JP4186680B2 - 回転ヘッド装置及びその回転バランス調整方法、並びに磁気テープ装置 - Google Patents

回転ヘッド装置及びその回転バランス調整方法、並びに磁気テープ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばヘリカルスキャン方式によって磁気テープ等の記録媒体に対して信号の記録及び/又は再生を行う回転ヘッド装置及びその回転バランス調整方法、並びにそのような回転バランス調整方法により回転バランスが調整された回転ヘッド装置を備える磁気テープ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばビデオテープレコーダ(VTR)のように、ヘリカルスキャン方式によって磁気テープに対して信号の記録再生を行う磁気テープ装置には、図21に示すような回転ヘッド装置100が設けられている。
【0003】
この回転ヘッド装置100は、上下方向に組み合わされた一組の回転ドラム101及び固定ドラム102と、駆動モータ103とを備えており、上ドラムを構成する回転ドラム101は、下ドラムを構成する固定ドラム102の下方に配置された駆動モータ103により回転駆動される。回転ドラム101は、中心部が支軸104に取り付けられて、駆動モータ103により支軸104と一体に回転駆動される。また、回転ドラム101には、外周面から先端部が臨む複数の磁気ヘッド105が取り付けられている。また、回転ドラム101と固定ドラム102との間には、磁気ヘッド105に対する信号の授受を行う回転トランス106が設けられている。
【0004】
また、回転ドラム101の上面には、プラスチックからなるバランスリング107が取り付けられている。このバランスリング107には、径の異なる複数の孔部107aが形成されており、これら孔部107aに鋼球108を圧入することで回転ドラム21側の回転バランスが調節可能となっている。
【0005】
固定ドラム102は、回転ドラム101と上下方向に組み合わされることによって、回転ドラム101の外周面と連続した外周面を形成しており、この外周面には、磁気テープを案内するリードと呼ばれる段差部が形成されている。また、固定ドラム102の中心部には、支軸104を回転可能に支持する一対の軸受109を保持するハウジング部110が設けられている。
【0006】
駆動モータ103は、固定ドラム102を貫通する支軸104の他端に取り付けられて支軸104と一体に回転駆動されると共に、固定ドラム102と対向する主面にマグネット111が取り付けられたロータ112と、ロータ112に取り付けられてマグネット111と所定の間隔で対向配置されるバックヨーク113と、バックヨーク113とロータ112のマグネット111との間に位置して固定ドラム102に取り付けられ、マグネット111と対向する主面にコイル(図示せず。)が取り付けられたステータ114とを有している。この駆動モータ103では、ステータ114のコイルに駆動電流が供給されることによって、コイルに磁界が発生し、このコイルと対向するマグネット111との電磁気的な作用によって、ロータ112が支軸104と一体に回転駆動される。
【0007】
また、ロータ112の下面には、プラスチックからなるバランスリング115が取り付けられている。このバランスリング115には、径の異なる複数の孔部115aが形成されており、これら孔部115aに鋼球116を圧入することで駆動モータ103側の回転バランスが調節可能となっている。
【0008】
以上のように構成される回転ヘッド装置100では、回転ドラム101及び固定ドラム102の外周面に掛け合わされた磁気テープがリードに沿って斜めに走行しながら、駆動モータ103により回転ドラム101が磁気テープの走行方向と同一方向に回転駆動される。そして、この回転ドラム101に搭載された複数の磁気ヘッド105が磁気テープと摺動しながら、磁気テープに対して信号の記録又は再生動作を行う。具体的に、記録時には、複数の磁気ヘッド105のうち一の記録ヘッドが、記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成する一方、他の記録ヘッドが、この記録トラックに隣接して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成する。そして、これら記録ヘッドが磁気テープに対して繰り返し記録トラックを形成することによって、磁気テープに対して連続的に信号を記録する。一方、再生時には、複数の磁気ヘッド105のうち一の再生ヘッドが、一の記録ヘッドにより記録された記録トラックから信号磁界を検出する一方、他の再生ヘッドが、他の記録ヘッドにより記録された記録トラックから信号磁界を検出する。そして、これら再生ヘッドが記録トラックから繰り返し信号磁界を検出することによって、磁気テープに記録された信号を連続的に再生する。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−93731号公報(第2,3頁、第5,7図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した回転ヘッド装置100では、駆動モータ103により回転ドラム101が回転駆動された際の振動の発生を抑制するために、支軸104の軸方向において重量が集中する回転ドラム101側及び駆動モータ103側に、それぞれ回転バランスを調節するためのバランスリング107,115が設けられている。
【0011】
しかしながら、このような構造を有する従来の回転ヘッド装置100では、バランスリング107,115の複数の孔部107a,115aに鋼球108,116を取り付けて回転バランスの調整を行うことから、部品点数が多くなり、コストの増加を招くと共に、回転バランスの段階的な調整が必要なため、調整精度に限界があり、調整時間も長くなるといった問題があった。
【0012】
また、回転ヘッド装置の回転バランスを調整するものとしては、上述したバランスリング107,115の他にも、鉛等を両面接着テープや接着剤で接着するタイプや、重量のある接着剤を塗布するタイプ等がある(例えば、特許文献1を参照。)。
【0013】
しかしながら、このような重量を付加するタイプでは、常にコストの増加を招くといった問題が発生してしまう。一方、ドリル等で回転ドラム101を切削し、重量を削ることにより回転バランスの調整を図るタイプでは、切削時に発生する切粉等が回転ドラム101内に入り込むことで、回転時の障害となる虞れや、加工時に付加される強い力によって軸受109等が損傷してしまう虞れ等が発生してしまう。
【0014】
そこで、本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、部品点数の増加を招くことなく、回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことを可能とした回転ヘッド装置及びその回転バランス調整方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、そのような回転バランス調整方法により回転バランスの適切な調整がなされた回転ヘッド装置を備えることによって、回転駆動時における振動の発生を抑制し、磁気テープに対して適切な信号の記録及び/又は再生を行うことを可能とした磁気テープ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る回転ヘッド装置は、中心部が支軸に取り付けられて支軸と一体に回転駆動されると共に、外周面から先端部が臨む磁気ヘッドが取り付けられた回転ドラムと、回転ドラムの外周面と連続した外周面を形成すると共に、支軸を回転可能に支持する固定ドラムと、固定ドラムに対して回転ドラムを支軸と一体に回転駆動する駆動モータとを備え、駆動モータは、中心部が支軸に取り付けられ、一主面側にマグネットが取り付けられたロータと、ロータの中心部に遊嵌される中心孔が設けられ、マグネットと所定の間隔で対向配置されると共に、マグネットに磁気吸引されて中心孔の周囲がロータに吸着されたヨークと、ヨークとロータのマグネットとの間に配置され、一主面側にマグネットと対向するコイルが取り付けられたステータとを有し、ヨークのロータに吸着された面上の位置をずらすことで、駆動モータ側の回転バランスが調整可能とされていることを特徴としている。
【0017】
以上のように、本発明に係る回転ヘッド装置では、駆動モータのヨークがマグネットに磁気吸引されてロータに吸着されていることから、当該ヨークのロータに吸着された面上の位置をずらすことで、部品点数の増加を招くことなく、回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことができる。
【0018】
また、本発明に係る回転ヘッド装置の回転バランス調整方法は、中心部が支軸に取り付けられて支軸と一体に回転駆動されると共に、外周面から先端部が臨む磁気ヘッドが取り付けられた回転ドラムと、回転ドラムの外周面と連続した外周面を形成すると共に、支軸を回転可能に支持する固定ドラムと、固定ドラムに対して回転ドラムを支軸と一体に回転駆動する駆動モータとを備える回転ヘッド装置の回転バランスを調整する際に、駆動モータは、中心部が支軸に取り付けられ、一主面側にマグネットが取り付けられたロータと、ロータの中心部に遊嵌される中心孔が設けられ、マグネットと所定の間隔で対向配置されると共に、マグネットに磁気吸引されて中心孔の周囲がロータに吸着されたヨークと、ヨークとロータのマグネットとの間に配置され、一主面側にマグネットと対向するコイルが取り付けられたステータとを有しており、ヨークをロータに吸着された面上でずらしながら、駆動モータ側の重心と回転中心とが一致した位置にてヨークをロータに固定することを特徴としている。
【0019】
以上のように、本発明に係る回転ヘッド装置の回転バランス調整方法では、ヨークをロータに吸着された面上でずらしながら、駆動モータ側の重心と回転中心とが一致した位置にてヨークをロータに固定することから、当該回転ヘッド装置の回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことができ、当該回転ヘッド装置の回転駆動時における振動の発生を抑制することができる。
【0020】
