JP4186648B2 - リニアアクチュエータ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばリニアソレノイドに印加される駆動電圧または駆動電流または駆動デューティ等の駆動信号の大きさに比例して制御対象のリフト量を調整するリニアアクチュエータを電気的に制御するリニアアクチュエータ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、蓄圧容器としてのコモンレールに高圧燃料を蓄圧し、コモンレールより分岐した燃料配管の下流端に接続された電磁式燃料噴射弁から所定のタイミングで内燃機関の各気筒に燃料を噴射供給するように構成された蓄圧式燃料噴射装置がある。コモンレールには、燃料噴射圧力に相当する燃料圧力を常時蓄圧する必要があるため、吸入調量型の燃料供給ポンプから燃料配管を経て高圧燃料が圧送され、この圧送量(以下ポンプ圧送量、ポンプ吐出量とも言う)を制御することにより、コモンレール内の燃料圧力が目標噴射圧力と略一致するようにフィードバック制御している。
【0003】
これは、内燃機関の運転条件または運転状態によって設定される指令噴射量(QFIN)を算出し、次にエンジン回転速度(以下エンジン回転数と言う:NE)と指令噴射量(QFIN)によって設定される目標噴射圧力(PFIN)を算出し、次にコモンレールに設置された燃料圧力センサによって検出された実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(ΔP=PC−PFIN)に応じて、吸入調量型の燃料供給ポンプに内蔵された吸入調量弁のリニアソレノイドに印加する駆動電流値をフィードバック制御することで実行される。
【0004】
ここで、吸入調量弁のリニアソレノイドに印加する駆動電流値(=SCV通電値∝駆動DUTY)を、公知のPID(比例積分微分)制御を用いて算出する方法を、図7の制御ロジックに示す。これは、指令噴射量(QFIN)と目標噴射圧力(PFIN)と駆動ベースDUTYマップとから駆動ベースデューティ(%)を算出し、実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(ΔP=PC−PFIN)からフィードバックゲイン(比例項のゲインKp、積分項のゲインKi、微分項のゲインKd)を算出する。
【0005】
そして、フィードバック量(FBDUTY)を算出し、更に、駆動ベースデューティ値(駆動ベースDUTY)とフィードバック量(FBDUTY)とを加算して最終的な駆動ベースデューティ(%)を算出し、この駆動ベースデューティを所定の変換係数を用いて制御パルス信号に変換して、吸入調量弁のリニアソレノイドに印加する。これにより、吸入調量弁のリフト量が調整され、燃料供給ポンプからコモンレールへ加圧圧送されるポンプ圧送量、ポンプ吐出量が制御され、コモンレール内の燃料圧力が目標噴射圧力と略一致するようにフィードバック制御される(特許文献なし)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のPID制御においては、図8のI−Q特性図に示したように、吸入調量弁のリニアソレノイドに印加する駆動電流値(∝駆動DUTY)の増大化に比例して吸入調量弁のリフト量が全てのリフト(DUTY)領域で増加することはできない。例えば高リフト(DUTY)領域では磁束の飽和等により非線形になっている。
【0007】
これは、従来のPID制御によるフィードバック量(FBDUTY)の算出方法が、比例項のゲイン(Kp)、積分項のゲイン(Ki)、微分項のゲイン(Kd)のいずれも、実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(ΔP)に基づく1次元テーブルで定義されており、低リフト(DUTY)領域でも高リフト(DUTY)領域でも、同じ大きさのゲインでフィードバック制御されているからである。このため、高リフト(DUTY)領域では、低リフト(DUTY)領域の時と比較して、目標噴射圧力(PFIN)に対する実燃料圧力(PC)の制御応答性および追従性が悪いという課題がある。
【0008】
ここで、従来のPID制御によるフィードバック量(FBDUTY)の算出方法では、目標噴射圧力(PFIN)が変化する加速時または減速時等の過渡時において、例えば高リフト(DUTY)領域の時に、比例項のゲイン(Kp)または積分項のゲイン(Ki)または微分項のゲイン(Kd)を、中間のリフト(DUTY)領域と比べて小さくとると、目標噴射圧力(PFIN)に対する実燃料圧力(PC)の制御応答性および追従性が悪くなり、実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(ΔP)のばらつきが大きくなってしまうという問題がある。また、例えば低リフト(DUTY)領域の時に、比例項のゲイン(Kp)または積分項のゲイン(Ki)または微分項のゲイン(Kd)を、中間のリフト(DUTY)領域と比べて大きくとると、オーバーシュート量が大きくなり、目標噴射圧力(PFIN)に対して実燃料圧力(PC)がハンチングするという問題がある。
