JP2002285886A - 筒内噴射型内燃機関 - Google Patents

筒内噴射型内燃機関

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JP2002285886A JP2002003596A JP2002003596A JP2002285886A JP 2002285886 A JP2002285886 A JP 2002285886A JP 2002003596 A JP2002003596 A JP 2002003596A JP 2002003596 A JP2002003596 A JP 2002003596A JP 2002285886 A JP2002285886 A JP 2002285886A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃費の悪化を伴うことなく触媒装置の温度を
維持または昇温可能な筒内噴射型内燃機関を提供する。 【解決手段】 筒内噴射型内燃機関において、触媒装置
の昇温が要求されるときには(S10,S12,S14)、昇温手段
により機関の空燃比が理論空燃比近傍(スライトリーン
空燃比;S/L)となるよう燃料を圧縮行程中に直接燃
焼室内へ噴射して成層燃焼を実施するとともに(圧縮S
/L運転)(S20)、成層燃焼中に生起された一酸化炭素
及び燃焼に寄与しない余剰の酸素を排気通路に排出し触
媒装置において酸化反応させるよう燃料噴射時期及び点
火時期を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射型内燃機
関に係り、詳しくは、筒内噴射型内燃機関における触媒
昇温技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、燃費と出力との両立を図る
ために、燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射型内燃
機関が実用化されている。そして、この種の内燃機関に
おいても、排気通路には排ガス中の有害成分を浄化させ
るために触媒装置が設けられている。この触媒装置は、
所定の活性温度以上でなければ十分な浄化特性を得るこ
とができないため、例えば、アイドル運転等の排ガス温
度が低くなるような運転が継続し、触媒装置が不活性状
態に陥るような状況では、特開平10−47040号公
報に開示されるように、運転モードを排ガス温度が高く
なる均一予混合燃焼のモードに切り換えて触媒温度を活
性温度に維持するように図らねばならない。
【0003】また、冷態始動直後においては、触媒装置
の早期活性化を図るため、特開平8−100638号公
報に開示される如く、筒内噴射型内燃機関の特性を生か
して主噴射以外に膨張行程の前半に副噴射を行い、主噴
射による主燃焼の火炎伝播を利用して副噴射による燃料
を燃焼させ排ガスを昇温させることが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
公報に開示された技術は、いずれも、全体として排ガス
特性は良好となる一方、特開平10−47040号公報
に開示の技術では排気温度の上昇度合いがそれほど大き
くないために触媒装置の温度維持または昇温のために時
間がかかり、また特開平8−100638号公報に開示
の技術では触媒装置が十分に昇温するまでの間、触媒昇
温だけのために余分な燃料を供給し続ける必要があり、
必然的に多くの燃料を使用しなければならず、燃料消費
量が嵩み、燃費が悪化するという問題がある。
【0005】特に、膨張行程において副噴射を行う場
合、当該副噴射による燃料は内燃機関の出力には一切寄
与しないことになるため、副噴射が長期に亘ると燃費の
悪化は避けられず好ましいことではない。本発明はこの
ような問題点を解決するためになされたもので、その目
的とするところは、燃費の悪化を伴うことなく触媒装置
の温度を維持または昇温可能な筒内噴射型内燃機関を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1の発明では、筒内噴射型内燃機関にお
いて、触媒装置の昇温が要求されるとき、昇温手段によ
り機関の空燃比が理論空燃比近傍となる燃料量を圧縮行
程中に直接燃焼室内へ噴射して成層燃焼を実施し、当該
成層燃焼中に生起された一酸化炭素及び燃焼に寄与しな
い余剰の酸素を、排気通路に排出し、排気通路を経て触
媒装置において酸化反応させるよう噴射時期制御手段に
より燃料噴射時期を制御し、点火時期制御手段により点
火時期を制御することを特徴としている。
【0007】つまり、機関の空燃比が理論空燃比近傍と
なるようにして圧縮行程中に燃料が噴射されて成層燃焼
が形成され、燃料噴射時期及び点火時期が制御される
と、燃料は一箇所に集中して空燃比が局部的にリッチ空
燃比となり不完全燃焼が生起されて一酸化炭素(CO)
が多く発生する一方、局部的にリッチ空燃比となる領域
以外では余剰酸素(O2)が多く存在することになり、
これらCOとO2とが同時に排気通路に排出されること
になる。そして、このように排出されたCOとO2とが
共に排気通路を経て触媒装置に達すると、触媒の作用に
よってCOとO2とが酸化反応を起こすことになり、当
該反応熱により触媒装置が良好に昇温する。
【0008】従って、触媒装置の昇温が要求されるとき
において、機関の空燃比を理論空燃比近傍として圧縮行
程中に燃料を噴射することで、例えば上記特開平8−1
00638号公報に開示されるような長期間に亘る副噴
射に依らず、燃費を悪化させることなく触媒装置を効率
よく良好に昇温させることが可能とされる。また、請求
項2の発明では、成層燃焼が実施されるとき、変更手段
により、燃料噴射時期と点火時期との間隔が広くなるよ
う、少なくとも噴射時期制御手段によって設定される燃
料噴射時期及び点火時期制御手段によって設定される点
火時期のいずれか一方が変更される。
【0009】これにより、上述の如く機関空燃比を理論
空燃比近傍に近づけて成層燃焼を行うと、従来の筒内噴
射型内燃機関で実現されていた成層燃焼(例えば、空燃
比25以上での燃焼)に比べて主として点火栓近傍の一
箇所が極めてリッチな空燃比となり燃焼が悪化するた
め、従来の成層燃焼より成層度合いを弱めるようにし、
極めてリッチな空燃比となる領域を点火栓近傍から若干
外す必要があるのであるが、このように、例えば、燃焼
室空間が広いときに燃料を噴射させて燃料の拡散をし易
くすべく燃料噴射時期を早めたり、ピストン上死点近傍
での吸気流(例えば、タンブル流やスワール流等)の崩
壊またはスキッシュ流による吸気流の乱れとともに点火
すべく点火時期を遅角することで、COを適切に生起さ
せながら上述の燃焼悪化が好適に抑制される。
【0010】また、点火までに気化が進んだ混合気を点
火栓近傍に導くことができることになるので、燃料液滴
が点火栓の電極に付着することによる点火栓の絶縁抵抗
の低下も回避可能とされる。さらに、燃料噴射時期から
点火時期までの間隔が広くなるため、噴射された燃料の
霧化時間が確保され、スモークの抑制も可能となる。ま
た、請求項3の発明では、昇温手段による成層燃焼中
に、排ガス中の酸素濃度を検出するセンサの出力に基づ
き機関の空燃比をフィードバック制御する制御手段を備
えたことを特徴としている。
【0011】これにより、制御の信頼性を高めることが
でき、触媒装置の昇温効率が向上する。また、請求項4
の発明では、理論空燃比よりも希薄なリーン空燃比とな
る燃料量の燃料を圧縮行程中に直接燃焼室内に噴射する
圧縮リーンモードを選択可能な機関と、当該圧縮リーン
モードが選択されているときに吸気系に排ガスを還流す
るようEGRバルブを開弁する排気再循環装置と、機関
の排気通路に設けられ、排ガス中の有害成分を浄化する
触媒装置と、触媒装置の昇温が要求されるとき、機関の
空燃比が理論空燃比近傍となる燃料量を圧縮行程中に直
接燃焼室内に噴射して成層燃焼を実施する昇温手段とを
備え、排気再循環装置は、昇温手段による成層燃焼中
に、排ガスの還流を行わないようEGRバルブを閉弁状
態とすることを特徴としている。
【0012】これにより、昇温手段による成層燃焼の実
施中における空燃比の変動が抑えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づき説明する。図1を参照すると、車両に搭載さ
れた本発明に係る筒内噴射型内燃機関の概略構成図が示
されており、以下同図に基づいて本発明に係る筒内噴射
型内燃機関の構成を説明する。
【0014】機関本体(以下、単にエンジンという)1
は、例えば、燃料噴射モード(運転モード)を切換える
ことで均一予混合燃焼を行う吸気行程での燃料噴射(吸
気行程噴射モード)または成層燃焼を行う圧縮行程での
燃料噴射(圧縮行程噴射モード)を実施可能な筒内噴射
型火花点火式直列4気筒ガソリンエンジンとされてい
る。そして、この筒内噴射型のエンジン1は、容易にし
て理論空燃比(ストイキオ)での運転やリッチ空燃比で
の運転(リッチ空燃比運転)の他、リーン空燃比(空燃
比18〜23程度)での運転(リーン空燃比運転)が実
現可能とされており、特に圧縮行程噴射モードでは、超
リーン空燃比(空燃比25〜50程度)での運転が可能
とされている。
【0015】さらに、当該筒内噴射型のエンジン1は、
吸気行程や圧縮行程での燃料噴射のみならず、膨張行程
