JP2014181672A - 噴射量学習装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 パイロット噴射量学習装置は、エンジンの気筒の1周期中に複数回に分けて燃料噴射を行うマルチ噴射におけるマルチ噴射回数を変更することで、同一の学習圧力でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)である学習点を可変とすることにより、同一の学習圧力でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(学習点)を複数化することができるので、パイロット噴射量学習後TQ−Q特性曲線の学習精度を向上することができる。
【選択図】 図2
Description
従来より、複数の気筒を有するディーゼルエンジン等の内燃機関(圧縮着火式エンジン)では、窒素酸化物(NOx)や燃焼騒音を低減するという目的で、エンジンの燃焼トルクと成り得るメイン噴射の前に、微少量の微少噴射(以下パイロット噴射)を実施している。
しかるに、このパイロット噴射では、エンジンの各気筒毎の燃料噴射弁(以下インジェクタ)に指令する指令噴射量(演算値)と、インジェクタの噴孔から各気筒内に噴射される燃料噴射量(実測値)との間にズレが生じていると、パイロット噴射の効果を十分に発揮することができないという課題があった。
この噴射量学習装置(従来の噴射量学習装置)は、エンジンのアイドル安定状態の時に、燃料の噴射圧力を、複数の異なる圧力水準(噴射量学習時の燃料噴射圧力の目標値:以下学習圧力)に変更する学習圧力変更手段と、指令噴射量をマルチ噴射回数(例えばN回)分だけ均等に分割した分割噴射を実施しながら、エンジンの気筒間の回転速度変動を平滑化するのに必要な、各気筒毎への第1補正量(FCCB補正量)、およびエンジンのアイドル回転速度を目標回転速度に維持するのに必要な、全気筒一律の第2補正量(ISC補正量)を求め、ISC補正量およびFCCB補正量から、パイロット噴射量の学習値(噴射量補正量または噴射期間補正量)を算出するようにした学習制御方法が記載されている。
なお、TQ−Q特性マップとは、図9に示したように、エンジンの各気筒のインジェクタに指令される指令噴射量(Q)と噴射量指令値(噴射期間:TQ)とに対応して作成されたデータテーブルのことである。
そして、1つの指令噴射量(学習点)で算出した学習値を、噴射量指令値(TQ)に対して、一律オフセット補正することで、経時劣化インジェクタ(INJ)TQ−Q特性曲線に反映させている。また、マスタTQ−Q特性曲線の傾き等により算出した反映係数(傾き係数)を乗算して、噴射量学習後TQ−Q特性曲線に反映させている。
ところが、従来の噴射量学習装置においては、複数の異なる各学習圧力毎に、1つの指令噴射量を均等分割したパイロット噴射量に対する実噴射量のズレ量を学習補正しているので、同一の学習圧力に対して1つの学習ポイントしか学習補正量を算出することができなかった。このように、同一の学習圧力に対して1つの学習ポイント(指令噴射量:学習点)のみで、指令噴射量に対する燃料噴射量(実噴射量)のズレ量を学習値として算出する場合、学習点以外のポイントにおいて適切な学習補正量を算出することができないという課題があった。
図1ないし図5は、本発明の噴射量学習装置を適用したコモンレール式燃料噴射システムを含むディーゼルエンジン制御システム(実施例1)を示したものである。
燃料供給システムは、ディーゼルエンジン用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)によって構成されている。
サプライポンプ4は、フィードポンプから各燃料加圧室内への燃料の吸入量を調整することで、サプライポンプ4の各燃料吐出口より吐出される燃料吐出量を制御する電磁式燃料調量弁(SCV)を備えている。このSCVは、ECU1から印加されるポンプ駆動信号によって電子制御されるように構成されている。これにより、サプライポンプ4から吐出される燃料吐出量および燃料噴射圧力(所謂コモンレール圧力)が制御される。
ここで、サプライポンプ4からのリーク燃料またはオーバーフロー燃料は、燃料戻し配管(リターン配管)を通って燃料系の低圧側(燃料タンク2)に戻される。
コモンレール5の軸線方向の一端側には、燃料圧力センサ(コモンレール圧力センサ)7が接続されている。このコモンレール圧力センサ7は、コモンレール5の内部圧力(所謂コモンレール圧力)を電気信号に変換して圧力検出値としてECU1に対して出力する燃料圧力検出手段である。
なお、コモンレール圧力センサ7の代わりに燃料温度センサ8をコモンレール5に搭載しても良い。また、各インジェクタ6の燃料溜まり室内の燃料圧力(燃圧)を検出する燃料圧力センサを各インジェクタ6に搭載しても良い。
減圧弁9は、例えば自動車等の車両の減速走行時またはエンジン停止時等に速やかにコモンレール5の内部圧力を高圧から低圧へ減圧させる降圧性能に優れる電磁弁(ソレノイドバルブ)である。減圧弁9が開弁すると、コモンレール5または減圧弁9の燃料出口(リークポート)が開放されて、コモンレール5からリターン配管を経て燃料タンク2へ燃料が戻される。これにより、コモンレール圧力が高圧から低圧へ減圧(降圧)する。
