JP4184810B2 - ねじ込みキャップを容器にねじ込むための装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【従来の技術】
本発明は請求項１の上位概念に記載のねじ込みキャップを容器にねじ込むための装置に関するものである。
【０００２】
このような装置はドイツ特許第３２４５９６６号から既知である。この場合、磁石および高透磁率材料からなるリングにより形成された滑りクラッチないしヒステリシス・クラッチは、スピンドルからふた締めヘッドへ伝達可能なトルクの微細且つ再現可能な設定を可能にする。このトルクは、ねじ込みキャップを容器口部のねじに固く締め付けたのちにおいても安全のためにさらにある時間継続して作用し、および例えばねじが損傷していたり容器のクランプが不十分であったりする場合にはふた締めヘッドをさらに回転させることになり、このことはふた締め過程にエラーがあることを示している。この過程のモニタリングは既知の装置においては設けられていない。
【０００３】
他方で、ふた締めヘッドを設定可能なトルクで固有のモータにより直接駆動可能な、ねじ込みキャップを容器にねじ込むための装置が既知である（ドイツ特許第４０１１３９８号）。この場合、ふた締めヘッドの回転速度が固有の角センサによりモニタリングされる。この回転角センサは、一方でふた締めヘッド用駆動モータを制御し、他方で評価装置と結合されて、ふた締めヘッドが所定の位置において回転したときまたは回転しなかったときにエラー信号を発生する。この結果、ふた締めにおいて欠陥があった対応容器は選別される。
【０００４】
【特許文献１】
ドイツ特許第３２４５９６６号公報
【特許文献２】
ドイツ特許第４０１１３９８号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
冒頭記載のタイプの装置において簡単な手段によりふた締めヘッドの回転のモニタリングを可能にすることが本発明の課題である。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この課題は、請求項１に記載の特徴により解決される。
【０００７】
本発明による装置においては、ふた締めヘッドの回転をモニタリングするために既存の滑りクラッチまたはヒステリシス・クラッチの永久磁石が使用される。本発明による磁石のこの二重機能に基づいて、構造に要する費用は著しく低減される。磁石は一般にハウジング内に良好に保護されて配置されているので、微生物学的に有利なふた締め装置の構造が不利な影響を受けることはない。
【０００８】
検出装置は、最も簡単な場合には、場合により軟鉄コアを設けたコイルを有し、コイルはふた締めヘッドに対向して固定されている。コイルと磁石との間で相対回転が行われた場合にはスプール内に電圧が誘導され、電圧は接続されている評価装置において容易に評価可能である。
【０００９】
共通のロータ上に複数の装置が配置されている場合、検出装置はふた締めヘッドの円軌道の所定の範囲に定置配置するだけでよい。ふた締めヘッドが円運動に追加して固有運動を実行するかどうかに応じて、このとき検出装置内に異なる信号が得られ、この信号が一方で容易に評価される。
【００１０】
検出装置はふた締めヘッドの円軌道の全体を包含してもよいが、必ずしも全体を包含する必要はない。本発明の好ましい変更態様により、検出装置は、特定の範囲、即ちふた締め過程が正常に行われている場合にねじ込みキャップを磁気クラッチの設定トルクで装着したのちに固有回転がもはや行われない範囲のみをモニタリングする。しかしながら、この範囲内において磁石の固有回転が記録された場合、これは特に次のエラーまたは障害の１つまたは複数を指示するものである。
ａ）クランプが欠陥を有しているかまたは摩耗しているために容器が空転する、
ｂ）ふた締めコーンの歯が摩耗しているためにふた締めヘッドが空転している、
ｃ）キャップまたは容器のねじに欠陥があるためにねじ込みキャップが空転している。
【００１１】
ねじ込みキャップの不良はめ合いを導くこれらの場合はすべて定置検出装置により検出することができる。このとき、検出装置に接続されている評価装置により、希望に応じてそれぞれ、例えばアラーム信号を出力したり、欠陥キャップを有する容器を自動的に排除したり、不良はめ合いの原因となったふた締めヘッドを指示することが可能である。本発明の他の有利な変更態様が従属請求項から明らかである。
【００１２】
【発明の実施形態】
以下に本発明の一実施態様を図面により説明する。図１−４に示すふた締め機は、プラスチック製の通常のキャップでペット・ボトル３を連続的にふた締めするために使用され、且つ充填装置内に組み込まれている。充填装置は、さらに、充填機１０、飲料が充填されたボトル３を充填機１０からふた締め機Ｍへ移送する搬送星形車１１、並びに充填され且つふた締めされたボトル３をふた締め機Ｍから受け取り且つ排出コンベヤ１３に引き渡す搬出星形車１２を含む。充填機１０、搬送星形車１１および搬出星形車１２に関して、図１にはピッチ円のみが示されている。