また、本発明に係る磁気テープ装置は、磁気テープを走行させるテープ走行手段と、テープ走行手段により走行される磁気テープに対して信号の記録及び/又は再生を行う回転ヘッド手段とを備え、回転ヘッド手段は、中心部が支軸に取り付けられて支軸と一体に回転駆動されると共に、外周面から先端部が臨む磁気ヘッドが取り付けられた回転ドラムと、回転ドラムの外周面と連続した外周面を形成すると共に、支軸を回転可能に支持する固定ドラムと、固定ドラムに対して回転ドラムを支軸と一体に回転駆動する駆動モータとを備え、駆動モータは、中心部が支軸に取り付けられ、一主面側にマグネットが取り付けられたロータと、ロータの中心部に遊嵌される中心孔が設けられ、マグネットと所定の間隔で対向配置されると共に、マグネットに磁気吸引されて中心孔の周囲がロータに吸着されたヨークと、ヨークとロータのマグネットとの間に配置され、一主面側にマグネットと対向するコイルが取り付けられたステータとを有し、ヨークのロータに吸着された面上の位置をずらすことで、駆動モータ側の回転バランスが調整可能とされていることを特徴としている。
【0021】
以上のように、本発明に係る磁気テープ装置では、駆動モータのヨークがマグネットに磁気吸引されてロータに吸着されていることから、当該ヨークのロータに吸着された面上の位置をずらすことで、部品点数の増加を招くことなく、回転ヘッド手段の回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことができる。そして、このような回転バランスの調整が適切になされた回転ヘッド手段を備えることによって、当該回転ヘッド手段の回転駆動時における振動の発生を抑制することができ、テープ走行手段により走行される磁気テープに対して、駆動モータにより回転ドラムを回転駆動しながら、磁気ヘッドによる適切な記録及び/又は再生動作を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した回転ヘッド装置及びその回転バランス調整方法、並びに磁気テープ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1に示すように、本発明を適用した磁気テープ装置1は、例えば携帯可能なカメラ一体型ビデオテープレコーダ(VTR)に設けられた磁気記録再生装置である。そして、この磁気テープ装置1は、図示を省略するテープカセットに収納された磁気記録媒体である磁気テープ2に対して、ヘリカルスキャン方式による画像信号や音声信号等の情報信号の記録及び/又は再生を行う。
【0024】
なお、テープカセットは、磁気テープ装置1の装置本体1aに対して着脱可能とされており、このテープカセットには、磁気テープ2を供給するための供給リール3と、この供給リール3から供給された磁気テープ2を巻き取るための巻取リール4とが回転可能に設けられている。
【0025】
磁気テープ装置1は、テープ走行手段として、装置本体1aに装着されたテープカセットの供給リール3及び巻取リール4を回転させるための駆動機構(図示せず。)を備えており、記録時及び再生時において、磁気テープ2を図1中矢印A方向に走行させる。また、装置本体1aには、テープカセットのローディング時に供給リール3と巻取リール4との間で磁気テープ2の引き回しを行う複数のガイドローラ5a〜5fが設けられている。
【0026】
また、ガイドローラ5eとガイドローラ5fとの間には、磁気テープ2が掛け合わされたピンチローラ5gと、このピンチローラ5gと共に磁気テープ2を挟み込むキャップスタン6とが設けられている。このキャップスタン6は、磁気テープ2を常に一定の速度で走行させるためのものであり、テープ走行時にキャップスタンモータ6aにより回転駆動される。したがって、磁気テープ2は、キャップスタンモータ6aによりキャップスタン6が図1中矢印B方向に回転駆動されることによって、図1中矢印A方向に一定の速度及び張力で送り出されることになる。
【0027】
また、ローラ5cとローラ5dとの間には、磁気テープ2に対して信号の記録及び/又は再生を行う回転ヘッド手段として、本発明を適用した回転ヘッド装置20が設けられている。
【0028】
この回転ヘッド装置20は、図2及び図3に示すように、上下方向に組み合わされた一組の回転ドラム21及び固定ドラム22と、固定ドラム22に対して回転ドラム21を回転駆動する駆動モータ23とを備え、互いの中心軸を一致させた状態で装置本体1aのベースに対してやや斜めに傾斜した状態で配置されている。
【0029】
回転ドラム21及び固定ドラム22は、略一致した外径を有しており、上下方向に組み合わされることによって、互いに連続した外周面21a,22aを形成している。また、上ドラムを構成する回転ドラム21は、下ドラムを構成する固定ドラム22の下方に配置された駆動モータ23によって図2中矢印C方向に回転駆動される。そして、磁気テープ2は、これら回転ドラム21及び固定ドラム22の外周面21a,22aに、略180゜の角度範囲に亘ってヘリカル状に掛け合わされて走行される。このため、固定ドラム22の外周面22aには、磁気テープ2を案内するリードと呼ばれるガイド部22bが形成されており、このガイド部22bに沿って磁気テープ2が回転ドラム21の回転方向に対して斜めに走行されることになる。
【0030】
回転ドラム21は、例えばアルミニウム合金等の金属材料が略円筒状に成形されてなり、その中心部には、支軸24に取り付けられるハブ部25が設けられている。この回転ドラム21は、ハブ部25の中心孔25aに支軸24の一端が圧入されることによって支軸24に取り付けられている。支軸24は、一対の軸受26a,26bによって回転可能に支持されている。一対の軸受26a,26bは、支軸24の軸回りに形成された溝部24a,24bにボール27a,27bが嵌合され、このボール27a,27bを外輪28a,28bが保持する構造を有している。また、一対の軸受26a,26bの間には、コイルバネ29が設けられており、このコイルバネ29は、支軸24を挿通させた状態で一対の軸受26a,26bを互いに離間する方向へと付勢している。したがって、一対の軸受26a,26bは、内輪を持たない支軸24と一体化された構造によって回転精度を向上させ、コイルバネ29の付勢によって支軸24と外輪28a,28bとの隙間を無くし、回転時のガタツキの発生を防止している。
【0031】
また、回転ドラム21の上面には、プラスチックからなるバランスリング30がハブ部25に嵌合された状態で両面接着テープ等によって取り付けられている。このバランスリング30には、径の異なる複数の孔部30aが形成されており、これら孔部30aに鋼球31を圧入することで回転ドラム21側の回転バランスが調節可能となっている。
【0032】
また、回転ドラム21には、磁気テープ2に対して信号の記録動作を行う一対の記録用の磁気ヘッド(以下、記録ヘッドという。)32a,32bと、磁気テープ2に対して信号の再生動作を行う一対の再生用の磁気ヘッド(以下、再生ヘッドという。)33a,33bとが、回転ドラム21の外周面21aから先端部が臨むようにネジ止めによって取り付けられている。また、一方の記録ヘッド32a及び再生ヘッド33aと、他方の記録ヘッド32b及び再生ヘッド33bとは、回転ドラム21の外周面21aにおいて、この回転ドラム21の回転中心に対して互いになす角度が180゜となる位相差をもって、互いに対向配置されている。また、これら記録ヘッド32a,32b及び再生ヘッド33a,33bは、磁気テープ2に対してアジマス記録を行えるように、その先端部に位置する磁気ギャップが当該ヘッドの走査方向と直交する方向に対してアジマス角に応じて斜めとなるように配置されている。
【0033】
また、回転ドラム21と固定ドラム22との間には、これら記録ヘッド32a,32b及び再生ヘッド33a,33bに対する信号の授受を行う回転トランス34が設けられている。この回転トランス34は、回転ドラム21側に接着により取り付けられたロータ側トランス34aと、固定ドラム22側に接着により取り付けられたステータ側トランス34bとを有し、これらロータ側トランス34aとステータ側トランス34bとが互いに対向配置された構造を有している。
【0034】
固定ドラム22は、例えばアルミニウム合金等の金属材料が略円筒状に成形されてなる。この固定ドラム22は、回転ドラム21と略同径であり、回転ドラム21と同軸上に位置して支軸24を回転可能に支持する。このため、固定ドラム22の中心部には、上述した一対の軸受26a,26bを保持するハウジング部35が設けられている。このハウジング部35は、回転ドラム21側の軸受26aが固定される上スリーブ部36aと、固定ドラム22側の軸受26bが固定される下スリーブ部36bとを有している。
【0035】
回転ドラム21側の軸受26aは、上スリーブ部36aに嵌合された後に、接着剤によって固定されている。このため、上スリーブ部36aの内周面には、その全周に亘って接着剤が注入される上環状溝37が形成されている。また、この上環状溝37に接着剤を注入するための流路として、上スリーブ部36aには、外周面から上環状溝37に臨む注入孔38が形成されている。
【0036】
一方、固定ドラム22側の軸受26bは、下スリーブ部36bに軽圧入された後に、接着剤によって固定されている。このため、下スリーブ部36bの内周面には、その全周に亘って接着剤が注入される下環状溝39が形成されている。また、この下環状溝39に接着剤を注入するための流路として、下スリーブ部36bの内周面には、互いに対向する位置から支軸24の軸方向に沿って一対の注入溝40が形成されている。これら一対の注入溝40は、下スリーブ部36bの外周面から下環状溝39に臨む注入孔を形成する場合に比べて、下スリーブ部36bの強度を確保することができ、下環状溝39までの流路を短くすることができる。そして、下環状溝39に接着剤を注入する際は、一方の注入溝40から吸引を行いながら、他方の注入溝40から接着剤を注入する。これにより、接着剤を下環状溝39の全周に亘ってスムーズ且つ容易に注入することができる。
【0037】
駆動モータ23は、固定ドラム22を貫通する支軸24の他端に取り付けられて支軸24と一体に回転駆動されると共に、固定ドラム22と対向する主面とは反対側の主面にマグネット41が取り付けられたロータ42と、ロータ42のマグネット41と所定の間隔で対向配置されると共に、ロータ42に取り付けられてロータ42と磁路を形成するヨーク43と、ヨーク43とロータ42のマグネット41との間に位置して固定ドラム22に取り付けられ、マグネット41と対向する主面にコイル(図示せず。)が取り付けられたステータ44とを有している。
