JP4186840B2 - 水素エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水素と、ガソリン、軽油、天然ガス等の化石燃料との少なくとも一方を燃料として作動する水素エンジンの制御装置に関し、より詳しくは、NOx吸蔵触媒を排気通路に備えた水素エンジンの制御装置に関する技術分野に属する。
一般に、車両用等のエンジンにおいては、排ガス中に含まれるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)等の有害成分を除去する装置として三元触媒が用いられる。しかし、近年における燃費性能の向上を目的とした希薄燃焼方式等を採用するエンジンの場合、排ガス中の酸素濃度が高くなるため、ウインドウが理論空燃比近傍の狭い範囲にある従来の三元触媒ではNOxを十分に除去できないという問題が発生する。
これに対処するものとして、排気通路に空燃比がリーン(酸素過剰状態)のときには排ガス中のNOxを吸収し、空燃比がリッチ(酸素不足状態)になれば吸収していたNOxを放出するNOx吸蔵触媒を配置することが知られている。これによれば、空燃比を適切に制御することにより、リーン状態では、NOxが上記NOx吸蔵触媒に吸収され、またリッチ状態では、NOxが上記NOx吸蔵触媒から放出されて、多量に存在するCO,HCと反応し、やはり有害成分の外部への排出が抑制される。その結果、希薄燃焼方式を採用するエンジンのNOx排出量を効果的に低減させることが可能となる。
ところで、NOx吸蔵触媒にはイオウ被毒の問題がある。つまり燃料に含まれるイオウ成分がSOx等となって、NOx吸蔵触媒に付着して該触媒のNOx吸収を妨害し、NOx浄化率を低下させるのである。そのため、定期的にNOx吸蔵触媒からイオウを放出除去する必要があり、例えば特許文献1に記載のイオウ放出制御として、NOx吸蔵触媒へのイオウ付着量を燃料流量や排ガス温度等に基づいて推定し、該推定量が所定量以上となったときに空燃比をリッチ化し、かつ触媒を昇温させるために排ガスを昇温してNOx吸蔵触媒からイオウを放出除去させるものがある。
一方、近年、環境保護に対応して、ガソリン、軽油、天然ガス等の化石燃料に代わって水素を燃料とする水素エンジン、あるいは化石燃料と水素とを併用して作動するハイブリッド式の水素エンジンが提案されている。このような水素エンジンの例として特許文献2に記載の水素エンジンがある。これによるとエンジンは、燃焼室内にガソリンを供給する燃料噴射弁と同じく水素を供給する水素噴射弁とを備えており、運転状況に応じて切換可能となっている。
特開平11−44211号公報 特開平7−97906号公報
ところで、水素を燃料とした燃焼により発生するHを含む排ガスは、化石燃料の燃焼により発生するHC,CO等を含む排ガスよりも還元力が強いという特性を持つので、リッチ化したときにNOx吸蔵触媒からのイオウ放出の効率が良い。しかしながら、水素を燃料とした状態で空燃比をリッチ化してNOx吸蔵触媒に吸収されたイオウを放出するときには上記の水素の強い還元力により有害なHSが発生するという問題がある。
一方、イオウ放出制御開始後直ちに燃料を化石燃料に切り換えてHSの発生を抑制することが考えられるが、化石燃料を燃料とした燃焼は、水素を燃料とした燃焼に比べて排ガス温度が低く、触媒昇温に長時間を要し、その結果NOx触媒からの実質的なイオウ放出開始が遅れるので、イオウ放出のための空燃比のリッチ化状態が長引くことになり、燃費が低下する。
そこで、本発明は、イオウ放出制御に伴う空燃比のリッチ化の際、NOx吸蔵触媒からイオウを迅速に放出すると共に、HSの発生を抑制することができる水素エンジンの制御装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し空燃比が理論空燃比またはリッチのときに吸蔵していたNOxを放出するNOx吸蔵触媒を排気通路内に配置し、燃焼室内に化石燃料を供給する第1燃料供給手段と、燃焼室内に水素を供給する第2燃料供給手段と、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、エンジンの運転状態に応じて燃焼室に供給する燃料に占める化石燃料と水素との割合を変更する燃料割合変更手段とを有する水素エンジンの制御装置であって、上記NOx吸蔵触媒のイオウ被毒度合いに関するパラメータを検出するイオウ被毒度合い検出手段と、上記イオウ被毒度合いが所定以上のときは空燃比をリッチ化するイオウ放出手段とを備え、上記燃料割合変更手段は、上記イオウ放出手段による空燃比リッチ化の開始から所定時間が経過するまでの間の燃料に占める水素の割合を、上記所定期間が経過した以降の割合に比べて大きくすることを特徴とする。
次に、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の水素エンジンの制御装置において、排ガス温度に関するパラメータを検出する排ガス温度検出手段が備えられ、燃料割合変更手段は、排ガス温度が低いほど所定期間を大きい値に設定することを特徴とする。
