JP4184373B2 - 通信装置、通信方法、通信プログラム、通信プログラムを記録した記録媒体、および通信システム - Google Patents

通信装置、通信方法、通信プログラム、通信プログラムを記録した記録媒体、および通信システム Download PDF

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Description

本発明は、たとえば無線通信などの伝送路の通信状況が大きく変動する通信経路を介して、ストリームデータなどの送信を行う通信装置、通信方法、通信プログラム、通信プログラムを記録した記録媒体、および通信システムに関するものである。
近年、通信技術の発展により、LAN(Local Area Network)構築時における配線の煩雑さの解消や、距離をおいて配置されたチューナなどのAVソースとディスプレイなどのAV再生装置との通信接続などを目的として、無線通信を利用した無線通信システムが利用されている。
また、インターネット接続の手段の一つとして、既存の電力線を用いた電力線通信システムなどの利用も提案されており、次世代の通信システムとして期待されている。
しかしながら、無線通信システムは、無線通信における伝送距離が長くなればなるほど、マルチパスフェージングの影響を受けやすいという問題がある。また、電力線通信システムは、家庭内で使用されている家電製品からのノイズの影響を受けやすいという問題がある。これらの問題によって、悪化した通信環境において映像などのリアルタイム性が必要なストリームデータを送信するような場合には、データの損失が発生しやすくなり、その結果、映像乱れを引き起こすことになる。したがって、ユーザはストリームデータの視聴を快適に楽しむことができないという状況が生じる。このような問題を解消するために、上記のような無線通信システムや電力線通信システムでは、伝送誤り率、およびジッタ(遅延情報)などで示されるQoS(Quality of Service)を確保した制御が必要となる。
映像乱れを抑える一つの方法として、動的に変化する通信環境に合わせて、送信する映像の圧縮率を変化させる映像レート制御技術がある。映像レート制御技術は、通信環境が悪化した場合には送信するストリームデータの圧縮率を高くして(符号化速度を低くして)伝送し、通信状態が良好になった場合には圧縮率を低くして(符号化速度を高くして)、実際に伝送するデータの量を調整する方法である。
また、映像レート制御には、既に任意の圧縮率で符号化されているストリームデータを別の圧縮率で符号化しなおすトランスレート技術と、アナログ入力されたストリームデータを任意の圧縮率で符号化するエンコード技術とがある。
なお、「通信環境が悪化した場合」とは、伝送路の実効帯域が小さくなっている状態を示している。すなわち、通信環境が悪化した場合には、上記のように伝送するデータの量を減らすことによって映像乱れを軽減させることができる。
この映像レート制御技術を用いた公知技術として、たとえば後述する特許文献1には、次のような通信制御方法が開示されている。この通信制御方法は、RTP(Real−time Transport protocol)およびRTCP(RTP Control Protocol)を利用している。そして、受信局において測定されたジッタおよびパケット損失率の情報が送信局に伝送され、送信局が伝送路状態の推定を行い、送信するデータのビットレートを調整する。
また、別の通信制御方法として、たとえば後述する特許文献2には、次のような方法が開示されている。まず、受信局が受信レベルの測定を行って伝送レートの要求値を算出し、その作業をnサンプル分行って平均値を算出する。そして受信局は、過去の実績を考慮してコンテンツレートの変更指示を送信局側に対して行う。送信局は、受信局からの変更指示に従ってコンテンツレートを変更する。
上記特許文献1および特許文献2は、ストリームデータのレートを調整することによって伝送路の実効帯域が小さくなった場合でも映像乱れを抑えることを可能とする技術を開示している。一方、映像乱れを抑える別の方法としては、安定した伝送路を確保するように制御する方法、または伝送路状態が悪化して小さくなってしまった実効帯域を大きくするように制御する方法がある。
たとえば無線LANの分野では、QoSを考慮した規格としてIEEE 802. 11のTGe(Task Group E)で策定している規格(以下802.11eと称する)が提案されている(非特許文献1参照)。
802.11eでは、分散制御型であるEDCA(Enhanced Distributed Channel Access)による通信制御と、中央制御型であるHCCA(Hybrid Coordinator Function Controlled Channel Access)による通信制御とが行われる。EDCAは、各通信局が優先順位に基づく確率で送信権が与えられる通信制御である。一方、HCCAは、HC(Hybrid Cordinator)の指揮のもとに各通信局が通信チャンネルにアクセス可能とする通信制御である。ストリームデータの送信が行われる場合には、HCCAによる通信制御によって帯域が確保されていることが好ましい。このようにHCによって帯域が管理されている場合には、送信局に対して一定の通信帯域が所定の期間で割り当てられることが保障されているため、安定した伝送が可能となる。
しかしながら、HCCAによって帯域が確保されている場合でも、無線による通信が行われる際には、通信局同士の距離が通信可能範囲を越えている場合に生じる隠れ端末の問題や、通信距離の制限などによってエラーが多発する場合がある。このような場合、データ送信における誤り耐性をより強いものに変更することによって伝送誤りを低減させ、これによって実効帯域を大きくすることができる場合がある。
誤り耐性を変更する手段としては、送信データにRead Solomon符号やターボ符号などの誤り訂正符号(FEC)を適用する方法や、物理層での伝送レート(以降、PHYレートと称する)の種類を変更する方法がある。たとえば、無線LANの規格であるIEEE802.11aにおいては、PHYレートは、BPSK、QPSK、およびQAMなどの変調方式と、畳み込み符号の符号化率との組み合わせによって決定される。
しかしながら、誤り耐性を強くすることと通信帯域を大きくすることとは通常はトレードオフの関係にある。すなわち、通信状況が良好であるときに誤り耐性を強くすると、通信帯域が減少することになる。
特開2002−204278号公報(公開日2002年7月19日) 特開2004−153610号公報(公開日2004年5月27日) IEEE STD 802.11e Draft10.0 September 2004
特許文献1および特許文献2に開示されている方法によれば、受信局がジッタおよびパケット損失率の情報、または受信レベルを用いて帯域の状態を推定し、その情報をもつパケットを特別に作成して送信局にフィードバックし、送信局が映像レート制御を行うことによって高品質な映像伝送を行うことができる。しかしながら、受信局が通信状態を測定し、その情報を送信局に対してフィードバックしているため、通信路に人や機器などの遮蔽物が通過するなどといった環境の変化により通信路の状態が急激に変化した場合には、送信局がフィードバック情報を受信してから映像レート制御を行うまでの遅延が発生するため、通信環境の悪化に対する映像レート制御の追従が遅れる可能性がある。また、通信環境の悪化により、受信局からのフィードバック情報自体が送信局に届かなくなり、送信局が通信環境を知り得ない状況が発生する可能性もある。
また、受信局が測定したジッタおよびパケット損失率、または受信レベルに基づいて送信局が帯域の状態を推定することは容易ではない。詳しく説明すると、通信環境が悪化した場合には、送信局が送信したデータ量に対する受信局での受信成功データ量の割合に基づき、現在の送信しているデータ量からどれだけデータ量を減少させるべきか、つまり、現在の映像レートからどれだけ下げるべきかの推定が容易に行える。
しかしながら、通信環境が回復し、送信局が送信したデータ量と受信局での受信成功データ量が等しくなるような場合は、現在送信しているデータ量からどれだけデータ量を増加させることができるか、つまり現在の映像レートからどれだけ上げることができるかの推定を行うのが容易ではない。この場合、テーブルなどを参照して少しずつレートを上げていく手法が通常行われることになるが、このような手法では、映像レート制御の追従が遅くなるという問題がある。
さらに、受信局に、通信路状況を測定するための機構、および、通信路状況を送信局にフィードバックする機構が必要となるため、受信局の回路構成が複雑になり、コストアップの要因となるという問題がある。
一方、安定した通信帯域を確保する技術としては、非特許文献1に開示されているHCCAによる通信制御によって通信帯域を確保することは有効である。また、隠れ端末の問題や、通信距離の制限などによりエラーが多発する場合には、HCCAによる通信制御をより厳格に行うようにしたり、データ送信における誤り耐性をより強いものに変更したりすることにより、実効帯域を大きくすることが可能となる。しかしながら、現在の技術では誤り耐性を制御する方法は、特許文献1および特許文献2で開示されているように、ジッタおよびパケット損失率、または受信レベルを受信局が測定し、その情報が送信局にフィードバックされることによって誤り耐性を制御する方法が一般的に行われている。よって、映像レート制御の場合と同様に、通信環境が良好になった時には誤り耐性をどれぐらい弱いものに変更できるかを推定することは容易ではない。
また、現時点ではHCCAによる通信制御によって帯域を確保して伝送を行う通信装置は少なく、通信帯域を確保しないで通信を行う通信装置の方が圧倒的に多い。よって、HCCAによる通信制御によって帯域が確保されている場合だけでなく、IEEE802.11eに記載されている、優先順位に基づき確率的に通信権が与えられるEDCAなどで通信を行う場合も考慮した制御が必要である。
さらに上に記した従来手法では、受信局が帯域の状態を推定し、送信局はその帯域の状況変化に追従する形態で制御を行っている。しかし、無線通信路は帯域の変化が非常に激しい媒体であるため、無線通信路の帯域変化に即した形で符号化速度(映像レート)の変更を行うことは必ずしも得策とは言えない。たとえば無線通信路の帯域が急激に劣化した場合、それに合わせるように符号化速度も急激に減少させると、それは目に見える映像劣化を引き起こす。しかしこの無線通信路の劣化はしばらくすると元の状態に回復する可能性も大きい。たとえばストリームデータが受信局で再生されるまでの制限時間(ストリームデータの有効期限)が比較的長い場合には、しばらく無線通信路の様子を見てから制御を行う方が良い制御を行うことができる可能性がある。しかし送信しているストリームデータが受信局で再生されるまでの制限時間(ストリームデータの有効期限)が短い場合には、無線通信路の劣化とともに符号化速度も急いで減少させなければ手遅れになる可能性が高い。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、様々な通信状況、通信設定の中でリアルタイム性のあるストリームデータを伝送する場合において、受信局側が特別に作成するフィードバック情報を必要とせず、送信局側において通信環境の変化に対する反応速度の速い映像レート制御(すなわち、符号化速度の設定制御)および/または誤り耐性制御を適用することにより、通信乱れを軽減することができる通信装置、通信方法、通信プログラム、通信プログラムを記録した記録媒体、および通信システムを提供することである。
本発明にかかる通信装置は、上記課題を解決するために、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信装置であって、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、上記符号化速度管理部は、ストリームデータの有効期限の情報に基づいて符号化速度を決定する符号化速度決定部を有することを特徴としている。
また、本発明にかかる通信方法は、上記課題を解決するために、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信方法であって、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更ステップと、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理ステップとを備え、上記符号化速度管理ステップでは、ストリームデータの有効期限の情報に基づいて符号化速度を決定することを特徴としている。
ここで、上記「ストリームデータの有効期限」とは、ストリームデータが送信側の通信装置から送信されてから受信局で再生されなければならない制限時間のことを言う。
上記の構成および方法では、送信局はストリームデータの有効期限の情報を知っているので、それが比較的長い場合にはしばらく無線通信路の様子を見てから制御を行い、比較的短い場合には無線通信路の劣化とともに符号化速度も急いで減少させる、といったように符号化速度制御の挙動をストリームデータの有効期限に応じて変化させることが可能となる。
本発明の通信装置において、上記符号化速度決定部は、上記符号化速度変更部に対して符号化速度変更の指示を与えてから、実際に符号化速度変更部が符号化速度を変更するまでの遅延時間(Tdelay)の情報に基づいて、符号化速度を決定してもよい。
また、本発明の通信装置は、上記課題を解決するために、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信装置であって、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、上記符号化速度管理部は、上記符号化速度変更部に対して符号化速度変更の指示を与えてから、実際に符号化速度変更部が符号化速度を変更するまでの遅延時間の情報に基づいて、符号化速度を決定する符号化速度決定部を有することを特徴としている。
また、本発明に係る通信方法は、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信方法であって、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更ステップと、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理ステップとを備え、上記符号化速度管理ステップでは、上記符号化速度変更ステップにおいて符号化速度変更の指示を受けてから、実際に符号化速度変更ステップにおいて符号化速度が変更されるまでの遅延時間の情報に基づいて、符号化速度を決定することを特徴としている。
ここで、上記符号化速度変更部は、符号化速度変更の指示を受けてから実際に符号化速度を変更できるまでにある程度の遅延時間を要し、かつ、符号化速度変更の指示を受けてもある一定期間はそれまでに設定されていた符号化速度で符号化する。上記「上記符号化速度変更ステップにおいて符号化速度変更の指示を受けてから、実際に符号化速度変更ステップにおいて符号化速度が変更されるまでの遅延時間」とは上記符号化速度変更部が符号化速度変更をできない期間を考慮して求められる時間である。この遅延時間は一般的な符号化速度変更部がもつ特徴である。
上記の構成および方法では、送信局は上記符号化速度変更ステップにおいて符号化速度変更の指示を受けてから、実際に符号化速度変更ステップにおいて符号化速度が変更されるまでの最大遅延時間を知っているので、その最大遅延時間の間は符号化速度が変更されないことを常に考慮することによって、実際にその時間符号化速度が変更されない場合でも、適切な符号化速度制御を行うことが可能となる。
本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、送信すべきデータを一時的に蓄積する送信バッファと、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部とをさらに備え、上記符号化速度管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求める送信容量算出部をさらに備え、上記符号化速度決定部は、上記送信容量と上記送信バッファ内のデータ蓄積量とにさらに基づいて、符号化速度を決定してもよい。
本発明の通信装置において、上記符号化速度決定部は、将来の送信容量(Rp)が現在の送信容量(R)よりも常に小さくなると予測して、その予測された将来の送信容量に基づいて符号化速度を決定してもよい。
本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、上記符号化速度管理部は、上記送信容量算出部において求められた送信容量を記憶する送信容量記憶部をさらに備え、上記符号化速度決定部は、上記送信容量記憶部に記憶されている過去の送信容量と上記送信バッファ内のデータ蓄積量とに基づいて、符号化速度を決定してもよい。
また、本発明にかかる通信装置は、上記課題を解決するために、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信装置であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部と、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、上記符号化速度管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求める送信容量算出部と、上記送信容量が将来においては常に小さくなると予測し、その予測された送信容量に基づいて符号化速度を決定する符号化速度決定部とを有することを特徴としている。
