JP2014181672A - 噴射量学習装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の噴射量学習装置は、同一の学習圧力に対して1つの学習点のみで、指令噴射量に対する燃料噴射量(実噴射量)のズレ量を学習値として算出する場合、学習点以外の適切な学習補正量を算出することができないという課題があった。
【解決手段】 パイロット噴射量学習装置は、エンジンの気筒の1周期中に複数回に分けて燃料噴射を行うマルチ噴射におけるマルチ噴射回数を変更することで、同一の学習圧力でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)である学習点を可変とすることにより、同一の学習圧力でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(学習点)を複数化することができるので、パイロット噴射量学習後TQ−Q特性曲線の学習精度を向上することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の気筒に噴射する燃料の噴射量学習装置に関するものである。
[従来の技術]
従来より、複数の気筒を有するディーゼルエンジン等の内燃機関(圧縮着火式エンジン)では、窒素酸化物(NOx)や燃焼騒音を低減するという目的で、エンジンの燃焼トルクと成り得るメイン噴射の前に、微少量の微少噴射(以下パイロット噴射)を実施している。
しかるに、このパイロット噴射では、エンジンの各気筒毎の燃料噴射弁(以下インジェクタ)に指令する指令噴射量(演算値)と、インジェクタの噴孔から各気筒内に噴射される燃料噴射量(実測値)との間にズレが生じていると、パイロット噴射の効果を十分に発揮することができないという課題があった。
そこで、メイン噴射の前にパイロット噴射を実施するエンジンにおいて、パイロット噴射の微少噴射量に対する燃料噴射量のズレ量を学習補正する噴射量学習装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
この噴射量学習装置(従来の噴射量学習装置)は、エンジンのアイドル安定状態の時に、燃料の噴射圧力を、複数の異なる圧力水準(噴射量学習時の燃料噴射圧力の目標値:以下学習圧力)に変更する学習圧力変更手段と、指令噴射量をマルチ噴射回数(例えばN回)分だけ均等に分割した分割噴射を実施しながら、エンジンの気筒間の回転速度変動を平滑化するのに必要な、各気筒毎への第1補正量(FCCB補正量)、およびエンジンのアイドル回転速度を目標回転速度に維持するのに必要な、全気筒一律の第2補正量(ISC補正量)を求め、ISC補正量およびFCCB補正量から、パイロット噴射量の学習値(噴射量補正量または噴射期間補正量)を算出するようにした学習制御方法が記載されている。
また、従来の噴射量学習装置は、予め実験等により測定して作成したマスタ(噴射量学習前)TQ−Q特性曲線を有するTQ−Q特性マップを記憶する記憶部(スタンバイRAMまたはEEPROM等)を備えている。
なお、TQ−Q特性マップとは、図9に示したように、エンジンの各気筒のインジェクタに指令される指令噴射量(Q)と噴射量指令値(噴射期間:TQ)とに対応して作成されたデータテーブルのことである。
そして、1つの指令噴射量(学習点)で算出した学習値を、噴射量指令値(TQ)に対して、一律オフセット補正することで、経時劣化インジェクタ(INJ)TQ−Q特性曲線に反映させている。また、マスタTQ−Q特性曲線の傾き等により算出した反映係数(傾き係数)を乗算して、噴射量学習後TQ−Q特性曲線に反映させている。
[従来の技術の不具合]
ところが、従来の噴射量学習装置においては、複数の異なる各学習圧力毎に、1つの指令噴射量を均等分割したパイロット噴射量に対する実噴射量のズレ量を学習補正しているので、同一の学習圧力に対して1つの学習ポイントしか学習補正量を算出することができなかった。このように、同一の学習圧力に対して1つの学習ポイント(指令噴射量:学習点)のみで、指令噴射量に対する燃料噴射量(実噴射量)のズレ量を学習値として算出する場合、学習点以外のポイントにおいて適切な学習補正量を算出することができないという課題があった。
また、学習点以外のポイントで学習値を噴射量学習後TQ−Q特性曲線に反映する(例えば一律オフセット補正)する場合、同一の学習圧力の噴射量学習後TQ−Q特性曲線の傾きにもばらつきがあるため、図9に示したように、過剰な補正量、また、過不足のある補正量となるという課題があった。
特開2003−254139号公報
本発明の目的は、同一の学習圧力での噴射量学習時における指令噴射量(学習点)を複数化することで、噴射量学習後の噴射期間−噴射量(TQ−Q)特性の学習精度を向上することのできる噴射量学習装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、指令噴射量に対する燃料噴射量のズレ量に対応して算出される学習補正量を、指令噴射量に対する噴射量指令値の算出に反映させる噴射量学習装置において、同一の学習圧力(例えば噴射量学習時の燃料噴射圧力の目標値や噴射量学習時のコモンレール圧力の目標値等が同一圧力条件)での噴射量学習時における指令噴射量を可変とする噴射量可変手段を設けたことにより、同一の学習圧力での噴射量学習時における指令噴射量(学習点)を複数化することができるので、噴射量学習後の噴射期間−噴射量(TQ−Q)特性の学習精度を向上することができる。
コモンレール式燃料噴射システムを含むエンジン制御システムを示した構成図である(実施例1)。 TQ−Q特性曲線を有するデータテーブルを示した特性図である(実施例1)。 パイロット噴射量学習制御方法を示したフローチャートである(実施例1)。 指令噴射量を均等に分割した分割噴射の一例を示した説明図である(実施例1)。 学習補正量の算出例を示した説明図である(実施例1)。 TQ−Q特性曲線を有するデータテーブルを示した特性図である(実施例2)。 TQ−Q特性曲線を有するデータテーブルを示した特性図である(実施例3)。 TQ−Q特性曲線を有するデータテーブルを示した特性図である(実施例4)。 TQ−Q特性曲線を有するデータテーブルを示した特性図である(従来の技術)。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
[実施例1の構成]
図1ないし図5は、本発明の噴射量学習装置を適用したコモンレール式燃料噴射システムを含むディーゼルエンジン制御システム(実施例1)を示したものである。
本実施例のエンジン制御システム(内燃機関の制御装置)は、複数の気筒を有する多気筒ディーゼルエンジン(以下エンジンE)の各気筒へ燃料を供給する燃料供給システム(内燃機関の燃料供給装置)と、この燃料供給システムを、過給機(2ステージターボチャージャ:以下第1、第2ターボチャージャ)やEGRシステム等の各システムと関連して制御するエンジン制御ユニット(電子制御装置:ECU1)とを備えている。
燃料供給システムは、ディーゼルエンジン用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)によって構成されている。
コモンレール式燃料噴射システムは、燃料中に含まれる異物を取り除く燃料フィルタ3と、燃料タンク2から燃料フィルタ3を介して燃料を汲み上げるフィードポンプ(図示せず)を内蔵した超高圧燃料ポンプ(以下サプライポンプ4)と、このサプライポンプ4の吐出口から吐出された高圧燃料が導入される燃料分配管(以下コモンレール5)と、このコモンレール5の各燃料出口から高圧燃料が分配供給される複数の燃料噴射弁(ピエゾインジェクタ:以下インジェクタ6)とを備え、コモンレール5の内部(蓄圧室)に蓄圧された高圧燃料を各インジェクタ6を介してエンジンEの各気筒毎の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。
サプライポンプ4は、エンジンEの出力軸(クランクシャフト)により回転駆動されるカムシャフトと、このカムシャフトを回転自在に支持するハウジングと、燃料を加圧圧送する複数のプランジャと、各プランジャを往復摺動可能に嵌挿支持する複数のシリンダとを備え、フィードポンプから加圧室内に吸入した燃料を加圧圧送するエンジン駆動式の高圧燃料ポンプである。
サプライポンプ4は、フィードポンプから各燃料加圧室内への燃料の吸入量を調整することで、サプライポンプ4の各燃料吐出口より吐出される燃料吐出量を制御する電磁式燃料調量弁(SCV)を備えている。このSCVは、ECU1から印加されるポンプ駆動信号によって電子制御されるように構成されている。これにより、サプライポンプ4から吐出される燃料吐出量および燃料噴射圧力(所謂コモンレール圧力)が制御される。
ここで、サプライポンプ4からのリーク燃料またはオーバーフロー燃料は、燃料戻し配管(リターン配管)を通って燃料系の低圧側(燃料タンク2)に戻される。
コモンレール5は、各インジェクタ6に高圧燃料を分配供給する円筒パイプ形状の燃料分配管である。このコモンレール5の内部には、超高圧の燃料を蓄圧する蓄圧室が形成されている。
コモンレール5の軸線方向の一端側には、燃料圧力センサ(コモンレール圧力センサ)7が接続されている。このコモンレール圧力センサ7は、コモンレール5の内部圧力(所謂コモンレール圧力)を電気信号に変換して圧力検出値としてECU1に対して出力する燃料圧力検出手段である。
なお、コモンレール圧力センサ7の代わりに燃料温度センサ8をコモンレール5に搭載しても良い。また、各インジェクタ6の燃料溜まり室内の燃料圧力(燃圧)を検出する燃料圧力センサを各インジェクタ6に搭載しても良い。
コモンレール5の軸線方向の他端側には、減圧弁9が接続されている。この減圧弁9は、ECU1から印加される減圧弁駆動信号によって電子制御されるように構成されている。
減圧弁9は、例えば自動車等の車両の減速走行時またはエンジン停止時等に速やかにコモンレール5の内部圧力を高圧から低圧へ減圧させる降圧性能に優れる電磁弁(ソレノイドバルブ)である。減圧弁9が開弁すると、コモンレール5または減圧弁9の燃料出口(リークポート)が開放されて、コモンレール5からリターン配管を経て燃料タンク2へ燃料が戻される。これにより、コモンレール圧力が高圧から低圧へ減圧(降圧)する。