そして、請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の水素エンジンの制御装置において、排ガス温度に関するパラメータを検出する排ガス温度検出手段が備えられ、燃料割合変更手段は、排ガス温度が高いほど燃料に占める水素の割合の増大を抑制することを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、NOx吸蔵触媒のイオウ被毒度合いが所定以上のときは、空燃比リッチ化の開始から所定期間が経過するまでの間の燃料に占める水素の割合を、所定期間が経過した以降の割合に比べて大きくすることによって、燃焼速度の高い水素による燃焼により所定期間の間に排ガスを急速に昇温させてNOx吸蔵触媒からのイオウの放出を促進することができる。さらに、水素の燃焼によって排ガスを急速に昇温させることにより、実質的なイオウ放出開始を早めることができ、その結果空燃比のリッチ化の期間を短くすることができるので燃費を向上することができる。また、所定期間経過後は水素を燃料とした燃焼を抑制して有害なHSの発生を抑制することができる。
次に、請求項2に記載の発明によれば、排ガス温度が低いほど、燃料に占める水素の割合が比較的大きくされる所定期間を大きい値に設定することによって、イオウ放出のために排ガスを急速かつ十分に昇温することができる。
そして、請求項3に記載の発明によれば、排ガス温度が高いほど、燃料に占める水素の割合の増大を抑制することによって、あまり排ガスを昇温しなくてもよいときには排ガス昇温のために水素を燃料とした燃焼を抑制するように設定することにより、HSの発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
まず、図1は、エンジン1の全体的な構成について示す。エンジン1は、水素とガソリンとを燃料として併用する水素エンジンであって、複数の気筒2…2(1つのみ図示)が直列に設けられたシリンダブロック3と、該シリンダブロック3上に配設されたシリンダヘッド4とを有し、各気筒2内にはそれぞれピストン5が往復動可能に嵌挿され、該ピストン5冠面とシリンダヘッド4下面との間の気筒2内に燃焼室6が画成されている。ピストン5の往復動はコネクティングロッド7を介してクランク軸8の回転運動に変換される。また、上記シリンダブロック3には、クランク軸8の回転角度を検出する電磁式のクランク角センサ9と、各気筒2毎の燃焼圧の変動に基づいてノッキングを検出するためのノックセンサ10と、図示しないウォータジャケットの内部に臨んで冷却水の温度(エンジン水温)を検出するエンジン水温センサ11とが配設されている。
一方、上記シリンダヘッド4には、各気筒2毎に燃焼室6の天井面に臨んで開口するように吸気ポート20及び排気ポート21が2つずつ開口し、各ポート20,21の燃焼室6側の開口部に吸気弁22及び排気弁23が配置されている。これら吸気弁22及び排気弁23は、それぞれシリンダヘッド4の内部に軸支された吸気側及び排気側カム軸(図示せず)によって、上記クランク軸8の回転に同期して開閉動作をする。また、吸気側のカム軸には、その回転角度を検出するための電磁式のカム角センサ24が設けられている。また、各気筒2毎に上記シリンダヘッド4を上下方向に貫通しかつ吸・排気弁22,23に取り囲まれるようにして、点火プラグ25が配設されている。この点火プラグ25の先端の電極は燃焼室6の天井面から所定距離だけ下方に突出している。また、点火プラグ25の基端部は、ヘッドカバー26を貫通するように配設された点火回路(イグナイタ)27に接続されている。
上記燃焼室6の底部となるピストン5の冠面は、外周側の部位が燃焼室6の天井面とほぼ平行な形状とされる一方、ピストン5冠面のほぼ中央部には平面視で概略レモン形状の凹部が設けられている。また、燃焼室6の吸気側の周縁部には、墳口を臨ませて燃焼室6内に水素燃料を噴射する水素用インジェクタ28が配設されている。一方、吸気ポート20に墳口を臨ませて吸気ポート20内にガソリン(軽油、天然ガス等の化石燃料を燃料に用いてもよい)を噴射するガソリン用インジェクタ29が配設されている。
上記水素用インジェクタ28の基端側は全気筒2に共通の水素用燃料分配管30に接続され、この水素用燃料分配管30により高圧水素燃料ポンプ31から吐出される水素燃料が各気筒2毎の水素用インジェクタ28に分配されるようになっている。そして、水素用インジェクタ28により圧縮行程で水素が噴射されると、この水素燃料噴霧は燃焼室6内の吸気流動によって減速されて、適度な濃度状態の混合気塊を点火プラグ25周りに形成する。なお、上記水素用燃料分配管30には、水素用インジェクタ28から噴射される水素燃料の圧力状態(燃料噴射圧)を測定するための水素用燃圧センサ32が配設されている。
一方、上記ガソリン用インジェクタ29の基端側は全気筒2に共通のガソリン用燃料分配管33に接続され、このガソリン用燃料分配管33により高圧燃料ポンプ34から吐出される燃料が各気筒2に臨む吸気ポート20毎のガソリン用インジェクタ29により分配されるようになっている。そして、そのガソリン用インジェクタ29により吸気行程でガソリンが噴射されると、吸気流動によりガソリンが燃焼室2内に吸入される。なお、上記ガソリン用燃料分配管33には、ガソリン用インジェクタ29から噴射されるガソリンの圧力状態(燃料噴射圧)を測定するためのガソリン用燃圧センサ35が配設されている。
