JP4187327B2 - 電子カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、撮像素子により被写体像を取込む電子カメラに関し、より詳細には固体撮像素子を用いた電子カメラに於ける固定パターンノイズを除去した電子カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平8−51571号公報に記載されているように、電子的撮像装置は、撮像素子と撮像素子への被写体光の透光遮光を制御する露出制御用シャッタを有している。この電子的撮像装置では、シャッタの透光状態で撮像素子から画像データの読出し後、撮像素子の固定パターンノイズ(Fixed Pattern Noise;FPN)を測定するために、シャッタの遮光状態で撮像素子から画像データの読出しが行われる。そして、この2つの画像データから、固定パターンノイズを含まない画像データが生成されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、固定パターンノイズは、撮像素子の露光時間と温度により変化するため、画像データから完全に固定パターンノイズを除去するためには、固定パターンノイズのデータを撮影毎に測定することが望ましい。
【0004】
しかしながら、このように撮影ごとに固定パターンノイズを測定するためには、1回の撮影動作に於いて撮像素子に対して2回の電荷蓄積動作を行わせるため、単純に考えれば2倍の積分時間を必要とする。
【0005】
また、近年、デジタルカメラに対する画質向上のため、撮像素子の画素数がますます増える方向にある。そして、画素数の増加は、撮像素子からの画像データの読出し時間の増大につながる。したがって、固定パターンノイズのデータを毎回測定するならば、読出し時間も2倍となってしまう。
【0006】
これら積分時間や読出し時間の増加は、カメラの動作シーケンス上では、レリーズタイムラグの増大や、連続撮影速度の低下となってしまうものであった。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、積分時間や読出し時間の増加によるレリーズタイムラグの増大や、連続撮影速度の低下を防止して、画像データから固定パターンノイズの除去を正しく実行可能な電子カメラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわちこの発明は、連写モードと単写モードとを選択可能な電子カメラに於いて、被写体像を撮像して画像データを出力する撮像素子と、上記撮像素子への露光量を制御するシャッタと、被写体輝度に応じて露出秒時を算出し、上記シャッタを開いてこの露出秒時の画像データを上記撮像素子から取込む第1露光動作と、上記シャッタを閉じて補正データを上記撮像素子から取込む第2露光動作と、を実行可能な制御回路と、上記第2露光動作で取込まれた補正データに基づいて上記第1露光動作で取込まれた画像データを補正する補正動作を行う補正回路と、を有し、上記単写モードが選択され、この単写モードに於ける撮影が行われると、上記第1露光動作と第2露光動作とを同一の露出秒時で実行後、上記補正動作を実行し、上記連写モードが選択され、この連写モードに於ける連続撮影が行われると、複数回の上記第1露光動作に対して1回のみ上記第2露光動作を実行し、この複数回の上記第1露光動作で得られた各々の画像データに対して上記補正動作を行うに際して、各画像データの露出秒時と上記第2露光動作で補正データを得る際の露出秒時との比に応じて補正データを変換することを特徴とする。
【0009】
この発明の連写モードと単写モードとを選択可能な電子カメラに於いては、撮像素子によって被写体像が撮像されて画像データが出力され、上記撮像素子への露光量はシャッタで制御される。そして、被写体輝度に応じて露出秒時を算出し、上記シャッタを開いてこの露出秒時の画像データを上記撮像素子から取込む第1露光動作と、上記シャッタを閉じて補正データを上記撮像素子から取込む第2露光動作と、が制御回路によって実行可能となる。また、補正回路では、上記第2露光動作で取込まれた補正データに基づいて上記第1露光動作で取込まれた画像データを補正する補正動作が行われる。そして、上記単写モードが選択され、この単写モードに於ける撮影が行われると、上記第1露光動作と第2露光動作とを同一の露出秒時で実行後、上記補正動作が実行され、上記連写モードが選択され、この連写モードに於ける連続撮影が行われると、複数回の上記第1露光動作に対して1回のみ上記第2露光動作が実行され、この複数回の上記第1露光動作で得られた各々の画像データに対して上記補正動作が行われるに際して、各画像データの露出秒時と上記第2露光動作で補正データを得る際の露出秒時との比に応じて補正データが変換される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態の構成を示すもので、電子撮像カメラのブロック構成図である。