複数のインジェクタ6は、エンジンEの各気筒#1〜#4に個別に対応して搭載される燃料制御弁として使用される。これらのインジェクタ6は、コモンレール5の内部(蓄圧室)に蓄圧された高圧燃料を、直接燃焼室内に霧状に噴射供給する直接噴射タイプの燃料噴射弁(ディーゼルエンジン用のインジェクタ)である。
また、各気筒毎のインジェクタ6からの燃料噴射の順序は、気筒#1(噴射1)→気筒#3(噴射2)→気筒#4(噴射3)→気筒#2(噴射4)であり、この順で吸気行程等が実施される。
また、エンジンEの各気筒#1〜#4において、180°CAずつずれた噴射タイミング(噴射時期)で、例えば各気筒毎の圧縮行程の上死点(TDC)近傍で、各気筒毎のインジェクタ6の開弁による燃料噴射が開始されるように構成されている。
各気筒毎のインジェクタ6は、燃料を噴射する噴孔、この噴孔よりも燃料流方向の上流側のシート、およびこのシートよりも燃料流方向の上流側の燃料溜まり室に連通する燃料流路を有し、シートに対して着座、離脱して噴孔を閉鎖、開放(噴孔を開閉)するノズルニードルを内蔵するノズルボディと、このノズルボディの燃料流路を介して噴孔に連通する燃料流路を有するインジェクタボディとを備えている。
インジェクタボディの内部には、外部(ECU1等の外部回路やバッテリ11等の外部電源)からインジェクタ(ピエゾ)駆動信号を受けるとノズルニードルを開弁方向に駆動するピエゾアクチュエータと、このピエゾアクチュエータにより駆動されてノズルニードルの背圧を制御(増減)する背圧制御機構とが収容されている。
ピエゾアクチュエータは、ピエゾ素子をその軸線方向に多数積層してなる積層体(ピエゾスタック)を備えている。ピエゾスタックは、インジェクタボディの内部に収容保持され、ECU1から印加されるインジェクタ駆動信号によって電子制御されるように構成されている。すなわち、ピエゾスタックが通電されてノズルニードルが開弁、つまりインジェクタ6が開弁している間、各気筒内に向かって噴孔から燃料が噴射される。これにより、複数のインジェクタ6の各噴孔から噴射される燃料噴射量および噴射時期が制御される。
ここで、複数のインジェクタ6の各ピエゾアクチュエータに対する通電時間が長い程、当該インジェクタ6からの燃料噴射量が多くなる。逆に、ピエゾアクチュエータに対する通電時間が短い程、燃料噴射量が少なくなる。
また、コモンレール5から複数のインジェクタ6の各ノズルボディの燃料溜まり室や燃料流路に導入される高圧燃料の圧力(燃料噴射圧力、コモンレール圧力)が高圧である程、当該インジェクタ6からの燃料噴射量が多くなる。逆に、コモンレール5からインジェクタ6に導入される高圧燃料の圧力(燃料噴射圧力、コモンレール圧力)が低圧である程、燃料噴射量が少なくなる。
なお、インジェクタ6からのリーク燃料は、リターン配管を通って燃料タンク2に戻される。また、ピエゾアクチュエータの代わりに、ノズルニードルと連動するコマンドピストンの背圧を制御(増減)するバルブ、およびこのバルブを開弁方向に駆動するソレノイドアクチュエータを採用しても良い。ソレノイドアクチュエータは、コイル、ステータおよびアーマチャ等により構成される。
すなわち、ピエゾアクチュエータを有するピエゾインジェクタの代わりに、ソレノイドアクチュエータを有するソレノイドインジェクタを採用しても良い。
ここで、エンジンEの出力軸(クランクシャフト)は、クラッチ機構を介して、エンジンEの回転動力をドライブシャフトに伝達するための動力伝達装置としてのトランスミッションの入力軸に駆動連結されている。
また、クランクシャフトは、サプライポンプ4のカムシャフト、自動車等の車両の車室内を空調する空調装置(エアコン)のコンプレッサの駆動軸、バッテリ11を充電すると共に、自動車等の車両に搭載された各種電気負荷(ヘッドライト等)に電力を供給するオルタネータ(発電機)12の駆動軸をベルト駆動している。これにより、サプライポンプ4のカムシャフト、コンプレッサの駆動軸、およびオルタネータ12の駆動軸等が、エンジンEのクランクシャフトの回転と同期して回転駆動される。
エンジンEは、自動車等の車両に搭載された多気筒ディーゼルエンジン(直列4気筒エンジン)であって、複数の気筒を有するシリンダブロックと、このシリンダブロック上に設置されたシリンダヘッドと、シリンダブロックの下側に設置され、潤滑油が貯留されたオイルパンとを有している。
エンジンEの各気筒には、コンロッドを介して、クランクシャフト(エンジンEの出力軸)に連結されたピストンがその往復移動方向にそれぞれ嵌挿されている。
シリンダブロックには、エンジンEのクランクシャフトの回転角度に対応した電気信号をECU1に対して出力するNEセンサ13が設置されている。
シリンダヘッドには、第1、第2吸気弁または第1、第2排気弁を駆動するカムシャフトの回転角度に対応した電気信号をECU1に対して出力するGセンサ14が設置されている。
ECU1は、2つのNEセンサ13およびGセンサ14を使用して、エンジンEの各気筒の上死点(TDC)、エンジン回転数(NE)、クランク角度を検出する。また、燃料噴射を行う気筒を判別する。
シリンダヘッドには、1つの気筒に対して独立して接続する2つの第1、第2吸気ポートが設けられている。各第1、第2吸気ポートの燃焼室側端部には、第1、第2吸気ポート開口部をそれぞれ開閉する第1、第2吸気弁(インテークバルブ)が設置されている。 また、シリンダヘッドには、1つの気筒に対して独立して接続する2つの第1、第2排気ポートが設けられている。各第1、第2排気ポートの燃焼室側端部には、第1、第2排気ポート開口部をそれぞれ開閉する第1、第2排気弁(エキゾーストバルブ)が設置されている。
シリンダヘッドには、各第1、第2吸気ポートに対して独立して接続する2つの第1、第2吸気通路を有するインテークマニホールドが接続されている。このインテークマニホールドの分岐部には、吸気管15が接続されている。
また、シリンダヘッドには、各第1、第2排気ポートの合流部に対して独立して接続する1つの排気通路を有するエキゾーストマニホールドが接続されている。このエキゾーストマニホールドの集合部には、排気管16が接続されている。また、エンジンEは、排気管16内の排気通路から吸気管15内の吸気通路へ排気ガス(以下EGRガス)を還流させるEGRガス還流管(EGRパイプ)17を備えている。
吸気管15には、エアクリーナ(図示せず)、エアフローメータ(図示せず)、スロットルバルブ18およびサージタンク19等が設置されている。
スロットルバルブ18は、吸気絞り弁の弁体を構成している。このスロットルバルブ18は、モータ等のアクチュエータ20によって回転駆動される。このアクチュエータ20には、スロットルバルブ18の回転角度に相当するスロットル開度を検出するスロットル開度センサが内蔵されている。
スロットルバルブ18の開度は、ECU1によって電子制御される。これにより、エンジンEの各気筒に供給する吸気の流量(吸気量)が調整される。
吸気管15、特にエアフローメータとスロットルバルブ18との間には、第1ターボチャージャのコンプレッサ21および第2ターボチャージャのコンプレッサ22が設置されている。また、排気管16には、エキゾーストマニホールド、第1ターボチャージャのタービン23、第2ターボチャージャのタービン24が設置されている。
また、排気通路には、第1ターボチャージャのタービン23を迂回(バイパス)する第1バイパス流路、および第2ターボチャージャのタービン24を迂回(バイパス)する第2バイパス流路が接続されている。
第1ターボチャージャは、吸気管15の途中に設けられたコンプレッサ21および排気管16の途中に設けられたタービン23を備え、吸気管15を流れる吸気をコンプレッサ21で圧縮し、この圧縮された圧縮空気(吸気)をエンジンEの各気筒へ送り込む第1ターボ過給機である。この第1ターボチャージャは、タービン23が排気ガスにより回転駆動されると、タービン23に駆動連結されたコンプレッサ21も回転し、このコンプレッサ21が吸気を圧縮する。
第2ターボチャージャは、第1ターボチャージャと同様に、コンプレッサ22およびタービン24を備えた第2ターボ過給機である。この第2ターボチャージャは、第1ターボチャージャと同様に、タービン24が排気ガスにより回転駆動されると、タービン24に駆動連結されたコンプレッサ22も回転し、このコンプレッサ22が吸気管15を流れる吸気を圧縮する。
第1バイパス流路には、第1排気バイパス弁等の排気絞り弁の弁体を構成するレギュレートバルブ25が設置されている。このレギュレートバルブ25は、第1モータ等のアクチュエータ(図示せず)によって回転駆動される。
レギュレートバルブ25の開度は、ECU1によって電子制御される。これにより、エンジンEの各気筒に供給する吸気の過給圧が調整される。
第2バイパス流路には、第2排気バイパス弁等の排気絞り弁の弁体を構成するウェイストゲートバルブ26が設置されている。このウェイストゲートバルブ26は、第2モータ等のアクチュエータ(図示せず)によって回転駆動される。
ウェイストゲートバルブ26の開度は、ECU1によって電子制御される。これにより、エンジンEの各気筒に供給する吸気の過給圧が調整される。
また、第2ターボチャージャのタービン24よりも排気流方向の下流側の吸気管15には、排気ガスの有害成分を浄化する排気浄化装置が設置されている。この排気浄化装置は、酸化触媒コンバータ(以下DOC27)およびディーゼルパティキュレートフィルタ(以下DPF28)等で構成されている。なお、排気浄化装置、特にDPF28よりも排気流方向の下流側の排気管16には、サイレンサー29が設けられている。
DOC27は、白金または白金にパラジウムを加えたもの等を担持した酸化触媒を備え、排気ガス中のCOおよびHCが酸化されてCO2 およびH2 Oが生成する反応を促すものである。また、DPF28は、排気ガス中に含まれる排気微粒子(パティキュレート・マター:PM)を捕集するものである。
DPF28は、金属製フィルタであっても良く、酸化触媒が担持されていても、担持されていなくても良い。あるいは酸化触媒が担持されたDPFを用い、その上流にDOCを設置しないシステム構成とすることもできる。