なお、ここでは水素用インジェクタ28を燃焼室6内への直噴とし、ガソリン用インジェクタ29を吸気ポート20への噴射とするように構成しているが、水素用インジェクタ28を吸気ポート20への噴射としかつガソリン用インジェクタ29を燃焼室6内への直噴となるように構成したり、水素及びガソリン用インジェクタ28,29の両方を燃焼室6内への直噴、あるいは両方を吸気ポート20への噴射となるように構成してもよい。なお、水素用インジェクタ28を吸気ポート20へ噴射するように構成すると、水素の燃焼性の高さにより、水素が燃焼室6に導入する前、すなわち吸気ポート20内で燃焼することがある。
エンジン1の一側面には(図の右側の側面)には、各気筒2毎の吸気ポート20に連通するように吸気通路40が接続されている。この吸気通路40は、エンジン1の燃焼室6に対してエアクリーナ41で濾過した吸気を供給するものであり、その上流側から下流側に向かって順に、エンジン1への吸入空気量を検出するホットワイヤ式エアフローセンサ42と、吸気通路40の断面積を変更する電気式スロットル弁43及びその位置を検出するスロットルセンサ44と、サージタンク45とが配設されている。スロットル弁43は、図外のアクセルペダルに対して機械的には連結されておらず、図示しない電動モータにより開閉されるようになっている。また、サージタンク45には、スロットル弁43よりも下流の吸気通路40の圧力を検出するブーストセンサ46が配設されている。
また、上記サージタンク45よりも下流側の吸気通路40は、各気筒2毎に分岐する独立通路とされ、該各独立通路の下流端部はさらに2つに分岐してそれぞれ吸気ポート20に個別に連通する分岐路となっている。この分岐路から独立通路までの間には、燃焼室6内の吸気流動の強さを調節するための絞り弁(Tunble Swirl Control Valve:以下、TSCVという)47が配設されていて、例えばステッピングモータ等によって開閉作動される。このTSCV47の弁体には一部に切欠きが形成されており、全閉状態ではその切欠き部のみから下流側に流れる吸気が燃焼室6において強い筒内流動を生成する。一方、TSCV47が開かれるに従い、吸気は切欠き部以外からも流通するようになって、筒内流動の強さは徐々に低下するようになる。
エンジン1の他側面(図の左側の側面)には、気筒2内の燃焼室6から既燃ガス(排ガス)を排出するための排気通路50が接続されている。これらの排気通路50の上流側は、各気筒2毎の吸気ポート20につながる排気マニホルドにより構成され、該排気マニホルドよりも下流側の排気通路50には、排ガス中の有害成分であるHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、及びNOx(窒素酸化物)を浄化するための2つの触媒コンバータ51,52が直列に配設されている。
上流側の触媒コンバータ51は、詳細は図示しないが、ケーシング内にハニカム構造の担体を収容したもので、この担体の各貫通孔の壁面にいわゆる三元触媒53の触媒層が形成されている。この三元触媒53は、従来より周知の通り、排ガスの空燃比状態がほぼ理論空燃比を含む所定の状態にあるときに、HC,CO,NOxをほぼ完全に浄化可能なものである。
また、下流側の触媒コンバータ52は、1つのケーシング内に2つの担体を直列に収容し、そのうちの上流側の担体の各貫通孔壁面にいわゆるNOx吸蔵タイプの触媒層を形成して、上流側NOx吸蔵触媒54を構成すると共に、下流側の担体にも同様にNOx吸蔵タイプの触媒層を形成して、下流側NOx吸蔵触媒55を構成したものである。ここで、上記NOx吸蔵触媒54,55は、バリウムを主成分とし、カリウム、マグネシウム、ストロンチウム、ランタン等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、或は希土類と、白金等の化学反応触媒作用を有する貴金属とを担持させてなり、排ガスの空燃比状態が理論空燃比に対応する状態よりもリーン状態のときに排ガス中のNOxを吸蔵する一方、そのようにして吸蔵したNOxを空燃比のリッチ化に応じて放出し、かつ還元浄化するという機能を有している(NOx放出制御)。
また、NOx吸蔵触媒54,55はバリウムを含有するので、燃料中のイオウ成分(SOx)が触媒に付着するというイオウ被毒の問題がある。イオウはNOx放出制御では放出できず、これをそのまま放置するとNOx浄化能力が低下するから、付着したイオウを放出させて触媒の浄化能力を回復させるための処理(SOx放出制御)、すなわちイオウ被毒解消のためのNOx吸蔵触媒54,55の昇温が行われる。
このNOx吸蔵触媒54,55の昇温は、燃料の分割噴射や点火時期の遅角(点火リタード)により排ガス温度を上昇させることで達成される。イオウ被毒は空燃比がリーン状態のときほど進行しやすく、リッチ状態になるほど遅くなる。したがって、SOx放出制御では空燃比をリッチ化したうえでNOx吸蔵触媒54,55を昇温してイオウの放出を促進する。
詳しくは、上記NOx吸蔵触媒54,55により排ガス中のNOxが吸蔵され、あるいは放出されるメカニズムは、以下のようなものである。まず、図2(a)に模式的に示すように、排ガスの空燃比が水素を燃料としたリーン状態のときには、酸素過剰雰囲気の排ガス中のNOx及びSOxが触媒金属上で酸素Oと反応してその一部がバリウムと結合しながら、NOx及びSOxとして吸蔵される。一方、図2(b)に示すように、排ガスの空燃比状態が理論空燃比がそれよりもリッチな状態であれば、リーン状態の場合とは反対に反応が進行し、バリウムから離れたNOxが排ガス中のHC,COと反応して(還元反応)、窒素Nと酸素Oとに分解される。このとき、SOxは放出されずバリウムと結合したままである。