また、本発明にかかる通信方法は、上記課題を解決するために、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信方法であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定ステップと、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更ステップと、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理ステップとを備え、上記符号化速度管理ステップでは、上記通信路状況測定ステップで測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求めた後、上記送信容量が将来において常に小さくなると予測し、その予測された送信容量に基づいて符号化速度を決定することを特徴としている。
上記の構成および方法では、通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求め、この送信容量が常に小さくなると予測して符号化速度を決定している。ここで、送信容量とは、所定期間中に測定された通信状況において単位時間あたりに送信可能なデータ量(スループットともいう)である。そのため、この送信容量を算出すれば、受信側への送達が成功したと予測されるデータ量を認識することが可能となり、通信状況の指標として利用することが可能となる。また、ここで「送信容量が常に低下すると予測」するとは、例えば、測定された現在の送信容量に対して、その直後からの送信容量が常に1/3になると予測することである。つまり、常に送信容量が現在の値より低下すると予測しておくことで、実際に送信容量が低下した場合に映像乱れの発生を抑制することが可能となる。
また、本発明にかかる通信装置は、上記課題を解決するために、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信装置であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部と、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、上記符号化速度管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求める送信容量算出部と、上記送信容量算出部において求められた送信容量を記憶する送信容量記憶部と、上記送信容量記憶部に記憶されている過去の送信容量の履歴に基づいて符号化速度を決定する符号化速度決定部とを有することを特徴としている。
また、本発明にかかる通信方法は、上記課題を解決するために、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信方法であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定ステップと、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更ステップと、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理ステップとを備え、上記符号化速度管理ステップでは、上記通信路状況測定ステップで測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求めた後、求められた送信容量を記憶し、記憶されている過去の送信容量の履歴に基づいて符号化速度を決定することを特徴としている。
上記の構成および方法では、通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求め、この送信容量を記憶しておき、記憶された過去の送信容量の履歴に基づいて符号化速度を決定している。ここで、送信容量とは、所定期間中に測定された通信状況において単位時間あたりに送信可能なデータ量(スループットともいう)である。そのため、この送信容量を算出すれば、受信側への送達が成功したと予測されるデータ量を認識することが可能となり、通信状況の指標として利用することが可能となる。また、ここで「過去の送信容量の履歴」とは、たとえば、符号化速度決定部が次の符号化速度を決定する直前の数秒間(具体的には、1秒間)に随時記憶される各送信容量のことを意味する。つまり、過去の送信容量の履歴を見れば、今後の通信状況の動向を予測すること、特に今後どの程度通信状況が悪化するかを予測することが可能となる。
従来では、前記したように、送信装置は、受信装置側で測定された通信状態に関する情報を受信装置から受信し、この情報に基づいて符号化速度の変更を行っていた。この場合、通信状況が悪化している場合などには、受信装置から送られてくる通信状態に関する情報自体の受信が失敗することが考えられ、これにより符号化速度の変更のタイミングが遅れるという問題があった。また、受信装置に、通信状態を測定し、通信状態に関する情報を送信装置へ送信する手段を設ける必要も生じていた。
これに対して、上記の構成および方法によれば、送信側の通信装置において測定された通信状況に基づいて符号化速度の設定制御を行うことによって、受信側の通信装置が特別に作成するフィードバック情報を必要とせず、通信環境の変化に迅速に追従することができる。また、現在の送信容量の値よりも小さい予測送信容量に基づいて、または、過去の送信容量の履歴に基づいて符号化速度の設定制御を行うことによって、通信状況が悪化した場合を想定した制御を行うことができ、急激な通信状況の悪化が発生した場合に発生する通信乱れを軽減することができる。
本発明にかかる通信装置は、上記課題を解決するために、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信を行う通信装置であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部と、送信されるパケットに誤り耐性を付加する誤り耐性付加部と、上記誤り耐性付加部において付加する誤り耐性を制御する誤り耐性管理部とを備え、上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットのパケットエラー率を求め、上記パケットエラー率が閾値以上になった場合に誤り耐性をより強くするように変更し、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、上記通信状況測定部で測定された通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするように制御することを特徴としている。
本発明にかかる通信方法は、上記課題を解決するために、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信を行う通信方法であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定ステップと、送信されるパケットに誤り耐性を付加する誤り耐性付加ステップと、上記誤り耐性付加ステップにおいて付加する誤り耐性を制御する誤り耐性管理ステップとを備え、上記誤り耐性管理ステップでは、上記通信路状況測定ステップで測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットのパケットエラー率を求め、上記パケットエラー率が閾値以上になった場合に誤り耐性をより強くするように変更し、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、上記通信状況測定ステップで測定された通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするように制御することを特徴としている。
上記の構成および方法では、通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットのパケットエラー率を求めている。ここで、パケットエラー率とは、送信したパケットの総数に対する、受信エラーの情報をもつ受信確認応答が帰ってきたパケットの数と受信確認応答が返ってこなかったパケットの数との和の割合である。そのため、パケットエラー率が高くなった場合には、通信状況が悪化していることが予測される。そこで、上記の構成および方法では、算出されたパケットエラー率が閾値以上になった場合には、誤り耐性を強くするような制御を行う。また、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするような制御を行う。
このように、本発明における誤り耐性の制御は、送信側の通信装置において測定された通信状況に基づいて誤り耐性制御を行うことによって、受信側の通信装置が作成する特別なフィードバック情報を必要とせず、通信環境の変化に迅速に追従することができる。また、パケットエラー率が高くなったことを通信状況が悪化したことの指標として誤り耐性を強くする制御を行えば、現在の通信状況を的確に把握した制御を行うことができる。さらに、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合に、通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くする制御を行えば、通信状況が回復した場合に即座に追従可能である。
本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、送信されるパケットに誤り耐性を付加する誤り耐性付加部と、上記誤り耐性付加部において付加する誤り耐性を制御する誤り耐性管理部とをさらに備え、上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットのパケットエラー率を求め、上記パケットエラー率が閾値以上になった場合に誤り耐性をより強くするように変更し、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、上記通信状況測定部で測定された通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするように制御してもよい。
上記の構成によれば、通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、ストリームデータの符号化速度が決定されるだけではなく、所定期間中に送信されるパケットのパケットエラー率を求めることによって、送信されるパケットに付与される誤り耐性も変更されるようになっている。よって、送信側の通信装置において遅滞なく通信状態の測定が行われ、これに基づいて符号化速度および誤り耐性が変更されるので、通信状態の変化に迅速に追従する符号化速度および誤り耐性の変更制御を行うことが可能となり、映像乱れをより軽減することができる。また、上記の符号化速度の決定と上記の誤り耐性制御とをそれぞれ単独で使用する場合に比べ、通信装置においてデータを一時的に蓄積するために必要となる送信バッファの量を減らすことができるため、コストの増大を防ぐことができる。
本発明の通信装置において、上記符号化速度決定部は、上記送信容量記憶部に記憶されている過去の送信容量のうち、容量が最も小さい最悪送信容量に基づいて符号化速度を決定することが好ましい。
上記の構成によれば、送信容量記憶部に記憶されている過去の送信容量の履歴のうち、最悪の送信容量に基づいて符号化速度を決定することで、常に最悪の通信環境が発生することを想定して符号化速度を制御することができる。これによって、急激に通信状況が悪化した場合にも映像乱れを発生させることなくストリームデータの送信を行うことができる。なお、上記最悪送信容量とは、具体的には、記憶されている過去の送信容量の中で最小の送信容量のことを言う。
本発明の通信装置において、上記符号化速度決定部は、符号化速度に、上限値および下限値の少なくとも一方を設けることが好ましい。
上記の構成によれば、符号化速度の制御を上限値および/または下限値の範囲内で行うことができる。このように、符号化速度の上限値を設定することが可能となることにより、必要とされる通信品質以上に符号化速度が高く設定されることによって通信帯域を必要以上に占有することや、通信環境が悪化した場合に送信失敗が多く発生することを抑制することが可能となる。また、符号化速度の下限値を設定することが可能となることにより、最低限の通信品質を確保することが可能となる。
本発明の通信装置において、上記符号化速度変更部は、上記符号化速度決定部により決定された符号化速度、または、同じ内容のストリームデータについて符号化された複数の符号化速度のうち上記符号化速度決定部により決定された符号化速度に最も近い符号化速度に、ストリームデータの符号化速度を変更することが好ましい。
上記の構成によれば、ストリームデータ送信中に符号化速度を符号化速度決定部で求められた符号化速度通りに変更できる機能をもたない機器でも、あらかじめ用意してある符号化速度の異なる複数のストリームデータから、符号化速度決定部で求められた符号化速度に最も近い符号化速度のストリームデータを選択して送信することによって、符号化速度を変更しながらストリームデータ通信を行うのと同等の効果が得られる。
本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、上記通信媒体を介してデータ伝送を行う際の物理層としての機能を有する通信部を備え、上記通信路状況測定部が、上記通信部における物理層が設定している物理層通信速度およびパケットエラー率を測定するとともに、上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部によって測定される物理層通信速度および上記パケットエラー率に基づいて、上記送信容量を算出することが好ましい。
上記の構成によれば、通信路状況測定部によって測定された物理層通信速度およびパケットエラー率に基づいて、符号化速度管理部および/または誤り耐性管理部が、現在の送信容量を正確に算出することができる。
本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、上記物理層通信速度と所定期間中に送信可能な最大送信容量との関係を示すテーブルを記憶するテーブル記憶部をさらに備えるとともに、上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部において測定された物理層通信速度に基づいて、上記テーブルから該当する最大送信容量を取得し、上記最大送信容量と上記通信路状況測定部において測定されたパケットエラー率とに基づいて送信容量を算出することが好ましい。
上記の構成によれば、上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記テーブルから該当する最大送信容量を容易に取得することができるため、送信容量の算出を短時間で行うことができる。
本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、上記通信路状況測定部が、所定の期間において当該通信装置に割り当てられた通信帯域をさらに測定するとともに、上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記物理層通信速度および上記通信帯域の情報に基づいて上記送信容量を算出することが好ましい。
上記の構成によれば、物理層通信速度に加えて、所定の期間において当該通信装置に割り当てられた通信帯域の情報に基づいて送信容量が算出されることになる。したがって、外部の通信制御装置によって帯域の割り当てが行われる場合において、該通信制御装置との通信状況が悪くなった場合に、当該通信装置に対して割り当てられる帯域が小さくなったとしても、実際に割り当てられた帯域に基づいて送信容量を算出することが可能となる。よって、より精度の高い送信容量の予測を行うことが可能となる。
本発明の通信装置において、上記通信路状況測定部が、所定の期間において当該通信装置が占有した占有帯域幅および空き帯域幅をさらに測定するとともに、上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記物理層通信速度、ならびに、上記占有帯域幅および上記空き帯域幅の情報に基づいて上記送信容量を算出することが好ましい。
上記の構成によれば、物理層通信速度に加えて、所定の期間において当該通信装置占有帯域幅および上記空き帯域幅の情報に基づいて送信容量が算出されることになる。したがって、確率的に送信権が与えられる通信が行われる場合においても、より的確に送信容量を算出することが可能となる。
本発明の通信装置において、上記符号化速度管理部は、上記通信路状況測定部によって測定される送信成功データ量に基づいて、上記送信容量を算出することが好ましい。
上記の構成によれば、送信成功データ量のみの情報から送信容量を算出するため、物理層通信速度、パケットエラー率、テーブルなどの情報が必要なく、割当てられた帯域や占有帯域および空き帯域を考慮する必要もないので、簡単に送信容量を算出することができ、様々な機器へ搭載する際の汎用性も高い。
本発明の通信装置において、上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部において測定したパケットエラー率に基づいて現在の送信容量を算出し、上記現在の送信容量と、誤り耐性を強くした場合に送信可能な最大送信容量との比較を行い、上記現在の送信容量が上記誤り耐性を強くした場合の最大送信容量を下回った場合に、誤り耐性を強くするように制御することが好ましい。