【0009】
【発明の目的】
本発明の目的は、リニアアクチュエータの高リフト領域において、リフト量に関連する物理量の制御応答性および追従性を向上することのできるリニアアクチュエータ制御装置を提供することにある。また、リニアアクチュエータの低リフト領域において、オーバーシュート量を抑えることのできるリニアアクチュエータ制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、比例積分制御または比例微分制御または比例積分微分制御を用いて、実物理量と目標物理量との偏差から、目標物理量に対して必要となるフィードバック量を算出するフィードバック量決定手段を備えたリニアアクチュエータ制御装置において、フィードバック量の算出に用いる比例項のフィードバック量または積分項のフィードバック量または微分項のフィードバック量のうちの少なくとも1つのフィードバック量を、実物理量と目標物理量との偏差と実物理量を決定する駆動信号であるDUTY値とに基づいて算出することにより、リニアアクチュエータの高DUTY領域においても、目標物理量に対する実物理量の制御応答性および追従性を向上することができる。
【0011】
なお、本発明におけるリフト量に関連する物理量は、実リフト量そのもの、または、流体回路における燃料圧力である。実リフト量であれば、目標リフト量に対する実リフト量の制御応答性および追従性をダイレクトに向上できる。また、燃料圧力であれば、流体回路の制御応答性および追従性を向上できる。
【0012】
また、リニアアクチュエータの高DUTY領域では、フィードバック量の算出に用いる比例項のフィードバック量または積分項のフィードバック量または微分項のフィードバック量のうちの少なくとも1つのフィードバック量を、高DUTY領域と低DUTY領域との中間のDUTY領域と比べて大きくすることにより、目標物理量(目標リフト量)に対する実物理量(実リフト量)の制御応答性および追従性が改善され、リニアアクチュエータの実物理量(実リフト量)と目標物理量(目標リフト量)との偏差のばらつきが小さくなる。
【0013】
請求項に記載の発明によれば、リニアアクチュエータの低DUTY領域では、フィードバック量の算出に用いる比例項のフィードバック量または積分項のフィードバック量または微分項のフィードバック量のうちの少なくとも1つのフィードバック量を、低DUTY領域と高DUTY領域との中間のDUTY領域と比べて小さくすることにより、オーバーシュート量が小さくなり、目標物理量(目標リフト量)に対してリニアアクチュエータの実物理量(実リフト量)がハンチングし難くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
[第1実施例の構成]
図1ないし図3は本発明の第1実施例を示したもので、図1は蓄圧式燃料噴射システムの全体構成を示した図で、図2はECUの制御ロジックを示した図で、図3はECUの制御ロジックおよび電磁弁駆動回路を示した図である。
【0015】
本実施例の蓄圧式燃料噴射システムは、例えば自動車等の車両に搭載された4気筒のディーゼルエンジン等の内燃機関(以下エンジンと呼ぶ)1の各気筒に噴射供給する燃料噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧する蓄圧容器としてのコモンレール2と、このコモンレール2内に蓄圧された高圧燃料をエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給する複数個のインジェクタ3と、吸入した燃料を加圧してコモンレール2内に圧送する燃料供給ポンプ(以下サプライポンプと呼ぶ)4と、複数個のインジェクタ3およびサプライポンプ4を電子制御する電子制御ユニット(以下ECUと呼ぶ)10とを備えている。
【0016】
エンジン1の各気筒内には、連接棒を介してクランク軸11に連結されたピストン12が摺動自在に配設されている。コモンレール2には、連続的に燃料噴射圧力に相当する高い圧力が蓄圧される必要があり、そのためにコモンレール2に蓄圧される高圧燃料は、高圧配管13を介してサプライポンプ4から供給されている。なお、コモンレール2から燃料タンク14へ燃料をリリーフするリリーフ配管15には、コモンレール圧が限界設定圧を越えることがないように、圧力を逃がすためのプレッシャリミッタ16が取り付けられている。
【0017】
複数個のインジェクタ3は、エンジン1のシリンダブロックに各気筒に個別に対応して取り付けられ、各気筒毎の燃焼室内に高圧燃料を噴射する燃料噴射ノズル、この燃料噴射ノズル内に収容されたノズルニードルを開弁方向に駆動する電磁式アクチュエータ(ニードル駆動手段)、およびノズルニードルを閉弁方向に付勢するスプリング等のニードル付勢手段等から構成された電磁式燃料噴射弁である。
【0018】