【0038】
ロータ42は、軟磁性材料が略円盤状に成形されてなり、その中心部には、支軸24に取り付けられるボス部45が設けられている。このボス部45は、固定ドラム22と対向する主面とは反対側に向かって略円筒状に突出形成されてなり、このボス部45の中心孔45aに固定ドラム22を貫通する支軸24の他端が圧入されることによって、ロータ42が支軸24に取り付けられている。また、ロータ42は、ボス部45の周囲にヨーク43が取り付けられる平坦なヨーク取付面部46を有しており、このヨーク取付面部46には、一対の突部47a,47bがボス部45を中心とした同一円周上の互いに対向する位置からそれぞれ突出形成されている。また、ロータ42は、ヨーク取付面部46の周囲を囲むようにして、このヨーク取付面部46よりも一段低くなされたマグネット取付面部48を有しており、このマグネット取付面部48の固定ドラム22と対向する主面とは反対側の主面に略円環状のマグネット41が取り付けられている。
【0039】
ヨーク43は、軟磁性材料が略円盤状に成形されてなり、その中心部にロータ42のボス部45に遊嵌されるボス部49と、このボス部49を中心とした同一円周上に上記ロータ42の一対の突部47が遊嵌される一対の孔部50a,50bとを有している。ボス部49は、ロータ42と対向する主面とは反対側に向かって略円筒状に突出形成されており、このボス部49の中心孔49aにロータ42のボス部45が遊嵌されると共に、一対の孔部50a,50bにロータ42の一対の突部47a,47bが遊嵌された状態となっている。ヨーク43は、この状態でロータ42のマグネット41と所定の間隔で対向配置されており、マグネット41に磁気吸引されることによって、ボス部49の周囲がヨーク取付面部46に吸着されている。したがって、ヨーク43は、ロータ42のヨーク取付面部46に吸着された状態で、このヨーク取付面部46上の位置を摩擦力に抗してずらすことが可能であり、このヨーク43の位置をずらすことで駆動モータ23側の回転バランスを調整することが可能となっている。また、ヨーク43は、後述する駆動モータ23側の回転バランスが調整された後に、ヨーク取付面部46に接着剤によって固定される。このため、ヨーク43には、図4に示すように、一対孔部50a,50bを通るボス部49を中心とした円環溝51が形成されており、この円環溝51に接着剤の注入口となる一対の孔部50a,50bから接着剤を注入することが可能となっている。
【0040】
ステータ44は、図3に示すように、略円盤状に成形されなり、ヨーク43とロータ42のマグネット41との間に位置して、その外周部が固定ドラム22の下端部に接着によって取り付けられている。また、ステータ44には、銅箔等により薄膜コイルがパターン形成されている。また、ステータ44には、外部の駆動回路とフレキシブルケーブル(図示せず。)を介して電気的に接続される接続端子44aが固定ドラム22の外周面22aから突出して設けられており、この接続端子44aからコイルに駆動電流が供給されることになる。
【0041】
そして、この駆動モータ23では、駆動回路からステータ44のコイルに接続端子44aを介して駆動電流が供給されると、コイルに磁界が発生し、このコイルと対向するマグネット41との電磁気的な作用によって、ロータ42が支軸24と一体に回転駆動される。これにより、駆動モータ23は、回転ドラム21を支軸24と一体に回転駆動することができる。
【0042】
以上のように構成される磁気テープ装置1では、回転ドラム21及び固定ドラム22の外周面21a,22aに掛け合わされた磁気テープ2が図1中矢印A方向に走行されながら、駆動モータ23により回転ドラム21が図1中矢印C方向に回転駆動されることによって、この回転ドラム21に搭載された一対の記録ヘッド32a,32b及び一対の再生ヘッド33a,33bが磁気テープ2と摺動しながら、信号の記録動作及び/又は再生動作を行う。
【0043】
具体的に、記録時には、磁気テープ2に対して、一方の記録ヘッド32aが、記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成し、他方の記録ヘッド32bが、この記録トラックに隣接して記録信号に応じた磁界を印加しながら所定のトラック幅で記録トラックを形成する。そして、これら記録ヘッド32a,32bが磁気テープ2に対して繰り返し記録トラックを形成することによって、磁気テープ2に対して連続的に信号を記録する。
【0044】
一方、再生時には、磁気テープ2に対して、一方の再生ヘッド33aが、一方の記録ヘッド32aにより記録された記録トラックから信号磁界を検出し、他方の再生ヘッド33bが、他方の記録ヘッド32bにより記録された記録トラックから信号磁界を検出する。そして、これら再生ヘッド33a,33bが記録トラックから繰り返し信号磁界を検出することによって、磁気テープ2に記録された信号を連続的に再生する。
【0045】
ところで、上述した回転ヘッド装置20の回転バランスを調節する際は、図示を省略するバランス測定器を用いて、駆動モータ23により回転ドラム21を回転駆動しながら、支軸24の軸方向において重量が集中する回転ドラム21側と駆動モータ23側との重量的なアンバランス(偏重心)を測定する。このとき、バランス測定器には、回転ドラム21、支軸24、バランスリング30、鋼球31、マグネット41、ロータ42及びヨーク43が構成する回転体の重心を境にした回転ドラム21側と駆動モータ23側との偏重心の量及び偏重心の方向が表示される。なお、偏重心の方向とは、支軸24の回転中心から見た回転体の重心が位置する方向(位相を含む。)である。
【0046】
そして、回転ドラム21(上方)側の回転バランスの調整は、この重量的なアンバランスを打ち消すように、すなわち回転ドラム21側の重心と回転中心とが一致するように、バランスリング30に形成された複数の孔部30aに選択的に鋼球31を圧入することによって行う。
【0047】
一方、駆動モータ23(下方)側の回転バランスの調整は、図5に示すような治具70を用いて、ロータ42のヨーク取付面部46に吸着されたヨーク43を、このヨーク取付面部46上で移動させることによって行う。
【0048】
具体的に、治具70は、マイクロメータヘッド71の先端部にヨーク43を押圧する非磁性体からなるブロック72が取り付けられた構造を有している。このブロック72には、ヨーク43を一定の方向(ここでは、図5中右手方向を示す。)に押圧するために、ヨーク43の外周面と2点で当接される略V字状の溝部72aが形成されている。この治具70では、マイクロメータヘッド71を回転操作することによって、ブロック72の溝部72aに当接されたヨーク43を図5中右手方向に押圧し、ヨーク43を図5中右手方向に精度良く移動させることができる。
【0049】
そして、このような治具70を用いて駆動モータ23側の回転バランスを調整する際には、先ず、駆動モータ23側の偏重心の方向が治具70によるヨーク43の移動方向とは逆方向(ここでは、図5中左手方向を示す。)となるように、治具70に対する回転ヘッド装置20の位置合わせを行う。次に、駆動モータ23側の偏重心の量をヨーク43の移動量に換算し、この移動量に応じた分だけ治具70によりヨーク43を図5中右手方向に移動させる。これにより、回転ドラム21側の重心と回転中心とを一致させることができ、駆動モータ23側の重量的なアンバランスを打ち消すことができる。
【0050】
そして、このような回転バランスの調整がなされた後に、ヨーク43の円環溝51に、瞬間接着剤を注入することによって、ヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46に瞬間的に接着して固定する。なお、円環溝51に接着剤を注入する際は、一方の孔部50aから吸引を行いながら、他方の孔部50bから接着剤を注入することによって、接着剤を円環溝51の全周に亘ってスムーズ且つ容易に注入することができる。
【0051】
以上のようして、回転ヘッド装置20の回転バランスの調節を行い、回転ドラム21側及び駆動モータ23側の偏重心を無くすことによって、駆動モータ23により回転ドラム21を回転駆動した際の振動の発生を防止することができる。
【0052】
この回転ヘッド装置20では、上述したように、ヨーク43がロータ42のマグネット41と所定の間隔で対向配置されており、マグネット41に磁気吸引されることによって、ボス部49の周囲がヨーク取付面部46に吸着されている。したがって、ヨーク43をロータ42に吸着されたヨーク取付面部46上でずらしながら、駆動モータ23側の重心と回転中心とが一致した位置にてヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46に固定することによって、部品点数の増加を招くことなく、駆動モータ23側の回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことが可能である。
【0053】
また、従来のようなバランスリング115の複数の孔部115aに鋼球116を圧入していく段階的なバランス調整と比べて、バランス調整量をヨーク43の移動量に置き換える連続的なバランス調整となることから、回転バランスの調整時間を短縮すると共に、回転バランスの調整精度を大幅に向上させることが可能である。
【0054】
したがって、この回転ヘッド装置20では、部品点数の増加を招くことなく、更なる低コスト化及び小型化が可能である。そして、このような回転バランスの調整が適切になされた回転ヘッド装置20を備える磁気テープ装置1では、回転ヘッド装置20の回転駆動時における振動の発生を抑制することが可能であり、走行される磁気テープ2に対して、駆動モータ23により回転ドラム21を回転駆動しながら、この回転ドラム21に搭載された一対の記録ヘッド32a,32b及び再生ヘッド33a,33bにより適切な信号の記録及び/又は再生動作を行うことが可能である。
【0055】
次に、上述した回転ヘッド装置20の別の構成例として、図6に示す本発明を適用した回転ヘッド装置60について説明する。
【0056】
この回転ヘッド装置60は、上述した駆動モータ23の構成が異なる以外は、上記回転ヘッド装置20と略々同様な構成を有している。したがって、以下の説明では、適宜、上記回転ヘッド装置20と同等な部位については説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0057】
