり、製造コストが高くなるという問題点がある。
【0005】
従って、生産コストを抑えて大量のガラス製品を製造するには、ダイレクトプレス法およびリヒートプレス法が適している。
ダイレクトプレス法は、流出パイプから流出する溶融ガラスを所定量、成形型の下型上に流し込み、103dPa・S付近の比較的低い粘性でプレスする。この方法によればプレス成形品の重量精度はよいが、多品種少量生産には適していない。
【0006】
一方、リヒートプレス法は、所定の重量を持ったプレス素材を作成し、そのプレス素材を常温から再加熱(リヒート)、軟化させ、105dPa・S付近の粘性で成形型によりプレス成形する。この方法は、小品種大量生産には向かないが、多品種少量生産には適している。このリヒートプレス法において、プレス素材の重量がプレス成形型のキャビティに対して不足していると、プレス素材が成形型のキャビティを満たしきらず、伸び不良となり、また、プレス素材の重量が多すぎても、成形型からはみ出してしまうといった問題が生じる。そのため、リヒートプレス法においては、プレス素材の重量調整が大きな課題となる。
【0007】
従来、このリヒートプレス法に用いられるプレス素材を形成する方法としては、例えば本願出願人による特願平9−359522号がある。この発明では、プレス素材の母材である板状ガラス母材の一方の主表面上に、格子状の複数の溝を予めスクライブ加工しておく。そして、これらの溝が下になるように板状ガラス母材を緩衝部材上に載置し、溝と対向する部分を棒状の圧子により上方から加圧して、溝に発生する応力集中によってクラックを成長させて切断する。
【0008】
図10は特願平9−359522号による板状ガラス母材切断方法の概略を示す図である。板状ガラス母材41を切断する場合には、図示されていない載置台の上に切断補助部材42を固定し、その上に板状ガラス母材41を載置する。切断補助部材42は、板状ガラス母材41よりもヤング率が低い材料で形成されている。板状ガラス母材41には、予め溝41aなどが格子状に形成されている。各溝41aは、鉛直方向にクラックを持つようにスクライブ加工されている。このような板状ガラス母材41は、溝41aの形成された主表面411が下になるようにして、切断補助部材42上に載置されている。
【0009】
また、板状ガラス母材41および切断補助部材42は、位置決め部材43,44などによって側面が保持されている。このとき、板状ガラス母材41は、位置決め部材43,44よりも所定量L1だけ上方に突き出るように載置される。所定量L1は、板状ガラス母材41の板厚に関係なく、常に一定の値にセットされる。そして、位置決め部材43,44の上面からL1の位置が圧子46の押し込み量の原点とされる。
【0010】
このように設置された板状ガラス母材41の切断は、圧子台45に固定された棒状の圧子46によって行う。すなわち、圧子46を圧子台45ごと下降させ、上側の主表面412の溝41aと対向する部分を圧子46で加圧する。この加圧によって、溝41aに曲げ応力が加えられてクラックが成長し、最終的に切断される。
【0011】
すべての溝について切断が完了すると、均一の重量のプレス素材が多数個形成される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の切断方法では、加圧時に、溝を中心に切断片が浮き上がる現象が生じる。浮き上がりが生じると、隣接する切断片どうしがぶつかり、角部が欠けてしまうという問題が生じる。角部が欠けると、均一な重量のプレス素材を形成することができなくなる上に、ひどいときには、切断片が外に飛び出してしまい、次の工程に進めなくなるという問題が起きてしまう。また、L1は常に一定の値にセットされることから、板状ガラス母材41の板厚が薄い場合には、位置決め部材43,44で保持される部分が薄くなるため、切断片どうしの干渉がさらに増えてしまう。