でも燃料を噴射可能とされており、吸気行程或いは圧縮
行程で主燃焼のための主噴射を行った後、膨張行程でさ
らに追加燃料を供給する副噴射を行うような分割噴射
(2段噴射)も実施可能とされている。この分割噴射
(2段噴射)は、主として膨張行程で副噴射された燃料
を正味仕事として寄与させず、膨張行程後半から排気行
程中に余剰酸素と反応(燃焼)させることで排気昇温を
行うようなものである。
【0016】図1に示すように、エンジン1のシリンダ
ヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ4とともに電磁式
の燃料噴射弁6が取り付けられており、これにより、燃
焼室8内に燃料を直接噴射可能とされている。燃料噴射
弁6には、燃料パイプを介して燃料タンクを擁した燃料
供給装置(共に図示せず)が接続されている。より詳し
くは、燃料供給装置には、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポ
ンプとが設けられており、これにより、燃料タンク内の
燃料を燃料噴射弁6に対し低燃圧或いは高燃圧で供給
し、該燃料を燃料噴射弁6から燃焼室内に向けて所望の
燃圧で噴射可能とされている。この際、燃料噴射量は高
圧燃料ポンプの燃料吐出圧と燃料噴射弁6の開弁時間、
即ち燃料噴射時間とから決定される。
【0017】シリンダヘッド2には、各気筒毎に略直立
方向に吸気ポートが形成されており、各吸気ポートと連
通するようにして吸気マニホールド10の一端がそれぞ
れ接続されている。そして、吸気マニホールド10の他
端にはスロットル弁11が接続されており、該スロット
ル弁11にはスロットル開度θthを検出するスロットル
センサ11aが設けられている。
【0018】また、シリンダヘッド2には、各気筒毎に
略水平方向に排気ポートが形成されており、各排気ポー
トと連通するようにして排気マニホールド12の一端が
それぞれ接続されている。図中符号13は、クランク角
CAを検出するクランク角センサであり、該クランク角
センサ13はクランク角CAとともにエンジン回転速度
Neを検出可能とされている。また、図中符号14は、
エンジン1の冷却水温WTを検出する水温センサであ
り、該水温センサ14からの温度情報に基づいて、エン
ジン1が冷態状態にあるか暖機状態にあるかを判定する
ことが可能とされている。
【0019】なお、当該筒内噴射型のエンジン1は既に
公知のものであり、その構成の詳細についてはここでは
説明を省略する。排気マニホールド12としては、排出
された未燃燃料成分(未燃HC等の可燃物)を効率よく
排気通路内で燃焼させることが可能なよう、反応型排気
マニホールドが採用されている。反応型排気マニホール
ド12は、図1中に示すように、通常の排気マニホール
ドに比べて各気筒からの排ガスが集中する排気合流部1
2aの容積が大きく、該排気合流部12aにおいて暫時
滞留する未燃燃料成分が余剰酸素と混合し十分に反応
(燃焼)するように設計されている。これにより、特に
上記分割噴射(2段噴射)による副噴射によって排出さ
れた未燃燃料成分(主としてHC)が十分に反応(燃
焼)することとなり、排気昇温が良好に実現される。
【0020】また、同図に示すように、排気マニホール
ド12には排気管(排気通路)20が接続されており、
この排気管20には排気浄化触媒装置30を介してマフ
ラー(図示せず)が接続されている。そして、排気管2
0にはO2センサ22が設けられている。O2センサ22
は、排ガス中のO2の濃度を検出するものであって、こ
れによりエンジン1の実際の空燃比(実A/F)を検出
可能となっている。詳しくは、O2センサ22は、スト
イキオにおいてその出力が大きく変化するような特性を
有しており、具体的には、リッチ空燃比側では出力電圧
が大である一方、リーン空燃比側では小(0値近傍)と
なる特性を有している。故に、O2センサ22を用い、
空燃比を故意にリーン−リッチ振動させることで、空燃
比をストイキオ近傍にフィードバック制御(O2フィー
ドバック制御ともいい、以下O2−F/B制御という)
することが可能とされている。なお、当該O2センサ2
2は公知のものであり、ここではその構成等の詳細につ
いては説明を省略する。
【0021】排気浄化触媒装置30は、リーン空燃比運
転時における排ガス中のNOxをHC存在下で選択的に
浄化する選択還元型NOx触媒(以下、単に還元型NOx
触媒という)30aと三元触媒30bとの2つの触媒を
備えて構成されており、三元触媒30bの方が選択型N
Ox触媒30aよりも下流側に配設されている。選択型
NOx触媒30aは、公知の如く、三元触媒30bと構
造は略同一であるものの、還元雰囲気中においてより多
くのNOxを選択的に還元させることが可能に構成され
た触媒である。
【0022】そして、三元触媒30bの下流側には排気
浄化触媒装置30を通った排ガスの温度、即ち排気温度
Texを検出する排気温センサ32が設けられている。な
お、排気浄化触媒装置30を通った排ガスの温度は略排
気浄化触媒装置30の温度とみなすことができ、故に排
気温度Texを検出することによって排気浄化触媒装置3
0の温度状態を知ることができる。これにより、排気浄
化触媒装置30が触媒機能を十分に果たすことができる
か否か、即ち選択型NOx触媒30a及び三元触媒30
bが活性状態に達しているか否かを検出可能である。
【0023】さらに、入出力装置、記憶装置(ROM、
RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CP
U)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子コントロ
ールユニット)40が設置されており、このECU40
により、エンジン1を含めた本発明に係る筒内噴射型内
燃機関の総合的な制御が行われる。ECU40の入力側
には、上述したスロットルセンサ11a、クランク角セ
ンサ13、水温センサ14、O2センサ22、排気温セ
ンサ32等の各種センサ類が接続されており、これらセ
ンサ類からの検出情報が入力する。
【0024】一方、ECU40の出力側には、点火コイ
ルを介して上述した点火プラグ4や燃料噴射弁6等が接
続されており、これら点火コイル、燃料噴射弁6等に
は、各種センサ類からの検出情報に基づき演算された燃
料噴射量、燃料噴射時期や点火時期等の最適値がそれぞ
れ出力される(噴射時期制御手段及び点火時期制御手
段)。これにより、燃料噴射弁6から適正量の燃料が適
正なタイミングで噴射され、点火プラグ4によって適正
なタイミングで点火が実施される。
【0025】実際には、ECU40では、スロットルセ
ンサ11aからのスロットル開度情報θthとクランク角
センサ13からのエンジン回転速度情報Neとに基づい
てエンジン負荷に対応する目標平均有効圧Peを求める
ようにされており、通常は、当該目標平均有効圧Peと
エンジン回転速度情報Neとに応じて燃料噴射モード設
定マップ(図示せず)より燃料噴射モード、即ち運転モ
ードを設定するようにされている。例えば、目標平均有
効圧Peとエンジン回転速度Neとが共に小さいときに
は、運転モードは圧縮行程噴射モード(圧縮リーンモー
ド、即ち圧縮Lモード)とされ、燃料は圧縮行程で噴射
され、一方、目標平均有効圧Peが大きくなり或いはエ
ンジン回転速度Neが大きくなると運転モードは吸気行
程噴射モードとされ、燃料は吸気行程で噴射される。吸
気行程噴射モードには、リーン空燃比とされる吸気リー
ンモード(吸気Lモード)、実A/Fをストイキオとな
るようフィードバック制御する吸気行程O2フィードバ
ックモード(吸気O2−F/Bモード)、及び、リッチ
空燃比とされるオープンループモード(吸気O/Lモー
ド)がある。
【0026】そして、目標平均有効圧Peとエンジン回
転速度Neとから制御目標となる目標空燃比(目標A/
F)が設定され、上記適正量の燃料噴射量は、当該目標
A/Fに基づいて決定される。また、各種センサ類から
の検出情報に基づき、エンジン1の運転状態に応じて、
運転モードは吸気行程或いは圧縮行程において主噴射を
行い且つ膨張行程で追加燃料の副噴射を行う分割噴射モ
ード(2段噴射モード)に切り換えられる。
【0027】さらに、本発明の筒内噴射型内燃機関で
は、各種センサ類からの検出情報に基づき、排気浄化触
媒装置30の温度が低いような状況では、運転モード
は、圧縮行程において空燃比をストイキオよりもややリ
ーン寄りのスライトリーン空燃比(例えば、値14.7
〜値16)に制御する圧縮行程スライトリーンモード
(圧縮S/Lモード)、或いは実A/Fをストイキオ
(値14.7)となるようフィードバック制御する圧縮
行程O2フィードバックモード(圧縮O2−F/Bモー
ド)に切り換えられる。これにより、排気浄化触媒装置
30の昇温が行われるようにされている。
【0028】以下、本発明に係る排気浄化触媒装置30
の昇温制御、即ち上記のように構成された本発明の筒内
噴射型内燃機関の作用について説明する。排気浄化触媒
装置30の温度が低いような状況には、エンジン1が作
動中に排気温度Texが低下することによって排気浄化触
媒装置30が所定の活性温度以下の低温となる場合と、
エンジン1が長時間に亘って停止していたために排気浄
化触媒装置30が低温となっている場合、即ち冷態始動
時の場合の2通りがあり、以下、これらの場合について