上記の構成によれば、パケットエラー率を基にして算出された現在の送信容量が、誤り耐性を強くした場合に送信可能な最大送信容量よりも小さい場合に、誤り耐性を強くするように変更する。ここで、算出された現在の送信容量が、誤り耐性を強くした場合に送信可能な最大送信容量よりも小さい場合とは、現在の通信状況では送信される通信容量が小さく、通信状況があまり良好ではない状態を意味する。そして、たとえ通信帯域を小さくなったとしても、誤り耐性を強くしたほうが、送信容量が大きくなり、良好な通信を行うことができることを示している。そのため、上記のような制御を行えば、現在の通信状況が誤り耐性を強くすべき状態であることを的確に認識し、誤り耐性の制御を行うことが可能となる。なお、このような誤り耐性の制御を行う場合において、誤り耐性が変更されないときは通信状況が良好であると判断できる。
本発明の通信装置において、上記誤り耐性管理部は、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合に、誤り耐性を弱くするように制御することが好ましい。
一般に、誤り耐性を強くすることと通信帯域を大きくすることとは通常はトレードオフの関係にある。それゆえ、通信状況が良好であるときに誤り耐性を強くすると、通信帯域を不用意に小さくしてしまうため、好ましくない。また、使用している誤り耐性において通信状況が良好であるからといって、誤り耐性を弱くした場合にも通信状況が良好であるとは限らず、誤り耐性を弱くすることによって送信容量が大きくなるかどうかの判断は困難である。
上記の構成によれば、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合には、通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くして通信帯域を大きくする制御を容易に行うことができる。また、ここで一旦誤り耐性を弱くした場合に通信状況が悪化したとしても、上述のような誤り耐性を強くする制御を行うことで、誤り耐性をすぐに強くすることができるため、全体的な送信容量は低下することなく高い状態を維持することができる。
本発明の通信装置は、上記構成に加えて、上記通信媒体を介してデータ伝送を行う際の物理層としての機能を有する通信部を備え、上記誤り耐性管理部は、上記通信部における物理層が設定している物理層通信速度を変更することによって誤り耐性を制御することが好ましい。
上記の構成によれば、物理層通信速度を低下させることによって誤り耐性は大幅に改善されるため、上記物理層通信速度を変更することによって迅速かつ的確に誤り耐性制御を行うことが可能となる。
本発明の通信装置において、上記誤り耐性管理部が、上記誤り耐性付加部に対して、誤り訂正符号の符号化方式および/または符号化パラメータを変更する指示を行うことによって誤り耐性を制御することが好ましい。
上記において、誤り訂正符号の符号化方式とは、たとえば後述する誤り訂正符号の変調方式に対応するものであり、符号化パラメータとは、たとえば後述する符号化率に対応するものである。上記の構成によれば、誤り訂正符号の符号化方式および/または符号化パラメータが変更されることによって誤り耐性が変更されるので、的確に誤り耐性の制御を行うことが可能となる。
また、本発明の通信装置は、上記課題を解決するために、複数の中継局を介して外部の受信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信装置であって、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、上記符号化速度管理部は、上記通信装置が送信したデータ量の合計と、上記受信装置が受信したデータ量の合計とを比較することで、上記通信装置および上記複数の中継局のそれぞれにおける送信バッファ内のデータ蓄積量を予測し、当該予測されたデータ蓄積量と、上記受信装置の受信データ量とに基づき、符号化速度を決定することを特徴としている。
また、本発明の通信方法は、上記課題を解決するために、通信装置から複数の中継局を介して外部の受信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信方法であって、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更ステップと、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理ステップとを備え、上記符号化速度管理ステップでは、上記通信装置が送信したデータ量の合計と、上記受信装置が受信したデータ量の合計とを比較することで、上記通信装置および上記複数の中継局のそれぞれにおける送信バッファ内のデータ蓄積量を予測し、当該予測されたデータ蓄積量と、上記受信装置の受信データ量とに基づき、符号化速度を決定することを特徴としている。
上記構成および方法によれば、通信装置と受信装置の間に複数の中継局が存在するインターネットや携帯電話のネットワーク網にも、本発明の符号化速度制御を適用することが可能となり、さらに、受信装置や複数の中継局に対して、符号化速度のために特別なフィードバック情報の作成を行う機構を設ける必要がない。
なお、上記通信装置の通信制御は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として動作させることにより上記通信装置をコンピュータにて実現させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
また、本発明にかかる通信システムは、上記のいずれかの通信装置と、上記通信装置と通信媒体を介して通信可能であり、該通信装置からストリームデータを受信する受信装置とを備えたことを特徴としている。
これにより、通信媒体における通信状態に応じて適切なデータ伝送が行われる通信システムを構築することが可能となる。
本発明にかかる通信装置は、以上のように、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信装置であって、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、上記符号化速度管理部は、ストリームデータの有効期限の情報に基づいて符号化速度を決定する符号化速度決定部を有するものである。
それゆえ、上記の構成によれば、送信局はストリームデータの有効期限の情報を知っているので、ストリームデータの有効期限の長短に応じて符号化速度制御の挙動を変化させることが可能となる。
また、本発明にかかる通信装置は、以上のように、通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部と、ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備えるものである。
上記符号化速度管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求める送信容量算出部と、上記送信容量算出部において求められた送信容量より小さい値となる予測送信容量を求める予測送信容量算出部、上記予測送信容量算出部において求められた予測送信容量に基づいて符号化速度を決定する符号化速度決定部とを有するものである。
また、上記符号化速度管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求める送信容量算出部と、上記送信容量算出部において求められた送信容量を記憶する送信容量記憶部と、上記送信容量記憶部に記憶されている過去の送信容量の履歴に基づいて符号化速度を決定する符号化速度決定部とを有するものであってもよい。
また、本発明にかかる通信装置は、以上のように、通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部と、送信されるパケットに誤り耐性を付加する誤り耐性付加部と、上記誤り耐性付加部において付加する誤り耐性を制御する誤り耐性管理部とを備え、上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットのパケットエラー率を求め、上記パケットエラー率が閾値以上になった場合に誤り耐性をより強くするように変更し、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、上記通信状況測定部で測定された通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするように制御するものである。
それゆえ、上記の構成によれば、送信側の通信装置において測定された通信状況に基づいて符号化速度の設定制御あるいは誤り耐性制御を行うことによって、受信側の通信装置が特別に作成するフィードバック情報を必要とせず、通信環境の変化に迅速に追従する制御を行うことができるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態について図1ないし図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態では、受信局側が作成する特別なフィードバック情報を必要とせず、送信局側において通信環境の変化に対する反応速度の速い符号化速度制御および誤り耐性制御を適用することにより、映像乱れを軽減することができる送信装置(通信装置)、および、この送信装置を含んで構成される通信システムを例に挙げて説明する。
まず、本実施の形態に係る通信システムの構成について説明する。図2は、本実施形態に係る通信システムの一例を示す概略構成図である。同図に示すように、該通信システムに含まれるネットワークシステム207は、送信装置(通信装置)201および受信装置202を備えた構成となっている。送信装置201と受信装置202とは、通信媒体203を介して相互に通信接続されている。
送信装置201は、通信管理機能と、リアルタイム伝送が必要な映像や音声などのストリームデータの送信に関して、符号化速度制御および/または誤り耐性制御を行いながら送信を行うデータ送信機能とを備えている。受信装置202は、ストリームデータの受信機能を備えている。
送信装置201が備える、通信管理機能とは、802.11eに規定されているHCによるHCCAおよびEDCAの通信制御のことを意味している。以降、通信管理機能をHC機能と称する。図2においては、HC機能とデータ送信機能とが同じ機器に入っている例を示しているが、実際にはそれぞれ別々の機器によって実現するようにしてもよい。すなわち、HC機能を備える通信制御装置と、データ送信機能を備える送信装置とが設けられている構成としてもよい。
また、同図においては簡単のために、ネットワークシステム207に1つの送信装置201と1つの受信装置202とが備えられた例を示しているが、実際には、ネットワークシステム207には、複数の送信装置および受信装置が設けられていてもよい。また、送信装置と受信装置とを区別して示しているが、送信装置が受信装置としての機能を有していたり、受信装置が送信装置としての機能を有していたりする構成であってもよい。
通信媒体203としては、様々な通信媒体を利用することが可能であり、特に限定されるものではない。通信媒体203の一例としては、5GHz帯の無線規格である802.11aを用いた無線通信媒体が挙げられる。この無線通信媒体を用いた場合、たとえば家庭内LANとして無線により各種機器を相互に接続するようなネットワークシステムを実現することができる。この例でいえば、送信装置201が、家庭内における全ての無線通信機器および映像ソースの管理を行うSTB(セットトップボックス)などのホームサーバとして機能する構成例が想定される。このホームサーバとしての送信装置201は、BS/CS放送、地上波デジタル放送などの放送局204や、インターネットなどの公衆網205からの映像や音声などのストリームデータを受信する機能を備えた構成とすることが想定される。また、受信装置202は、たとえばテレビなどの表示機能および音声出力機能を備えた構成とすることが想定される。このようなシステムによれば、ホームサーバとしての送信装置201が、通信媒体203における通信状況を見ながら符号化速度制御および/または誤り耐性制御を行って、外部から入力されたストリームデータをテレビとしての受信装置202に送信する、という具体的な実施例を実現することができる。
なお、上記の例では、ホームサーバとしての送信装置201には、デジタルデータが入力されている場合が想定されているが、たとえばDVD(Digital Versatile Disc)プレイヤー、BD(Blue−Ray Disc)プレイヤー、およびビデオプレイヤーなどのメディアプレイヤーとしてのアナログAVソース206からアナログデータが入力される構成とすることも可能である。この場合、ホームサーバとしての送信装置201がMPEGエンコーダなどの符号化処理を行う機能を備えることによって対応することができる。また、たとえば上記のメディアプレイヤー自身が送信装置201を内蔵している構成であっても構わない。
また、上記の例では、通信媒体203の一例として5GHz帯の無線通信媒体を挙げたが、2.4GHz帯の無線通信媒体、ミリ波帯の無線通信媒体、および、電力線を用いた通信媒体であってもよい。
ここで、上記のようなネットワークシステム207におけるストリームデータ送受信の処理の流れについて簡単に説明をしておく。最初に、送信装置201と受信装置202との間で、ジッタ情報、用意するバッファのサイズ、および送信するデータの量、ストリームデータの有効期限に関する情報など、ストリームデータのQoSに関する情報についてのネゴシエーションが行われる。そして、ネゴシエーションの結果と、HCCAで送信するのかEDCAで送信するのかに関する情報とを考慮して、送信装置201におけるHC機能が、通信帯域の確保を行えるか否かについて判定する。通信帯域が確保できる状態であれば、HC機能によってストリームデータの送信が許可される。この際に、HCCAの通信制御に基づいてデータ送信が行われる場合には、HC機能によってデータ送信のための帯域が割り当てられ、送信装置201は割り当てられた帯域であるTXOPの時間中に、実際にストリームデータの送信を開始する。また、EDCAの通信制御に基づいてデータ送信が行われる場合には、送信装置201はベストエフォートによるストリームデータの送信を開始する。
次に、本実施の形態にかかる送信装置(すなわち、上記送信装置201)について、図3を参照しながら以下に説明する。図3は送信装置201の構成例を示している。同図に示すように、送信装置201は、データ送信部1、入力部2、表示部3、チューナ部4、広域通信部5、符号化部6、およびHC機能部7を備えた構成となっている。
入力部2は、送信装置201に対するユーザからの指示入力を受け付けるものである。この入力部2は、たとえば送信装置201に備えられる各種ボタンなどによって構成される。
表示部3は、送信装置201における動作状況などを表示するものである。この表示部3は、たとえば各種インジケータランプや、液晶表示装置などによって構成される。
チューナ部4は、放送局204から送られるBS/CS放送、地上波デジタル放送などのデジタル放送を受信する処理を行うものである。広域通信部5は、たとえばインターネットなどの公衆網205からのコンテンツデータを受信する処理を行うものである。この広域通信部5は、たとえばモデムなどによって構成される。符号化部6は、アナログAVソース206からAVソースとしてのアナログデータを受信してMPEG2などのデジタルデータに変換する符号化処理を行うものである。
HC機能部7は、上記したHC機能を実現するブロックである。すなわち、送信装置201と受信装置202との間でHCCAの通信制御に基づいてデータ送受信が行われる場合に、HC機能部7が、データ送信のための帯域割当を行う。ここで、HC機能部7は、送信装置201と受信装置202との間で行われる、ジッタ情報、用意するバッファのサイズ、および送信するデータの量、ストリームデータの有効期限に関する情報など、ストリームデータのQoSに関する情報についてのネゴシエーションに基づいて、帯域割当を行う。なお、送信装置201と受信装置202との間でのデータ送受信が、全てEDCAによって行われる場合には、このHC機能部7が設けられていなくてもよい。
データ送信部1は、チューナ部4、広域通信部5、および符号化部6から送られてくるストリームデータを、通信媒体203を介して受信装置202に転送する処理を行うものである。この転送処理において、データ送信部1は、その時点での通信状況に応じて符号化速度制御および/または誤り耐性制御を行っている。このデータ送信部1における符号化速度制御および誤り耐性制御の詳細については後述する。
なお、HC機能部7によってHCCAの通信制御が行われている際には、データ送信部1は、このHC機能部7によって割り当てられた帯域の範囲でデータ送信を行うことになる。
また、データ送信部1は、表示部3に対して、現在の通信モードの設定状況、および、通信状況を表示させる制御を行うとともに、ユーザによる通信モードの設定の変更指示入力に基づいて入力部2から送られてきた制御情報を受信する処理を行う。ここでユーザによって設定可能な通信モードとしては、たとえば高品質モードと低消費電力モードとが挙げられる。高品質モードは、消費電力を抑えることよりもストリームデータの品質を高くすることを優先するモードであり、低消費電力モードは、ストリームデータの品質よりも消費電力を抑えることを優先するモードである。表示部2は、データ送信部1からの現在の通信モードの設定、通信状況の通知に従って、ユーザに対してその情報を表示する処理を行う。
次に、データ送信部1の構成について、図1に示す機能ブロック図を参照しながら以下に説明する。同図に示すように、データ送信部1は、アプリケーション101、符号化速度管理部102、符号化速度変更部103、通信路状況測定部107、送信バッファ105、誤り耐性管理部106、誤り耐性付加部107、通信部108、アンテナ109、およびテーブル記憶部110を備えた構成となっている。