そして、NOx放出制御を行う運転においては図2(a)と図2(b)との状態を繰り返すことになるが、図2(c)のように多量のSOxがバリウムと結合してその表面に残存すると、水素リーン状態のときにNOxを吸蔵できないことがある。
そこで、図2(d)のように、触媒を600〜650℃に昇温させると共に空燃比をリッチ化することによって、バリウム表面に結合したSOxを放出して、バリウム表面にNOxを吸着できる面積を確保するようにしている。
上記エンジン1の排気マニホルドの集合部付近には排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ(第1の酸素濃度センサ)56が配設されており、主にこのセンサ56からの信号に基づいてエンジン1の空燃比フィードバック制御が行われるようになっている。また、上記2つの触媒コンバータ51,52の中間には上流側三元触媒53の劣化状態を判定するための第2の酸素濃度検出センサ57と、NOx吸蔵触媒54に流入する排ガスの温度を検出する排気温度検出センサ58とが配設され、さらに、2つのNOx吸蔵触媒54,55の中間には第3の酸素濃度センサ59が配設されている。
また、上記排気マニホルドよりも下流側の排気通路50には、そこから分岐するようにして排ガスの一部を吸気通路40に還流させる排気還流通路(以下、EGR通路という)60の上流端が連通している。このEGR通路60の下流端は上記サージタンク45の内部に臨んで開口していて、該下流端近傍のEGR通路60にはデューティソレノイド弁からなるEGR弁61が配設されている。このEGR弁61によってEGR通路60における排気の還流量が調節されるようになっている。
上述した点火回路27、水素及びガソリン用インジェクタ28,29、水素及びガソリン用高圧燃料ポンプ31,34、スロットル弁43、TSCV47、EGR弁61等は、いずれもエンジンコントロールユニット(以下、ECUという)70によって作動制御される。一方、このECU70には、少なくとも、上記クランク角センサ9、ノックセンサ10、水温センサ11、エアフローセンサ41、スロットルセンサ44、3つの酸素濃度センサ56,57,59、排気温度センサ58等からの出力信号がそれぞれ入力され、さらに、アクセルペダルの操作量(以下、アクセル開度という)を検出するアクセル開度センサ71からの出力信号と、エンジン回転速度(クランク角の回転速度)を検出する回転速度センサ72、車速を検出する車速センサ73からの出力信号とが入力されるようになっている。
ECU70は、上記各センサから入力される信号に基づいてエンジン1への吸入空気量や各気筒2毎の燃料噴射量、噴射時期及び点火時期を制御し、さらに、気筒2内の吸気流動の強さや排気の還流割合等を制御する。具体的には、図3に制御マップで示すように、エンジン1の温間の全運転領域のうち低負荷低回転域側には水素リーン領域が設定されて、ここでは水素用インジェクタ28により圧縮行程で燃料を噴射させて、点火プラグ25周りに層状に偏在させた水素を燃焼させる希薄燃焼を行う。一方、水素リーン領域より高負荷高回転域側は、いわゆる均一燃焼領域であり、ここではガソリン用インジェクタ29により主に吸気行程で燃料を噴射させて、燃焼室内で吸気とガソリンを十分に混合し、該燃焼室全体に概ね均一な混合気を形成した上で燃焼させるガソリンリーン領域が設定されている。
次に、本発明に係る実施の形態の作用効果について説明する。
図4〜6に示すフローチャートは、図3に示す制御マップを具備した水素エンジンのECU70によるNOx放出制御及びSOx放出制御の具体的な制御手順を示す。図3に示すように、運転モードとして低負荷低回転時には水素を燃料とした水素リーン領域、高負荷高回転時にはガソリンを燃料としたガソリンリーン領域が設定されている。そして、NOx放出制御の開始条件として、前回のNOx放出からのリーン運転の時間積算値によって算出されたNOx吸蔵量が第1所定値Q以上となったときと、所定量以上の加速が検出されたときとが設定されている。また、SOx放出制御の開始条件として、前回のSOx放出からの、リーン運転の時間積算値(NOx放出制御において算出した時間積算値の5〜10倍)からSOx被毒量を算出して第2所定値S以上となったときが設定されている。
図4のフローチャートによると、まず、ステップS1で、水温センサ11、カム角センサ24、エアフローセンサ41、酸素濃度センサ56,57,59、アクセル開度センサ71、回転速度センサ52等からの各種信号を入力し、さらにECU70のRAMに一時的に保存されているデータを読み込む。続いて、ステップS2において、エンジン1の目標トルクとエンジン回転速度とに基づいて、図3に示す制御マップからエンジン1の現在の運転モードを決定する。なお、目標トルクは、エンジン1の負荷状態に対応するものであり、例えば、回転速度センサ72により検出されたエンジン回転速度とアクセル開度センサ71により検出されたアクセル開度とに基づいて、予め実験的に設定したマップから読み出す。