また、各気筒毎のインジェクタ6からの燃料噴射の順序は、気筒#1(噴射1)→気筒#3(噴射2)→気筒#4(噴射3)→気筒#2(噴射4)であり、この順で吸気行程等が実施される。
各気筒毎のインジェクタ6は、燃料を噴射する噴孔、この噴孔よりも燃料流方向の上流側のシート、およびこのシートよりも燃料流方向の上流側の燃料溜まり室に連通する燃料流路を有し、シートに対して着座、離脱して噴孔を閉鎖、開放(噴孔を開閉)するノズルニードルを内蔵するノズルボディと、このノズルボディの燃料流路を介して噴孔に連通する燃料流路を有するインジェクタボディとを備えている。
ピエゾアクチュエータは、ピエゾ素子をその軸線方向に多数積層してなる積層体(ピエゾスタック)を備えている。ピエゾスタックは、インジェクタボディの内部に収容保持され、ECU1から印加されるインジェクタ駆動信号によって電子制御されるように構成されている。すなわち、ピエゾスタックが通電されてノズルニードルが開弁、つまりインジェクタ6が開弁している間、各気筒内に向かって噴孔から燃料が噴射される。これにより、複数のインジェクタ6の各噴孔から噴射される燃料噴射量および噴射時期が制御される。
また、コモンレール5から複数のインジェクタ6の各ノズルボディの燃料溜まり室や燃料流路に導入される高圧燃料の圧力(燃料噴射圧力、コモンレール圧力)が高圧である程、当該インジェクタ6からの燃料噴射量が多くなる。逆に、コモンレール5からインジェクタ6に導入される高圧燃料の圧力(燃料噴射圧力、コモンレール圧力)が低圧である程、燃料噴射量が少なくなる。
すなわち、ピエゾアクチュエータを有するピエゾインジェクタの代わりに、ソレノイドアクチュエータを有するソレノイドインジェクタを採用しても良い。
また、クランクシャフトは、サプライポンプ4のカムシャフト、自動車等の車両の車室内を空調する空調装置(エアコン)のコンプレッサの駆動軸、バッテリ11を充電すると共に、自動車等の車両に搭載された各種電気負荷(ヘッドライト等)に電力を供給するオルタネータ(発電機)12の駆動軸をベルト駆動している。これにより、サプライポンプ4のカムシャフト、コンプレッサの駆動軸、およびオルタネータ12の駆動軸等が、エンジンEのクランクシャフトの回転と同期して回転駆動される。
エンジンEの各気筒には、コンロッドを介して、クランクシャフト(エンジンEの出力軸)に連結されたピストンがその往復移動方向にそれぞれ嵌挿されている。
シリンダヘッドには、第1、第2吸気弁または第1、第2排気弁を駆動するカムシャフトの回転角度に対応した電気信号をECU1に対して出力するGセンサ14が設置されている。
ECU1は、2つのNEセンサ13およびGセンサ14を使用して、エンジンEの各気筒の上死点(TDC)、エンジン回転数(NE)、クランク角度を検出する。また、燃料噴射を行う気筒を判別する。
また、シリンダヘッドには、各第1、第2排気ポートの合流部に対して独立して接続する1つの排気通路を有するエキゾーストマニホールドが接続されている。このエキゾーストマニホールドの集合部には、排気管16が接続されている。また、エンジンEは、排気管16内の排気通路から吸気管15内の吸気通路へ排気ガス(以下EGRガス)を還流させるEGRガス還流管(EGRパイプ)17を備えている。
スロットルバルブ18は、吸気絞り弁の弁体を構成している。このスロットルバルブ18は、モータ等のアクチュエータ20によって回転駆動される。このアクチュエータ20には、スロットルバルブ18の回転角度に相当するスロットル開度を検出するスロットル開度センサが内蔵されている。
スロットルバルブ18の開度は、ECU1によって電子制御される。これにより、エンジンEの各気筒に供給する吸気の流量(吸気量)が調整される。
また、排気通路には、第1ターボチャージャのタービン23を迂回(バイパス)する第1バイパス流路、および第2ターボチャージャのタービン24を迂回(バイパス)する第2バイパス流路が接続されている。
レギュレートバルブ25の開度は、ECU1によって電子制御される。これにより、エンジンEの各気筒に供給する吸気の過給圧が調整される。
ウェイストゲートバルブ26の開度は、ECU1によって電子制御される。これにより、エンジンEの各気筒に供給する吸気の過給圧が調整される。
DOC27は、白金または白金にパラジウムを加えたもの等を担持した酸化触媒を備え、排気ガス中のCOおよびHCが酸化されてCO2 およびH2 Oが生成する反応を促すものである。また、DPF28は、排気ガス中に含まれる排気微粒子(パティキュレート・マター:PM)を捕集するものである。
また、DPF28よりも下流側の排気管16に、DPF28を通過した排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化するNOx吸蔵還元型の触媒(NOx触媒)が設置されていても良い。
また、DPF28よりも下流側の排気管16に、DPF28を通過した排気ガス中に含まれるCO、HC、NOx等を浄化する三元触媒が設置されていても良い。