また、DPF28よりも下流側の排気管16に、DPF28を通過した排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化するNOx吸蔵還元型の触媒(NOx触媒)が設置されていても良い。
また、DPF28よりも下流側の排気管16に、DPF28を通過した排気ガス中に含まれるCO、HC、NOx等を浄化する三元触媒が設置されていても良い。
ところで、DPF28がPMを補集することにより排気ガス中のPMは、大部分が除去されるが、PMは、そのままDPF28内で堆積すると圧力損失が増大し、排気抵抗が増大してエンジンEの性能が低下することから、適正な時期に燃焼させて、DPF28の再生処理を行う必要がある。
DPF28の再生処理は、差圧センサ35の検出値(圧力検出部33、34の差圧)が所定値以上の時にDPF28が目詰まり状態であると判断し、エンジンEの気筒内へのメイン噴射後に微少量の燃料を噴射するポスト噴射等を実施することにより排気温度を上昇させて、DPF28をPMが燃焼可能な温度まで昇温させることにより行われる。
DOC27よりも排気流方向の上流側の吸気管15には、DOC27に流入する直前の排気ガスの温度(排気温度)に対応した電気信号をECU1に対して出力する第1排気温度センサ31が設けられている。
また、DOC27よりも排気流方向の下流側の吸気管15には、DOC27より流出した直後の排気ガスの圧力(排気圧力)に対応した電気信号をECU1に対して出力する第2排気温度センサ32が設けられている。
DPF28よりも排気流方向の上流側の吸気管15には、DPF28に流入する直前の排気ガスの圧力(排気圧力)を検出する上流側の圧力検出部33が設けられている。
また、DPF28よりも排気流方向の下流側の吸気管15には、DPF28より流出した直後の排気ガスの圧力(排気圧力)を検出する下流側の圧力検出部34が設けられている。
圧力検出部33、34には、DPF28の上流側の排気圧力とDPF28の下流側の排気圧力との差圧(圧力差)に対応した電気信号をECU1に対して出力する差圧センサ35が接続されている。ECU1は、圧力検出部33、34の差圧が所定値以上の時にDPF28に目詰まりが発生していると判断する。
また、サイレンサー29よりも排気流方向の上流側の吸気管15には、排気ガスの空燃比に対応した電気信号をECU1に対して出力する空燃比(A/F)センサ36が設けられている。
ここで、エンジンEには、第1ターボチャージャのタービン23よりも排気流方向の上流側の排気管16と、吸気管15のサージタンク19またはインテークマニホールドとを接続するEGRパイプ17を備えたEGRシステム(排気循環装置)が搭載されている。このEGRパイプ17の内部には、EGRガスを排気通路から吸気通路へ再循環(還流)させるための排気ガス還流路(EGRクーラ流路41、クーラバイパス流路42)が形成されている。
EGRシステムは、エンジンEの各気筒から排出される排気ガスの一部をEGRガスとして吸気管15内の吸気通路へ再循環(還流)させ、吸気管15の最上流部のエアクリーナを通過した新気に混入させて燃焼温度を下げることによって排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)の発生量を抑制する排気浄化装置である。
EGRシステムは、排気通路の分岐部と吸気通路の合流部とを接続するEGRクーラ流路41の途中にEGRバルブ43を設置している。なお、EGRクーラ流路41とクーラバイパス流路42との分岐部よりも排気通路側の排気ガス還流路にEGRバルブ43を設置しても良い。また、EGRクーラ流路41とクーラバイパス流路42との合流部よりも吸気通路側の排気ガス還流路にEGRバルブ43を設置しても良い。
ECU1は、スロットルバルブ18の開度およびEGRバルブ43の開度を可変制御して、エンジンEの運転状況に対応した適切な量のEGRガスを新気と共にエンジンEの各気筒に導入することにより、エンジンEの各気筒に供給される全吸気量に対するEGRガスの流量(EGRガス還流量)の比であるEGR率を制御する。
EGRバルブ43は、排気絞り弁または吸気絞り弁の弁体を構成している。このEGRバルブ43は、モータ等のアクチュエータ(図示せず)によって回転駆動される。このアクチュエータには、EGRバルブ43の回転角度に相当するEGR(バルブ)開度に対応した電気信号をECU1に対して出力するEGR開度センサ44が内蔵されている。
また、EGRバルブ43よりも上流側のEGRクーラ流路41には、EGRガスを冷却するEGRクーラ45が設置されている。
EGRパイプ17には、EGRクーラ流路41、特にEGRクーラ45を迂回(バイパス)するクーラバイパス流路42が設けられている。このクーラバイパス流路42には、EGRクーラバイパスバルブ(バイパス切替バルブ)46が設置されている。
バイパス切替バルブ46は、排気制御弁または吸気制御弁の弁体(ポペットバルブ)を構成している。このバイパス切替バルブ46は、コイル、ステータ、アーマチャ等により構成されるソレノイドアクチュエータ47によって往復駆動される。このソレノイドアクチュエータ47には、バイパス切替バルブ46のリフト量に相当するバルブ開度に対応した電気信号をECU1に対して出力するリフトセンサ48が設けられている。
バイパス切替バルブ46の開度は、ECU1によって電子制御される。これにより、EGRクーラ45を通過するEGRガスの流量とEGRクーラ45をバイパスするEGRガスの流量とが最適値となるように調整される。
ここで、少なくともサプライポンプ4のSCVのソレノイドアクチュエータ、コモンレール5の減圧弁9のソレノイドアクチュエータ、複数のインジェクタ6の各ピエゾアクチュエータ、レギュレートバルブ25のアクチュエータ、ウェイストゲートバルブ26のアクチュエータ、EGRバルブ43のアクチュエータ、バイパス切替バルブ46のソレノイドアクチュエータ47は、ECU1によって通電制御されるポンプ駆動回路、減圧弁駆動回路およびインジェクタ駆動回路を介して、バッテリ11またはオルタネータ12に電気的に接続されている。
ECU1には、CPU、メモリ(ROM、RAMおよびEEPROM)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー回路、ポンプ駆動回路、減圧弁駆動回路およびインジェクタ駆動回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが内蔵されている。
CPUは、プログラムによって様々な数値演算処理、情報処理および制御等を行う。
ROMは、CPUによる様々な数値演算処理、情報処理および制御等に必要なプログラムが予め記憶されている。
RAMには、CPUによる様々な数値演算処理による中間情報が一時的に記録(記憶、格納)され、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)がOFFとなると記憶された情報は消える。
EEPROMには、CPUによる様々な数値演算処理、情報処理および制御等に必要な情報が記憶(格納)されている。具体的には、後述する噴射量指令値の算出に必要なTQ−Q特性データ(TQ−Q特性曲線)を所定の形式で表したデータテーブル(図2参照)等の初期データがEEPROMに予め記憶されている。なお、データテーブルに格納されるデータは、書き換えが可能なものである。
そして、コモンレール5に取り付けられたコモンレール圧力センサ7からのセンサ出力信号(圧力検出値)や、各種センサからのセンサ出力信号(電気信号)は、A/D変換回路でA/D変換された後に、マイクロコンピュータの入力部に入力されるように構成されている。
ここで、マイクロコンピュータの入力部には、コモンレール圧力センサ7および燃料温度センサ8だけでなく、NEセンサ13、Gセンサ14、第1、第2排気温度センサ31、32、差圧センサ35、A/Fセンサ36、EGR開度センサ44、リフトセンサ48、エアフローメータ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、過給圧センサ、冷却水温センサおよび酸素濃度センサ等が接続されている。
燃料温度センサ8は、サプライポンプ4内に吸入されるポンプ吸入側の燃料温度(燃温:THF)に対応した電気信号(センサ出力信号)をECU1に対して出力する燃温検出手段である。
NEセンサ13は、エンジンEのクランクシャフトの回転角度を電気信号に変換するピックアップコイルよりなり、例えば15°または30°CA(クランク角度)毎にNEパルス信号がECU1に対して出力される。
ECU1は、NEセンサ13より出力されたNEパルス信号の間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(エンジン回転数:NE)を検出するための回転速度検出手段としての機能を有している。
アクセル開度センサは、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度:ACCP)に対応した電気信号(センサ出力信号)をECU1に対して出力するエンジン負荷検出手段である。なお、スロットル開度センサを搭載している場合は、スロットル開度センサをエンジン負荷検出手段として使用しても良い。
冷却水温センサは、エンジン冷却水温(水温:THW)に対応した電気信号(センサ出力信号)をECU1に対して出力する水温検出手段である。
ここで、ECU1は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、先ず、エンジンEの運転状況(エンジン情報)または運転条件(状態)を算出するのに必要な各種センサ出力信号を取得(入力)し、エンジンEの運転状況または運転条件およびROMに格納されたプログラムに基づいて、少なくともサプライポンプ4のSCV、コモンレール5の減圧弁9、複数のインジェクタ6の各ピエゾアクチュエータ、スロットルバルブ18のアクチュエータ20、レギュレートバルブ25のアクチュエータ、ウェイストゲートバルブ26のアクチュエータ、EGRバルブ43のアクチュエータ、バイパス切替バルブ46のソレノイドアクチュエータ47を電子制御するように構成されている。