それぞれ説明する。
【0029】「第1実施形態」先ず、エンジン1が作動
中に排気温度Texが低下して排気浄化触媒装置30が冷
却される場合の昇温制御について説明する。図2を参照
すると、エンジン1の作動中に排気浄化触媒装置30が
冷却される場合の昇温制御、即ち排気浄化触媒装置30
が所定の活性温度以下の低温とならないように抑制する
失活抑制制御のうちタイマ制御による場合の制御ルーチ
ンがフローチャートで示されており、図3を参照する
と、当該失活抑制制御の制御内容がタイムチャートで示
されており、以下、当該図2のフローチャート及び図3
のタイムチャートに沿って第1実施形態を説明する。
【0030】エンジン1が作動中に排気温度Texが低下
してしまう場合とは、運転モードが、例えば燃料噴射量
が少なく吸入空気量が多く燃焼温度があまり上昇しない
ような圧縮Lモード等であって、エンジン回転速度Ne
が低いアイドル運転時のような場合(総称して排気低温
運転モードという)が該当する。先ず、ステップS10
では、上記燃料噴射モード設定マップに基づき運転モー
ドが圧縮Lモードであり且つエンジン回転速度Neが低
く例えばアイドル運転時と判定され、即ち排気低温運転
モードでの運転が開始されたと判定された場合におい
て、当該ルーチンで使用するタイマTを値0にリセット
し、計時を開始するようにする(図3(a)、(c)、
(d)、(e)、(f)参照)。そして、ステップS1
2において、排気低温運転モードでの運転を実行する。
【0031】次のステップS14では、タイマTが所定
タイマ時間T1を計時したか否か、即ち排気低温運転モ
ードでの運転が所定タイマ時間T1を超えて継続したか
否かを判別する。所定タイマ時間T1は、予め実験等に
より、例えば、排気低温運転モードでの運転を継続した
場合に、排気浄化触媒装置30が所定の活性温度以下、
即ち排気温度Texが所定値(失活温度)Tex0以下にな
ったと推定されるまでの時間に設定されている。判別結
果が偽(No)の場合には、ステップS12に戻り排気
低温運転モードでの運転を継続する。一方、判別結果が
真(Yes)の場合、即ちタイマTが所定タイマ時間T
1を計時し排気低温運転モードでの運転が所定タイマ時
間T1を超えたと判定された場合(図3(d)参照)に
は、次にステップS16に進む。
【0032】ステップS16では、排気浄化触媒装置3
0の昇温を行う前に圧縮S/Lモードでの運転を行って
もよいか否かを判別する。具体的には、エンジン回転速
度Ne、目標平均有効圧Pe、車速Vがそれぞれ各対応す
る所定値以下であるか否かを判別する。エンジン回転速
度Ne、目標平均有効圧Pe、車速Vのいずれかが高い条
件では、排気温度が高い通常走行状態とみなすことがで
き、本制御を用いなくても排気浄化触媒装置30の昇温
効果は十分に得られる。故に、ステップS16の判別結
果が偽(No)であって、エンジン回転速度Ne、目標
平均有効圧Pe、車速Vのいずれかが対応する所定値よ
りも大きいような場合には、次にステップS18に進
む。
【0033】つまり、エンジン回転速度Ne、目標平均
有効圧Pe、車速Vのいずれかが対応する所定値より大
きいような場合には、運転者がエンジン1に高出力を要
求しており、エンジン1を積極的に運転したいような状
況と判断でき、このような場合には、圧縮S/Lモード
を実施すると排気浄化触媒装置30の過昇温のおそれが
あるため、圧縮S/Lモードでの運転を行わないように
する。
【0034】従って、この場合には、圧縮S/Lモード
での運転を行わず、つまり排気浄化触媒装置30の昇温
制御を行うことなく、ステップS18において、通常制
御を実施するようにする。つまり、上記燃料噴射モード
設定マップに基づいてエンジン1の運転を行うようにす
る。一方、ステップS16の判別結果が真(Yes)
で、エンジン回転速度Ne、目標平均有効圧Pe、車速V
のいずれもがそれぞれ対応する所定値以下であると判定
された場合には、次にステップS20に進み、圧縮S/
Lモードでの運転を行うようにする。
【0035】圧縮S/Lモードでは、上述したように、
圧縮行程において空燃比をストイキオ(値14.7)よ
りもややリーン寄りのスライトリーン空燃比(例えば、
値14.7〜値16)に制御して燃料噴射を行う(昇温
手段)。このようにすると、局部的に極めて燃料濃度の
濃いリッチ空燃比状態が筒内に形成され、局部的に酸素
が不足するために燃料が不完全燃焼を引き起こし、一酸
化炭素(CO)が比較的多く発生することになる。ま
た、このとき、酸素が不足するために、燃焼により発生
した水素(H2)がそのまま存在する。
【0036】一方、圧縮行程噴射モードでの燃焼は成層
燃焼であるために、局部的に濃いリッチ空燃比領域から
離間した燃焼室8内の部分では、燃焼に寄与しない酸素
(O 2)が余剰酸素として多く存在している。即ち、運
転モードを圧縮S/Lモードとすると、一酸化炭素(C
O)や水素(H2)が比較的多く生成されて排気マニホ
ールド12に排出されると同時に、燃焼に寄与しない余
剰の酸素(O2)が排気マニホールド12に排出される
ことになるのである。
【0037】つまり、図4を参照すると、空燃比A/F
を変えて圧縮行程噴射を行った場合のO2センサ出力
(a)、O2濃度(b)、H2濃度(c)、CO濃度
(d)が実線で示され、空燃比A/Fを変えて吸気行程
噴射を行った場合の同様の結果が一点鎖線で比較して示
されているが、同図に示すように、空燃比をストイキオ
近傍として吸気行程噴射を行った場合(一点鎖線)に
は、均一予混合燃焼となるためにH2濃度は略0vol%、
CO濃度は略0.5vol%となっている一方、空燃比を
ストイキオ近傍として圧縮行程噴射を行った場合(実
線)には、O2濃度とともにH2濃度やCO濃度について
も十分に高い値を示すのである(例えば、O2濃度:
2.0vol%、H2濃度:0.5vol%、CO濃度1.5v
ol%)。
【0038】そして、このように一酸化炭素(CO)、
水素(H2)と酸素(O2)とが同時に排気マニホールド
12に排出されると、上述したように、排気マニホール
ド12は反応型排気マニホールドであるために、CO、
2、O2が排気合流部12aにおいてある程度良好に酸
化反応(燃焼)することになる。また、排ガス中には未
燃HCも含まれているため、当該未燃HCについても排
気合流部12aにおいてやはり良好に酸化反応(燃焼)
することになる。これにより、排気温度がある程度昇温
することになり、当該反応熱(燃焼熱)によって排気浄
化触媒装置30の昇温が図られることになる。
【0039】しかしながら、当該圧縮S/Lモードが実
施される状況は、排気低温運転モードでの運転が所定タ
イマ時間T1を超えて実施され、排気温度Texが極めて
低い状況であることから、この排気マニホールド12内
における反応はそれほど促進されず、故に当該排気昇温
による排気浄化触媒装置30の昇温の効果はそれほど高
いものではない。
【0040】従って、CO、H2、O2の殆どは、排気管
20を通って排気浄化触媒装置30に達することにな
る。ところで、一般に排気浄化触媒装置30の選択型N
Ox触媒30aと三元触媒30bは、ともに酸素過剰雰
囲気において触媒内にO2を貯留する機能を有してお
り、該貯留したO2によってCO等の有害成分を酸化し
て無害化するよう構成されている。
【0041】従って、上記のようにCOやH2とO2とが
同時に存在することになると、触媒の作用によってこれ
らCOやH2が良好に酸化反応することになり、このと
き発生する反応熱によって排気浄化触媒装置30が昇温
することになる。即ち、排気低温運転モードでの運転が
所定タイマ時間T1を超えて実施されて排気温度Texが
極めて低い状況となったときには、運転モードを圧縮S
/Lモードとすることで、排気浄化触媒装置30にC
O、H2、O2を同時に供給でき、COやH2の酸化反応
による反応熱で排気浄化触媒装置30、即ち選択型NO
x触媒30aと三元触媒30bとを良好且つ早期に昇温
させることができるのである。
【0042】即ち、図5を参照すると、選択型NOx触
媒30aと三元触媒30bとにそれぞれ排気温センサを
設け、排気温度Texが所定値(失活温度)Tex0以下と
なった後、本発明に係る圧縮S/Lモードでの運転を実
施した場合の選択型NOx触媒30aの中心部と三元触
媒30bの中心部における排気温度Texの時間変化が実
線で、また従来の技術のように、均一予混合燃焼での運
転を行った場合の時間変化が一点鎖線で示されている
が、同図に示すように、圧縮S/Lモード(実線)で運
転すると、均一予混合燃焼を実施した場合(一点鎖線)
よりも排気温度Texが急速に高温域まで昇温することに
なり、選択型NOx触媒30aとともに三元触媒30b
が早期に昇温することになるのである。
【0043】なお、同図では三元触媒30bの中心部の
排気温度Texが選択型NOx触媒30aの中心部の排気
温度Texよりも遅れて昇温しているが、これは、三元触
媒30bの方が選択型NOx触媒30aよりも下流にあ
るために、CO、H2、O2は、その殆どが選択型NOx
触媒30a内で反応して先ず選択型NOx触媒30aを
昇温させ、その後、選択型NOx触媒30aが十分に昇
温し余剰となった反応熱で三元触媒30bが遅れて昇温
されることになるためである。
【0044】そして、この場合、圧縮S/Lモードにお
いては、全体としての空燃比はストイキオ(値14.