【0012】
図1に於いて、図示されない被写体像からの撮影光束が、撮影レンズ1及び光量を調節するための露出手段である絞り2を介して、図示矢印方向に回動可能なクイックリターンミラー3に導かれる。クイックリターンミラー3の中央部はハーフミラーになっており、該クイックリターンミラー3のダウン時に一部の光束が透過する。そして、この透過した光束は、クイックリターンミラー3に設置されたサブミラー4で反射され、AFセンサ5に導かれる。
【0013】
一方、クイックリターンミラー3で反射された撮影光束は、ペンタプリズム6、接眼レンズ7を介して撮影者の目に至る。
また、クイックリターンミラー3のアップ時には、上記撮影レンズ1からの光束は、フィルタ9、機械シャッタであるフォーカルプレーンシャッタ10を介して撮像素子としてのCCD等に代表されるイメージセンサ11に至る。上記フィルタ9は2つの機能を有しているもので、1つは赤外線をカットし可視光線のみをイメージセンサ11へ導く機能であり、もう1つは光学ローパスフィルタとしての機能である。また、フォーカルプレーンシャッタ10は、先幕及び後幕を有して成るもので、撮影レンズ1からの光束を透過、遮断を制御する遮光手段である。
【0014】
尚、クイックリターンミラー3のアップ時には、サブミラー4は折り畳まれる。
システムコントローラ15はCPUにより構成されているもので、電子撮像カメラ全体の制御を行う制御手段、及び第1、第2の読出し手段である。そして、このシステムコントローラ15には、撮影レンズ1を光軸方向に移動してピント合わせを行うためのレンズ駆動機構16と、絞り2を駆動するための絞り駆動機構17と、クイックリターンミラー3のアップダウンの駆動を行うためのミラー駆動機構18と、シャッタチャージ機構19と、フォーカルプレーンシャッタ10の先幕、後幕の走行を制御するためのシャッタ制御回路20と、イメージセンサ11の近傍に設置された温度センサ21と、接眼レンズ7の近傍に設置された測光センサ22と、システムを制御する上で調整が必要なパラメータが記憶されているEEPROM23とが接続されている。
【0015】
上記測光センサ22は、図示されない被写体の輝度を測定するためのセンサであり、この出力はシステムコントローラ15へ供給される。
また、上記温度センサ21は、イメージセンサ11の温度を検出するための測温手段である。温度センサ21の出力は、イメージセンサ11の発生する固定パターンノイズを補正する時に必要となる。温度センサとしては、温度に応じて抵抗が変化するサーミスタが代表的である。理想的には、イメージセンサであるCCDのチップ上に温度センサが存在すると良い。PN接合に発生する順方向電圧は温度に応じて変化するので、この電圧変化を検出しても良い。
【0016】
上記システムコントローラ15は、上記レンズ駆動機構16を制御することにより、被写体像をイメージセンサ11上へ結像できる。また、システムコントローラ15は、設定されたAv値に基いて、絞り2を駆動する絞り駆動機構17を制御し、更に、設定されたTv値に基いて、上記シャッタ制御回路20へ制御信号を出力する。
【0017】
上記フォーカルプレーンシャッタ10の先幕、後幕は、駆動源がバネにより構成されており、シャッタ走行後が次の動作のためにバネチャージが必要である。シャッタチャージ機構19は、そのバネチャージのために設けられている。
【0018】
また、上記システムコントローラ15には、画像データコントローラ25が接続されている。この画像データコントローラ25は、DSP(デジタル信号プロセッサ)により構成される画像補正手段であり、イメージセンサ11の制御、該イメージセンサ11から入力された画像データの補正や加工等をシステムコントローラ15の指令に基いて実行するものである。
【0019】
また、上記画像データコントローラ25には、イメージセンサ11を駆動する時に必要なパルス信号を出力するタイミングパルス発生回路27と、イメージセンサ11と共にタイミングパルス発生回路27で発生されたタイミングパルスを受けて、イメージセンサ11から出力される被写体像に対応したアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ28と、得られた画像データ(デジタルデータ)を一時的に記憶しておくDRAM29と、D/Aコンバータ30及び画像圧縮回路33とが接続されている。
【0020】
上記DRAM29は、加工や所定のフォーマットへのデータ変換が行われる前の画像データを一時的に記憶するための記憶手段として使用される。更に、DRAM29は着脱可能であり、ユーザは必要に応じて記憶容量を変更できるようになっている。