DPF28の再生処理は、差圧センサ35の検出値(圧力検出部33、34の差圧)が所定値以上の時にDPF28が目詰まり状態であると判断し、エンジンEの気筒内へのメイン噴射後に微少量の燃料を噴射するポスト噴射等を実施することにより排気温度を上昇させて、DPF28をPMが燃焼可能な温度まで昇温させることにより行われる。
また、DOC27よりも排気流方向の下流側の吸気管15には、DOC27より流出した直後の排気ガスの圧力(排気圧力)に対応した電気信号をECU1に対して出力する第2排気温度センサ32が設けられている。
また、DPF28よりも排気流方向の下流側の吸気管15には、DPF28より流出した直後の排気ガスの圧力(排気圧力)を検出する下流側の圧力検出部34が設けられている。
また、サイレンサー29よりも排気流方向の上流側の吸気管15には、排気ガスの空燃比に対応した電気信号をECU1に対して出力する空燃比(A/F)センサ36が設けられている。
EGRシステムは、排気通路の分岐部と吸気通路の合流部とを接続するEGRクーラ流路41の途中にEGRバルブ43を設置している。なお、EGRクーラ流路41とクーラバイパス流路42との分岐部よりも排気通路側の排気ガス還流路にEGRバルブ43を設置しても良い。また、EGRクーラ流路41とクーラバイパス流路42との合流部よりも吸気通路側の排気ガス還流路にEGRバルブ43を設置しても良い。
また、EGRバルブ43よりも上流側のEGRクーラ流路41には、EGRガスを冷却するEGRクーラ45が設置されている。
バイパス切替バルブ46は、排気制御弁または吸気制御弁の弁体(ポペットバルブ)を構成している。このバイパス切替バルブ46は、コイル、ステータ、アーマチャ等により構成されるソレノイドアクチュエータ47によって往復駆動される。このソレノイドアクチュエータ47には、バイパス切替バルブ46のリフト量に相当するバルブ開度に対応した電気信号をECU1に対して出力するリフトセンサ48が設けられている。
バイパス切替バルブ46の開度は、ECU1によって電子制御される。これにより、EGRクーラ45を通過するEGRガスの流量とEGRクーラ45をバイパスするEGRガスの流量とが最適値となるように調整される。
ROMは、CPUによる様々な数値演算処理、情報処理および制御等に必要なプログラムが予め記憶されている。
RAMには、CPUによる様々な数値演算処理による中間情報が一時的に記録(記憶、格納)され、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)がOFFとなると記憶された情報は消える。
ここで、マイクロコンピュータの入力部には、コモンレール圧力センサ7および燃料温度センサ8だけでなく、NEセンサ13、Gセンサ14、第1、第2排気温度センサ31、32、差圧センサ35、A/Fセンサ36、EGR開度センサ44、リフトセンサ48、エアフローメータ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、過給圧センサ、冷却水温センサおよび酸素濃度センサ等が接続されている。
NEセンサ13は、エンジンEのクランクシャフトの回転角度を電気信号に変換するピックアップコイルよりなり、例えば15°または30°CA(クランク角度)毎にNEパルス信号がECU1に対して出力される。
ECU1は、NEセンサ13より出力されたNEパルス信号の間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(エンジン回転数:NE)を検出するための回転速度検出手段としての機能を有している。
冷却水温センサは、エンジン冷却水温(水温:THW)に対応した電気信号(センサ出力信号)をECU1に対して出力する水温検出手段である。
このとき、目標コモンレール圧力(PFIN)を達成するという目的で、コモンレール圧力センサ7によって検出されるコモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差に応じてサプライポンプ4のSCVに与える制御指令値としてのポンプ駆動信号(駆動電流値)を算出すると共に、この駆動電流値に対応したポンプ制御信号(ポンプ指令値)を合成して出力する。
そして、ECU1は、エンジンEの運転状態(例えばエンジン回転数等)と指令噴射量(Q)とに対応して指令噴射時期(TFIN)を算出(設定)すると共に、指令噴射量(Q)とコモンレール圧力センサ7によって検出されたコモンレール5内の燃料圧力(コモンレール圧力:PC)とに対応してインジェクタ駆動時間(噴射指令パルス長さ、噴射指令パルス時間、噴射指令パルス幅、指令噴射期間(TQ)を算出(設定)する。
そして、ECU1は、所定の噴射タイミングで、インジェクタ駆動回路を介して、各気筒のインジェクタ6のピエゾアクチュエータにパルス状のインジェクタ駆動信号(噴射指令パルス)を印加する。
例えばエンジンEの各気筒の1周期中に、各気筒のインジェクタ6のピエゾアクチュエータを複数回駆動して、メイン噴射の前に複数回のパイロット噴射を行う。また、メイン噴射の後に複数回のアフター噴射を行う。また、メイン噴射の前に1回以上のパイロット噴射を行い、メイン噴射の後に1回以上のアフター噴射を行う。