この回転ヘッド装置60において、駆動モータ23は、図6,図7及び図8に示すように、固定ドラム22を貫通する支軸24の他端に取り付けられて支軸24と一体に回転駆動されると共に、固定ドラム22と対向する主面とは反対側の主面にマグネット41が取り付けられたロータ42と、ロータ42のマグネット41と所定の間隔で対向配置されると共に、ロータ42に取り付けられてロータ42と磁路を形成するヨーク43と、ヨーク43とロータ42のマグネット41との間に位置して固定ドラム22に取り付けられ、マグネット41と対向する主面にコイル(図示せず。)が取り付けられたステータ44とを有している。
【0058】
ロータ42は、軟磁性材料が略円盤状に成形されてなり、その中心部には、支軸24に取り付けられるボス部45が設けられている。このボス部45は、固定ドラム22と対向する主面とは反対側に向かって略円筒状に突出形成されてなり、このボス部45の中心孔45aに固定ドラム22を貫通する支軸24の他端が圧入されることによって、ロータ42が支軸24に取り付けられている。
【0059】
また、ロータ42は、このボス部45の周囲にヨーク43が取り付けられるヨーク取付面部46と、ヨーク取付面部46の周囲を囲むようにして、このヨーク取付面部46よりも一段低くなされたマグネット取付面部48とを有している。
【0060】
ヨーク取付面部46は、このロータ42のボス部45が支軸24に取り付けられることによって、その平坦化された主面が固定ドラム22の下端面と同一高さに位置する、或いは固定ドラム22の下端面よりも下方に位置するように設定されている。これにより、後述するヨーク43のヨーク取付面部46上での位置を、このヨーク43の外周端面を押圧することによって容易にずらすことが可能となっている。また、このヨーク取付面部46には、後述する駆動モータ23を組み立てる際の位置決め基準となる基準孔61が設けられている。
【0061】
マグネット取付面部48は、このロータ42のボス部45が支軸24に取り付けられることによって、固定ドラム22の内部に位置しており、その固定ドラム22と対向する主面とは反対側の主面には、略円環状のマグネット41が取り付けられている。
【0062】
ヨーク43は、図9及び図10に示すように、軟磁性材料が略円盤状に成形されてなり、その中心部には、ロータ42のボス部45に遊嵌される中心孔62が設けられている。そして、ヨーク43は、図6乃至図8に示すように、中心孔62にロータ42のボス部45が遊嵌された状態で、ロータ42のマグネット41と所定の間隔で対向配置されており、マグネット41に磁気吸引されることによって、この中心孔62の周囲がヨーク取付面部46に吸着されている。
【0063】
したがって、ヨーク43は、ロータ42のヨーク取付面部46に吸着された状態で、このヨーク取付面部46上の位置を摩擦力に抗してずらすことが可能であり、このヨーク43の位置をずらすことで駆動モータ23側の回転バランスを調整することが可能となっている。
【0064】
また、ヨーク43には、図9及び図10に示すように、その中心孔62を形成する内周側の一部を切り欠くことによって、上述したロータ42の基準孔61に対応した基準用切欠き部63と、この基準用切欠き部63と対向する位置にバランス用切欠き部64とが設けられている。この基準用切欠き部63は、上述したロータ42の基準孔61を外部に臨ませることによって、このヨーク43がロータ42のヨーク取付面部46に吸着された際の位置決め基準となる。一方、バランス用切欠き部64は、基準用切欠き部63とは反対側を切り欠くことによって、このヨーク43の重量的なバランスの安定化を図っている。
【0065】
また、ヨーク43は、後述する駆動モータ23側の回転バランスが調整された後に、ロータ42のヨーク取付面部46に接着剤によって固定される。このため、ヨーク43には、接着剤が注入される注入溝65と、この注入溝65に接着剤を注入するための一対の注入口66a,66bとが設けられている。
【0066】
注入溝65は、図10に示すヨーク43のヨーク取付面部46に吸着される主面43aに、上述した基準用切欠き部63とバランス用切欠き部64との間で中心孔62の周囲を囲むように形成されている。但し、注入溝65は、この注入溝65に注入された接着剤がロータ42の基準孔61に流れ込むのを防ぐため、それぞれ基準用切欠き部63の手前で中断された形状となっている。また、この注入溝65は、図9に示すように、ヨーク43をプレス成形することよって、このヨーク43のヨーク取付面部46に吸着される主面43aとは反対側の主面43bに向かって膨出(半抜き)された状態で形成されている。
【0067】
一対の注入口66a,66bは、図9及び図10に示すように、ヨーク43の中心孔62を形成する内周側の一部を注入溝65に臨む位置まで切り欠くことによって形成されている。また、一対の注入口66a,66bは、上述した基準用切欠き部63とバランス用切欠き部64とは対角をなす位置に互いに対向して設けられている。すなわち、これら一対の注入口66a,66bは、上述した注入溝65の基準用切欠き部63とバランス用切欠き部64との間のほぼ中間位置に設けられている。これにより、ヨーク43がロータ42のヨーク取付面部46に吸着された際に、これら一対の注入口66a,66bを通して、ヨーク43のヨーク取付面部46に吸着された主面43aとは反対側から注入溝65に接着剤を均一に注入することが可能となっている。また、このような配置によって、ヨーク43の重量的なバランスの安定化を図っている。
【0068】
さらに、ヨーク43のヨーク取付面部46に吸着される主面43aとは反対側の主面43bには、図9に示すように、一対の注入口66a,66bの周囲を囲む一対の立上り周壁67a,67bが設けられている。これにより、一対の注入口66a,66bから接着剤を注入する際に、周囲に接着剤が飛び散るのを防ぐことができる。また、一対の注入口66a,66bから接着剤を注入した後に、この駆動モータ23を回転駆動させた場合でも、一対の立上り周壁67a,67bによって外部に接着剤が飛散するのを防ぐことができ、接着後の回転バランスの確認が可能となっている。
【0069】
ステータ44は、図6乃至図8に示すように、略円盤状に成形されなり、その中心孔からロータ42のヨーク取付面部46が臨むと共に、ヨーク43とロータ42のマグネット41との間に位置して、その外周部が固定ドラム22の下端部に接着によって取り付けられている。また、ステータ44には、銅箔等により薄膜コイルがパターン形成されている。また、ステータ44には、外部の駆動回路とフレキシブルケーブルを介して電気的に接続される接続端子44aが固定ドラム22の外周面22aから突出して設けられており、この接続端子44aからコイルに駆動電流が供給されることになる。
【0070】
以上のように構成される回転ヘッド装置60の駆動モータ23(下方)側の回転バランスを調整する際は、図11に示すように、上述した治具70を用いて、ロータ42のヨーク取付面部46に吸着されたヨーク43を、このヨーク取付面部46上で移動させることによって行う。
【0071】
具体的には、先ず、ヨーク43の中心孔62にロータ42のボス部45が遊嵌された状態で、基準用切欠き部63からロータ42の基準孔61が外部に臨むように、ヨーク取付面部46にヨーク43を吸着させる。これにより、ヨーク43のヨーク取付面部46に対する位置決めを行う。
【0072】
次に、図示を省略するバランス測定器を用いて、駆動モータ23により回転ドラム21を回転駆動しながら、駆動モータ23側の重量的なアンバランス(偏重心)を測定する。このとき、バランス測定器には、駆動モータ23側の偏重心の量及び偏重心の方向が表示される。
【0073】
次に、この駆動モータ23側の偏重心の方向が治具70によるヨーク43の移動方向とは逆方向(ここでは、図11中左手方向を示す。)となるように、治具70に対する回転ヘッド装置20の位置合わせを行う。
【0074】
次に、駆動モータ23側の偏重心の量をヨーク43の移動量に換算し、この移動量に応じた分だけ治具70によりヨーク43を図5中右手方向に移動させる。
【0075】
これにより、回転ドラム21側の重心と回転中心とを一致させることができ、駆動モータ23側の重量的なアンバランスを打ち消すことができる。
【0076】
そして、このような回転バランスの調整がなされた後に、ヨーク43の一対の注入口66a,66bから注入溝65に、接着剤を注入することによって、ヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46に接着して固定する。
【0077】
ここで、図12に示すように、接着剤Sは、一対の注入口66a,66bから注入溝65に所定量だけ注入されると、毛細管現象によって、この注入溝65に自然と流れ込みながら、この注入溝65から更にヨーク43とヨーク取付面部46との接触部分に染み込むことになる。さらに、接着剤Sは、ヨーク43とヨーク取付面部46との接触部分以外からはみ出すことなく、その接触部分の全域に亘って均一に染み渡ることになる。
【0078】
したがって、この回転ヘッド装置60では、上述したロータ42の基準孔61に接着剤が流れ込むのを防ぎつつ、ヨーク43とヨーク取付面部46との接触面同士を接着剤により強固に接着固定することが可能である。
【0079】
ここで、接着剤としては、室温での注入や注入後の硬化時間等を考慮して、低温特性に優れ且つ速乾性を有する、例えばシアヌアクリル系の瞬間接着剤等を用いることが好ましい。また、接着剤として、紫外線硬化樹脂等を用いてもよく、この場合、注入後に紫外線を照射することで接着剤を速やかに硬化させることができ、接着に要する時間を短縮化することができる。
【0080】
また、接着剤を注入する際の粘度は、0.5〜5cp(センチポアズ)程度とすることが好ましい。これにより、ヨーク43とヨーク取付面部46との接触部分以外から接着剤がはみ出すのを防ぎつつ、接着剤を一対の注入口66a,66bから注入溝65へとスムーズ且つ容易に注入することができる。
【0081】
また、ヨーク43とヨーク取付面部46との接触面の面粗度は、中心線平均粗さRaで見た場合に、それぞれ5〜20μm程度とすることが好ましい。これにより、ヨーク43とヨーク取付面部46との接触部分以外から接着剤がはみ出すのを防ぎつつ、その接触部分の全域に亘って接着剤を均一に染み渡らせることができる。
【0082】