これらのインジェクタ3からエンジン1の各気筒の燃焼室内への燃料噴射は、ノズルニードルに連結したコマンドピストンの背圧制御室内の圧力を制御する電磁式アクチュエータとしての電磁弁への通電および通電停止により電子制御される。つまり、各気筒のインジェクタ3の電磁弁が開弁している間、コモンレール2内に蓄圧された高圧燃料がエンジン1の各気筒の燃焼室内に噴射供給される。ここで、インジェクタ3からのリーク燃料または背圧制御室からの排出燃料(リターン燃料)は、燃料還流路17から燃料還流路19を経て燃料タンク14にリターンされる。
【0019】
サプライポンプ4は、エンジン1のクランク軸11の回転に伴ってポンプ駆動軸が回転することで、燃料タンク14から低圧燃料を汲み上げる周知のフィードポンプ(低圧供給ポンプ:図示せず)と、ポンプ駆動軸により回転駆動されるカム(図示せず)と、このカムに駆動される複数個のプランジャ(図示せず)と、これらのプランジャがシリンダ内を往復摺動することにより吸入された燃料を加圧する複数個の加圧室(プランジャ室:図示せず)と、これらの加圧室内の燃料圧力が所定値以上に上昇すると開弁する吐出弁(図示せず)とを有している。
【0020】
そして、サプライポンプ4は、フィードポンプにより燃料タンク14からフィルタ20を介して吸入される低圧燃料を高圧に加圧して蓄圧容器としてのコモンレール2へ圧送する吸入調量型の高圧供給ポンプである。また、サプライポンプ4には、内部の燃料温度が高温にならないように、リークポートが設けられており、サプライポンプ4からのリーク燃料は、燃料還流路18から燃料還流路19を経て燃料タンク14にリターンされる。
【0021】
このサプライポンプ4内に形成される燃料流路、つまりフィードポンプから加圧室に至る燃料流路(流体回路)には、その燃料流路の開口度合(リフト量に関連する物理量:弁開度)を調整することで、サプライポンプ4からコモンレ−ル2への燃料の吐出量(ポンプ吐出量、ポンプ圧送量)を変更するリニアソレノイドアクチュエータとして吸入調量型の電磁弁(SCV:以下吸入調量弁と呼ぶ)5が取り付けられている。
【0022】
吸入調量弁5は、図2および図3に示したように、電磁弁駆動回路6を介してECU10からのパルス状のポンプ駆動信号(駆動電流値=SCV通電値∝駆動ベースDUTY)によって電子制御されることにより、サプライポンプ4の加圧室内に吸入される燃料の吸入量を調整する吸入量調整用電磁弁で、この吸入調量弁5は、サプライポンプ4の加圧室へ燃料を送るための燃料流路の開度を調整するバルブ(図示せず)、印加されるポンプ駆動信号が大きくなる程、バルブを閉弁方向に駆動するリニアソレノイド21、およびバルブを開弁方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段(図示せず)を有している。
【0023】
吸入調量弁5は、電磁弁駆動回路6を介してリニアソレノイド21に印加されるポンプ駆動信号の大きさに比例して、サプライポンプ4の加圧室から、コモンレール2へ吐出される高圧燃料の圧送量を調整して、各インジェクタ3からエンジン1の各気筒内へ噴射供給する燃料噴射圧力に相当するコモンレール圧を変更する。なお、本実施例の吸入調量弁5は、リニアソレノイド21への通電が停止されるとバルブのリフト量が最小、弁孔の開口面積が最大、つまり弁開度が全開状態となるノーマリオープンタイプのポンプ流量制御弁である。ここで、吸入調量弁5のリニアソレノイド21は、図3に示したようなバッテリ電圧を直接印加するような簡単な構成、且つ安価な電磁弁駆動回路6によって駆動される。
【0024】
ここで、エンジン1の運転中に、各気筒の燃焼室内で燃焼した排気ガスは、排気管22を通り、バリアブルノズルターボ(VNT)23のタービンの駆動源となった後に、触媒(図示せず)、マフラー(図示せず)を経て排出される。上記のバリアブルノズルターボ23の制御は、吸気圧センサ36の信号とVNT駆動量センサ37の信号とに基づいて行われる。過給された吸入空気は、吸気管24を経て各気筒内へ導入される。そして、吸気管24の途中には、絞り弁(スロットルバルブ)25が配設され、このスロットルバルブ25の開度は、ECU10からの駆動信号により作動するリニアアクチュエータ26によって調節される。
【0025】
また、本実施例の吸気管24には、排気管22を流れる排気ガスの一部である排気再循環ガス(EGRガス)を吸気管24へ導く排気ガス還流路27が接続されている。そして、排気ガス還流路27と吸気管24との接続口には、EGRバルブ7が設置され、排気ガス還流路27の途中には、EGRガスを冷却するためのEGRガスクーラ28が設置されている。
【0026】
EGRバルブ7は、エンジン1の排気ガスの一部を吸気側に戻すための排気ガス還流路27の開度を調整するバルブ31、印加されるEGRバルブ駆動信号が大きくなる程、バルブ31を開弁方向に駆動するリニアソレノイド32、およびバルブ31を閉弁方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段(図示せず)を有し、EGRバルブ駆動信号の大きさに比例して、エンジン1の排気側から吸気管24へ戻るEGRガスの排気ガス還流量(EGR量)を調整する排気ガス再循環装置用電磁弁である。