7)近傍の値(例えば、値14.7〜値16)であるの
で、上記従来の技術のように、触媒装置が活性状態とな
るまでの間、均一予混合燃焼(例えば、吸気O/Lモー
ド運転)を長時間に亘って実施したり、副噴射を継続実
施したりして無闇に燃料消費量を増大させることなく、
つまり燃費の悪化なく排気浄化触媒装置30を昇温させ
ることができることになる。
【0045】ところで、運転モードを圧縮S/Lモード
とし、成層燃焼により局部的にリッチ空燃比状態として
COを多く発生させるような場合、いわゆるスモークと
の関係が問題となるが、通常は、図6に示すように、C
O濃度とスモーク濃度とは略比例関係にあり、COの量
の増大につれてスモークも増大するという関係を有して
いる。つまり、圧縮S/Lモードでの空燃比をリーン空
燃比側にして燃料噴射量を少なくするほどCOの発生量
が減ることになり、スモークの発生量を抑えることがで
きる。
【0046】このようなことから、当該圧縮S/Lモー
ドでは、空燃比をリッチ空燃比側ではなくスモークの発
生量を極力抑えながらもCOを十分に得られるようなス
ライトリーン空燃比(例えば、値14.7〜値16)と
するようにしている。また、COの発生量及びスモーク
の発生量は点火時期と燃料噴射時期(実際には噴射終了
時期)との相関性が大きく、特に点火時期と噴射終了時
期との間隔に大きく起因していることが分かっている。
従って、ここでは、点火時期と噴射終了時期とを、スモ
ークの発生量を少なくでき且つCOを十分に得られるよ
うな最適な点火時期と噴射終了時期とに設定するように
している。
【0047】図7を参照すると、空燃比を一定(例え
ば、値15)とした場合の点火時期、噴射終了時期及び
点火時期と噴射終了時期との間隔(一点鎖線で示す)と
CO濃度(実線)、スモーク濃度(斜線付き実線)との
関係がマップが示されているが、実際には、当該マップ
に基づいて最適な点火時期と噴射終了時期とが設定され
る。具体的には、例えば、スモークを目視で認識できな
いレベルとみなせるスモーク濃度の基準値(例えば、ス
モーク濃度5.0%程度)を設定しておき、スモークの
発生量を該基準値に抑えようとした場合に最もCOの発
生量が多くなりCO濃度が高い値(例えば、CO濃度
1.5%近傍)となるような点火時期と噴射終了時期
(設定点)を当該関係マップより読み出すようにする
(変更手段)。この設定点とすると、最適な点火時期は
例えば5°BTDCとなる一方、最適な噴射終了時期は例え
ば55°BTDCとなり、点火時期と噴射終了時期との間隔
は、同図より例えば50°CA(クランクアングル)と
なる。
【0048】また、ここではスモーク濃度が基準値(例
えば、スモーク濃度5.0%程度)となるようにして最
適な点火時期と噴射終了時期とを設定するようにしてい
るが、実際には、COの発生量とスモークの発生量とを
勘案し、COをできるだけ多く発生させるように点火時
期と噴射終了時期とを設定してもよいし、またスモーク
をできるだけ発生させないようにして点火時期と噴射終
了時期とを設定してもよい。
【0049】この場合、具体的には、同図に示すよう
に、COの発生量を多くしたい場合には点火時期と噴射
終了時期との間隔を小さくすればよく、逆にスモークの
発生量を少なくしたい場合には点火時期と噴射終了時期
との間隔を大きくすればよい。実際上は、点火時期と噴
射終了時期との間隔が上記50°CAの前後10°程度
の範囲内、即ち40°CA〜60°CAの範囲内であれ
ばスモークの発生量を十分に少なくでき且つCOを十分
に得ることが可能である。つまり、圧縮S/Lモードで
は、点火時期と噴射終了時期との間隔は、40°CA〜
60°CAの範囲内であるのがよい。
【0050】なお、排気低温運転モードでの運転が例え
ばアイドル運転である場合には、運転モードが圧縮S/
Lモードとされても、当該アイドル状態を維持する必要
があることから、上記スロットル弁11を迂回するよう
設けられたバイパス通路(図示せず)のバイパス空気量
を設定するとともに、エンジン回転速度Neが所定のア
イドル回転速度となるように設定する必要がある。
【0051】また、運転モードが圧縮Lモードである場
合には、通常はNOx低減を目的として排気再循環(E
GR)を行うべくEGRバルブ(図示せず)を開弁して
いるのであるが、当該圧縮S/Lモードが実施されると
きには、空燃比の変動等を抑えるため、EGRバルブは
閉弁状態とし、EGRは行わないようにする。以上のよ
うに、図2のステップS20において圧縮S/Lモード
での運転を行い、排気浄化触媒装置30の昇温を実施し
たら、次にステップS22に進む。
【0052】ステップS22では、タイマTが所定タイ
マ時間T2を計時したか否か、即ち圧縮S/Lモードで
の運転が所定タイマ時間T2を超えて継続したか否かを
判別する。所定タイマ時間T2は、上記所定タイマ時間
T1と同様、予め実験等により、例えば、排気低温運転
モードでの運転後、圧縮S/Lモードでの運転の実行に
より排気浄化触媒装置30が所定の高温、即ち排気温度
Texが所定値Tex1にまで昇温したと推定されるまでの
時間に設定されている。そして、判別結果が偽(No)
の場合には、ステップS16を経てステップS20にお
いて圧縮S/Lモードでの運転を継続する。一方、判別
結果が真(Yes)の場合、即ちタイマTが所定タイマ
時間T2を計時し、圧縮S/Lモードでの運転が所定タ
イマ時間T2を超えたと判定された場合(図3(c)参
照)には、圧縮S/Lモードでの運転を終了し、次にス
テップS24に進む。
【0053】ステップS24では、運転モードを再びも
との運転モードに戻すようにする。つまり、ここでは、
排気低温運転モードでの運転を継続するようにする。 「第2実施形態」第2実施形態では、上記第1実施形態
の失活抑制制御をタイマ制御に代えて排気温センサ制御
で行った場合の実施形態について説明する。
【0054】図8を参照すると、エンジン1の作動中に
排気浄化触媒装置30が冷却される場合の失活抑制制御
のうち排気温センサ制御による場合の制御ルーチンがフ
ローチャートで示されており、以下、当該図8のフロー
チャートに沿い上記図3のタイムチャートをも参照しな
がら説明する。先ず、ステップS30では、排気低温運
転モードでの運転の実施により、排気温センサ32によ
って検出される排気温度Texが上記所定値(失活温度)
Tex0以下となったか否かを判別する(図3(b)参
照)。つまり、上記第1実施形態ではタイマTの計時に
よる排気温度Texの推定によって基本的に圧縮S/Lモ
ードを行うか否かの判別を行っていたが、ここでは、推
定によらずに直接的に排気温度Texを検出して判別を行
うようにする。
【0055】そして、ステップS30の判別結果が偽
(No)であれば、ステップS39に進み、圧縮S/L
モードでの運転を行わず、つまり失活抑制制御を行う前
の運転モードでの運転を継続する。一方、ステップS3
0の判別結果が真(Yes)で、排気温度Texが上記所
定値(失活温度)Tex0以下と判定された場合には、ス
テップS32に進み、上記同様に圧縮S/Lモードでの
運転を行ってもよいか否かの判別を行う。なお、この場
合の判別条件については上述した通りであり、ここでは
説明を省略する。
【0056】そして、ステップS32の判別結果が偽
(No)の場合には、ステップS34に進み、上記同様
に通常制御を行う。一方、ステップS32の判別結果が
真(Yes)の場合には、次にステップS36に進み、
圧縮S/Lモードでの運転を開始する。なお、圧縮S/
Lモードの内容についても上述した通りであるため、こ
こでは説明を省略する。
【0057】このようにステップS36において圧縮S
/Lモードでの運転を行い、排気浄化触媒装置30の昇
温を実施したら、次にステップS38に進む。ステップ
S38では、排気温センサ32によって検出される排気
温度Texが上記所定値Tex1以上となったか否かを判別
する(図3(b)参照)。つまり、上記第1実施形態で
はタイマTの計時による排気温度Texの推定によって圧
縮S/Lモードを終了するか否かの判別を行っていた
が、ここでは、推定によらずに直接的に排気温度Texを
検出して圧縮S/Lモードの終了判定を行うようにす
る。
【0058】そして、ステップS38の判別結果が偽
(No)であれば、ステップS32を経てステップS3
6において圧縮S/Lモードでの運転を継続する。一
方、ステップS38の判別結果が真(Yes)の場合、
即ち圧縮S/Lモードでの運転の継続により排気温度T
exが上記所定値Tex1以上と判定された場合(図3
(b)参照)には、圧縮S/Lモードでの運転を終了
し、次にステップS39に進む。
【0059】ステップS39では、上述したように、運
転モードを失活抑制制御を行う前の運転モードに戻して
運転を継続する。この場合、実際には排気低温運転モー
ドでの運転を継続することになる。これにより、圧縮S
/Lモードでの運転を必要に応じてより適正に実施でき
ることになり、上記第1実施形態の場合と同様に、燃費
の悪化なく且つスモークの発生少なく排気浄化触媒装置
30を良好に昇温させることができることになる。
【0060】「第3実施形態」次に、エンジン1を冷態
始動させる場合の排気浄化触媒装置30の昇温制御につ
いて説明する。図9を参照すると、エンジン1を冷態始
動させる際の昇温制御、即ち排気浄化触媒装置30を低