なお、メイン噴射の後に1回以上のポスト噴射を行うようにしても良い。
ところで、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムは、各気筒のインジェクタ6のピエゾアクチュエータに指令される指令噴射量(演算値:Q)に対する各気筒のインジェクタ6の噴孔から各気筒内に燃料噴射される実噴射量のズレ量、つまり各気筒のインジェクタ6の個体差または各気筒のインジェクタ6の経時(劣化)変化を要因とする燃料噴射量のズレ量を、指令噴射量(Q)に対する噴射期間の学習値(演算値)として算出する噴射量学習装置を備えている。
なお、本実施例では、ECU1に噴射量学習装置の機能が含まれている。
噴射量学習装置(学習制御手段)は、同一の燃料噴射圧力(学習用目標コモンレール圧力:以下学習圧力)での噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)を可変とする噴射量可変手段を備えている。
また、噴射量学習装置(学習制御手段)は、噴射量学習時に算出された全ての学習補正量を、パイロット噴射量(QPILOT)に対する噴射量または噴射期間の学習値として記憶する記憶部(EEPROM)を備えている。
また、噴射量学習装置(学習制御手段)は、パイロット噴射量を可変とするマルチモード状態で、エンジンEのアイドル回転速度が目標回転速度に釣り合うために必要な実噴射量(学習基準噴射量:学習点A〜学習点E)を予め計測しておき、それぞれ学習補正量(学習値A〜学習値E)を算出するように構成されている。そして、算出した各学習値をパイロット噴射量(QPILOT)に対する噴射量または噴射期間の学習値としてEEPROMに記憶する。
また、噴射量学習装置(学習制御手段)は、複数の異なる各学習点のうちの特定の学習点(例えば学習点Aまたは学習点Bまたは学習点Cまたは学習点Dまたは学習点E)での噴射量学習が完了するまで、特定の学習点での噴射量学習を継続するように構成されている。
なお、学習圧力変更手段は、コモンレール圧力(学習圧力)を、P1(例えば35MPa)→P2(例えば65MPa)→P3(例えば95MPa)の順に昇圧させる。
これにより、EEPROMには、エンジンEの各気筒毎に、しかも複数の異なる各学習圧力毎に、同一の学習圧力での噴射量学習時におけるパイロット噴射量(QPILOT)と実噴射量(指令噴射期間)との対応関係を表す噴射期間−噴射量特性曲線(マスタTQ−Q特性曲線)を有するデータテーブル(図2参照)が記憶されることになる。
学習点Aは、マルチ噴射回数(N)を5回とした5段噴射時のパイロット噴射量(QPILOT)で、例えば1mm3 /stを表す。このときの指令噴射量(Q)は、マルチ噴射のトータル噴射量となるので、5mm3 /stとなる。
学習点Cは、マルチ噴射回数(N)を3回とした3段噴射時のパイロット噴射量(QPILOT)で、例えば2.3mm3 /stを表す。このときの指令噴射量(Q)は、マルチ噴射のトータル噴射量となるので、6.9mm3 /stとなる。
学習点Eは、マルチ噴射回数(N)を1回とした1段噴射(シングル噴射)時のパイロット噴射量(QPILOT)で、例えば10mm3 /stを表す。このときの指令噴射量(Q)は、マルチ噴射のトータル噴射量となるので、10mm3 /stとなる。
次に、本実施例の噴射量学習装置の制御方法を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。
ここで、図3は、ECUによる噴射量学習装置の制御方法を示したフローチャートである。この図3の制御ルーチンは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)された後に、予め設定されたサンプリング周期(例えば30°CA)毎に繰り返し実施される。
特に、NOxや燃焼騒音を低減するという目的で、エンジンEの燃焼トルクと成り得るメイン噴射の前に、微少量のパイロット噴射を実施する場合、各気筒のインジェクタ6に指令するパイロット噴射量(QPILOT)と、インジェクタ6からエンジンEの各気筒内に噴射される燃料噴射量(実測値)との間にズレが生じていると、パイロット噴射の効果を十分に発揮することができない。
そこで、噴射量学習装置の機能を含んで構成されるECU1は、エンジンEのアイドル運転時、つまりエンジンEの回転速度(エンジン回転数:NE)がアイドリング回転速度(アイドルスピード)の時に、図3の制御ルーチンに進入し、パイロット噴射量(QPILOT)に対する燃料噴射量のズレ量を学習補正するパイロット噴射量学習を実施する。
具体的には、コモンレール圧力センサ7、燃料温度センサ8、NEセンサ13、Gセンサ14、第1、第2排気温度センサ31、32、差圧センサ35、A/Fセンサ36、EGR開度センサ44、リフトセンサ48、エアフローメータ、アクセル開度センサ、過給圧センサ、冷却水温センサおよび酸素濃度センサ等の各種センサから出力されたセンサ出力信号(検出値)が取得される。また、エアコンスイッチ、ヘッドライトスイッチ、ハザードランプスイッチ、オーディオスイッチ等の各種スイッチからの電気負荷のON/OFF信号や、エアコンのブロワ風量切替スイッチ等の各種レベルスイッチからの電気負荷のレベル信号が取得される。