そして、ステップS3において、主に第1の酸素濃度センサに基づいて空燃比及び点火時期を決定する。このとき、例えば加速時は大きなトルクを得るためにリーンの度合いを弱めるように空燃比が決定される。そして、ステップS4及びステップS5で上述のリーン運転の時間積算値からNOx吸蔵量Q及びSOx被毒量Sを計算して、ECU70のRAMに記憶されたこれらの記憶データを更新する。NOx吸蔵量Qの計算は、リーン運転中はNOx吸蔵量Qは増量中となり、またリッチ運転中はNOx吸蔵量Qは減量中となり、さらに加速が検出されたときにはNOx吸蔵量Qは減量中となるように計算される。一方、SOx被毒量Sの計算は、リーン運転中及びリッチ運転中はSOx被毒量Sは増量中となり、リッチ状態かつ点火リタードでSOx被毒量Sは減量するように計算される。
そして、ステップS6で、フラグFが1にセットされているか否かを判断して、フラグF=0のときにはステップS7に進む。ステップS7では上記ステップS4で計算されたNOx吸蔵量Qが予め設定された第1所定値Qよりも大きいか否かを判断する。NOx吸蔵量Qが第1所定量Qよりも小さいときは図5の(I)に進み、NOx吸蔵量Qが第1所定値Qよりも大きいときはステップS8に進んでNOx放出制御を開始する。ステップS8ではNOx放出時間Cを設定し、ステップS9でフラグFを1にセットする。次に、ステップS10で現在の使用燃料が水素とガソリンのいずれかであるかを判定して、現在の使用燃料が水素であればステップS11に進んで燃料をガソリンに切り換えたのち、ステップS12で空燃比のリッチ化を行う。ステップS10で現在の使用燃料がガソリンである場合には、そのままステップS12に進んで空燃比をリッチ化する。ステップS12で空燃比のリッチ化を行ったのち、ステップS13でカウントTに1を加算して、ステップS14でガソリン用インジェクタ29によるガソリンの噴射及び上記ステップS3で決定した点火時期での点火を実行してリターンする。
また、ステップS6でフラグFが1であるときには、ステップS15でカウントTがCと等しいか否かを判定し、カウントTがCと等しくない場合はステップS12に進んで空燃比のリッチ化を行う。一方、カウントTがCと等しい場合は、ステップS16に進んでフラグを0にリセットすると共に、ステップS17において上記ステップS4で計算したNOx吸蔵量Qを0にリセットして、ステップS18でカウントTを0にリセットする。そして、ステップ14においてステップS2で図3に示す制御マップによって決定された燃料に応じて水素用及びガソリン用インジェクタ28,29のいずれかの燃料の噴射及び上記ステップS3で決定した点火時期での点火を実行してリターンする。
ステップS7でNOx吸蔵量Qが第1所定量Q以下であるときには、図5のステップS19に進む。すなわち、ステップS19においてフラグFが1であるか否かを判定する。フラグFが1でないときは、ステップS20に進んで、SOx被毒量Sが第2所定量S以上であるか否かを判定し、SOx被毒量Sが第2所定量S以上であるときにはSOx放出制御を開始する。まず、ステップS21で初期所定時間Cを設定する。このとき、主に排気温度センサ58が検出した排ガス温度に基づいて初期所定時間Cが設定される。また、排ガス温度が高ければ初期所定時間Cは短く(またはゼロに)設定される傾向にある。そして、ステップS22でフラグFを1に設定すると共に、ステップS23でカウントtに1を加算する。次に、ステップS24で時間tが上記初期設定時間Cと等しいかどうかを判定する。カウントtが初期設定時間Cに等しくないときにはステップS25に進む。
ステップS25では現在の使用燃料を判定し、使用燃料がガソリンであれば、ステップS26で燃料をガソリンから水素に切り換えてステップS27で空燃比をリッチ化、点火リタードを設定する一方、使用燃料が水素であればそのままステップS27の空燃比のリッチ化、点火リタードを設定して、ステップS28で水素用インジェクタ28による水素燃料の噴射及びステップS27でリタードに設定した点火を実行してリターンする。
一方、ステップS20でSOx被毒量Sが第2所定量Sよりも小さいときには、ステップS29で加速の判定を行う。ここで加速有りと判定されればステップS30に進んで空燃比をリッチ化して、ステップ28に進んでステップS2で図3に示す制御マップによって決定された燃料に応じて水素用及びガソリン用インジェクタ28,29のいずれかの燃料の噴射及び上記ステップS3で決定された点火時期での点火を実行してリターンする。すなわち、加速がある場合は、現在使用している燃料が水素またはガソリンにかかわらず空燃比をリッチ化するように制御される。一方、加速なしと判定されたときは、空燃比のリッチ化を行わずに同様に燃料の噴射及び点火を実行してリターンする。
一方、ステップS24でtがCと等しいときにはステップS31においてフラグFを0にリセットすると共に、ステップS32でカウントtを0にリセットして図6の(II)に進む。
図6のフローチャートにおいて、まずステップS33でフラグFが1であるか否かを判定する。フラグFが1でなければステップS34に進んで終期設定時間Cを設定し、ステップS35でフラグFを1に設定して、ステップ36でカウントτに1を加算する。そして、ステップS37で使用燃料をガソリンに切り換える。次に、ステップS38で空燃比のリッチ化及び点火リタードを設定し、ステップ39でガソリン用インジェクタによるガソリンの噴射及びステップS38でリタードに設定した点火を実行してリターンする。