【0021】
また、上記D/Aコンバータ30には、エンコーダ31を介して画像表示回路32が接続される。更に、画像圧縮回路33には、画像データ記録メディア34が接続される。
【0022】
上記画像表示回路32は、イメージセンサ11で撮像された画像データを表示するための回路であり、一般にはカラーの液晶表示素子により構成される。画像データコントローラ25は、DRAM29上の画像データを、D/Aコンバータ30によりアナログ信号に変換してエンコーダ回路31へ出力する。すると、エンコーダ回路31では、画像表示回路32を駆動する時に必要な映像信号(例えばNTSC信号)に、D/Aコンバータ30の出力が変換される。
【0023】
上記画像圧縮回路34は、DRAM29に記憶された画像データの圧縮や変換(例えばJPEG)を行うための回路である。変換された画像データは、画像データ記録メディア34へ格納される。この記録メディアとしては、ハードディスク、フラッシュメモリ、フロッピーディスク等が使用される。
【0024】
更に、システムコントローラ15には、カメラの動作モードの情報や露出情報(シャッタ秒時、絞り値等)の表示を行うための動作表示回路36と、ユーザが所望の動作をこの電子撮像カメラに実行させるべく操作される多数のスイッチで構成される操作スイッチ(SW)37が接続されている。
【0025】
この操作スイッチ37には、連写モードスイッチ、レリーズスイッチ、パワースイッチ、が含まれる。各スイッチの機能については後述する。
次に、図2及び図3のフローチャートを参照して、システムコントローラ15のメインルーチンの動作について説明する。
【0026】
図2及び図3は、システムコントローラ15のメインルーチンの動作を説明するフローチャートである。
操作スイッチ37の1つであるパワースイッチがオンされてシステムに電力が供給されると、システムコントローラ15の動作が開始される。そして、ステップS1にてシステムの初期化が行われる。これは、システムコントローラ15のI/Oポートの初期化、メモリの初期化等である。また、画像データコントローラ25に対しても初期化の指令が出される。
【0027】
次いで、ステップS2にて、画像データコントローラ25に接続されているDRAM29の容量が検査される。このDRAM29には、連写モードに於いてユーザにより撮影された画像データが一時的に記憶される。装着されているDRAMの容量によって、連続して撮影が可能な駒数(Nlimit )が決定される。
【0028】
そして、ステップS3では測光動作が行われる。この測光動作は、先ず測光センサ22から被写体の輝度データが入力される。次いで、輝度データとイメージセンサ11の感度が考慮されて、シャッタ秒時(Ts)と絞りの設定値が演算される。
【0029】
ステップS4では、動作表示回路32へカメラの動作状態を示すデータ(シャッタ秒時、絞り値、移動モード等)が出力される。このステップS4の動作は、本メインルーチンの中で周期的に実行されるので、動作表示回路32の表示部には、常に新しいカメラの動作状態が表示される。
【0030】
次に、ステップS5に於いて、操作スイッチ37の1つであるレリーズスイッチの状態が検出される。ここで、レリーズスイッチがオンならばステップS10へ移行し、オフならばステップS6へ移行する。
【0031】
ステップS6では、露光カウンタ(CNTexp )のクリア(←“0”)と、露光禁止フラグのクリア(←“0”)が行われる。露光カウンタは、連写モード中の連続した撮影動作の回数を示す。連写モードに設定されていない時(単写モードの時)は、レリーズスイッチが1回押される毎に撮影動作が1回のみ許可される。この動作を成立させるために、露光禁止フラグが使用される。
【0032】
続くステップS7では、操作スイッチの1つであるパワースイッチの状態が検出される。ここで、パワースイッチがオン状態ならば動作が続行されるため、上記ステップS3へ移行する。一方、パワースイッチがオフ状態であれば、ステップS9に移行して、システムダウンに必要な処理が実行されて、システムコントローラ15の動作が停止される。
【0033】
一方、ステップS10では、操作スイッチの1つである連写モードスイッチの状態が検出される。このスイッチがオンであれば連写モードであるので、ステップSステップS18へ移行する。これに対し、連写モードスイッチがオフであれば単写モードであることを示すので、ステップS11に移行する。
【0034】
SステップS11では、露光禁止フラグの状態が検出される。ここで、フラグが“1”ならば露光動作が終了してもユーザがレリーズスイッチを押した状態を保持していることになる。この場合は露光動作はできないので、上記ステップS3に移行する。