ECU1は、エンジンEの運転状況(例えばエアフローメータより出力されるセンサ出力信号(AFM信号)から測定された新気量、NEセンサ13のNEパルス信号から測定されたエンジン回転数(NE)、アクセル開度センサまたはスロットル開度センサのセンサ出力信号から測定されたエンジン負荷)に対応して制御目標値(目標EGR率)を算出(決定)し、EGR開度センサ44またはリフトセンサ48のセンサ出力信号から測定されたEGR率と目標EGR率との偏差がなくなるように、スロットルバルブ18の開度およびEGRバルブ43の開度またはバイパス切替バルブ46の開度をフィードバック制御するように構成されている。
ECU1は、エンジンEの運転状態(例えばエンジン回転数)に応じて、コモンレール圧力を調節するため、サプライポンプ4によるコモンレール5への燃料吐出量(ポンプ圧送量)を制御する。すなわち、ECU1は、エンジン情報に基づきコモンレール圧力の制御目標値(目標コモンレール圧力:PFIN)を算出する。
このとき、目標コモンレール圧力(PFIN)を達成するという目的で、コモンレール圧力センサ7によって検出されるコモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差に応じてサプライポンプ4のSCVに与える制御指令値としてのポンプ駆動信号(駆動電流値)を算出すると共に、この駆動電流値に対応したポンプ制御信号(ポンプ指令値)を合成して出力する。
ECU1は、エンジンEの運転状態(例えばエンジン回転数、アクセル開度等)に対応して指令噴射量(Q)を算出(設定)する。
そして、ECU1は、エンジンEの運転状態(例えばエンジン回転数等)と指令噴射量(Q)とに対応して指令噴射時期(TFIN)を算出(設定)すると共に、指令噴射量(Q)とコモンレール圧力センサ7によって検出されたコモンレール5内の燃料圧力(コモンレール圧力:PC)とに対応してインジェクタ駆動時間(噴射指令パルス長さ、噴射指令パルス時間、噴射指令パルス幅、指令噴射期間(TQ)を算出(設定)する。
そして、ECU1は、所定の噴射タイミングで、インジェクタ駆動回路を介して、各気筒のインジェクタ6のピエゾアクチュエータにパルス状のインジェクタ駆動信号(噴射指令パルス)を印加する。
ここで、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムにおいては、エンジンEの各気筒の1周期中、つまりクランクシャフトが2回転(720°CA)する間に、燃料を複数回に分けて噴射する分割噴射(マルチ噴射)を実施することができる。
例えばエンジンEの各気筒の1周期中に、各気筒のインジェクタ6のピエゾアクチュエータを複数回駆動して、メイン噴射の前に複数回のパイロット噴射を行う。また、メイン噴射の後に複数回のアフター噴射を行う。また、メイン噴射の前に1回以上のパイロット噴射を行い、メイン噴射の後に1回以上のアフター噴射を行う。
なお、メイン噴射の後に1回以上のポスト噴射を行うようにしても良い。
[実施例1の特徴]
ところで、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムは、各気筒のインジェクタ6のピエゾアクチュエータに指令される指令噴射量(演算値:Q)に対する各気筒のインジェクタ6の噴孔から各気筒内に燃料噴射される実噴射量のズレ量、つまり各気筒のインジェクタ6の個体差または各気筒のインジェクタ6の経時(劣化)変化を要因とする燃料噴射量のズレ量を、指令噴射量(Q)に対する噴射期間の学習値(演算値)として算出する噴射量学習装置を備えている。
なお、本実施例では、ECU1に噴射量学習装置の機能が含まれている。
噴射量学習装置(ECU1)は、指令噴射量(Q)を略均等に分割したパイロット噴射量(演算値:QPILOT)に対する燃料噴射量(実測値)のズレ量を学習補正する学習制御手段を備え、パイロット噴射量(QPILOT)に対する燃料噴射量のズレ量に対応して算出される学習補正量を、パイロット噴射量に対する噴射量指令値(パイロット噴射期間:TQPILOT)の算出に反映させるように構成されている。
噴射量学習装置(学習制御手段)は、同一の燃料噴射圧力(学習用目標コモンレール圧力:以下学習圧力)での噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)を可変とする噴射量可変手段を備えている。
噴射量学習装置(学習制御手段)は、同一の学習圧力での噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)を学習点として記憶する記憶部(EEPROM)を備えている。
また、噴射量学習装置(学習制御手段)は、噴射量学習時に算出された全ての学習補正量を、パイロット噴射量(QPILOT)に対する噴射量または噴射期間の学習値として記憶する記憶部(EEPROM)を備えている。
ここで、噴射量可変手段は、学習点を、複数の異なる各学習点に変更する学習点変更手段を有している。また、噴射量可変手段は、エンジンEの各気筒の1周期中に燃料を複数回に分けて噴射する分割噴射(多段噴射:以下マルチ噴射)におけるマルチ噴射回数を変更するマルチモード変更手段を有している。
また、噴射量学習装置(学習制御手段)は、パイロット噴射量を可変とするマルチモード状態で、エンジンEのアイドル回転速度が目標回転速度に釣り合うために必要な実噴射量(学習基準噴射量:学習点A〜学習点E)を予め計測しておき、それぞれ学習補正量(学習値A〜学習値E)を算出するように構成されている。そして、算出した各学習値をパイロット噴射量(QPILOT)に対する噴射量または噴射期間の学習値としてEEPROMに記憶する。
噴射量学習装置(学習制御手段)は、複数の異なる各学習点のうちの、次の学習点(例えば学習点Bまたは学習点Cまたは学習点Dまたは学習点E)の直前の学習点(例えば学習点Aまたは学習点Bまたは学習点Cまたは学習点D)での噴射量学習が完了したら、上記の次の学習点(例えば学習点Bまたは学習点Cまたは学習点Dまたは学習点E)での噴射量学習に切り替えるように構成されている。
また、噴射量学習装置(学習制御手段)は、複数の異なる各学習点のうちの特定の学習点(例えば学習点Aまたは学習点Bまたは学習点Cまたは学習点Dまたは学習点E)での噴射量学習が完了するまで、特定の学習点での噴射量学習を継続するように構成されている。
噴射量学習装置(学習制御手段)は、各気筒のインジェクタ6から噴射される燃料の噴射圧力(コモンレール圧力)を、複数の異なる各学習圧力に変更する学習圧力変更手段と、複数の異なる各学習圧力のうち同一の学習圧力に対して、学習点を、複数の異なる各学習点に変更する学習点変更手段とを備えている。
なお、学習圧力変更手段は、コモンレール圧力(学習圧力)を、P1(例えば35MPa)→P2(例えば65MPa)→P3(例えば95MPa)の順に昇圧させる。
そして、噴射量学習装置(学習制御手段)は、例えば工場出荷時に、複数の異なる各学習点毎に、エンジンEのアイドル回転速度が目標回転速度に釣り合うために必要な実噴射量を予め実験等により計測(実測)し、これを記憶部であるEEPROMに格納しておく。
これにより、EEPROMには、エンジンEの各気筒毎に、しかも複数の異なる各学習圧力毎に、同一の学習圧力での噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)と実噴射量(指令噴射期間)との対応関係を表す噴射期間−噴射量特性曲線(マスタTQ−Q特性曲線)を有するデータテーブル(図2参照)が記憶されることになる。
ここで、図2のデータテーブルは、エンジンEの特定気筒における所定(同一)の学習圧力(例えばP1〜P3のいずれか)のマスタTQ−Q特性曲線が設定されている。このマスタTQ−Q特性曲線上には、学習点A〜学習点Eが書き込まれている。
学習点Aは、マルチ噴射回数(N)を5回とした5段噴射時のパイロット噴射量(QPILOT)で、例えば1mm3 /stを表す。このときの指令噴射量(Q)は、マルチ噴射のトータル噴射量となるので、5mm3 /stとなる。
学習点Bは、マルチ噴射回数(N)を4回とした4段噴射時のパイロット噴射量(QPILOT)で、例えば1.5mm3 /stを表す。このときの指令噴射量(Q)は、マルチ噴射のトータル噴射量となるので、6mm3 /stとなる。
学習点Cは、マルチ噴射回数(N)を3回とした3段噴射時のパイロット噴射量(QPILOT)で、例えば2.3mm3 /stを表す。このときの指令噴射量(Q)は、マルチ噴射のトータル噴射量となるので、6.9mm3 /stとなる。
学習点Dは、マルチ噴射回数(N)を2回とした2段噴射時のパイロット噴射量(QPILOT)で、例えば4mm3 /stを表す。このときの指令噴射量(Q)は、マルチ噴射のトータル噴射量となるので、8mm3 /stとなる。
学習点Eは、マルチ噴射回数(N)を1回とした1段噴射(シングル噴射)時のパイロット噴射量(QPILOT)で、例えば10mm3 /stを表す。このときの指令噴射量(Q)は、マルチ噴射のトータル噴射量となるので、10mm3 /stとなる。
[実施例1の制御方法]
次に、本実施例の噴射量学習装置の制御方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。
ここで、図3は、ECUによる噴射量学習装置の制御方法を示したフローチャートである。この図3の制御ルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後に、予め設定されたサンプリング周期(例えば30°CA)毎に繰り返し実施される。
インジェクタ6の個体差やインジェクタ6の経年劣化(変化)を要因とする噴射性能の変化が、排気ガス規制や燃費規制を守るための課題になっている。
特に、NOxや燃焼騒音を低減するという目的で、エンジンEの燃焼トルクと成り得るメイン噴射の前に、微少量のパイロット噴射を実施する場合、各気筒のインジェクタ6に指令するパイロット噴射量(QPILOT)と、インジェクタ6からエンジンEの各気筒内に噴射される燃料噴射量(実測値)との間にズレが生じていると、パイロット噴射の効果を十分に発揮することができない。