以上のようして、この回転ヘッド装置60では、駆動モータ23側の回転バランスの調節を行い、この駆動モータ23側の偏重心を無くすことによって、駆動モータ23により回転ドラム21を回転駆動した際の振動の発生を抑制することが可能である。
【0083】
また、この回転ヘッド装置60では、上述したように、ヨーク43がロータ42のマグネット41と所定の間隔で対向配置されており、マグネット41に磁気吸引されることによって、中心孔62の周囲がヨーク取付面部46に吸着されている。したがって、ヨーク43をロータ42に吸着されたヨーク取付面部46上でずらしながら、駆動モータ23側の重心と回転中心とが一致した位置にてヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46に固定することによって、部品点数の増加を招くことなく、駆動モータ23側の回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことが可能である。
【0084】
また、従来のようなバランスリング115の複数の孔部115aに鋼球116を圧入していく段階的なバランス調整と比べて、バランス調整量をヨーク43の移動量に置き換える連続的なバランス調整となることから、回転バランスの調整時間を短縮すると共に、回転バランスの調整精度を大幅に向上させることが可能である。
【0085】
したがって、この回転ヘッド装置60では、上述した回転ヘッド装置20と同様に、部品点数の増加を招くことなく、更なる低コスト化及び小型化が可能である。そして、このような回転バランスの調整が適切になされた回転ヘッド装置60を備える磁気テープ装置1では、回転ヘッド装置60の回転駆動時における振動の発生を抑制することが可能であり、走行される磁気テープ2に対して、駆動モータ23により回転ドラム21を回転駆動しながら、この回転ドラム21に搭載された一対の記録ヘッド32a,32b及び再生ヘッド33a,33bにより適切な信号の記録又は再生動作を行うことが可能である。
【0086】
また、本発明では、上述した回転ヘッド装置20,60ように、接着剤によってヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46に固定する場合には、駆動モータ23側の回転バランスの調整がなされた後に、ヨーク43に外力を加えることがないことから、回転バランスを狂わすことなく、ヨーク43をヨーク取付面部46に強固に接着固定することが可能である。
【0087】
また、本発明は、上述したヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46に接着剤によって固定する方法以外にも、例えば図13及び図14に示す回転ヘッド装置80ように、ヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46にネジ止め等の機械的な固定手段によって固定する方法を用いてもよい。
【0088】
具体的に、この回転ヘッド装置80では、上述した回転ヘッド装置60の注入溝65及び一対の注入口66a,66bに代わって、ヨーク取付面部46には、一対のネジ81a,81bが螺合される一対のネジ孔82a,82bが設けられている。これら一対のネジ孔82a,82bは、ボス部45を中心とした同一円周上の互いに対向する位置に形成されている。一方、ヨーク43には、その中心孔62を形成する内周側の一部を切り欠くことによって、一対のネジ孔82a,82bに対応した一対のネジ用切欠き部83a,83bが設けられている。これら一対のネジ用切欠き部83a,83bは、ヨーク43の中心孔62を形成する内周側の一部を一対のネジ孔82a,82bを外部に臨ませる位置まで切り欠くことによって形成されている。また、一対のネジ用切欠き部83a,83bは、上述した基準用切欠き部63とバランス用切欠き部64とは対角をなす位置に互いに対向して設けられている。
【0089】
以上のように構成される回転ヘッド装置80の駆動モータ23(下方)側の回転バランスを調整する際は、上述した治具70を用いて、ロータ42のヨーク取付面部46に吸着されたヨーク43を、このヨーク取付面部46上で移動させることによって行う。
【0090】
具体的には、先ず、ヨーク43の中心孔62にロータ42のボス部45が遊嵌された状態で、基準用切欠き部63からロータ42の基準孔61が外部に臨むように、ヨーク取付面部46にヨーク43を吸着する。これにより、ヨーク43のヨーク取付面部46に対する位置決めを行う。そして、一対のネジ用切欠き部83a,83bから外部に臨む一対のネジ孔82a,82bに、一対のネジ81a,81bを螺合させ仮締めした状態とする。このとき、一対のネジ81a,81bと一対のネジ用切欠き部83a,83bとは間には、遊びが設けられており、ヨーク43のヨーク取付面部46に吸着された面上の位置をずらすことが可能となっている。
【0091】
次に、図示を省略するバランス測定器を用いて、駆動モータ23により回転ドラム21を回転駆動しながら、駆動モータ23側の重量的なアンバランス(偏重心)を測定する。このとき、バランス測定器には、駆動モータ23側の偏重心の量及び偏重心の方向が表示される。
【0092】
次に、この駆動モータ23側の偏重心の方向が治具70によるヨーク43の移動方向とは逆方向となるように、治具70に対する回転ヘッド装置20の位置合わせを行う。
【0093】
次に、駆動モータ23側の偏重心の量をヨーク43の移動量に換算し、この移動量に応じた分だけ治具70によりヨーク43を図5中右手方向に移動させる。
【0094】
これにより、回転ドラム21側の重心と回転中心とを一致させることができ、駆動モータ23側の重量的なアンバランスを打ち消すことができる。
【0095】
そして、このような回転バランスの調整がなされた後に、一対のネジ81a,81bを一対のネジ孔82a,82bに増し締め(本締め)することによって、ヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46に機械的に固定する。
【0096】
以上のようして、この回転ヘッド装置80では、駆動モータ23側の回転バランスの調節を行い、この駆動モータ23側の偏重心を無くすことによって、駆動モータ23により回転ドラム21を回転駆動した際の振動の発生を抑制することが可能である。
【0097】
また、この回転ヘッド装置80では、ヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46にネジ止めによって機械的に固定することから、接着剤を用いた場合に比べて、外部からの衝撃や振動等に対して位置ずれを生じさせない強固な固定構造とすることが可能である。
【0098】
なお、本発明を適用した回転ヘッド装置は、上述した回転ヘッド装置20,60,80の構成に限定されず、回転バランスの調整を図るため、駆動モータのヨークをロータに吸着された面上でずらすことが可能な回転ヘッド装置に広く適用可能である。
【0099】
例えば、上下方向に組み合わされた一組の固定ドラム及び回転ドラムと駆動モータとを備え、下ドラムを構成する回転ドラムが上ドラムを構成する固定ドラムの上方に配置された駆動モータにより回転駆動される回転ヘッド装置にも本発明を適用することが可能である。また、回転ドラム及び固定ドラムの上下方向の組合せに限らず、回転ドラムと固定ドラムとのうち回転ドラム側に配置された駆動モータにより回転ドラムが回転駆動される回転ヘッド装置にも本発明を適用することが可能である。さらに、上下方向に組み合わされた一組の上固定ドラムと下固定ドラムとの間に回転ドラムが配置され、この回転ドラムが駆動モータにより回転駆動される回転ヘッド装置にも本発明を適用することが可能である。
【0100】
そして、これら回転ヘッド装置では、駆動モータのヨークをロータに吸着された面上で移動させながら、重心と回転中心とが略一致した位置にてヨークをロータに固定することによって、部品点数の増加を招くことなく、回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことが可能である。
【0101】
また、本発明を適用した回転ヘッド装置では、回転ドラム21側に、上記ロータ42と略々同様の構成を有するダミーロータと、このダミーロータに吸着される上記ヨーク43と略々同様の構成を有するダミーヨークとを配置し、このダミーヨークのダミーロータに吸着された面上の位置をずらすことで、回転ドラム21側の回転バランスを調整する構成とすることも可能である。
【0102】
また、本発明を適用した磁気テープ装置は、上述したカメラ一体型のVTRに限らず、例えば据え置き型のVTRや、カムコーダ、テープストリーマー等のように、磁気テープに対して信号の記録及び/又は再生を行う磁気テープ装置に広く適用可能であるが、特に、上述したカメラ一体型のVTRのように携帯可能な小型電子機器に搭載された場合には、高速回転による手感振動の発生を抑制することによって、更なる品質及び使い勝手の向上を図ることが可能である。
【0103】
また、本発明は、光ディスクや磁気ディスク等のディスク状記録媒体に対して信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置等に適用可能である。この場合、ディスクドライブ装置が備えるスピンドルモータの構成を、本発明を適用した回転ヘッド装置の駆動モータと同様に、ヨークをロータに吸着された面上でずらすことが可能な構成とすることで、部品点数の増加を招くことなく、回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことが可能であり、振動の発生を抑制することが可能である。
【0104】
さらに、本発明は、ヨークをロータに吸着された面上でずらすことが可能な駆動モータに対して広く適用可能であり、これにより、部品点数の増加を招くことなく、駆動モータの回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことが可能であり、振動の発生を抑制することが可能である。
【0105】
次に、図15に示す本発明を適用した回転バランス調整装置200について説明する。
【0106】
この回転バランス調整装置200は、上述した本発明を適用した回転ヘッド装置の回転バランスの調整を自動的に行うものである。なお、ここでは、上述した図6に示す回転ヘッド装置60の回転バランスを調整するのに用いている。