【0013】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、切断片の浮き上がりを防止することのできる板状ガラス母材の切断方法、および板状ガラス母材切断装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、一方の主表面に複数本の溝が予めスクライブ加工された板状ガラス母材の切断方法において、載置台上に前記溝を内側にして前記板状ガラス母材を配置し、前記板状ガラス母材の外側面の前記溝と対向する部分に、圧子台の下面に設けた加圧用圧子を当接させることによって加圧して、前記板状ガラス母材を切断し、かつ、前記加圧用圧子による切断時に、前記圧子台の下面の前記加圧用圧子の設置位置の周囲に設けた緩衝部材で前記板状ガラス母材の切断片を押さえ付ける、ことを特徴とする板状ガラス母材の切断方法が提供される。
【0015】
この切断方法では、まず、溝を内側にして板状ガラス母材を配置する。そして、板状ガラス母材の外側面を緩衝部材で押さえながら、外側面上の溝と対向する部分を、延伸した形状の加圧用圧子により加圧して、板状ガラス母材を切断する。これにより、切断後の切断片の浮き上がりが防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2は本形態の板状ガラス母材切断装置の載置台付近の構成を示す平面図である。また、図3は図2のA1−A1線に沿う断面図である。板状ガラス母材切断装置10には、板状ガラス母材を載置するための載置台11が設けられている。この載置台11は、図2のX軸方向に往復移動可能に設けられている。また、動作開始時には、載置台11はその中心点P0がX−Y座標系の原点と一致するように配置される。さらに、載置台11は、中心点P0を軸にX−Y平面内で回動可能に設けられている。この載置台11の移動および回動は、後述する駆動機構部によって実行される。
【0017】
載置台11上には、基準プレート12が固定されている。基準プレート12は、L字型の部材であり、その内側面12a,12bには、位置決め部材13,14が固定されている。位置決め部材13,14は、板状ガラス母材が切断されたときに欠けなどが生じないように、ガラス基板よりヤング率が低い材料、例えば天然ゴムなどの弾性材料により形成されている。
【0018】
また、載置台11上には、ほぼ正方形で板状の切断補助部材30が載置されている。切断補助部材30は、押し付け装置17および押し付け装置18によって、基準プレート12の位置決め部材13,14に押し付けられている。押し付け装置17の押し付け板17aには、天然ゴムを材料とする位置決め部材15が固定されている。押し付け装置17は、この位置決め部材15で切断補助部材30をX軸方向に押し、基準プレート12の位置決め部材13側に押し付ける。
【0019】
同様に、押し付け装置18の押し付け板18aには、天然ゴムを材料とする位置決め部材16が固定されている。押し付け装置18は、位置決め部材16で切断補助部材30をY軸方向に押し、基準プレート12の位置決め部材14側に押し付ける。こうして、切断補助部材30は、載置台11上に位置決め固定されている。
【0020】
切断補助部材30上には、切断補助部材30よりもやや小さい範囲に、4枚の板状ガラス母材21,22,23,24からなる被切断材20が載置される。板状ガラス母材21,22,23,24は、ほぼ同じ大きさの正方形の板状部材であり、互いに密着し、かつ位置決め部材13,14側に密着するように載置される。このとき、被切断材20は、図3に示すように、上側の主表面20aが位置決め部材13,14,15,16の上側面よりも一定量突き出るようになっている。この被切断材20の主表面20aが、加圧ストロークの基準位置に設定されている。
【0021】
また、被切断材20の平面のサイズは、切断補助部材30よりも小さいので、板状ガラス母材23,24と位置決め部材15,16との間には、適度な隙間が空けられる。この隙間により、切断時のガラスの逃げ空間が確保されている。
【0022】
このような載置台11では、被切断材20を載置したとき、その中心が載置台11の中心点P0と一致するように、各部材の寸法が設計されている。
載置台11の上方には、図3に示すように、加圧装置19が設けられている。加圧装置19の圧子台190は、ボールネジ192aを介してZ軸サーボモータ192の軸と連結されている。圧子台190は、Z軸サーボモータ192の回転によってZ軸に沿って上下動する。圧子台190の下面190aには、Y軸方向に延びる丸棒状の圧子191が固定されている。圧子191は、後述するように、被切断材20の各板状ガラス母材21,22,23,24を上方から押圧して切断する部材であり、後述する溝とほぼ同じ長さを有するように延伸した形状に形成されている。