そこで、噴射量学習装置の機能を含んで構成されるECU1は、エンジンEのアイドル運転時、つまりエンジンEの回転速度(エンジン回転数:NE)がアイドリング回転速度(アイドルスピード)の時に、図3の制御ルーチンに進入し、パイロット噴射量(QPILOT)に対する燃料噴射量のズレ量を学習補正するパイロット噴射量学習を実施する。
先ず、ECU1は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後に、予め設定されたサンプリング周期毎に、アイドル安定状態で、且つ各種環境条件等の学習条件を判定するのに必要な各種センサ出力信号や各種スイッチ信号を取得する(センサ信号取得手段)。
具体的には、コモンレール圧力センサ7、燃料温度センサ8、NEセンサ13、Gセンサ14、第1、第2排気温度センサ31、32、差圧センサ35、A/Fセンサ36、EGR開度センサ44、リフトセンサ48、エアフローメータ、アクセル開度センサ、過給圧センサ、冷却水温センサおよび酸素濃度センサ等の各種センサから出力されたセンサ出力信号(検出値)が取得される。また、エアコンスイッチ、ヘッドライトスイッチ、ハザードランプスイッチ、オーディオスイッチ等の各種スイッチからの電気負荷のON/OFF信号や、エアコンのブロワ風量切替スイッチ等の各種レベルスイッチからの電気負荷のレベル信号が取得される。
また、サンプリング周期毎に、指令噴射量(Q)、メイン噴射の指令噴射時期(TFIN)、指令噴射期間(TQ)、パイロット噴射量(QPILOT)、パイロット噴射期間(TQPILOT)、パイロットインターバル(無噴射間隔:INTPILOT)、マルチ噴射回数等を算出するのに必要な各種センサ出力信号を取得する(センサ信号取得手段)。
具体的には、コモンレール圧力センサ7、燃料温度センサ8、NEセンサ13、Gセンサ14、アクセル開度センサ等の各種センサから出力されたセンサ出力信号(検出値)が取得される。
ECU1は、NEセンサ13より出力されたNEパルス信号の間隔時間を計測することによって検出(測定)されたエンジン回転数(NE)と、アクセル開度センサによって検出されたアクセル開度(ACCP)とに対応して基本噴射量を算出(設定)する(基本噴射量演算手段)。
なお、基本噴射量については、アクセル開度センサによって検出されたアクセル開度(ACCP)のみによって目標エンジントルクを算出し、この目標エンジントルクから基本噴射量(Q)を算出(設定)するようにしても良い。
そして、ECU1は、この基本噴射量に、冷却水温センサによって検出された水温(THW)や燃料温度センサ8によって検出された燃温(THF)等を考慮した補正量を加味して指令噴射量(Q)を算出(設定)する(指令噴射量演算手段)。
そして、ECU1は、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(Q)とに対応して指令噴射時期(TFIN)を算出(設定)すると共に、指令噴射量(Q)とコモンレール圧力センサ7によって検出されたコモンレール5内の燃料圧力(コモンレール圧力:PC)とに対応してインジェクタ駆動時間(噴射指令パルス長さ、噴射指令パルス時間、噴射指令パルス幅、指令噴射期間(TQ)を算出(設定)する(指令噴射期間演算手段)。
そして、ECU1は、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(Q)とに対応してパイロット噴射量(QPILOT)、パイロット噴射期間(TQPILOT)、パイロットインターバル(無噴射間隔:INTPILOT)、マルチ噴射回数等を算出する。
ここで、パイロット噴射量学習は、例えばエンジンの運転状態(運転状況)が安定したアイドル運転時、つまりアイドル安定状態を検出し、且つ温度条件等の各種環境条件が成立した時に実施するとが望ましい。
そこで、ECU1は、上記のように取得した各種センサ出力信号および各種スイッチ信号に基づいて、学習条件(アイドル安定状態および環境条件)を判定し、エンジンの運転状態が学習条件が全て成立した場合に、以下の手順でパイロット噴射量学習を実施する。
アイドル安定判定は、下記の条件1及び2等により実施される。
条件1…エンジン回転数(NE)が安定状態。
例えば自動車等の車両走行速度(車速)が所定値(例えば0km/h)以下。また、エンジン回転数(NE)と目標アイドル回転数との偏差が所定値以下。また、エンジン回転数(NE)が所定範囲内。また、アクセル開度(ACCP)が所定値以下。
条件2…コモンレール圧力(PC)が安定状態。
例えばコモンレール圧力(PC)が所定範囲内。また、コモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差が所定値以下。
上記の条件1及び2が全て成立した時点で、エンジンEの運転状態(運転状況)がアイドル安定状態に入っていると判定し、次の環境条件判定に移る。
環境条件判定は、下記の条件1〜4等により実施される。
条件1…水温(THW)が所定範囲内。
条件2…燃温(THF)が所定範囲内。
条件3…吸気温度が所定範囲内。
条件4…大気圧が所定値以上。
上記の条件1〜4が全て成立した時点で、温度条件等の各種環境条件が成立していると判定する。
したがって、エンジンEのアイドル運転時に、パイロット噴射量学習の学習条件(アイドル安定状態および環境条件)を判定する(ステップS1)。そして、エンジンEの運転状態(運転状況)がアイドル安定状態で、且つ温度条件等の各種環境条件が成立していると判定した場合に、図3のステップS2以下のパイロット噴射量学習に進入する。
ここで、エンジンの運転状態がアイドル安定状態で、且つ各種環境条件が成立し、図3のステップS2以下の制御ルーチンが起動するタイミングになると、先ず、燃料の噴射圧力である学習圧力をセットする(ステップS2)。このとき、コモンレール圧力センサ7によって検出されるコモンレール圧力(PC)が学習圧力(目標コモンレール圧力:PFIN)に一致するように、サプライポンプ4のSCVの開度が調整される。
具体的には、学習圧力を先ずP1(例えば35MPa)にセットする。
ここで、本実施例では、学習圧力をP2(例えば65MPa)、P3(例えば95MPa)に順にセットする。なお、学習圧力は、任意に設定可能であり、更に学習圧力も3種類だけでなく、5種類、7種類、10種類等任意に設定可能である。
次に、図4に示したように、目標アイドル回転数との釣り合いに必要なアイドル必要噴射量、つまりアイドル運転時の指令噴射量(Q)を均等分割し、微少量の分割噴射(5分割→4分割→3分割→2分割→1分割)を実施する(ステップS3)。
先ず、マルチ噴射が5段噴射の場合、マルチ噴射回数をN(=5)回にセットする。
また、5段噴射の噴射タイミング(TFIN)の基準位置をTDC近傍にセットする。 また、5段噴射時のパイロット噴射量(QPILOT)を学習点AとしてEEPROM(記憶部)に格納されているマスタTQ−QマップのマスタTQ−Q特性曲線に書き込む。
また、パイロット噴射量学習制御の実行時のマルチ噴射における各インターバルを固定する。なお、本実施例では、QP4がメイン噴射に相当する。
次に、分割噴射を実施しながら、エンジンEの各気筒毎のパイロット噴射量(QPILOT)に対する第1噴射期間補正量(FCCB補正量:QFCCB)を学習する第1学習制御(気筒間回転変動補正:FCCB補正)を実施する(第1学習制御手段)。
FCCB補正とは、エンジンEの各気筒間の回転数変動量差に応じて、エンジンEの各気筒の燃料噴射量を増減する第1学習制御のことである。
これは、エンジンEの全気筒の回転速度変動を平均化して、全気筒の回転速度変動の平均値を算出した後に、各気筒の回転速度変動の検出値と全気筒の回転速度変動の平均値から気筒間の回転速度変動の偏差を算出する。そして、気筒間の回転速度変動が平滑化するように、パイロット噴射量(各学習点)に、エンジンEの各気筒間の回転速度変動を平滑化する方向への第1噴射量補正量(FCCB補正量:TQFCCB)または第1噴射期間補正量をそれぞれ付加する。このとき、各気筒毎の各噴射のFCCB補正量は、パイロット噴射量(QPILOT)にそれぞれQFCCB/Nずつ反映させる。
そして、各気筒のインジェクタ6毎に、FCCB補正により補正されたパイロット噴射量(QPILOT)またはパイロット噴射期間(TQPILOT)に対応した噴射量指令値を与えて、各気筒のインジェクタ6から各気筒内に燃料を噴射することで、気筒間の回転速度変動の偏差を所定の範囲内に収束させる。つまり、FCCB補正は、エンジンEの各気筒間の回転速度変動が収束するまで継続して実行される。
なお、所定時間が経過してもエンジンEの各気筒間の回転速度変動が収束しない場合には、パイロット噴射量の学習を中断または中止しても良い。
次に、分割噴射を実施しながら、エンジンEの各気筒毎のパイロット噴射量(QPILOT)に対する第2噴射期間補正量(ISC補正量:QISC)を学習する第2学習制御(平均回転数補正:ISC補正)を実施する(ステップS4:第2学習制御手段)。
ISC補正とは、エンジンEの各気筒の平均エンジン回転速度を目標回転速度(目標アイドル回転数)に合わせるために第2学習制御のことである。
これは、エンジンEの各気筒の平均エンジン回転速度と目標回転速度(アイドルスピード)とを比較し、その回転速度差に対応した第2噴射量補正量(ISC補正量:QISC)または第2噴射期間補正量を算出する。
そして、平均エンジン回転速度が目標回転速度に略一致するように、各気筒毎の噴射のFCCB補正量(QFCCB/N)に、平均エンジン回転速度を目標回転速度に合わせるのに必要な第2噴射量補正量(ISC補正量:QISC)または第2噴射期間補正量を全気筒一律に付加する。このとき、ISC補正量は、パイロット噴射期間(TQPILOT)またはパイロット噴射量(QPILOT)とエンジンEの各気筒毎のFCCB補正量(QFCCB/N)とを加算した値にQISC/Nを全気筒一律に反映させる。
そして、各気筒のインジェクタ6毎に、FCCB補正およびISC補正により補正されたパイロット噴射量(QPILOT)またはパイロット噴射期間(TQPILOT)に対応した噴射量指令値を与えて、各気筒のインジェクタ6から各気筒内に燃料を噴射することで、平均エンジン回転速度と目標回転速度との回転速度差を所定の範囲内に収束させる。つまり、ISC補正は、ISC補正量(QISC)が安定するまで、つまり平均エンジン回転数が目標回転数に略一致(収束)するまで継続して実行される。