具体的には、コモンレール圧力センサ7、燃料温度センサ8、NEセンサ13、Gセンサ14、アクセル開度センサ等の各種センサから出力されたセンサ出力信号(検出値)が取得される。
なお、基本噴射量については、アクセル開度センサによって検出されたアクセル開度(ACCP)のみによって目標エンジントルクを算出し、この目標エンジントルクから基本噴射量(Q)を算出(設定)するようにしても良い。
そして、ECU1は、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(Q)とに対応して指令噴射時期(TFIN)を算出(設定)すると共に、指令噴射量(Q)とコモンレール圧力センサ7によって検出されたコモンレール5内の燃料圧力(コモンレール圧力:PC)とに対応してインジェクタ駆動時間(噴射指令パルス長さ、噴射指令パルス時間、噴射指令パルス幅、指令噴射期間(TQ)を算出(設定)する(指令噴射期間演算手段)。
そして、ECU1は、エンジン回転数(NE)と指令噴射量(Q)とに対応してパイロット噴射量(QPILOT)、パイロット噴射期間(TQPILOT)、パイロットインターバル(無噴射間隔:INTPILOT)、マルチ噴射回数等を算出する。
そこで、ECU1は、上記のように取得した各種センサ出力信号および各種スイッチ信号に基づいて、学習条件(アイドル安定状態および環境条件)を判定し、エンジンの運転状態が学習条件が全て成立した場合に、以下の手順でパイロット噴射量学習を実施する。
条件1…エンジン回転数(NE)が安定状態。
例えば自動車等の車両走行速度(車速)が所定値(例えば0km/h)以下。また、エンジン回転数(NE)と目標アイドル回転数との偏差が所定値以下。また、エンジン回転数(NE)が所定範囲内。また、アクセル開度(ACCP)が所定値以下。
条件2…コモンレール圧力(PC)が安定状態。
例えばコモンレール圧力(PC)が所定範囲内。また、コモンレール圧力(PC)と目標コモンレール圧力(PFIN)との圧力偏差が所定値以下。
上記の条件1及び2が全て成立した時点で、エンジンEの運転状態(運転状況)がアイドル安定状態に入っていると判定し、次の環境条件判定に移る。
条件1…水温(THW)が所定範囲内。
条件2…燃温(THF)が所定範囲内。
条件3…吸気温度が所定範囲内。
条件4…大気圧が所定値以上。
上記の条件1〜4が全て成立した時点で、温度条件等の各種環境条件が成立していると判定する。
したがって、エンジンEのアイドル運転時に、パイロット噴射量学習の学習条件(アイドル安定状態および環境条件)を判定する(ステップS1)。そして、エンジンEの運転状態(運転状況)がアイドル安定状態で、且つ温度条件等の各種環境条件が成立していると判定した場合に、図3のステップS2以下のパイロット噴射量学習に進入する。
具体的には、学習圧力を先ずP1(例えば35MPa)にセットする。
ここで、本実施例では、学習圧力をP2(例えば65MPa)、P3(例えば95MPa)に順にセットする。なお、学習圧力は、任意に設定可能であり、更に学習圧力も3種類だけでなく、5種類、7種類、10種類等任意に設定可能である。
先ず、マルチ噴射が5段噴射の場合、マルチ噴射回数をN(=5)回にセットする。
また、5段噴射の噴射タイミング(TFIN)の基準位置をTDC近傍にセットする。 また、5段噴射時のパイロット噴射量(QPILOT)を学習点AとしてEEPROM(記憶部)に格納されているマスタTQ−QマップのマスタTQ−Q特性曲線に書き込む。
また、パイロット噴射量学習制御の実行時のマルチ噴射における各インターバルを固定する。なお、本実施例では、QP4がメイン噴射に相当する。
FCCB補正とは、エンジンEの各気筒間の回転数変動量差に応じて、エンジンEの各気筒の燃料噴射量を増減する第1学習制御のことである。
なお、所定時間が経過してもエンジンEの各気筒間の回転速度変動が収束しない場合には、パイロット噴射量の学習を中断または中止しても良い。
ISC補正とは、エンジンEの各気筒の平均エンジン回転速度を目標回転速度(目標アイドル回転数)に合わせるために第2学習制御のことである。
そして、平均エンジン回転速度が目標回転速度に略一致するように、各気筒毎の噴射のFCCB補正量(QFCCB/N)に、平均エンジン回転速度を目標回転速度に合わせるのに必要な第2噴射量補正量(ISC補正量:QISC)または第2噴射期間補正量を全気筒一律に付加する。このとき、ISC補正量は、パイロット噴射期間(TQPILOT)またはパイロット噴射量(QPILOT)とエンジンEの各気筒毎のFCCB補正量(QFCCB/N)とを加算した値にQISC/Nを全気筒一律に反映させる。
なお、所定時間が経過しても平均エンジン回転速度と目標回転速度との回転速度差が収束しない場合には、パイロット噴射量の学習を中断または中止しても良い。
学習値A=パイロット噴射期間(TQPILOT)またはパイロット噴射量(QPILOT)
+FCCB補正量(QFCCB/N)+ISC補正量(QISC/N)