一方、ステップS41でフラグFが1の場合は、ステップS40に進んでカウントτが終期設定時間Cと等しいか否かを判定する。そして、時間τが終期設定時間Cと等しくないときには、ステップS36に進んで空燃比、点火リタードの設定を行い、前述のステップS37〜39を実行してリターンする。また、カウントτが終期設定時間Cと等しいときにはステップS41でフラグFを0にリセットすると共に、ステップS42でSOx被毒量Sを0にリセットして、カウントτを0にリセットして、ステップ39に進んでステップS2で図3に示す制御マップによって決定された燃料に応じて水素用及びガソリン用インジェクタ28,29のいずれかの燃料の噴射及びステップS3で決定した点火時期での点火を実行してリターンする。
次に、この図4〜6のフローチャートによる制御を図7に示すタイムチャートを用いて説明すると、まず、水素リーン運転においてNOx吸蔵量Qが時間の経過と共に増加して、NOx吸蔵量Qが所定値Qとなったときに、使用燃料を水素からガソリンに切り換えて、NOx放出時間Cが経過するまで空燃比をリッチ化する。そして、このリッチ化に伴ってNOx吸蔵量が減少すると、再び使用燃料をガソリンから水素に切り換えて、空燃比をリーン化する。
一方、所定値以上のスロットル開度増加率Δαがスロットルセンサ44によって検出されたときには、加速ありと判断されて、必要なトルクを確保するために空燃比のリッチ化が実行される。このとき、NOx放出制御を実行することになり、この場合は水素を燃料としたまま空燃比をリッチ化してNOxを放出する。
また、時刻TにおいてSOx被毒量Sが所定量S以上と判断されたときは、SOx放出制御が開始される。すなわち、時刻Tにおいて空燃比をリッチ化する。このとき、時刻Tまでの初期設定時間Cの間は使用燃料を水素のみの状態にし、初期設定時間C経過後は空燃比をリッチ化したまま使用燃料をガソリンに切り換える。そして、使用燃料をガソリンとして終期設定時間Cの間リッチ運転を行い、SOx被毒量Sが0となる時刻Tにおいて空燃比をリーンに戻すと共に使用燃料をガソリンから水素に切り換える。
次に、本発明の第2の実施の形態として、図8に示す制御マップを具備したエンジン1の制御について説明する。すなわち、図8に示す制御マップによれば、低負荷低回転域側では水素とガソリンを併用した水素+ガソリンリーン領域が設定されて、ここではガソリン用インジェクタ29により主に吸気行程で燃料を噴射させると共に水素用インジェクタ28により圧縮行程で燃料を噴射させることによって、燃焼室内に概ね均一なガソリンの混合気を形成した上で点火プラグ25周りに層状に偏在させた水素を燃焼させる希薄燃焼を行う。高負荷高回転域側にはガソリンリーン領域が設定され、ここではガソリンを燃料として均一燃焼を行うように設定されている。
本実施の形態の制御手順を図9〜11に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図9〜11に示すフローチャートは、図4〜6に示すフローチャートと重複する部分があり、これらについては同様であるのでここでは詳しい説明は省略する。これによると、低負荷低回転域時には燃料として水素とガソリンとを併用した水素+ガソリンリーン運転、高負荷高回転域側には燃料としてガソリンを使用したガソリンリーン運転を行う。なお、NOx放出条件とSOx放出条件は上記第1の実施の形態と同様に設定されている。
まず、ステップS51で、各種信号を入力し、RAMに一時的に保存されているデータを読み出す。ステップS52において、エンジン1の目標トルクとエンジン回転速度とに基づいて、図8に示す制御マップからエンジン1の現在の運転モードを決定する。
そして、ステップS53において、空燃比及び点火時期を決定しする。次にステップS54及びステップS55で前回のNOx放出時からのリーン運転の時間積算値からNOx吸蔵量Q及びSOx被毒量Sを計算してECU70のRAMに記憶されたこれらの記憶データを更新する。
そして、ステップS56において、フラグFが1に設定されているか否かを判断して、フラグF=0のときにはステップS57に進む。ステップS57では上記ステップS54で計算されたNOx吸蔵量Qが予め設定された第1所定値Qよりも大きいか否かを判断する。ここでNOx吸蔵量Qが第1所定量Qよりも小さいときは図5の(III)に進み、NOx吸蔵量Qが第1所定値Qよりも大きいときはステップS58に進む。ステップS58ではNOx放出時間Cを設定して、ステップS59でフラグFを1にセットすると共に、カウントTに1を加算する。次に、ステップS61で燃料に占めるガソリンの割合を増加させたのち、ステップS62で空燃比のリッチ化を行う。このとき、ガソリンの割合を増加させるときは水素+ガソリンリーン運転を行っていた場合は、燃料に占めるガソリンの割合を増加させ、ガソリンリーン運転を行っていた場合は、そのままの状態でよい。次に、ステップS63で上記ステップS52で図8に示す制御マップによって設定された割合で両インジェクタ28,29から燃料噴射させると共に、上記ステップS53で決定した点火時期での点火を実行してリターンする。
また、ステップS56でフラグFが1のときには、ステップS64でカウントTがNOx放出時間Cと等しいか否かを判定し、カウントTがNOx放出時間Cと等しくない場合はステップS60に進んでカウントTに1を加算したのち、ステップS61〜63の制御を行ってリターンする。一方、カウントTがNOx放出時間Cと等しい場合は、ステップS65に進んでフラグFを0にリセットすると共に、ステップS76でNOx吸蔵量を0にリセットして、カウントTを0にリセットする。そして、ステップS63に進んで、上記ステップS52で図8に示す制御マップによって設定された割合で両インジェクタ28,29から燃料噴射させると共に、上記ステップS53で決定した点火時期での点火を実行してリターンする。