【００１３】
ふた締め機Ｍは垂直軸１４の周りに連続的に矢印方向に駆動可能なロータ１５を有し、ロータ１５には周囲に均等に分配されている複数の同じようなふた締め装置１が配置されている。以下にこれらのふた締め装置１の１つの構造を図２−４により詳細に説明する。
【００１４】
装置１は、ロータ１５内に回転可能に支持された垂直回転軸付スピンドル４を有している。スピンドル４は、均一な右上がりハッチングで示された複数の部分から構成されている。スピンドル４の下部中空端部領域内に、２つの転がり軸受１６により、同様に垂直回転軸を有するふた締めヘッド５が自由に回転可能に支持されている。ふた締めヘッド５もまた、均一な左上がりのハッチングで示された複数の部分から構成されている。ふた締めヘッド５は、下部領域内に、通常のように、図示されていないねじ込みキャップのためのばね付勢された押さえホルダ１７、歯付ふた締めコーン１８並びに弾性保持リング１９を有している。
【００１５】
ふた締めヘッド５の外側に、図３に示されているように、交番磁極を有する８個の永久磁石７が固定されている。外側に円筒形に配置された永久磁石７は、高透磁率材料例えば軟鉄からなるヒステリシス・リング２により同軸に僅かな隙間を有して包囲され、ヒステリシス・リング２は永久磁石７の高さでスピンドル４の内側に固定されている。永久磁石７およびヒステリシス・リング２は、組み合わされて、磁気クラッチ６、より正確にいえばヒステリシス・クラッチを形成し、ヒステリシス・クラッチは、大きな回転速度範囲において、所定のトルクを被駆動スピンドル４からスピンドルに対して相対回転可能に支持されているふた締めヘッド５に伝達する。トルクの大きさはヒステリシス・リング２の高さ位置により設定可能であり、図２において、左側に最大トルクを有する設定が、および右側に最小トルクを有する設定が示されている。この場合、永久磁石７は同じ高さのままである。
【００１６】
図２が示すように、ロータ１５の下側に、各ふた締め装置１に対して、ふた締めされるべきボトル３に対する水平保持板２１が垂直ロッド２０により固定され、保持板２１は半径方向外方に開いている、ボトル首部に対するＵ形切欠部２２を有している。保持板２１の上面に、上方を向く複数の尖端が設けられた支持部材２３が固定されている。支持部材２３ないしその尖端に、ふた締めされるべきボトル３はその支持リングを当接させ、したがってばね付勢された押さえホルダ１７により与えられる圧着力と協働して、ふた締めされるべきボトル３の回転が阻止される。定置案内アーチ２４により、ボトル３は切欠部２２内に保持される。案内アーチ２４はふた締め機Ｍの領域内のボトル３の搬送領域全体を包含し、且つ複数の定置ポスト２５により、ロータ１５の図示されていない非回転上部部分に固定されている。びん３に対する底部支持は設けられていない。
【００１７】
ふた締め機Ｍの領域内でロータ１５が回転するとき、図示されていない遊星歯車によりスピンドル４は固有回転を実行し、しかもその円軌道の、符号ＶおよびＲを有する角範囲内で実行する。この場合、ボトル３の正常なふた締めに対して符号Ｖを有するふた締め角が必要とされ、この場合、スピンドル４、およびヒステリシス・クラッチ６を介して駆動されるふた締めヘッド５は、通常のねじ込みキャップにおいては最大約２．７回転を実行する。その後にねじ込みキャップは設定トルクでボトル３に固くねじ込まれ、およびボトル３は正常にシールされている。円軌道の符号Ｒを有する残余角の範囲内でスピンドル４はさらに回転されるが、ここで正常な場合にはふた締めヘッド５は停止したままであり、この場合、ヒステリシス・クラッチ６により滑りが行われる。
【００１８】
残余角Ｒの範囲内にふた締めヘッド５の回転数をモニタリングするための定置検出装置８が配置されている。検出装置８は案内アーチ２４ないしその支持ポスト２５上に剛に固定され、しかも永久磁石７の高さに固定されている。検出装置８は、スピンドル４の円軌道において、軸１４の方向を向くそのセンサ面が僅かな間隔を有して存在する。センサ面の範囲内で、検出装置８のハウジング内に良好な導電率を有する細長コイル９が液密をなして埋め込まれ、コイル９は検出回路２６と結合されている。コイル９は水平方向に向けられ且つこの実施態様においては正確に残余角Ｒを包含している。
【００１９】