なお、所定時間が経過しても平均エンジン回転速度と目標回転速度との回転速度差が収束しない場合には、パイロット噴射量の学習を中断または中止しても良い。
次に、ISC補正量およびFCCB補正量から現在の学習圧力(同一の学習圧力)での、エンジンEの各気筒毎に、パイロット噴射期間(TQPILOT)の学習値を算出する(学習値算出手段:ステップS5)。
学習値A=パイロット噴射期間(TQPILOT)またはパイロット噴射量(QPILOT)
+FCCB補正量(QFCCB/N)+ISC補正量(QISC/N)
そして、EEPROMに格納された、マスタTQ−Q特性曲線を有するデータテーブル(図2参照)に学習値Aが書き込まれる。この学習値Aは、学習点Aの5段噴射時の学習補正量である。
次の学習値Bの算出では、データテーブル(図2参照)に学習値Bが書き込まれる。この学習値Bは、学習点Bの4段噴射時の学習補正量である。
次の学習値Cの算出では、データテーブル(図2参照)に学習値Cが書き込まれる。この学習値Cは、学習点Cの3段噴射時の学習補正量である。
次の学習値Dの算出では、データテーブル(図2参照)に学習値Dが書き込まれる。この学習値Dは、学習点Dの2段噴射時の学習補正量である。
次の学習値Eの算出では、データテーブル(図2参照)に学習値Eが書き込まれる。この学習値Eは、学習点Eの1段噴射時の学習補正量である。
なお、エンジンEの各気筒毎の学習値A〜Dは、分割噴射における1噴射当たりの微小噴射量(=パイロット噴射量:QPILOT)に対する噴射量補正量ではなく、マルチ噴射における1噴射当たりのパイロット噴射の各噴射量指令値(=パイロット噴射期間:TQPILOT)に対する噴射期間補正量(=TQパルス時間補正量)として算出される。
また、学習補正量(学習値)の算出方法の他の例として、図5に示したように、分割設定した噴射量指令値とアイドル回転数と目標回転数とを釣り合わせるのに必要な実噴射量(基準噴射量)との差を検出し、学習補正量(学習値)を算出しても良い。
学習補正量(学習値)=噴射量指令値と基準噴射量との差分
次に、同一の学習圧力における全学習点の学習が完了しているか否かを判定する(ステップS6)。この判定結果がNOの場合には、パイロット噴射の学習点を変更する(ステップS7)。その後に、ステップS3の処理に進む。
パイロット噴射の学習点を変更するとは、エンジンの燃焼状態(マルチモードまたは燃焼モードまたは燃焼形態)、あるいはエンジン負荷(アイドルアップまたは電気負荷)を切り替えることである。
本実施例では、エンジンEの気筒の1周期中に燃料を複数回に分けて噴射するマルチ噴射(マルチモード)におけるマルチ噴射回数を5回、4回、3回、2回、1回の順に切り替える。これにより、ステップS5において、同一の学習圧力(学習コモンレール圧力)毎に、パイロット噴射量(QPILOT)が5段階に変更されることで、パイロット学習を実施する学習点が複数化(多数化)される。
ここで、図2のデータテーブル(所定の学習圧力におけるTQ−Q特性図)には、マルチ噴射回数に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更した場合の、基準TQ−Q特性曲線および噴射量学習後TQ−Q特性曲線が示されている。
そして、図2中の学習値Aは、マルチ噴射回数(N)が5回の場合のパイロット噴射量(学習点A)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図2中の学習値Bは、マルチ噴射回数(N)が4回のパイロット噴射量(学習点B=学習点Aに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図2中の学習値Cは、マルチ噴射回数(N)が3回の場合のパイロット噴射量(学習点C=学習点Bに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図2中の学習値Dは、マルチ噴射回数(N)が2回の場合のパイロット噴射量(学習点D=学習点Cに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図2中の学習値Eは、マルチ噴射回数(N)が1回の場合のパイロット噴射量(学習点E=学習点Dに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、ステップS6の判定結果がYESの場合、つまり同一の学習圧力における全学習点の学習が完了している場合には、全学習圧力(P1、P2、P3)での学習値の算出が完了しているか否かを判定する。例えば学習圧力P2(またはP3)での学習値の算出が完了しているか否かを判定する(ステップS8)。この判定結果がNOの場合、つまり全学習圧力(P1、P2、P3)での学習値の算出が完了していない場合には、設定された次の学習圧力(例えばP1→P2、P2→P3)に変更(昇圧)する(ステップS9)。その後に、ステップS2の処理へ進む。
これにより、通常のアイドル安定状態の時の低噴射圧力に相当する学習圧力P1から、通常のアイドル安定状態とは異なる高噴射圧力に相当する学習圧力P3まで、学習圧力が変更されることになる。したがって、現在の学習圧力から次の学習圧力(例えばP1→P2、P2→P3)に学習圧力を変更(昇圧)して、ステップS2以下のパイロット噴射量学習を実行して、ISC補正量およびFCCB補正量から次の学習圧力でのエンジンEの各気筒毎に、パイロット噴射量またはパイロット噴射期間の学習値B(または学習値Cまたは学習値Dまたは学習値E)を算出する。
また、ステップS8の判定結果がYESの場合、つまり予め設定された全学習圧力毎の学習値の算出が完了していることが確認できた場合には、エンジンEの各気筒毎の各学習値を、微少噴射量TQ指令値に反映させる(学習値反映手段:ステップS10)。その後、パイロット噴射量学習制御を終了し、図3の制御ルーチンを抜ける。
具体的には、エンジンEの気筒毎の同一学習圧力での複数の学習値をデータテーブルに書き込み、隣接する2点間を線形補間または直線補間もしくは多項式近似した噴射期間−噴射量特性曲線を用いて算出した学習後TQ−Q特性曲線(図2参照)をデータテーブルに書き込む。
以上のパイロット噴射量学習制御が終了したら、通常運転に戻る。そして、格納された同一の学習圧力でパイロット噴射量(QPILOT)が可変とされた各学習値を噴射期間補正量または噴射量補正量として、噴射量指令値(微少噴射量TQ指令値)に反映させることができる。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムを含むディーゼルエンジン制御システムにおいては、同一の学習圧力(学習コモンレール圧力)でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(学習点)を可変とする噴射量学習装置(ECU1)を備えている。
また、噴射量学習装置は、パイロット噴射量を可変とするマルチモード状態で、且つ複数の学習圧力毎に、エンジンEのアイドル回転速度が目標回転速度に釣り合うために必要な学習基準噴射量(学習点A〜学習点E)を予め計測しておく。なお、初期噴射量データは、全気筒一律の学習基準噴射量(=パイロット噴射量)となる。
また、噴射量学習装置は、複数の学習圧力毎に、学習点A〜学習点Eに対応した学習補正量(学習値A〜学習値E)をそれぞれ算出し、算出した各学習値をパイロット噴射量(QPILOT)に対する噴射量または噴射期間の学習値としてEEPROMに記憶するように構成されている。
また、噴射量学習装置は、同一の学習圧力(学習コモンレール圧力)でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(学習点)を可変とする。つまり同一の学習圧力でのパイロット噴射量(学習点)をマルチ噴射回数を変更することで、複数化(多段化、本実施例では5段化)することができる。これにより、予め実験等により実測して作成した劣化INJTQ−Q特性曲線に噴射量学習後TQ−Q特性曲線を近づけることができる(図2参照)。したがって、噴射量学習後TQ−Q特性曲線の学習精度を従来の噴射量学習装置と比べて向上することができる。
エンジンEの各気筒毎に、同一の学習圧力で多数の学習点に対する各学習値を算出することができるので、EEPROMに記憶されている同一の学習圧力のデータテーブルに複数の学習値を書き込むことで、複数の学習値の傾き方向の学習が可能となる(図2の噴射量学習後TQ−Q特性曲線参照)。これにより、学習点以外のポイント(パイロット噴射)でも精度良く学習補正することができる。
なお、パイロット噴射量学習制御で使用した学習圧力以外、パイロット噴射量(QPILOT)以外の点に対する噴射量補正量についても、隣接する2点間を線形補間または直線補間もしくは多項式近似した噴射期間−噴射量特性曲線を用いて算出して補正することができる。
また、噴射量学習後TQ−Q特性曲線は、次回の噴射量学習時において基準TQ−Q特性曲線として使用しても構わない。また、噴射量学習後TQ−Q特性曲線を噴射量学習を実施する毎に更新してEEPROMに記憶するようにしても良い。
[実施例2の構成]
図6は、本発明の噴射量学習装置を適用したデータテーブル(実施例2)を示したものである。
ここで、実施例1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
ここで、例えばエアコンのコンプレッサやブロワ、あるいはヘッドライト、フォグランプまたはハザードランプ等の電気負荷をONする場合には、エンジンEのクランクシャフトにより回転駆動されるオルタネータ12の駆動負荷が増加するため、エンジンEの駆動負荷が増加し、電気負荷をOFFしている時と同じ燃焼トルクを発生させるためには、電気負荷をOFFしている時よりも指令噴射量(Q)を例えば5mm3 /stから10mm3 /stとなるように増量補正することで、アイドル回転速度(アイドルスピード)を所定の目標アイドル回転速度に上げる(アイドルアップする)必要がある。