アプリケーション101は、表示部3に対して、現在の通信モードの設定に関する情報、符号化速度管理部102における符号化速度の情報、および、誤り耐性管理部106において行われている誤り耐性の情報などの通信状況を通知する処理を行う。また、アプリケーション101は、通信モードの設定に基づいて、符号化速度管理部102に対して、使用する物理層での伝送レートの種類および送信電力の上限についての設定を行う。ここで、通信モードの設定は、入力部2によって受け付けられた指示入力によって行われてもよいし、通信部108を介して外部の装置、たとえば受信装置202から通信によって設定指示が行われるようになっていてもよい。また、アプリケーション101は、HC機能部7による通信制御に基づいて、通信部108における通信処理を制御する。
符号化速度管理部102は、通信路状況測定部107によって測定された現時点での通信媒体203における通信状況に従って、アプリケーション101によって設定された符号化速度の上限値および下限値の範囲内で、符号化速度変更部103に対して符号化速度の設定制御を行う。この符号化速度の設定制御の詳細については後述する。
符号化速度変更部103は、符号化速度管理部102によって設定された符号化速度に従って映像レートの制御処理を行う。すなわち、符号化速度変更部103は、チューナ部4、広域通信部5、および符号化部6のうちの少なくともいずれか1つからストリームデータを受信し、該ストリームデータに対して、設定された符号化速度に従って符号化速度の変更処理を行うことになる。
また、符号化速度変更部103は、送信装置201があらかじめ内容が同じで符号化速度が異なる複数のコンテンツを持つ場合、符号化速度管理部102において設定された符号化速度に最も近い符号化速度のコンテンツを選択する処理を行う構成としてもよい。
送信バッファ104は、符号化速度変更部103によって符号化速度が変更された、または選択されたストリームデータのパケット化を行い、該ストリームデータを一時的に記憶するものである。この送信バッファ104は、たとえばRAMなどの高速書き換え可能な記録媒体によって構成される。
誤り耐性管理部106は、通信路状況測定部107によって測定された現時点での通信媒体203における通信状況に従って、アプリケーション101によって設定された物理層での伝送速度、および送信電力の上限値の範囲内で、誤り耐性付加部105に対して誤り耐性の設定制御を行う。この誤り耐性制御の詳細については後述する。
誤り耐性付加部105は、誤り耐性管理部106によって設定された誤り耐性の設定に従って誤り耐性の付加処理を行う。すなわち、誤り耐性付加部105は、送信バッファ104に一時記憶されているパケットを読み出して、誤り耐性を付加した後に、該パケットを通信部108に伝送する処理を行うことになる。
通信部108は、誤り耐性付加部105で誤り耐性が付加されたパケットを、受信装置202に対して通信媒体203を介して送信する処理を行う。また、通信部108は、受信装置202から受信応答確認を受信し、送信したパケットがエラーであると認識した場合に、送信バッファ104に一時記憶されている送信済パケットのうち、エラーが生じたパケットに該当するパケットの再送を行うように、送信バッファ104に対して指示を行う。また、通信部108は、アプリケーション101から入力されたコマンドなどの制御情報を受信装置202との間で送受信する処理を行う。これにより、受信装置202から受信した制御情報をアプリケーション101に通知することが可能となる。
通信路状況測定部107は、通信部108から、受信装置202からのパケットの受信応答確認の受信状況を取得し、該受信状況の情報に基づいてパケットエラー率(PER:Packet Error Rate)を算出する処理を行う。なお、このパケットエラー率の算出処理の
代りに、送信成功パケットおよび送信失敗パケットの個数をカウントする処理が行われるようになっていてもよい。また、通信路状況測定部107は、現時点で使用されているPHYレート(物理層通信速度)の情報などを観測する処理を行う。
テーブル記憶部110は、PHYレートと、そのPHYレートでの最大送信容量との関係を示すテーブル(図7参照)を記憶しているものである。このテーブルの詳細については後述する。テーブル記憶部110は、たとえばROMなどの不揮発性記録媒体によって構成される。
次に、上記受信装置202について、図4を参照しながら以下に説明する。図4は受信装置202の構成例を示している。同図に示すように、受信装置202は、表示部301、復号部302、アプリケーション303、受信バッファ304、誤り耐性復号部305、通信部306、アンテナ307、および入力部308を備えた構成となっている。
入力部308は、受信装置202に対するユーザからの指示入力を受け付けるものである。この入力部308は、たとえば受信装置202に備えられる各種ボタンなどによって構成される。
表示部301は、アプリケーション303から通知された現在の通信設定、および通信状況などの情報や、復号部302によって復号されたストリームデータを表示する処理を行う。この表示部301は、たとえば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、およびCRT(Cathode Ray Tube)など、映像を表示することが可能な表示装置によって構成される。
復号部302は、受信バッファ304に格納されているストリームデータを復号する処理を行う。
アプリケーション303は、ユーザによる通信モードの設定の変更指示入力に基づいて入力部308から送られてきた制御情報を受信し、これを通信部306を介して送信装置201に対して送信する処理を行う。ここで、通信モードの設定は、入力部308によって受け付けられた指示入力によって行われてもよいし、通信部306を介して外部の装置、たとえば送信装置201から通信によって設定指示が行われるようになっていてもよい。また、アプリケーション303は、現在の通信設定、通信状況を表示部301に表示させる制御を行う。
受信バッファ304は、誤り耐性復号部305から送られてくるパケットを一時的に格納しておくためのバッファであり、復号部302が必要としているタイミングで格納しているパケットをストリームデータとして復号部302に対して出力する処理を行う。
誤り耐性復号部305は、通信部306から受信したパケットを受け取り、送信装置201で付加された誤り耐性を復号する処理を行う。誤り耐性復号部305によって復号されたパケットは、受信バッファ304に伝送される。
通信部306は、送信装置201から送信されたパケットの受信処理を行う。また、通信部306は、受信したパケットがエラーであると認識した場合に、送信装置201に受信応答確認を利用して該当するパケットの再送要求を行う。また、通信部306は、アプリケーション303から入力されたコマンドなどの制御情報を送信装置201との間で送受信する処理を行う。これにより、送信装置201から受信した制御情報をアプリケーション303に通知することが可能となる。
なお、ここでは、物理層の送信レート(PHYレート)が36Mbpsの時にストリームデータを最大9Mbps送信することができるように、HC機能部7ではHCCAで帯域を確保している。また、上述のアプリケーション101からの符号化速度の下限値は1Mbpsと設定する。
なお、符号化速度の上限値は、本来、取得帯域の内、再送分の帯域を10%差し引いた8.1Mbps程度に設定すべきであるが、本実施形態では簡単のため、上限値を9Mbpsと設定する。また、送信装置201の送信バッファ104および受信装置202の受信バッファ304では、ストリームデータをTdb(s)分貯めることができる。そのため、ストリームデータが受信局で再生されるまでの制限時間(ストリームデータの有効期限)はTdb(s)となる。ストリームデータの有効期限に関する情報は、受信側の装置が変わった場合、そのバッファの容量も変わるため、送信バッファ104の容量だけで決定されるものではなく、受信バッファ304によっても変更する。そこで、送信装置201では、このストリームデータの有効期限に関する情報を、受信装置202との間で交換されるストリームデータのQoSに関する情報として、HC機能部7を介して受け取る。
上記のような送信装置201および受信装置202において、ストリームデータを送受信する場合は、受信装置202の復号部302で復号される時間(再生時刻)に間に合っていないデータは意味がないため、再生時刻に間に合うように送信装置201ではパケットの送信を行うことが重要となる。しかし、無線通信においては再送が頻発し再生時刻に間に合わないようなパケットが存在する場合があり、その場合は送信装置201の送信バッファ104において該当するパケットは送信されずに破棄されるべきである。そのため、上記のようにTdb分のバッファを用意している場合は、送信側の送信バッファ104ではパケットを生成した段階でパケットの有効期限を示すライフタイムがTdbを考慮して付けられており、通信部108から送信要求が来た時に現在時刻とライフタイムの比較を行い、ライフタイムが過ぎてしまったパケットは廃棄される。受信装置202では廃棄されたパケットは再生することができないため、結果的に映像が乱れることになる。
本実施の形態にかかる送信装置201では、このような映像の乱れの発生を防止するために、送信装置201において通信環境の変化に素早く反応することのできる符号化速度制御を行っている。以下、符号化速度制御の処理について、いくつかの方法を例に挙げて説明する。
(符号化速度の制御方法1−1)
図1の符号化速度管理部102における符号化速度制御の第1の方法について図12および図13を参照して説明する。図12は、送信装置における符号化速度制御の処理の流れを示すフローチャートであり、図13は、この符号化速度制御処理を行う符合化速度管理部102の内部の構成をより具体的に示す機能ブロック図である。
符号化速度制御の第1の方法では、符号化速度管理部102が、通信路状況測定部107において測定された現在のPHYレートおよびPERの情報と、図7に示すテーブルとを利用して、次の映像レートRinを決定する。図7に示すテーブルは、設定されたPHYレートと、そのPHYレートにおける最大送信容量を示すテーブルの一例であり、テーブル記憶部110に格納されている。
この符号化速度制御を行うために、本実施の形態にかかる送信装置201の符号化速度管理部102の内部には、送信容量(R)算出部21、予測送信容量(Rp)算出部22、および符号化速度(Rin)決定部23が備えられている(図13参照)。
先ず、上記のようにストリームデータを送信する前に、送信装置201のHC機能部7と受信装置202との間でQoSに関するパラメータの設定が行われた後、送信装置201は、ストリームデータの送信を開始する(図12のstart)。送信装置201がストリームデータの送信を開始すると、符号化速度管理部102内の送信容量算出部21は、通信路状況測定部107から現在使用しているPHYレートとパケットエラー率(PER)の情報を収集する(S1201)。
次に、送信容量算出部21は、上記のPHYレートの情報に基づいて、図7に示すテーブルを参照して最大送信容量(Rmax[TM])を確認する(S1202)。なお、最大送信容量とは、送信装置201に割り当てられた帯域を全て使用し、通信状況が良好でパケットエラー率が0%であったと仮定した時に、実現可能な最大スループットのことである。
HCCAで帯域が確保されている場合は、Rmax[TM]は、一定の通信帯域を所定の期間をTXOPとして割り当てられることを保障されているため、現在使用しているPHYレートによって一意に決定することが可能となる。ただし、この最大スループットはパケット長、ACKの種類によって異なる値となる。
さらに、PERを測定する時間の基準はPERをある程度正確に取得できる時間であればどのような時間でもよい。また、図7においては使用するPHYレートは36Mbps、24Mbps、12Mbpsのいずれかである場合を想定してテーブルを作成しているが、54Mbpsや48Mbps、18Mbps、9Mbps、6MbpsのPHYレートに関するテーブルを作成してもよい。
さらに、S1202において、送信容量算出部21は、上記Rmax[TM]およびPERが得られると、下記の式(1)に基づいて現在の送信容量Rを算出する。
R=Rmax[TM]×(1−PER/100) ……(1)
ここで得られるRは、測定された通信状況において実現可能な最大スループットであり、その時間の通信状況を表す指標となる。たとえば、PHYレート36Mbps(TM=1)でPER=20%であるとすると、R=9Mbps×(1−0.2)=7.2Mbpsとなる。
一般的なエンコーダまたはトランスレータを考えた場合、符号化速度管理部102が通信路状況測定部107より得られた情報を基にストリームデータの符号化速度を設定して、実際に符号化速度変更部103が符号化速度を変更するまでには、ミリセカンドオーダーの遅延を要する。
また、一般的なエンコーダまたはトランスレータを考えた場合、符号化速度管理部102が一旦ストリームデータの符号化速度を設定すると、符号化速度変更部103は、以降通常1つのGOP(Group Of Picture)の期間は符号化速度の変更ができないので、一定の符号化速度が維持されつづけることとなる。
そこで、本実施の形態の符号化速度管理部102では、この2つのトランスレータの特徴を考慮して符号化速度変更部103で使用する符号化速度を決定する制御を考える。
ここで、1つのGOPが継続する時間をTGOPとする。TGOPはMPEGの圧縮方式によって決まる一定の値である。本実施の形態では、TGOP=500(ms)とするが、本発明はこれに限定されるものではない。また、符号化速度管理部102が通信路状況測定部107より得られた情報を基にストリームデータの符号化速度を設定してから、実際に符号化速度変更部103によりストリームデータの符号化速度が変更されるまでに要する遅延時間をTdelayとする。上記Tdelayは、符号化速度管理部102および符号化速度変更部103の性能によって決まる一定の値であり、本実施の形態では150(ms)とするが、本発明はこれに限定されるものではない。
TGOPとTdelayを考慮すると、符号化速度管理部102が符号化速度を設定してから、実際に符号化速度変更部103においてストリームデータの符号化速度が変更されるまで、最大TGOP+Tdelayの遅延時間を要する。いま、符号化速度管理部102において設定される符号化速度Rinが常に送信容量Rと等しく、キューサイズQも常に一定である定常状態であると考える。この定常状態では、符号化速度管理部102は、常に符号化速度Rinを送信容量Rと同じ値に設定し続ける。
ここで、送信容量RがRp=kR(0<k<1)に低下し、T0=TGOP+Tdelayの間、符号化速度変更部103においてストリームデータ符号化速度が変更できない場合を想定する。このとき、送信容量がRpに低下してから、T0秒後のキューサイズQ1は
Q1=Q+(Rin−Rp)×T0
である。
また、送信容量RpでTdbの時間中に送信できるデータ量をQdbとすると、
Qdb=Rp×Tdb
である。
T0秒後以降も送信容量Rpの通信状況が続くと想定したとき、Q1がQdb以下ならばパケットが破棄されることはないので、
Q1≦Qdb
より
Rin≦Rp×(T0+Tdb)/T0 − Q/T0
の条件を満たすようにRinを求めていれば、送信容量がRpに低下してT0の間、符号化速度変更部103において符号化速度の変更ができなくても、パケット破棄は発生しないことになる。
また、Rinはなるべく大きい方が受信装置202で高画質の映像が視聴可能となるので、Rinは下記式(2)で算出すればよい。
Rin=Rp×(T0+Tdb)/T0 − Q/T0 ……(2)
ただし、式(2)で算出した符号化速度が、先に設定した下限値1Mbpsを下回る場合、符号化速度は1Mbpsに設定され、上限値9Mbpsを上回る場合は9Mbpsに符号化速度が設定される。式(2)のようにRinを求めることは、送信容量がRpに低下し、T0の間符号化速度が変更できない場合でも、パケットの破棄が発生しない符号加速速度制御となっている。
つまり、符号化速度管理部102により、S1203において、現在の送信容量Rよりも小さい予測送信容量Rpが算出され、S1204において、符号化速度Rinが決定される。これにより、通信環境が良好な状態から急激に悪化した場合にもパケットの破棄が起こらないようになっている。
また、この制御では、通信環境が悪い状態から良好な状態に回復した場合でも即座に符号化速度Rinを増加させることが可能となる。その理由を以下に示す。なお、Tdb=1.5s、T0=0.65s、k=0.33に設定されている場合を想定する。このとき、通信環境が良好な状態に回復しており、キューサイズQ=0であるとすると、符号化速度Rinは次のように求められる。
Rin=1.1×R ……(3)
いま、通信状態が回復しているので、PHYレートが36MbpsでPER=0%であるとすると、S1202より求められる送信容量Rは9Mbpsであり、式(3)が求められる符号化速度Rinは符号化速度の上限値9Mbpsより大きい値となるので、符号化速度を上限値の9Mbpsに設定できる。このようにして、通信状況が悪化したときだけでなく、通信状態が回復したときにも追従性の高いストリームデータのレートを設定できる。
(符号化速度の制御方法1−2)
ところで、通信路状況測定部107においてPHYレートを取得できない場合や、テーブル記憶部110においてテーブルを作成できない場合も考えられる。その場合、図12におけるS1201およびS1202のステップにおける送信容量Rの算出が行えない。このような場合、送信容量Rをある一定時間におけるスループットとして置き換えることによって、上述した制御方法1−1と同様の符号化速度制御を行うことが可能である。その制御について、図14を用いて説明する。
まず、通信路状況測定部107は、送信成功パケット数SCとその測定時間Tmeasureとを、送信容量算出部21に送る。全てのパケットの長さが一定(=L)であるとすると、Tmeasureにおけるスループットは、送信容量Rとして次のように求められる。