【0035】
一担、ユーザがレリーズスイッチから手を放してオフになれば、上記ステップS6に於いてフラグはクリアされ、露光動作が可能になる。一方、上記フラグが“0”の場合は、ステップS12へ移行して焦点調整動作が行われる。すなわち、AFセンサ5より焦点のズレ量に関する情報が入力され、この情報に基いてレンズ駆動機構16が制御される。
【0036】
次に、ステップS13にて、サブルーチン“露光動作”が実行される。この動作により、上記ステップS3で演算された露光条件(Ts)で画像データがイメージセンサ11から取り込まれる。続いて、ステップS14では、サブルーチン“FPN(固定パターンノイズ)測定”が実行され、イメージセンサ11のFPNデータが取り込まれる。
【0037】
ステップS15では、画像データコントローラ25に対して、画像データから固定パターンノイズが除去されるよう指示される。画像データコントローラ25では、DRAM29上の画像データからFPNデータが減算されることで、固定パターンノイズが存在しない画像データが作成される。
【0038】
そして、ステップS16にて、画像データコントローラ25に対して画像データ記録メディア34へ上記作成された画像データが記録されるように指示される。画像データコントローラ25では、画像データが画像圧縮回路33により圧縮された後、画像データ記録メディア34へ格納させる。
【0039】
次いで、ステップS17にて、露光禁止フラグがセット(←“1”)されて、連続して露光動作ができないようにされる。その後、上記ステップS3へ移行する。
【0040】
一方、ステップS18では、FPN測定禁止フラグがクリア(←“0”)される。連写モードに於ける連続撮影動作中には、FPN測定動作は1回のみ許可される。この動作を成立させるために、FPN測定禁止フラグが使用される。このフラグは、FPN測定後、セット(←“1”)される。
【0041】
ステップS20では、焦点調整動作が実行される。このステップS20の動作は、上述したステップS12と同じ動作であるので説明は省略する。次いで、ステップS21では、サブルーチン“露光動作”が実行される。この動作により、演算された露光条件で画像データがイメージセンサ11から取り込まれる。
【0042】
ステップS22では、露光カウンタ(CNTexp )がインクリメント(+1)される。続いて、ステップS23では、イメージセンサ11の露光時間(Ts)が、露光カウンタの値とアドレスとを対応させてシステムコントローラ15のメモリへ記憶される。
ここで、TsはFPNデータに基いて画像データを補正する際に必要となる。下記表1は、Tsを記憶したメモリマップの内容を示す一例である。
【0043】
【表1】
【0044】
次に、ステップS24に於いて、上記CNTexp とNlimit が比較される。このNlimit は、上記ステップS2に於いて設定された連続撮影可能な駒数である。上記ステップS24にて、CNTexp とNlimit が等しくなければ、DRAM29上には画像データを格納できるエリアが残っていることを表している。したがって、この場合はステップS25へ移行して、レリーズスイッチの状態が検出される。
【0045】
ここで、レリーズスイッチがオンならば、連続して撮影動作が行われるため、ステップS19へ移行する。そして、被写体の条件が変化しても問題がないようにするため、測光動作- (ステップS19)と焦点調整動作(ステップS20)が行われる。そして、露光動作(ステップS21)後、CNTexp はインクリメントされる(ステップS22)。そして、新しいTsが、システムコントローラ15のメモリへ記憶される(ステップS23)。
【0046】
このように、露光動作が行われる毎にCNTexp の値がインクリメントされ、ステップS24に於いてNlimit に達した時は、ステップS26へ移行する。
このステップS26では、動作表示回路36が用いられて警告表示が行われる。その後、ステップS27へ移行する。
【0047】
上記ステップS24に於いて、CNTexp とNlimit が等しい時は、DRAM29には画像データを記憶するエリアが存在していないことを表している。したがって、画像データは画像データ記録メディア34へ移行され、DRAM29上にエリアが確保されなければ露光動作は実行できない。そこで、ステップS26の動作によって、ユーザに対して露光ができない旨を表す必要がある。
【0048】
一方、ステップS24に於いて、CNTexp がNlimit に達する前にユーザによりレリーズスイッチがオフされた時は、この警告表示が行われることなく、ステップS27へ移行する。
【0049】