また、ステップS57でNOx吸蔵量Qが第1所定量Q以下であるときには、図10の(III)に進んで、SOx放出制御を行う。まず、ステップS68においてフラグFが1であるか否かを判定する。フラグFが1でないときは、ステップS69に進んで、SOx被毒量Sが第2所定量S以上であるか否かを判定し、SOx被毒量Sが第2所定量S以上であるときには、ステップS70に進んで初期所定時間Cを設定する。そして、ステップS71でスラグFを1に設定して、ステップS72でカウントtに1を加算する。ステップS73でカウントtが上記初期設定時間Cと等しいかどうかを判定する。カウントtが初期設定時間Cに等しくないときにはステップS74に進む。
ステップ74では、燃料に占める水素の割合を増加させる。すなわち、使用燃料がガソリンのみ(ガソリンリーン運転)であれば、ステップS89で燃料をガソリンから水素とガソリンとの混合または水素のみに切り換え、また、使用燃料が水素とガソリンの混合(水素+ガソリンリーン運転)であれば、燃料に占める水素の割合を増大させるか、または水素のみに切り換える。そして、ステップS75で空燃比をリッチ化、点火リタードを設定し、ステップ76においてステップS74,75で設定された両インジェクタ28,29による燃料噴射及びステップS75でリタードに設定した点火を実行してリターンする。
一方、ステップS69でSOx被毒量Sが第2所定量Sよりも小さいときには、ステップS77で加速の判定を行う。ここで加速有りと判定されればステップS78に進んで空燃比をリッチ化して、ステップS76に進み、上記ステップS52で図8に示す制御マップによって設定された割合で両インジェクタ28,29から燃料噴射させると共に、上記ステップS53で決定した点火時期での点火を実行する。したがって、加速がある場合は、現在使用している燃料が水素またはガソリンにかかわらず空燃比をリッチ化するように制御される。一方、加速なしと判定されたときは、そのままステップS76に進んで同様に燃料噴射及び点火実行を行う。
また、ステップS73でtがCであるときにはステップS79に進んでフラグFを0にリセットすると共に、ステップS80でカウントtをリセットして図11の(IV)に進む。
図11において、まずステップS81でフラグFが1であるか否かを判定する。フラグFが1でなければステップS82に進んで終期設定時間Cを設定し、フラグFを1にセットして、ステップS84でカウントτに1を加算する。そして、ステップS85で燃料に占めるガソリンの割合を増加させる。このとき、燃料をガソリンのみの状態に切り換えてもよく、また、ガソリンのみを燃料とした運転状態からSOx放出制御が行われたときはガソリンのみを燃料とした状態に戻し、ガソリンと水素を併用した運転状態からSOx放出制御が行われたときはSOx放出制御前の割合に戻す。次に、ステップS86で空燃比のリッチ化及び点火リタードを設定し、ステップS87においてステップS85,86で設定された両インジェクタ28,29による燃料噴射及びステップS86でリタードに設定した点火を実行してリターンする。
一方、ステップS81でフラグFが1の場合は、ステップS88に進んで時間τが終期設定時間Cと等しいか否かを判定する。そして、時間τが終期設定時間Cと等しくないときには、ステップS84に進んで、カウントτに1を加算したのち、ステップS85〜87の制御を行ってリターンする。また、ステップS88で時間τが終期設定時間Cと等しいときにはステップS89でフラグFを0にリセットすると共に、ステップS90でSOx被毒量Sを0にリセットし、ステップS91でτを0にリセットして、ステップS87に進み、上記ステップS52で図8に示す制御マップによって設定された割合で両インジェクタ28,29から燃料噴射させると共に、上記ステップS53で決定した点火時期での点火を実行してリターンする。
また、本発明に係る第3の実施の形態として、図12に示す制御マップを具備したエンジン1の制御がある。これによれば、低負荷低回転域側では水素リーン領域が設定されて、ここでは水素を燃料とした希薄燃焼を行う。そして、水素リーン領域より高負荷高回転域側では水素+ガソリンリーン領域が設定され、ここではガソリン用インジェクタ29により主に吸気行程で燃料を噴射させると共に水素用インジェクタ28により圧縮行程で燃料を噴射させることによって、燃焼室内に概ね均一なガソリンの混合気を形成した上で点火プラグ25周りに層状に偏在させた水素を燃焼させる希薄燃焼を行う。さらに、水素+ガソリンリーン領域より高負荷高回転域側にはガソリンリーン領域が設定され、ここではここではガソリンを燃料として均一燃焼を行う。また、ガソリンリーン領域より高負荷高回転域側にはガソリンλ=1領域が設定され、ここではガソリンを燃料として理論空燃比での均一燃焼を行うように設定されている。
そして、水素リーン領域おける運転時にNOx放出制御のためにリッチ化を行う場合は、燃料として水素とガソリンを併用するか、燃料を完全にガソリンに切り換えるかの制御が行ったのちに空燃比をリッチ化して、水素による燃焼を抑制する。同様に、水素+ガソリン領域における運転時にリッチ化を行う場合は、燃料に占めるガソリンの割合を増加させるか、または燃料をガソリンのみに切り換えたのち、空燃比をリッチ化する。