R=SC×L/Tmeasure……(4)
また、全てのパケットの長さが一定でない場合でも、通信路状況測定部107において各パケットの長さを観測して、送信成功パケットの総データ量(式(4)のSC×Lに相当)として送信容量算出部21に出力することで、スループットを算出可能である。このスループットを送信容量Rとして、後の動作は制御方法1−1と同様に予測送信容量算出部22で予測送信容量Rpを求め、符号化速度決定部23で符号化速度Rinを決定する。
ここで、テーブル記憶部110を参照できる場合と、できない場合の符号加速度制御の違いについて説明する。たとえば、符号化速度Rin=9Mbpsであり、PHYレートが36Mbpsで通信環境が良好な場合は、双方の送信容量ともに9Mbpsである。
ところが、符号化速度Rin=1Mbpsであり、PHYレートが36Mbpsで通信環境が良好(PER=0%)であり、キューサイズQ=0であるなら、テーブル記憶部110を参照できる場合はPER=0%の場合であることから、送信容量R=9Mbpsとなるので、即座に符号化速度Rinを9Mbpsに増加させることが可能である。
ところが、テーブルを参照できない場合、符号加速速度Rin=1Mbpsであるので、PER=0%であっても送信容量R=1Mbpsである。式(3)より少しずつ符号化速度を上昇させることはできるが、PHYレート情報が取得できない場合や、テーブルを参照できない場合は、どの程度データを送信できるかの予測がつかないので9Mbpsまで戻すのに長い時間を要する。
これを解決するためには、式(3)において、送信容量Rにかかる係数(式(3)では1.1)を大きくすればよい。送信容量Rにかかる係数は、T0、Tdb、kに依存するが、T0は機器ごとに一定の値であり、Tdbは通信中に変更すべきではないので、kを通信状況によって変化させることで解決を図る。
たとえば、送信容量が高いときには大幅に送信容量が低下する可能性があるので、k=0.33とし、送信容量が低いときには、送信容量が高いときほど大幅に低下することはないので、k=0.5とすればよい。このようにすると、送信容量Rが小さい場合には、送信容量Rにかかる係数が式(3)の1.1よりも大きくなるので、より早く符号化速度Rinを増加させることが可能である。
また、PER=0%であるときや、キューサイズが0であるときは、kを1にするなどの制御を行うことによっても、符号化速度Rinの増加をより早くすることが可能である。
このように、通信路状況測定部107においてPHYレートが取得できない場合や、テーブル記憶部110のテーブルが参照できない場合においても、予測送信容量算出部22において、通信状況によってkの値を変化させることで、通信状況が悪化したときだけでなく、通信状態が回復したときにも追従性の高いストリームデータのレートを設定できる。
(符号化速度の制御方法2)
次に、図1の符号化速度管理部102における符号化速度制御の第2の方法について図5および図6を参照して説明する。図5は、送信装置における符号化速度制御の処理の流れを示すフローチャートであり、図6は、この符号化速度制御処理を行う符合化速度ぁ管理部102の内部の構成をより具体的に示す機能ブロック図である。
この符号化速度制御を行うために、本実施の形態にかかる送信装置201の符号化速度管理部102の内部には、送信容量(R)算出部11、送信容量記憶部12、最悪出力レート(Routmin)選択部13、最悪キューサイズ(Qp)算出部14、キューサイズ許容量(Qmax)算出部15、符号化速度(Rin)決定部16が備えられている(図6参照)。
この符号化速度管理部102において行われる符号化速度制御について、図5を参照して以下に説明する。
先ず、上記のようにストリームデータを送信する前に、送信装置201のHC機能部7と受信装置202の間でQoSに関するパラメータの設定が行われた後、送信装置201はストリームデータの送信を開始する(図5のstart)。送信装置201がストリームデータの送信を開始すると、符号化速度管理部1内の送信容量算出部11は、通信路状況測定部107から現在使用しているPHYレートとパケットエラー率(PER)の情報を収集する(S501)。
次に、送信容量算出部11では、上記のPHYレートの情報に基づいて、図7に示すテーブルを参照して最大送信容量(Rmax[TM])を決定する(S502)。図7での最大送信容量は、送信装置201において測定した期間に割り当てられた帯域を全て使用し、通信状況が良好でパケットエラー率が0%であったと仮定した時の最大スループットである。HCCAで帯域が確保されている場合は、Rmax[TM]は、一定の通信帯域を所定の期間をTXOPとして割り当てられることを保障されているため、現在使用しているPHYレートによって一意に決定することが可能となる。ただし、この最大スループットはパケット長、ACKの種類によって異なる値となる。
PERを測定する時間の基準はPERをある程度正確に取得できる時間であればどのような時間でもよい。また、図7においては使用するPHYレートは36Mbps、24Mbps、12Mbpsのいずれかである場合を想定してテーブルを作成しているが、この他にも54Mbpsや48Mbps、18Mbps、9Mbps、6MbpsのPHYレートのテーブルを作成することもできる。
さらに、S502では、上記Rmax[TM]およびPERが得られると、制御方法1−1と同様に式(1)に基づいて現在の送信容量Rが求められる。
本制御方法2においても、制御方法1−1で説明したTGOPとTdelayを考慮し、符号化速度管理部102では、この2つの時間を考慮して符号化速度変更部103で使用する符号化速度を決定する制御を考える。
S502で得られたRは送信容量記憶部12に記憶される。続いて、最悪出力レート選択部13では、送信容量記憶部12に記憶された現在までの送信容量のうちで、過去最悪の出力レート(Routmin、最悪送信容量)を選択し、次のGOP(Group Of Picture)期間内に送信成功になると予測される総データ量を求める(S503)。
ここで、S503における過去最悪の出力レートの選択方法についてより詳しく述べる。ところで、S503で選択される出力レートは、過去最悪のものに限定せず、符号化速度制御を開始した時点で通信路状況測定部107において測定された直前の測定時間における出力レートとしてもよい。しかし、映像乱れは、通信環境が良好な状態から急激に悪化し、その悪化した期間がしばらく継続した場合に発生するため、上記の方法では、急激に悪化する通信環境を予測するのは困難である。そこで、符号化速度管理部102では、常にこの悪化した通信環境が発生することを考慮して符号化速度制御を行うことが好ましい。
そのため、本実施の形態では、通信環境が良好な状態から急激に悪化するような場合には、過去にも同じように悪化した状態が発生している傾向があるので、符号化速度管理部102の送信容量記憶部12では、過去の出力レート(送信容量)を記憶しておき、最悪出力レート選択部13では、その中で最も送信成功パケット数が少なかったときの出力レートを最悪出力レートとして選択する。そして、S503における通信状況の選択の際に、その過去最悪の通信状況が次のGOPが終了するまで継続すると仮定して、次のGOP期間に通信部108より送信される総データ量Pを下記の式(5)に基づいて求める。
P=Routmin×TGOP ……(5)
ここで、過去という定義をストリームデータ送信開始から現時点までとすると、送信容量が0Mbpsであった期間が一度でも存在すると符号化速度管理部102は永遠に送信容量が0Mbpsである通信状況が継続すると仮定して符号化速度を設定してしまうので、過去という定義は現時点から数秒前とするのが適当である。また、過去最悪の出力レートがある閾値を下回る場合には、Routminをその閾値に設定するとしてもよい。
以上のような方法によって、最悪出力レート選択部13では、次のGOP期間内に送信成功になると予測される総データ量Pが求められる。S503において選択されたRoutminおよび求められたPの情報は、最悪キューサイズ算出部14、キューサイズ許容量算出部15、および符号化速度決定部16へ送られる。
続いて、最悪キューサイズ算出部14では、最悪出力レート選択部13から送られたRoutminおよび現在のキューサイズQ、さらに、通信路状況測定部107によって測定された現在の符号化速度Rin0に基づいて、次のGOP開始時(符号化速度変更時、Tdelay後)における最悪キューサイズ(Qp)を下記式(6)から算出する(S504)。
Qp=Q+(Rin0−Routmin)×Tdelay ……(6)
ここで得られる最悪キューサイズQpは、最悪の送信容量が所定の期間継続した場合に送信バッファ104内に蓄積されると予測されるデータ量のことである。つまり、最悪キューサイズQpとは、符号化速度変更の指示を与えてから通信速度が実際に変更されるまでの時間がTdelayであると仮定した場合に、最悪出力レートが起こることを想定して得られるキューサイズのことである。
次に、キューサイズ許容量算出部15では、最悪出力レート選択部13から送られたRoutmin、および、Tdb(ここでは1(s)とする)に基づいて、キューサイズの上限値(Qmax:「キューサイズ許容量」とも呼ぶ)を算出する(S505)。つまり、Qmaxは、ストリームデータの有効期限に関する情報と最悪出力レートとに基づいて決定されるものであり、送信バッファ104内に蓄積することのできるデータ量と言える。なお、ストリームデータの有効期限に関する情報Tdbは、ストリームデータが送信される前に、アプリケーション101を介してHC機能部7より既に送信されている。
ここで、キューサイズを0に保つ符号化速度制御を考えると、次のGOPでストリームデータに使用できるデータ量はP−Qpとなる。これをGOPの時間(すなわち、TGOP)で割ったものが次のGOPにおけるストリームデータの符号化速度となる。しかし、キューサイズは0に保つ必要はなく、パケットは生成されてからライフタイムである1(s)以内に送信成功になればよいので、送信バッファに常にある程度のパケットがある状態でも乱れのない映像を送信することは可能である。そこで、S505では、下記式(7)からQmaxを算出する(S505)。
Qmax=Routmin×Tdb ……(7)
キューサイズはQmaxまで蓄積することが許容されるので、次のGOPでストリームデータに使用できるデータ量はP−Qp+Qmaxとなる。これをGOPに長さ(すなわち、TGOP)の時間で割ることによって次のGOPでのストリームデータの符号化速度Rinを決定することができる。
そこで、符号化速度決定部16では、最悪出力レート算出部13から送られたRoutmin、最悪キューサイズ算出部14から送られたQp、および、キューサイズ許容量算出部15から送られたQmaxに基づいて、下記式(8)から次のGOP期間中の符号化速度Rinを算出する(S506)。
Rin=(P−Qp+Qmax)/TGOP
=(Routmin×TGOP−Qp+Qmax)/TGOP
=Routmin+(Qmax−Qp)/TGOP ……(8)
ただし、S506において、符号化速度が先に設定した下限値1Mbpsを下回る場合は1Mbpsに、上限値9Mbpsを上回る場合は9Mbpsに設定する。このQmaxの概念により通信状況が一時的に悪化した場合でも送信バッファがQmaxに蓄積されるまでは気にする必要はなく、高い符号化速度を保持することが可能である。
なお、ストリームデータの有効期限に関する情報Tdbは、受信側の装置が変わった場合、そのバッファの容量が変わることによって変更される。そこで、送信装置201では、このストリームデータの有効期限に関する情報Tdbを、受信装置202との間で交換されるストリームデータのQoSに関する情報として、HC機能部7を介して受け取る。そして、変更されたTdbの情報は、アプリケーション101を介してキューサイズ許容量算出部15に送られる。これによって、上記(7)式の数値が変更されるため、結果として符号加速度Rinも変更される。
以上のような処理を行うことによって、通信環境が良好な状態では高品質な映像転送が可能であり、かつ通信状況が悪化した状態では乱れの起こりにくい符号化速度制御を行うことが可能となる。
なお、符号化速度制御方法1−1または制御方法2を実行する送信装置201は、その内部にHC機能部7を備えているため、HCCAで帯域を確保した場合において、どれぐらいの帯域が確保できているかを知ることができる。そのため、その帯域における各PHYレートで最大送信容量のテーブルを予め作成しておき、どの符号化速度制御が最も有効かを判定する際にそのテーブルを参照する方法を用いている。しかし、実際にはHC機能が別の機器に備えられている場合も考えられる。その場合は帯域の割り当てを示すパケットを送信装置201が受信することにより、その後の期間を送信装置201は自由にパケットの送信が行うことができる。このようにして、通常はHC機能が送信装置201の中にある場合と同様に扱うことができる。
しかし、HC機能が入った機器と送信装置201との通信状況が悪くなった場合は帯域割り当てを示すパケットの受信エラーが発生するため、割り当てられる帯域が小さくなる場合があり、そのような場合に対応するために、HC機能が入った機器と送信装置201が別である場合には、通信路状況測定部107において、所定の期間で実際に割り当てられた通信帯域を測定する。そして、その通信帯域を全て使い、通信状況が良好でパケットエラー率が0%であると仮定した場合におけるPHYレートごとの送信可能な最大送信容量のテーブルを作成し、そのテーブルを通信帯域を測定する度に更新し、符号化速度制御に用いることにより、HC機能が送信装置201とは別の機器に入っている場合にも対応することができる。また、制御方法1−2で示したように、テーブル自体を使用しない符号化速度制御を用いることによっても、HC機能が送信装置201とは別の機器に入っている場合に対応することができる。
また、上記で述べたように現時点ではHCCA帯域を確保してストリームデータの送信を行う送信装置の他に優先順位に基づく確率で送信権が与えられるEDCAで通信を行う場合やベストエフォート型の通信を行う場合も考慮した制御を行うことが好ましい。このような場合には、通信路状況測定部107において、所定の期間で送信装置が占有した帯域幅及びどの通信機器も帯域を使っていない空き帯域幅を測定し、その時間を合計したものを送信装置が確保できた帯域幅であるとする。そして、その通信帯域を全て使い、通信状況が良好でパケットエラー率が0%であると仮定した場合における最大送信容量のテーブルを作成し、そのテーブルを通信帯域を測定する度に更新し、符号化速度制御を行うことにより、EDCAでの通信やベストエフォート型の通信を行う場合にも対応することができる。また、制御方法1−2で示したように、テーブル自体を使用しない符号化速度制御を用いることによっても、EDCAでの通信やベストエフォート型の通信を行う場合に対応することができる。
上記符号化速度制御を用いることで、通信状況が悪化したときだけでなく、通信状態が回復したときにも追従性の高いストリームデータのレートを設定できる。また、送信装置201において通信状況を判定しているため、受信装置202は符号化速度制御のために特別なフィードバック情報の作成を行う機構を必要としない。
(符号化速度の制御方法3)
次に、送信装置と受信装置が直接通信するものではなく、図15のように送信装置201と受信装置202の間に複数の中継局208・209が存在するような通信システムを考える。このシステムで、受信装置202は、送信装置201から受信したパケットの受信応答確認(ACK)を送信装置201に送信するものとする。
図15のような通信システムの場合、送信装置201は受信装置202からACKを受信することにより、受信装置202の受信状況を知ることができ、受信装置202が受信したデータ量から送信容量を算出することが可能である。
ところで、送信装置201と中継局208との間の通信状況が良好であり、中継局209と受信装置202との間の通信状況が劣悪である場合、送信装置201のキューサイズは小さい値となるため、受信装置202の受信状況が悪くても符号化速度を高く設定することになる。
しかし、中継局209と受信装置202との間は通信状況が劣悪であるため、中継局209のキューサイズが蓄積され続けることになる。しかしながら、送信装置201は中継局209のキューサイズの情報を知ることができないため、符号化速度を高く設定し続ける。その結果、中継局209のキューサイズのオーバーフローが発生する可能性がある。
よって、送信装置201は自身のキューサイズだけでなく、送信装置201から受信装置202の直前までの機器がもつキューサイズの合計を考慮する必要がある。このキューサイズの合計を正確に知るためには、各中継局からのフィードバック情報を必要とするが、全ての中継局にそのような機能をもたせるのは実質的には不可能である。
そこで、符号化速度管理部102において、送信装置201が自身の送信したデータ量の合計と、ACKから得られる受信装置202が受信したデータ量の合計とを比較して、受信装置202の直前までの全ての機器のキューサイズの合計を予測させる。
たとえば、送信装置は、9Mbpsのストリームデータを送信しているが、受信装置202からのACKは1Mbpsのデータ量分しかないという場合には、1秒間測定したとすればキューサイズの合計は8Mbitであると予測できる。したがって、送信装置201にこの予測キューサイズを記憶させておき、測定時間ごとにその値に加減していくことで、キューサイズの合計を予測することができる。
実際には、この予測キューサイズをQとし、ACKから得られる受信装置202の単位時間当りの受信データ量をRとすることにより、式(2)または式(8)と同様の方法で符号化速度Rinを算出することができる。