【0107】
具体的に、この回転バランス調整装置200は、装置本体201のベース201a上に、回転ヘッド装置60を保持する保持手段となるヘッド保持部材202と、このヘッド保持部材202に保持された回転ヘッド装置60のロータ42に吸着されたヨーク43を押圧する押圧手段となるヨーク押圧機構203と、このヨーク押圧機構203に対する回転ヘッド装置60の位置決め制御を行う位置決め制御手段となる位置決め制御機構204とを備えている。
【0108】
ヘッド保持部材202は、回転ヘッド装置60が嵌合される嵌合孔202aを有し、この嵌合孔202aに固定ドラム22を保持させることによって、回転ドラム21及び駆動モータ23を図15中矢印A方向に回転可能な状態としている。また、このヘッド保持部材202は、後述するバランス測定器223と接続されており、駆動モータ23が回転ドラム21を回転駆動した際に発生する振動がバランス測定器223によって検知されることになる。
【0109】
ヨーク押圧機構203は、ヘッド保持部材202に保持された回転ヘッド装置60のヨーク43と当接される押圧部材であるレバー205と、このレバー205を図15中矢印Bに示す一の方向と平行な方向にスライド可能に支持するステージ206と、このステージ206を図15中矢印Bに示す一の方向と平行な方向に変位駆動する駆動手段となるステージ駆動機構207と、レバー205をステージ206に対して固定する固定手段となるブレーキシリンダ機構208とを有している。
【0110】
レバー205は、長尺矩形状の平板部材からなり、その長手方向の一端がヨーク43の外周端面と当接されると共に、その他端側がステージ206と一体に取り付けられたガイド部材209にスライド可能に支持されている。具体的に、このガイド部材209には、図15中矢印Bに示す一の方向と平行な方向に貫通したガイド孔210が形成されており、このガイド孔210にレバー205の他端側が挿入されている。これにより、レバー205は、ステージ206に対して図15中矢印Bに示す一の方向と平行な方向にスライド可能となっている。
【0111】
また、レバー205は、その他端側の短手方向の幅が一端側の短手方向の幅よりも狭くなるように、他端側の一部が長手方向に所定の長さだけ切り欠かれた段付き形状となっている。これ対応して、ガイド部材209のガイド孔210も、その他端側の短手方向の幅が一端側の短手方向の幅よりも狭くなる段付き形状となっている。そして、このレバー205の幅狭部分とガイド孔210の幅広部分との間に形成される隙間には、レバー205を図15中矢印Bに示す一の方向に付勢する付勢手段であるコイルバネ211が配置されている。なお、このコイルバネ211の付勢力は、ヨーク43とヨーク取付面部46との接触面に働く摩擦力よりも小さくなるように設定されている。
【0112】
ステージ206は、その下面に位置するステージ駆動機構207を介してベース201a上に取り付けられている。また、ステージ206のレバー205の他端側に臨む位置には、支持部材212を介して非接触センサ213が取り付けられている。
【0113】
この非接触センサ213は、レバー205の他端側の端面に対する光学焦点距離から、レバー205がステージ206に対して図15中矢印Cで示す一の方向とは逆方向にスライドし、所定の距離だけ近接したとき、これを検知する。そして、この検出結果を後述するシステムコントローラ225に通知する。
【0114】
ステージ駆動機構207は、パルスモータ214aと、このパルスモータ214aによる回転駆動を図示しないギヤ列やラックを介して直線駆動に変換する駆動変換機構214bとを有し、ステージ206を図15中矢印Bに示す一の方向と平行な方向に変位駆動する。
【0115】
ブレーキシリンダ機構208は、エアシリンダ208aと、このエアシリンダ208aの内部に導入される空気量を制御することで、図15中矢印G方向に突出可能なピストン208bとを有している。また、このブレーキシリンダ機構208は、ピストン208bの先端を下方に向けた状態で、エアシリンダ208aがガイド部材209の上部に支持部材215を介して固定支持されてなる。一方、ガイド部材209には、ピストン208bの先端をガイド孔210に臨ませる貫通孔216が形成されている。これにより、ブレーキシリンダ機構208は、この貫通孔216を通してガイド孔210に挿入されたレバー205の上面をピストン208bにより押圧し、レバー205をガイド部材209、すなわちステージ206に対して固定することが可能となっている。
【0116】
位置決め制御機構204は、回転ヘッド装置60の回転ドラム21側に位置して、駆動プーリ217aと被動プーリ217bとの間に無端ベルト218が巻き掛けられたベルト駆動機構219と、このベルト駆動機構219を昇降させる昇降駆動機構220とを有している。
【0117】
ベルト駆動機構219は、駆動プーリ217aを図15中矢印D方向に回転駆動することで、無端ベルト218を図15中矢印E方向に回転駆動する。一方、昇降駆動機構220は、上述したベルト駆動機構219を支持する支持アーム221と、この支持アーム221を図15中矢印F方向に回動させる駆動モータ(図示せず。)とを有しており、この支持アーム221を駆動モータにより回動させることでベルト駆動機構219を昇降操作する。
【0118】
また、この位置決め制御機構204では、ベルト駆動機構219を昇降駆動機構220により昇降操作することで、無端ベルト218を回転ヘッド装置60の回転ドラム21に対して接離可能としている。さらに、この位置決め制御機構204では、無端ベルト218を回転ドラム21の外周面に所定の張力で押し付けた状態で、この無端ベルト218をベルト駆動機構219により回転駆動することによって、回転ドラム21及び駆動モータ23を図15中矢印A方向に回転させることが可能となっている。
【0119】
そして、この位置決め制御機構204では、ベルト駆動機構219による無端ベルト218の回転駆動を制御することで、これら回転ドラム21及び駆動モータ23の位相出しを精度良く、しかも容易に行うことができる。また、この位置決め制御機構204では、ベルト駆動機構219による無端ベルト218の駆動を停止させることで、この無端ベルト218と回転ドラム21の外周面との摩擦力により、これら回転ドラム21及び駆動モータ23を所定の位置に位置決めすることができる。
【0120】
また、この回転バランス調整装置200は、装置本体201の内部に、上述した各部の駆動を制御する駆動制御手段となるサーボ制御回路222と、回転ヘッド装置60の回転バランスを測定する測定手段となるバランス測定器223と、このバランス測定器223により測定された測定結果から各種演算を行う演算手段となる演算回路224と、この装置全体の制御を行う制御手段となるシステムコントローラ225とを備えている。
【0121】
サーボ制御回路222は、システムコントローラ225からの指令に基づいて、上述した回転ヘッド装置60の駆動モータ23、ステージ駆動機構207のパルスモータ214a、位置決め制御機構204のベルト駆動機構219及び昇降駆動機構220の駆動を制御する。
【0122】
バランス測定器223は、システムコントローラ225からの指令に基づいて、上述したヘッド保持部材202に保持された回転ヘッド装置60から、駆動モータ23が回転ドラム21を回転駆動した際に発生する振動を検知することよって、駆動モータ23側の重量的なアンバランス(偏重心)を測定する。そして、この算出結果を演算回路224及びシステムコントローラ225に通知する。なお、バランス測定器の表示部(図示せず。)には、この駆動モータ23側の偏重心の量及び偏重心の方向(位相)が表示される。
【0123】
演算回路224は、バランス測定器223により測定された測定結果から、この駆動モータ23側の重量的なアンバランス(偏重心)を打ち消すのに必要な駆動モータ23のヨーク43の移動量及びその移動方向を算出し、この算出結果をシステムコントローラ225に供給する。
【0124】
システムコントローラ225は、マイクロコンピュータ(CPU)等からなり、例えば外部からの指令や、上述した非接触センサ213からの検出結果、バランス測定器223からの測定結果、演算回路224からの演算結果に基づいて、内蔵するプログラムに従いながら、各種制御用のコントロール信号を生成し、上述したサーボ制御回路222及びバランス測定器223を制御する。
【0125】
次に、図16に示すフローチャートを参照しながら、以上のように構成される回転バランス調整装置200の具体的な動作について説明する。
【0126】
この回転バランス調整装置200を用いて回転ヘッド装置60の回転バランスを調整する際は、先ず、ヘッド保持部材202に回転ヘッド装置60を保持させると共に、この回転バランス調整装置200と駆動モータ23の接続端子44aとを電気的に接続する。これにより、駆動モータ23がサーボ制御回路222により駆動可能な状態となる。
【0127】
なお、この回転ヘッド装置60では、ヨーク43のヨーク取付面部46に吸着された面上の位置をずらすことが可能な状態、すなわちヨーク43をヨーク取付面部46に固定する前の状態としておく。さらに、ヨーク43の基準用切欠き部63からロータ42の基準孔61が外部に臨むように、ヨーク43のヨーク取付面部46に対する位置決めを予め行っておく。
【0128】
そして、この状態から、先ず、図16に示すステップS1において、外部から動作の開始が指示されると、システムコントローラ225からの指令に基づいて、サーボ制御回路222が駆動モータ23を回転駆動すると共に、バランス測定器223が駆動モータ23側の偏重心の量及び偏重心の方向(位相)を測定する。そして、バランス測定器223は、この測定結果を演算回路224及びシステムコントローラ225に通知する。また、バランス測定器223からシステムコントローラ225に測定結果が通知されると、システムコントローラ225からの指令に基づいて、サーボ制御回路222が駆動モータ23の駆動を停止する。
【0129】
次に、図16に示すステップS2において、バランス測定器により測定された測定結果から、演算回路224が回転ヘッド装置60の回転バランスを調整するのに必要なヨークの移動量及びその移動方向を算出する。そして、演算回路224は、この算出結果をシステムコントローラ225に通知する。
【0130】