温状態から所定の活性温度まで昇温させる冷態始動昇温
制御のうちタイマ制御により圧縮S/Lモードでの運転
をオープンループ制御(O/L制御)する場合の制御ル
ーチンがフローチャートで示されており、図10を参照
すると、当該冷態始動昇温制御の制御内容がタイムチャ
ートで示されており、以下、当該図9のフローチャート
及び図10のタイムチャートに沿って第3実施形態を説
明する。
【0061】先ず、ステップS40では、始動スイッチ
(始動SW)、即ちイグニションキー(図示せず)が操
作されてオン状態とされ、エンジン1が始動したと判定
された場合において、上記第1実施形態の場合と同様に
当該ルーチンで使用するタイマTを値0にリセットし、
計時を開始するようにする(図10(c)、(d)、
(e)参照)。そして、ステップS42において、例え
ばエンジン回転速度Neがアイドル回転速度より大きい
所定値Ne1に達したと判定され、始動判定が完了した
ら、次にステップS44に進む。なお、図10(a)に
示すように、エンジン1の始動後、エンジン回転速度N
eが所定値Ne1に達するまでは、始動に十分な燃料を供
給すべく運転モードは吸気O/Lモードとされる。
【0062】ステップS44では、上述の2段噴射を行
ってもよいか否かを判別する。当該第3実施形態では、
冷態始動時のように、排気浄化触媒装置30が極めて低
温状態にあり十分に活性していないような場合には、上
記圧縮S/Lモードでの運転を行っても触媒による酸化
反応が促進され難い。故に、この場合には、圧縮S/L
モードでの運転に先だって2段噴射を行い、排気昇温に
よって予め排気浄化触媒装置30をある程度昇温(予
熱)させるようにしており、ここでは、先ず当該2段噴
射の実施可否判別を行うようにする。
【0063】ここでは、上述した圧縮S/Lモードの実
施可否判別の場合と同様に、例えば、図示しないアイド
ルスイッチがオフで、エンジン回転速度Ne、目標平均
有効圧Pe、車速Vがそれぞれ各対応する所定値以下で
あるか否かを判別する。また、水温センサ14からの冷
却水温情報WTが、エンジン1が暖機したとみなせる温
度、即ち暖機温度WT0以下であるか否かを判別する。
冷却水温情報WTが暖機温度WT0以下であるか否かを
も判別するのは、特に排気浄化触媒装置30の過昇温を
防止することを考慮したためである。
【0064】ステップS44の判別結果が偽(No)
で、トルク不足、過昇温のおそれがあり、2段噴射を実
施しない方がよいと判定された場合には、ステップS4
6において、通常制御を実施するようにする。つまり、
上記燃料噴射モード設定マップに基づいてエンジン1の
運転を行うようにする。一方、ステップS44の判別結
果が真(Yes)、即ちトルク不足、過昇温のおそれは
なく、2段噴射を実施してもよいと判定された場合に
は、ステップS48において2段噴射を実施する(図1
0(a)参照)。つまり、吸気行程或いは圧縮行程で主
燃焼のための主噴射を行った後、膨張行程でさらに追加
燃料を供給する副噴射を行うようにする。これにより、
副噴射による未燃燃料成分(主としてHC)が上記反応
型排気マニホールドの作用によって良好に反応(燃焼)
して排気温度が上昇することになり、排気浄化触媒装置
30の昇温が行われる。
【0065】次のステップS50では、2段噴射の実施
後、タイマTが所定タイマ時間T3を計時したか否かを
判別する。所定タイマ時間T3は、予め実験等により、
例えば、圧縮S/Lモードに切り換えたときに、排気浄
化触媒装置30の温度が排気浄化触媒装置30内で酸化
反応を開始することができる程度の温度となるまでの時
間に設定されている。判別結果が偽(No)の場合に
は、ステップS44を経てステップS48において2段
噴射を継続する。一方、判別結果が真(Yes)の場
合、即ちタイマTが所定タイマ時間T3を計時したと判
定された場合(図10(d)参照)には、次にステップ
S52に進む。
【0066】ステップS52では、上記第1及び第2実
施形態の場合と同様に圧縮S/Lモードでの運転を行っ
てもよいか否かの判別を行う。当該第3実施形態では、
判別条件として上述したエンジン回転速度Ne、目標平
均有効圧Pe、車速Vに関するものに加え、上記2段噴
射の実施可否判別の場合と同様に、冷却水温情報WTが
暖機温度WT0以下であるか否かをも判別条件とし、さ
らに、2段噴射の合計実施時間が所定時間t3以上であ
るか否かをも判別条件として圧縮S/Lモードの実施可
否判別を行う。詳しくは、エンジン回転速度Neが上記
アイドル回転速度より大きい所定値Ne1以下であるか否
か、目標平均有効圧Peが所定値Pe1以下であるか否
か、車速Vが所定値V1以下であるか否かの判別を行う
とともに(図10(e)、(f)、(g)参照)、冷却
水温情報WTが暖機温度WT0以下であるか否かの判別
を行い(図10(b)参照)、さらに、2段噴射の合計
実施時間が所定時間t3(t3<T3)以上であるか否か
の判別を行う。
【0067】ここで、2段噴射の合計実施時間が所定時
間t3以上であるか否かをも判別条件とするのは、タイ
マTが所定タイマ時間T3を計時している途中で運転状
態の変化によって上記ステップS44の判別結果が一時
的に偽(No)となり2段噴射が中断されるような場合
には、排気浄化触媒装置30が2段噴射によって十分に
昇温しないおそれがあり、このような状態のままでは圧
縮S/Lモードでの運転の効果が十分に得られないこと
を考慮したためである。つまり、2段噴射の合計実施時
間が排気浄化触媒装置30を十分に昇温可能な時間、即
ち所定時間t3に満たないような場合には、圧縮S/L
モードでの運転の効果が十分に得られないとみなせ、こ
の場合には圧縮S/Lモードでの運転を行わないように
するのである。
【0068】そして、ステップS52の判別結果が偽
(No)の場合には、ステップS54に進み、上記同様
に通常制御(例えば、吸気O/Lモード運転)を行う。
一方、ステップS52の判別結果が真(Yes)の場合
には、次にステップS56に進み、上記第1及び第2実
施形態の場合と同様に圧縮S/Lモードでの運転を実施
する(図10(a)参照)。
【0069】このように、先ず2段噴射を実施し、その
後に圧縮S/Lモードでの運転を実施するようにする
と、冷態始動時でありながら、上記第1及び第2実施形
態における失活抑制制御の場合と同様に、排気浄化触媒
装置30でCOやH2の酸化反応を良好に促進させ、そ
の反応熱で排気浄化触媒装置30、即ち選択型NOx触
媒30aと三元触媒30bとを良好且つ早期に昇温させ
ることができることとなる。
【0070】ここで、図11を参照すると、本発明に係
る圧縮S/Lモードでの運転を行う際に、2段噴射を行
った場合(実線)と行わなかった場合(一点鎖線)の選
択型NOx触媒30aの入口と中心部における排気温度
Texの時間変化がタイムチャートで比較して示されてい
るが、同図に示すように、冷態始動時に先ず2段噴射を
行うようにすると、2段噴射による排気昇温によって触
媒入口における排気温度Texが急速に上昇して選択型N
Ox触媒30aが十分に予熱されるため、その後に圧縮
S/Lモードでの運転を行ったときには、上記図5で示
したと同様に、選択型NOx触媒30aは極めて良好に
昇温することになるのである。なお、同図には三元触媒
30bについては省略してあるが、三元触媒30bにつ
いても上記図5で示したと同様に良好に昇温することと
なる。
【0071】また、図12を参照すると、例えば所定タ
イマ時間T3に亘り2段噴射を行った後、圧縮S/Lモ
ードでの運転を行った場合(実線)と圧縮S/Lモード
での運転を行うことなく上記均一予混合燃焼での運転を
行った場合(一点鎖線)の選択型NOx触媒30aの入
口部と中心部及び三元触媒30bの中心部における排気
温度Texの時間変化(a)が示され、併せて、排気浄化
触媒装置30のNOx浄化効率(b)、CO浄化効率
(c)、HC浄化効率(d)の時間変化がそれぞれ圧縮
S/Lモードでの運転を行った場合(実線)と上記均一
予混合燃焼での運転を行った場合(一点鎖線)とで比較
してタイムチャートで示されているが、同図に示すよう
に、冷態始動時にあっては、2段噴射の実施後に圧縮S
/Lモード(実線)で運転すると、2段噴射からの切り
換え直後、極めて短時間にHC、CO、NOxが共に高
い浄化効率を示し、触媒上で活発な反応が起こるので、
上記図5で示したと同様に、選択型NOx触媒30aと
ともに三元触媒30bが、均一予混合燃焼を実施した場
合(一点鎖線)よりも早期に昇温することになるのであ
る。
【0072】ところで、通常、このように2段噴射を行
うことは、上述したようにエンジン1の出力には一切寄
与しない燃料を余分に供給するために燃費の悪化に繋が
るのであるが、図12からも明らかなように、本発明に
おいては排気浄化触媒装置30の昇温のために実施する
2段噴射の時間、即ち所定タイマ時間T3は極めて短時
間でよく、故に、従来のように2段噴射を長時間に亘り
継続的に実施する場合に比べて燃費の悪化を極めて小さ
く抑えることができることになる。
【0073】つまり、圧縮S/Lモード(実線)で運転
する前に2段噴射を必要最小限の時間だけ実施するよう
にすることで、冷態始動時において、燃費の悪化を極め
て少なく抑えながら効率よく早期に排気浄化触媒装置3
0を昇温させることができることになるのである。そし