この符号化速度の制御方法によれば、送信装置201と受信装置202との間に複数の中継局が存在するインターネットや携帯電話のネットワーク網にも、本発明の符号化速度制御を適用することが可能となり、さらに、受信装置202、中継局208・209に対して、符号化速度のために特別なフィードバック情報の作成を行う機構を設ける必要がない。また、その場合、通信媒体203は、光ファイバ、電話回線、同軸ケーブルを用いた通信媒体、および、携帯電話で使用される周波数帯における無線通信媒体であってもよい。
(PHYレート制御について)
続いて、誤り耐性管理部106における誤り耐性制御について説明する。
ところで、送信バッファ104では、パケットを生成した段階でパケットの有効期限を示すライフタイムがTdb(ここでは1(s)とする)を考慮して付けられているため、送信成功レート0の期間が1s以上続くような場合には、損失発生が起き映像が乱れることになる。これは、送信成功レートが0になると、通信状況が悪くなり、時間あたりの送信成功データ量(これを、スループットとも呼ぶ)が低下することによって起こる。この問題を解決する方法としては、スループットを上げるように制御する方法と、送信装置201と受信装置202において今よりも大きなバッファを用意しておき、最大遅延を今までよりも大きく設定できるようにすることで、通信状態が回復するまでの時間が長くても映像乱れを軽減できるようにする方法が考えられる。しかし、後者のように大きなバッファを使うことは、リアルタイム性が損なわれ、コストも増大するため現実的ではない。そこで、本実施の形態にかかる送信装置201においては、誤り耐性を制御することによってスループットの改善を図る。
誤り耐性を変更する手段としては、上述のように、データに誤り訂正符号を適用する方法やPHYレートを変更する方法があるが、誤り耐性を強くすることと通信帯域を大きくすることとは通常はトレードオフの関係にある。それゆえ、通信状況が良好であるときに誤り耐性を強くすると、通信帯域を不用意に小さくしてしまうため、好ましくない。たとえば、誤り訂正符号を使用すると、冗長したデータ量だけ誤り耐性を大きくすることができるが、その分パケットが長くなり伝送に掛かる時間が増加するため、スループットは低下してしまう。
図10、図11には、802.11aにおけるPHYレートと誤り耐性の関係を示す。図10に示すように、誤り耐性の強さは変調方式と符号化率に依存し、また、図11に示すように、同じ受信電力(入力電力)ならばPHYレートが下がるほどパケットエラー率が大きく改善するため、通信路に人や機器などの遮蔽物が通過するなどといった環境の変化により受信電力が下がる場合にはPHYレート制御は有効である。
そこで、本実施の形態にかかる送信装置201には、特にPHYレートを制御することによって誤り耐性制御を行う誤り耐性管理部106が備えられている。誤り耐性管理部106における誤り耐性制御の流れについて、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
なお、ここでは、PHYレートが36Mbpsの時にストリームデータを最大9Mbps送信することができるように、HC機能部7ではHCCAで帯域を確保しているとする。HCCAではTXOPと呼ばれる時間の単位で帯域が与えられる。このTXOPはミリセカンドオーダー(たとえば8ms)であり、このTXOPをPHYレート制御の最小単位として、1つのTXOP中でのPERを測定することによってPHYレート制御を行う。制御に使用するPHYレートは36Mbps、24Mbps、12Mbpsの3種類であるとする。ここで行われるPHYレート制御においては、図7に示すテーブルを利用して、最大送信容量(Rmax[TM])を確認する。図7に示すテーブルは、設定されたPHYレートと、そのPHYレートにおける最大送信容量(すなわち、PERが0%である場合の送信容量)との関係を示すテーブルであり、テーブル記憶部110に格納されている。なお、現在の送信容量Rは、Rmax[TM]×(1−PER/100)の式から算出される。
ストリームデータを送信する前に送信装置201のHC機能部7と受信装置202との間でQoSに関するパラメータの設定が行われた後、送信装置201はストリームデータの送信を開始する(図8のstart)。1つTXOPが終了後、通信路状況測定部107がそのTXOPにおいて使用されているPHYレートとPERを測定する。ここで、現在設定されているPHYレートが36Mbpsであるとする。この場合、S701において誤り耐性管理部106が適切なPHYレートの判定を行い、PHYレートを24Mbpsに変更した方が高いスループットが実現できると判定すれば(S701においてNo)、以降のTXOPにおいて、誤り耐性付加部105はPHYレートを24Mbpsに変更して通信部から送信する。一方、S701においてPERが低く、誤り耐性管理部106がPHYレートに36Mbpsを使用するのが最も有効であると判定すれば(S701においてYes)、誤り耐性付加部105は以降のTXOPにおいてもPHYレートを36Mbpsのままで通信部から送信する。この判定方法の具体的な手順については、後述する。通信路状況測定部107で測定されたPHYレートが36Mbpsならば、これ以上PHYレートが上がることはないので、誤り耐性管理部106は任意のTXOPにおいてPHYレートを下げるという判定のみをすることができる。
次に、通信路状況測定部107において測定されたPHYレートが24Mbpsであった場合の制御について述べる。PHYレートが24Mbpsである場合、PHYレートを36Mbpsに上げる場合の制御と12Mbpsに落とす場合の制御とが選択的に行われる。12Mbpsに落とす場合の制御は、上述のPHYレートが36Mbpsであった場合と同様に、通信路状況測定部107が任意のTXOPにおいてPHYレートとPERを測定する。そして、S705において誤り耐性管理部106が適当なPHYレートの判定を行い、PHYレートとして24Mbpsを使用するより12Mbpsに変更した方が高いスループットが実現できると判定すれば(S705においてNo)、誤り耐性付加部105は以降のTXOPにおいてPHYレートを12Mbpsに落として通信部108から送信する。一方、PHYレート24Mbpsを使用する方が良いと判定すれば(S705においてYes)、元のPHYレートである24Mbpsを用いて通信部108からの送信を行う。このように、現在設定されているPHYレートとその1つ下のPHYレートとの間では、現在設定されているPHYレートとPERからどちらの方が有効であるかの判定が容易に可能である。この判定方法の具体的な手順については、後述する。
しかし、PHYレートを24Mbpsから36Mbpsに上げる場合の制御を考えると、現在の設定レートが24MbpsでPERが0%だったからといって、次のTXOPにPHYレートを36Mbpsに変更してもPHYレートが24Mbpsの場合よりも高いスループットが実現されるかどうかは予測できない。そこで、PHYレートが24Mbpsに設定されている場合、一定期間PHYレートを24Mbpsで送信した後、S702の特定のTXOPにおいて(つまり、所定の期間、たとえば100ms経過後に)、PHYレートを36Mbpsに上げて送信する(S703)。
このTXOPにおいて、誤り耐性管理部106がPHYレートとして24Mbpsを使用する場合よりもPHYレートとして36Mbpsを使用した方が高いスループットを実現できると判定すれば(S704においてYes)、誤り耐性付加部105は以降のTXOPにおいてPHYレートを36Mbpsに上げて通信部より送信を行い、そうでなければ(S704においてNo)、元のPHYレートである24Mbpsを用いて通信部より送信を行う。
その後、一定期間PHYレートとして24Mbpsを使用した通信が継続した後、再びS702の特定のTXOPにおいてPHYレートを36Mbpsに設定して通信を行い、同様の判定を行う。こうすることにより、PHYレートを1つ上に上げる制御が容易に行えるとともに、1つ上のPHYレートにおけるスループットが低い場合でも、ある一定期間の中の1つのTXOPという短い期間だけスループットが低くなるので全体的なスループットの低下も抑制できる。
通信路状況測定部107において測定されたPHYレートが12Mbpsであった場合、誤り耐性管理部106においてPHYレートの最低値が12Mbpsに設定されているため、PHYレートを24Mbpsに上げる制御のみを考えればよい。その制御については先に述べたPHYレートを24Mbpsから36Mbpsに上げる制御と同様で、ある一定期間PHYレートとして12Mbpsを使用した通信が継続すれば、S706の特定のTXOPでPHYレート24Mbpsに上げて通信を行う(S707)。そして、そのTXOPでの通信状況より誤り耐性管理部106が、S708においてどちらのPHYレートの方が高いスループットを実現できるかの判定を行えばよい。
ここで、上記のS701、S704、S705、およびS708においてどちらのPHYレートの方が良いかを判定する方法、すなわち、2つのPHYレートのうちでどちらが高い送信容量を確保できるかを判定する方法について、図9のフローチャートを参照して説明する。
送信装置201は、予めHCCAでPHYレートとして36Mbpsを使用した場合に送信したいストリームデータ分の帯域を確保されているとする。なお、ここでは、上述のように、物理層の送信レート(PHYレート)が36Mbpsの時にストリームデータを最大9Mbps送信することができるようにHC機能部7ではHCCAで帯域を確保している。このときのPHYレートと所定期間中に最大送信容量との関係は、図7に示すテーブルの通りである。
先ず、通信路状況測定部107では、現在の通信帯域を測定し、現在のPHYレートを観測するとともに、通信部108から、受信装置202からのパケットの受信応答確認の受信状況を取得し、該受信状況の情報に基づいてPERを算出する処理を行う。そして、ここで得られたPHYレートおよびPERに関する情報を、誤り耐性管理部106へ送信する(S800)。
誤り耐性管理部106では、送信された現在のPHYレートが、現在の通信帯域において設定できる最大のPHYレートであるか否かの判定を行う(S801)。ここで、現在のPHYレートが最大である(具体的には36Mbps)と判定された場合には(S801においてNo)、適切なPHYレートを選択するためにS803からの処理を行う。一方、現在のPHYレートが最大でないと判定された場合には(S801においてNo)、一定期間経過後に特定のTXOPにおいて、PHYレートを一つ上げて、誤り耐性を弱くした後(S802)、S803からの処理を行う。
S803において、誤り耐性管理部106は、図7に示すテーブルを参照して、現在のPHYレートにおける最大送信容量Rmax[TM]と、PHYレートを一つ下げた場合の最大送信容量Rmax[TM+1]を確認する。次に、誤り耐性管理部106では、下記の式(9)に基づいて現在の送信容量Rを求める(S804)。
R=Rmax[TM]×(1−PER/100) ……(9)
なお、上記式(9)は、符号化速度制御における送信容量Rの算出に用いられるものと同じである。
その後、S804で得られたRと、PHYレートを一つ下げた場合の最大送信容量Rmax[TM+1]との比較を行う(S805)。ここで、Rの方がRmax[TM+1]よりも小さい場合には(S805においてYes)、PHYレートを下げた方が、高いスループットが実現できると判定し、PHYレートを一つ下げる(S806)。一方、R[TM]がRmax[TM+1]と同じか、または、Rの方がRmax[TM+1]よりも大きい場合には、現在のPHYレートの方が高いスループットが実現できると判定し、PHYレートの変更は行わない(S807)。
具体的には、TXOPにおいて、通信路状況測定部107で測定されたPHYレートが36Mbps、PERが50%であったとすると、以降のTXOPでPHYレートとして36Mbpsを使用した場合の送信容量は、R=9×(1−0.5)から、4.5Mbpsと予測される。一方、PHYレートを一つ下げた24Mbpsを使用した場合、誤り耐性が強くなるのでPERが改善され0%になることが期待される(図11参照)。したがって、Rmax[2]=6Mbps(図7参照)である。よって、この状況では、誤り耐性管理部106はPHYレートとして36Mbpsを使用するよりも24Mbpsを使用する方が高いスループットが実現できると判定する。
以上のような手順で2つのPHYレートのうちでどちらが高い送信容量を確保できるかを判定することによって、受信局側が特別に作成するフィードバック情報を必要とせず、通信状況が悪化したときだけでなく、通信状態が回復したときにも反応速度の速い誤り耐性制御を行うことができる。
ここでは、PHYレートを変更する時間の基準としてTXOPを用いているが、PHYレートを自動的に上げる所定の期間(ここでは、100ms)よりも十分小さい値であれば、どのような時間であってもよい。
また、ここでは、PHYレートの変更制御を予め作成したRmax[TM]のテーブルを参照して行っているが、パケットエラー率の情報のみでも同様の制御を行ってもよい。たとえば、PHYレートを24Mbpsから12Mbpsに変更するパケットエラー率の閾値を12/24=0.5としておけば、PHYレートが24Mbpsであるときにパケットエラー率が60%であった場合、PHYレートを12Mbpsに変更した方が高い送信容量が確保できると予測することが可能である。
なお、本実施の形態の送信装置201は、その内部にHC機能部7を備えているため、HCCAで帯域を確保した場合において、どれぐらいの帯域が確保できているかを知ることができる。そのため、その帯域における各PHYレートで最大送信容量のテーブルを予め作成しておき、どの誤り耐性制御が最も有効かを判定する際にそのテーブルを参照する方法を用いている。しかし、実際にはHC機能が別の機器に備えられている場合も考えられる。その場合は、帯域の割り当てを示すパケットを送信装置201が受信することにより、その後の期間を送信装置201は自由にパケットの送信が行うことができる。このようにして、通常はHC機能が送信装置201の中にある場合と同様に扱うことができる。
しかし、HC機能が入った機器と送信装置201との通信状況が悪くなった場合は帯域割り当てを示すパケットの受信エラーが発生するため、割り当てられる帯域が小さくなる場合がある。そのような場合に対応するために、HC機能が入った機器と送信装置201が別である場合には、通信路状況測定部107において、所定の期間で実際に割り当てられた通信帯域を測定する。そして、その通信帯域を全て使い、通信状況が良好でパケットエラー率が0%であると仮定した場合におけるPHYレートごとの最大送信容量テーブルを作成し、そのテーブルを通信帯域を測定する度に更新し、誤り耐性制御に用いことも可能である。このようにして、HC機能が送信装置201とは別の機器に入っている場合にも対応することができる。
また、上記で述べたように現時点ではHCCAで帯域を確保してストリームデータの送信を行う送信装置の他に、EDCAでの通信やベストエフォート型の通信を行う場合も考慮した制御を行うことが好ましい。それらの場合には、通信路状況測定部107において、所定の期間で送信装置が占有した帯域幅及びどの通信機器も帯域を使っていない空き帯域幅を測定し、その時間を合計したものを送信装置が確保できた帯域幅であるとする。そして、その通信帯域を全て使った場合のPHYレートごとの最大送信容量のテーブルを作成し、そのテーブルを通信帯域を測定する度に更新し、誤り耐性制御に用いることにより、EDCAでの通信やベストエフォート型の通信を行う場合にも対応することができる。
なお、ここでは誤り耐性制御をPHYレートとして36Mbps、24Mbps、12Mbpsの3種類のみを考えているが、IEEE802.11aで定義されているPHYレートならばどのPHYレートを組み込んでもよい。また、PHYレート制御以外にも、データにRead Solomon符号やターボ符号などの誤り訂正符号を適用する送信方式を組み込んでもよい。
以上の制御により、通信状況が悪化したときだけでなく、通信状態が回復したときにも追従性の高い誤り耐性制御を行うことができる。また、送信装置201において通信状況を判定しているため、受信装置202には特別なフィードバック情報を作成する機構を設ける必要が無い。
以上のように、本実施の形態にかかる送信装置201においては、上述した符号化速度制御および誤り耐性制御の両方を行っているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上述した符号化速度制御あるいは誤り耐性制御のうちの何れか一方のみを行うものであってもよい。上述した符号化速度制御のみを行う場合には、上述のような構成を有する誤り耐性管理部106を設ける必要はなく、従来公知の誤り耐性管理部の構成とすればよい。一方、上述した誤り耐性制御のみを行う場合には、上述のような構成を有する符号化速度管理部102を設ける必要はなく、従来公知の符号化速度管理部の構成とすればよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上記のデータ送信部1が備えるアプリケーション101、符号化速度管理部102、符号化速度変更部103、誤り耐性付加部105、誤り耐性管理部106、通信路状況測定部107、および通信部108は、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態のデータ送信部1が備える各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、たとえばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め送信装置201に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットなどの通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め送信装置201に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