一方、水素とガソリンとの排ガス温度の上昇度合いは図13に示すような特性である。すなわち、水素を燃料とした燃焼による排ガス温度の上昇度合いは、ガソリンを燃料とした燃焼による排ガス温度の上昇度合いよりも急速である。
以上のように、上記第1〜3の実施の形態によれば、NOx吸蔵触媒54,55のSOx被毒量Sが所定量S以上のときは、空燃比リッチ化の開始から所定期間Cが経過するまでの間の燃料に占める水素の割合を、所定期間Cが経過した以降の水素の割合に比べて大きく、または水素のみの状態にすることによって、燃焼速度の高い水素による燃焼により所定期間の間に排ガスを急速に昇温させてNOx吸蔵触媒54,55からのSOxの放出を促進することができる。
図13に示すように、SOx放出開始時刻Ta直後において水素によって十分に排ガス温度を急速に上昇させてから、当該排ガス温度が所定値Tex以上となる時刻Tbにおいて燃料を水素からガソリンに切り換えるようにしている。このように、SOx放出制御開始直後に水素の燃焼によって排ガスを急速に昇温させることにより、実質的なSOx放出開始を早めることができ、その結果空燃比のリッチ化の期間を短くすることができるので燃費を向上することができる。また、時刻Tb後においては、水素を燃料とした燃焼を抑制して有害なHSの発生を抑制することができる。
また、排ガス温度が低いほど、所定期間Cを大きい値に設定することによって、SOx放出のために排ガスを急速かつ十分に昇温することができる。
そして、排ガス温度が高いほど、燃料に占める水素の割合の増大を抑制することによって、あまり排ガスを昇温しなくてもよいときには排ガス昇温のために水素を燃料とした燃焼を抑制するように設定することにより、HSの発生を抑制することができる。
なお、上記エンジン1の制御手順は、図1に示すようなレシプロエンジンに限らず、水素とガソリンとを燃料として併用するロータリーエンジンにも適用することができる。
本発明は、イオウ放出制御に伴う空燃比のリッチ化の際、NOx吸蔵触媒からNOx及びイオウを迅速に放出すると共に、HSの発生を抑制することができる水素エンジンの制御装置を提供する。本発明は、水素と、ガソリン、軽油、天然ガス等の化石燃料との少なくとも一方を燃料として作動する水素エンジンの制御装置に関し、より詳しくは、NOx吸蔵触媒を排気通路に備えた水素エンジンの制御装置に関する技術分野に広く好適である。
本発明の実施の形態に係るエンジンのシステム構成図である。 NOx吸蔵触媒におけるNOx及びSOx吸蔵・放出の説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御マップである。 同制御手順を示すフローチャートである。 同制御手順を示すフローチャートである。 同制御手順を示すフローチャートである。 同空燃比、使用燃料等の制御を示すタイムチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る制御マップである。 同制御手順を示すフローチャートである。 同制御手順を示すフローチャートである。 同制御手順を示すフローチャートである。 本発明の第3に実施の形態に係る制御マップである。 水素とガソリンとの排ガス温度上昇特性を示すマップである。
符号の説明
1 エンジン(水素エンジン)
6 燃焼室
28 水素用インジェクタ(第2燃料供給手段)
29 ガソリン用インジェクタ(第1燃料供給手段)
50 排気通路
54,55 NOx吸蔵触媒
58 排ガス温度検出センサ(排ガス温度検出手段)
70 ECU(制御装置、燃料割合変更手段、イオウ被毒度合い検出手段、イオウ放出手段)

Claims (3)

  1. 空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し空燃比が理論空燃比またはリッチのときに吸蔵していたNOxを放出するNOx吸蔵触媒を排気通路内に配置し、燃焼室内に化石燃料を供給する第1燃料供給手段と、燃焼室内に水素を供給する第2燃料供給手段と、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、エンジンの運転状態に応じて燃焼室に供給する燃料に占める化石燃料と水素との割合を変更する燃料割合変更手段とを有する水素エンジンの制御装置であって、上記NOx吸蔵触媒のイオウ被毒度合いに関するパラメータを検出するイオウ被毒度合い検出手段と、上記イオウ被毒度合いが所定以上のときは空燃比をリッチ化するイオウ放出手段とを備え、上記燃料割合変更手段は、上記イオウ放出手段による空燃比リッチ化の開始から所定時間が経過するまでの間の燃料に占める水素の割合を、上記所定期間が経過した以降の割合に比べて大きくすることを特徴とする水素エンジンの制御装置。
  2. 排ガス温度に関するパラメータを検出する排ガス温度検出手段が備えられ、燃料割合変更手段は、排ガス温度が低いほど所定期間を大きい値に設定することを特徴とする請求項1に記載の水素エンジンの制御装置。
  3. 排ガス温度に関するパラメータを検出する排ガス温度検出手段が備えられ、燃料割合変更手段は、排ガス温度が高いほど燃料に占める水素の割合の増大を抑制することを特徴とする請求項1に記載の水素エンジンの制御装置。
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