【0027】
なお、EGRガスのEGR量は、吸気量センサ33と吸気温センサ34とEGRバルブ用リフトセンサ(物理量検出手段)35からの信号で、所定値を保持できるようにフィードバック制御している。したがって、エンジン1の各気筒内に吸い込まれて吸気管24を通過する吸入空気は、エミッションを低減するために運転状態毎に設定されたEGR量になるようにEGRバルブ7のバルブ31の弁開度がリニアに制御され、排気管22からの排気ガスとミキシングされることになる。
【0028】
ECU10には、制御処理、演算処理を行なうCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROM、RAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路、インジェクタ駆動回路(EDU)等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。そして、各種センサからのセンサ信号は、A/D変換器でA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
【0029】
ECU10は、クランク角度検出手段およびカム角度検出手段からの回転角度信号を入力するように構成されている。クランク角度検出手段は、エンジン1のクランク軸11に対応して回転するシグナルロータ(例えばクランク軸11が1回転する間に1回転する回転体)38と、このシグナルロータ38の外周に多数形成されたクランク角度検出用の歯と、これらの歯の接近と離間によってNE信号パルスを発生する電磁ピックアップコイルよりなるクランク角度センサ41とから構成されている。このクランク角度センサ41は、シグナルロータ38が1回転(クランク軸11が1回転)する間に複数のNE信号パルスを出力する。そして、ECU10は、NE信号パルスの間隔時間を計測することによってエンジン回転数を検出する。
【0030】
カム角度検出手段は、エンジン1の動弁系またはサプライポンプ4のカム軸29に対応して回転するシグナルロータ(例えばクランク軸11が2回転する間に1回転する回転体)39と、このシグナルロータ39の外周に多数形成されたカム角度検出用の歯と、これらの歯の接近と離間によってG信号パルスを発生する電磁ピックアップコイルよりなるカム角度センサ42とから構成されている。このカム角度センサ42は、シグナルロータ39が1回転(カム軸29が1回転)する間に複数のG信号パルスを出力する。
【0031】
また、ECU10は、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を測定するアクセル開度センサ43、エンジン1の冷却水温を検出する冷却水温センサ44、およびコモンレール2内の燃料圧力(所謂コモンレール圧)を検出する燃料圧力センサ(物理量検出手段)45等からセンサ信号を入力するように構成されている。なお、ECU10は、車両の走行速度(車速)を測定するための車速センサ46から車速信号を入力するように構成されている。ここで、燃料還流路17には、燃料温度を測定する燃料温度センサ47が搭載されている。この燃料温度センサ47は、検出精度を上げるために各インジェクタ3の燃料還流路17の集合部分にできるだけ近い位置に搭載するのが望ましい。なお、48はフューエルレベルインジケータ用のサーミスタである。
【0032】
そして、ECU10は、クランク角度センサ41からのNE信号パルスより検出したエンジン回転数(NE)とアクセル開度センサ43によって検出したアクセル開度(ACCP)と冷却水温センサ44によって検出した冷却水温とから指令噴射量(QFIN)を算出する噴射量決定手段と、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(QFIN)とから指令噴射時期(TFIN)を算出する噴射時期決定手段と、指令噴射量(QFIN)と燃料圧力センサ45によって検出された実燃料圧力(=コモンレール圧:PC)とから指令噴射パルス時間(TQ)を算出する噴射期間決定手段と、インジェクタ駆動回路(EDU)を介して各気筒のインジェクタ3の電磁弁にパルス状のインジェクタ駆動電流(噴射指令パルス)を印加するインジェクタ駆動手段とから構成されている。
【0033】
そして、ECU10は、多気筒エンジン1の運転条件または運転状態に応じた最適な燃料噴射圧力を演算し、電磁弁駆動回路6を介してサプライポンプ4の吸入調量弁5のリニアソレノイド21を駆動する吐出量制御手段(SCV制御手段)を有している。すなわち、ECU10は、クランク角度センサ41からのNE信号パルスより検出したエンジン回転数(NE)とアクセル開度センサ43によって検出したアクセル開度(ACCP)とによって目標噴射圧力(PFIN)を算出し、この目標噴射圧力(PFIN)を達成するために、サプライポンプ4の吸入調量弁5のリニアソレノイド21に印加するポンプ駆動信号(駆動電流値=SCV通電値または制御パルス信号)を調整して、サプライポンプ4より吐出される燃料の圧送量(ポンプ吐出量、ポンプ圧送量)を制御するように構成されている。