以上のように、本発明の通信装置は、リアルタイム伝送が必要な符号化されたストリームデータを伝送する通信装置であって、前記通信装置は前記ストリームデータを一時的に蓄積するための送信バッファと、前記送信バッファで蓄積されたデータを外部の通信装置へ送信を行う通信部と、前記通信部での通信状況を測定する通信路状況測定部とを備え、前記通信状況測定部では送信情報の測定を行い、前記情報に基づいてリアルタイム伝送が途切れないように制御するものであってもよい。本発明の通信装置において、前記送信情報は、送信方式、所定期間でのパケットエラー率の情報または送信が成功したパケット数と送信が失敗したパケット数であってもよい。
このような通信装置において、映像や音声などリアルタイム伝送が必要なストリームデータを送信する場合に、通信装置内部の情報だけを基に制御を行うことにより、ストリームデータの受信側としての受信装置が特別に作成するフィードバック情報を必要せず、また通信状況が悪化したときだけでなく、通信状況が良好になった場合にも反応速度の速い制御が可能となる。
前記通信装置は、前記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、前記符号化速度変更部の符号化速度を管理する符号化速度管理部とを備え、前記通信状況測定部での通信状況の測定結果に基づいて前記符号化速度管理部で符号化速度の変更指示を行ってもよい。このように、通信装置において現在の通信状況の測定結果に基づいて符号化速度制御を行うことにより、映像乱れを軽減することが可能となる。
前記通信装置は、前記送信バッファで蓄積されたデータに誤り耐性を付加する誤り耐性付加部と前記誤り耐性付加部を管理する誤り耐性管理部とを備え、前記通信状況測定部での通信状況の測定結果に基づいて前記誤り耐性管理部で誤り耐性の変更指示を行ってもよい。このように、通信装置において現在の通信状況の測定結果に基づいて誤り耐性制御を行うことにより、映像乱れを軽減することが可能となる。
前記通信装置は、前記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、前記符号化速度変更部の符号化速度を管理する符号化速度管理部と、前記送信バッファで蓄積されたデータに誤り耐性を付加する誤り耐性付加部と前記誤り耐性付加部を管理する誤り耐性管理部とを備え、前記通信状況測定部での通信状況の測定結果に基づいて前記符号化速度管理部で符号化速度の変更指示を行い、前記誤り耐性管理部で誤り耐性の変更指示を行ってもよい。このように、通信装置において現在の通信状況の測定結果に基づいて符号化速度制御と誤り耐性制御を行うことにより、映像乱れを軽減することが可能となる。
また、本発明にかかる通信装置において、前記符号化速度管理部では、前記送信バッファの蓄積情報(キューサイズ)の最大値を設定し、符号化速度が設定されてから一定期間後にキューサイズが前記最大値を越えない符号化速度を選択することが好ましい。
このように、通信装置において、ある一定のキューサイズまでは送信バッファにパケットを蓄積させることが可能であるので、一時的に通信環境が悪化した場合には高い符号化速度を保持させることが可能となる。
また、本発明にかかる通信装置は、前記通信状況測定部では前記通信部の通信状況を取得し、符号化速度管理部では、前記通信状況が常に悪化すると想定することが好ましい。このように、通信装置において、常に将来の通信状況が悪化すると想定して符号化速度を制御することにより、実際に急激に通信状況が悪化した場合にも映像乱れを発生させることなくストリームデータ転送を行うことが可能となる。
また、本発明にかかる通信装置は、前記通信状況測定部では前記通信部である一定期間に使用されたPHYレート情報と前記一定期間中のPERを収集して記憶し、その後同様の測定を行い、通信環境がより悪いと判定された場合は記憶しているPHYレートとPERの組み合わせを更新し、以降も同様の手順を繰り返すことが好ましい。
このように、通信装置において、過去に最も通信環境が悪くなった場合のPHYレートとPERを記憶しておくことが可能で、通信装置が常にこの最悪の通信環境が発生すると予測して符号化速度を制御することによって、急激に通信状況が悪化した場合にも映像乱れを発生させることなくストリームデータ転送を行うことが可能となる。
本発明の通信装置において、前記符号化速度管理部では上限値および/または下限値を設定でき、前記範囲内で符号化速度の変更指示を行ってもよい。このように、符号化速度制御の上限値を設定できるようにすることにより、求められている品質以上にストリームデータのレートを設定して、通信帯域を必要以上に占有することや、通信環境が悪化した場合に映像乱れが発生しやすくなる状況を回避することができる。また、符号化速度制御の下限値を設定できるようにすることにより、最低限の品質を確保することが可能となる。
本発明の通信装置において、前記通信状況測定部では、前記通信部で使用している送信方式(具体的には、PHYレート、データにRead Solomon符号やターボ符号などの誤り訂正符号を適用する送信方式など)の情報を収集し、前記誤り耐性管理部では前記情報に基づいて誤り耐性の変更指示を行ってもよい。このように、現在使用している送信方式の情報を収集することにより、現在の通信路の状況を的確に把握することが可能となる。
本発明の通信装置において、前記誤り耐性付加部では、前記送信バッファで蓄積されたデータに対して送信方式を指定して前記通信部を介してストリームデータを伝送すると共に、前記誤り耐性管理部では、使用する前記送信方式の種類を設定でき、前記通信状況の測定結果に基づいて、前記送信方式を制御することによって誤り耐性の変更指示を行ってもよい。
このように、付加する誤り耐性の変更を行うことにより、通信状況が悪化した場合には送信方式の設定を変更して(たとえば、PHYレートを下げて)、スループットの改善を図ることが可能となる。また、PHYレートの上限値を設定できるようにすることにより、PHYレートが上がり、誤り耐性が弱くなり過ぎて、安定して通信可能となる範囲が小さくなることを回避することができ、また、PHYレートの下限値を設定できるようにすることにより、PHYレートを下げて、必要以上に誤り耐性を強くしてスループットが下がる状況を回避することが可能となる。
本発明の通信装置において、前記通信状況測定部では、前記通信部で使用している前記送信方式の情報を測定し、前記送信方式の情報を利用して送信容量を算出してもよい。
本発明の通信装置において、前記通信状況測定部では、前記通信部で使用している前記送信方式の情報と所定の期間で割り当てられた通信帯域を測定し、前記送信方式の情報と通信帯域の情報を利用して、送信容量を算出してもよい。
本発明の通信装置において、前記通信状況測定部では、前記通信部で使用している前記送信方式の情報と所定の期間で前記通信装置が占有した帯域幅及び空き帯域幅を測定し、前記送信方式の情報と占有帯域幅及び空き帯域幅の情報を利用して、送信容量を算出してもよい。
本発明の通信装置において、前記通信状況測定部では、成功したデータ量の情報を利用して送信容量を算出してもよい。
本発明の通信装置において、前記送信方式とは、前記送信バッファで蓄積されたデータをより小さなサイズに分割する制御の有無、または前記分割するサイズの種類であってもよい。
本発明の通信装置において、前記誤り耐性付加部では、上記の何れかの送信方式のうち、少なくとも一つの送信方式を使用するものであってもよい。本発明の通信装置において、前記送信容量とは、前記誤り耐性付加部で使用された送信方式で所定の期間に実現可能な最大スループットであってもよい。
また、本発明にかかる通信装置は、前記通信状況測定部では前記通信部で使用しているPHYレートの情報を測定し、前記PHYレートの情報を利用して送信容量を算出することが好ましい。これによって、HCと通信装置が同じ機器で構成されているような場合において、HCCAによって帯域が確保されている場合には、現在使用しているPHYレートを測定するだけで、送信容量を算出することが可能となる。
また、本発明にかかる通信装置は、前記通信状況測定部では前記通信部で使用しているPHYレートの情報と所定の期間で割り当てられた通信帯域を測定し、前記PHYレートの情報と通信帯域の情報を利用して、送信容量を算出することが好ましい。これによって、HCと通信装置が別々の機器で構成されている場合において、HCCAによって帯域が確保されている場合においても、HCから実際に割り当てられた帯域と現在使用しているPHYレートを測定することにより、送信容量を算出することが可能となる。
また、本発明にかかる通信装置は、前記通信状況測定部では前記通信部で使用しているPHYレートの情報と所定の期間で前記通信装置が占有した帯域幅及び空き帯域幅を測定し、前記PHYレートの情報と占有帯域幅及び空き帯域幅の情報を利用して、送信容量を算出することが好ましい。
これによって、EDCAでの通信やベストエフォート型の通信を使ってストリームデータの伝送を行っているような場合においても、通信装置が実際に使用した帯域と空き帯域とPHYレートを測定することにより、送信容量を算出することが可能となる。
本発明によると、通信装置において現在の通信状況の測定を行い、その測定結果から符号化速度制御および/または誤り耐性制御を行うことにより、ストリームデータの受信側としての受信装置が特別に作成するフィードバック情報を必要としないため、受信装置に余計な回路構成を必要としない通信システムの構築ができる。また、PHYレートの情報などから通信状況に対する最大送信容量を算出し、その情報とパケットエラー率を利用して符号化速度制御および/または誤り耐性制御を行うことにより、通信環境の変化に対する反応速度の速い符号化速度制御および/または誤り耐性制御を行うことができる。また、通信環境が悪化した場合に符号化速度制御を利用する場合においてはストリームデータの入力する量を減らすことにより映像乱れの軽減を図り、誤り耐性制御を利用する場合においてはスループットが向上するように制御することで映像乱れの軽減を図ることができる。
符号化速度制御と誤り耐性制御を同時に使用する場合には、より映像乱れを軽減させることができるだけではなく、単独で使用する場合に比べて通信装置において必要となる送信バッファの量を減らすことができるため、コストの増大を防ぐことができる。また、符号化速度制御において、通信状況が悪化した場合にストリームデータの入力する量を減らさずに、送信バッファ量を許容量まで蓄積させることで映像の高品質化を図ることができる。さらに、急激な通信状況の悪化は予測困難であるので、符号化速度制御の際に、常に通信状況が現在よりも悪化すると想定する、または、予め過去の通信状況の中で最悪であったものを記憶しておき、常にそれが発生することを想定することによって急激な通信状況の悪化が発生した場合でも映像乱れを軽減させることができる。これらの制御はHCCAなどの帯域が保証されている場合だけでなく、EDCAでの通信やベストエフォート型の通信においても通信状況に対する送信容量を算出することが可能であるため、あらゆる通信装置において利用することができる。
(補足)
なお、本発明の課題は、様々な通信状況、通信設定の中でリアルタイム性のあるストリームデータを伝送する場合において、受信局側からのフィードバックを必要とせず、送信局側において通信環境の変化に対する反応速度の速いトランスレート制御(すなわち、符号化速度の設定制御)および/または誤り耐性制御を適用することにより、通信乱れを軽減することができる通信装置、通信方法、通信プログラム、通信プログラムを記録した記録媒体、および通信システムを提供することにもある。
本発明にかかる通信装置は、上記課題を解決するために、リアルタイム伝送が必要とされるストリームデータを、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によって送信する通信装置であって、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、上記符号化速度管理部は、ストリームデータの有効期限の情報に基づいて符号化速度を決定することを特徴としてもよい。
また、本発明にかかる通信方法は、上記課題を解決するために、リアルタイム伝送が必要とされるストリームデータを、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によって送信する通信方法であって、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更ステップと、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理ステップとを備え、上記符号化速度管理ステップでは、ストリームデータの有効期限の情報に基づいて符号化速度を決定することを特徴としてもよい。
本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、送信すべきデータを一時的に蓄積する送信バッファと、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部とをさらに備え、上記符号化速度管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求める送信容量算出部と、上記送信容量と上記ストリームデータの有効期限の情報とに基づいて、上記送信バッファ内に蓄積することのできるデータ量を予測し、このデータ量に基づいて符号化速度を決定する符号化速度決定部とを有していてもよい。
本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、上記符号化速度管理部は、上記送信容量算出部において求められた送信容量を記憶する送信容量記憶部をさらに備え、上記符号化速度決定部は、上記送信容量記憶部に記憶されている過去の送信容量と上記ストリームデータの有効期限の情報とに基づいて、上記送信バッファ内に蓄積することのできるデータ量を予測し、このデータ量に基づいて符号化速度を決定してもよい。
また、本発明にかかる通信装置は、上記課題を解決するために、リアルタイム伝送が必要とされるストリームデータを、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によって送信する通信装置であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部と、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、上記符号化速度管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求める送信容量算出部と、上記送信容量算出部において求められた送信容量を記憶する送信容量記憶部と、上記送信容量記憶部に記憶されている過去の送信容量の履歴に基づいて符号化速度を決定する符号化速度決定部とを有することを特徴としてもよい。
また、本発明にかかる通信方法は、上記課題を解決するために、リアルタイム伝送が必要とされるストリームデータを、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によって送信する通信方法であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定ステップと、上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更ステップと、上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理ステップとを備え、上記符号化速度管理ステップでは、上記通信路状況測定ステップで測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求めた後、求められた送信容量を記憶し、記憶されている過去の送信容量の履歴に基づいて符号化速度を決定することを特徴としている。
上記の構成および方法では、通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求め、この送信容量を記憶しておき、記憶された過去の送信容量の履歴に基づいて符号化速度を決定している。ここで、送信容量とは、所定期間中に測定された通信状況において送信可能なパケットの最大数のことである。そのため、この送信容量を算出すれば、受信側への送達が成功したと予測されるパケットの最大数を認識することが可能となり、通信状況の指標として利用することが可能となる。また、ここで「過去の送信容量の履歴」とは、例えば、符号化速度決定部が次の符号化速度を決定する直前の数秒間(具体的には、1秒間)に随時記憶される各送信容量のことを意味する。つまり、過去の送信容量の履歴を見れば、今後の通信状況の動向を予測すること、特に今後どの程度通信状況が悪化するかを予測することが可能となる。
上記の構成および方法によれば、送信側の通信装置において測定された通信状況に基づいて符号化速度の設定制御を行うことによって、受信側の通信装置からのフィードバックを必要とせず、通信環境の変化に迅速に追従することができる。また、過去の送信容量の履歴に基づいて符号化速度の設定制御を行うことによって、通信状況が悪化した場合を想定した制御を行うことができ、急激な通信状況の悪化が発生した場合に発生する通信乱れを軽減することができる。