ステップS27では、FPN測定禁止フラグの状態が判定される。このフラグが“0”ならば、FPNデータの測定が行われていないことを表すので、ステップS28へ移行する。一方、フラグが“1”ならば、DRAM29上に存在するFPNデータによって画像データの補正が行われれば良い。この場合は、ステップS31へ移行する。
【0050】
ステップS28では、サブルーチン“FPN測定”が実行される。このFPN測定動作について、これ以降は禁止するために、ステップS29に於いてFPN禁止フラグがセット(←“0”)される。次いで、ステップS30では、FPN測定時の秒時(Ts)が、システムコントローラ15のメモリへTfpn として記憶される。このTsは、上記ステップS28が実行される直前に実行された露光動作に於けるシャッタ秒時である。
【0051】
一方、ステップS31では、Tfpn と上記ステップS23にて記憶されたTsが使用されて、FPNデータに対して変換動作が行われる。連写動作中も、ステップS19に於いて測光動作が行われているため、撮影された画像データのそれぞれのシャッタ秒時は同一とは限らない。固定パターンノイズは、シャッタ秒時Tfpn の条件で測定されたデータのみが存在する。FPNデータは、シャッタ秒時に比例してその大きさが変化する。したがって、それぞれの画像データのシャッタ秒時に応じて変換する必要がある。
【0052】
この動作が、ステップS31で行われる。
ここで、説明を容易にするため、例えば下記表2に示されるように、DRAM29には画像データが記録されているものとする。
【0053】
【表2】
【0054】
DRAM29の中は、12個のエリアに分割されており、エリア0には、FPNデータが記録されている。また、エリア1〜エリア10は、CNTexp の値に対応させて画像データが記録されている。更に、エリア11は、画像データコントローラ25が演算動作をなう時のワークエリアとして使用される。
【0055】
ここで示された例では、Nlimit の値は“10”であり、CNTexp の値が“10”になったため、上記ステップS31へ動作が移行したことになる。これは、ユーザによって連続して撮影動作が続けられたために、DRAM29の画像記録エリアが全てデータで埋まり、空きがないことを表している。
【0056】
したがって、ステップS31では、画像データコントローラ25に対してFPNデータの変換演算が指示される。この時、システムコントローラ15からは、固定パターンノイズを測定した時の秒時(Tfpn )と現在のCNTexp に対応するシャッタ秒時(Ts)が、画像データコントローラ25に送られる。このシャッタ秒時は、CNTexp に対応させてシステムコントローラ15のRAM上に、上記表1に示されるように記憶されている。
【0057】
画像データコントローラ25では、TsとTfpn が使用されてFPNデータに対して以下の変換演算が行われる。
FPNn′=FPNn×Ts/Tfpn
FPNn:変換前の1画素のノイズデータ(n=1,2,3,…)、
FPNn′:変換後の1画素のノイズデータ(n=1,2,3,…)
次に、ステップS32では、画像データコントローラ25に対して、画像データから固定パターンノイズの除去が指示される。画像データコントローラ25では、変換後のFPNデータに基いて、CNTexp に対応する画像データに補正が行われる。
【0058】
ステップS33では、画像データコントローラ25に対して補正された画像データが、画像データ記録メディア34へ転送されるように指示される。画像データコントローラ25では、画像データが圧縮後、画像データ記録メディア34へ転送される。そして、CNTexp が“10”なので、DRAM29のエリア10が空にされる。
【0059】
ステップS34では、CNTexp がデクリメント(−1)される。この場合、CNTexp は“9”になる。次いで、ステップS35では、EEPROM23からパラメータNopenが読出される。そして、ステップS36に於いて、Nlimit とCNTexp の差(DRAM29上の空きエリアを示している)とNopenとが比較される。
【0060】
ここで、差がNopenより大きい場合はステップS37へ移行し、差がNopen未満ならばステップS31へ移行する。Nopenは、“1以上”の値が設定されている。Nopenが変更されることにより、DRAM29上の空きエリアの数が幾つになったら露光動作が許可されるべきか任意に設定可能である。Nopenに最小値の“1”が設定されれば、1駒分の画像データエリアが存在すれば露光動作は可能となり、ステップS37へ移行する。
【0061】
DRAM29上の画像データエリアが完全に空になるまで露光動作を禁止したいのならば、NopenにNlimit (上記表2の例ならば、“10”)と同じ値が設定されれば良い。すると、ステップS31〜S33の動作が、エリアが全て空になるまで実行される。Nopenの適切な値は、DRAM29の容量によっても異なり、一律に設定することは困難である。そこで、EEPROM23に記憶することとしている。このことにより、任意に設定が可能となり都合が良くなる。