て、このように図9のステップS56において圧縮S/
Lモードでの運転を行い、排気浄化触媒装置30の昇温
を実施したら、次にステップS58に進む。
【0074】ステップS58では、タイマTが所定タイ
マ時間T4を計時したか否か、即ち圧縮S/Lモードで
の運転が所定タイマ時間T4を超えて継続したか否かを
判別する。所定タイマ時間T4は、上記所定タイマ時間
T2と同様、予め実験等により、例えば、冷態始動後、
2段噴射及び圧縮S/Lモードでの運転の実行により排
気浄化触媒装置30が所定の高温、即ち排気温度Texが
所定値Tex1にまで昇温したと推定されるまでの時間に
設定されている。そして、判別結果が偽(No)の場合
には、ステップS52を経てステップS56において圧
縮S/Lモードでの運転を継続する。一方、判別結果が
真(Yes)の場合、即ちタイマTが所定タイマ時間T
4を計時し、圧縮S/Lモードでの運転が所定タイマ時
間T4を超えたと判定された場合(図10(c)参照)
には、圧縮S/Lモードでの運転を終了し、ステップS
59に進む。
【0075】ステップS59では、上記燃料噴射モード
設定マップに基づく通常制御によりエンジン1の運転を
行うようにする(例えば、吸気O/Lモード運転)。 「第4実施形態」第4実施形態では、上記第3実施形態
の冷態始動昇温制御においてタイマ制御により圧縮S/
Lモードでの運転をオープンループ制御(O/L制御)
していたものを圧縮S/Lモードでの運転に代えて圧縮
行程O2フィードバック制御(圧縮O2−F/B制御)す
る場合、即ち圧縮O2−F/Bモードで運転する場合の
実施形態について説明する。
【0076】図13を参照すると、冷態始動昇温制御の
うちタイマ制御により圧縮O2−F/Bモードでの運転
を行う場合の制御ルーチンがフローチャートで示されて
おり、図14を参照すると、当該冷態始動昇温制御の制
御内容がタイムチャートで示されており、以下、当該図
13のフローチャート及び図14のタイムチャートに沿
って第4実施形態を説明する。
【0077】なお、図13中、で示した部分は上記図
9中のステップS40乃至ステップS50までので示
した範囲、即ち2段噴射の制御部分と同一の制御である
ため説明を省略し、ここでは、上記第3実施形態と異な
る部分についてのみ説明する。ステップS60では、圧
縮O2−F/Bモードまたは圧縮S/Lモードでの運転
を行ってもよいか否かの判別を行う。ここでは、上記第
3実施形態における圧縮S/Lモードでの運転を行って
もよいか否かの判別条件と同一の判別条件で判別を行う
(図14(c)、(f)、(g)、(h)参照)。そし
て、判別結果が偽(No)の場合にはステップS62に
おいて通常制御(例えば、吸気O2−F/Bモード運
転)を行い(図14(b)参照)、一方、判別結果が真
(Yes)の場合には、次にステップS64に進む。
【0078】ステップS64では、O2センサ22が活
性状態にあるか否かを判別する。通常、O2センサ22
は、ある程度の高温下でその性能を発揮するように構成
されており、故に低温のままでは圧縮O2−F/B制御
を適正に実施することができない。そこで、当該ステッ
プS64では、O2センサ22が活性状態にあるか否か
を判別する。詳しくは、O2センサ22が活性状態にあ
るか否かは、例えばO2センサ22の出力電圧がリッチ
空燃比のもとで所定の出力値、即ち活性判定電圧よりも
大きいか否かで判別可能である。判別結果が偽(No)
で、O2センサ22が低温であってO2センサ22が活性
状態にない(オフ)と判定された場合には、ステップS
66に進む(図14(a)参照)。
【0079】O2センサ22が活性状態にない場合に
は、上述の如く圧縮O2−F/B制御を適正に実施する
ことができない。故に、この場合には、ステップS60
の判別結果を受けて、ステップS66において、上記第
3実施形態の場合と同様に圧縮S/Lモードでの運転を
実施する(図14(b)参照)。一方、ステップS64
の判別結果が真(Yes)で、O2センサ22の出力電
圧が活性判定電圧よりも大きく、O2センサ22が活性
状態(オン)と判定された場合には、次にステップS6
8に進む(図14(a)参照)。
【0080】ステップS68では、圧縮O2−F/Bモ
ードで運転を行う(図14(b)参照)。つまり、O2
センサ22からの出力情報に基づいて空燃比がストイキ
オになるように制御する。このように、圧縮O2−F/
Bモードで空燃比がストイキオ(値14.7)となるよ
うにフィードバック制御すると、上記図4に示したよう
に、圧縮S/Lモードで空燃比をスライトリーン空燃比
(例えば、値14.7〜値16)とした場合と略同様に
CO、H2、O2が十分に生成される。つまり、圧縮S/
Lモードに代えて圧縮O2−F/Bモードで運転した場
合であっても排気浄化触媒装置30を十分に昇温可能で
ある。
【0081】その上、さらに、このように圧縮O2−F
/B制御を行うと、フィードバック制御であることか
ら、上記圧縮S/LモードにおけるO/L制御に比べて
極めて制御精度を高めることができることになる。つま
り、圧縮O2−F/Bモードでの運転を行うようにする
ことで、制御の信頼性を高めることができ、排気浄化触
媒装置30の昇温効率を向上させることができることに
なるのである。
【0082】そして、このように図13のステップS6
6において圧縮S/Lモードでの運転を行い、或いは、
ステップS68において圧縮O2−F/Bモードでの運
転を行い、排気浄化触媒装置30の昇温を実施したら、
次にステップS70に進む。ステップS70では、上記
第3実施形態の場合と同様に、タイマTが所定タイマ時
間T4を計時したか否か、即ち圧縮S/Lモード或いは
圧縮O2−F/Bモードでの運転が所定タイマ時間T4を
超えて継続したか否かを判別する。判別結果が偽(N
o)の場合には、ステップS60、64を経てステップ
S66或いはステップS68において圧縮S/Lモード
での運転、圧縮O2−F/Bモードでの運転を継続す
る。一方、判別結果が真(Yes)の場合、即ちタイマ
Tが所定タイマ時間T4を計時したと判定された場合
(図14(d)参照)には、圧縮S/Lモード或いは圧
縮O2−F/Bモードでの運転を終了し、ステップS7
2に進み、上記燃料噴射モード設定マップに基づく通常
制御によりエンジン1の運転を行う(例えば、吸気O2
−F/Bモード運転)。
【0083】「第5実施形態」第5実施形態では、上記
第4実施形態の冷態始動昇温制御においてタイマ制御に
より圧縮S/Lモードでの運転をオープンループ制御
(O/L制御)していたものをタイマ制御に代えて排気
温センサ制御で行った場合の実施形態について説明す
る。
【0084】図15を参照すると、冷態始動昇温制御の
うち排気温センサ制御により圧縮O 2−F/Bモードで
の運転を行う場合の制御ルーチンがフローチャートで示
されており、図16を参照すると、当該冷態始動昇温制
御の制御内容がタイムチャートで示されており、以下、
当該図15のフローチャート及び図16のタイムチャー
トに沿って第5実施形態を説明する。
【0085】なお、上記第4実施形態の場合と同様、図
15中、で示した部分は上記第3実施形態における図
9中のステップS40乃至ステップS50までので示
した範囲、即ち2段噴射の制御部分と同一の制御である
ため説明を省略し、ここでは、上記第3実施形態と異な
る部分についてのみ説明する。ステップS80では、圧
縮O2−F/Bモードまたは圧縮S/Lモードでの運転
を行ってもよいか否かの判別を行う。この場合において
も、上記第3実施形態における圧縮S/Lモードでの運
転を行ってもよいか否かの判別条件と同一の判別条件で
判別を行う(図16(c)、(f)、(g)、(h)参
照)。そして、判別結果が偽(No)の場合にはステッ
プS82において通常制御(例えば、吸気O2−F/B
モード運転)を行い(図16(b)参照)、一方、判別
結果が真(Yes)の場合には、次にステップS84に
進む。
【0086】ステップS84では、上記第4実施形態の
場合と同様に、O2センサ22が活性状態にあるか否か
を判別する。判別結果が偽(No)で、O2センサ22
が低温であってO2センサ22が活性状態にないと判定
された場合には、ステップS86に進み(図16(a)
参照)、上記第4実施形態の場合と同様に、圧縮S/L
モードでの運転を実施する(図16(b)参照)。
【0087】一方、ステップS84の判別結果が真(Y
es)で、O2センサ22の出力電圧が活性判定電圧よ
りも大きく、O2センサ22が活性状態と判定された場
合には、次にステップS88に進み(図16(a)参
照)、やはり上記第4実施形態の場合と同様に、圧縮O
2−F/Bモードで運転を行う(図16(b)参照)。
そして、ステップS86において圧縮S/Lモードでの
運転を行い、或いは、ステップS88において圧縮O2
−F/Bモードでの運転を行い、排気浄化触媒装置30
の昇温を実施したら、次にステップS90に進む。
【0088】ステップS90では、上記第2実施形態の
場合と同様に、排気温センサ32によって検出される排
気温度Texが上記所定値Tex1以上となったか否かを判
別する(図16(d)参照)。つまり、上記第4実施形
態ではタイマTの計時による排気温度Texの推定によっ
て圧縮O2−F/Bモード或いは圧縮S/Lモードを終
了するか否かの判別を行っていたが、ここでは、推定に