次に、演算回路224からシステムコントローラ225に算出結果が通知されると、システムコントローラ225からの指令に基づいて、サーボ制御回路222が位置決め制御機構204を駆動する。そして、この位置決め制御機構204は、ヨーク押圧機構203に対する回転ヘッド装置60の位置決め制御を行う。
【0131】
具体的に、この位置決め制御機構204では、先ず、図16に示すステップS3において、サーボ制御回路222が昇降駆動機構220を駆動し、この昇降駆動機構220がベルト駆動機構219を図17中矢印F方向に所定量だけ上昇させる。これにより、図17に示すように、ベルト駆動機構219の無端ベルト218が回転ドラム21の外周面に所定の張力で押し付けられた状態となる。
【0132】
次に、図16に示すステップS4において、この状態からサーボ制御回路222がベルト駆動機構219を駆動し、このベルト駆動機構219が無端ベルト218を図17中矢印E方向に回転駆動する。そして、回転ドラム21及び駆動モータ23を図17中矢印A方向に回転させながら、上述した演算回路224により算出されたヨーク43の移動方向が、後述するヨーク押圧機構203が押圧する一の方向となる位置で、ベルト駆動機構219を停止させる。これにより、回転ヘッド装置60がヨーク押圧機構203に対して位置決めされた状態となる。
【0133】
次に、システムコントローラ225からの指令に基づいて、サーボ制御回路222がヨーク押圧機構203を駆動する。そして、このヨーク押圧機構203は、駆動モータ23側の回転バランスの調整を行う。
【0134】
具体的に、このヨーク押圧機構203では、先ず、図16に示すステップS5において、サーボ制御回路222がステージ駆動機構207のパルスモータ214aを回転駆動する。そして、このステージ駆動機構207は、ステージ206をレバー205と共に、図18中矢印B方向、すなわち回転ヘッド装置60に近接する方向に前進させる。すると、図18に示すように、レバー205がヨーク43の外周端面に当接した状態となる。そして、この状態から、更にステージ206が図18中矢印B方向に前進すると、レバー205は、ヨーク取付面部46に吸着されたヨーク43からの反力によって、コイルバネ211の付勢に抗しながら、ステージ206に対して図18中矢印C方向にスライドすることになる。
【0135】
次に、図16に示すステップS6において、レバー205の他端側が非接触センサ213に所定の距離だけ近接したとき、非接触センサ213がシステムコントローラ225にレバー205が近接したことを通知する。
【0136】
次に、図16に示すステップS7において、システムコントローラ225からの指令に基づいて、サーボ制御回路222がステージ駆動機構207のパルスモータ214aの駆動を停止する。そして、このステージ駆動機構207は、ステージ206を停止させる。
【0137】
次に、図16に示すステップS8において、サーボ制御回路222がブレーキシリンダ機構208を駆動する。そして、このブレーキシリンダ機構208は、エアシリンダ208aによりピストン208bを図19中矢印G方向に突出させる。これにより、図19に示すように、ピストン208bが貫通孔216を通してガイド孔210に挿入されたレバー205の上面を押圧し、レバー205がステージ206に対して固定された状態となる。
【0138】
次に、図16に示すステップS9において、サーボ制御回路222がステージ駆動機構207のパルスモータ214aを微速で回転駆動する。そして、このステージ駆動機構207は、ステージ206をレバー205と一体に、上述した演算回路224により算出されたヨーク43の移動量に応じた距離だけ、図19中矢印B方向に微速で前進させる。すると、レバー205が、ヨーク43の外周端面を図19中矢印B方向に駆動モータ23の回転中心に向かって押圧し、このヨーク43のヨーク取付面部46上の位置を摩擦力に抗してずらしながら、駆動モータ23側の重心と回転中心とを一致させる。これにより、駆動モータ23側の重量的なアンバランスを打ち消すことができる。
【0139】
次に、図16に示すステップS10において、サーボ制御回路222がステージ駆動機構207のパルスモータ214aを逆向きに回転駆動する。そして、このステージ駆動機構207は、ステージ206をレバー205と共に、図20中矢印C方向、すなわち回転ヘッド装置60から離間する方向に後退させる。これにより、図20に示すように、レバー205がヨーク43の外周端面から離間すると共に、コイルバネ211に付勢されて再び元の位置へと戻ることになる。
【0140】
次に、図16に示すステップS11において、サーボ制御回路222がブレーキシリンダ機構208を駆動する。そして、このブレーキシリンダ機構208は、エアシリンダ208aによりピストン208bを図20中矢印G方向に引き込ませる。これにより、図20に示すように、レバー205のステージ206に対する固定状態が解除される。
【0141】
以上のようにして、ヨーク押圧機構203による駆動モータ23側の回転バランスの調整が終了する。なお、上述したステップS10とステップS11とは、互いの順序を逆にして行ってもよく、また同時に行ってもよい。
【0142】
次に、図16に示すステップS12において、システムコントローラ225からの指令に基づいて、サーボ制御回路222が位置決め制御機構204を駆動する。そして、この位置決め制御機構204では、サーボ制御回路222が昇降駆動機構220を駆動し、この昇降駆動機構220がベルト駆動機構219を図20中矢印F方向に下降させる。これにより、図20に示すように、ベルト駆動機構219の無端ベルト218が回転ドラム21の外周面から離間し、ベルト駆動機構219が再び元の位置へと戻る。
【0143】
次に、図16に示すステップS13において、システムコントローラ225からの指令に基づいて、サーボ制御回路222が駆動モータ23を回転駆動すると共に、バランス測定器223が確認のため調整後の回転バランスを測定する。そして、バランス測定器223は、この測定結果を演算回路224及びシステムコントローラ225に通知する。また、バランス測定器223からシステムコントローラ225に測定結果が通知されると、システムコントローラ225からの指令に基づいて、サーボ制御回路222が駆動モータ23の駆動を停止する。
【0144】
次に、図16に示すステップS14において、バランス測定器223により測定された測定結果から、システムコントローラ225が回転ヘッド装置60の回転バランスが良好と判断した場合には、回転ヘッド装置60のバランス調整が完了したことを外部に通知し、以上のような動作を終了する。一方、システムコントローラ225が回転ヘッド装置60の回転バランスが不良と判断した場合には、上述したステップS2に戻り、回転ヘッド装置60の回転バランスが良好となるまで、上述した回転ヘッド装置60の回転バランスを調整する調整作業と、この回転ヘッド装置60の回転バランスを測定する測定作業とを繰り返す。
【0145】
以上のように、この回転バランス調整装置200では、回転ヘッド装置60の回転バランスの調節作業と測定作業とを自動で行い、この回転ヘッド装置60の偏重心を無くすことによって、駆動モータ23により回転ドラム21を回転駆動した際の振動の発生を防止することが可能である。
【0146】
また、この回転バランス調整装置200では、回転ヘッド装置60のヨーク43をロータ42に吸着されたヨーク取付面部46上でずらしながら、駆動モータ23側の重心と回転中心とを一致させることから、この駆動モータ23側の回転バランスの調整を高精度に行うと共に、調整時間の更なる短縮化を図ることが可能である。
【0147】
そして、この回転バランス調整装置200を用いて回転ヘッド装置60の回転バランスの調整がなされた後、ヨーク43の一対の注入口66a,66bから注入溝65に、接着剤を所定量だけ注入することによって、ヨーク43をロータ42のヨーク取付面部46に接着して固定する。
【0148】
なお、接着剤の注入は、手作業の他にも、装置本体201のベース201aに接着剤を注入するための注入手段となる接着剤注入機構を設けてもよい。この接着剤注入機構は、図示を省略するが、ヘッド保持部材202に保持された回転ヘッド装置60と対向する位置に、一対の注入口66a,66bに向かって突出可能な一対のノズルを有している。そして、上述した位置決め制御機構204によって回転ヘッド装置60を所定の位置に位置決めした後に、これら一対のノズルを一対の注入口66a,66bに進入させて注入溝65に接着剤を所定量だけ注入する。以上のような構成とすることで、上述した回転ヘッド装置60のヨーク43をヨーク取付面部46に接着して固定する固定作業を自動化することが可能である。
【0149】
なお、回転バランス調整装置200では、上述した演算回路224をバランス測定器223やシステムコントローラ225の内部に設けた構成としてもよい。
【0150】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、ヨークをロータに吸着された面上で移動させながら、重心と回転中心とが略一致した位置にてヨークをロータに固定することによって、部品点数の増加を招くことなく、回転ヘッド装置の回転バランスの調整を容易且つ適切に行うことが可能である。したがって、この回転ヘッド装置では、駆動モータにより回転ヘッドを回転駆動した際の振動の発生を防止することが可能である。そして、このような回転バランスの調整が適切になされた回転ヘッド装置を記録再生手段として備える磁気テープ装置では、テープ走行手段により走行される磁気テープに対して、駆動モータにより回転ドラムを回転駆動しながら、この回転ドラムに取り付けられた磁気ヘッドにより適切な信号の記録及び/又は再生を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気テープ装置の構成を示す平面図である。
【図2】本発明を適用した回転ヘッド装置の構成を示す斜視図である。
【図3】上記回転ヘッド装置の構成を示す断面図である。
【図4】上記回転ヘッド装置を駆動モータ側から見た平面図である。
【図5】上記回転ヘッド装置の回転バランスを調整する方法を説明するための平面図である。
【図6】本発明を適用した別の回転ヘッド装置の構成を示す斜視図である。
【図7】上記別の回転ヘッド装置の構成を示す断面図である。
【図8】上記別の回転ヘッド装置を駆動モータ側から見た平面図である。
【図9】ヨークをロータのヨーク取付面部に吸着される主面とは反対側の主面から見た斜視図である。