【0062】
一方、ステップS37では、上記ステップS26で開始された警告表示が終了され、ユーザに対して露光動作が可能であることが告知される。次いで、ステップS38にて、レリーズスイッチの状態が検出される。ここで、レリーズスイッチがオンならば、露光動作が行われるためにステップS19へ移行する。そして、DRAM29のエリアに空の領域が無くなるか、若しくはリレーズスイッチがオフされるまで、露光動作(上記ステップS19〜S21)が行われる。
【0063】
また、上記ステップS38にて、レリーズスイッチがオフのためにステップS39へ移行すると、CNTexp が“0”であるか否かが判定される。ここで、CNTexp が“0”でなければ、DRAM29上には画像データが残っていることを表している。この場合、補正動作を続ける必要があるので、ステップS31へ移行する。
【0064】
ステップS39に於いて、CNTexp が“0”ならば、DRAM29上の画像データ全てに補正演算が行われ、データは全て画像データ記録メディア34へ移動されたことを表す。この場合は、上記ステップS3へ移行する。
【0065】
以上のように、同実施の形態では、連続撮影動作中にレリーズスイッチがオフにされた時、若しくはDRAM29に画像データが取り込まれるエリアがなくなった時に、FPNデータの測定動作(ステップS28)が実行されるようにプログラムが構成されている。
【0066】
しかしながら、固定パターンノイズの測定動作を連続撮影動作を開始する直前に行う方法も考えられる。この場合、以下のようにフローチャートを修正すれば良い。
【0067】
すなわち、ステップS18は削除し、このポイントにてステップS28とSステップS30と同じ処理動作が行われるようにする。そして、ステップS27〜S30の処理動作は必要ないので削除する。
【0068】
次に、図4のフローチャートを参照して、サブルーチン“露光動作”の処理について説明する。
ステップS41では、算出された絞り値に基いて絞り駆動機構17が制御される。次いで、ステップS42にて、ミラー駆動機構18が制御されて、クイックリターンミラー3がアップ位置へ駆動される。
【0069】
そして、ステップS43にて、シャッタ先幕スタート信号が、シャッタ制御回路20へ出力される。ステップS44では、シャッタ10の秒時をカウントするためのタイマカウンタのカウント動作が開始される。次いで、ステップS45にて、シャッタ10の先幕の走行が終了するまで待機される。
【0070】
その後、ステップS46にて、画像データコントローラ25に対して、イメージセンサ11の積分動作が開始されるように指示が出される。そして、ステップS47にて、タイマカウンタの値が算出されたシャッタの秒時(Ts)に達するまで待機される。ここで、タイマカウンタの値がTsになると、続くステップS48にて、シャッタ10の後幕の走行スタート信号がシャッタ制御回路20へ出力される。
【0071】
ステップS49では、画像データコントローラ25に対して、イメージセンサ11の積分動作が終了するよう指示される。次いで、ステップS50にて、後幕の走行が終了するまで待機される。
【0072】
そして、ステップS51及びS52では、画像データコントローラ25に対してCNTexp に対応するDRAM29のエリアへ、画像データが取り込まれるように指示される。続くステップS53では、ミラー駆動機構18が制御されて、クイックリターンミラー3がダウン位置へ駆動される。
【0073】
そして、ステップS54にて、絞りが開放位置へ駆動される。次いで、ステップS55にて、シャッタチャージ機構19が制御されて、シャッタ10の先幕と後幕を駆動するバネのチャージ動作が行われる。その後、メインルーチンへ復帰する。
【0074】
次に、図5のフローチャートを参照して、サブルーチン“FPN測定”の動作について説明する。
先ず、ステップS61にて、画像データコントローラ25に対して、イメージセンサ11の積分動作の開始が指示される。次いで、ステップS62では、測定時間(Ts)を測定するためのタイマカウンタのカウント動作が開始される。
【0075】
そして、ステップS63に於いて、タイマカウンタのカウント値がTsに達するまで待機される。次いで、ステップS64では、画像データコントローラ25に対して、イメージセンサ11の積分の停止が指示される。
【0076】
更に、ステップS65では、画像データコントローラ25により、イメージセンサ11から画像データの読込みが指示される。本サブルーチンが実行される時、イメージセンサ11は遮光されている。したがって、読込まれた画像データはFPNデータである。このデータは、DRAM29のエリア0へ記憶される。