そして、EEPROMに格納された、マスタTQ−Q特性曲線を有するデータテーブル(図2参照)に学習値Aが書き込まれる。この学習値Aは、学習点Aの5段噴射時の学習補正量である。
次の学習値Cの算出では、データテーブル(図2参照)に学習値Cが書き込まれる。この学習値Cは、学習点Cの3段噴射時の学習補正量である。
次の学習値Dの算出では、データテーブル(図2参照)に学習値Dが書き込まれる。この学習値Dは、学習点Dの2段噴射時の学習補正量である。
次の学習値Eの算出では、データテーブル(図2参照)に学習値Eが書き込まれる。この学習値Eは、学習点Eの1段噴射時の学習補正量である。
また、学習補正量(学習値)の算出方法の他の例として、図5に示したように、分割設定した噴射量指令値とアイドル回転数と目標回転数とを釣り合わせるのに必要な実噴射量(基準噴射量)との差を検出し、学習補正量(学習値)を算出しても良い。
学習補正量(学習値)=噴射量指令値と基準噴射量との差分
パイロット噴射の学習点を変更するとは、エンジンの燃焼状態(マルチモードまたは燃焼モードまたは燃焼形態)、あるいはエンジン負荷(アイドルアップまたは電気負荷)を切り替えることである。
本実施例では、エンジンEの気筒の1周期中に燃料を複数回に分けて噴射するマルチ噴射(マルチモード)におけるマルチ噴射回数を5回、4回、3回、2回、1回の順に切り替える。これにより、ステップS5において、同一の学習圧力(学習コモンレール圧力)毎に、パイロット噴射量(QPILOT)が5段階に変更されることで、パイロット学習を実施する学習点が複数化(多数化)される。
そして、図2中の学習値Aは、マルチ噴射回数(N)が5回の場合のパイロット噴射量(学習点A)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図2中の学習値Cは、マルチ噴射回数(N)が3回の場合のパイロット噴射量(学習点C=学習点Bに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図2中の学習値Eは、マルチ噴射回数(N)が1回の場合のパイロット噴射量(学習点E=学習点Dに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
具体的には、エンジンEの気筒毎の同一学習圧力での複数の学習値をデータテーブルに書き込み、隣接する2点間を線形補間または直線補間もしくは多項式近似した噴射期間−噴射量特性曲線を用いて算出した学習後TQ−Q特性曲線(図2参照)をデータテーブルに書き込む。
以上のように、本実施例のコモンレール式燃料噴射システムを含むディーゼルエンジン制御システムにおいては、同一の学習圧力(学習コモンレール圧力)でのパイロット噴射量学習時におけるパイロット噴射量(学習点)を可変とする噴射量学習装置(ECU1)を備えている。
また、噴射量学習装置は、複数の学習圧力毎に、学習点A〜学習点Eに対応した学習補正量(学習値A〜学習値E)をそれぞれ算出し、算出した各学習値をパイロット噴射量(QPILOT)に対する噴射量または噴射期間の学習値としてEEPROMに記憶するように構成されている。
また、噴射量学習後TQ−Q特性曲線は、次回の噴射量学習時において基準TQ−Q特性曲線として使用しても構わない。また、噴射量学習後TQ−Q特性曲線を噴射量学習を実施する毎に更新してEEPROMに記憶するようにしても良い。
図6は、本発明の噴射量学習装置を適用したデータテーブル(実施例2)を示したものである。
ここで、実施例1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
そこで、パイロット噴射量学習時に、電気負荷がON/OFFされている場合、または電気負荷がON/OFFされた場合には、指令噴射量(Q)を略均等に分割したパイロット噴射量(QPILOT)を電気負荷の増減、つまりエンジンEの駆動負荷の増減に対応して変更することが望ましい。
この場合、実施例1のように、図3のステップS7においてマルチ噴射回数を変更しながらエンジンEの駆動負荷の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したり、あるいはマルチ噴射回数をN回(任意、例えば5回または4回または3回または2回)にセット(固定)して、エンジンEの駆動負荷の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したりしても構わない。
また、図6中の学習値Cは、2つの電気負荷がONされた場合のパイロット噴射量(学習点C=学習点Bに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図6中の学習値Eは、4つの電気負荷がONされた場合のパイロット噴射量(学習点E=学習点Dに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
以上のように、本実施例の噴射量学習装置においては、実施例1と同様な効果を奏する。
図7は、本発明の噴射量学習装置を適用したデータテーブル(実施例3)を示したものである。
ここで、実施例1及び2と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