【0034】
さらに、より好ましくは、燃料噴射量の制御精度を向上させる目的で、燃料圧力センサ45によって検出される実燃料圧力(PC)がエンジン運転情報によって決定される目標噴射圧力(PFIN)と略一致するように、PID(比例積分微分)制御によって、サプライポンプ4の吸入調量弁5のリニアソレノイド21へのポンプ駆動信号をフィードバック制御することが望ましい。なお、吸入調量弁5のリニアソレノイド21へのポンプ駆動信号(駆動電流値=SCV通電値または制御パルス信号)の制御は、デューティ(DUTY)制御により行なうことが望ましい。すなわち、実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(ΔP)に応じて単位時間当たりの制御パルス信号のオン/オフの割合(通電時間割合・デューティ比)を調整して、吸入調量弁5の弁開度を変化させるデューティ制御を用いることで、高精度なデジタル制御が可能になる。
【0035】
[第1実施例の制御方法]
次に、本実施例の吸入調量弁5のリニアソレノイド21へのポンプ駆動信号(駆動電流値=SCV通電値または制御パルス信号)の制御方法を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
【0036】
ECU10は、クランク角度センサ41からのNE信号パルスより検出されるエンジン回転数(NE)とアクセル開度センサ43によって検出されるアクセル開度(ACCP)とによって設定された基本噴射量に、冷却水温センサ44によって検出される冷却水温(THW)や燃料温度センサ47によって検出される燃料温度(THF)等の噴射量補正量を加味して指令噴射量(QFIN)を算出する。また、ECU10は、エンジン回転数(NE)とアクセル開度(ACCP)とによって目標噴射圧力(PFIN)を算出する。
【0037】
ここで、吸入調量弁5のリニアソレノイド21に印加する駆動電流値(∝駆動DUTY)を、公知のPID(比例積分微分)制御を用いて算出する方法を、図2および図3の制御ロジックに示す。
【0038】
ECU10は、指令噴射量(QFIN)と目標噴射圧力(PFIN)と駆動ベースデューティ(DUTY)(%)との関係を予め実験等により測定して作成した駆動ベースDUTYマップに基づいて、駆動ベースDUTY(%)を算出する(目標物理量決定手段)。また、ECU10は、実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(ΔP=PC−PFIN)とフィードバックゲイン(比例項のゲインKp、積分項のゲインKi、微分項のゲインKd)との関係を予め実験等により測定して作成したフィードバックゲインマップに基づいて、フィードバックゲイン(比例項のゲインKp、積分項のゲインKi、微分項のゲインKd)を算出する。
【0039】
そして、下記の数1の演算式に基づいてフィードバック量(FBDUTY)を算出する(フィードバック量決定手段)。
【数1】
Figure 0004186648
【0040】
但し、Kpは比例項のゲイン(比例ゲインとも言う)で、Kiは積分項のゲイン(積分ゲインとも言う)で、Kdは微分項のゲイン(微分ゲインとも言う)である。また、ΔPは実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(PC−PFIN)である。
【0041】
なお、本実施例では、フィードバック量(FBDUTY)の算出に用いる比例ゲインKpまたは積分ゲインKiまたは微分ゲインKdのうちの少なくとも1つ以上のフィードバックゲインを、実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(ΔP)と駆動ベースDUTY(%)との2次元マップによって定義している。具体的には、吸入調量弁5の高リフト(DUTY)領域では、2次元マップに示したように、上記のフィードバックゲインを、高リフト(DUTY)領域と低リフト(DUTY)領域との中間のリフト(DUTY)領域と比べて大きくしている。また、吸入調量弁5の低リフト(DUTY)領域では、2次元マップに示したように、上記のフィードバックゲインを、中間のリフト(DUTY)領域と比べて小さくしている。
【0042】
そして、ECU10は、下記の数2の演算式に基づいて、駆動ベースデューティ(駆動ベースDUTY)とフィードバック量(FBDUTY)とを加算して最終的な駆動ベースDUTY(%)を算出する。
【数2】
Figure 0004186648
【0043】