【0023】
また、圧子台190の下面190aには、緩衝部材193が取り付けられている。緩衝部材193としては、図4に示すように、2枚の緩衝部材193a,193bが用いられ、圧子191を除いて下面190aのほぼ全面に貼り付けられている。緩衝部材193a,193bには、被切断材20の切断片が浮き上がらない程度の固さと、切断片を傷つけない適度の柔軟性を持つ材料が用いられる。また、緩衝部材193a,193bは、圧子191の最下部191aより下方に突き出ない程度の厚みのものが使用される。
【0024】
これらの条件に合う部材として、例えばレンズ研磨用の研磨シートがある。具体的には、多孔層を有する樹脂性の部材であり、例えば総厚みが0.70mm〜1.5mm、多孔層の厚みが400μm〜450μm、孔径が50μm〜90μm、硬度が50度〜80度、圧縮率が4%〜8%、圧縮弾性率が60%〜80%のものが使用される。さらに好ましくは、総厚みが0.70mm、多孔層の厚みが400μm、孔径が60〜80μm、硬度が70度、圧縮率が6.%、圧縮弾性率が72%程度のものがよい。
【0025】
図5は載置台11の駆動機構部の構成を示す図である。ここでは、図2における載置台11を取り外した状態の平面図を示す。駆動機構部110には、X軸サーボモータ112が固定されている。X軸サーボモータ112の軸には、ボールネジ113が取り付けられている。
【0026】
ボールネジ113には、基台111が螺合しており、ボールネジ113の回転に応じてX軸方向に移動する。一方、支持盤114は、載置台11の中心点P0と重なる点を中心に回動可能となっている。また、支持盤114の周縁部には、ピニオン部114aが形成されている。このピニオン部114aは、ラック部材116のラック部116aと歯合している。ラック部材116は、シリンダ115と連結されており、シリンダ115の駆動に応じてX軸方向に移動する。
【0027】
このような駆動機構部110では、載置台11を移動させる場合には、X軸サーボモータ112が駆動して基台111を移動させる。また、シリンダ115が駆動することにより、支持盤114が回動する。ただし、支持盤114の回動は、機械的なストッパ117,118によって、90°の範囲でのみ回動可能となっている。
【0028】
次に、被切断材20の具体的な構成について説明する。
図6は被切断材20の構成を示す平面図である。また、図7は図6の正面図である。被切断材20を構成する4枚の板状ガラス母材21,22,23,24は、ともに平面形状が正方形の板状ガラスである。これら板状ガラス母材21,22,23,24の下側の主表面20bには、縦、横それぞれ18本ずつ、合計36本の溝D1〜D36が格子状に、かつ断面形状がV字状に形成されている。これにより、板状ガラス母材21,22,23,24は、それぞれ10×10=100個のブロックに仕切られている。
【0029】
各溝D1〜D36は、板状ガラス母材切断装置10に載置するときと同じ配列で、かつ裏返しにした状態(主表面20b側を上にした状態)で専用のスクライビング装置に設置され、形成されたものである。また、このとき溝D1〜D36は、主表面20bに対してほぼ垂直方向にクラックが生じるように形成されている。
【0030】
このような構成の被切断材20は、図2,3で示したように切断補助部材30上に載置され、加圧したときに大きい曲げモーメントを受ける位置にある溝から順に切断される。例えば、板状ガラス母材23,24に共通で両者の中心にある溝D14が最初に、次いで、板状ガラス母材21,22に共通で両者の中心にある溝D5が、さらに、溝D23、溝D32、溝D34、溝D30………の順に切断される。
【0031】
次に、切断補助部材30の具体的な構成を説明する。