よらずに直接的に排気温度Texを検出して圧縮O2−F
/Bモード、圧縮S/Lモードの終了判定を行うように
する。
【0089】そして、ステップS90の判別結果が偽
(No)であれば、ステップS80、84を経てステッ
プS86或いはステップS88において圧縮S/Lモー
ドでの運転、圧縮O2−F/Bモードでの運転を継続す
る。一方、判別結果が真(Yes)の場合、即ち排気温
度Texが上記所定値Tex1以上と判定された場合(図1
6(d)参照)には、圧縮S/Lモード或いは圧縮O2
−F/Bモードでの運転を終了し、ステップS92に進
み、上記燃料噴射モード設定マップに基づく通常制御に
よりエンジン1の運転を行う(例えば、吸気O2−F/
Bモード運転)。
【0090】これにより、圧縮S/Lモード或いは圧縮
2−F/Bモードでの運転を必要に応じてより適正に
実施できることになり、上記第4実施形態の場合と同様
に、制御の信頼性を高めながら、燃費の悪化なく且つス
モークの発生少なく排気浄化触媒装置30をより一層効
率よく良好に昇温させることができることになる。とこ
ろで、上記第4及び第5実施形態では、上述したよう
に、O2センサ22が活性状態にあるか否かは、例えば
2センサ22の出力電圧がリッチ空燃比のもとで所定
の出力値、即ち活性判定電圧よりも大きいか否かで判別
するようにしている。
【0091】しかしながら、2段噴射が実施される際に
全体空燃比がリーン空燃比とされ、さらに、圧縮S/L
モードがスライトリーン空燃比(値14.7〜値16)
で行われると、空燃比がリッチ空燃比とされる機会がな
く、O2センサ22の活性判定ができないことになる。
そこで、ここでは、さらに、上記第4及び第5実施形態
において、O2センサ22を強制的にリッチ空燃比とす
るO2センサ活性判定制御を併せて実施するようにし、
確実にO2センサ22の活性判定がされるようにしてい
る。以下、O2センサ活性判定制御内容について説明す
る。
【0092】図17を参照すると、O2センサ活性判定
制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、
以下、当該フローチャートに沿い説明する。図17のス
テップS100では、上記第3実施形態における図9の
ステップS40と同様に、始動スイッチ(始動SW)が
オン状態とされ、エンジン1が始動したと判定された場
合において、当該ルーチンで使用するタイマTを値0に
リセットして計時を開始する。そして、ステップS10
2において、例えばエンジン回転速度Neがアイドル回
転速度より大きい所定値Ne1に達したと判定され、始動
判定が完了したら、次にステップS104に進む。
【0093】ステップS104では、O2センサ22の
出力電圧が上述した活性判定電圧以下であるか否かを判
別する。つまり、当該ステップS104において、上述
したようにして、O2センサ22が活性状態にない状態
であるか否かを判別する。判別結果が偽(No)、即ち
2センサ22が既に十分に活性状態にあると判定され
た場合には、ステップS114に進み、O2センサ22
の活性は完了と判定する。一方、判別結果が真(Ye
s)で、O2センサ22が活性状態にないと判定された
場合には、次にステップS106に進む。
【0094】ステップS106では、タイマTが所定タ
イマ時間T5(例えば、15sec)を計時したか否かを判
別する。つまり、エンジン1が始動したと判定された
後、所定タイマ時間T5(例えば、15sec)が経過して
も未だにO2センサ22が活性状態となっていないかど
うかを判別する。判別結果が偽(No)の場合には、ス
テップS104に戻り、O2センサ22が活性状態にあ
るか否かを継続して判別する。一方判別結果が真(Ye
s)の場合、即ちエンジン1の始動後、所定タイマ時間
T5(例えば、15sec)経過しても未だにO2センサ2
2が活性状態となっていないと判定された場合には、次
にステップS108に進む。空燃比がリッチ空燃比とさ
れずリーン空燃比のままの場合には、当然にしてO2
ンサ22は未だ活性状態となっておらず、故にこの場合
にはステップS108に進む。
【0095】ステップS108では、空燃比をN行程
(Nは任意の整数)に亘って強制的にリッチ空燃比(エ
ンリッチ)とする。つまり、強制的にO2センサ22の
活性判定が可能なようにする。そして、ステップS11
0において、今度はO2センサ22の出力電圧が上述し
た活性判定電圧以上であるか否かを判別する。判別結果
が偽(No)で、依然としてO2センサ22が活性状態
となっていないと判定された場合には、ステップS11
2において、所定タイマ時間T5を所定時間αだけ延長
し(T5=T5+α)、再びステップS104、106を
経てステップS108において強制的に空燃比をリッチ
空燃比(エンリッチ)とする。
【0096】ステップS104の判別結果が真(Ye
s)とされ、O2センサ22が十分に活性状態になった
と判定されたら、ステップS114に進み、O2センサ
22の活性は完了と判定する。これにより、2段噴射が
実施される際に全体空燃比がリーン空燃比とされ、さら
に、圧縮S/Lモードで空燃比がスライトリーン空燃比
とされて運転が行われた場合であっても、確実にリッチ
空燃比とされる機会が得られることになり、O 2センサ
22の活性判定を確実に行うことが可能となる。故に、
上記第4及び第5実施形態において、O2センサ22が
活性状態にあるときには、常に有効に圧縮O2−F/B
モードでの運転を実施するようにでき、上述した如く、
制御の信頼性をより一層高めながら、燃費の悪化なく且
つスモークの発生少なく排気浄化触媒装置30を良好に
昇温させることができることとなる。
【0097】なお、本発明は、上述した各実施形態に何
ら限定されるものではなく、例えば、上記各実施形態の
排気浄化触媒装置30では選択還元型NOx触媒30a
と三元触媒30bとを組み合わせているが、排気空燃比
がリーン空燃比のときに排ガス中のNOxを吸蔵しスト
イキオまたはリッチ空燃比のときに吸蔵されたNOxを
放出し還元する吸蔵型NOx触媒等を用いるようにして
もよい。つまり、本発明は排気浄化触媒装置の昇温を図
るものであって、触媒の種類や個数等には何ら限定され
るものではない。
【0098】また、上記各実施形態では、圧縮S/Lモ
ードにおいて空燃比をスライトリーン空燃比(例えば、
値14.7〜値16)に設定しているが、エンジン1よ
り排出されるO2やCOの関係(図4参照)から、空燃
比をストイキオに対して若干リッチ空燃比(例えば、値
14程度)側に設定するようにしてもよい。さらに、上
記第3乃至第5実施形態では、図9中で示した2段噴
射の制御部分についてはタイマにて2段噴射の実行期間
を計時するようにしているが、例えば、排気温センサを
排気通路に設け、排気浄化触媒装置が触媒上で酸化反応
可能な状態が当該排気温センサの出力値により検出或い
は推定されるまでを実行期間とし2段噴射を実行するよ
うにしてもよい。
【0099】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の請
求項1の筒内噴射型内燃機関によれば、機関の空燃比が
理論空燃比近傍となる燃料量を圧縮行程中に直接燃焼室
内へ噴射して成層燃焼を実施し、当該成層燃焼中に生起
された一酸化炭素及び燃焼に寄与しない余剰の酸素を、
排気通路に排出し、排気通路を経て触媒装置において酸
化反応させるよう燃料噴射時期及び点火時期を制御する
ようにしたので、燃費を悪化させることなくCOとO2
とを同時に触媒装置に供給して酸化反応を起こさせるよ
うにでき、当該反応熱で触媒装置を効率よく良好に昇温
させることが可能である。
【0100】また、請求項2の筒内噴射型内燃機関によ
れば、成層燃焼が実施されるときには燃料噴射時期と点
火時期との間隔が広くなるようにしたので、特に、噴射
された燃料の霧化時間を十分に確保でき、COを適切に
生起させながらもスモークの発生を好適に抑制すること
ができる。また、請求項3の筒内噴射型内燃機関によれ
ば、昇温手段による成層燃焼中に、排ガス中の酸素濃度
を検出するセンサの出力に基づき機関の空燃比をフィー
ドバック制御するようにしたので、制御の信頼性を高め
ることができ、触媒装置の昇温効率を向上させることが
できる。
【0101】また、請求項4の筒内噴射型内燃機関によ
れば、圧縮リーンモードが選択されているときに吸気系
に排ガスを還流するようEGRバルブを開弁する排気再
循環装置を備えている場合において、排気再循環装置
は、昇温手段による成層燃焼中には、排ガスの還流を行
わないようEGRバルブを閉弁状態とするようにしたの
で、昇温手段による成層燃焼の実施中にあっては、空燃
比の変動を抑えることができ、安定した成層燃焼を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筒内噴射型内燃機関を示す概略構
成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る、失活抑制制御の
うちタイマ制御による場合の制御ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図3】図2のタイマ制御による場合の失活抑制制御の
制御内容を示すタイムチャートである。