本発明にかかる通信装置は、上記課題を解決するために、リアルタイム伝送が必要とされるストリームデータを、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によって送信する通信装置であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部と、送信されるパケットに誤り耐性を付加する誤り耐性付加部と、上記誤り耐性付加部において付加する誤り耐性を制御する誤り耐性管理部とを備え、上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求め、上記送信容量が閾値を下回った場合に誤り耐性をより強くするように変更し、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、上記通信状況測定部で測定された通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするように制御することを特徴としている。
また、本発明にかかる通信方法は、上記課題を解決するために、リアルタイム伝送が必要とされるストリームデータを、通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によって送信する通信方法であって、上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定ステップと、送信されるパケットに誤り耐性を付加する誤り耐性付加ステップと、上記誤り耐性付加ステップにおいて付加する誤り耐性を制御する誤り耐性管理ステップとを備え、上記誤り耐性管理ステップでは、上記通信路状況測定ステップで測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求め、上記送信容量が閾値を下回った場合に誤り耐性をより強くするように変更し、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、上記通信状況測定ステップで測定された通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするように制御することを特徴としている。
上記の構成および方法では、通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求めている。ここで、送信容量とは、前記のように、所定期間中に測定された通信状況において送信可能なパケットの最大数のことである。そのため、送信容量が低下した場合には、通信状況が悪化していることが予測される。そこで、上記の構成および方法では、算出された送信容量が閾値を下回った場合には、誤り耐性を強くするような制御を行う。また、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするような制御を行う。
このように、本発明における誤り耐性の制御は、送信側の通信装置において測定された通信状況に基づいて誤り耐性制御を行うことによって、受信側の通信装置からのフィードバックを必要とせず、通信環境の変化に迅速に追従することができる。また、送信容量が低下したことを通信状況が悪化したことの指標として誤り耐性を強くする制御を行えば、現在の通信状況を的確に把握した制御を行うことができる。さらに、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合に、通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くする制御を行えば、通信状況が回復した場合に即座に追従可能である。
本発明の通信装置は、上記の構成に加えて、送信されるパケットに誤り耐性を付加する誤り耐性付加部と、上記誤り耐性付加部において付加する誤り耐性を制御する誤り耐性管理部とをさらに備え、上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求め、上記送信容量が閾値を下回った場合に誤り耐性をより強くするように変更し、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、上記通信状況測定部で測定された通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするように制御してもよい。
上記の構成によれば、通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求めることによって、ストリームデータの符号化速度が決定されるだけではなく、送信されるパケットに付与される誤り耐性も変更されるようになっている。よって、送信側の通信装置において遅滞なく通信状態の測定が行われ、これに基づいて符号化速度および誤り耐性が変更されるので、通信状態の変化に迅速に追従する符号化速度および誤り耐性の変更制御を行うことが可能となり、映像乱れをより軽減することができる。また、上記の符号化速度の決定と上記の誤り耐性制御とをそれぞれ単独で使用する場合に比べ、通信装置においてデータを一時的に蓄積するために必要となる送信バッファの量を減らすことができるため、コストの増大を防ぐことができる。
本発明の通信装置において、上記通信路状況測定部が、所定の期間において当該通信装置が占有した占有帯域幅および空き帯域幅をさらに測定するとともに、上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記物理層通信速度、ならびに、上記占有帯域幅および上記空き帯域幅の情報に基づいて上記送信容量を算出することが好ましい。
上記の構成によれば、物理層通信速度に加えて、所定の期間において当該通信装置占有帯域幅および上記空き帯域幅の情報に基づいて送信容量が算出されることになる。したがって、例えばベストエフォート型で通信が行われる場合においても、より的確に送信容量を算出することが可能となる。
本発明は、受信局側が特別に作成するフィードバック情報を必要とせず、さらに送信局側において通信環状の変化に対する反応速度の速い符号化速度の制御および誤り耐性制御を行うことができるため、リアルタイム性が要求される映像データなどを送受信する通信システムに有効に利用することができる。
図3に示す送信装置内のデータ送信部の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る通信システムの概略構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る送信装置の構成を示すブロック図である。 図2に示す通信システムを構成する受信装置の構成を示すブロック図である。 図3に示す送信装置における符号化速度制御の第2の方法に係る処理の流れを示すフローチャートである。 図5に示す符号化速度制御処理を行う符合化速度管理部の内部の構成を示す機能ブロック図である。 図3に示す送信装置内のテーブル記憶部に記憶され、PHYレートと最大送信容量との関係を示すテーブルである。 図3に示す送信装置における誤り耐性制御の処理の流れを示すフローチャートである。 図3に示す送信装置における誤り耐性制御において、2つのPHYレートのうちでどちらの方が良いかを判定する手順を示すフローチャートである。 PHYレートと誤り耐性との関係を示す表である。 各PHYレートの入力電力とパケットエラー率との関係を示すグラフである。 図3に示す送信装置における符号化速度制御の第1の方法の処理の流れを示すフローチャートである。 図12に示す符号化速度制御処理を行う符合化速度管理部の内部の構成を示す機能ブロック図である。 テーブル記憶部を参照しない場合の符号化速度管理部の内部の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る通信システムの概略構成を示す模式図である。
符号の説明
1 データ送信部
7 HC機能部
11 送信容量算出部
12 送信容量記憶部
16 符号化速度決定部
101 アプリケーション
102 符号化速度管理部
103 符号化速度変更部
104 送信バッファ
105 誤り耐性付加部
106 誤り耐性管理部
107 通信路状況測定部
108 通信部
109 アンテナ
110 テーブル記憶部
201 送信装置(通信装置)
202 受信装置
203 通信媒体

Claims (22)

  1. 通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信装置であって、
    上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、
    上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、
    上記符号化速度管理部は、上記符号化速度変更部に対して符号化速度変更の指示を与えてから、実際に符号化速度変更部が符号化速度を変更するまでの遅延時間の情報に基づいて、符号化速度を決定する符号化速度決定部を有することを特徴とする通信装置。
  2. 上記符号化速度管理部は、ストリームデータの有効期限の情報に基づいて符号化速度を決定する符号化速度決定部を有することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 送信すべきデータを一時的に蓄積する送信バッファと、
    上記通信媒体における通信状況を測定する通信路状況測定部とをさらに備え、
    上記符号化速度管理部は、
    上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットの送信容量を求める送信容量算出部をさらに備え、
    上記符号化速度決定部は、上記送信容量と上記送信バッファ内のデータ蓄積量とにさらに基づいて、符号化速度を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  4. 上記符号化速度決定部は、将来の送信容量が現在の送信容量よりも常に小さくなると予測して、その予測された将来の送信容量に基づいて符号化速度を決定することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  5. 上記符号化速度管理部は、上記送信容量算出部において求められた送信容量を記憶する送信容量記憶部をさらに備え、
    上記符号化速度決定部は、上記送信容量記憶部に記憶されている過去の送信容量と上記送信バッファ内のデータ蓄積量とに基づいて、符号化速度を決定することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  6. 送信されるパケットに誤り耐性を付加する誤り耐性付加部と、
    上記誤り耐性付加部において付加する誤り耐性を制御する誤り耐性管理部とをさらに備え、
    上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部で測定された通信状況に基づいて、所定期間中に送信されるパケットのパケットエラー率を求め、上記パケットエラー率が閾値以上になった場合に誤り耐性をより強くするように変更し、誤り耐性が変更されないまま所定の期間が経過した場合は、上記通信状況測定部で測定された通信状況に関わりなく誤り耐性を弱くするように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  7. 上記符号化速度決定部は、上記送信容量記憶部に記憶されている過去の送信容量のうち、容量が最も小さい最悪送信容量に基づいて符号化速度を決定することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
  8. 上記符号化速度決定部は、符号化速度に、上限値および下限値の少なくとも一方を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  9. 上記符号化速度変更部は、
    上記符号化速度決定部により決定された符号化速度、または、同じ内容のストリームデータについて符号化された複数の符号化速度のうち上記符号化速度決定部により決定された符号化速度に最も近い符号化速度に、ストリームデータの符号化速度を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
  10. 上記通信媒体を介してデータ伝送を行う際の物理層としての機能を有する通信部を備え、
    上記通信路状況測定部が、上記通信部における物理層が設定している物理層通信速度およびパケットエラー率を測定するとともに、
    上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部によって測定される物理層通信速度および上記パケットエラー率に基づいて、上記送信容量を算出することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  11. 上記物理層通信速度と所定期間中に送信可能な最大送信容量との関係を示すテーブルを記憶するテーブル記憶部をさらに備えるとともに、
    上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部において測定された物理層通信速度に基づいて、上記テーブルから該当する最大送信容量を取得し、上記最大送信容量と上記通信路状況測定部において測定されたパケットエラー率とに基づいて送信容量を算出することを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
  12. 上記通信路状況測定部が、所定の期間において当該通信装置に割り当てられた通信帯域をさらに測定するとともに、
    上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記物理層通信速度および上記通信帯域の情報に基づいて上記送信容量を算出することを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
  13. 上記通信路状況測定部が、所定の期間において当該通信装置が占有した占有帯域幅および空き帯域幅をさらに測定するとともに、
    上記符号化速度管理部および/または上記誤り耐性管理部は、上記物理層通信速度、ならびに、上記占有帯域幅および上記空き帯域幅の情報に基づいて上記送信容量を算出することを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
  14. 上記符号化速度管理部は、上記通信路状況測定部によって測定される送信成功データ量に基づいて、上記送信容量を算出することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  15. 上記誤り耐性管理部は、上記通信路状況測定部において測定したパケットエラー率に基づいて現在の送信容量を算出し、上記現在の送信容量と、誤り耐性を強くした場合に送信可能な最大送信容量との比較を行い、上記現在の送信容量が上記誤り耐性を強くした場合の最大送信容量を下回った場合に、誤り耐性を強くするように制御することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  16. 上記通信媒体を介してデータ伝送を行う際の物理層としての機能を有する通信部を備え、
    上記誤り耐性管理部は、上記通信部における物理層が設定している物理層通信速度を変更することによって誤り耐性を制御することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  17. 上記誤り耐性管理部が、上記誤り耐性付加部に対して、誤り訂正符号の符号化方式および/または符号化パラメータを変更する指示を行うことによって誤り耐性を制御することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  18. 複数の中継局を介して外部の受信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信装置であって、
    上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更部と、
    上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理部とを備え、
    上記符号化速度管理部は、上記符号化速度変更部に対して符号化速度変更の指示を与えてから、実際に符号化速度変更部が符号化速度を変更するまでの遅延時間の情報に基づいて、符号化速度を決定する符号化速度決定部を有し、
    上記符号化速度管理部は、上記通信装置が送信したデータ量の合計と、上記受信装置が受信したデータ量の合計とを比較することで、上記通信装置および上記複数の中継局のそれぞれにおける送信バッファ内のデータ蓄積量を予測し、当該予測されたデータ蓄積量と、上記受信装置の受信データ量とに基づき、符号化速度を決定することを特徴とする通信装置。
  19. 通信媒体を介して外部の通信装置に対してパケット通信によってストリームデータを送信する通信方法であって、
    上記ストリームデータの符号化速度を変更する符号化速度変更ステップと、
    上記符号化速度の変更を制御する符号化速度管理ステップとを備え、
    上記符号化速度管理ステップでは、上記符号化速度変更ステップにおいて符号化速度変更の指示を受けてから、実際に符号化速度変更ステップにおいて符号化速度が変更されるまでの遅延時間の情報に基づいて、符号化速度を決定することを特徴とする通信方法。
  20. 請求項1から18のいずれか1項に記載の通信装置を動作させる通信プログラムであって、コンピュータを上記の各部として機能させるための通信プログラム。
  21. 請求項20に記載の通信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  22. 請求項1から18のいずれか1項に記載の通信装置と、
    上記通信装置と通信媒体を介して通信可能であり、該通信装置からストリームデータを受信する受信装置とを備えたことを特徴とする通信システム。
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