図8は切断補助部材30の構成を示す平面図である。また、図9は切断補助部材30の側面図であり、(A)は図8の矢印Y1方向から見た側面図、(B)は図8の矢印X1方向から見た側面図である。切断補助部材30は、前述したように、被切断材20よりも縦、横の長さがわずかに長くなるように形成されている。この切断補助部材30は、基台ブロック31と、この基台ブロック31間に設けられる当接部材32,33,34,35,36,37,38,39とからなり、これらが一体形成されている。
【0032】
基台ブロック31は、ウレタンゴムで形成されている。一方、当接部材32〜39は、天然ゴムを材料とし、5mm程度の厚みを有するように形成されている。また、当接部材32〜39は、図9に示すように、互いの上面の高さがほぼ一致するとともに、基台ブロック31の上面よりもやや突出するように形成されている。各当接部材の突出量と材質は、被切断材20の切断時の圧力に応じて選択されている。
【0033】
このような、切断補助部材30には、図2などで示したように、被切断材20として4枚の板状ガラス母材21,22,23,24が載置される。このとき、図9に示すように、当接部材32上に溝D14、当接部材33上に溝D5、当接部材34上に溝D32、当接部材35上に溝D23が位置するように載置される。
【0034】
次に、本形態の板状ガラス母材切断装置10の動作について説明する。
まず、切断作業を開始する前は、図2、図3に示したように、載置台11の中心点P0がX−Y座標の原点に位置している。一方、加圧装置19は、図3のように載置台11よりも十分高い位置にある。このとき、載置台11は、被切断材20の最初に切断される溝D14がY軸に一致するように、すなわち加圧装置19の圧子191とX−Y平面上で重なる向きになるように、位置や向きが制御される。
【0035】
位置決めが完了すると、Z軸サーボモータ192が動作して圧子191が下降し、被切断材20の主表面20a上で溝D14と対向する位置に接触する。この状態からさらに圧子191が下降して加圧することにより、溝D14のクラックが拡大し、切断される。圧子191の加圧のストローク量は、予め溝ごとに決められており、この決められた加圧ストロークだけ移動した時点で切断動作が停止する。
【0036】
溝D14の切断が終了すると、圧子台190が上方に待避し、次いで載置台11がX軸方向にスライドし、今度は溝D5がY軸に一致するように位置決めされる。この溝D5についても、溝D14と同様に圧子191により加圧が行われ、切断される。次に、載置台11は90°回動し、例えば溝D23がY軸に一致するように位置決めされ、切断される。以後は、同様の手順により、残りの各溝が決められた順次で切断される。すべての溝が切断されることにより、合計400個のプレス素材が形成される。
【0037】
図1は圧子191による被切断材20の切断直後の状態を示す側面図である。圧子191が被切断材20を切断すると、被切断材20の切断片は、浮き上がろうとする。しかし、本形態の装置では、圧子191の周囲に緩衝部材193a,193bが取り付けられているので、これら緩衝部材193a,193bが切断片を適度に押さえ付け、浮き上がりを防止する。このため、隣接する切断片どうしがぶつかって角部が欠けるのを防止できる。よって、均一な重量のプレス素材を形成することができる。また、切断片が外に飛び出すことも防止できるので、作業中、不必要な中断がなくなり、効率がよくなる。さらに、緩衝部材193a,193bで保持するので、切断片表面に傷が付くこともない。
【0038】
また、本形態では、4枚の板状ガラス母材21,22,23,24を同時にセットし、切断するようにしたので、4枚を別々に切断するよりも、作業時間が短縮される。実際に50cm角の4枚の板状ガラス母材21,22,23,24を400分割した結果、重量ばらつきの少ない400個の切断片を、1枚ずつの切断方法の2分の1の時間で形成することができた。
【0039】
ただし、この方法では、作業後半では切断片が多数になって、切断片どうしが干渉しやすくなる。しかし、本形態では、緩衝部材193a,193bによって浮き上がりが防止されているので、切断片どうしの緩衝も防止でき、ひいては欠けの発生を防止することができる。よって、高速で高品質のプレス素材を提供することができる。
【0040】