そして、ECU10は、この駆動ベースDUTYをDUTY発生回路9にて所定の変換係数を用いてパルス状のポンプ駆動信号に変換する。そして、ECU10は、駆動ベースDUTY(%)を所定の変換係数を用いて変換したパルス状のポンプ駆動信号を、電磁弁駆動回路6を介して吸入調量弁5のリニアソレノイド21に印加する。これにより、吸入調量弁5のバルブのリフト量が調整され、サプライポンプ4からコモンレール2へ加圧圧送される高圧燃料の圧送量が制御され、コモンレール2内の燃料圧力が目標噴射圧力(PFIN)と略一致するようにフィードバック制御される。
【0044】
[第1実施例の効果]
以上のように、本実施例の蓄圧式燃料噴射システムにおいては、吸入調量弁5の高リフト領域(弁開度小=ポンプ吐出量小)、すなわち、吸入調量弁5のリニアソレノイド21に印加する駆動ベースDUTYの高DUTY領域(以下高リフト(DUTY)領域と呼ぶ)では、図2のフィードバックゲインマップ(2次元マップ)に示したように、フィードバック量(FBDUTY)の算出に用いる比例ゲインKpまたは積分ゲインKiまたは微分ゲインKdのうちの少なくとも1つ以上のフィードバックゲインを、高リフト(DUTY)領域と低リフト(DUTY)領域との中間のリフト(DUTY)領域と比べて大きくとることにより、目標噴射圧力(PFIN)に対する実燃料圧力(PC)の制御応答性および追従性が改善され、実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(ΔP)のばらつきが小さくなる。
【0045】
それによって、例えば加速時等の過渡時の制御応答性および追従性も向上することができる。また、吸入調量弁5の低リフト領域(弁開度大=ポンプ吐出量大)、すなわち、吸入調量弁5のリニアソレノイド21に印加する駆動ベースDUTYの低DUTY領域(以下低リフト(DUTY)領域と呼ぶ)では、図2のフィードバックゲインマップ(2次元マップ)に示したように、フィードバック量(FBDUTY)の算出に用いる比例ゲインKpまたは積分ゲインKiまたは微分ゲインKdのうちの少なくとも1つ以上のフィードバックゲインを、中間のリフト(DUTY)領域と比べて小さくとることにより、オーバーシュート量が小さくなり、目標噴射圧力(PFIN)に対して実燃料圧力(PC)がハンチングし難くなる。
【0046】
[第2実施例]
図4は本発明の第2実施例を示したもので、図4はECUの制御ロジックを示した図である。
【0047】
本実施例では、フィードバック量(FBDUTY)の算出に用いる比例項のフィードバック量(KTp=Kp×ΔP)または積分項のフィードバック量(KTi=Ki×∫ΔP)または微分項のフィードバック量(KTd=Kd×d/dtΔP)のうちの少なくとも1つ以上のフィードバック量そのものを、実燃料圧力(PC)と目標噴射圧力(PFIN)との偏差(ΔP)と駆動ベースDUTY(%)との2次元マップ(図4に示すフィードバック量マップ)によって定義している。
【0048】
具体的には、吸入調量弁5の高リフト(DUTY)領域では、2次元マップに示したように、上記のフィードバック量を、高リフト(DUTY)領域と低リフト(DUTY)領域との中間のリフト(DUTY)領域と比べて大きくしている。また、吸入調量弁5の低リフト(DUTY)領域では、2次元マップに示したように、上記のフィードバック量を、中間のリフト(DUTY)領域と比べて小さくしている。この場合には、フィードバック量(FBDUTY)は、第1実施例のようなΣ{フィードバックゲイン×偏差(ΔP)}ではなく、Σ{フィードバック量}で演算される。
【0049】
[第3実施例]
図5および図6は本発明の第3実施例を示したもので、図5はECUの制御ロジックを示した図で、図6はECUの制御ロジックおよび電磁弁駆動回路を示した図である。
【0050】
従来より、図1に示したように、ディーゼルエンジン1の排気ガスの一部を吸入空気中に混入させることにより、最高燃焼温度を低下させ、排気ガス中に含まれる有害物質(例えば窒素酸化物)の低減を図る排気ガス再循環装置が搭載されている。しかし、排気ガス再循環は、エンジン1の出力低下およびエンジン1の運転性低下を伴うので、吸気管24に還流させるEGRガスのEGR量を調節する必要がある。そこで、従来より、排気ガス再循環装置の排気ガス還流管内に形成される排気ガス還流路27の開度を調節するEGRバルブ7が設けられている。なお、EGRバルブ7のリニアソレノイド32は、図6に示したようなバッテリ電圧を直接印加するような簡単な構成、且つ安価な電磁弁駆動回路8によって駆動される。
【0051】
ここで、EGRバルブ7のリニアソレノイド32に印加する駆動電流値(∝駆動DUTY)を、公知のPI(比例積分)制御を用いて算出する方法を、図9の制御ロジックに示す。先ず、ECU10は、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(QFIN)と予め実験等により測定して作成した2次元マップとから目標リフト量を算出し、この目標リフト量から駆動デューティ(駆動DUTY)を1次元テーブルで定義し、また、フィードバックゲイン(比例ゲインKp、積分ゲインKi)を、EGRバルブ用リフトセンサ(物理量検出手段、リフト量検出手段)35によって検出された実リフト量とエンジン1の運転状態に応じて設定された目標リフト量との偏差に基づく1次元テーブルで定義する。