ふた締めヘッド５が固有回転を実行することなく検出装置８の横を通過した場合、永久磁石７の角位置に応じてそれぞれコイル９内にある大きさの一定電圧が誘導される。これに対して、ふた締めヘッド５が検出装置８の横を通過するときに固有回転を実行した場合、コイル９の横を通過する永久磁石７により脈動電圧または交番電圧が誘導される。この異なる電圧経過または信号経過は確実に区別することができる。検出回路２６は、それが脈動電圧または交番電圧を検出したときにエラー信号を発生する。このエラー信号は検出装置８に接続されている評価装置２７に伝送される。
【００２０】
評価装置２７は最も簡単な場合にはアラーム信号を出力し、これによりオペレータは空転するふた締めヘッド５を検出し、空転するふた締めヘッド５は本明細書の冒頭に記載の障害ａ）−ｃ）のいずれかを指示するものである。評価装置２７はエラー信号を入力したとき、空転するふた締めヘッド５により処理されたびん３の選別を行うこともまた可能である。選別は、例えば搬出星形車１２内の図示されていない制御可能なクランプにより行うことができ、搬出星形車１２は欠陥を有するボトルを固有のコンベヤ軌道２８上へ選別する。さらに、評価装置２７を図示されていないボトル・センサと結合することが有利であり、ボトル・センサは、ボトル３が存在しない場合に、このとき空転するふた締めヘッド５により誤ったエラー信号が出力されることを防止する。さらに、評価装置２７が空転するふた締めヘッドを特定し且つ指示することが可能であり、このために例えばロータ１５の正確な角位置をモニタリングする角コーダが接続されている。角コーダは、ロータ５ないしスピンドル４のそれぞれの速度を評価装置２７または検出回路２６に伝送するためにも有利である。
【００２１】
この場合、ふた締めヘッド５における永久磁石７と検出装置８との間にさらに磁気クラッチ６のヒステリシス・リング２が配置されている。ヒステリシス・リング２は確かに高い透磁率を有しているが、それ自身磁界を有していないので、コイル９による評価はヒステリシス・リング２によって妨害されることはない。即ち、永久磁石７により発生された磁界はヒステリシス・リング２内を通過してコイル９まで到達する。
【００２２】
上記の実施態様とは異なり、検出装置８はふた締めヘッド５のさらに大きな円運動角を包含してもよく、および検出装置８が複数のコイル９を有していてもよい。所定の位置においてふた締めヘッド５が回転しているかどうかをモニタリングすること、および例えばふた締め角Ｖ内で固有回転を実行していないときにエラー信号を発生することもまた可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 充填装置内に組み込まれているペット・ボトル用ふた締め機の概略を示す平面図である。
【図２】 角Ｒの範囲内における、図１に示すふた締め機の個々のふた締め装置の垂直断面図である。
【図３】 図２に示すふた締め装置の磁石の配置の平面図である。
【図４】 図２に示すふた締め装置のヒステリシス・リングの平面図である。

Claims (4)

1. 駆動可能なスピンドル（４）およびスピンドル（４）に対して相対回転可能なふた締めヘッド（５）を備え、スピンドルとふた締めヘッドとの間に、ふた締めヘッドと一体に結合された複数の永久磁石（７）を有する磁気クラッチ（６）が配置されている、ねじ込みキャップを容器（３）にねじ込むための装置（１）において、
   永久磁石（７）の円運動範囲内に誘導形の検出装置（８）が配置され、前記検出装置（８）は少なくとも１つの電気コイル（９）を有し、その横を通過中に回転する永久磁石（７）により電気コイル（９）内に電圧が誘導され、それにより前記検出装置（８）は永久磁石（７）の運動状態を検出し、
   前記検出装置（８）がふた締めヘッド（５）の円軌道のふた締め角（Ｖ）に続く残余角（Ｒ）内に配置され、残余角（Ｒ）内においては、通常、正常なふた締め過程においてふた締めヘッド（５）の固有回転が行われないことを特徴とする装置。
2. 検出装置（８）がふた締めヘッド（５）に対向して固定配置されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. ふた締めヘッド（５）が円軌道上を円運動し、かつ検出装置（８）がふた締めヘッド（５）の円軌道上で永久磁石（７）の高さに定置配置されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
4. 検出装置（８）に評価装置（２７）が接続され、評価装置（２７）は、検出装置（８）により記録された、永久磁石（７）のエラー運動状態がある場合にアラームを作動させ、空転するふた締めヘッド（５）により処理された容器の排除または空転するふた締めヘッド（５）の特定を行うことを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の装置。

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