さらに、本形態では、4枚の板状ガラス母材21〜24に溝を形成するときに、切断時と同じ配列でスクライビング装置にセットし、4枚同時にスクライブするようにしたので、板状ガラス母材21〜24に形状の誤差があっても、板状ガラス母材切断装置10にセットした場合に板状ガラス母材間で溝の位置や向きがずれることがない。よって、圧子191の方向と各溝の方向とを常に一致させることができるので、正確に切断を行うことができる。この意味でも、高速で高品質のプレス素材を提供することができる。
【0041】
こうして、本形態により形成したプレス素材を用いて、研磨フリーの複数の光学レンズを、リヒートプレス法により制作した結果、均一なプレス品が得られた。
【0042】
なお、本形態では、溝ごとに予め決められた加圧ストロークで切断を行うようにしたが、圧子台190などに振動センサなどの切断を検知するセンサを取り付け、切断の検知と同時に加圧動作を停止するようにしてもよい。
【0043】
次に、本形態により形成したプレス素材を使用してリヒートプレスを行った場合の実施例を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1に示すように実施例1〜3はプレス素材として、ホウ酸―ランタン(B2O3−La2O3)系硝種を使用し、実施例4〜6はシリカ―ホウ酸(SiO2−B2O3)系硝種を使用した。
【0046】
具体的に本形態により形成したプレス素材をバレル研磨により、プレス素材の角を落とし、表面を荒らした後、該プレス素材の表面に窒化ホウ素等の離型剤を均一に塗布した。
【0047】
このバレル研磨したプレス素材を常温から加熱していき、加熱軟化したプレス素材はプレス成形型の下型上に搬入手段を介して載置される。その後、加熱軟化したプレス素材の粘性が104 〜10 6dPa・S、好ましくは105dPa・Sにある時に、最終レンズ形状に対応した成型面を有する複数個の成形型で一括プレス成形した。成形型は上型と下型とから構成され、胴型があっても良い。このプレス成形は大気雰囲気下で行った。
【0048】
実施例1〜3に示すように、プレス素材にホウ酸―ランタン(B2O3−La2O3)系硝種を使用し、プレス素材はそれぞれ830℃、780℃、750℃に加熱し軟化した状態(104,105,106dPa・S)で、それぞれ640℃、660℃、665℃に加熱された下型の成形面に、搬入手段によって導入される。次に、それぞれ650℃、670℃、675℃に加熱された上型に対し、下型を上型に押しつけるようにして前記軟化したプレス素材をそれぞれ25,30,35kg/cm2で、4秒、2〜3秒、2秒プレス成形した。
【0049】
また、実施例4〜6に示すように、プレス素材にシリカ―ホウ酸(SiO2−B2O3)系硝種を使用し、プレス素材はそれぞれ950℃、870℃、790℃に加熱し軟化した状態(104,105,106dPa・S)で、それぞれ630℃、650℃、655℃に加熱された下型の成形面に、搬入手段によって導入される。次に、それぞれ640℃、660℃、665℃に加熱された上型に対し、下型を上型に押しつけるようにして前記軟化したプレス素材を25,30,35kg/cm2で、それぞれ4,2〜3,2秒プレス成形した。
【0050】
プレス素材の重量バラツキが小さいため、リヒートプレスする際、プレス素材の伸び不良や成形型からのプレス素材のはみ出しは認められなかった。
このリヒートプレスにより作成されたプレス品は、粗研削、精研削、研磨を行い、最終製品とした。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、溝を内側にして板状ガラス母材を配置し、板状ガラス母材の外側面を緩衝部材で押さえながら、外側面上の溝と対向する部分を、延伸した形状の加圧用圧子により加圧して、板状ガラス母材を切断するようにしたので、切断片の浮き上がりを防止できる。このため、隣接する切断片どうしがぶつかって角部が欠けることを防止できる。よって、均一な重量のプレス素材を形成することができる。
【0052】
また、切断片が外に飛び出すことも防止できるので、作業中、不必要な中断がなくなり、効率がよくなる。
さらに、緩衝部材で保持するので、切断片表面に傷が付くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧子による被切断材の切断直後の状態を示す側面図である。