そこで、図7の各学習点A〜Eの書き込み点をEGRバルブ43またはバイパス切替バルブ46を全閉状態の時の学習点とした場合、EGRバルブ43またはバイパス切替バルブ46を開いた時の各学習点A〜Eに対するパイロット噴射量の学習を実施することにより、実施例1よりも更に同一の学習圧力での学習点を増やすことができる。
なお、パイロット噴射量学習時における、エンジンEの気筒に供給される全吸気量に対するEGR率に基づいて、パイロット噴射量の増量分を変更しても良い。
そして、図7中の学習値Aは、スロットルバルブ18が全開状態、EGRバルブ43またはバイパス切替バルブ46が全閉状態の時、つまりEGR率が0%の状態のパイロット噴射量(学習点A)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図7中の学習値Cは、EGR率が20%の状態のパイロット噴射量(学習点C=学習点Bに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図7中の学習値Eは、EGR率が40%の状態のパイロット噴射量(学習点E=学習点Dに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
以上のように、本実施例の噴射量学習装置においては、実施例1及び2と同様な効果を奏する。
図8は、本発明の噴射量学習装置を適用したデータテーブル(実施例4)を示したものである。
ここで、実施例1〜3と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
この場合、実施例1のように、図3のステップS7においてマルチ噴射回数を変更しながら過給圧の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したり、あるいはマルチ噴射回数をN回(任意、例えば5回または4回または3回または2回)にセット(固定)して、過給圧の増減に対応してパイロット噴射量(QPILOT)、つまり学習点を変更したりしても構わない。
そして、図8中の学習値Aは、レギュレートバルブ25およびウェイストゲートバルブ26が全閉状態の時、つまり過給圧が1番大きい時のパイロット噴射量(学習点A)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図8中の学習値Cは、レギュレートバルブ25またはウェイストゲートバルブ26の一方が半分程度開かれた状態、つまり過給圧が3番目に大きい時のパイロット噴射量(学習点C=学習点Bに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
また、図8中の学習値Eは、レギュレートバルブ25およびウェイストゲートバルブ26が全開状態、つまり過給圧が1番小さい時のパイロット噴射量(学習点E=学習点Dに増量補正)に対する学習補正量(噴射期間補正量または噴射量補正量)である。
以上のように、本実施例の噴射量学習装置においては、実施例1〜3と同様な効果を奏する。
本実施例では、本発明の噴射量学習装置を、コモンレール式燃料噴射システムを含むエンジン制御システムに適用した例を示したが、本発明の噴射量学習装置を、コモンレールを備えない燃料噴射装置や燃料供給システムを含むエンジン制御システムに適用しても良い。
また、本発明の噴射量学習装置を、多気筒ディーゼルエンジン制御システムに限定されず、多気筒ガソリンエンジン制御システムに適用しても良い。
また、本発明の噴射量学習装置を、過給機、EGRシステム、EGRクーラまたはEGRクーラバイパスを備えないエンジン制御システムに適用しても良い。
また、噴射量可変手段として、EGRガス濃度の濃い(大きい)吸気を内燃機関の気筒に導入するEGRガスリッチ燃焼モードと、EGRガス濃度の薄い(小さい)吸気または新気のみを内燃機関の各気筒に導入するEGRガスリーン燃焼モードとを切り替える燃焼形態切替手段を設けても良い。なお、EGRガスリーン燃焼モードよりもEGRガスリッチ燃焼モードの方が、指令噴射量が増量される。
また、噴射量可変手段として、内燃機関の各気筒における燃焼トルクを変更する燃焼トルク変更手段を設けても良い。
また、実施例1〜4を、少なくとも2つ以上任意に組み合わせて噴射量学習を実施しても構わない。
1 ECU(エンジン制御装置、噴射量学習装置)
2 燃料タンク
4 サプライポンプ
5 コモンレール
6 インジェクタ(燃料噴射弁)
7 コモンレール圧力センサ(燃料圧力センサ)
8 燃料温度センサ
13 NEセンサ
14 Gセンサ
Claims (16)
- (a)内燃機関(E)の気筒毎に燃料噴射を行う燃料噴射弁(6)に対する指令噴射量(Q)を算出する噴射量演算手段(1)と、
(b)前記指令噴射量(Q)に対する前記燃料噴射弁(6)から各気筒に噴射される燃料噴射量のズレ量を学習補正する学習制御手段(1)と
を備え、
前記指令噴射量(Q)に対する前記燃料噴射量のズレ量に対応して算出される学習補正量を、前記指令噴射量(Q)に対する噴射量指令値(TQ)の算出に反映させる噴射量学習装置において、