【図10】ヨークをヨーク取付面部に吸着される主面から見た斜視図である。
【図11】上記別の回転ヘッド装置の回転バランスを調整する方法を説明するための平面図である。
【図12】接着剤によるヨークのヨーク取付面部に対する接着状態を示す平面図である。
【図13】本発明を適用した回転ヘッド装置のネジ止めによる固定構造を示す分解斜視図である。
【図14】図13に示す回転ヘッド装置のヨークがロータにネジ止めされた状態を示す斜視図である。
【図15】本発明を適用した回転バランス調整装置の構成を示す側面図である。
【図16】上記回転バランス調整装置を用いて回転ヘッド装置の回転バランスを調整する際の手順を示すフローチャートである。
【図17】上記回転バランス調整装置の動作を説明するための図であり、回転ヘッド装置が位置決めされた状態を示す側面図である。
【図18】上記回転バランス調整装置の動作を説明するための図であり、ステージが前進した状態を示す側面図である。
【図19】上記回転バランス調整装置の動作を説明するための図であり、レバーがステージに固定された状態を示す側面図である。
【図20】上記回転バランス調整装置の動作を説明するための図であり、ステージが後退した状態を示す側面図である。
【図21】従来の回転ヘッド装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 磁気テープ装置、2 磁気テープ、3 供給リール、4 巻取リール、5a〜5f ガイドローラ、5g ピンチローラ、6 キャップスタン、20 回転ヘッド装置、21 回転ドラム、22 固定ドラム、23 駆動モータ、24支軸、26,26b 一対の軸受、28a,28b 外輪、29 コイルバネ、30 バランスリング、30a 孔部、31 鋼球、32a,32b 記録ヘッド、33a,33b 再生ヘッド、34 回転トランス、35 ハウジング部、36a 上スリーブ部、36b 下スリーブ部、37 上環状溝、38 注入孔、39 下環状溝、40 一対の注入溝、41 マグネット、42 ロータ、43 ヨーク、44 ステータ、45 ハブ部、45a 中心孔、46 ヨーク取付面部、47a,47b 一対の突部、48 マグネット取付面部、49 ハブ部、49a 中心孔、50a,50b 一対の孔部、51 円環溝、60 回転ヘッド装置、61 基準孔、62 中心孔、63 基準用切欠き部、64 バランス用切欠き部、65 注入溝、66a,66b 一対の注入口、67a,67b 一対の立上り周壁、70 治具、80 回転ヘッド装置、81a,81b一対のネジ、82a,82b 一対のネジ孔、83a,83b ネジ用切欠き部、200 回転バランス調整装置、201 装置本体、201a ベース、202 ヘッド保持部材、203 ヨーク押圧機構、204 位置決め制御機構、205 レバー、206 ステージ、207 ステージ駆動機構、208 ブレーキシリンダ機構、208a エアシリンダ、208b ピストン、210 ガイド孔、211 コイルバネ、213 非接触センサ、214a パルスモータ、214b 駆動変換機構、216 貫通孔、217a 駆動プーリ、217b被動プーリ、218 無端ベルト、219 ベルト駆動機構、220 昇降駆動機構、221 支持アーム、222 サーボ制御回路、223 バランス測定器、224 演算回路、225 システムコントローラ

Claims (21)

  1. 中心部が支軸に取り付けられて上記支軸と一体に回転駆動されると共に、外周面から先端部が臨む磁気ヘッドが取り付けられた回転ドラムと、
    上記回転ドラムの外周面と連続した外周面を形成すると共に、上記支軸を回転可能に支持する固定ドラムと、
    上記固定ドラムに対して上記回転ドラムを上記支軸と一体に回転駆動する駆動モータとを備え、
    上記駆動モータは、中心部が上記支軸に取り付けられ、一主面側にマグネットが取り付けられたロータと、上記ロータの中心部に遊嵌される中心孔が設けられ、上記マグネットと所定の間隔で対向配置されると共に、上記マグネットに磁気吸引されて上記中心孔の周囲が上記ロータに吸着されたヨークと、上記ヨークと上記ロータのマグネットとの間に配置され、一主面側に上記マグネットと対向するコイルが取り付けられたステータとを有し、
    上記ヨークの上記ロータに吸着された面上の位置をずらすことで、上記駆動モータ側の回転バランスが調整可能とされている回転ヘッド装置。
  2. 上記ヨークは、上記駆動モータ側の重心と回転中心とが一致した位置にて上記ロータに固定されていることを特徴とする請求項記載の回転ヘッド装置。
  3. 上記ヨークは、上記ロータに接着剤によって固定されていることを特徴とする請求項記載の回転ヘッド装置。
  4. 上記ヨークは、上記ロータに吸着される面に上記接着剤が注入される溝部と、上記ロータに吸着される面とは反対側から上記溝部に上記接着剤を注入するための注入口とを有することを特徴とする請求項記載の回転ヘッド装置。
  5. 上記注入口から上記溝部に注入される接着剤の粘度が、0.5〜5cpであることを特徴とする請求項記載の回転ヘッド装置。
  6. 上記ヨークと上記ロータとの接触面の中心線平均粗さが、5〜20μmであることを特徴とする請求項記載の回転ヘッド装置。
  7. 上記ヨークは、上記ロータに機械的な固定手段によって固定されていることを特徴とする請求項記載の回転ヘッド装置。
  8. 中心部が支軸に取り付けられて上記支軸と一体に回転駆動されると共に、外周面から先端部が臨む磁気ヘッドが取り付けられた回転ドラムと、上記回転ドラムの外周面と連続した外周面を形成すると共に、上記支軸を回転可能に支持する固定ドラムと、上記固定ドラムに対して上記回転ドラムを上記支軸と一体に回転駆動する駆動モータとを備える回転ヘッド装置の回転バランスを調節する際に、
    上記駆動モータは、中心部が上記支軸に取り付けられ、一主面側にマグネットが取り付けられたロータと、上記ロータの中心部に遊嵌される中心孔が設けられ、上記マグネットと所定の間隔で対向配置されると共に、上記マグネットに磁気吸引されて上記中心孔の周囲が上記ロータに吸着されたヨークと、上記ヨークと上記ロータのマグネットとの間に配置され、一主面側に上記マグネットと対向するコイルが取り付けられたステータとを有しており、
    上記ヨークを上記ロータに吸着された面上でずらしながら、上記駆動モータ側の重心と回転中心とが一致した位置にて上記ヨークを上記ロータに固定することを特徴とする回転ヘッド装置の回転バランス調整方法。
  9. 上記駆動モータを回転駆動させながら、上記駆動モータ側の回転バランスを測定し、この測定結果から上記駆動モータ側の回転バランスを調整するのに必要な上記ヨークの移動量及びその移動方向を算出し、この算出結果に基づいて、上記ヨークを上記ロータに吸着された面上でずらしながら、上記駆動モータ側の重心と回転中心とを一致させた後に、上記ヨークを上記ロータに固定することを特徴とする請求項記載の回転ヘッド装置の回転バランス調整方法。
  10. 上記ヨークを上記ロータに接着剤によって固定することを特徴とする請求項記載の回転ヘッド装置の回転バランス調整方法。
  11. 上記ヨークは、上記ロータに吸着される面に上記接着剤が注入される溝部と、上記ロータに吸着される面とは反対側から上記溝部に上記接着剤を注入するための注入口とを有しており、
    上記ヨークを上記ロータに吸着された面上でずらしながら、上記駆動モータ側の重心と回転中心とを一致させた後に、上記注入口から上記溝部に接着剤を注入し、この接着剤を硬化させることによって、上記ヨークを上記ロータに固定することを特徴とする請求項10記載の回転ヘッド装置の回転バランス調整方法。
  12. 上記注入口から上記溝部に注入される接着剤の粘度を、0.5〜5cpとすることを特徴とする請求項11記載の回転ヘッド装置の回転バランス調整方法。
  13. 上記ヨークと上記ロータとの接触面の中心線平均粗さを、5〜20μmとすることを特徴とする請求項11記載の回転ヘッド装置の回転バランス調整方法。
  14. 上記ヨークを上記ロータに機械的な固定手段によって固定することを特徴とする請求項記載の回転ヘッド装置の回転バランス調整方法。
  15. 磁気テープを走行させるテープ走行手段と、
    上記テープ走行手段により走行される磁気テープに対して信号の記録及び/又は再生を行う回転ヘッド手段とを備え、
    上記回転ヘッド手段は、中心部が支軸に取り付けられて上記支軸と一体に回転駆動されると共に、外周面から先端部が臨む磁気ヘッドが取り付けられた回転ドラムと、上記回転ドラムの外周面と連続した外周面を形成すると共に、上記支軸を回転可能に支持する固定ドラムと、上記固定ドラムに対して上記回転ドラムを上記支軸と一体に回転駆動する駆動モータとを備え、
    上記駆動モータは、中心部が上記支軸に取り付けられ、一主面側にマグネットが取り付けられたロータと、上記ロータの中心部に遊嵌される中心孔が設けられ、上記マグネットと所定の間隔で対向配置されると共に、上記マグネットに磁気吸引されて上記中心孔の周囲が上記ロータに吸着されたヨークと、上記ヨークと上記ロータのマグネットとの間に配置され、一主面側に上記マグネットと対向するコイルが取り付けられたステータとを有し、
    上記ヨークの上記ロータに吸着された面上の位置をずらすことで、上記駆動モータ側の回転バランスが調整可能とされている磁気テープ装置。
  16. 上記ヨークは、上記駆動モータ側の重心と回転中心とが一致した位置にて上記ロータに固定されていることを特徴とする請求項15記載の磁気テープ装置。
  17. 上記ヨークは、上記ロータに接着剤によって固定されていることを特徴とする請求項16記載の磁気テープ装置。
  18. 上記ヨークは、上記ロータに吸着される面に上記接着剤が注入される溝部と、上記ロータに吸着される面とは反対側から上記溝部に上記接着剤を注入するための注入口とを有することを特徴とする請求項17記載の磁気テープ装置。
  19. 上記注入口から上記溝部に注入される接着剤の粘度が、0.5〜5cpであることを特徴とする請求項18記載の磁気テープ装置。
  20. 上記ヨークと上記ロータとの接触面の中心線平均粗さが、5〜20μmであることを特徴とする請求項18記載の磁気テープ装置。
  21. 上記ヨークは、上記ロータに機械的な固定手段によって固定されていることを特徴とする請求項16記載の磁気テープ装置。
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