【図2】本形態の板状ガラス母材切断装置の載置台付近の構成を示す平面図である。
【図3】図2のA1−A1線に沿う断面図である。
【図4】緩衝部材の取り付け構造を示す図である。
【図5】載置台の駆動機構部の構成を示す図である。
【図6】被切断材の構成を示す平面図である。
【図7】図6の正面図である。
【図8】切断補助部材の構成を示す平面図である。
【図9】 切断補助部材の側面図であり、(A)は図8の矢印Y1方向から見た側面図、(B)は図8の矢印X1方向から見た側面図である。
【図10】特願平9−359522号による板状ガラス母材切断方法の概略を示す図である。
【符号の説明】
10 板状ガラス母材切断装置
11 載置台
19 加圧装置
20 被切断材
21,22,23,24 板状ガラス母材
30 切断補助部材
191 圧子
193a,193b 緩衝部材
Claims (7)
- 一方の主表面に複数本の溝が予めスクライブ加工された板状ガラス母材の切断方法において、
載置台上に前記溝を内側にして前記板状ガラス母材を配置し、
前記板状ガラス母材の外側面の前記溝と対向する部分に、圧子台の下面に設けた加圧用圧子を当接させることによって加圧して、前記板状ガラス母材を切断し、かつ、前記加圧用圧子による切断時に、前記圧子台の下面の前記加圧用圧子の設置位置の周囲に設けた緩衝部材で前記板状ガラス母材の切断片を押さえ付ける、
ことを特徴とする板状ガラス母材の切断方法。 - 一方の主表面に複数本の溝が予めスクライブ加工された板状ガラス母材の切断方法において、
載置台上に前記溝を内側にして前記板状ガラス母材を配置し、
前記板状ガラス母材の外側面の前記溝と対向する部分に、圧子台の下面に設けた加圧用圧子を当接させることによって順次加圧して前記板状ガラス母材を切断する際、切断対象の前記板状ガラス母材が隣接する切断済みの前記板状ガラス母材と接触することにより両者が破損することを抑制するように、前記圧子台の下面の前記加圧用圧子の設置位置の周囲に設けた緩衝部材で切断後の前記板状ガラス母材が切断の反力によって前記板状ガラス母材の厚さ方向に傾斜するのを抑制する、
ことを特徴とする板状ガラス母材の切断方法。 - 複数枚の前記板状ガラス母材を平面上に並べて設置し、前記加圧用圧子によって、前記各板状ガラス母材の溝のうち同一直線上にある溝を同時に加圧して切断する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の板状ガラス母材の切断方法。 - 前記切断時と同じ配列で前記複数の板状ガラス母材を並べて前記溝を予め形成することを特徴とする請求項3記載の板状ガラス母材の切断方法。
- 成形型で軟化したガラス材料をプレス成形するために用いるプリフォームの製造方法において、
出発材料として使用するガラス素材を、請求項1〜4のいずれかに記載された方法により製造する、
ことを特徴とするプリフォームの製造方法。 - 一方の主表面に複数本の溝が予めスクライブ加工された板状ガラス母材を切断するための板状ガラス母材切断装置において、
前記溝の形成された主表面を内側に向けた状態で前記板状ガラス母材が載置される載置台と、
前記載置された板状ガラス母材の前記溝と対向する部分に当該板状ガラス母材の外側から当接して加圧する加圧用圧子と、
前記加圧用圧子を保持する圧子台と、
前記圧子台に取り付けられ、前記圧子台の前記加圧用圧子の設置位置の周囲に設けられていて、前記加圧用圧子による切断時に前記板状ガラス母材の切断片を前記板状ガラス母材の前記外側から押さえる緩衝部材と、
前記板状ガラス母材の前記各溝に対向する部分を加圧するために前記圧子台および前記加圧用圧子を移動させる圧子移動機構部と、
前記圧子移動機構部を駆動して前記加圧用圧子を前記板状ガラス母材に対して相対的に移動させ、前記板状ガラス母材の前記各溝に対向する部分を加圧して切断する加圧切断制御手段と、
を有することを特徴とする板状ガラス母材切断装置。 - 前記加圧用圧子は、曲面の表面を有するとともに、前記緩衝部材の表面より突出していることを特徴とする請求項6記載の板状ガラス母材切断装置。
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