【0077】
その後、メインルーチンへ復帰する。
また、本サブルーチンでは、イメージセンサ11の積分動作1回でFPNのデータを決定しているが、複数回イメージセンサ11の積分動作を行って画像データを取り込み、平均値を求めても良い。このようにすれば、より正確なFPNデータを得ることができる。
【0078】
尚、この発明の上記実施の形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
(1) 撮像素子と、
被写体光の撮像素子への透光と遮光を制御する遮光手段と、
この遮光手段の遮光状態にて上記撮像素子から画像データを読出す第1読出し手段と、
上記遮光手段の透光状態にて上記撮像素子から画像データを読出す第2読出し手段と、
上記第1読出し手段の画像データに基いて第2読出し手段の画像データに補正を行う画像補正手段と、
を具備し、
連続撮影モードと単発撮影モードとが選択可能であって、連続撮影モードが選択されているとき、複数回の第2読出し手段の動作に対して一回のみ第1読出し手段の作動を許可することを特徴とする電子カメラ。
【0079】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、積分時間や読出し時間の増加によるレリーズタイムラグの増大や、連続撮影速度の低下を防止して、画像データから固定パターンノイズの除去を正しく実行可能な電子カメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の構成を示すもので、電子撮像カメラのブロック構成図である。
【図2】システムコントローラ15のメインルーチンの動作を説明するフローチャートである。
【図3】システムコントローラ15のメインルーチンの動作を説明するフローチャートである。
【図4】サブルーチン“露光動作”の処理について説明するフローチャートである。
【図5】サブルーチン“FPN測定”の動作について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 撮影レンズ、
2 絞り、
3 クイックリターンミラー、
5 AFセンサ、
7 接眼レンズ、
9 フィルタ、
10 フォーカルプレーンシャッタ、
11 イメージセンサ、
15 システムコントローラ(CPU)、
16 レンズ駆動機構、
17 絞り駆動機構、
18 ミラー駆動機構、
19 シャッタチャージ機構、
20 シャッタ制御回路、
21 温度センサ、
22 測光センサ、
23 EEPROM、
25 画像データコントローラ(DSP)、
29 DRAM、
32 画像表示回路、
33 画像圧縮回路、
34 画像データ記録メディア、
36 動作表示回路、
37 操作スイッチ(SW)。
Claims (3)
- 連写モードと単写モードとを選択可能な電子カメラに於いて、
被写体像を撮像して画像データを出力する撮像素子と、
上記撮像素子への露光量を制御するシャッタと、
被写体輝度に応じて露出秒時を算出し、上記シャッタを開いてこの露出秒時の画像データを上記撮像素子から取込む第1露光動作と、上記シャッタを閉じて補正データを上記撮像素子から取込む第2露光動作と、を実行可能な制御回路と、
上記第2露光動作で取込まれた補正データに基づいて上記第1露光動作で取込まれた画像データを補正する補正動作を行う補正回路と、
を有し、
上記単写モードが選択され、この単写モードに於ける撮影が行われると、上記第1露光動作と第2露光動作とを同一の露出秒時で実行後、上記補正動作を実行し、
上記連写モードが選択され、この連写モードに於ける連続撮影が行われると、複数回の上記第1露光動作に対して1回のみ上記第2露光動作を実行し、この複数回の上記第1露光動作で得られた各々の画像データに対して上記補正動作を行うに際して、各画像データの露出秒時と上記第2露光動作で補正データを得る際の露出秒時との比に応じて補正データを変換する
ことを特徴とする電子カメラ。 - 上記電子カメラは、上記連写モードが選択され、この連写モードに於ける連続撮影が行われると、上記第1露光動作を複数回終了後に上記第2露光動作を1回行うことを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。
- 上記電子カメラは、上記連写モードが選択され、この連写モードに於ける連続撮影が行われると、上記第2露光動作を1回終了後に上記第1露光動作を複数回行うことを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。
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