前記学習制御手段(1)は、同一の学習圧力での噴射量学習時における前記指令噴射量(Q)を可変とする噴射量可変手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1に記載の噴射量学習装置において、
前記学習制御手段(1)は、前記指令噴射量(Q)を可変とする各モード状態で、前記内燃機関(E)のアイドル回転速度が前記目標回転速度に釣り合うために必要な実噴射量(学習基準噴射量)を予め計測しておき、それぞれ学習値を算出することを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1または請求項2に記載の噴射量学習装置において、
前記学習制御手段(1)は、前記同一の学習圧力での噴射量学習時における前記指令噴射量(Q)を学習点として記憶する記憶部を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項3に記載の噴射量学習装置において、
前記噴射量可変手段(1)は、前記学習点を、複数の異なる各学習点に変更する学習点変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項4に記載の噴射量学習装置において、
前記学習制御手段(1)は、前記複数の異なる各学習点のうちの前の学習点での噴射量学習が完了したら、前記複数の異なる各学習点のうちの次の学習点での噴射量学習に切り替えることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項4または請求項5に記載の噴射量学習装置において、
前記学習制御手段(1)は、前記複数の異なる各学習点のうちの特定の学習点での噴射量学習が完了するまで、前記特定の学習点での噴射量学習を継続することを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項3ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記学習制御手段(1)は、前記燃料噴射弁から各気筒に噴射される燃料の噴射圧力(PC)を、複数の異なる各学習圧力に変更する学習圧力変更手段(1)、および前記複数の異なる各学習圧力のうち同一の学習圧力に対して、前記学習点を、複数の異なる各学習点に変更する学習点変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記噴射量可変手段(1)は、前記内燃機関(E)の気筒の1周期中に燃料を複数回に分けて噴射するマルチ噴射におけるマルチ噴射回数を変更するマルチモード変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記噴射量可変手段(1)は、前記内燃機関(E)の負荷を変更する負荷変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記噴射量可変手段(1)は、前記内燃機関(E)の全気筒に供給される吸気の流量(吸気量)、前記内燃機関(E)の全気筒に供給される吸気の吸気圧(過給圧)、または前記内燃機関(E)の全気筒に供給される全吸気量に対する排気再循環率(EGR率)を変更する燃焼モード変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記噴射量可変手段(1)は、前記内燃機関(E)の各気筒における燃焼トルクを変更する燃焼トルク変更手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記学習制御手段(1)は、前記学習補正量を学習値として記憶する記憶部を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記学習制御手段(1)は、前記学習点以外のポイントを、線形補間または多項式近似により算出して補正することを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1ないし請求項13のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記学習制御手段(1)は、前記指令噴射量(Q)を噴射回数分だけ略均等に分割した分割噴射を行いながら、前記学習補正量を算出する補正量演算手段(1)を有していることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1ないし請求項14のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記学習補正量とは、前記内燃機関(E)の気筒間の回転速度変動を平滑化するのに必要な、各気筒毎への噴射期間補正量のことであることを特徴とする噴射量学習装置。 - 請求項1ないし請求項15のうちのいずれか1つに記載の噴射量学習装置において、
前記学習補正量とは、前記内燃機関(E)の回転速度を目標回転速度に維持するのに必要な、全気筒一律の噴射期間補正量のことであることを特徴とする噴射量学習装置。
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