【0052】
そして、ECU10は、駆動DUTYとPI(比例積分)制御によって算出されるフィードバック量(FBDUTY)とを加算して最終的な駆動DUTYを算出し、この駆動DUTYをDUTY発生回路9にて所定の変換係数を用いて制御パルス信号に変換する。そして、ECU10は、駆動DUTYを所定の変換係数を用いて変換した制御パルス信号を、電磁弁駆動回路8を介してEGRバルブ7のリニアソレノイド32に印加する。これにより、EGRバルブ7のリフト量が調整され、吸気管24に還流させるEGRガスのEGR量がフィードバック制御される。
【0053】
ところが、従来のPI制御においては、図9のD−V特性図に示したように、EGRバルブ7のリニアソレノイド32に印加する駆動電流値(∝駆動DUTY)の増大化に比例してEGRバルブ7のリフト量が全てのリフト(DUTY)領域で増加することはできない。これは、従来のPI制御によるフィードバック量(FBDUTY)の算出方法が、比例ゲイン(Kp)、積分ゲイン(Ki)のいずれも、実リフト量と目標リフト量との偏差に基づく1次元テーブルで定義されており、低リフト(DUTY)領域でも高リフト(DUTY)領域でも、同じ大きさのゲインでフィードバック制御されているからである。このため、高リフト(DUTY)領域では、低リフト(DUTY)領域の時と比較して、目標リフト量に対する実リフト量の制御応答性および追従性が悪いという課題がある。
【0054】
そこで、本実施例のECU10においては、図5の制御ロジックに示したように、フィードバック量(FBDUTY)の算出に用いるフィードバックゲイン(比例ゲインKpおよび積分ゲインKi)を、実リフト量と目標リフト量との偏差と駆動DUTY(%)との2次元マップによって定義している。具体的には、EGRバルブ7の高リフト(DUTY)領域では、2次元マップに示したように、フィードバックゲインを、高リフト(DUTY)領域と低リフト(DUTY)領域との中間のリフト(DUTY)領域と比べて大きくとることにより、目標リフト量に対する実リフト量の制御応答性および追従性を向上できる。また、EGRバルブ7の低リフト(DUTY)領域では、2次元マップに示したように、フィードバックゲインを、中間のリフト(DUTY)領域と比べて小さくとることにより、オーバーシュート量が小さくなり、目標リフト量に対して実リフト量がハンチングし難くなる。
【0055】
[変形例]
本実施例では、本発明を、PID(比例積分微分)制御によって吸入調量型のサプライポンプ4に内蔵される吸入調量弁5の燃料流路の開度(ポンプ圧送量、ポンプ吐出量)をフィードバック制御する方法に適用したが、本発明を、PI(比例積分)制御またはPD(比例微分)制御によって吸入調量弁5の燃料流路の開度(ポンプ圧送量、ポンプ吐出量)をフィードバック制御するようにしても良い。また、本実施例では、本発明を、PI(比例積分)制御によって排気ガス再循環装置のEGRバルブ7の排気ガス還流路27の開度(EGR量)をフィードバック制御する方法に適用したが、本発明を、PID(比例積分微分)制御またはPD(比例微分)制御によってEGRバルブ7の排気ガス還流路27の開度(EGR量)をフィードバック制御するようにしても良い。
【0056】
また、本発明を、エンジン1の吸気管24に設置されるスワールコントロールバルブ(図示せず)の制御量(リフト量)をPI制御またはPD制御またはPID制御によってフィードバック制御する方法に適用しても良い。また、本発明を、吸気管24に設置される絞り弁(スロットルバルブ)25の開度、制御量(リフト量)をPI制御またはPD制御またはPID制御によってフィードバック制御する方法に適用しても良い。また、本発明を、バリアブルノズルターボ23の駆動量、制御量(リフト量)をPI制御またはPD制御またはPID制御によってフィードバック制御する方法に適用しても良い。
【0057】
本実施例では、リニアアクチュエータのリフト量に関連する物理量を検出する物理量検出手段として、吸入調量型のサプライポンプ4に内蔵される吸入調量弁5の弁開度に対応した実燃料圧力(=コモンレール圧)を検出する燃料圧力センサ45を用いた例を説明したが、吸入調量弁5のバルブリフトを直接検出するバルブリフトセンサ(リフト量検出手段)を用いても良く、また、吸入調量弁5のリニアソレノイド21を駆動する駆動信号(駆動電流値=SCV通電値∝駆動DUTY)の大きさを検出する駆動信号検出手段をECU10内に設け、その駆動信号検出手段を物理量検出手段として使用しても良い。これは、上記のEGRバルブ(リニアアクチュエータ)7、スワールコントロールバルブを駆動するリニアアクチュエータ(図示せず)、絞り弁(スロットルバルブ)25を駆動するリニアアクチュエータ26、バリアブルノズルターボ23を駆動するリニアアクチュエータ(図示せず)についても同様に、各リニアアクチュエータのリニアソレノイドを駆動する駆動信号の大きさを検出する駆動信号検出手段を物理量検出手段として使用しても良い。