そこで、パイロット噴射量学習時に、電気負荷がON/OFFされている場合、または電気負荷がON/OFFされた場合には、指令噴射量(Q)を略均等に分割したパイロット噴射量(QPILOT)を電気負荷の増減、つまりエンジンEの駆動負荷の増減に対応して変更することが望ましい。
このため、本実施例の噴射量学習装置の噴射量可変手段は、エンジンEの負荷(アイドルアップまたは電気負荷のON/OFF)を変更することで、同一の学習圧力でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)を可変とする負荷変更手段を有している。
この場合、実施例1のように、図3のステップS7においてマルチ噴射回数を変更しながらエンジンEの駆動負荷の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したり、あるいはマルチ噴射回数をN回(任意、例えば5回または4回または3回または2回)にセット(固定)して、エンジンEの駆動負荷の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したりしても構わない。
また、噴射量学習装置の噴射量可変手段は、パイロット噴射量を可変とする各エンジン負荷モード状態で、且つ複数の学習圧力毎に、エンジンEのアイドル回転速度が目標回転速度に釣り合うために必要な学習基準噴射量(学習点A〜学習点E)を予め計測しておき、複数の学習圧力毎に、学習点A〜学習点Eに対応した学習補正量(学習値A〜学習値E)をそれぞれ算出し、算出した各学習値をパイロット噴射量(QPILOT)に対する噴射量または噴射期間の学習値としてEEPROMに記憶するように構成されている。
ここで、図6のデータテーブル(所定の学習圧力におけるTQ−Q特性図)には、エンジンEの駆動負荷の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更した場合の、基準TQ−Q特性曲線および噴射量学習後TQ−Q特性曲線が示されている。 そして、図6中の学習値Aは、全ての電気負荷がOFFの状態のパイロット噴射量(学習点A)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図6中の学習値Bは、1つの電気負荷がONされた場合のパイロット噴射量(学習点B=学習点Aに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図6中の学習値Cは、2つの電気負荷がONされた場合のパイロット噴射量(学習点C=学習点Bに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図6中の学習値Dは、3つの電気負荷がONされた場合のパイロット噴射量(学習点D=学習点Cに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図6中の学習値Eは、4つの電気負荷がONされた場合のパイロット噴射量(学習点E=学習点Dに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
したがって、本実施例の噴射量学習装置においては、実施例1の図2の各学習点A〜Eの書き込み点を電気負荷をOFFしている時の学習点とした場合よりも、更に同一の学習圧力での学習点を増やすことができる。
以上のように、本実施例の噴射量学習装置においては、実施例1と同様な効果を奏する。
[実施例3の構成]
図7は、本発明の噴射量学習装置を適用したデータテーブル(実施例3)を示したものである。
ここで、実施例1及び2と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
ところで、EGRバルブ43またはバイパス切替バルブ46の開度を広げると、エンジンEの気筒の燃焼状態が悪化する傾向にあるため、EGRバルブ43またはバイパス切替バルブ46を閉じている時と同じ燃焼トルクを発生させるためには、指令噴射量(Q)を増量補正する必要がある。
そこで、図7の各学習点A〜Eの書き込み点をEGRバルブ43またはバイパス切替バルブ46を全閉状態の時の学習点とした場合、EGRバルブ43またはバイパス切替バルブ46を開いた時の各学習点A〜Eに対するパイロット噴射量の学習を実施することにより、実施例1よりも更に同一の学習圧力での学習点を増やすことができる。
なお、パイロット噴射量学習時における、エンジンEの気筒に供給される全吸気量に対するEGR率に基づいて、パイロット噴射量の増量分を変更しても良い。
また、本実施例の噴射量学習装置の噴射量可変手段は、エンジンEの全気筒に供給される吸気の全流量(全吸気量)に対する排気再循環率(EGR率)を変更することで、同一の学習圧力でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)を可変とする燃焼モード変更手段を有している。また、エンジンEの全気筒に供給される吸気の流量(吸気量)を変更することで、同一の学習圧力でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)を可変とする燃焼モード変更手段を有している。
この場合、実施例1のように、図3のステップS7においてマルチ噴射回数を変更しながらEGR率の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したり、あるいはマルチ噴射回数をN回(任意、例えば5回または4回または3回または2回)にセット(固定)して、EGR率の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したりしても構わない。
また、噴射量学習装置の噴射量可変手段は、パイロット噴射量を可変とする各エンジン燃焼モード状態で、且つ複数の学習圧力毎に、エンジンEのアイドル回転速度が目標回転速度に釣り合うために必要な学習基準噴射量(学習点A〜学習点E)を予め計測しておき、複数の学習圧力毎に、学習点A〜学習点Eに対応した学習補正量(学習値A〜学習値E)をそれぞれ算出し、算出した各学習値をパイロット噴射量(QPILOT)に対する噴射量または噴射期間の学習値としてEEPROMに記憶するように構成されている。
ここで、図7のデータテーブル(所定の学習圧力におけるTQ−Q特性図)には、EGR率の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更した場合の、基準TQ−Q特性曲線および噴射量学習後TQ−Q特性曲線が示されている。
そして、図7中の学習値Aは、スロットルバルブ18が全開状態、EGRバルブ43またはバイパス切替バルブ46が全閉状態の時、つまりEGR率が0%の状態のパイロット噴射量(学習点A)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図7中の学習値Bは、EGR率が10%の状態のパイロット噴射量(学習点B=学習点Aに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図7中の学習値Cは、EGR率が20%の状態のパイロット噴射量(学習点C=学習点Bに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図7中の学習値Dは、EGR率が30%の状態のパイロット噴射量(学習点D=学習点Cに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図7中の学習値Eは、EGR率が40%の状態のパイロット噴射量(学習点E=学習点Dに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
なお、スロットルバルブ18の開度を大きくした場合には、エンジンEの気筒の燃焼状態が良くなるので、スロットルバルブ18が閉じている時と同じ燃焼トルクを発生させる場合には、指令噴射量(Q)を減量補正する必要がある。
以上のように、本実施例の噴射量学習装置においては、実施例1及び2と同様な効果を奏する。
[実施例4の構成]
図8は、本発明の噴射量学習装置を適用したデータテーブル(実施例4)を示したものである。
ここで、実施例1〜3と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例の噴射量学習装置の噴射量可変手段は、エンジンEの全気筒に供給される吸気の吸気圧(過給圧)を変更することで、同一の学習圧力でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)を可変とする燃焼モード変更手段を有している。
この場合、実施例1のように、図3のステップS7においてマルチ噴射回数を変更しながら過給圧の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したり、あるいはマルチ噴射回数をN回(任意、例えば5回または4回または3回または2回)にセット(固定)して、過給圧の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したりしても構わない。
また、噴射量学習装置の噴射量可変手段は、パイロット噴射量を可変とする各エンジン燃焼モード状態で、且つ複数の学習圧力毎に、エンジンEのアイドル回転速度が目標回転速度に釣り合うために必要な学習基準噴射量(学習点A〜学習点E)を予め計測しておき、複数の学習圧力毎に、学習点A〜学習点Eに対応した学習補正量(学習値A〜学習値E)をそれぞれ算出し、算出した各学習値をパイロット噴射量(QPILOT)に対する噴射量または噴射期間の学習値としてEEPROMに記憶するように構成されている。
ここで、図8のデータテーブル(所定の学習圧力におけるTQ−Q特性図)には、EGR率の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更した場合の、基準TQ−Q特性曲線および噴射量学習後TQ−Q特性曲線が示されている。