【図4】空燃比A/Fを変えて圧縮行程噴射を行った場
合(実線)及び吸気行程噴射を行った場合(一点鎖線)
におけるO2濃度(b)、H2濃度(c)、CO濃度
(d)を比較して示した図である。
【図5】図2の失活抑制制御に基づき圧縮S/Lモード
での運転を実施した場合(実線)及び従来の均一予混合
燃焼での運転を行った場合(一点鎖線)における選択型
NOx触媒の中心部と三元触媒の中心部における排気温
度Texの時間変化を比較して示したタイムチャートであ
る。
【図6】CO濃度とスモーク濃度との関係を示す図であ
る。
【図7】空燃比を一定(例えば、値15)とした場合の
点火時期、噴射終了時期及び点火時期と噴射終了時期と
の間隔(一点鎖線で示す)とCO濃度(実線)、スモー
ク濃度(斜線付き実線)との関係を示すマップである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る、失活抑制制御の
うち排気温センサ制御による場合の制御ルーチンを示す
フローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態に係る、冷態始動昇温制
御のうちタイマ制御により圧縮S/Lモードでの運転を
オープンループ制御する場合の制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図10】図9のタイマ制御により圧縮S/Lモードで
の運転をオープンループ制御する場合の冷態始動昇温制
御の制御内容を示すタイムチャートである。
【図11】図9の冷態始動昇温制御に基づき圧縮S/L
モードでの運転を行う際に2段噴射を行った場合(実
線)及び行わなかった場合(一点鎖線)における選択型
NOx触媒の入口と中心部における排気温度Texの時間
変化を比較して示したタイムチャートである。
【図12】図9の冷態始動昇温制御に基づき2段噴射を
行った後に圧縮S/Lモードでの運転を行った場合(実
線)と圧縮S/Lモードでの運転を行うことなく従来の
均一予混合燃焼での運転を行った場合(一点鎖線)にお
ける選択型NOx触媒の入口部と中心部及び三元触媒の
中心部における排気温度Texの時間変化(a)、及び、
排気浄化触媒装置のNOx浄化効率(b)、CO浄化効
率(c)、HC浄化効率(d)の時間変化を比較して示
したタイムチャートである。
【図13】本発明の第4実施形態に係る、冷態始動昇温
制御のうちタイマ制御により圧縮O2−F/Bモードで
の運転を行う場合の制御ルーチンを示すフローチャート
である。
【図14】図13のタイマ制御により圧縮O2−F/B
モードでの運転を行う場合の冷態始動昇温制御の制御内
容を示すタイムチャートである。
【図15】本発明の第5実施形態に係る、冷態始動昇温
制御のうち排気温センサ制御により圧縮O2−F/Bモ
ードでの運転を行う場合の制御ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図16】図15の排気温センサ制御により圧縮O2
F/Bモードでの運転を行う場合の冷態始動昇温制御の
制御内容を示すタイムチャートである。
【図17】O2センサ活性判定制御の制御ルーチンを示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(機関本体) 4 点火プラグ 6 燃料噴射弁 11 スロットル弁 11a スロットルセンサ 12 排気マニホールド 13 クランク角センサ 14 水温センサ 22 O2センサ 30 排気浄化触媒装置 30a 選択還元型NOx触媒 30b 三元触媒 32 排気温センサ 40 電子コントロールユニット(ECU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 330 F02D 41/02 330A 3G301 330E 330F 41/14 310 41/14 310A 43/00 301 43/00 301B 301G 301J F02M 25/07 570 F02M 25/07 570A 570D 570J F02P 5/15 F02P 5/15 E (72)発明者 宮本 寛明 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 田中 大 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 竹村 純 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 安東 弘光 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G022 AA07 AA10 CA02 3G062 AA03 AA07 BA04 BA08 CA01 CA02 CA06 DA02 EA10 ED01 ED04 ED10 FA02 FA05 FA23 GA04 GA06 GA08 GA09 GA17 GA18 GA25 3G084 BA09 BA13 CA02 DA02 DA10 FA10 FA20 FA27 FA29 FA33 FA38 3G091 AA02 AA11 AA12 AA17 AA24 AA28 AB02 AB03 AB05 AB12 BA03 BA14 BA15 BA19 BA32 CB02 CB03 CB05 DA01 DA02 DB10 DC01 EA01 EA07 EA16 EA17 EA30 EA31 EA34 EA39 FA02 FA04 FA12 FA13 FB02 FB10 FB11 FC07 GA06 HA03 HA07 HA08 HA47 HB05 3G092 AA06 AA09 AA17 AB02 BA04 BA09 BB01 BB06 DC10 DC15 DE03S EA06 FA15 GA02 HA06Z HD01Z HD05Z HE01Z HE03Z HE08Z 3G301 HA01 HA04 HA13 HA16 JA02 JA21 KA05 LB04 MA01 MA11 MA18 NE11 NE12 NE14 PA11Z PD02Z PD11Z PE01Z PE03Z PE08Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に設けられ、排ガス中の有害成
    分を浄化する触媒装置と、前記触媒装置の昇温が要求さ
    れるとき、機関の空燃比が理論空燃比近傍となる燃料量
    を圧縮行程中に直接燃焼室内に噴射して成層燃焼を実施
    する昇温手段と、 燃料噴射時期を制御する噴射時期制御手段と、 点火時期を制御する点火時期制御手段とを備え、 前記昇温手段による成層燃焼中に生起された一酸化炭素
    及び燃焼に寄与しない余剰の酸素を、排気通路に排出
    し、排気通路を経て前記触媒装置において酸化反応させ
    るよう燃料噴射時期及び点火時期を制御することを特徴
    とする筒内噴射型内燃機関。
  2. 【請求項2】 排気通路に設けられ、排ガス中の有害成
    分を浄化する触媒装置と、前記触媒装置の昇温が要求さ
    れるとき、機関の空燃比が理論空燃比近傍となる燃料量
    を圧縮行程中に直接燃焼室内に噴射して成層燃焼を実施
    する昇温手段と、 燃料噴射時期を制御する噴射時期制御手段と、 点火時期を制御する点火時期制御手段と、 前記昇温手段により成層燃焼が実施されるとき、燃料噴
    射時期と点火時期との間隔が広くなるよう、少なくとも
    前記噴射時期制御手段により設定される燃料噴射時期及
    び前記点火時期制御手段により設定される点火時期のい
    ずれか一方を変更する変更手段と、を備えたことを特徴
    とする筒内噴射型内燃機関。
  3. 【請求項3】 排気通路に設けられ、排ガス中の有害成
    分を浄化する触媒装置と、前記触媒装置の昇温が要求さ
    れるとき、機関の空燃比が理論空燃比近傍となる燃料量
    を圧縮行程中に直接燃焼室内に噴射して成層燃焼を実施
    する昇温手段と、 前記昇温手段による成層燃焼中に、排ガス中の酸素濃度
    を検出するセンサの出力に基づき前記機関の空燃比をフ
    ィードバック制御する制御手段と、を備えたことを特徴
    とする筒内噴射型内燃機関。
  4. 【請求項4】 理論空燃比よりも希薄なリーン空燃比と
    なる燃料量の燃料を圧縮行程中に直接燃焼室内に噴射す
    る圧縮リーンモードを選択可能な機関と、 前記圧縮リーンモードが選択されているときに吸気系に
    排ガスを還流するようEGRバルブを開弁する排気再循
    環装置と、 前記機関の排気通路に設けられ、排ガス中の有害成分を
    浄化する触媒装置と、前記触媒装置の昇温が要求される
    とき、前記機関の空燃比が理論空燃比近傍となる燃料量
    を圧縮行程中に直接燃焼室内に噴射して成層燃焼を実施
    する昇温手段とを備え、 前記排気再循環装置は、前記昇温手段による成層燃焼中
    に、排ガスの還流を行わないよう前記EGRバルブを閉
    弁状態とすることを特徴とする筒内噴射型内燃機関。
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Cited By (3)

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