【0058】
本実施例では、フィードバック量(FBDUTY)の算出に用いる比例ゲインKpまたは積分ゲインKiまたは微分ゲインKdのうちの少なくとも1つ以上のフィードバックゲイン、あるいはフィードバック量(FBDUTY)の算出に用いる比例項のフィードバック量(KTp=Kp×ΔP)または積分項のフィードバック量(KTi=Ki×∫ΔP)または微分項のフィードバック量(KTd=Kd×d/dtΔP)のうちの少なくとも1つ以上のフィードバック量を2次元マップによって定義しているが、1次元マップを複数用いたものでも同様な効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓄圧式燃料噴射システムの全体構成を示した概略図である(第1実施例)。
【図2】ECUの制御ロジックを示したブロック図である(第1実施例)。
【図3】ECUの制御ロジックおよび電磁弁駆動回路を示した回路図である(第1実施例)。
【図4】ECUの制御ロジックを示したブロック図である(第2実施例)。
【図5】ECUの制御ロジックを示したブロック図である(第3実施例)。
【図6】ECUの制御ロジックおよび電磁弁駆動回路を示した回路図である(第3実施例)。
【図7】ECUの制御ロジックを示したブロック図である(従来の技術)。
【図8】駆動電流値および駆動ベースDUTYに対する吸入調量弁のリフト量の特性を示した特性図である(従来の技術)。
【図9】ECUの制御ロジックを示したブロック図である(従来の技術)。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 コモンレール(蓄圧容器)
3 インジェクタ(電磁式燃料噴射弁)
4 サプライポンプ(燃料供給ポンプ)
5 吸入調量弁(リニアアクチュエータ)
6 電磁弁駆動回路
7 EGRバルブ(リニアアクチュエータ)
8 電磁弁駆動回路
10 ECU(目標物理量決定手段、フィードバック量決定手段)
21 リニアソレノイド
26 リニアアクチュエータ
32 リニアソレノイド
35 EGRバルブ用リフトセンサ(物理量検出手段)
45 燃料圧力センサ(物理量検出手段)

Claims (2)

  1. リニアソレノイドに印加される駆動信号に応じてリフト量が増減することで、流体回路の燃料の流量や圧力を制御するリニアアクチュエータと、
    このリニアアクチュエータのリフト量に関連する物理量として、実リフト量そのもの、または、前記流体回路における燃料圧力を検出する物理量検出手段と、
    前記リニアアクチュエータのリフト量に関連する物理量の目標値である目標物理量を算出する目標物理量決定手段と、
    比例積分制御または比例微分制御または比例積分微分制御を用いて、前記物理量検出手段によって検出される実物理量と前記目標物理量決定手段によって設定された目標物理量との偏差から、前記目標物理量に対して必要となるフィードバック量を算出するフィードバック量決定手段と
    を備え、
    前記駆動信号を、前記リニアアクチュエータに印加して、前記リニアアクチュエータをフィードバック制御するリニアアクチュエータ制御装置であって、
    前記目標物理量決定手段は、前記物理量を前記実リフト量とした場合には、目標リフト量をエンジン回転数と指令噴射量とに基づき算出し、前記物理量を燃料圧力とした場合には、目標噴射圧力をエンジン回転数とアクセル開度とによって算出し、
    前記フィードバック量決定手段は、前記フィードバック量の算出に用いる比例項のフィードバック量または積分項のフィードバック量または微分項のフィードバック量のうちの少なくとも1つのフィードバック量を、
    前記実物理量と前記目標物理量との偏差と前記実物理量を決定する駆動信号であるDUTY値とに基づき算出し、前記フィードバック量の算出に用いる比例項のフィードバック量または積分項のフィードバック量または微分項のフィードバック量のうちの少なくとも1つのフィードバック量を、高DUTY領域では、前記高DUTY領域と低DUTY領域との中間のDUTY領域と比べて大きくすることを特徴とするリニアアクチュエータ制御装置。
  2. 請求項に記載のリニアアクチュエータ制御装置において、
    前記フィードバック量の算出に用いる比例項のフィードバック量または積分項のフィードバック量または微分項のフィードバック量のうちの少なくとも1つのフィードバック量を、前記低DUTY領域では、前記低DUTY領域と前記高DUTY領域との中間のDUTY領域と比べて小さくすることを特徴とするリニアアクチュエータ制御装置
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