そして、図8中の学習値Aは、レギュレートバルブ25およびウェイストゲートバルブ26が全閉状態の時、つまり過給圧が1番大きい時のパイロット噴射量(学習点A)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図8中の学習値Bは、レギュレートバルブ25またはウェイストゲートバルブ26の一方が部分的に若干開かれた状態、つまり過給圧が2番目に大きい時のパイロット噴射量(学習点B=学習点Aに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図8中の学習値Cは、レギュレートバルブ25またはウェイストゲートバルブ26の一方が半分程度開かれた状態、つまり過給圧が3番目に大きい時のパイロット噴射量(学習点C=学習点Bに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図8中の学習値Dは、レギュレートバルブ25およびウェイストゲートバルブ26が半分程度開かれた状態、つまり過給圧が2番目に小さい時のパイロット噴射量(学習点D=学習点Cに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図8中の学習値Eは、レギュレートバルブ25およびウェイストゲートバルブ26が全開状態、つまり過給圧が1番小さい時のパイロット噴射量(学習点E=学習点Dに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
以上のように、本実施例の噴射量学習装置においては、実施例1〜3と同様な効果を奏する。
[変形例]
本実施例では、本発明の噴射量学習装置を、コモンレール式燃料噴射システムを含むエンジン制御システムに適用した例を示したが、本発明の噴射量学習装置を、コモンレールを備えない燃料噴射装置や燃料供給システムを含むエンジン制御システムに適用しても良い。
また、本発明の噴射量学習装置を、多気筒ディーゼルエンジン制御システムに限定されず、多気筒ガソリンエンジン制御システムに適用しても良い。
また、本発明の噴射量学習装置を、過給機、EGRシステム、EGRクーラまたはEGRクーラバイパスを備えないエンジン制御システムに適用しても良い。
また、噴射量可変手段として、内燃機関の気筒に燃料を噴射しながら燃料を燃焼させる均質燃焼モードと、燃料を着火する前に内燃機関の気筒内で燃料を混合させる予混合燃焼モードとを切り替える燃焼形態切替手段を設けても良い。なお、予混合燃焼モードよりも均質燃焼モードの方が、指令噴射量が増量される。
また、噴射量可変手段として、EGRガス濃度の濃い(大きい)吸気を内燃機関の気筒に導入するEGRガスリッチ燃焼モードと、EGRガス濃度の薄い(小さい)吸気または新気のみを内燃機関の各気筒に導入するEGRガスリーン燃焼モードとを切り替える燃焼形態切替手段を設けても良い。なお、EGRガスリーン燃焼モードよりもEGRガスリッチ燃焼モードの方が、指令噴射量が増量される。
また、噴射量可変手段として、内燃機関の各気筒における燃焼トルクを変更する燃焼トルク変更手段を設けても良い。
また、パイロット噴射量学習は、エンジンの運転時に、アイドル安定状態に入ったら常時実施しても良いし、また、定期的(1日の初回運転時のみ、1年に1回、定期点検時、車検時)に実施しても良い。また、自動車等の車両の走行距離が所定の走行距離に達する毎(例えば500〜5000km毎)に実施しても良いし、また、ドライバー等の操作者の任意の設定時(例えば専用のスイッチの投入時、または既存のスイッチの長押し時、または複数のスイッチの同時押し時)に実施しても良い。
本実施例では、本発明を、パイロット噴射量に対する燃料噴射量のズレ量を学習補正する噴射量学習に適用しているが、本発明を、シングル噴射量、メイン噴射量、アフター噴射量、ポスト噴射量に対する燃料噴射量のズレ量を学習補正する噴射量学習に適用しても良い。
また、実施例1〜4を、少なくとも2つ以上任意に組み合わせて噴射量学習を実施しても構わない。
E エンジン(内燃機関)
1 ECU(エンジン制御装置、噴射量学習装置)
2 燃料タンク
4 サプライポンプ
5 コモンレール
6 インジェクタ(燃料噴射弁)
7 コモンレール圧力センサ(燃料圧力センサ)
8 燃料温度センサ
13 NEセンサ
14 Gセンサ

Claims (16)

  1. (a)内燃機関(E)の気筒毎に燃料噴射を行う燃料噴射弁(6)に対する指令噴射量(Q)を算出する噴射量演算手段(1)と、
    (b)前記指令噴射量(Q)に対する前記燃料噴射弁(6)から各気筒に噴射される燃料噴射量のズレ量を学習補正する学習制御手段(1)と
    を備え、
    前記指令噴射量(Q)に対する前記燃料噴射量のズレ量に対応して算出される学習補正量を、前記指令噴射量(Q)に対する噴射量指令値(TQ)の算出に反映させる噴射量学習装置において、
    前記学習制御手段(1)は、同一の学習圧力での噴射量学習時における前記指令噴射量(Q)を可変とする噴射量可変手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  2. 請求項1に記載の噴射量学習装置において、
    前記学習制御手段(1)は、前記指令噴射量(Q)を可変とする各モード状態で、前記内燃機関(E)のアイドル回転速度が前記目標回転速度に釣り合うために必要な実噴射量(学習基準噴射量)を予め計測しておき、それぞれ学習値を算出することを特徴とする噴射量学習装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の噴射量学習装置において、
    前記学習制御手段(1)は、前記同一の学習圧力での噴射量学習時における前記指令噴射量(Q)を学習点として記憶する記憶部を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  4. 請求項3に記載の噴射量学習装置において、
    前記噴射量可変手段(1)は、前記学習点を、複数の異なる各学習点に変更する学習点変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  5. 請求項4に記載の噴射量学習装置において、
    前記学習制御手段(1)は、前記複数の異なる各学習点のうちの前の学習点での噴射量学習が完了したら、前記複数の異なる各学習点のうちの次の学習点での噴射量学習に切り替えることを特徴とする噴射量学習装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の噴射量学習装置において、
    前記学習制御手段(1)は、前記複数の異なる各学習点のうちの特定の学習点での噴射量学習が完了するまで、前記特定の学習点での噴射量学習を継続することを特徴とする噴射量学習装置。
  7. 請求項3ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記学習制御手段(1)は、前記燃料噴射弁から各気筒に噴射される燃料の噴射圧力(PC)を、複数の異なる各学習圧力に変更する学習圧力変更手段(1)、および前記複数の異なる各学習圧力のうち同一の学習圧力に対して、前記学習点を、複数の異なる各学習点に変更する学習点変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記噴射量可変手段(1)は、前記内燃機関(E)の気筒の1周期中に燃料を複数回に分けて噴射するマルチ噴射におけるマルチ噴射回数を変更するマルチモード変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記噴射量可変手段(1)は、前記内燃機関(E)の負荷を変更する負荷変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記噴射量可変手段(1)は、前記内燃機関(E)の全気筒に供給される吸気の流量(吸気量)、前記内燃機関(E)の全気筒に供給される吸気の吸気圧(過給圧)、または前記内燃機関(E)の全気筒に供給される全吸気量に対する排気再循環率(EGR率)を変更する燃焼モード変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  11. 請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記噴射量可変手段(1)は、前記内燃機関(E)の各気筒における燃焼トルクを変更する燃焼トルク変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記学習制御手段(1)は、前記学習補正量を学習値として記憶する記憶部を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  13. 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記学習制御手段(1)は、前記学習点以外のポイントを、線形補間または多項式近似により算出して補正することを特徴とする噴射量学習装置。
  14. 請求項1ないし請求項13のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記学習制御手段(1)は、前記指令噴射量(Q)を噴射回数分だけ略均等に分割した分割噴射を行いながら、前記学習補正量を算出する補正量演算手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。
  15. 請求項1ないし請求項14のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記学習補正量とは、前記内燃機関(E)の気筒間の回転速度変動を平滑化するのに必要な、各気筒毎への噴射期間補正量のことであることを特徴とする噴射量学習装置。
  16. 請求項1ないし請求項15のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
    前記学習補正量とは、前記内燃機関(E)の回転速度を目標回転速度に維持するのに必要な、全気筒一律の噴射期間補正量のことであることを特徴とする噴射量学習装置。
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